JPH05328239A - テレビジョン受像機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有料放送，無料放送等の放送状態に合わせて
常に最適な映像（音声）ミュートをかけることができる
テレビジョン受像機を提供する。 【構成】 チャンネルを切り換える場合、ステップ１１
で映像ミュートをかけ、ステップ１２でチャンネルを切
り換える。ステップ１３で０．５秒待ち、ステップ１４
でメモリより判別情報を読み出す。ステップ１５で判別
情報が１かどうか判定し、有料放送であればステップ１
６で１秒間の時間待ちを行い、ステップ１７で映像ミュ
ートを解除する。これにより有料放送のみ１．５秒のミ
ュート時間となる。ステップ１８〜ステップ２１によ
り、メモリに記憶した判別情報を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、選局時に映像または音
声をミュートするよう構成したテレビジョン受像機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョン放送を受信し、チャンネル
の切換を行う際には、過渡的に映像が乱れる。この映像
の乱れは、０．５秒程度の短時間ではあるが、大変見苦
しいものである。チャンネルの切換は、チューナのバン
ドスイッチの切換及びチューニング電圧の変化によって
行われ、その変化する過渡期間に映像が乱れる現象が生
じる。また、同じ理由により、雑音が生じることもあ
り、この雑音はチャンネル切換時のボツ音あるいはザー
音等と呼ばれている。そこで、この見苦しさを防止する
ために、チャンネル切換時には０．５秒程度、映像ミュ
ート（映像を黒レベルまで引き下げ、画像を隠す）をか
けている。また、同様に、音声ミュートをかけ、音量を
絞ることも行っている。

【０００３】現在のテレビジョン受像機では、これらの
制御は全てマイコンによって行われている。図３は従来
のテレビジョン受像機におけるチャンネル切換処理を示
すフローチャートである。チャンネルを切り換える場
合、まず、映像ミュートをかけ（ステップ１）、チャン
ネルを切り換える（ステップ２）。そして、０．５秒待
ち（ステップ３）、映像ミュートを解除する（ステップ
４）。ここでは、映像ミュートのみ示しているが、音声
ミュートも同様である。

【０００４】ところで、最近では衛星（ＢＳ）放送が一
般化してきており、ＢＳ放送も受信可能なテレビジョン
受像機が急激に普及している。ところで、ＢＳ放送にお
いては、従来の一般放送の他に、放送方式の異なるハイ
ビジョン放送や予め放送局側で信号にスクランブルをか
けて送信する有料放送も行われている。ここで、有料放
送を視聴するためには、受信機側にデスクランブラ（有
料放送デコーダ）を接続し、スクランブルされた信号を
デコードする必要がある。

【０００５】図４はテレビジョン受像機と有料放送デコ
ーダとの接続を示すブロック図である。図４において、
衛星放送より送信された電波はＢＳアンテナ１により受
信され、テレビジョン受像機に供給される。ＢＳアンテ
ナ１により出力された信号はテレビジョン受像機中の選
局・検波回路２に入力され、選局・検波回路２より出力
される検波信号は映像・音声回路３に入力されると共に
検波出力として有料放送デコーダに供給される。映像・
音声回路３より出力される信号は、有料・無料判定回路
４に入力されると共に切換回路５の一方に端子ａに入力
される。一方、有料放送デコーダに入力された検波信号
は、解読回路８によりスクランブルが解読され、映像・
音声回路９に入力される。映像・音声回路９より出力さ
れる信号はリターン入力としてテレビジョン受像機に入
力され、切換回路５のもう一方の端子ｂに入力される。

【０００６】有料・無料判定回路４は入力された信号が
有料放送であるか無料放送であるかを判別し、切換回路
５を制御する。無料放送（一般放送）であれば、切換回
路５は端子ａに接続し、内部の映像・音声回路３より出
力された信号を信号処理回路６に入力し、有料放送であ
れば、切換回路５は端子ｂに接続し、有料放送デコーダ
の映像・音声回路９より出力された信号を信号処理回路
６に入力する。そして、信号処理回路６より出力された
信号がＣＲＴ７に表示される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述のような有料放送
と無料放送とを判別して切り換えるよう構成したテレビ
ジョン受像機において、無料放送のみのチャンネル切換
の場合、前述のように映像の乱れは選局時間のみであ
り、約０．５秒である。ところが、有料放送の場合、選
局終了後に有料放送デコーダの解読処理が始まる。有料
放送デコーダによる解読処理は機器によって相違はある
が、一般に１秒程度を要する。即ち、選局後１秒経過し
てからデコードされた映像が得られる。また、有料・無
料判定回路４による有料判定及びその結果による切換回
路５の切換も、回路構成によって０．５秒〜１秒の時間
を要する。従って、切換回路５が切り換わるまでの期間
はテレビジョン受像機内部を経由した信号、即ち、スク
ランブルされたままの信号となっている。

