JPH05323953A - アップライトピアノのアクション - Google Patents

アップライトピアノのアクション

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Publication number
JPH05323953A
JPH05323953A JP4155783A JP15578392A JPH05323953A JP H05323953 A JPH05323953 A JP H05323953A JP 4155783 A JP4155783 A JP 4155783A JP 15578392 A JP15578392 A JP 15578392A JP H05323953 A JPH05323953 A JP H05323953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bat
hammer
catcher
arm
jack
Prior art date
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Pending
Application number
JP4155783A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Inoue
井上  敏
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
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Publication of JPH05323953A publication Critical patent/JPH05323953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回動自在なアームによりアームとバックチェ
ックとのバウンドを防止し、付勢手段によりバットが打
弦時の回動方向に向かって付勢されることにより、アッ
プライトピアノの連打性を高めるとともに、アップライ
トピアノの演奏性の向上を図る。 【構成】 上下方向に張設された弦を打撃するハンマー
13を設ける。このハンマー13の回動中心側にバット
15を設ける。このバット15と一体に設けられたキャ
ッチャー19を設ける。打弦後、跳ね返ってくるキャッ
チャー19を受け止めるバックチェック27を設ける。
バット15に押鍵操作を伝えるジャック33を設ける。
打弦後のハンマーストップ状態からわずかに鍵を戻した
とき、バット15を打弦時と同方向に付勢するレペティ
ションレバー22を設ける。このレペティションレバー
22を時計方向に付勢するスプリング24を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアップライトピアノのア
クションに関し、ハンマーストップ時、回動自在なアー
ムによりアームとバックチェックとのバウンドを防止す
ると共に、ハンマーストップ状態解放時、付勢手段によ
りバットが打弦時の回動方向に向かって付勢されること
により、ジャックの戻りを早めて、アップライトピアノ
の連打性を高めるとともに、アップライトピアノの演奏
性の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アップライトピアノの同一鍵を連
打する際、そのタッチに正確に追従して確実に弦を打撃
できるアクションとしては、実開昭55−84676号
公報に開示されたものが知られている。
【0003】このアップライトピアノのアクションは、
張設された弦を所定方向に回動して打撃するハンマー
と、このハンマーの回動中心側に連設したバットと、こ
のバットと一体に設けられたキャッチャーと、このキャ
ッチャーの上面に突出して設けられたアームと、打弦
後、上記所定方向と逆方向に回動する上記キャッチャー
を受け止めるバックチェックと、上記バットに打鍵に応
じた所定方向への回動力を伝達するジャックと、を備え
たものである。そして、このアクションは、ハンマース
トップ時、バットと一体に設けたキャッチャーのアーム
がバックチェックに当接してバットを支え、ハンマース
トップ状態解放時、支えられているバットの下にジャッ
クがスプリング付勢により入る構成で、ジャックの戻り
を促進し、連打性を向上させる技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のアップライトピアノのアクションにあって
は、キャッチャーのアームがバットと一体構造のため、
アームがバックチェックに当接したときのショックを吸
収できず、アームがバックチェックにおいてバウンドし
て、弦がハンマーにより二度打ちされる可能性もあり、
アップライトピアノの演奏性に不都合が生じるという課
題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、ハンマーストッ
プ時、回動自在なアームによりアームとバックチェック
とのバウンドを防止すると共に、ハンマーストップ状態
