JPH0532221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、外筒容器内に内筒容器を懸吊した
外側クリンチ型二重エアゾール容器に関し、さら
に詳しくは内筒容器を押し潰す圧縮ガス（以下プ
ロペラントと称す）及び内筒容器内の内容物が、
外筒容器外部に漏洩するのを防止した外側クリン
チ型二重エアゾール容器に関する。

従来の技術 従来、エアゾール容器から噴出する内容物と、
この内容物を収納した内筒容器を加圧するための
プロペラントとを分離して、エアゾール容器内に
封入する二重エアゾール容器が使用されている。
このような二重エアゾール容器は、通常はアルミ
ニウム或はスチール等の金属で造られた耐圧性の
外筒容器と、この外筒容器内に懸吊され、かつプ
ロペラントの押圧力で潰される合成樹脂製或は金
属製の内筒容器の二重構造から構成されている。
このような二重エアゾール容器としては、第６図
に示すようなものがある。

第６図中、５０は合成樹脂製或は金属製の内筒
容器である。この内筒容器５０は、外筒容器５１
の掛止溝５２の固定部５３とバルブ機構５４のハ
ウジング傾斜部５５との間に挟着されることによ
り、外筒容器５１内に懸吊されている。そして、
外筒容器５１の固定部５３と内筒容器５０との間
には、パツキン５６が装着されている。

このように装着されたパツキン５６は、外筒容
器５１と内筒容器５０との間隙を封鎖することに
より、内筒容器５０を潰すプロペラントが、外筒
容器５１と内筒容器５０との間隙を通過して、外
筒容器５１の外部に漏洩するのを防止している。
このような従来のエアゾール容器は、外筒容器５
１の延長部５８の先端５９を内方に折り曲げてカ
シメることにより、バルブ機構５４を外筒容器５
１内に固定している。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来のエアゾール容
器においては、バルブ機構５４のハウジング傾斜
部５５と内筒容器５０の開口部５７との間には、
パツキン、ガスケツトが装着されず、或はライニ
ングが施されていないため、内筒容器５０内に収
納された内容物がプロペラントの作用により、上
方に押し上げられた際に、ハウジング傾斜部５５
と内筒容器５０の開口部５７の間隙を通過して、
内容物が外部に漏洩するという問題があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、内筒容器５０を潰すプロペラ
ントの外部への漏洩を防止するだけでなく、内筒
容器５０内に収納された内容物の外部への漏洩を
防止した外側クリンチ型二重エアゾール容器を提
供することを目的とする。

課題を解決するための手段 この課題を解決するため、第１の考案（第１図
に示す）は、外周に掛止溝１を形成すると共に、
この掛止溝１の上方に固定部２を設けた外筒容器
３内に、バルブ機構４のハウジング５を挿入し、
かつハウジング傾斜部６を内筒容器７の開口部８
を介して、固定部２に係合、固定したクリンチ型
二重エアゾール容器において、バルブ機構４のハ
ウジング傾斜部６と内筒容器７の開口部８との間
にパツキン１４を挿入すると共に、内筒容器７の
開口部８と外筒容器３の固定部２との間にライニ
ング層１５を設けたものである。

第２の考案（第２図に示す）は、外周に掛止溝
１を形成すると共に、この掛止溝１の上方に固定
部２を設けた外筒容器３に、バルブ機構４のハウ
ジング５を挿入し、かつハウジング傾斜部６を内
筒容器７の開口部８を介して、固定部２に係合、
固定した外側クリンチ型二重エアゾール容器にお
いて、バルブ機構４のハウジング傾斜部６と内筒
容器７の開口部８との間、及び内筒容器７の開口
部８と外筒容器３の固定部２との間にライニング
層１５，１６を設けたものである。

さらに、第３の考案（第３図に示す）は、外筒
容器１１の開口端部にフランジ部１９を形成し、
このフランジ部１９上に内筒容器７の開口部２１
を介して、バルブ機構２０のハウジング鍔部１７
を係合、固定した外側クリンチ型二重エアゾール
容器において、ハウジング鍔部１７と内筒容器７
の開口部２１との間、及び内筒容器７の開口部２
１とフランジ部１９との間にライニング層２２，
２３を設けたものである。

作用 以上のような構成をもつた、この考案の作用に
ついて説明する。内筒容器７内に収納した内容物
は、プロペラントの押圧作用により上方に押し上
げられた場合でも、内筒容器７の開口部８，２１
とバルブ機構４，２０のハウジング傾斜部６或は
ハウジング鍔部１７との間隙は、パツキン１４又
はライニング層１６，２３により完全に封鎖され
ているので、内容物は外部に漏洩しない。

実施例 次に、この考案を図面に基づいて説明する。

第１図〜第５図は、この考案の実施例を示した
図面である。まず、第１の考案について説明す
る。外筒容器３の開口には、半径方向に、胴径を
絞るように掛止溝１が形成されている。そして、
この掛止溝１の上部には固定部２が形成され、こ
の固定部２の外周には、上蓋９の側部先端１０が
折り曲げられ、締めつけられている。この上蓋９
の固定部２への外側クリンチ型により、バルブ機
構４、ガスケツト１２及び内筒容器７は、外筒容
器３の口部開口に嵌着されている。そして、上蓋
９の中央部の開口から、ステム１３が突出し外部
に連通している。バルブ機構４は、ハウジング
５、このハウジング５内に嵌着されるスプリング
１８、このスプリング１８によつて上下動するス
テム１３から構成されている。ハウジング５の外
周には、ハウジング傾斜部６が形成され、このハ
ウジング傾斜部６が、外筒容器３の固定部２に係
合、固定されて、バルブ機構４は、外筒容器３に
確実に固定されている。又、内筒容器７の開口部
８は、ハウジング傾斜部６と固定部２との間に挟
着されている。この第１の考案の特徴は、バルブ
機構４のハウジング傾斜部６と内筒容器７の開口
部８との間に、パツキン１４を挿入すると共に、
内筒容器７の開口部８と外筒容器３の固定部２と
の間にライニング層１５を設けた点にある。パツ
キン１４の材質としてはゴム、シリコン樹脂等が
用いられ、又ライニング層１５に用いられる材質
としては、ポリエステル樹脂、合成ゴム等が適す
る。ライニング方法としては、スプレー塗装等が
考えられ、ライニング層１５は開口部８の外面に
施されてもよく、或は固定部２の内面に施されて
もよい。

