JPH05322518A - 溶接線位置検出方法 - Google Patents

溶接線位置検出方法

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JPH05322518A
JPH05322518A JP12472892A JP12472892A JPH05322518A JP H05322518 A JPH05322518 A JP H05322518A JP 12472892 A JP12472892 A JP 12472892A JP 12472892 A JP12472892 A JP 12472892A JP H05322518 A JPH05322518 A JP H05322518A
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JP
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line
prismatic
angle
work
welding
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JP12472892A
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Inventor
Kenichi Kato
研一 加藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、少なくとも一方がR部分を有する角
柱状部材(ワーク)どうしを溶接する継手部において、そ
の角柱状部材相互間の溶接線の位置を検出・決定するた
めの溶接線位置検出方法に関し、その溶接線位置を容易
かつ正確に検出・決定可能にし、溶接作業の自動化を実
現できるようにすることを目的とする。 【構成】そこで、一方のワーク位置が既知で他方のワー
クがR部分をもつ場合、所定検出線が、他方のワークの
一方のワークと対向する平面部上からR部分上を、ワー
ク載置面に対し傾斜して通過するように、位置検出手段
から各ワークへの光の照射角度を設定し、位置検出手段
の検出結果,Rに基づきワークの成す角度ωを求め、位
置検出手段の検出結果に基づき所定検出線上でのワーク
相互間距離gを求め、角度ω,距離gに基づき所定検出
線対応位置でのワーク相互間のギャップGを求め、角度
ω,ギャップGに基づき溶接線位置を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一方が所定
半径で湾曲するコーナー部(R部分)を有する角柱状部材
どうしを溶接する継手部において、その角柱状部材相互
間の溶接線の位置を検出・決定するための溶接線位置検
出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動溶接機や溶接ロボット等に
おいては、精密な溶接作業を行なうために、その作業対
象であるワークの形状を認識して溶接線の位置を正確に
検出・決定する必要がある。
【0003】そこで、従来、特開平3−142069号
公報などに開示されるように、タッチセンサを用いて、
始端側と終端側との継手部の形状を検出し、その検出結
果に基づいて溶接線の位置を検出・決定する手段や、特
開平3−32469号公報,特開平3−32470号公
報,特開平3−52774号公報などに開示されるよう
に、光学式センサを用い作業対象ワークにレーザ光等を
照射することにより画像データを得手から、その画像デ
ータに基づいてワークの形状を認識し溶接線の位置を検
出する手段などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たいずれの従来手段においても、少なくとも始端と終端
とについての形状を検出する必要があり、溶接線の検出
・決定に手間がかかるほか、いずれも継手部においてワ
ークの表面が略直線(略平面)で構成された場合にのみ有
効なものであり、曲線(曲面)を有して構成されるワーク
の溶接継手についての溶接線位置の検出に適用すること
ができなかった。
【0005】例えば、住宅ユニットを構築する際には、
梁,柱など鉄骨製の角柱状部材を溶接したりして枠組み
を作る必要があるほか、このような枠組みのユニットを
連結してユニット住宅等を構築する際には、梁どうし,
柱どうしあるいは梁と柱どうしの溶接が必要になるが、
通常、このような角柱状部材のコーナー部は所定半径で
湾曲している場合が多く、その溶接作業を自動化するた
めには、R部分を有する角柱の表面形状を認識して溶接
線位置を正確に検出出きるようにすることが望まれてい
る。