の解放時、付勢手段によりバットが打弦時の回動方向に
向かって付勢されることにより、ジャックの戻りを早め
て、アップライトピアノの連打性を高めるとともに、ア
ップライトピアノの演奏性の向上を図ったアクションを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、張設された弦を所定方向に回動して打撃するハンマ
ーと、このハンマーの回動中心側に連設されたバット
と、このバットと一体に設けられたキャッチャーと、打
弦後、上記所定方向と逆方向に回動する上記キャッチャ
ーを受け止めるバックチェックと、上記バットに打鍵に
応じた所定方向への回動力を伝達するジャックと、を備
えたアップライトピアノのアクションにおいて、上記バ
ットに対して回動自在に配設され、ハンマーストップ
時、上記バックチェックの上面に当接するアームと、こ
のアームに配設され、ハンマーストップ状態解放時、上
記バットを上記所定方向に付勢する付勢力を該アームに
作用する付勢手段と、を備えるアップライトピアノのア
クションである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、張設され
た弦を所定方向に回動して打撃するハンマーと、このハ
ンマーの回動中心側に連設されたバットと、このバット
にキャッチャーシャンクを介して固定されたキャッチャ
ーと、打弦後、上記所定方向と逆方向に回動する上記キ
ャッチャーを受け止めるバックチェックと、上記バット
に打鍵に応じた所定方向への回動力を伝達するジャック
と、を備えたアップライトピアノのアクションにおい
て、上記バックチェックに対して回動自在に配設され、
ハンマーストップ時、上記キャッチャー、または、上記
キャッチャーシャンクの下面に当接するアームと、この
アームに配設され、ハンマーストップ状態解放時、上記
バットを上記所定方向に付勢する付勢力を該アームに作
用する付勢手段と、を備えるアップライトピアノのアク
ションである。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明に係るアップライトピア
ノのアクションにあっては、打弦後、キャッチャーはバ
ックチェックに受け止められる。このハンマーストップ
時、アームが回動自在の構成であるため、アームがバッ
クチェックに当接するときのショックは完全に吸収され
る。さらに、ハンマーストップ状態解放時、付勢手段に
より付勢されるアームがバットを打弦時と同じ方向に向
かって付勢する。この結果、ハンマーストップ状態から
鍵をわずかに戻したとき、バットが打弦時と同じ方向に
回動するので、ジャックは速かにバット下端面に戻るこ
とができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明に係るアップ
ライトピアノのアクションにあっては、打弦後、キャッ
チャーはバックチェックに受け止められる。このハンマ
ーストップ時、アームが回動自在のため、アームがキャ
ッチャー、または、キャッチャーシャンクに当接すると
きのショックは完全に吸収される。さらに、ハンマース
トップ状態解放時、付勢手段により付勢されるアームが
バットを打弦時と同じ方向に向かって付勢する。この結
果、ハンマーストップ状態から鍵をわずかに戻したと
き、バットが打弦時と同じ方向に回動するので、ジャッ
クは速かにバット下端面に戻ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1〜図8を
参照して説明する。図1は本発明の第1実施例に係るア
ップライトピアノのアクションの休止状態を示す側面図
である。図2は図1の要部拡大図である。図3は本発明
の第1実施例に係るアップライトピアノのハンマースト
ップ状態を示す側面図である。図4は図3の要部拡大図
である。
【0011】図1、図2において、本発明の第1実施例
に係るアクション12が休止状態にある場合について説
明する。このアクション12は、ほぼ垂直に張設された
弦11に対応して88個の鍵10の後部上方に配設され
ている。アクション12は、主に、弦11を図中反時計
回り方向に回動して打撃するハンマー13と、このハン
マー13のハンマーシャンク13Aの回動中心側に連設
されたバット15と、を有している。このバット15の
左端にバットスプリング16が取り付けられている。こ
のバットスプリング16は、打弦後、ハンマー13が弦
11に再び接触しないように図中時計回り方向に付勢す
るものである。このハンマー13は、バット15の基端
でセンターピン17を支点として回動自在に支持されて
いる。
【0012】そして、バット15の右端にはキャッチャ
ーシャンク18が突出して連結されている。このキャッ
チャーシャンク18の先端にキャッチャー19が固設さ
れている。このキャッチャー19の後面(バックチェッ
クに対向する面)および上面にかけてキャッチャースキ
ン19Aが貼着されている。
【0013】また、キャッチャーシャンク18の中央部
に軸受部20が上方に向かって突出して固着されてい
る。この軸受部20の上部において、ピン21を支点と
