JPH05325965A - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JPH05325965A
JPH05325965A JP4148670A JP14867092A JPH05325965A JP H05325965 A JPH05325965 A JP H05325965A JP 4148670 A JP4148670 A JP 4148670A JP 14867092 A JP14867092 A JP 14867092A JP H05325965 A JPH05325965 A JP H05325965A
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Tomoko Harada
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Takamitsu Kashiwamura
隆光 柏村
Shizukuni Yada
静邦 矢田
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    • H01M4/587Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx for inserting or intercalating light metals
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 正極、負極並びに電解液を備えた有機電解質
電池であって、正極がポリアセン系骨格構造を含むBE
T法による比表面積値が600m2 /g以上の不溶不融
性基体よりなり、ポリアセン系骨格構造を含む不溶不融
性基体にリチウムを担持せしめたものよりなり、電解液
が下記一般式(1)にて示される環状カーボネートと一
般式(2)にて示される鎖状カーボネートとを含む混合
溶媒にリチウム塩を溶解した溶液であることを特徴とす
る。 【化1】 (但し、式中R1 ,R2 はH又はアルキル基を表わ
す。) 【化2】 (但し、式中R3 ,R4 はアルキル基を表わす。) 【効果】 本発明の有機電解質電池は正極にPAS負極
にリチウムを担持させたPASを用い、電解液にリチウ
ム塩を環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒
に溶解した溶液を用いることにより、低温特性に優れた
二次電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機電解質電池に係り、
更に詳しくは正極にポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体、負極にポリアセン系骨格構造を有する不溶
不融性基体にリチウムを担持させたものであり、電解液
に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶
媒にリチウム塩を溶解したものを用いた有機電解質電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは先に有機半導体であるポリ
アセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を提案してい
る(特公平1−44212号公報)。該不溶不融性基体
はP型,N型両ドーピングが可能であり、且つ安定であ
ることから二次電池用電極材料として検討を加えてき
た。その中でも該不溶不融性基体はリチウムのドーピン
グ,アンドーピングに対し極めて安定であり、かつサイ
クルを重ねても劣化が少ないことからリチウム金属に代
る負極材料として用いることも可能である。また本発明
者らは該不溶不融性基体と熱硬化性樹脂を含む成形体に
リチウムをモル百分率で3%以上担持させたものを負極
として用いた場合、低温での容量低下が大きいという問
題が残されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
に鑑み、鋭意研究を続けた結果本発明を完成したもので
あって、その目的とするところは低温特性の優れた二次
電池を提供するにある。本発明の他の目的は安全性に優
れた二次電池を提案するにある。本発明のさらに他の目
的は長期に亘って充電,放電が可能な二次電池を提供す
るにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、正
極、負極並びに電解液を備えた有機電解質電池であっ
て、 (1)正極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であり、
水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であ
り、かつBET法による比表面積値が600m2 /g以
上である不溶不融性基体より成り