【0006】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、R部分を有する角柱状部材からなる溶接継
手の溶接線位置を容易かつ正確に検出・決定可能にし、
R部分を有する角柱状部材についての溶接作業の自動化
を実現できるようにした溶接線位置検出方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の溶接線位置検出方法(請求項1)は、隣接す
る角柱状部材どうしを溶接するに際し、前記の各角柱状
部材の表面に対し所定の検出線に沿って照射した光の反
射光を受光して前記の各角柱状部材の表面位置を検出す
る光学式位置検出手段をそなえ、前記光学式位置検出手
段の検出結果に基づき前記の各角柱状部材の表面形状を
解析して前記角柱状部材相互間の溶接線の位置を検出す
るものにおいて、前記角柱状部材どうしのうちの一方の
角柱状部材の位置のみが既知であり、且つ、他方の角柱
状部材が所定半径で湾曲するコーナー部を有するもので
ある場合に、前記所定の検出線が、前記他方の角柱状部
材の前記一方の角柱状部材と対向する平面部上から前記
コーナー部上を、前記角柱状部材の載置面に対し傾斜し
て通過するように、前記光学式位置検出手段から前記の
各角柱状部材への光の照射角度を設定し、前記光学式位
置検出手段の検出結果と前記所定半径もしくは前記照射
角度に基づき前記一方の角柱状部材と前記他方の角柱状
部材との成す角度ωを求めるとともに、前記光学式位置
検出手段の検出結果に基づき前記所定の検出線上での前
記角柱状部材相互間の距離gを求め、前記の角度ωと距
離gとに基づき前記所定の検出線に対応する位置での前
記角柱状部材相互間のギャップGを求め、前記の角度ω
とギャップGとに基づき前記溶接線の位置を算出・決定
することを特徴としている。
【0008】また、前記光学式位置検出手段の検出結果
に基づき前記所定の検出線上での前記角柱状部材相互間
の段差hを求め、前記光学式位置検出手段の検出結果も
しくは前記照射角度と前記段差hとに基づき前記角柱状
部材相互間の実際の段差Hを求めてもよい(請求項2)。
【0009】
【作用】上述した本発明の溶接線位置検出方法では、一
方の角柱状部材の位置が既知であれば、任意の一点につ
いて所定の検出線に沿うセンシングを行なうだけで、R
部分を有する角柱状部材からなる溶接継手の溶接線の始
端および終端の形状を検出することなく、角柱状部材相
互間の全溶接線に亘るギャップGを算出できるととも
に、その溶接線の位置もその全長に亘って算出・決定
(自動認識)される。また、合わせて角柱状部材相互間の
実際の段差Hも検出できる。
【0010】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明すると、図1〜一実施例としての溶接線位置検出方法
について説明すると、図1はその手順を説明するための
フローチャート、図2は本実施例の装置の外観を模式的
に示す斜視図、図3(a),(b)はそれぞれ図2のIII
a,IIIb矢視図、図4は本実施例の位置センサによる
検出データを示す図、図5は本実施例における所定検出
線とワーク相互の成す角度の算出法とを詳細に説明する
ための斜視図、図6は本実施例におけるギャップおよび
溶接線の算出法を説明するための平面図、図7はワーク
相互間に段差がある場合の本実施例の位置センサによる
検出データを示す図、図8は本実施例におけるワーク相
互間の段差の算出法を詳細に説明するための斜視図であ
る。
【0011】図2,図3,図5,図6において、1,2
は相互に溶接されるべく隣接配置されたワーク(角柱状
部材)で、本実施例では、これらのワーク1,2を、図
2,3に示すように、隣接配置して相互に溶接する際
に、これらのワーク1,2相互間の溶接線6の位置を検
出しようとしている。また、本実施例では、ワーク1の
位置は既知で、このワーク1はR部分をもたない四角柱
である一方、ワーク2の位置は未知で、このワーク2
は、所定半径Rで湾曲するコーナー部(R部分)2aを四
隅に有する四角柱である。これらのワーク1,2は、各
ワーク1,2の平面部(対向面)1a,2bを対向させ
て、水平な載置面7上に隣接配置されている。
【0012】なお、ワーク2は、空洞円柱に対して四方
から等しく圧力を加えることにより、角柱形状に成形さ
れたもので、四隅に所定半径Rのコーナー部2aを有し
ているが、この所定半径Rは、元の円柱の板厚が既知で
あれば得ることができるものであり、本実施例では、こ
のことを利用して所定半径Rが既知であるものとして、
溶接線位置の検出を行なうものとする。
