JPH0532704A - シクロデキストリン誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロデキストリン誘導体の製造方法

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JPH0532704A
JPH0532704A JP21450291A JP21450291A JPH0532704A JP H0532704 A JPH0532704 A JP H0532704A JP 21450291 A JP21450291 A JP 21450291A JP 21450291 A JP21450291 A JP 21450291A JP H0532704 A JPH0532704 A JP H0532704A
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JP
Japan
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cyclodextrin
hydroxyl groups
formula
reaction
derivative
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JP21450291A
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English (en)
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Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シクロデキストリンが所定数確実に固定化さ
れたシクロデキストリン固定化ポリマーを製造するため
の原料として用いることができ、かつシクロデキストリ
ンの1級水酸基のうちの2つのみに保護基を導入しうる
シクロデキストリン誘導体の製造方法を提供する。 【構成】 シクロデキストリンにベンズアルデヒド、フ
ェニルホウ酸又は下記一般式のいずれかで表わされる化
合物を反応させて、シクロデキストリンの有する1級水
酸基の2つのみに保護基を導入することを特徴とする。 【化16】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロデキストリンを
確実に固定した縮重合型シクロデキストリンポリマーの
原料として用いられるシクロデキストリン誘導体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンはグルコースが6単
位以上α−1,4結合した環状オリゴ糖で、グルコース
単位6,7,8個のものは特によく知られ、それらの応
用に関する公知文献も多い。これらの応用例はいずれも
シクロデキストリン環の内部が疎水性であり、なおかつ
この環の大きさがグルコース単位量で定まっていること
による選択的包接能を利用するもので、クロマト分離用
の充填剤、触媒、あるいは食品の異味、異臭のマスキン
グ、揮発性物質の保持、難溶性物質の可溶化などに用い
られている。
【0003】このような選択的包接能が疎水性物質の分
離や抽出にあたっての有力な手段になろうことは容易に
予想できるが、シクロデキストリンが水溶性であるため
分離、抽出剤として用いるには、反応系から包接化合物
を分離すること、および包接された化合物をシクロデキ
ストリンから分離することが困難である。
【0004】シクロデキストリンの持つ包接能を維持し
たままでポリマー等に固定化すればそれらをカラムに充
填し、イオン交換樹脂や活性炭と同様に吸着、脱着操作
で、あるいはクロマトグラフィー操作で成分の分離、回
収、除去が容易にできる。
【0005】そこで、これまでシクロデキストリンの固
定化が様々な方法で試みられているが、いずれもその高
分子反応において、反応性が低く固定量が十分でなかっ
たり、モノマーに対しシクロデキストリンを所定数だけ
固定化することが困難であったり、また製造に多大の費
用を要するものであるなど、産業上有効に利用するには
いずれも不適当なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】モノマーに対し、シク
ロデキストリンを所定数のみ固定化することを目的とし
て、例えば、保護基をシクロデキストリンの有する水酸
基のうち2個の1級水酸基のみに対し反応させようとす
