JPH05323130A - 多焦点型バーナおよびそのバーナを用いたガラス微粒子堆積体の製造方法 - Google Patents

多焦点型バーナおよびそのバーナを用いたガラス微粒子堆積体の製造方法

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JPH05323130A
JPH05323130A JP41465090A JP41465090A JPH05323130A JP H05323130 A JPH05323130 A JP H05323130A JP 41465090 A JP41465090 A JP 41465090A JP 41465090 A JP41465090 A JP 41465090A JP H05323130 A JPH05323130 A JP H05323130A
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Atsushi Umeda
淳 梅田
Akira Iino
顕 飯野
Kunio Ogura
邦男 小倉
Masahide Kuwabara
正英 桑原
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 出発材にガラス微粒子を堆積させて石英光フ
ァイバの母材を形成させる場合において,堆積収率およ
びデポ速度を向上させる。 〔構成〕 原料ガス噴射流路1の外側に配設された可燃
性ガス噴射流路内に環状に複数の助燃性ガス噴射流路2
〜4を配設し,これら環状に配設された助燃性ガス噴射
流路から噴射される助燃性ガスの焦点距離FP1〜FP
3を外側の環の助燃性ガス噴射流路からの助燃性ガスの
焦点距離FP3を内側の助燃性ガスの噴射流路からの助
燃性ガスの焦点距離FP1よりも長くした多焦点型バー
ナ。また,この多焦点型バーナを用いてガラス微粒子を
出発材に堆積させる。 〔効果〕 堆積収率およびデポ速度ともに向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,光ファイバを形成する
ための母材を構成するガラス微粒子堆積体を,円柱状も
しくは円筒状出発材の外周部に形成させる時に使用する
バーナおよびそのバーナを用いたガラス微粒子堆積方法
に関するものであり,特に,多孔質ガラス母材を高収
率,高速に形成させるための複数のガス噴射焦点を持つ
多焦点型バーナとそのバーナを用いた多孔質ガラス母材
の製造方法(合成法)に関する。
【0002】
【従来の技術】石英系光ファイバ用母材の製造方法とし
て,いわゆる「外付け法」が知られている(たとえば,
特開昭48−73522号公報参照)。この外付け法
は,回転するガラスロッドの外周部に,ガラス原料の加
水分解反応により生成せしめたSiO2 などのガラス微
粒子を堆積させ,所定量のガラス微粒子が堆積されると
堆積処理を停止し,ガラスロッドとガラス微粒子堆積体
の複合体を形成し,この複合体を高温電気炉中で加熱処
理してガラス微粒子堆積の部分を焼結する事により,出
発材であるガラスロッドの外周部にさらに透明ガラス層
を形成する方法である。
【0003】従来,ガラス微粒子堆積体を合成するバー
ナとしては,同心円状の多重管構造の拡散火炎を発生す
るものが用いられてきた。しかし,このような拡散火炎
では燃焼ガス,助燃性ガス及び原料ガスの混合が十分に
行われないためガラス微粒子の生成が不十分であり,多
孔質ガラス母材の高収率,高速な合成が不可能であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
め,マルチノズル型バーナが提案されている(たとえ
ば,特開昭62−187135公報,参照)。このマル
チノズル型バーナを用いると,堆積収率および合成(デ
ポ)速度は著しく改善される。しかしながら,原料ガス
流量が極端に多くなると高温である助燃性ガス,たとえ
ば,酸素ガスの焦点付近における原料ガスの滞在時間が
短くなるので,ガラス微粒子の成長が不十分となり,堆
積収率とデポ速度が低下するという問題がある。上述し