【0013】3はワーク1,2の表面位置を検出するた
めの光学式位置センサ(光学式位置検出手段)で、ワーク
1,2どうしの表面形状を、後述する所定の検出線5に
沿って検出するもので、その検出線5に沿い光(例えば
レーザ光)を発光してワーク1,2の表面にスポット状
に照射する発光部と、この発光部から照射された後にワ
ーク1,2の表面にて反射されてきた反射光を受光する
受光部とをそなえて構成されている。そして、受光部に
て得られた受光データ、例えば光路差データ,反射光強
度等に基づき、位置センサ3とワーク1,2の表面との
距離が得られ、図4に示すような検出データ(ワーク
1,2の表面の位置データ)が求められるようになって
いる。
【0014】なお、位置センサ3には、図示しない駆動
機構が付設されており、この駆動機構によって、図2,
図5,図6に示すような検出線5に沿うワーク1,2の
表面位置が、位置センサ3により走査・検出されるよう
になっている。この駆動機構は、位置センサ3自体を全
体的に駆動するものであってもよいし、または、位置セ
ンサ3内部においてミラー等を用い発光部からの光の照
射方向を変更するものであってもよい。
【0015】ここで、本実施例においては、位置センサ
3から位置既知のワーク1への光の照射角度λ,αを適
当に設定して位置センサ3を配置することにより、所定
の検出線5が、図5に示すように設定される。つまり、
検出線5は、ワーク1の上面から位置既知のワーク1の
ワーク2との対向面1aに直交する方向をとり(線分K
B)、ワーク2の平面部(対向面)2b上からコーナー部
2a上を、載置面7に対し傾斜して通過し(線分FEか
ら曲線ED)、ワーク2の上面(線分DM)に到ってい
る。
【0016】なお、位置センサ3からワーク1への光の
照射角度λ,αのうち、λは、図3(a)に示すように、
光照射方向をワーク1上面へ投影した方向とワーク1の
平面部1aとの成す角度、αは、図3(b)に示すよう
に、光照射方向を図1の矢印IIIb方向から見た際の光
照射方向とワーク1の上面(載置面7)との成す角度で、
これらの角度λ,αは、前述した所定の検出線5が得ら
れるように設定されている。また、本実施例では、位置
センサ3からの光照射角度λは、ワーク1,2の成す角
度ωよりも十分大きく設定される。実際上の溶接では、
角度ωはゼロに近い値なので、光照射角度λを十分に大
きくとれば問題はない。
【0017】一方、4は位置センサ3に接続されこの位
置センサ3による検出データに基づいて演算を行ないワ
ーク1,2の表面形状を認識するためのコンピュータ
で、図1,図4〜図6にて後述する手順により、ワーク
1,2相互間のギャップGおよび溶接線6の位置を検出
・算出するものである。
【0018】次に、上述のごとく構成された本実施例の
装置による、ワーク1,2相互間のギャップGおよび溶
接線6の位置の演算・検出手順を、図1および図4〜図
6により説明する。まず、本実施例では、前述した所定
の検出線5が得られるように、位置センサ3を配置した
後(図1のステップA1参照)、位置センサ3により、ワ
ーク1,2どうしの表面形状(表面位置)を、前述した所
定の検出線5に沿って検出(センシング)し、図4に示す
ような検出データを得る(図1のステップA2参照)。
【0019】ここで、図3(a),図6に示すように、位
置既知のワーク1に対してワーク2の成す角度をωとす
る(平行の場合にはω=0)。なお、実際上の溶接では、
前述した通り、角度ωはほぼ0に近い値であり、本実施
例では、図3(a)に示す状態でω≧0であるとする。
【0020】さて、図4,図6に示すように、ワーク1
の対向面1aとワーク2の対向面2bとの延長上での交
点位置をA、前述した所定の検出線5とワーク1の対向
面1aとの交点位置をB、ワーク2の上面とコーナー部
2aとの境界上で検出線5が通過する位置をD、ワーク
2の平面部2bとコーナー部2aとの境界上で検出線5
が通過する位置をE、位置Bを通り位置センサ3の光照
射方向に平行な線がワーク2の平面部2b上で交わる点
をF、線分BDと線分FEの延長線との交点位置をC、
位置Bを通過し溶接線6に直交する線とワーク2の対向
面2bとの交点位置をIとすると、検出すべきワーク
1,2相互間における溶接線6は、∠BAC(角度ω)を
2等分する線上にあり、所定の検出線5に対応する位置
(位置B)でのワーク1,2相互間のギャップGは、線分
BIとなる。このギャップGと角度ωとが得られれば、
ワーク1の位置は既知であるので、全溶接線の位置と、
それぞれの位置でのギャップの値とが分かる。
【0021】ギャップGは、図6に示す図形から明らか