【0005】(2)負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処
理物であり、水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜
0.05であるポリアセン系骨格構造を含有した不溶不
融性基体にリチウムをモル百分率で3%以上担持せしめ
たものより成り
【0006】(3)電解液が下記一般式(1)にて示さ
れる環状カーボネートと一般式(2)にて示される鎖状
カーボネートとを含む混合溶媒にリチウム塩を溶解した
溶液であることを特徴とする有機電解質電池により達成
される。
【0007】
【化3】 (但し、式中R1 ,R2 は前記に同じ)
【化4】 (但し、式中R3 ,R4 は前記に同じ)
【0008】本発明におけるポリアセン系骨格構造を含
有する不溶不融性基体(以下、PASと記す)は本願の
出願人の出願にかかる特開昭59−3806号公報に記
載されている芳香族系縮合ポリマーを特定の条件で熱処
理することにより得られる。また600m2 /g以上の
BET法による比表面積を有するPASは本願の出願人
の出願にかかる特開昭60−170163号公報に記載
されている方法により得られる。具体的には高い比表面
積を必要としない場合、すなわち本発明においては負極
に用いる場合は例えば次の様にして得ることもできる。
本発明に用いる芳香族系縮合ポリマーとしては、
【0009】(a)フェノール・ホルムアルデヒド樹脂
の如き、フェノール性水酸基を有する芳香族系炭化水素
化合物とアルデヒド類の縮合物、(b)キシレン変性フ
ェノール、ホルムアルデヒド樹脂(フェノールの一部を
キシレンで置換したもの)の如き、フェノール性水酸基
を有する芳香族系炭化水素化合物、フェノール性水酸基
を有さない芳香族炭化水素化合物およびアルデヒドの縮
合物及び(c)フラン樹脂が好適なものとして挙げられ
る。該芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰囲気(真空
状態も含む)中で、400℃〜1000℃の温度、好ま
しくは600℃〜800℃の適当な温度まで徐々に加熱
し水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が
0.50〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の
熱処理物とするとPASが得られる。本発明において正
極あるいは負極に用いる600m2 /g以上のBET法
による比表面積を有するPASの場合、前記した芳香族
系縮合ポリマーに塩化亜鉛、リン酸ナトリウム等の無機
塩を混合する。混入する量は、無機塩の種類及び目的と
する電極の形状、性能によって異なるが、重量比で10
/1〜1/7が好ましい。このようにして得られた無機
塩と芳香族系縮合ポリマーの混合物はポリマーの組成、
無機塩の種類等によって異なるが通常50〜180℃の
温度で、2〜90分間加熱することにより硬化、かくし
て得られた硬化体を、次いで非酸化性雰囲気中で350
〜800℃の温度、好ましくは400℃〜750℃の温
度まで加熱し、得られた熱処理体を水あるいは希塩酸等
で十分洗浄することによって、熱処理体中に含まれてい
る無機塩を除去する。その後、これを乾燥すると、H/
C=0.50〜0.05好ましくは0.35〜0.10
の600m2 /g以上の比表面積を有するPASが得ら
れる。本発明に用いるPASはX線回折(CuKα線)
においてメインピークの位置が2θで24°以下に生
じ、且つ2θで41°〜46°の間にブロードなピーク
を示すものが好適である。本発明の負極に用いられるP
ASは上記した方法で得られるH/C=0.5〜0.0
5であるものを用いる。PASは芳香族系多環構造が適
度に発達し、かつ、平面ポリアセン系骨格構造の平均距
離が比較的大きいことが示唆され、リチウムを安定に担
持することができる。
【0010】H/Cが0.05未満の場合リチウムを担
持したとき、あるいはリチウムを出し入れしたとき(充
放電時)に基体構造に変化を生じ易くなり、サイクル特
性が低下する。H/Cが0.5を越える場合、リチウム
を安定に担持させることができず、この様なPASにリ
チウムを担持させた負極を用いて製造した電池は自己放
電が大きくなる。本発明において負極に用いるPASは
板状,フィルム状等の形状にあるものを、そのまま用い
ることもできるが、実用的には、粉体,短繊維状等の形
状に製造又は適当な形状で製造し、粉体,短繊維状等の
形状に加工されたPASを成形し、もちいることが好ま
しい。成形する場合、この成形体はPASと熱硬化性樹
脂を少なくとも含む成形体であることが好ましい。具体
的には次の2つの方法で製造することができる。
【0011】第1の方法は粉末状,短繊維状等の混合し
やすい形態のPASと熱硬化性樹脂の初期縮合物とを、
必要ならばメタノール,トルエン,水等の溶媒を加えて
混練後、50℃〜200℃の加熱下硬化と同時に加圧成
形する方法であり、第2の方法は先に上記形態にあるP
