JPH05327049A - 超伝導接合素子の製造方法 - Google Patents

超伝導接合素子の製造方法

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JPH05327049A
JPH05327049A JP4130755A JP13075592A JPH05327049A JP H05327049 A JPH05327049 A JP H05327049A JP 4130755 A JP4130755 A JP 4130755A JP 13075592 A JP13075592 A JP 13075592A JP H05327049 A JPH05327049 A JP H05327049A
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JP
Japan
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layer
superconductor
impurity
film
barrier layer
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Application number
JP4130755A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Fukute
芳孝 福手
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、再現性の良いジョセフソン接合素
子の製造方法を得ることを目的とする。 【構成】 真空装置内の基板ホルダに第1の超伝導体薄
膜(1)を設置し、装置内を真空排気する。この装置内
で、第1の超伝導体薄膜(1)を600℃に加熱する。
次に、不純物(31)を第1の超伝導体薄膜(1)の表
面に蒸着する。この不純物(31)は、第1の超伝導体
薄膜(1)の材料の構成元素の少くとも一つと置換可能
な元素であることが望ましい。不純物(31)蒸着終了
後、さらに600℃で追加拡散を行って障壁層(3)を
形成する。この方法によって、第1の超伝導体薄膜
(1)と障壁層(3)の界面は第1の超伝導体薄膜
(1)の内部に埋め込まれることになる。このため、第
1の超伝導体薄膜(1)の表面の状態に注意することな
く良好な接合界面を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超伝導体を用いた素子の
製造方法に関し、特に、ジョセフソン型接合素子が有す
る障壁層の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超伝導接合として代表的なものにジョセ
フソン接合がある。ジョセフソン接合は超伝導量子干渉
素子、超伝導ミキサー、デジタル演算素子等に用いられ
ている。図4は、この接合状態の一例を示す断面図であ
る。同図に示す構造は、絶縁体または半導体あるいは常
伝導体からなる障壁層30と、それを挟む第1の超伝導
体層10及び第2の超伝導体層20で構成された積層型
接合である。この接合は、その他のジョセフソン接合で
ある破断接合、点接触接合、マイクロブリッジと比較し
て素子特性の上でも、またその集積度の上でも非常に優
れており、本接合を再現性良く接合することは産業上極
めて重要なことである。
【0003】上記の接合型ジョセフソン接合は、通常真
空蒸着法を用いて、第1の超伝導体層10の表面に障壁
層30及び第2の超伝導体層20を順次積層して形成さ
れるか、あるいは第1の超伝導体層10の表面を不純物
拡散または酸化あるいは還元により変質させることによ
って障壁層30を形成し、さらにその上に第2の超伝導
体層20を積層して形成されるかのいずれかである。
【0004】なお、上記超伝導体層10の表面を変質さ
せて障壁層30を形成する方法の一例が、特開昭63−
261771号公報に開示されている。この方法によれ
ば、酸化物超伝導体上にパッシベーション膜を形成した
後、さらにそれを緻密化あるいは酸化絶縁化する。これ
により、超伝導体内の酸素濃度の低下を抑えることによ
って、電気特性の劣化を防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、積層による形
成方法では、図4に示す障壁層30の形成条件によっ
て、あるいは障壁層30と第1の超伝導体層10の格子
定数の差によって、障壁層30が島状に形成される可能
性があり、このため障壁層30にピンホールが発生しや
すい。また、第1の超伝導体層10と障壁層30の熱膨
脹係数の差が大きいと、ヒートサイクルによって歪みが
生じ、このため第1の超伝導体層10と第2の超伝導体
層20の短絡が生じやすい。さらに、第2の超伝導体層
20を形成する際、例えば温度を高くした場合には、障
壁層30との間に各層の構成元素が相互拡散し、それら
の界面が不明瞭になりやすい。これらの問題点は接合特
性を著しく劣化させ、再現性のよい接合の製作を困難に
している。
【0006】一方、変質による形成方法では、上記の手
法と異なり障壁層30は島状になりにくいのでピンホー
ルは生じにくい。しかし、変質により結晶構造が著しく
変わった場合には歪みが生じ、これによって、第1の超
伝導体層10と第2の超伝導体層20の短絡が生じやす
