JPH05321961A - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキInfo
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- JPH05321961A JPH05321961A JP4148761A JP14876192A JPH05321961A JP H05321961 A JPH05321961 A JP H05321961A JP 4148761 A JP4148761 A JP 4148761A JP 14876192 A JP14876192 A JP 14876192A JP H05321961 A JPH05321961 A JP H05321961A
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- Japan
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- brake
- motor
- ultrasonic motor
- rotor
- friction
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/14—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position
- F16D65/16—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake
- F16D65/18—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake adapted for drawing members together, e.g. for disc brakes
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2121/00—Type of actuator operation force
- F16D2121/14—Mechanical
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2121/00—Type of actuator operation force
- F16D2121/18—Electric or magnetic
- F16D2121/24—Electric or magnetic using motors
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2123/00—Multiple operation forces
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/20—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa
- F16D2125/22—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa acting transversely to the axis of rotation
- F16D2125/28—Cams; Levers with cams
- F16D2125/32—Cams; Levers with cams acting on one cam follower
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/20—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa
- F16D2125/34—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa acting in the direction of the axis of rotation
- F16D2125/40—Screw-and-nut
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 モータの駆動により制動を行い、かつ、パー
キングブレーキ機構を備えたディスクブレーキを得る。 【構成】 キャリパ36のシリンダ部38にスプライン
穴48を設け、超音波モータ50を相対回転不能かつ軸
方向移動可能に嵌合する。超音波モータ50をブレーキ
ペダルの踏力に応じた回転トルクで作動させることによ
り、スクリュロッド62と螺合したピストン46を前進
させ、ディスクブレーキを作用状態とする。一方、パー
キングブレーキ操作レバーが操作されたときは、パーキ
ングレバー130およびシャフト122が回動し、その
回動をカム面144がプッシュロッド142および可動
部材140の軸方向移動に変換する。その結果、可動部
材140が超音波モータ50を前進させ、それに伴って
ピストン46が一体的に前進してディスクブレーキが作
用状態となる。
キングブレーキ機構を備えたディスクブレーキを得る。 【構成】 キャリパ36のシリンダ部38にスプライン
穴48を設け、超音波モータ50を相対回転不能かつ軸
方向移動可能に嵌合する。超音波モータ50をブレーキ
ペダルの踏力に応じた回転トルクで作動させることによ
り、スクリュロッド62と螺合したピストン46を前進
させ、ディスクブレーキを作用状態とする。一方、パー
キングブレーキ操作レバーが操作されたときは、パーキ
ングレバー130およびシャフト122が回動し、その
回動をカム面144がプッシュロッド142および可動
部材140の軸方向移動に変換する。その結果、可動部
材140が超音波モータ50を前進させ、それに伴って
ピストン46が一体的に前進してディスクブレーキが作
用状態となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスクブレーキに関す
るものであり、特に、モータの駆動により摩擦部材をデ
ィスクロータに押圧して制動を行うモータ駆動ディスク
ブレーキに関するものである。
るものであり、特に、モータの駆動により摩擦部材をデ
ィスクロータに押圧して制動を行うモータ駆動ディスク
ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータ駆動ディスクブレーキは、運転者
によるブレーキペダルの踏込みに応じてモータが作動さ
せられ、それにより摩擦部材がディスクロータに押圧さ
れて制動を行うサービスブレーキであり、例えば、特開
平2−57731号公報に記載のものが知られている。
この装置は、(1)回転するディスクロータと、(2)
そのディスクロータの摩擦面に対向して配設された摩擦
部材と、(3)ディスクロータから摩擦部材に伝達され
るトルクを受けるトルク受け部材と、(4)そのトルク
受け部材に支持され、前記摩擦部材の背面に対向する対
向部材と、(5)その対向部材に保持されたモータと、