た原料ガス滞在期間の短さを改善するため,たとえば,
ガスの焦点付近をSiO2 が揮発しない範囲で高温にし
て反応を速めるという方法がある。しかしながら,その
方法においても一焦点の火炎では,燃焼用ガス流量を増
やすことになるので,例え高温状態が得られても反対に
焦点付近における原料ガスの滞在時間が減少してしま
い,結果的にガラス微粒子の成長は望めない。以上のよ
うに,より大量の原料ガスを導入するとき,一焦点のバ
ーナでは上述した低い堆積収率と遅いデポ速度という問
題に遭遇する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め,本発明は,軸方向中央の原料ガス噴射流路の外側に
配設されている可燃性ガス吹き出し口内に原料ガス噴射
流路の中心から外側へ行くに従い噴射ガスの焦点距離の
長い複数のリング状に配置された小口径の助燃性ガス吹
き出し口を持つ多焦点型バーナを用いる。すなわち,本
発明の多焦点型バーナは,軸方向中央部に原料ガス噴射
流路,該原料ガス噴射流路の外側に設けられた可燃性ガ
ス噴射流路と,この可燃性ガス噴射流路内に環状に,そ
れぞれ複数の小口径の助燃性ガス噴射流路を有する複数
の助燃性ガス噴射流路系とを有する。そして,外側の助
燃性ガス噴射流路系の噴射流路からの噴射ガスの焦点距
離が内側の助燃性ガス噴射流路系の噴射流路からの噴射
ガスの焦点距離よりも長くなるように構成されている。
また,本発明によれば,上記多焦点型バーナを用いてガ
ラス微粒子を出発母材に堆積させる方法が提供される。
【0006】
【作用】本発明の多焦点型バーナによれば,原料ガス噴
射経路の異なる位置に複数の焦点をもつので,原料ガス
が複数回にわたって高温部である焦点位置を通過すると
ともに,各焦点位置で原料ガスが助燃性ガスとよく攪拌
され,加水分解によるガラス微粒子生成反応が著しく進
む。従ってガラス微粒子の径は従来に比較して著しく大
きく成長し,噴射ガス流の中で慣性力を得,堆積体に高
収率かつ短時間で付着する。
【0007】
【実施例】図1および図2に本発明の多焦点型バーナの
1実施例を示す。図1は図2の線II−IIにおける多焦点
型バーナの正面図,図2は図1の線I−Iにおける断面
図である。本実施例の多焦点型バーナ10は,原料ガス
噴射流路1,この原料ガス噴射流路1の外側に設けられ
ている可燃性ガス流路5,および,この可燃性ガス流路
5内に内側から外側に環状に設けられた第1〜第3の助
燃性ガス噴射流路2〜4を有している。
【0008】本実施例において,多焦点型バーナの吹き
出し口(線II−IIの面)から第1の助燃性ガス噴射流路
2の焦点位置FP1までの焦点距離L1は160mm,
第2の助燃性ガス噴射流路3の焦点位置FP2までの焦
点距離L2は180mm,第3の助燃性ガス噴射流路4
の焦点位置FP3までの焦点距離L3は200mmであ
る。すなわち,外側の助燃性ガス噴射流路から噴射され
るガスの焦点距離が内側の助燃性ガス噴射流路から噴射
されるガスの焦点距離よりも長い。このように構成する
ことにより,原料ガス噴射流路1から噴射される原料ガ
スが高温部である上記焦点距離を複数回通過することに
なる。
【0009】実施例 多焦点型バーナ10を用いて下記条件でOVD法によっ
て光ファイバ母材を製造した。 原料ガス噴射流路1:原料ガス:SiCl4 (50℃) キャリアガス:Ar 噴射流速=4(1/min) 助燃性ガス噴射流路2:助燃性ガス:O2 噴射流速=3(1/min) 助燃性ガス噴射流路3:助燃性ガス:O2 噴射流速=7(1/min) 助燃性ガス噴射流路4:助燃性ガス:O2 噴射流速=11(1/min) 可燃性ガス噴射流路5:可燃性ガス:H2 噴射流速=35(1/min) 出発材の外径:15mmΦ トラバース速度:100(mm/min) トラバース区間:350mm 出発材の回転速度:60r.p.m 合成時間:5.0時間 上記の条件で作製された多孔質ガラス母材は,外径×長
さ=180mmΦx350mmであった。また,その半
径方向にわたるガラス微粒子密度は約0.4(g/cm
3 )でほぼ一定していた。この場合のデポ速度は11.