くなる。
【0007】そのため、結晶構造をほとんど変えること
なく変質する方法として、不純物拡散が一般的に用いら
れている。不純物を導入する方法として、イオン注入を
行う方法、イオン注入後熱処理を行う方法、不純物材料
蒸着後熱処理を行う方法、不純物含有雰囲気中熱処理を
行う方法等が挙げられる。イオン注入を行う場合は急峻
な界面が得られるが、表面の結晶格子の物理的破壊が生
じ、それが歪みの原因となる。イオン注入後熱処理を行
う場合は、イオン注入によって発生した超伝導体層の結
晶格子の破壊は熱処理によって回復するが、そのために
は高温かつ長時間の熱処理を必要とするので界面が緩や
かになってしまう。さらに、超伝導体層とその表面に形
成された障壁層の熱膨張係数に大きな差があれば歪みが
生じ、イオン注入によって形成された障壁層が剥がれや
すくなる。このため、第1の超伝導体層10と第2の超
伝導体層20との短絡を引き起こすことになる。一方、
不純物材料蒸着後熱処理を行う場合、あるいは不純物含
有雰囲気中熱処理を行う場合は、イオン注入を行う場合
と異なり格子の物理的破壊は生じないが、不純物の供給
が過剰となる状態が生じて、表面で中間生成物を作り易
くなる。これは、接合の再現性を低下させ、経時変化の
原因にもなる。この中間生成物を分解するにはさらに高
温の熱処理を必要とする等の問題があった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決した超伝導体
接合素子の製造方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1及び第2
の超伝導体層が、その間に障壁層を介して積層された構
造を有する超伝導接合素子の製造方法において、第1の
超伝導体層の表面に、その第1の超伝導体層の構成元素
のいずれかと置換され易い元素を不純物として供給する
工程と、その不純物を第1の超伝導体層の表層部に熱拡
散する工程とを同時に行うことによって、障壁層を形成
することを特徴とする、超伝導接合素子の製造方法。
【0010】なお、前述の障壁層は、第1の超伝導体層
が加熱された状態でその第1の超伝導体層の表面に前述
の不純物を真空蒸着し、さらに一定時間加熱された状態
を維持して形成するとよい。
【0011】
【作用】本発明によれば、第1の超伝導体層の表面に、
その第1の超伝導体層の構成元素のいずれかと置換され
易い元素を不純物を導入して障壁層を形成する。このた
め、上述の不純物を導入してもその格子構造が変化する
ことはなく、形成された障壁層に歪みは生じない。
【0012】しかも、上述の不純物を第1の超伝導体層
に導入する工程と、その不純物を熱拡散する工程とを同
時に行うので、第1の超伝導体層の表面に過剰に不純物
が供給されるおそれはない。したがって、不要な中間生
成物が形成されず、その生成物分解のために高温処理を
経る必要がない。
【0013】上述の不純物は、加熱された第1の超伝導
体層表面に真空蒸着されることによって、導入される不
純物の深さ方向での分布を蒸着速度、拡散温度、拡散時
間によって制御することができ、しかもその不純物量を
蒸着膜の膜厚の総計で制御することが可能になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る超伝導接合素子の製造方
法の実施例について、図を用いて説明する。
【0015】図1は、実施例の製造方法による工程断面
図であり、図2は、実施例の製造方法で用いる真空蒸着
装置の概略図である。
【0016】まず、酸化物単結晶または多結晶からなる
基板上に、CVD法、スパッタ法、あるいは共蒸着法の
いずれかにより成膜したBiSrCuO酸化物超伝導体
薄膜(以下、第1の超伝導体薄膜という)1を準備し、
これを出発材料とする(図1(a)図示)。なお、上述
の基板上に成膜された超伝導体薄膜1の代わりに、上記
酸化物からなる基板を出発材料としても良い。その場
合、上記酸化物からなる基板は、酸化物原料を焼結した
後粉砕し、さらに加熱・溶融させて急冷した後、アニー
ルすることによって得ることができる。
【0017】次に、上述の手順によって得られた第1の
超伝導体薄膜1を、図2に示すような真空装置4内の基
板ホルダ5に設置し、装置4内を真空排気する。この装
置4内で、加熱装置(図示せず)により第1の超伝導体
薄膜1を600℃に加熱する。次に、抵抗加熱または電
子ビーム銃により、不純物31を適当な蒸着速度、例え
ば0.5〜5nm/sの範囲に設定し、第1の超伝導体
薄膜1の表面に蒸着する(図1(b)図示)。ここで、
蒸着速度は基板ホルダ5付近に設置された膜厚センサ6
により測定され、一定となるように制御されている。
【0018】上述の工程で用いる不純物31の材料は、
第1の超伝導体薄膜1の材料であるBiSrCuO酸化
物の構成元素の一つ、又は複数の元素と置換可能な元素
であることが望ましい。酸化物超伝導体の構成元素を他
の元素で置換すると、非超伝導化することが知られてい
るからである。よって、不純物として下記のものを用い
るとよい。
【0019】Ta、V、Cr、Mn、Ti、Al、In 希土類(Nd、Er、Gd、Y) 不純物蒸着終了後、そのドーピングプロファイルをコン
トロールし、あるいはドーピング濃度をコントロールす
るために、さらに600℃で追加拡散を行う(図1