ASを、例えばポリ四フッ化エチレン,ポリエチレン,
ポリプロピレン等の電池用電極に一般的に用いられるバ
インダーと混合あるいは必要に応じて混練,成形し、続
いて該成形体に熱硬化性樹脂の初期縮合物溶液を含浸
後、加熱等により乾燥、硬化を行う方法である。本発明
の有機電解質電池に適用される負極はPASあるいはP
AS成形体にリチウムを担持せしめたものである。リチ
ウムの担持方法としては、電解法、気相法、液相法、イ
オン注入法等公知の方法から適宜選択して行えばよい。
例えば電解法でリチウムを担持する場合は、リチウムイ
オンを含む電解液中に、PASあるいはPAS成形体を
作用電極として浸漬し、同一電解液中の対極との間で、
電流を流すか、又は電圧を印加する。また上記成形体に
適量のリチウム箔を直接接触させる方法によっても担持
されることができる。気相法を用いる場合には、例えば
リチウムの蒸気に、PASあるいはPAS成形体を晒
す。また液相法を用いる場合は例えばリチウムイオンを
含む錯体と不溶不融性基体とを反応せしめる。この反応
に用いる錯体としては、例えばアルカリ金属のナフタレ
ン錯体、アルコキシドなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0012】上記方法によってPASに担持せしめるリ
チウムの量はモル百分率(PASの炭素原子1個に対す
るリチウムの数の百分率)で表わして3%以上、好まし
くは10%以上である。リチウムの量はPASの比表面
積によっても異なり、リチウムを担持せしめたPAS成
形体の電位がLi/Li+ に対して1.0〜0Vになる
様にリチウムを担持させるのが好ましい。本発明におけ
る電解液は環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合
溶媒にリチウム塩を溶解した溶液である。
【0013】環状カーボネートとしては一般式
【化5】 (R1 ,R2 はH又はアルキル基)で表され、エチレン
カーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカー
ボネートが好ましく用いられる。また鎖状カーボネート
としては一般式
【化6】 (R3 ,R4 はアルキル基)で表され、ジエチルカーボ
ネート,ジメチルカーボネートが好ましく用いられる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合比は重量比
で環状カーボネート/鎖状カーボネート=95/5〜5
/95,好ましくは80/20〜10/90である。ま
た上記の混合溶媒に溶解させる電解質はリチウムイオン
を生成しうる電解質のいずれでも良い。このような電解
質としては例えばLiI,LiPF6 ,LiClO4
LiAsF6 ,LiBF4 ,又はLiHF2 等のリチウ
ム塩が挙げられる。上記の電解質及び溶媒は十分に脱水
された状態で混合され、電解液とするのであるが、電解
液中の前記電解質の濃度は電解液による内部抵抗を小さ
くするため少なくとも0.1モル/ l以上とするのが好
ましく、通常0.2〜1.5モル/lとするのが更に好
ましい。
【0014】次に図面により本発明の実施態様の一例を
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1において、(1)は正極であり、(2)は負
極である。(3),(3′)は集電体であり、各電極及
び外部端子(7),(7′)に電圧降下を生じないよう
に接続されている。(4)は電解液であり、(5)は正
負両極の接触を阻止する事及び電解液を保持する事を目
的として配置されたセパレーターである。該集電体は例
えば炭素,白金,ニッケル,ステンレス等を用いること
が出来、該セパレーターは通常ガラス繊維、ポリエチレ
ン或はポリプロピレン等からなる布、不織布或は多孔体
が用いられる。セパレーターの厚さは電池の内部抵抗を
小さくするため薄い方が好ましいが、電解液の保持量,
流通性,強度等を勘案して決定される。正負極及びセパ
レーターは電池ケース(6)内に実用上問題が生じない
ように固定される。電極の形状、大きさ等は目的とする
電池の形状、性能により適宜決められる。
【0015】
【発明の効果】本発明の有機電解質電池は正極にPAS
負極にリチウムを担持させたPASを用い、電解液にリ
チウム塩を環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合
溶媒に溶解した溶液を用いることにより、低温特性に優
れた二次電池である。以下実施例を挙げて本発明を具体
的に説明する。
【0016】実施例 (1)負極の製造法 予め硬化した約500μm厚のフェノール樹脂をシリコ
ニット電気炉に入れ、窒素雰囲気下で650℃まで40
℃/時間の昇温速度にて熱処理し、ディスクミルで粉砕
することによりPAS粉体を得た。該PASの水素原子
/炭素原子の原子比は0.23であった。該PAS粉1
00部に対してポリ四フッ化エチレンパウダー10部を
十分に混合、混練後、ローラーを用いて約500μmの