(6)そのモータと前記摩擦部材との間に設けられ、前
記モータにより回転させられる第一ねじ部材とその第一
ねじ部材と螺合して第一ねじ部材の回転に応じて前記摩
擦部材を前記ディスクロータの摩擦面に押圧する第二ね
じ部材とを有するねじ機構とを含むように構成されてい
る。
によるブレーキペダルの踏込みに応じてモータが作動さ
せられ、それにより摩擦部材がディスクロータに押圧さ
れて制動を行うサービスブレーキであり、例えば、特開
平2−57731号公報に記載のものが知られている。
この装置は、(1)回転するディスクロータと、(2)
そのディスクロータの摩擦面に対向して配設された摩擦
部材と、(3)ディスクロータから摩擦部材に伝達され
るトルクを受けるトルク受け部材と、(4)そのトルク
受け部材に支持され、前記摩擦部材の背面に対向する対
向部材と、(5)その対向部材に保持されたモータと、
(6)そのモータと前記摩擦部材との間に設けられ、前
記モータにより回転させられる第一ねじ部材とその第一
ねじ部材と螺合して第一ねじ部材の回転に応じて前記摩
擦部材を前記ディスクロータの摩擦面に押圧する第二ね
じ部材とを有するねじ機構とを含むように構成されてい
る。
【0003】上記モータとしては超音波モータが使用さ
れており、対向部材に相対回転不能かつ軸方向移動不能
に取り付けられている。超音波モータは、低い回転速度
で高いトルクを発生することができるとともに、装置自
体の構造が簡単かつ騒音や磁気ノイズ等が殆ど生じない
ため、ディスクブレーキ用のモータとして好適なのであ
る。
れており、対向部材に相対回転不能かつ軸方向移動不能
に取り付けられている。超音波モータは、低い回転速度
で高いトルクを発生することができるとともに、装置自
体の構造が簡単かつ騒音や磁気ノイズ等が殆ど生じない
ため、ディスクブレーキ用のモータとして好適なのであ
る。
【0004】運転者によりブレーキペダルが踏み込まれ
れば、超音波モータが回転させられ、それに伴って第一
ねじ部材が回転させられ、第二ねじ部材が前進、すなわ
ちディスクロータに接近する向きに移動させられる。そ
れにより、摩擦部材がディスクロータの摩擦面に押し付
けられ、制動が行われるのである。超音波モータはブレ
ーキペダルの踏力に応じた回転トルクを発生することが
でき、第二ねじ部材による摩擦部材の押圧力もペダル踏
力に応じて変わる。ブレーキペダルの踏込みが解除され
れば、超音波モータが逆転させられ、摩擦部材のディス
クロータへの押圧が解除される。
れば、超音波モータが回転させられ、それに伴って第一
ねじ部材が回転させられ、第二ねじ部材が前進、すなわ
ちディスクロータに接近する向きに移動させられる。そ
れにより、摩擦部材がディスクロータの摩擦面に押し付
けられ、制動が行われるのである。超音波モータはブレ
ーキペダルの踏力に応じた回転トルクを発生することが
でき、第二ねじ部材による摩擦部材の押圧力もペダル踏
力に応じて変わる。ブレーキペダルの踏込みが解除され
れば、超音波モータが逆転させられ、摩擦部材のディス
クロータへの押圧が解除される。
【0005】使用に伴って摩擦部材が摩耗した場合に
は、その摩耗量に対応した分だけ第一ねじ部材と第二ね
じ部材との螺合位置が変わり、摩擦部材がディスクロー
タの摩擦面に常に適正に押し付けられる。すなわち、制
動が行われる毎に摩擦部材のディスクロータに対する位
置調整、つまりブレーキクリアランス調整が行われるた
め、特別な調整装置を設ける必要がなく、装置コストが
低くて済む。
は、その摩耗量に対応した分だけ第一ねじ部材と第二ね
じ部材との螺合位置が変わり、摩擦部材がディスクロー
タの摩擦面に常に適正に押し付けられる。すなわち、制
動が行われる毎に摩擦部材のディスクロータに対する位
置調整、つまりブレーキクリアランス調整が行われるた
め、特別な調整装置を設ける必要がなく、装置コストが
低くて済む。
【0006】一方、実開昭58−137131号にはパ
ーキングブレーキ機構を内蔵したディスクブレーキが記
載されている。このディスクブレーキは、液圧で作動す
るピストンを有する液圧シリンダを備えるとともに、液
圧シリンダの背後にパーキングブレーキ機構を備えてい
る。車両走行時にブレーキペダルが踏み込まれれば液圧
シリンダの液圧が高められ、その液圧によりピストンが
ディスクロータ側へ前進させられて制動が行われる。一
方、車両停止時にレバー,ペダル等のパーキングブレー
キ操作部材が操作されれば、そのパーキングブレーキ操
作部材に連結されたパーキングブレーキ機構が機械的に
作動させられ、それによりピストンがディスクロータ側
へ前進させられることによりパーキングブレーキが作用
状態とされる。
ーキングブレーキ機構を内蔵したディスクブレーキが記
載されている。このディスクブレーキは、液圧で作動す
るピストンを有する液圧シリンダを備えるとともに、液
圧シリンダの背後にパーキングブレーキ機構を備えてい
る。車両走行時にブレーキペダルが踏み込まれれば液圧
シリンダの液圧が高められ、その液圧によりピストンが
ディスクロータ側へ前進させられて制動が行われる。一
方、車両停止時にレバー,ペダル等のパーキングブレー
キ操作部材が操作されれば、そのパーキングブレーキ操
作部材に連結されたパーキングブレーキ機構が機械的に
作動させられ、それによりピストンがディスクロータ側
へ前進させられることによりパーキングブレーキが作用
状態とされる。
【0007】このように、液圧ディスクブレーキにパー
キングブレーキ機構を内蔵させれば、パーキングブレー
キ装置を別個に設ける場合に比較して設置スペースが小
さくて済み、コストを低く抑えることができる。
キングブレーキ機構を内蔵させれば、パーキングブレー
キ装置を別個に設ける場合に比較して設置スペースが小
さくて済み、コストを低く抑えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記モ
ータ駆動ディスクブレーキにおいては、モータが対向部
材に相対回転および相対移動不能に取り付けられてお
り、パーキングブレーキとして使用することができなか
った。また、上記パーキングブレーキ機構内蔵式のディ
スクブレーキは摩擦部材の摩耗量に応じて摩擦部材をデ
ィスクロータ側へ移動させる専用の調整機構を必要と
し、そのために全体の構造が複雑で、装置コストが高い
という問題があった。本発明はこれらの問題に鑑み、サ
ービスブレーキとしてのみならずパーキンブクレーキと
しても使用し得、かつ、構造が簡単なディスクブレーキ
を得ることを課題として為されたものである。
ータ駆動ディスクブレーキにおいては、モータが対向部
材に相対回転および相対移動不能に取り付けられてお
り、パーキングブレーキとして使用することができなか
った。また、上記パーキングブレーキ機構内蔵式のディ
スクブレーキは摩擦部材の摩耗量に応じて摩擦部材をデ
ィスクロータ側へ移動させる専用の調整機構を必要と
し、そのために全体の構造が複雑で、装置コストが高い
という問題があった。本発明はこれらの問題に鑑み、サ
ービスブレーキとしてのみならずパーキンブクレーキと