してレペティションレバー22が回動自在に取り付けら
れている。このレペティションレバー22の右端には、
半球部22Aが形成されている。
【0014】また、軸受部20の上端にはコード23が
立設されている。このコード23の上部とレペティショ
ンレバー22の左部(バット15側)とにスプリング2
4の両端がそれぞれ係止されている。このスプリング2
4は、ピン21を中心として図1、図2中反時計回り方
向にレペティションレバー22を常時付勢している。こ
の結果、後述するが、図3、図4に示すハンマーストッ
プ状態からの解放時、このスプリング24はバット15
を同図中反時計回り方向に付勢する力を付与することと
なる。
【0015】また、レペティションレバー22のピン2
1より右側には調整ネジ25が螺着されている。この調
整ネジ25の下端は上記キャッチャースキン19Aに当
接している。調整ネジ25は、軸受部20とレペティシ
ョンレバー22との初期状態(休止状態)での角度を変
更することによって、スプリング24がレペティション
レバー22を付勢する力を調整するものである。なお、
軸受部20はバット15の上面、または、キャッチャー
19の上面に固設してもよい。
【0016】さらに、27は、打弦動作後の反動により
跳ね返って、図1中時計回り方向に回動するハンマー1
3、バット15、キャッチャー19等のハンマーアセン
ブリを受け止めるバックチェックである。このバックチ
ェック27はレペティションレバー22の右方に所定間
隔だけ離れて設けられている。すなわち、バックチェッ
ク27は、演奏者側に向かってわずかに傾斜するように
してウイペン26の右端部に植設されている。このバッ
クチェック27の上面およびキャッチャー19との対向
面にはバックチェックフェルト27Aが貼着されてい
る。図3、図4のハンマーストップ状態において、上記
キャッチャースキン19Aの後面がこのバックチェック
フェルト27Aの対向面に当接するとともに、レペティ
ションレバー22の半球部22Aがバックチェックフェ
ルト27Aの上面に当接する構成である。すなわち、キ
ャッチャースキン19Aおよびバックチェックフェルト
27Aは、この当接時に雑音の発生を防止するものであ
る。
【0017】そして、28は、弦11に対応して配設さ
れる88個の鍵全体にわたって共通に横断延設されたセ
ンターレールである。このセンターレール28の上端部
にバットフレンジ29を介して上記バット15が、セン
ターピン17を支点として回動自在に取り付けられてい
る。一方、センターレール28の下端部にはウイペンフ
レンジ30を介して上記ウイペン26が、ピン31を中
心にして回動自在に取り付けられている。このウイペン
26は、センターレール28から水平方向に突出するよ
うに設けられている。
【0018】このウイペン26の上面においてセンター
レール28の右方には、ジャックフレンジ32を介して
L字状のジャック33が揺動自在に立設されている。こ
のジャック33のジャック大33Aの先端(頂端)は、
上記バット15の下端面に当接している。ジャック33
は、打鍵に応じた図中時計回り方向への回動力をバット
15に伝達するものである。このバット15の当接面に
はバットスキン15Aが貼着されている。ジャックフレ
ンジ32の右方において、ジャック小33Bの下面とウ
イペン26の上面とにジャックスプリング34の両端が
それぞれ係止している。このジャックスプリング34
は、ピン36を中心にジャック33を図中反時計回り方
向に付勢するものである。また、35はレギュレチング
ボタンであって、図3、図4に示すように、上記ジャッ
ク小33Bの上面が当接可能な位置に配設されている。
このレギュレチングボタン35の当接面35Aにも皮革
等が貼着されている。
【0019】さらに、ウイペン26の遊端側の下面には
ウイペンヒール37が固着されている。このウイペンヒ
ール37の下面にキャプスタンボタン38の半球状の頂
頭部が当接している。このキャプスタンボタン38は、
上記鍵10の奥端部上面にポストワイヤー39を介して
直立して設けられている。この鍵10は、棚板40上で
鍵盤筬中41に立設されたバランスキーピン42を支点
として上下方向に揺動自在に支持されている。
【0020】以上の構成に係るアップライトピアノのア
クション12の作用について以下説明する。休止状態の
アクション12は、鍵10を打鍵すると以下のように動
作する。まず、キャプスタンボタン38が押し上げられ
る。これにともなって、ウイペン26がウイペンフレン
ジ30のピン31を支点として図中反時計回り方向に回
動する。このため、ジャック33は押し上げられる。こ
れとともに、ダンパースプーン46がダンパーレバー4
5をダンパースプリング50に抗して図中時計回り方向
に回動させる。この結果、ダンパー43が弦11から離
間する。
【0021】一方、ジャック33の上昇は、バット15
を突き上げて、このバット15を図中反時計回り方向に
回動させる。このため、バット15に設けられたハンマ
ー13は図中反時計回り方向に回動する。ただし、ジャ