フィルムに成形した。続いてレゾール型フェノール樹脂
初期縮合物のメタノール溶液(20%濃度)に該成形体
を浸漬し、フェノール樹脂を含浸した後該含浸フィルム
を150℃で一昼夜乾燥硬化した。得られた含浸成形体
を作用極とし、リチウム金属を対極及び参照極とし、電
解液にLiPF6 をプロピレンカーボネートとジエチル
カーボネートの混合溶媒に1モル/ lの濃度で溶解した
溶液を用い、電気化学セルを組んだ。リチウムに対し
0.2Vの電圧を12時間印加することにより、PAS
にリチウムを担持させた。
【0017】(2)正極の製造法 水溶性レゾール(約60%濃度)、塩化亜鉛及び水を重
量比で10:25:4の割合で混合した水溶液をフィル
ムアプリケーターでガラス板上に成膜した。次に成膜し
た水溶液上にガラスを被せ水分が蒸発しない様にした
後、約100℃の温度で1時間加熱して硬化させた。該
フェノール樹脂フィルムをシリコニット電気炉中に入れ
窒素気流下で40℃/時間の速度で昇温して、500℃
まで熱処理を行った。次に該熱処理物を希塩酸で洗った
後、水洗し、その後乾燥することによってPASを得
た。該PASの水素原子/炭素原子の原子比は0.25
BET法による比表面積は2100m2 /gであった。
該PASをディスクミルで粉砕した粉末100部、アセ
チレンブラック15部、四フッ化エチレン粉末10部を
充分に混練後、ローラーを用いて約500μのフィルム
に成形した。
【0018】(2)電池の組立て 上記正極,負極を用い図1のような電池を組んで集電体
としてはステンレス金網を用い、セパレーターとしては
ガラス繊維からなるフェルトを用いた。また電解液とし
ては1モル/ l LiPF6 −プロピレンカーボネート
/ジエチルカーボネート(1/1重量比)溶液を用い
た。
【0019】(電池の測定)上記電池に外部電源より
4.0Vの電圧を約1時間印加し、充電を行い、次いで
1mA/cm2 の電流密度で2.0Vまで放電し、初期
容量を求めた。この時電池は25℃で測定した。引き続
いて−20℃において同様の方法で容量を測定したとこ
ろ、その容量は初期容量に対し72%であった。
【0020】比較例 実施例において電解液を1モル/ l LiPF6 −プロ
ピレンカーボネート溶液を用いる以外は同様にして低温
特性を測定した。−20℃における容量は25℃におけ
る容量の51%であった。プロピレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの混合溶媒を用いることにより低温
時の容量低下が改善されたことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の基本構成図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 集電体 3′ 集電体 4 電解液 5 セパレーター 6 電池ケース 7 外部端子 7′ 外部端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極並びに電解液を備えた有機電
    解質電池であって、 (1)正極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であり、
    水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であ
    り、かつBET法による比表面積値が600m2 /g以
    上である不溶不融性基体より成り (2)負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であり、
    水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05である
    ポリアセン系骨格構造を含有した不溶不融性基体にリチ
    ウムをモル百分率で3%以上担持せしめたものより成り (3)電解液が下記一般式(1)にて示される環状カー
    ボネートと一般式(2)にて示される鎖状カーボネート
    とを含む混合溶媒にリチウム塩を溶解した溶液であるこ
    とを特徴とする有機電解質電池。 【化1】 (但し、式中R1 ,R2 はH又はアルキル基) 【化2】 (但し、式中R3 ,R4 はアルキル基)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371400B1 (ko) * 1999-07-15 2003-02-07 주식회사 엘지화학 흑연화 탄소부극을 사용하는 pan계 고분자 전지

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371400B1 (ko) * 1999-07-15 2003-02-07 주식회사 엘지화학 흑연화 탄소부극을 사용하는 pan계 고분자 전지

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