しても使用し得、かつ、構造が簡単なディスクブレーキ
を得ることを課題として為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、前記(1)ディスクロータ,(2)摩擦部材,
(3)トルク受け部材,(4)対向部材,(5)モータ
および(6)ねじ機構を含むディスクブレーキにおい
て、モータを対向部材に相対回転不能かつ軸方向に移動
可能に保持させるとともに、モータと対向部材との間
に、パーキングブレーキ操作部材に連結され、そのパー
キングブレーキ操作部材の操作により機械的に作動させ
られてモータをディスクロータ側へ押すパーキングブレ
ーキ機構を設けたことにある。
は、前記(1)ディスクロータ,(2)摩擦部材,
(3)トルク受け部材,(4)対向部材,(5)モータ
および(6)ねじ機構を含むディスクブレーキにおい
て、モータを対向部材に相対回転不能かつ軸方向に移動
可能に保持させるとともに、モータと対向部材との間
に、パーキングブレーキ操作部材に連結され、そのパー
キングブレーキ操作部材の操作により機械的に作動させ
られてモータをディスクロータ側へ押すパーキングブレ
ーキ機構を設けたことにある。
【0010】
【作用】上記のように構成したディスクブレーキにおい
ては、パーキングブレーキ操作部材が操作されれば、パ
ーキングブレーキ機構によりモータが軸方向に移動させ
られ、モータと共にねじ機構が一体的に移動して摩擦部
材をディスクロータの摩擦面に押圧し、パーキングブレ
ーキが作用状態とされる。モータが非作動状態において
ロータが外力により容易に回転させられる形式のもので
ある場合には、ねじ機構の第一ねじ部材および第二ねじ
部材のリード角を摩擦角以下としておけば、モータの非
作動状態においてパーキングブレーキが作用状態とされ
ても両ねじ部材が相対回転することはなく、摩擦部材は
支障なくディスクロータの摩擦面に押圧される。また、
モータが超音波モータである場合には、ロータとステー
タとの間の摩擦力が大きいため、ねじ機構のリード角は
摩擦力より大きくても差し支えない。パーキングブレー
キ操作部材の操作が解除されれば、パーキングブレーキ
機構によりモータの原位置への復帰が許容されるため、
摩擦部材のディスクロータへの押圧が解除され、パーキ
ングブレーキが非作用状態に復帰する。
ては、パーキングブレーキ操作部材が操作されれば、パ
ーキングブレーキ機構によりモータが軸方向に移動させ
られ、モータと共にねじ機構が一体的に移動して摩擦部
材をディスクロータの摩擦面に押圧し、パーキングブレ
ーキが作用状態とされる。モータが非作動状態において
ロータが外力により容易に回転させられる形式のもので
ある場合には、ねじ機構の第一ねじ部材および第二ねじ
部材のリード角を摩擦角以下としておけば、モータの非
作動状態においてパーキングブレーキが作用状態とされ
ても両ねじ部材が相対回転することはなく、摩擦部材は
支障なくディスクロータの摩擦面に押圧される。また、
モータが超音波モータである場合には、ロータとステー
タとの間の摩擦力が大きいため、ねじ機構のリード角は
摩擦力より大きくても差し支えない。パーキングブレー
キ操作部材の操作が解除されれば、パーキングブレーキ
機構によりモータの原位置への復帰が許容されるため、
摩擦部材のディスクロータへの押圧が解除され、パーキ
ングブレーキが非作用状態に復帰する。
【0011】摩擦部材が摩耗した場合には、制動時にね
じ機構がその摩耗分だけ余分に摩擦部材をディスクロー
タ側へ移動させる。モータは回転トルクがパーキングブ
レーキ操作部材の操作力に対応した大きさになるまで回
転し続けるため、摩擦部材は摩耗量のいかんを問わず必
ずディスクロータに押し付けられるのである。したがっ
て、パーキングブレーキの解除時にモータの回転量を一
定に管理すれば、ブレーキクリアランスは摩擦部材の摩
耗にかかわらず一定に保たれることになる。摩擦部材を
ディスクロータに押圧するためのモータおよびねじ機構
がブレーキクリアランス調整機構の役割を果たすのであ
る。
じ機構がその摩耗分だけ余分に摩擦部材をディスクロー
タ側へ移動させる。モータは回転トルクがパーキングブ
レーキ操作部材の操作力に対応した大きさになるまで回
転し続けるため、摩擦部材は摩耗量のいかんを問わず必
ずディスクロータに押し付けられるのである。したがっ
て、パーキングブレーキの解除時にモータの回転量を一
定に管理すれば、ブレーキクリアランスは摩擦部材の摩
耗にかかわらず一定に保たれることになる。摩擦部材を
ディスクロータに押圧するためのモータおよびねじ機構
がブレーキクリアランス調整機構の役割を果たすのであ
る。
【0012】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、サービスブレーキとしてのみならずパーキン
ブレーキとしても使用し得、かつ、構造が簡単なディス
クブレーキを得ることができる。また、モータを駆動源
とするものであるため、液圧の制御により制動力を制御
する場合に比較して、制御遅れが少なくて済み、制動力
の正確な制御を容易に行い得る。
によれば、サービスブレーキとしてのみならずパーキン
ブレーキとしても使用し得、かつ、構造が簡単なディス
クブレーキを得ることができる。また、モータを駆動源
とするものであるため、液圧の制御により制動力を制御
する場合に比較して、制御遅れが少なくて済み、制動力
の正確な制御を容易に行い得る。
【0013】
【実施例】以下、本発明を自動車用ディスクブレーキに
適用した場合の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。図1において、10はディスクロータ(以下、単に
ロータという)であり、車輪と一体的に回転する。ロー
タ10はいわゆるハット型であり、その鍔に当たる部分
の両面にそれぞれ摩擦面12を有している。これら摩擦
面12に対向して一対の摩擦部材、すなわち、インナパ
ッド14およびアウタパッド16が配設されている。こ
れらパッド14,16は、それぞれ摩擦材18と、その
背面に固着された鋼製の裏板22とから成っている。裏
板22の背後には鳴き防止用のシム24が配設されてい
る。
適用した場合の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。図1において、10はディスクロータ(以下、単に
ロータという)であり、車輪と一体的に回転する。ロー
タ10はいわゆるハット型であり、その鍔に当たる部分
の両面にそれぞれ摩擦面12を有している。これら摩擦
面12に対向して一対の摩擦部材、すなわち、インナパ
ッド14およびアウタパッド16が配設されている。こ
れらパッド14,16は、それぞれ摩擦材18と、その
背面に固着された鋼製の裏板22とから成っている。裏
板22の背後には鳴き防止用のシム24が配設されてい
る。
【0014】ディスクロータ10の近傍には、トルク受
け部材としてのマウンティングブラケット26が固定的
に配設されている。マウンティングブラケット26は、