ック33は一定高さだけ上昇すると、ジャック小33B
がレギュレチングボタン35に当接する。この結果、ジ
ャック33の上昇は阻止される。さらに、ジャック33
はジャックスプリング34に抗してピン36を中心に図
中時計回り方向に回動する。このため、ジャック33は
バット15から一時的に離れる。しかし、この後もハン
マー13はその慣性によりなおも図中反時計回り方向に
回動し続けて、弦11を打撃する。なお、レペティショ
ンレバー22は、この打撃までの過程においては、全く
作用しないものである。
【0022】打弦後、ハンマー13は弦11の反発力、
および、バットスプリング16の付勢力により跳ね返さ
れる。この結果、バット15はセンターピン17を中心
に図中時計回り方向に回動する。そして、レペティショ
ンレバー22の半球部22Aは、バックチェックフェル
ト27Aに当接する。この場合、本実施例に係るアクシ
ョン12にあっては、バックチェック27でのバウンド
による弦11の二度打ちを防止することができるもので
ある。この理由は、レペティションレバー22の半球部
22Aがバックチェック27に当接するときのショック
は、レペティションレバー22が回動することにより、
完全に吸収されるためである。
【0023】この当接後も、キャッチャースキン19A
が、バックチェックフェルト27Aの対向面に当接する
まで、バット15は回動する。この回動のため、レペテ
ィションレバー22は、ピン21を中心にスプリング2
4に抗して図中反時計回り方向に回動する。このとき、
レペティションレバー22は常時図中時計回り方向の付
勢力を受けているので、レペティションレバー22の半
球部22Aがバックチェック27の上面を付勢する力が
徐々に増加する。この状態が図3および図4に示すハン
マーストップ状態である。
【0024】次いで、このハンマーストップ状態から鍵
10をわずかに戻す。すると、キャプスタンボタン38
が降下する。これにともない、ウイペン26が元の位置
(図1、図2の休止状態)に戻り始める。さらに、ジャ
ック33は降下しながら、ジャックスプリング34の付
勢によりピン36を中心にして図中反時計回り方向に回
動する。
【0025】一方、バックチェック27も降下し始め
る。バット15も、バットスプリング16の付勢により
上記元の位置に回動復帰し始める。このとき、キャッチ
ャースキン19Aと、バックチェックフェルト27Aと
がまず離れる。その後、レペティションレバー22はス
プリング24の付勢によりピン21を中心に常に図中時
計回り方向の力を受け、その半球部22Aがバックチェ
ック27を押し続け、レペティションレバー22はバッ
クチェック27を押しながら、ピン21の回りを図中時
計回り方向にわずかに回転する。この回転により、軸受
部20およびキャッチャーシャンク18を介して、バッ
ト15は、センターピン17を中心に打弦時の回動方向
(図中反時計回り方向)にわずかに回転し始める。この
とき、ジャック33も、ジャックスプリング34で図中
反時計回り方向に付勢されているので、上記元の位置に
急速に戻る。したがって、バット15が上記元の位置に
戻る前にジャック大33Aがバットスキン15Aとの上
記元の位置に当接するものである。よって、ハンマース
トップ状態解放時、すなわち、ハンマーストップ状態か
らわずかに鍵10を戻しただけで、次の打弦動作が可能
になる。
【0026】なお、調整ネジ25を回転して調節するこ
とにより、レペティションレバー22の半球部22Aが
バックチェック27を押さえる力を変更することができ
る。例えば、ハンマーストップ状態からわずかに鍵10
を戻したとき、ジャック33が上記元の位置まで正確に
復帰するように調整できるものである。
【0027】従来のアップライトピアノにおいて、鍵を
休止状態の位置まで戻さなくても、再打弦が可能な場合
がある。これは、鍵を全速力で戻した場合のみである。
しかし、ゆっくり鍵を戻すときは、鍵が完全に休止状態
の位置まで戻らなければ、再打弦ができない。本発明に
係るアップライトピアノのアクションは、グランドピア
ノのアクションのようにゆっくり鍵を戻したときでも、
鍵の演奏者側端部を最下端からわずかに上昇させただけ
で、再打弦を可能にしたものである。したがって、アッ
プライトピアノの連打性を高めるとともに、アップライ
トピアノの演奏性の向上を図ることができる。
【0028】次に、図5〜図8を用いて第2実施例に係
るアップライトピアノのアクション100を説明する。
図5は本発明の第2実施例に係るアップライトピアノの
アクションの休止状態を示す側面図、図6は図5の要部
拡大図、図7は本発明の第2実施例のアップライトピア
ノのアクションのハンマーストップ状態を示す側面図、
図8は図7の要部拡大図である。
【0029】このアクション100では、レペティショ
ンレバー101を、軸受け部を介さないでバックチェッ
ク102にピン103を中心として回動自在に取り付け
ている。このバックチェック102には、キャッチャー
19との当接面にバックチェックフェルト102Aが貼
着されている。レペティションレバー101の下面には