【０００８】このため、選局後１秒程度の間は乱れた映
像となるので、有料放送のチャンネルへ切り換えると、
上記した選局時間の約０．５秒と合わせて約１．５秒乱
れた映像となってしまうことになる。この問題に対応す
るために、従来０．５秒行っていた映像ミュートを１．
５秒とすればよい。しかしながら、映像ミュートを１．
５秒に設定すると、無料放送の選局の場合も有料放送の
選局の場合も常に１．５秒の映像ミュートがかかること
になり、一般的に不自然のない映像ミュートは０．８秒
程度が限界であり、１秒を越えるとほとんどの人が長す
ぎると感じるので、実用上極めて品位が悪い。そこで、
有料放送の選局の場合のみ１．５秒の映像ミュートをか
ければよいのであるが、前述のように有料放送か否かの
判定自体に時間がかかるのであるから、不可能である。

【０００９】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、有料放送，無料放送等の放送状態に合わせ
て常に最適な映像ミュート，音声ミュートをかけること
ができるテレビジョン受像機を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、チャンネルを切り換える
ための選局手段と、前記選局手段によって選局するチャ
ンネルの放送状態を表す判別情報を記憶するメモリとを
有し、前記選局手段によってチャンネルを選局する際
に、前記メモリに記憶されたそのチャンネルに対応する
前記判別情報に従って、映像ミュート時間または音声ミ
ュート時間の少なくとも一方を可変するよう構成したこ
とを特徴とするテレビジョン受像機を提供するものであ
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明のテレビジョン受像機につい
て、添付図面を参照して説明する。図１は本発明のテレ
ビジョン受像機におけるチャンネル切換処理を示すフロ
ーチャート、図２は本発明のテレビジョン受像機に用い
るメモリの一例を示す図である。

【００１２】本発明は、上述のように、例えば有料放送
と無料放送とを判別して切り換えるよう構成したテレビ
ジョン受像機においては、選局後の映像の乱れが長い有
料放送へのチャンネル切換時のみ、映像（または音声）
ミュート時間を長くするよう構成するものである。現在
のところ、有料放送はある特定のチャンネル（ＢＳ−５
チャンネル）のみで行われている。そして、その１日の
放送内容は、１〜２時間の無料放送が２，３回あるが、
その他は全て有料放送である。このように、そのチャン
ネルにおいて、有料放送と無料放送とが切り換わること
は非常に少ない。本発明は、あるチャンネルを選局する
際に、前回そのチャンネルを選局した際に無料放送であ
れば今回も無料放送、前回そのチャンネルを選局した際
に有料放送であれば今回も有料放送であるという前提に
立っている。

【００１３】本発明のテレビジョン受像機は、例えばＢ
Ｓ放送においては、図２に示すように、ＢＳ−１〜ＢＳ
−１５までの８チャンネルの前回選局時の放送状態（有
料放送か無料放送か）を表す判別情報を記憶するメモリ
を備えている。ＢＳ−１〜ＢＳ−１５までの８チャンネ
ルに対応したそれぞれのアドレスに例えば有料放送であ
れば１、無料放送であれば０の判別情報を記憶する。

【００１４】このようなメモリを備えている本発明のテ
レビジョン受像機におけるチャンネル切換処理について
図１を用いて説明する。チャンネルを切り換える場合、
まず、映像ミュートをかけ（ステップ１１）、チャンネ
ルを切り換える（ステップ１２）。そして、０．５秒待
つ（ステップ１３）。さらに、指定（選局）されたチャ
ンネルに対応したメモリより判別情報を読み出す（ステ
ップ１４）。例えば、指定されたチャンネル（切り換わ
るべきチャンネル）がＢＳ−５チャンネルであれば、メ
モリのアドレス３の判別情報を読み出す。メモリより読
み出した判別情報が１かどうか判定し（ステップ１
５）、判別情報が１であれば、即ち、前回ＢＳ−５チャ
ンネルを選局した際にＢＳ−５チャンネルが有料放送で
あったなら、１秒間の時間待ちを行う（ステップ１
６）。判別情報が１でなければ、時間待ちは行わない。

