JPH053231Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、水栓吐水口に装着されるアダプタに
係り、詳しくは例えば該吐水口からの吐水をなす
とともに、切り替え操作を行うことによりアダプ
タに接続されたデンタルシヤワー装置からの吐水
を行なう等の流路切替が可能な吐水口アダプタに
関する。

［従来の技術］ 従来の水栓においては、例えば吐水口に吐水口
キヤツプを装着し、吐水される水に空気を含ませ
るようにすることが行なわれている。

しかしながら、従来、吐水口から吐水される水
の流路を切り替え、例えば一方の流路にシヤワー
装置を接続する試みはなされていない。

［考案が解決しようとする問題点］ したがつて、従来の水栓においてシヤワーを接
続するには、水栓の内部に流路切替機構を設ける
必要があり、水栓の構造が複雑となつていた。

本考案は、かかる問題点を解決し、水栓吐水口
に装着するだけで流路切替が行なえるようになる
アダプタを提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の吐水口アダプタは、略筒形の固定キヤ
ツプと、略筒形であり該固定キヤツプに連結され
た可動キヤツプと、これら固定キヤツプ及び可動
キヤツプにそれぞれ設けられ、たがいに摺動可能
な仕切壁と、これら仕切壁に設けられた通水口
と、可動キヤツプに設けられた分岐水路を備えて
構成されている。

前記固定キヤツプは一端が水栓吐水孔に螺着さ
れるものであり、内部には筒内を筒軸と直交する
方向に封画する第１の仕切壁が設けられている。

前記可動キヤツプはこの固定キヤツプに対し同
軸にかつ軸心回りに回転可能に連結されており、
一端には前記第１の仕切壁と摺動する第２の仕切
壁が設けられている。

これら第１及び第２の仕切壁にはそれぞれ第１
及び第２の通水口が貫設されている。また、第２
の仕切壁においては分岐路の一端側が該第２の仕
切壁の固定キヤツプ側に開口しており、該分岐水
路の他端側が可動キヤツプの外周部に開口してい
る。

これら第１及び第２の通水口ならびに分岐水路
の前記一端側開口は、次の如き位置関係とされて
いる。すなわち、可動キヤツプを所定位置に回動
させると、第１及び第２の通水口同士が連通され
かつ分岐水路が閉鎖される。また、可動キヤツプ
を別の所定位置に回動させると、第１の通水口と
分岐水路が連通され、第２の通水口が閉鎖され
る。

［作用］ 本考案の吐水口アダプタにおいては、可動キヤ
ツプを所定位置に回すと、第１及び第２の通水口
が連通され、水栓の吐水口部分からの吐水が可能
とされる。

可動キヤツプを異なる所定位置に回すと、これ
ら第１及び第２の通水口同士の連通が遮断され、
かわりに第１の通水口と分岐水路が連通される。
したがつて、この分岐水路にデンタルシヤワー等
のシヤワー装置を接続しておくと、このシヤワー
装置からの吐水を行なうことができる。

このように、本考案の吐水口アダプタによれ
ば、吐水口からの吐水と、吐水口に接続されたシ
ヤワー装置等からの吐水とを切り替えることがで
きる。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例を参照しながら本考案
についてさらに詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例に係る吐水口アダプタ
の使用状態を示す縦断面図、第３図ないし第８図
は吐水口アダプタの要部構成説明図である。

この吐水口アダプタ１０は、水栓１２の吐水口
１４に螺着された固定キヤツプ１６、この固定キ
ヤツプ１６に回動自在に連結された可動キヤツプ
１８及び可動キヤツプ１８に固着されたキヤツプ
２０等を備えている。固定キヤツプ１６は、第３
図及び第４図にも示すように略円筒形状であり、
その一端側外周には吐水口１４に螺着されるねじ
２２が刻設されている。また、固定キヤツプ１６
の内部には筒軸と直交する方向に設けられた第１
の仕切壁２４が設けられており、この仕切壁２４
には第１の通水口２６が第１の仕切壁２４の厚さ
方向に貫設されている。また第１の仕切壁２４の
軸心部分にはボルト挿通孔２８が貫設されてい
る。符号３０は同様に第１の仕切壁２４に貫設さ
れた開口であるが、小さなデイスク３２が嵌め込
まれることにより塞がれている。

可動キヤツプ１８は略筒形状であり、一端側に
は、その筒軸方向と直交する方向に第２の仕切壁
３４が設けられており、この第２の仕切壁３４に
は、厚さ方向に貫通する第２の通水口３６が設け
られている。また第２の仕切壁３４の軸心部分に
はボス部３８が一体的に設けられており、このボ
ス部３８にはボルト挿通孔４０が貫通されてい
る。符号４２は分岐水路であり、その一端側は第
２の仕切壁３４の外端面側に開口し、他端側は可
動キヤツプ１８の側周において開口している。本
実施例では可動キヤツプ１８の外周面に突出部４
４が設けられており、分岐水路４２は該突出部４
４に穿設されている。またこの突出部４４にはプ
ラグ装着部４６が一体的に形成されている。符号
４８は可動キヤツプ１８の外周を囲むように被せ
られたカバーを示す。また符号５０は可動キヤツ
プ１８内の通水室を示す。

可動キヤツプ１８の仕切壁３４と反対側の端部
外周には雄ねじが刻設されており、キヤツプ２０
が螺着されている。

これら固定キヤツプ１６と可動キヤツプ１８と
は同軸配置とされ、かつ第２の仕切壁３４が第１
の仕切壁２４と密着して摺動するように組み合さ
れる。そして、ボルト挿通孔２８，４０に挿通さ
れる長ボルト５２及び該長ボルト５２に螺着され
るナツト５４にて一体化される。なお第１図の符
号Ｍは固定キヤツプ１６内の吐水口装着側ならび
にキヤツプ２０内に設けられたメツシユを示す。
また符号５６はキヤツプ２０内の内筒を示し、該
内筒５６には空気の流入口５８が開設されてい
る。