ロータ10の両側に位置するパッド支持部28,30が
ロータ10の外周を越えて延びる連結部によって連結さ
れた形状を有し、ロータ10の外周を跨ぐ状態で配設さ
れている。パッド14,16はマウンティングブラケッ
ト26によって、ロータ10の軸心に平行な方向に摺動
可能に支持されており、液圧シリンダ34を備えたキャ
リパ36によってロータ10の摩擦面12に押圧され
る。
け部材としてのマウンティングブラケット26が固定的
に配設されている。マウンティングブラケット26は、
ロータ10の両側に位置するパッド支持部28,30が
ロータ10の外周を越えて延びる連結部によって連結さ
れた形状を有し、ロータ10の外周を跨ぐ状態で配設さ
れている。パッド14,16はマウンティングブラケッ
ト26によって、ロータ10の軸心に平行な方向に摺動
可能に支持されており、液圧シリンダ34を備えたキャ
リパ36によってロータ10の摩擦面12に押圧され
る。
【0015】キャリパ36はインナパッド14の背面に
対向して設けられたシリンダ部38と、アウタパッド1
6の背面に対向して設けられたリアクション部40と、
これらをロータ10の外周を越えて連結する連結部42
とを備えており、マウンティングブラケット26に立設
された図示しない2本のスライドピンによって、ロータ
10の軸心に平行な方向に移動可能に支持されている。
対向して設けられたシリンダ部38と、アウタパッド1
6の背面に対向して設けられたリアクション部40と、
これらをロータ10の外周を越えて連結する連結部42
とを備えており、マウンティングブラケット26に立設
された図示しない2本のスライドピンによって、ロータ
10の軸心に平行な方向に移動可能に支持されている。
【0016】シリンダ部38には、ロータ10の摩擦面
12に直交する向きに開口したシリンダボア44が形成
されており、そこにピストン46が液密かつ摺動可能に
嵌合されている。また、シリンダボア44と同心にスプ
ライン穴48が形成されており、そこに超音波モータ5
0が軸方向に摺動可能かつ回転不能に嵌合されている。
超音波モータ50のハウジング52の外周面にはスプラ
インが形成されており、これがスプライン穴48に嵌合
されているのであり、シリンダ部38が、摩擦部材たる
インナパッド14に対向して超音波モータ50を保持す
る保持部材の機能を果たしているのである。また、スプ
ライン穴48の内部空間はブレーキ液が充満した液圧室
58となっており、ここに図示しないポートからブレー
キ液が供給されることによりピストン46が前進させら
れてインナパッド14をディスクロータ10の摩擦面1
2に押し付け、その反力でリアクション部40がアウタ
パッド16を反対側の摩擦面12へ押圧する。シリンダ
部38およびピストン46により前記液圧シリンダ34
が形成されているのである。
12に直交する向きに開口したシリンダボア44が形成
されており、そこにピストン46が液密かつ摺動可能に
嵌合されている。また、シリンダボア44と同心にスプ
ライン穴48が形成されており、そこに超音波モータ5
0が軸方向に摺動可能かつ回転不能に嵌合されている。
超音波モータ50のハウジング52の外周面にはスプラ
インが形成されており、これがスプライン穴48に嵌合
されているのであり、シリンダ部38が、摩擦部材たる
インナパッド14に対向して超音波モータ50を保持す
る保持部材の機能を果たしているのである。また、スプ
ライン穴48の内部空間はブレーキ液が充満した液圧室
58となっており、ここに図示しないポートからブレー
キ液が供給されることによりピストン46が前進させら
れてインナパッド14をディスクロータ10の摩擦面1
2に押し付け、その反力でリアクション部40がアウタ
パッド16を反対側の摩擦面12へ押圧する。シリンダ
部38およびピストン46により前記液圧シリンダ34
が形成されているのである。
【0017】超音波モータ50のハウジング52内には
ロータ60が正逆両方向に回転可能に設けられている。
ロータ60には第一ねじ部材たるスクリュロッド62が
固定されており、ロータ60と一体的に回転する。スク
リュロッド62は前記ピストン46の中央部に形成され
て雌ねじ穴66に螺合されている。ピストン46の先端
面の一部は切り欠かれて係合溝68が形成されており、
インナパッド14の裏板22の突部70が係合溝68と
係合させられることにより、インナパッド14とピスト
ン46との相対回転が防止されている。
ロータ60が正逆両方向に回転可能に設けられている。
ロータ60には第一ねじ部材たるスクリュロッド62が
固定されており、ロータ60と一体的に回転する。スク
リュロッド62は前記ピストン46の中央部に形成され
て雌ねじ穴66に螺合されている。ピストン46の先端
面の一部は切り欠かれて係合溝68が形成されており、
インナパッド14の裏板22の突部70が係合溝68と
係合させられることにより、インナパッド14とピスト
ン46との相対回転が防止されている。
【0018】したがって、超音波モータ50によりスク
リュロッド62が正回転させられることにより、ピスト
ン46がロータ10に接近する向きに前進させられ、イ
ンナパッド14を摩擦面12に押圧する。一方、スクリ
ュロッド62が逆回転させられることにより、ピストン
46が後退し、インナパッド14およびアウタパッド1
6のロータ10への押圧が解除される。ピストン46が
第二ねじ部材としても機能するようにされているのであ
る。なお、74はゴム製のダストシールである。
リュロッド62が正回転させられることにより、ピスト
ン46がロータ10に接近する向きに前進させられ、イ
ンナパッド14を摩擦面12に押圧する。一方、スクリ
ュロッド62が逆回転させられることにより、ピストン
46が後退し、インナパッド14およびアウタパッド1
6のロータ10への押圧が解除される。ピストン46が
第二ねじ部材としても機能するようにされているのであ
る。なお、74はゴム製のダストシールである。
【0019】キャリパ34のシリンダ部38の端壁11
8から軸方向に突出した突部119には、ロータ10の
半径方向に延びて中心側に開口する有底の保持穴120
が形成されており、シャフト122がラジアルベアリン
グ124を介して回転可能に嵌合されている。シャフト
122と突部119との間にはゴム製のシール部材12
6が配設されている。
8から軸方向に突出した突部119には、ロータ10の
半径方向に延びて中心側に開口する有底の保持穴120
が形成されており、シャフト122がラジアルベアリン
グ124を介して回転可能に嵌合されている。シャフト
122と突部119との間にはゴム製のシール部材12
6が配設されている。
【0020】また、シャフト122の保持穴120から
の突出端部には、パーキングレバー130の一端部が相
対回転不能に嵌合されており、ナット132により固定
されている。パーキングレバー130は、図示しないブ
レーキケーブルを介して運転席に設けられたパーキング
ブレーキ操作レバーに連結されており、運転者によりパ