コード104が下方に向かって突設されている。スプリ
ング105の両端は、このコード104の一端とレペテ
ィションレバー101の右端部とにそれぞれ係止されて
いる。スプリング105は、ピン103を中心にレペテ
ィションレバー101を時計回りに常時付勢し続けてい
る。したがって、このスプリング105は、図7、図8
のハンマーストップ状態からの解放時、バット15を図
中反時計回り方向に付勢する力をレペティションレバー
101に作用させることとなる。
【0030】また、レペティションレバー101の左端
には、調整ネジ106が螺着されている。この調整ネジ
106の上端はキャッチャースキン19Aの下面に当接
可能に設けられている。調整ネジ106は、初期状態
(休止状態)でのバックチェック102とレペティショ
ンレバー101との間の角度を変更することによって、
スプリング105がレペティションレバー101を付勢
する力を調整している。すなわち、調整ネジ106がキ
ャッチャースキン19Aと当接するタイミングが変わる
ため、レペティションレバー101のハンマーストップ
時におけるその回転量が変わり、スプリング105の付
勢力を変えられるものである。なお、レペティションレ
バー101は軸受部を介してバックチェック102に固
設してもよい。また、レペティションレバー101の調
整ネジ106の上端がキャッチャーシャンク18の下面
と当接するように構成するようにしても良い。その他の
構成は上記実施例と同じである。
【0031】以上の構成に係るアップライトピアノのア
クション100の作用について以下説明する。休止状態
のアクション100のハンマー13は、打弦後、弦11
の反発力およびバットスプリング16の付勢力によって
跳ね返される。そして、キャッチャースキン19Aの下
部は、レペティションレバー101に取り付けられてい
る調整ネジ106の上端に当接する。なお、バット15
は、バックチェック102によって受け止められるま
で、図中時計回り方向に回動し続ける。
【0032】このとき、レペティションレバー101
も、スプリング105の付勢力に打ち勝って、図中反時
計回り方向に回動する。そして、キャッチャー19がバ
ックチェック102によってつかまえられると、バット
15およびレペティションレバー101の回転は停止す
る。この状態が図7、図8に示すハンマーストップ状態
である。
【0033】このハンマーストップ状態から鍵10をわ
ずかに戻すと、キャッチャー19はバックチェック10
2から解放される。このとき、レペティションレバー1
01はスプリング105により、図中時計回り方向に付
勢されているので、レペティションレバー101はその
時計回り方向に回転する。
【0034】また、レペティションレバー101に取り
付けられた調整ネジ106は、キャッチャースキン19
Aの下面に当接している。このため、レペティションレ
バー101の図中時計回り方向の回転により、バット1
5も、センターピン17を中心に図中反時計回り方向
(打弦時の方向)に回転する。
【0035】このとき、ジャック33は、ジャックスプ
リング34により図中反時計回り方向に付勢されている
ので、元の位置(図5、図6に示すバットの下面)に戻
る。したがって、バット15が元の位置(図5、図6の
休止状態)に戻る前に、ジャック33が元の位置に戻る
ことができる。この結果、図7、図8に示すハンマース
トップ状態からわずかに鍵10を戻しただけで、次の打
弦が可能になる。その他の作用は上記第1実施例と同じ
である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアッ
プライトピアノのアクションは、アームが回動自在のた
め、アームとバックチェックまたはキャッチャーとのバ
ウンドによる2度打ちを防止できる。また、付勢手段に
よりバットが打弦時の回動方向に向かって付勢されてい
るため、ジャックの戻りを早めて、アップライトピアノ
の連打性を高めるとともに、アップライトピアノの演奏
性を向上できる優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るアップライトピア
ノのアクションの休止状態を示す側面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 本発明の第1実施例のアップライトピアノの
アクションのハンマーストップ状態を示す側面図であ
る。
【図4】 図3の要部拡大図である。
【図5】 本発明の第2実施例に係るアップライトピア
ノのアクションの休止状態を示す側面図である。
【図6】 図5の要部拡大図である。
【図7】 本発明の第2実施例のアップライトピアノの
アクションのハンマーストップ状態を示す側面図であ
る。
【図8】 図7の要部拡大図である。
【符号の説明】
10 鍵、11 弦、12 アクション、13 ハンマ
ー、15 バット、18 キャッチャーシャンク、19
キャッチャー、22 レペティションレバー(アー
ム)、24 スプリング(付勢手段)、27 バックチ
ェック、33 ジャック、100 アクション、101
レペティションレバー、102 バックチェック、1