る場合、従来はそのような保護基としてジフェニルメタ
ンスルホニル基、ビフェニルスルホニル基、テレフタロ
イル基等が用いられていた。
【0007】しかしながら、これらの保護基を導入する
反応を行なったとしても、シクロデキストリン1分子中
には同一環境内に多数の水酸基が存在するため、反応生
成物自体は種々の化合物の混合物として得られるため目
的物のみの分離が困難であり、更に、上記の保護基を導
入するために用いられる試薬が高価であるという問題点
もあり、シクロデキストリンユニットに対し、所望の数
の保護基を確実に導入することは困難であった。
【0008】従って本発明の目的は、シクロデキストリ
ンが所定数確実に固定化された縮重合型シクロデキスト
リン固定化ポリマーを製造するための原料として用いる
ことができ、かつシクロデキストリンの水酸基のうちの
2個のみに保護基が導入されたシクロデキストリン誘導
体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に鑑みて鋭意研究の結果、本発明の上記目的は、シクロ
デキストリンにベンズアルデヒド、フェニルホウ酸又は
下記一般式[1]〜一般式[6]のいずれかで表わされ
る化合物を反応させて、シクロデキストリンの有する1
級水酸基のうち2つの水酸基のみに保護基を導入するこ
とを特徴とするシクロデキストリン誘導体の製造方法に
より達成されることを見出した。
【0010】 (式中、R3は−CH3,−C25を表わし、R4は−
H,−CH3,−O−R3を表わす。)
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0017】本発明により得られるシクロデキストリン
誘導体はシクロデキストリンと特定の化合物を反応させ
ることにより、シクロデキストリンの1級水酸基のうち
の2の水酸基のみに保護基が導入されたものであり、こ
のようなシクロデキストリン誘導体を用いることによ
り、更に、残余の水酸基をエーテル化、エステル化等に
より保護した後に前記の2つの水酸基の保護基を除去せ
しめて確実に2つの水酸基を残しうる。残った2つの水
酸基を利用して縮重合型ポリマーであるポリエステル、
ポリウレタン、ポリカーボネート等の種々の高分子化合
物に確実に固定しシクロデキストリン固定化ポリマーを
得ることができる。
【0018】上記シクロデキストリンと反応させる特定
の化合物としてはベンズアルデヒド、フェニルホウ酸又
は前記一般式[1]〜[6]のいずれかで表わされる化
合物が挙げられる。
【0019】また、本発明に用いられるシクロデキスト
リンとしてはα−シクロデキストリン、β−シクロデキ
ストリン、γ−シクロデキストリン等のいずれも用いる
ことができる。
【0020】以下に、本発明のシクロデキストリン誘導
体の製造方法の具体例を示す。
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】 上記合成反応は具体的には以下の合成方法により行なう
ことができる。
【0026】(1) β−CD(n=7)を水に溶解
し、次いで室温で酢酸を加え、続いてベンズアルデヒド
をゆっくり滴下する。しばらくすると結晶が析出してく
るがそのまま加え、滴下終了後さらに6時間攪拌する。
その後濾過し、沈殿物は氷冷水で洗浄し、次いで炭酸水
素ナトリウム水溶液で洗浄し乾燥させる。沈殿物は水よ
り再結晶を繰り返し精製する。(収率:45%)
【0027】(2) β−CD(n=7)を脱水DMF
に溶解し室温でp−トルエンスルホン酸を加える。室温
で1時間撹拌後DMFに溶解したオルト酢酸メチルを滴
下する。滴下後ゆっくりと温度を上げ90〜100℃で1時
間攪拌する。反応終了後室温まで放冷し、その後中和し
濾過する。DMF、トリメチルオルト酢酸エステルは、
減圧下留去し、残渣は大量のアセトンにより再沈殿し、
濾過する。沈殿物は十分水洗し、メタノールにより再結
晶を行ない精製する。(収率:約25%)
【0028】(3) β−CD(n=7)を水に溶解
し、30〜40℃に系を保つ。その系にフェニルホウ酸のメ
タノール溶液をゆっくり滴下する。しばらくすると結晶
が析出してくるがそのまま加え、滴下終了後1時間攪拌
する。反応終了後放冷し、濾過する。沈殿は水、メタノ
ールで洗浄し、乾燥させる。沈殿物はメタノールより再
結晶を行ない精製する。(収率:60%)
【0029】(4) β−CD(n=7)を脱水ピリジ