8(g/min),堆積収率は32.8%であった。
【0010】比較例 一焦点のバーナ(焦点距離180mm)を用いて上記と
同じ条件でガラス微粒子堆積体を合成した場合,得られ
たスートは,外径×長さ=150mmΦx350mm,
デポ速度8.2(g/min),堆積収率は22.7%
であった。以上の結果から明らかなように,本実施例の
多焦点型バーナ10を用いた多孔質ガラス母材の形成方
法は,デポ速度および堆積収率ともに向上している。
【0011】本発明の実施に際しては,上述した実施例
の他,種々の変形形態をとることができる。たとえば,
図1に示した多焦点型バーナ10内の第1の助燃性ガス
噴射流路2〜第3の助燃性ガス噴射流路4を,さらに多
くの環状の助燃性ガス噴射流路を設けることができる。
この場合も,外側の環の助燃性ガス噴射流路からの助燃
性ガスの焦点距離を内側の助燃性ガス噴射流路からの助
燃性ガスの焦点距離よりも長くすることにより,上述し
た効果を得ることができる。また,上記例においては,
OVD法に適用した場合について述べたが,本発明の多
焦点型バーナはVAD法にも適用できる。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように,可燃性ガス吹き出し
口内に原料ガス吹き出し口と,中心から外側へ行くに従
い噴射ガスの焦点距離の長い複数のリング状に配置され
た小口径の助燃性ガス吹き出し口をもった本発明の多焦
点型バーナを用いることにより,多焦点型バーナの中心
から噴射される原料ガスが複数の焦点位置で十分に混合
され,ススの合成反応が効率よく行なわれるため,ガラ
ス微粒子堆積体の合成時間が短縮されるとともに堆積収
率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の多焦点型バーナの噴射口の正
面図である。
【図2】図1の線I−Iにおける多焦点バーナとその噴
射ガス経路の断面図である。
【符号の説明】
1・・原料ガス噴射流路, 2〜4・・第1〜第3の助燃性ガス噴射流路, 5・・可燃性ガス流路, 10・・多焦点型バーナ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 多焦点型バーナおよびそのバーナを用
いたガラス微粒子堆積体の製造方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 正英 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向中央部に原料ガス噴射流路と,該
    原料ガス噴射流路の外側に設けられた可燃性ガス流路
    と,該可燃性ガス流路内に環状にそれぞれ複数の小口径
    の助燃性ガス噴射流路を有する複数の助燃性ガス噴射流
    路系とを備え,外側の助燃性ガス噴射流路系の噴射流路
    からの噴射ガスの焦点距離が内側の助燃性ガス噴射流路
    系の噴射流路からの噴射ガスの焦点距離よりも長くなる
    ように構成されているガラス微粒子堆積用多焦点型バー
    ナ。
  2. 【請求項2】 回転している実質的に円柱状の出発材の
    片端近傍から,該出発材の外周部上に,ガラス微粒子合
    成用バーナーの火炎内にガラス原料を供給して発生させ
    たガラス微粒子を堆積させ該バーナーを出発材の軸と平
    行に相対的に移動させてガラス微粒子堆積体を出発材の
    外周部に形成する方法において,バーナーの軸方向中心
    部に位置する原料ガス噴射流路の回りに複数の互いに独
    立した小口径の助燃性ガス噴射流路を中心から外側へ行
    くに従い焦点距離が長くなるような複数のリング状に配
    置した多焦点型バーナを用いてガラス微粒子を出発材に
    堆積させることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造
    方法。
JP41465090A 1990-12-27 1990-12-27 多焦点型バーナおよびそのバーナを用いたガラス微粒子堆積体の製造方法 Pending JPH05323130A (ja)

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