(c)図示)。これにより不純物31は第1の超伝導体
薄膜1の表層部に拡散し、実質的な障壁層3が形成され
る。一般に、酸化物超伝導体表面は特性やモルフォロジ
ーが劣化しており、それを接合界面に用いると良い特性
の接合は得られないが、本発明の場合、障壁層3と第1
の超伝導体薄膜1の界面は初期の第1の超伝導体薄膜1
の内部に埋め込まれることになる。このため、初期の第
1の超伝導体薄膜1の表面の状態に注意することなく良
好な接合界面を得ることができる。
【0020】拡散終了後、熱拡散プロセスによる上記超
伝導体基板表面の酸素欠損を回復するため、N2 O(亜
酸化窒素)を真空蒸着装置内に導入し、1Pa以上で酸
化を行う。N2 Oの導入を停止して真空排気後、第1の
超伝導体層と同様に、CVD法、スパッタ法、あるいは
共蒸着法のいずれかを用いて第2の超伝導体薄膜2を形
成してアニールする(図1(d)図示)。
【0021】なお、上述の図1(c)に示す高温中での
追加拡散時においては、真空装置内に酸素を導入して酸
素雰囲気とすることによって、酸化物からなる超伝導体
薄膜1の表面近傍に生じやすい酸素欠損状態を、不純物
の追加拡散を行いつつ防止することが可能である。
【0022】上述の方法によれば、第1の超伝導体薄膜
1の構成元素の少くとも一つは不純物31と置換される
が、一般に無機化合物等の材料は固溶性を有しており、
置換されることによってその格子構造は不純物31導入
前の第1の超伝導体薄膜1と何等変わらない。故に、形
成された障壁層3に歪みは生じない。
【0023】さらに、上述の不純物31の量は、蒸着し
た膜厚の総計で制御することが可能であり、不純物31
の深さ方向での分布は蒸着速度、拡散温度、及び拡散時
間によって制御可能である。図3は、その一例として、
Ti(チタン)を600℃、2分で追加拡散を行った試
料のAES(オージェ電子分光)結果を示したものであ
る。同図から明らかなように、表面から1nm幅の領域
では、CuがTiに置換されて障壁層3が形成されてい
ることが解る。また、このように形成された障壁層3と
第1の超伝導体薄膜1との界面は、第1の超伝導体薄膜
1を形成する材料の格子の長さである数nmよりも十分
短い位置にあり、良好な界面が形成されたことが解る。
【0024】この他にも、不純物としてTiの代わりに
希土類元素を導入することができ、この場合はSrが置
換され、同様に障壁層3を形成する。
【0025】なお、本実施例では第2の超伝導体薄膜と
して酸化物超伝導体を用いた場合について説明してきた
が、代わりに金属材料を用いて形成することもできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、障
壁層と超伝導体層の界面は急峻となり、かつ障壁層には
ピンホールや歪みが生じない。しかも、障壁層を形成す
るための不純物量を制御することができるので、再現性
の良いジョセフソン接合素子を製作することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る製造方法の工程断面図で
ある。
【図2】本発明の実施例に用いる装置の概略図である。
【図3】本発明の実施例に係る製造方法によって形成さ
れた超伝導接合素子のAES結果を示す図である。
【図4】ジョセフソン型接合素子の接合部分の断面図で
ある。
【符号の説明】
1…第1の超伝導体薄膜、2…第2の超伝導体薄膜、3
…障壁層、4…真空装置、5…基板ホルダ、6…膜厚セ
ンサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の超伝導体層が、その間に
    障壁層を介して積層された構造を有する超伝導接合素子
    の製造方法において、 前記第1の超伝導体層の表面に、その第1の超伝導体層
    の構成元素のいずれかと置換され易い元素を不純物とし
    て供給する工程と、その不純物を前記第1の超伝導体層
    の表層部に熱拡散する工程とを同時に行うことによっ
    て、前記障壁層を形成することを特徴とする、超伝導接
    合素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の超伝導体層が加熱された状態
    で、その第1の超伝導体層の表面に前記不純物を真空蒸
    着し、さらに一定時間、前記加熱された状態を維持する
    請求項1記載の超伝導接合素子の製造方法。
JP4130755A 1992-05-22 1992-05-22 超伝導接合素子の製造方法 Pending JPH05327049A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6541789B1 (en) 1998-09-01 2003-04-01 Nec Corporation High temperature superconductor Josephson junction element and manufacturing method for the same
KR101144841B1 (ko) * 2010-06-08 2012-05-14 삼성코닝정밀소재 주식회사 접합기판 제조방법

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