なように、 G=2・|sin(ω/2)|・(線分BA) =2・g・|sin(ω/2)|・cotω (1) として算出される。ここで、gは図6に示す線分BCの
距離、つまり、図4に示すように、所定の検出線5上で
のワーク1,2の対向面1a,2b相互間の距離であ
る。従って、距離gおよび角度ωが分かれば、ギャップ
Gが算出される。前述の距離gは、図4に示す位置セン
サ3による検出データから直接求められる(図1のステ
ップA3参照)。
【0022】ついで、図4,図5により角度ωを算出す
る手順について説明すると、まず、図4に示す位置セン
サ3による検出データから、位置E,H間の距離lを求
める(図1のステップA3参照)。ここで、位置Hは、図
4,図5に示すように、位置Eを通過し線分BDに平行
な線と、位置Dを通過し線分FEに平行な線との交点で
ある。
【0023】また、図5に示すように、ワーク2のコー
ナー部2aの中心軸線2c上へ位置Eから下ろした垂線
の交点位置をJとすると、前述した位置Hも中心軸線2
a上にあり、∠JEHは、ワーク1,2の成す角度ωに
等しくなる。ここで、線分EJの長さは所定半径Rに等
しく、線分EHの長さはステップA3にて求めた距離l
に等しいので、 cosω=l/R (2) となる。所定半径Rは既知のものであるので、この(2)
式に基づいて、ワーク1,2の成す角度ωが算出される
(図1のステップA4参照)。
【0024】このようにして求められた角度ωと、ステ
ップA3にて求められた距離gとを(1)式に代入するこ
とにより、所定の検出線5に対応する位置でのワーク
1,2相互間のギャップGが算出され(図1のステップ
A5参照)、このギャップGと角度ωとに基づいて、図
6に示すように、溶接線6の位置が算出・決定される
(図1のステップA6参照)。
【0025】ところで、本実施例では、ワーク1,2相
互間に段差Hがある場合に、位置センサ3による検出デ
ータと、上述のごとく(2)式により算出されたcosωとに
基づいて、その段差Hを算出することもできる。つま
り、図8に示すように、位置既知のワーク1の上面に対
して、ワーク2の上面が高さHだけ低い場合には、位置
センサ3による検出データとして図7に示すようなもの
が得られる。
【0026】この検出データおよび所定半径Rに基づい
て、前述と同様にして、ギャップG,角度ωが得られる
一方、図7の検出データからは、所定の検出線5上での
ワーク1,2相互間の段差h(図7,図8の線分C01
の長さに対応)が求められる。
【0027】そして、図8に示すように、線分KBの延
長線と線分FEの延長線との交点位置をC0、線分MD
の延長線と線分FEの延長線との交点位置をC1、この
位置C 1を通り線分HJに平行な線に対して位置C0から
下ろした垂線の交点位置をS、線分MDの延長線に対し
て位置Sから下ろした垂線の交点位置をT、位置Dを通
り線分HJに平行な線とワーク2の端面との交点位置を
L、∠C01S=θとすると、線分C0Sの長さが求め
るべき段差H、線分SC1が検出データから得られる段
差hであり、 ∠DHJ=∠LDH=∠C01S=θ (3) ∠MDL=π/2−ω (4) となる。
【0028】また、∠MDH=βとすると、この角度β
は、図4に示すように、検出データから∠DC1Eとし
て求めることができるもので、(3),(4)式から、 cosβ=cos(π/2−ω)・cosθ ∴cosθ=cosβ/cos(π/2−ω)=cosβ/sinω (5) となる。この(5)式により、実際の段差Hを与える下式
(6)が得られる。
【0029】
【数1】
【0030】従って、検出データから求められた角度β
および段差hと、前述したステップA4にて求められた
角度ωとを(6)式に代入することにより、ワーク1,2
相互間の段差Hが算出されることになる。
【0031】このように、本発明の第1実施例の方法に
よれば、一方のワーク1の位置が既知であれば、溶接線
6の始端および終端の形状を検出することなく、任意の
一点について所定の検出線5に沿うセンシングを行なう
だけで、ワーク1,2相互間の全溶接線に亘るギャップ
Gを算出できるとともに、その溶接線6の位置もさらに
はワーク1,2相互間の段差Hも、容易かつ正確に検出
・決定され、ワーク1とR部分を有するワーク2との継
手部の溶接作業を自動化できるとともに、溶接線位置検
出工程を簡略なものできる利点がある。
【0032】次に、図9〜図11により本発明の第2実
施例としての溶接線位置検出方法について説明すると、
図9はその手順を説明するためのフローチャート、図1
0は本実施例における所定検出線とワーク相互の成す角
度の算出法とを詳細に説明するための斜視図、図11は