05 スプリング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、軸受部20の上端にはコード23が
立設されている。このコード23の上部とレペティショ
ンレバー22の左部(バット15側)とにスプリング2
4の両端がそれぞれ係止されている。このスプリング2
4は、ピン21を中心として図1、図2中時計回り方向
にレペティションレバー22を常時付勢している。この
結果、後述するが、図3、図4に示すハンマーストップ
状態からの解放時、このスプリング24はバット15を
同図中反時計回り方向に付勢する力を付与することとな
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】このウイペン26の上面においてセンター
レール28の右方には、ジャックフレンジ32を介して
L字状のジャック33が揺動自在に立設されている。こ
のジャック33のジャック大33Aの先端(頂端)は、
上記バット15の下端面に当接している。ジャック33
は、打鍵に応じた図中時計回り方向への回動力をバッ
ト15に伝達するものである。このバット15の当接面
にはバットスキン15Aが貼着されている。ジャックフ
レンジ32の右方において、ジャック小33Bの下面と
ウイペン26の上面とにジャックスプリング34の両端
がそれぞれ係止している。このジャックスプリング34
は、ピン36を中心にジャック33を図中反時計回り方
向に付勢するものである。また、35はレギュレチング
ボタンであって、図3、図4に示すように、上記ジャッ
ク小33Bの上面が当接可能な位置に配設されている。
このレギュレチングボタン35の当接面35Aにも皮革
等が貼着されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、レペティションレバー101の左端
には、調整ネジ106が螺着されている。この調整ネジ
106の上端はキャッチャースキン19Aの下面に当接
可能に設けられている。調整ネジ106は、ハンマース
トップ状態でのバックチェック102とレペティション
レバー101との間の角度を変更することによって、ス
プリング105がレペティションレバー101を付勢す
る力を調整している。すなわち、調整ネジ106がキャ
ッチャースキン19Aと当接するタイミングが変わるた
め、レペティションレバー101のハンマーストップ時
におけるその回転量が変わり、スプリング105の付勢
力を変えられるものである。なお、レペティションレバ
ー101は軸受部を介してバックチェック102に固設
してもよい。また、レペティションレバー101の調整
ネジ106の上端がキャッチャーシャンク18の下面と
当接するように構成するようにしても良い。その他の構
成は上記実施例と同じである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張設された弦を所定方向に回動して打撃
    するハンマーと、 このハンマーの回動中心側に連設されたバットと、 このバットと一体に設けられたキャッチャーと、 打弦後、上記所定方向と逆方向に回動する上記キャッチ
    ャーを受け止めるバックチェックと、 上記バットに打鍵に応じた所定方向への回動力を伝達す
    るジャックと、を備えたアップライトピアノのアクショ
    ンにおいて、 上記バットに対して回動自在に配設され、ハンマースト
    ップ時、上記バックチェックの上面に当接するアーム
    と、 このアームに配設され、ハンマーストップ状態解放時、
    上記バットを上記所定方向に付勢する付勢力を該アーム
    に作用する付勢手段と、を備えることを特徴とするアッ
    プライトピアノのアクション。
  2. 【請求項2】 張設された弦を所定方向に回動して打撃
    するハンマーと、 このハンマーの回動中心側に連設されたバットと、 このバットにキャッチャーシャンクを介して固定された
    キャッチャーと、 打弦後、上記所定方向と逆方向に回動する上記キャッチ
    ャーを受け止めるバックチェックと、 上記バットに打鍵に応じた所定方向への回動力を伝達す
    るジャックと、を備えたアップライトピアノのアクショ
    ンにおいて、 上記バックチェックに対して回動自在に配設され、ハン
    マーストップ時、上記キャッチャー、または、上記キャ
    ッチャーシャンクの下面に当接するアームと、 このアームに配設され、ハンマーストップ状態解放時、
    上記バットを上記所定方向に付勢する付勢力を該アーム
    に作用する付勢手段と、を備えることを特徴とするアッ
    プライトピアノのアクション。
JP4155783A 1992-05-22 1992-05-22 アップライトピアノのアクション Pending JPH05323953A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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