ーキングブレーキ操作レバーが操作されれば、パーキン
グレバー130およびシャフト122が軸線まわりに回
動させられる一方、パーキングブレーキ操作レバーの操
作が解除されれば、リターンスプリング134の付勢力
により逆向きに回動させられて原位置に戻る。
の突出端部には、パーキングレバー130の一端部が相
対回転不能に嵌合されており、ナット132により固定
されている。パーキングレバー130は、図示しないブ
レーキケーブルを介して運転席に設けられたパーキング
ブレーキ操作レバーに連結されており、運転者によりパ
ーキングブレーキ操作レバーが操作されれば、パーキン
グレバー130およびシャフト122が軸線まわりに回
動させられる一方、パーキングブレーキ操作レバーの操
作が解除されれば、リターンスプリング134の付勢力
により逆向きに回動させられて原位置に戻る。
【0021】超音波モータ50が嵌合されたスプライン
穴48は、貫通穴138によって保持穴120と連通さ
せられている。この貫通穴138には軸方向に摺動可能
に可動部材140が嵌合されており、可動部材140の
先端部が超音波モータ50の背面に当接させられてい
る。また、可動部材140の後端面とシャフト122と
の間には、シャフト122の軸心と直交する向きにプッ
シュロッド142が設けられている。シャフト122の
プッシュロッド142と接触する面はカム面144とさ
れており、シャフト122の回転がプッシュロッド14
2の軸方向移動に変換されるようになっている。したが
って、シャフト122の回転に伴ってプッシュロッド1
42が前進させられ、それに伴って可動部材140が超
音波モータ50の背面を押し、超音波モータ50をスプ
ライン穴48に沿って前進させ、ピストン46を介して
インナパッド14をロータ10の摩擦面12に押し付け
る。
穴48は、貫通穴138によって保持穴120と連通さ
せられている。この貫通穴138には軸方向に摺動可能
に可動部材140が嵌合されており、可動部材140の
先端部が超音波モータ50の背面に当接させられてい
る。また、可動部材140の後端面とシャフト122と
の間には、シャフト122の軸心と直交する向きにプッ
シュロッド142が設けられている。シャフト122の
プッシュロッド142と接触する面はカム面144とさ
れており、シャフト122の回転がプッシュロッド14
2の軸方向移動に変換されるようになっている。したが
って、シャフト122の回転に伴ってプッシュロッド1
42が前進させられ、それに伴って可動部材140が超
音波モータ50の背面を押し、超音波モータ50をスプ
ライン穴48に沿って前進させ、ピストン46を介して
インナパッド14をロータ10の摩擦面12に押し付け
る。
【0022】なお、可動部材140とプッシュロッド1
42との係合部はすり鉢状の係合凹部146とされてお
り、プッシュロッド142の揺動が許容されている。ま
た、スクリュロッド62および雌ねじ穴66のリード角
は摩擦角より小さくされており、超音波モータ50の非
作動状態において超音波モータ50がプッシュロッド1
42により押された際、ねじ面の傾斜によりスクリュロ
ッド62が回転させられることはなく、ピストン46、
ひいてはインナパッド14が支障なく前進させられる。
ただし、本実施例においてスクリュロッド62および雌
ねじ穴66のリード角が摩擦角より小さくされているの
は、スクリュロッド62の回転を防止するためではな
く、ねじの倍力率を大きくするためである。超音波モー
タ50は、ハウジング52を主体とするステータとロー
タ60との間の摩擦力が大きいため、非作動状態におい
てもロータ60は外力により容易には回転させられな
い。したがって、スクリュロッド62と雌ねじ穴66と
のリード角が摩擦角より大きくても差し支えないのであ
る。
42との係合部はすり鉢状の係合凹部146とされてお
り、プッシュロッド142の揺動が許容されている。ま
た、スクリュロッド62および雌ねじ穴66のリード角
は摩擦角より小さくされており、超音波モータ50の非
作動状態において超音波モータ50がプッシュロッド1
42により押された際、ねじ面の傾斜によりスクリュロ
ッド62が回転させられることはなく、ピストン46、
ひいてはインナパッド14が支障なく前進させられる。
ただし、本実施例においてスクリュロッド62および雌
ねじ穴66のリード角が摩擦角より小さくされているの
は、スクリュロッド62の回転を防止するためではな
く、ねじの倍力率を大きくするためである。超音波モー
タ50は、ハウジング52を主体とするステータとロー
タ60との間の摩擦力が大きいため、非作動状態におい
てもロータ60は外力により容易には回転させられな
い。したがって、スクリュロッド62と雌ねじ穴66と
のリード角が摩擦角より大きくても差し支えないのであ
る。
【0023】超音波モータ50はモータ駆動回路176
を介して制御装置178により制御される。制御装置1
78には、図2に示すブレーキペダル180の踏込みを
検知するブレーキスイッチ182が接続されている。ブ
レーキペダル180はマスタシリンダ184に連結され
ている。マスタシリンダ184は2つの加圧室186,
188を備えたタンデム型であり、ブレーキペダル18
0の踏力に応じた高さの液圧を各加圧室186,188
に発生させる。ブレーキペダル180とマスタシリンダ
184との間にはロードセル190が設けられており、
ブレーキペダル180の踏力が検出される。
を介して制御装置178により制御される。制御装置1
78には、図2に示すブレーキペダル180の踏込みを
検知するブレーキスイッチ182が接続されている。ブ
レーキペダル180はマスタシリンダ184に連結され
ている。マスタシリンダ184は2つの加圧室186,
188を備えたタンデム型であり、ブレーキペダル18
0の踏力に応じた高さの液圧を各加圧室186,188
に発生させる。ブレーキペダル180とマスタシリンダ
184との間にはロードセル190が設けられており、
ブレーキペダル180の踏力が検出される。
【0024】各加圧室186,188は、液通路19
2,194によって電磁方向切換弁196,198に接
続されている。これら電磁方向切換弁196,198
は、通常は、ストロークシミュレータ200,202を
リザーバタンク204に連通させ、加圧室186,18
8をそれぞれのディスクブレーキの各液圧室58に連通
させる第一状態にあるが、ソレノイド206,208が
励磁されることにより液圧室58をリザーバタンク20
4に連通させ、加圧室186,188をストロークシミ
ュレータ200,202に連通させる第二状態に切り換
わる。
2,194によって電磁方向切換弁196,198に接
続されている。これら電磁方向切換弁196,198
は、通常は、ストロークシミュレータ200,202を
リザーバタンク204に連通させ、加圧室186,18
8をそれぞれのディスクブレーキの各液圧室58に連通
させる第一状態にあるが、ソレノイド206,208が
励磁されることにより液圧室58をリザーバタンク20