本実施例におけるワーク相互間の段差の算出法を詳細に
説明するための斜視図である。
【0033】上述した第1実施例では、ワーク1,2の
成す角度ωを求める際に検出データから求めた距離lと
所定半径Rとを用いるとともに、ワーク1,2相互間の
段差Hを求める際に角度ωと検出データから求めた角度
βとを用いているが、この第2実施例では、ワーク1,
2の成す角度ωを求める際に、検出データから求めた角
度βと位置センサ3からの光照射角度αとを用いるとと
もに、ワーク1,2相互間の段差Hを求める際に、検出
データから求めた角度βと光照射角度αとを用いる場合
について説明する。
【0034】なお、第2実施例において用いられる装置
は、第1実施例にて説明した装置(図2参照)と全く同様
構成であるので、その説明は省略する。また、位置セン
サ3により得られる検出データも、図4,図7にて示す
第1実施例のものと同じであるので、その説明は省略す
る。
【0035】第2実施例の方法によるワーク1,2相互
間のギャップGおよび溶接線6の位置の演算・検出手順
を、図9,図10により説明する。なお、図10におい
て各位置を示す符号については、図5と同一位置には同
一符号を付している。
【0036】まず、本実施例では、位置センサ3を、セ
ンシング動作時に前述した所定の検出線5を得ることの
できる位置に配置した後、その位置センサ3の姿勢から
角度αを求める(図9のステップB1参照)。なお、所定
の検出線5を得るべく設定された、位置既知のワーク1
に対する位置センサ3からのレーザ光の入射角λ,αに
なるように、位置センサ3の位置を決定し、その位置に
位置センサ3を配置してもよい。この後、位置センサ3
により、ワーク1,2どうしの表面形状(表面位置)を、
前述した所定の検出線5に沿って検出(センシング)し、
図4に示すような検出データを得る(図9のステップB
2参照)。
【0037】そして、本実施例では、得られた検出デー
タから、角度β(=∠DCE)と、所定の検出線5上での
ワーク1,2の対向面1a,2b相互間の距離g(線分
BCの長さ)とを求めてから(図9のステップB3参
照)、ワーク1,2の成す角度ωを、角度βおよび位置
センサ3からの光照射角度αに基づいて算出する(図9
のステップB4参照)。
【0038】本実施例における角度ωの算出手順につい
て、図10により説明する。図10において、位置Dか
ら中心軸線2cに対して下ろした垂線の交点位置を
0、この位置J0から線分HEに対して下ろした垂線の
交点位置をNとすると、∠HJ0N=ω,∠DKJ0
α,∠DHN=βであり、下記関係式(7)〜(9)が成り立
ち、(7)式に(8),(9)式を代入することにより、(10)式が
得られ、この(10)式に基づいて、角度ωが算出される。
【0039】
【数2】
【0040】このようにして求められた角度ωと、ステ
ップB3にて求められた距離gとを(1)式に代入するこ
とにより、所定の検出線5に対応する位置でのワーク
1,2相互間のギャップGが算出され(図9のステップ
B5参照)、このギャップGと角度ωとに基づいて、図
6に示すように、溶接線6の位置が算出・決定される
(図9のステップA6参照)。
【0041】ところで、本実施例でも、ワーク1,2相
互間に段差Hがある場合には、位置センサ3による検出
データと、位置センサ3からの光照射角度αとに基づい
て、その段差Hを算出することができる。つまり、図1
1に示すように、位置既知のワーク1の上面に対して、
ワーク2の上面が高さHだけ低い場合には、本実施例で
も、第1実施例と同様に、図7に示すような位置センサ
3による検出データが得られる。
【0042】この検出データおよび光照射角度αに基づ
いて、前述と同様にして、ギャップG,角度ωが得られ
る一方、図7の検出データからは、所定の検出線5上で
のワーク1,2相互間の段差h(図7,図11の線分C0
1の長さに対応)が求められる。
【0043】そして、図11に示すように、∠C0TV
=αであるから、求めるべき実際の段差Hは、下式(11)
で与えられる。 H=h・sinα (11)
【0044】このように、本発明の第2実施例の方法に
よっても、上述した第1実施例と同様の作用効果が得ら
れる。
【0045】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ことなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更
等があっても、本発明の範囲に含まれる。例えば、上記
実施例では、図3(a)に示すように、ワーク1に対して
ワーク2の成す角度ωが0以上の場合について説明した