ンに溶解し、0〜5℃に冷却する。その系にピリジンに
溶解した1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジク
ロロジシルメチレンをゆっくり滴下する。滴下終了後0
〜5℃で1時間、室温で3時間攪拌する。反応終了後、
そのピリジン溶液を水中に入れよく攪拌する。沈殿物は
よく冷メタノールで洗浄し、エタノール、メタノールの
順で再結晶し精製する。(収率:30%)
【0030】(5) β−CD(n=7)を脱水ピリジ
ンに溶解し、0〜5℃に冷却する。その系にピリジンに
溶解した1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジク
ロロジシルエチレンをゆっくり滴下する。滴下終了後0
〜5℃で1時間、室温で3時間攪拌する。反応終了後、
そのピリジン溶液を水中に入れよく攪拌する。析出した
沈殿物はよく冷メタノールで洗浄し、エタノールより繰
り返し再結晶することで精製する。(収率:25%)
【0031】(6) (5)の反応において、1,1,
4,4−テトラメチル−1,4−ジクロロジシルエチレ
ンを1,3−ジクロロテトラメチルジシロキサンに変え
る以外は同様に反応を行ない目的物を得る。(収率:25
%)
【0032】(7) (5)の反応において1,1,
4,4−テトラメチル−1,4−ジクロロジシルエチレ
ンを1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−
ジクロロトリシロキサンに変え、再結晶溶媒としてイソ
プロピルアルコールを用いる以外は同様にして反応を行
ない目的物を得る。(収率:30%)
【0033】(8) β−CD(n=7)を脱水DMS
O(あるいはDMF)中で溶解させ、室温、窒素気流下
2倍等量のNaHを添加する。添加後40〜50℃で30分攪
拌し濾過する。濾液に40〜50℃下DMSO(あるいはD
MF)に溶解した2,2′−ビス(ブロモメチル)−
1,1′−ビフェニルを滴下し、終了後、80℃で24時間
攪拌させる。反応終了後濾過し、溶媒を留去し、残渣を
大量のアセトンより再沈殿させる。沈殿物は水洗し、さ
らにアセトンで洗浄し、乾燥後エタノールより再結晶し
精製する。(収率:20%)
【0034】(9) 反応(8)において、2,2′−
ビス(ブロモメチル)−1,1′−ビフェニルを1,2
−ジブロモ−1,2−ジフェニルエタンに変える以外は
同様に反応を行ない目的物を得る。(収率:15%)
【0035】(10) β−CD(n=7)を脱水ピリジ
ンに溶解し、0〜5℃に冷却する。その系にピリジンに
溶解したp−ニトロフェニルクロロギ酸エステルをゆっ
くり滴下する。滴下終了後室温下で24時間撹拌する。反
応終了後残渣を大量のアセトンにより再沈殿させる。沈
殿物は、濾過し、よく水洗し乾燥させる。残った沈殿物
は、イソプロピルアルコールにより再結晶を行なう。
(収率:約15%)
【0036】(11) β−CD(n=7)を脱水DMS
O(あるいはDMF)中で溶解させ、室温、窒素気流下
2倍等量のNaHを添加する。添加後40〜50℃で30分撹
拌し濾過する。その濾液に10℃以下でDMSO(あるい
はDMF)に溶解したジ−(ブロモフェニルエチル)ス
ルフィドを窒素気流下で滴下し終了後その雰囲気におい
て室温下60時間撹拌反応させる。
【0037】反応終了後、濾過し、次いで溶媒を減圧下
30℃以下にて留去、残渣を大量のジエチルエーテルより
再沈殿させる。沈殿物はアセトンで洗浄、さらに水洗を
繰り返し、乾燥後エタノールより再結晶し精製する。
(収率:約15%)
【0038】(12) 反応(11)のジ−(ブロモフェニ
ルエチル)スルフィドをp,p′−ジブロモメチル−ジ
フェニルスルフィドに変える以外は同様に反応を行ない
目的物を得る。
【0039】(13) β−CD(n=7)を脱水DMF
に溶解し、窒素気流下NaHと反応させる。その系を0
〜5℃に冷却し、炭酸ジメチルのDMF溶液をゆっくり
と滴下する。滴下後も0〜5℃で2時間撹拌する。反応
終了後、未反応のNaHをメタノールでつぶし、アルコ
ラートとし、溶媒を減圧下30℃にて留去する。残渣は大
量のアセトンにより再沈殿させる。沈殿物は濾過し、よ
く水洗し乾燥させる。残った沈殿物はイソプロピルアル
コールにより再結晶を行ない精製する。(収率約10%)
【0040】(11)′ 反応(8)において、2,2′
−ビス(ブロモメチル)−1,1′−ビフェニルを2,