4に連通させ、加圧室186,188をストロークシミ
ュレータ200,202に連通させる第二状態に切り換
わる。
【0025】これら電磁方向切換弁196,198の制
御は図1に示す前記制御装置178により行われる。制
御装置178は、図示は省略するが、CPU,ROM,
RAM,入出力インタフェース等を備えたマイクロコン
ピュータを主体とするものである。入出力インタフェー
スには、前記ブレーキスイッチ182およびロードセル
190が接続されており、これらの検出信号が制御装置
178に入力される。また、入出力インタフェースに
は、前記超音波モータ50と共に、ソレノイド206,
208がそれぞれソレノイド駆動回路214,216を
介して接続されており、これらに制御信号が送られるよ
うになっている。そのため、制御装置178のROMに
は、図3のフローチャートで表される超音波モータ制御
プログラムが、種々の制御プログラムと共に格納されて
いる。また、制御装置178のRAMには、ブレーキペ
ダル180の現在の踏力Fc を記憶する現在踏力メモリ
を始めとする各メモリやフラグ等が設けられている。
御は図1に示す前記制御装置178により行われる。制
御装置178は、図示は省略するが、CPU,ROM,
RAM,入出力インタフェース等を備えたマイクロコン
ピュータを主体とするものである。入出力インタフェー
スには、前記ブレーキスイッチ182およびロードセル
190が接続されており、これらの検出信号が制御装置
178に入力される。また、入出力インタフェースに
は、前記超音波モータ50と共に、ソレノイド206,
208がそれぞれソレノイド駆動回路214,216を
介して接続されており、これらに制御信号が送られるよ
うになっている。そのため、制御装置178のROMに
は、図3のフローチャートで表される超音波モータ制御
プログラムが、種々の制御プログラムと共に格納されて
いる。また、制御装置178のRAMには、ブレーキペ
ダル180の現在の踏力Fc を記憶する現在踏力メモリ
を始めとする各メモリやフラグ等が設けられている。
【0026】以上のように構成されたディスクブレーキ
において、イグニッションスイッチがONの状態では、
通常、制御装置178の指令信号により、ソレノイド2
06,208が励磁され、電磁方向切換弁196,19
8が第二状態とされている。そして、運転者によりブレ
ーキペダル180が踏み込まれれば、それがブレーキス
イッチ182によって検出されるとともに、ブレーキペ
ダル180の踏込みに伴ってマスタシリンダ184から
ブレーキ液がストロークシミュレータ200,202に
供給され、ストロークシミュレータ200,202およ
び加圧室186,188の液圧が増大する。その結果、
ブレーキペダル180の踏力が増大するが、これがロー
ドセル190により検出され、制御装置178へ送られ
る。制御装置178は、その踏力に応じて超音波モータ
50の駆動電圧値を決定し、モータ駆動回路176に指
令する。
において、イグニッションスイッチがONの状態では、
通常、制御装置178の指令信号により、ソレノイド2
06,208が励磁され、電磁方向切換弁196,19
8が第二状態とされている。そして、運転者によりブレ
ーキペダル180が踏み込まれれば、それがブレーキス
イッチ182によって検出されるとともに、ブレーキペ
ダル180の踏込みに伴ってマスタシリンダ184から
ブレーキ液がストロークシミュレータ200,202に
供給され、ストロークシミュレータ200,202およ
び加圧室186,188の液圧が増大する。その結果、
ブレーキペダル180の踏力が増大するが、これがロー
ドセル190により検出され、制御装置178へ送られ
る。制御装置178は、その踏力に応じて超音波モータ
50の駆動電圧値を決定し、モータ駆動回路176に指
令する。
【0027】モータ駆動回路176を介して超音波モー
タ50に電圧が印加されれば、超音波モータ50の振動
体に超音波振動が生じ、ロータ60がハウジング52に
対して正方向に相対回転させられる。負荷が小さい状態
におけるロータ60の回転速度は、超音波振動の振幅が
大きいほど、換言すれば、超音波モータ50に印加され
る電圧が大きいほど大きい。超音波モータ50が駆動さ
れてスクリュロッド62が正回転させられることによ
り、ピストン46が前進してインナパッド14をロータ
10の摩擦面12に押し付ける。また、その反力で、リ
アクション部40がアウタパッド16をロータ10の他
方の摩擦面12に押し付け、制動が行われる。それによ
って負荷が大きくなり、ロータ60の回転が阻止された
後は、ロータ60にブレーキペダル180の踏力に応じ
た大きさの回転トルクが加えられ続ける。また、制動の
解除は、超音波モータ50が逆方向に一定量回転させら
れることにより行われる。
タ50に電圧が印加されれば、超音波モータ50の振動
体に超音波振動が生じ、ロータ60がハウジング52に
対して正方向に相対回転させられる。負荷が小さい状態
におけるロータ60の回転速度は、超音波振動の振幅が
大きいほど、換言すれば、超音波モータ50に印加され
る電圧が大きいほど大きい。超音波モータ50が駆動さ
れてスクリュロッド62が正回転させられることによ
り、ピストン46が前進してインナパッド14をロータ
10の摩擦面12に押し付ける。また、その反力で、リ
アクション部40がアウタパッド16をロータ10の他
方の摩擦面12に押し付け、制動が行われる。それによ
って負荷が大きくなり、ロータ60の回転が阻止された
後は、ロータ60にブレーキペダル180の踏力に応じ
た大きさの回転トルクが加えられ続ける。また、制動の
解除は、超音波モータ50が逆方向に一定量回転させら
れることにより行われる。
【0028】以下、図3のフローチャートを参照しつ
つ、超音波モータ50の制御を説明する。なお、この超
音波モータ制御プログラムのサイクルタイムは、ブレー
キペダル180の踏力が増大あるいは減少するのに要す
る時間に比較して著しく短くされている。
つ、超音波モータ50の制御を説明する。なお、この超
音波モータ制御プログラムのサイクルタイムは、ブレー
キペダル180の踏力が増大あるいは減少するのに要す
る時間に比較して著しく短くされている。
【0029】まず、ステップS1(以下、単にS1で表
す。他のステップについても同様)において初期設定が
行われ、各メモリがクリアされるとともに、フラグがO
FFとされる。次に、S2において、ブレーキペダル1
80が解放状態にあるか否かが、ブレーキスイッチ18
2からの信号に基づいて判定される。ブレーキペダル1
80が踏み込まれていなければ判定の結果がYESとな
り、S3においてフラグがONにされているか否かが判
定される。プログラムの最初の実行時にはフラグはOF
F状態にあるため、判定結果がNOとなり、再びS2が
実行される。
す。他のステップについても同様)において初期設定が
行われ、各メモリがクリアされるとともに、フラグがO
FFとされる。次に、S2において、ブレーキペダル1
80が解放状態にあるか否かが、ブレーキスイッチ18