【００１５】そして、映像ミュートを解除する（ステッ
プ１７）。この結果、前回そのチャンネルを選局した際
にそのチャンネルが有料放送であれば１．５秒、無料放
送であれば０．５秒の映像ミュートがかかることにな
る。以降のステップ１８〜ステップ２１は、今回選局し
たチャンネルの放送状態を次回の選局のために記憶、即
ち、更新するための処理である。今回選局したチャンネ
ルが有料放送か無料放送かを判定し（ステップ１８，１
９）、無料放送であれば、指定されたチャンネルに対応
したメモリの判別情報を０にし（ステップ２０）、有料
放送であれば、指定されたチャンネルに対応したメモリ
の判別情報を１にする（ステップ２１）。

【００１６】なお、ステップ１８による有料，無料の判
定は、有料・無料判定回路４による判定が安定してから
行う必要がある。特に、前回無料放送であった場合、ス
テップ４〜ステップ５〜ステップ７を経由するので、ス
テップ８の処理に入った時点では選局直後であり、まだ
有料・無料判定回路４は不安定状態である。従って、ス
テップ８の処理において、無条件に１秒の時間待ちの
後、判定処理を行うか、あるいは、前回無料放送であっ
た時のみ１秒の時間待ちをし、その後、判定処理を行う
よう構成すればよい。図１においては、映像ミュートの
み示しているが、音声ミュートも同様であり、両方同時
に行ってもよいし、片方だけでもよい。

【００１７】以上説明した実施例では、有料放送，無料
放送の放送状態に合わせて映像ミュート時間を可変する
よう構成した例を示した。本発明はこれに限らず、放送
内容によって信号の処理方法が変わったり、デコード等
の処理が必要となるテレビジョン受像機にも用いること
ができる。一例として、ハイビジョン放送に対応して、
ＭＵＳＥ−ＮＴＳＣコンバータを利用した場合が挙げら
れる。ハイビジョン放送を受信するためにＭＵＳＥ−Ｎ
ＴＳＣコンバータを経由した信号をテレビジョン受像機
に入力する場合にも、上述した有料放送を受信する場合
と同様、映像ミュート時間を長くする。この場合、メモ
リに記憶する判別情報はＭＵＳＥ−ＮＴＳＣコンバータ
を経由させるチャンネルであれば１、それ以外を０とす
ればよい。

【００１８】そして、本発明のテレビジョン受像機で
は、前述のように、あるチャンネルを選局する際に、前
回そのチャンネルを選局した際の放送状態と今回選局す
る際の放送状態は同一であるという前提に立っているの
で、前回の放送状態と今回の放送状態が異なる時のみ不
適当なミュート時間となってしまうが、放送状態が切り
換わることは希であるので、実用上問題となることはな
い。

【００１９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のテ
レビジョン受像機は、選局手段によってチャンネルを選
局する際に、メモリに記憶されたそのチャンネルに対応
する判別情報に従って、映像ミュート時間または音声ミ
ュート時間の少なくとも一方を可変するよう構成したの
で、放送状態に合わせて常に最適な映像ミュート，音声
ミュートをかけることができ、従来のテレビジョン受像
機の問題点を良好に解決することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテレビジョン受像機におけるチャンネ
ル切換処理を示すフローチャートである。

【図２】本発明のテレビジョン受像機に用いるメモリの
一例を示す図である。

【図３】従来のテレビジョン受像機におけるチャンネル
切換処理を示すフローチャートである。

【図４】テレビジョン受像機と有料放送デコーダとの接
続を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ ＢＳアンテナ ２ 選局・検波回路（選局手段） ３，９ 映像・音声回路 ４ 有料・無料判定回路 ５ 切換回路 ６ 信号処理回路 ７ ＣＲＴ ８ 解読回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】チャンネルを切り換えるための選局手段
   と、 前記選局手段によって選局するチャンネルの放送状態を
   表す判別情報を記憶するメモリとを有し、 前記選局手段によってチャンネルを選局する際に、前記
   メモリに記憶されたそのチャンネルに対応する前記判別
   情報に従って、映像ミュート時間または音声ミュート時
   間の少なくとも一方を可変するよう構成したことを特徴
   とするテレビジョン受像機。