第２図は、第２の考案を示すもので、第１の考
案の構成との相違は、ハウジング傾斜部６と開口
部８との間、及び開口部８と固定部２との間にラ
イニング層１５，１６を設けた点にある。パツキ
ンに代えて、すべてライニング層１５，１６を用
いた場合、製造コストの低減が図れる。

第３図は、第３の考案を示すもので、この考案
は外筒容器１１の開口端部にフランジ部１９が形
成され、このフランジ部１９上には、内筒容器７
の開口部２１を介して、バルブ機構２０のハウジ
ング鍔部１７が係合、固定されたものである。こ
の第３の考案は、ハウジング鍔部１７と内筒容器
１１の開口部２１との間、及び内筒容器７の開口
部２１とフランジ部１９との間にライニング２
２，２３を設けた点にある。同様に、すべてライ
ニング層２２，２３とした場合、製造コストの低
減が図れる。

第４図は、第１図に示す第１の考案の変形例を
示す第４の考案であり、第１の考案の構成との相
違は、外筒容器２４の掛止溝２５の上部に延長部
２６を形成し、この延長部２６の先端２７を内方
に折り曲げて、ハウジング５の上端でカシメるこ
とにより、バルブ機構４を外筒容器２４内に装着
したものである。その他の構成は第１の考案と同
様である。

第５図は、第２図に示す第２の考案の変形例を
示す第５の考案であり、第２の考案の構成との相
違は、外筒容器２４の掛止溝２５の上部に延長部
２６を形成し、この延長部２６の先端２７を内方
に折り曲げて、ハウジング５の上端でカシメるこ
とにより、バルブ機構４を外筒容器２４内に装着
したものである。その他の構成は第２の考案と同
様である。

なお、第２の考案、第３の考案、第５の考案に
おいて、各々２ケ所のライニング層１５，１６，
２２，２３のうち、少なくとも１ケ所をパツキン
又はガスケツトとすることも可能である。

さらに、第１の考案、第４の考案において、パ
ツキン１４に代えてライニング層を設け、かつラ
イニング層１５に代えて、パツキン或はガスケツ
トを用いることも可能である。

効果 以上説明してきたように、この考案によれば、
内筒容器を潰すプロペラントの外部への漏洩を防
止できるだけでなく、内筒容器内に収納された内
容物の漏洩も防止でき、エアゾール容器内に収納
された物質の漏洩を完全に遮断することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は、この考案に係る外側クリン
チ型二重エアゾール容器の実施例を示すもので、
第１図は第１の考案を示した断面図、第２図は第
２の考案を示した断面図、第３図は第３の考案を
示した断面図、第４図は第１の考案の変形例を示
す第４の考案を示した断面図、第５図は第２の考
案の変形例を示す第５の考案を示した断面図、第
６図は、従来の外側クリンチ型二重エアゾール容
器を示した断面図である。 １……掛止溝、２……固定部、３……外筒容
器、４，２０……バルブ機構、５……ハウジン
グ、６……ハウジング傾斜部、７……内筒容器、
８，２１……開口部、１４……パツキン、１５，
１６，２２，２３……ライニング層、１７……ハ
ウジング鍔部、１９……フランジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周に掛止溝を形成すると共に、掛止溝の上
   方に固定部を設けた外筒容器内に、バルブ機構
   のハウジングを挿入し、かつハウジング傾斜部
   を内筒容器の開口部を介して、前記固定部に係
   合、固定した外側クリンチ型二重エアゾール容
   器において、 前記バルブ機構のハウジング傾斜部と内筒容
   器の開口部との間にパツキンを挿入すると共
   に、内筒容器の開口部と外筒容器の固定部との
   間にライニング層を設けたことを特徴とする外
   側クリンチ型二重エアゾール容器。 (2) 外周に掛止溝を形成すると共に、掛止溝の上
   方に固定部を設けた外筒容器内に、バルブ機構
   のハウジングを挿入し、かつハウジング傾斜部
   を内筒容器の開口部を介して、前記固定部に係
   合、固定した外側クリンチ型二重エアゾール容
   器において、 前記バルブ機構のハウジング傾斜部と内筒容
   器の開口部との間、及び内筒容器の開口部と外
   筒容器の固定部との間にライニング層を設けた
   ことを特徴とする外側クリンチ型二重エアゾー
   ル容器。 (3) 外筒容器の開口端部にフランジ部を形成し、
   該フランジ部上に内筒容器の開口部を介して、
   バルブ機構のハウジング鍔部を係合、固定した
   外側クリンチ型二重エアゾール容器において、 前記ハウジング鍔部と内筒容器の開口部との
   間、及び内筒容器の開口部と前記フランジ部と
   の間にライニング層を設けた外側クリンチ型二
   重エアゾール容器。