2からの信号に基づいて判定される。ブレーキペダル1
80が踏み込まれていなければ判定の結果がYESとな
り、S3においてフラグがONにされているか否かが判
定される。プログラムの最初の実行時にはフラグはOF
F状態にあるため、判定結果がNOとなり、再びS2が
実行される。
【0030】S2およびS3が繰り返し実行されるうち
に、運転者によりブレーキペダル180が踏み込まれれ
ばS2の判定の結果がNOとなり、S4においてフラグ
がONとされる。次に、S5において、ロードセル19
0により検出されたブレーキペダル180の現在の踏力
Fc の値が読み出され、RAMの現在踏力メモリに格納
される。続いて、S6において、RAMの前回踏力メモ
リに格納された前回踏力Fp の値が読み出され、現在踏
力Fc との差、すなわち踏力増加量または踏力減少量
(以下、増減量と略称する)ΔFが求められる。なお、
プログラムの最初の実行時には前回踏力Fp がクリアさ
れて0とされているため、現在踏力Fc の値がそのまま
増減量ΔFとされる。
に、運転者によりブレーキペダル180が踏み込まれれ
ばS2の判定の結果がNOとなり、S4においてフラグ
がONとされる。次に、S5において、ロードセル19
0により検出されたブレーキペダル180の現在の踏力
Fc の値が読み出され、RAMの現在踏力メモリに格納
される。続いて、S6において、RAMの前回踏力メモ
リに格納された前回踏力Fp の値が読み出され、現在踏
力Fc との差、すなわち踏力増加量または踏力減少量
(以下、増減量と略称する)ΔFが求められる。なお、
プログラムの最初の実行時には前回踏力Fp がクリアさ
れて0とされているため、現在踏力Fc の値がそのまま
増減量ΔFとされる。
【0031】次に、S7において、求められた増減量Δ
Fが設定増加量ΔF1 以上であるか、すなわち、ブレー
キペダル180の踏力が設定増加量ΔF1 以上増加した
か否かの判定が行われる。プログラムのサイクルタイム
が極く短いため、1回目の判定では現在踏力Fc の増減
量ΔFは設定増加量ΔF1 に達しない場合が多い。した
がって、判定の結果がNOとなり、S8において増減量
ΔFが設定減少量ΔF2 以下であるか、すなわち、ブレ
ーキペダル180の踏力が負の値である設定減少量ΔF
2 の絶対値以上減少したか否かの判定が行われる。S9
の判定結果もNOとなるため、プログラムの実行はS2
に戻る。
Fが設定増加量ΔF1 以上であるか、すなわち、ブレー
キペダル180の踏力が設定増加量ΔF1 以上増加した
か否かの判定が行われる。プログラムのサイクルタイム
が極く短いため、1回目の判定では現在踏力Fc の増減
量ΔFは設定増加量ΔF1 に達しない場合が多い。した
がって、判定の結果がNOとなり、S8において増減量
ΔFが設定減少量ΔF2 以下であるか、すなわち、ブレ
ーキペダル180の踏力が負の値である設定減少量ΔF
2 の絶対値以上減少したか否かの判定が行われる。S9
の判定結果もNOとなるため、プログラムの実行はS2
に戻る。
【0032】S2〜S8が繰り返し実行されるうちに、
増減量ΔFが設定増加量ΔF1 以上となれば、S7の判
定結果がYESとなり、S9において、格納された現在
踏力Fc に対応する振幅を超音波モータ50の振動体に
生じさせる電圧値が決定され、モータ駆動回路176に
指令される。それに応じて、モータ駆動回路176が超
音波モータ50に、指令された大きさの電圧を印加す
る。したがって、超音波モータ50が適正な回転速度で
正回転させられ、ピストン46が前進させられる。続い
て、S10において、それまでRAMの現在踏力メモリ
に格納されていた現在踏力Fc がRAMの前回踏力メモ
リに格納される。
増減量ΔFが設定増加量ΔF1 以上となれば、S7の判
定結果がYESとなり、S9において、格納された現在
踏力Fc に対応する振幅を超音波モータ50の振動体に
生じさせる電圧値が決定され、モータ駆動回路176に
指令される。それに応じて、モータ駆動回路176が超
音波モータ50に、指令された大きさの電圧を印加す
る。したがって、超音波モータ50が適正な回転速度で
正回転させられ、ピストン46が前進させられる。続い
て、S10において、それまでRAMの現在踏力メモリ
に格納されていた現在踏力Fc がRAMの前回踏力メモ
リに格納される。
【0033】ピストン46はパッド14,16がロータ
10に当接して前進を阻止されたとき前進を停止し、超
音波モータ50の回転も停止する。この際に生じる回転
トルクはブレーキペダル180の踏力に見合う大きさと
なり、再びS7の判定結果がYESとなるまで、最後に
S9が実行されたときの指令電圧値に応じた大きさに保
たれる。しかし、ブレーキペダル180が踏み増し続け
られている間は、S7の判定結果が繰り返しYESとな
り、超音波モータ50の回転トルクが新しい現在踏力F
c に対応する大きさとされて、制動力が増大する。
10に当接して前進を阻止されたとき前進を停止し、超
音波モータ50の回転も停止する。この際に生じる回転
トルクはブレーキペダル180の踏力に見合う大きさと
なり、再びS7の判定結果がYESとなるまで、最後に
S9が実行されたときの指令電圧値に応じた大きさに保
たれる。しかし、ブレーキペダル180が踏み増し続け
られている間は、S7の判定結果が繰り返しYESとな
り、超音波モータ50の回転トルクが新しい現在踏力F
c に対応する大きさとされて、制動力が増大する。
【0034】一方、ブレーキペダル180の踏力が減少
して、増減量ΔFが設定減少量ΔF2 以下となれば、S
8の判定結果がYESとなり、S11において設定減少
量ΔF2 に対応する時間だけ超音波モータ50を逆回転
させる指令が発せられる。したがって、モータ駆動回路
176から超音波モータ50に予め定められた大きさの
電圧がその指令信号に応じた時間だけ供給され、超音波
モータ50が逆回転させられる。それにより、ピストン
46がほぼ一定量後退させられる。そして、S12にお
いて、現在踏力Fc が前回踏力メモリに格納される。
して、増減量ΔFが設定減少量ΔF2 以下となれば、S
8の判定結果がYESとなり、S11において設定減少
量ΔF2 に対応する時間だけ超音波モータ50を逆回転
させる指令が発せられる。したがって、モータ駆動回路
176から超音波モータ50に予め定められた大きさの
電圧がその指令信号に応じた時間だけ供給され、超音波
モータ50が逆回転させられる。それにより、ピストン
46がほぼ一定量後退させられる。そして、S12にお
いて、現在踏力Fc が前回踏力メモリに格納される。
【0035】上記のようにS2〜S12が繰り返し実行
されるうちに、ブレーキペダル180が解放されてブレ
ーキスイッチ182がOFF状態となり、S2の判定結
果がYESとなる。したがって、S3においてフラグが
ONか否かの判定が行われるが、この判定結果はYES
となるため、S13において、超音波モータ50を予め
定められた時間逆回転させる指令が発せられる。S11