が、ω<0の場合でも、本発明は上記実施例と同様に適
用されて、ギャップG,溶接線6の位置,段差Hが算出
されることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の溶接線位
置検出方法によれば、任意の一点について所定の検出線
に沿うセンシングを行なうだけで、R部分を有する角柱
状部材からなる継手部の全溶接線に亘るギャップGおよ
びその溶接線の位置、さらには角柱状部材相互間の実際
の段差Hも検出できるように構成したので、溶接線の始
端および終端の形状を検出することなく、R部分を有す
る角柱状部材からなる溶接継手の溶接線位置を容易かつ
正確に検出・決定でき、その溶接作業の自動化,検出工
程の簡略化を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての溶接線位置検出方
法の手順を説明するためのフローチャートである。
【図2】本実施例の装置の外観を模式的に示す斜視図で
ある。
【図3】(a),(b)はそれぞれ図2のIIIa,IIIb矢視
図である。
【図4】本実施例の位置センサによる検出データを示す
図である。
【図5】第1実施例における所定検出線とワーク相互の
成す角度の算出法とを詳細に説明するための斜視図であ
る。
【図6】本実施例におけるギャップおよび溶接線の算出
法を説明するための平面図である。
【図7】ワーク相互間に段差がある場合の本実施例の位
置センサによる検出データを示す図である。
【図8】第1実施例におけるワーク相互間の段差の算出
法を詳細に説明するための斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例としての溶接線位置検出方
法の手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施例における所定検出線とワーク相互
の成す角度の算出法とを詳細に説明するための斜視図で
ある。
【図11】第2実施例におけるワーク相互間の段差の算
出法を詳細に説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1,2 ワーク(角柱状部材) 1a 平面部(対向面) 2a コーナー部(R部分) 2b 平面部(対向面) 2c 中心軸線 3 光学式位置センサ(光学式位置検出手段) 4 コンピュータ 5 検出線 6 溶接線 7 載置面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する角柱状部材どうしを溶接するに
    際し、前記の各角柱状部材の表面に対し所定の検出線に
    沿って照射した光の反射光を受光して前記の各角柱状部
    材の表面位置を検出する光学式位置検出手段をそなえ、
    前記光学式位置検出手段の検出結果に基づき前記の各角
    柱状部材の表面形状を解析して前記角柱状部材相互間の
    溶接線の位置を検出する溶接線位置検出方法において、 前記角柱状部材どうしのうちの一方の角柱状部材の位置
    のみが既知であり、且つ、他方の角柱状部材が所定半径
    で湾曲するコーナー部を有するものである場合に、 前記所定の検出線が、前記他方の角柱状部材の前記一方
    の角柱状部材と対向する平面部上から前記コーナー部上
    を、前記角柱状部材の載置面に対し傾斜して通過するよ
    うに、前記光学式位置検出手段から前記の各角柱状部材
    への光の照射角度が設定され、 前記光学式位置検出手段の検出結果と前記所定半径もし
    くは前記照射角度に基づいて、前記一方の角柱状部材と
    前記他方の角柱状部材との成す角度ωを求めるととも
    に、 前記光学式位置検出手段の検出結果に基づいて、前記所
    定の検出線上での前記角柱状部材相互間の距離gを求
    め、 前記の角度ωと距離gとに基づいて、前記所定の検出線
    に対応する位置での前記角柱状部材相互間のギャップG
    を求め、 前記の角度ωとギャップGとに基づいて、前記溶接線の
    位置を算出・決定することを特徴とする溶接線位置検出
    方法。
  2. 【請求項2】 前記光学式位置検出手段の検出結果に基
    づいて、前記所定の検出線上での前記角柱状部材相互間
    の段差hを求め、 前記光学式位置検出手段の検出結果もしくは前記照射角
    度と前記段差hとに基づいて、前記角柱状部材相互間の
    実際の段差Hを求めることを特徴とする請求項1記載の
    溶接線位置検出方法。
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