4−ジブロム−2,4−ジフェニルペンタンに変える以
外は同様に反応を行ない目的物を得る。
【0041】(11)″ 反応(8)において、2,2′
−ビス(ブロモメチル)−1,1′−ビフェニルを1,
4−ジ−(1−ブロモ1−フェニルエチル)ベンゼンに
変え、再結晶の溶媒をイソプロピルアルコールに変える
以外は同様の反応を行ない目的物を得る。
【0042】(12)′ 反応(8)において、2,2′
−ビス(ブロモメチル)−1,1′−ビフェニルをp−
(ジブロムベンジル)エーテルに変える以外は同様の反
応を行ない目的物を得る。
【0043】目的物の同定はNMRスペクトル、マスス
ペクトル、元素分析により行なうことができる。
【0044】また、その他のシクロデキストリン誘導体
についても上記の方法に準じて行なうことができる。
【0045】本発明において得られるシクロデキストリ
ン誘導体は、例えば多成分が溶解している液中より各成
分をクロマト分離する際に用いる充填剤又は触媒とし
て、あるいは液中の疎水性物質を除去する場合などに用
いられるシクロデキストリン固定化ポリマー、又は分解
性ポリマーとして使用しうるシクロデキストリン固定化
ポリマーの原料として用いることができるものである。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の製
造方法により、シクロデキストリンが所定数確実に固定
化されたシクロデキストリンポリマーを製造するための
原料として用いることができ、かつ、シクロデキストリ
ンの1級水酸基のうちの2つのみに保護基を導入したシ
クロデキストリン誘導体を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリンにベンズアルデヒド
    を反応させて、シクロデキストリンの有する1級水酸基
    のうち2つの水酸基のみに保護基を導入することを特徴
    とするシクロデキストリン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 シクロデキストリンに下記一般式[1]
    で表わされる化合物を反応させて、シクロデキストリン
    の有する1級水酸基のうち2つの水酸基のみに保護基を
    導入することを特徴とするシクロデキストリン誘導体の
    製造方法。 (式中、R3は−CH3,−C25を表わし、R4は−
    H,−CH3,−O−R3を表わす。)
  3. 【請求項3】 シクロデキストリンにフェニルホウ酸を
    反応させて、シクロデキストリンの有する1級水酸基の
    うち2つの水酸基のみに保護基を導入することを特徴と
    するシクロデキストリン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 シクロデキストリンに下記一般式[2]
    で表わされる化合物を反応させて、シクロデキストリン
    の有する1級水酸基のうち2つの水酸基のみに保護基を
    導入することを特徴とするシクロデキストリン誘導体の
    製造方法。 【化1】
  5. 【請求項5】 シクロデキストリンに下記一般式
    [3]で表わされる化合物を反応させて、シクロデキス
    トリンの有する1級水酸基のうち2つの水酸基のみに保
    護基を導入することを特徴とするシクロデキストリン誘
    導体の製造方法。 【化2】
  6. 【請求項6】 シクロデキストリンに下記一般式
    [4]で表わされる化合物を反応させて、シクロデキス
    トリンの有する1級水酸基のうち2つの水酸基のみに保
    護基を導入することを特徴とするシクロデキストリン誘
    導体の製造方法。 【化3】
  7. 【請求項7】 シクロデキストリンに下記一般式
    [5]で表わされる化合物を反応させて、シクロデキス
    トリンの有する1級の水酸基のうち2つの水酸基のみに
    保護基を導入することを特徴とするシクロデキストリン
    誘導体の製造方法。 【化4】
  8. 【請求項8】 シクロデキストリンに下記一般式
    [6]で表わされる化合物を反応させて、シクロデキス
    トリンの有する1級の水酸基のうちの2つの水酸基のみ
    に保護基を導入することを特徴とするシクロデキストリ
    ン誘導体の製造方法。 【化5】
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