また、第１図に示す如くプラグ装着部４６には
プラグ６０が差し込まれ、該プラグ６０にはホー
ス６２を介してグリツプ６４及びデンターノズル
６６を備えたデンタルシヤワー装置６８が接続さ
れている。

なお、本実施例では第１の通水口２６としては
１個のやや小径のもの２６ａと、２個のやや大径
のもの２６ｂとが設けられている。また、第２の
通水口３６は２個の通水口２６ｂに対応して２個
設けられている。

しかして、前記第１の通水口２６、第２の通水
口３６及び分岐水路４２の開口４２ａは次の関係
をとつている。すなわち、第７図及び第８図に示
す位置に可動キヤツプ１８を回動させると、第１
及び第２の通水口２６，２６ｂ，３６同士が連通
され、開口４２ａがキヤツプ３２ａによつて閉鎖
される。また、第５図及び第６図に示すように、
別の所定位置に可動キヤツプ１８を回動させる
と、第１の通水口２６，２６ａが開口４２ａと一
致し、第１の通水口２６が分岐水路４２と連通さ
れる。そして第２の通水口３６はキヤツプ３２ａ
及び３２ｂによつて閉鎖される。

なお、このように可動キヤツプ１８を回動させ
る際の位置決めをなすために、固定キヤツプ１６
にはその可動キヤツプ１８側の端面に長溝７０が
切り込まれて形成されており、可動キヤツプ１８
には該開口７０と係合する凸部（図示せず）が設
けれており、該凸部が長溝７０内を往復できるよ
うになつている。そして、該凸部が長溝７０の一
端に係止した時に前記所定の回動位置となり、長
溝７０の他端側に係止されるときに前記別の所定
位置となるように該長溝７０及び凸部が設けられ
ている。

このように構成された吐水口アダプタにおい
て、第１図、第５図及び第６図に示すように可動
キヤツプ１８を回動すると、水栓１２内が固定キ
ヤツプ１６、分岐水路４２を介してデンタルシヤ
ワー装置６８に連通されデンターノズル６６の先
端から水が噴出される。また、可動キヤツプ１８
を第２図、第７図及び第８図に示す位置に回動す
ることにより、この分岐水路４２が閉鎖され、か
わりに第１及び第２の通水口２６，３６が連通す
ることによりキヤツプ２０からの吐水が行なわれ
る。したがつて、吐水口のみを有する簡易な構成
の水栓１２にこの吐水口アダプタ１０を接続する
ことにより、吐水口からの吐水とシヤワーからの
吐水等の流路の切替を行なうことが可能となる。

なお、上記実施例においては固定キヤツプ１６
を吐水口１４に内嵌させているが、逆に吐水口１
４に外向に突出する雄ねじ部を設け、固定キヤツ
プ１６をこの突出部に外嵌させるようにしても良
い。同様に、図示の実施例では可動キヤツプ１８
が固定キヤツプ１６に内嵌されているが、逆に外
嵌させるようにしても良く、キヤツプ２０も可動
キヤツプ１８に内嵌させるようにしても良い。

上記実施例では分岐水路４２にデンタルシヤワ
ー装置が接続されているが、本考案ではその他の
シヤワー装置や各種の部材を分岐水路に接続して
も良いことは明らかである。

［効果］ 以上の通り、本考案の吐水口アダプタによれ
ば、これを水栓吐水口に装着するだけで該吐水口
からの吐水水路を切り替ることができる。したが
つて、例えば内部に流路分岐機構を備えていない
水栓についてもシヤワー設備等を接続することが
でき、デンタルシヤワー設備等を通常の吐水口に
接続し必要な時にデンタルシヤワーを行なうこと
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例に係る吐水
口アダプタの使用状態を示す断面図、第３図は同
要部の組立斜視図、第４図は同縦断面図、第５図
及び第７図はそれぞれ固定キヤツプと可動キヤツ
プとの係合状態を示す平面図、第６図は第５図の
−線に沿う断面図、第８図は第７図の−
線に沿う断面図である。 １０……アダプタ、１２……水栓、１６……固
定キヤツプ、１８……可動キヤツプ、２４……第
１の仕切壁、２６……第１の通水口、３４……第
２の仕切壁、３６……第２の通水口、４２……分
岐水路、６８……デンタルシヤワー装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略筒形であり、一端が水栓吐水口に螺着され、
   内部には筒内を筒軸と直交する方向に封画する第
   １の仕切壁が設けられた固定キヤツプと、 該第１の仕切壁に貫設された第１の通水口と、 略筒形であり、該固定キヤツプに対し、同軸に
   かつ軸心回りに回転可能に連結されており、一端
   には前記第１の仕切壁と摺動する第２の仕切壁が
   設けられた可動キヤツプと、 該第２の仕切り壁に厚さ方向に貫設された第２
   の通水口と、 一端側が該第２の仕切壁の固定キヤツプ側に開
   口し、他端側が可動キヤツプの外周部に開口する
   分岐水路とを備え、 前記第１及び第２の通水口ならびに分岐水路の
   前記一端側開口は、前記可動キヤツプを所定位置
   に回動させた状態にて第１及び第２の通水口同士
   が連通されかつ分岐水路が閉鎖されるとともに、
   該可動キヤツプを別の所定位置に回動させた状態
   にて、第１の通水口と分岐水路が連通され、第２
   の通水口が閉鎖される配置とされている吐水口ア
   ダプタ。