において、ブレーキペダル180の踏力が設定減少量Δ
F2 減少する毎にそれに見合う時間ずつ超音波モータ5
0が逆回転させられ、ピストン46が後退させられるよ
うになっており、踏力が0になった時にはパッド14,
16のディスクロータ10への押圧力も0になるように
されているが、正確にはその通りには押圧力は減少しな
い。しかし、S13において超音波モータ50が予め定
められた時間だけ逆方向に回転させられることによっ
て、パッド14,16の押圧力が確実に0になり、ほぼ
一定のブレーキクリアランスが生じさせられる。踏力減
少中における超音波モータ50の回転量の誤差はブレー
キクリアランスの誤差となるのみなのである。
されるうちに、ブレーキペダル180が解放されてブレ
ーキスイッチ182がOFF状態となり、S2の判定結
果がYESとなる。したがって、S3においてフラグが
ONか否かの判定が行われるが、この判定結果はYES
となるため、S13において、超音波モータ50を予め
定められた時間逆回転させる指令が発せられる。S11
において、ブレーキペダル180の踏力が設定減少量Δ
F2 減少する毎にそれに見合う時間ずつ超音波モータ5
0が逆回転させられ、ピストン46が後退させられるよ
うになっており、踏力が0になった時にはパッド14,
16のディスクロータ10への押圧力も0になるように
されているが、正確にはその通りには押圧力は減少しな
い。しかし、S13において超音波モータ50が予め定
められた時間だけ逆方向に回転させられることによっ
て、パッド14,16の押圧力が確実に0になり、ほぼ
一定のブレーキクリアランスが生じさせられる。踏力減
少中における超音波モータ50の回転量の誤差はブレー
キクリアランスの誤差となるのみなのである。
【0036】その後、S14においてフラグがOFFと
されるとともに、S15において現在踏力メモリおよび
前回踏力メモリがクリアされる。そして、プログラムの
実行が再びS2に戻り、ブレーキペダル180の踏込み
が待たれる。
されるとともに、S15において現在踏力メモリおよび
前回踏力メモリがクリアされる。そして、プログラムの
実行が再びS2に戻り、ブレーキペダル180の踏込み
が待たれる。
【0037】上記制動が繰り返し行われる中にパッド1
4,16の摩擦材18が摩耗した場合には、次に制動が
行われる際に、パッド14,16がディスクロータ10
に当接するまでの超音波モータ50の回転量がそれだけ
大きくなることとなるが、踏力が増大する間は超音波モ
ータ50には電圧が印加され続け、超音波モータ50の
回転が停止するのは、それの回転負荷が、それに印加さ
れている電圧に対応する大きさに達したときであるか
ら、上記回転量の増加は超音波モータ50の制御に実質
上何の影響も与えない。そして、ブレーキペダル180
の踏込みが解除された際、S13の実行によりほぼ一定
のブレーキクリアランスが確保されるため、摩擦材18
の摩耗は必然的に補償される。すなわち、本実施例のデ
ィスクブレーキにおいては、専用のブレーキクリアラン
ス調整機構を設けなくても、制動が行われる毎にブレー
キクリアランスの調整が行われるのである。
4,16の摩擦材18が摩耗した場合には、次に制動が
行われる際に、パッド14,16がディスクロータ10
に当接するまでの超音波モータ50の回転量がそれだけ
大きくなることとなるが、踏力が増大する間は超音波モ
ータ50には電圧が印加され続け、超音波モータ50の
回転が停止するのは、それの回転負荷が、それに印加さ
れている電圧に対応する大きさに達したときであるか
ら、上記回転量の増加は超音波モータ50の制御に実質
上何の影響も与えない。そして、ブレーキペダル180
の踏込みが解除された際、S13の実行によりほぼ一定
のブレーキクリアランスが確保されるため、摩擦材18
の摩耗は必然的に補償される。すなわち、本実施例のデ
ィスクブレーキにおいては、専用のブレーキクリアラン
ス調整機構を設けなくても、制動が行われる毎にブレー
キクリアランスの調整が行われるのである。
【0038】自動車が停止させられた後、運転者により
パーキングブレーキ操作レバーが操作されれば、ブレー
キケーブルを介してパーキングレバー130およびシャ
フト122が回動させられる。それにより、プッシュロ
ッド142および可動部材140を介して超音波モータ
50がシリンダ部38内を前進させられ、スクリュロッ
ド62と共にピストン46が前進させられて、ディスク
ブレーキが作用状態とされる。スクリュロッド62とピ
ストン46の雌ねじ穴66とのリード角は摩擦角以下と
されており、かつ、ロータ60の摩擦力が大きいため、
超音波モータ50の非作動状態においてスクリュロッド
62とピストン46とに圧縮力が加えられても、ねじの
傾斜によりスクリュロッド62が回転させられることは
ない。したがって、ピストン46がインナパッド14の
反力により後退させられることはなく、本ディスクブレ
ーキは作用状態に保たれる。本実施例においては、シャ
フト122,パーキングレバー130,可動部材14
0,プッシュロッド142等によりパーキングブレーキ
機構が構成されているのであり、それによって、サービ
スブレーキとしてのディスクブレーキがパーキングブレ
ーキとしても機能することとなる。
パーキングブレーキ操作レバーが操作されれば、ブレー
キケーブルを介してパーキングレバー130およびシャ
フト122が回動させられる。それにより、プッシュロ
ッド142および可動部材140を介して超音波モータ
50がシリンダ部38内を前進させられ、スクリュロッ
ド62と共にピストン46が前進させられて、ディスク
ブレーキが作用状態とされる。スクリュロッド62とピ
ストン46の雌ねじ穴66とのリード角は摩擦角以下と
されており、かつ、ロータ60の摩擦力が大きいため、
超音波モータ50の非作動状態においてスクリュロッド
62とピストン46とに圧縮力が加えられても、ねじの
傾斜によりスクリュロッド62が回転させられることは
ない。したがって、ピストン46がインナパッド14の
反力により後退させられることはなく、本ディスクブレ
ーキは作用状態に保たれる。本実施例においては、シャ
フト122,パーキングレバー130,可動部材14
0,プッシュロッド142等によりパーキングブレーキ
機構が構成されているのであり、それによって、サービ
スブレーキとしてのディスクブレーキがパーキングブレ
ーキとしても機能することとなる。
【0039】パーキングブレーキ操作レバーが解除され
れば、パーキングレバー130およびシャフト122が
リターンスプリング134により原位置に戻されるた
め、超音波モータ50,スクリュロッド62を介してピ
ストン46に加えられていた力が解除され、両パッド1
4,16のディスクロータ10への押圧が解除され、デ
ィスクブレーキが非作用状態に復帰する。
れば、パーキングレバー130およびシャフト122が
リターンスプリング134により原位置に戻されるた
め、超音波モータ50,スクリュロッド62を介してピ
ストン46に加えられていた力が解除され、両パッド1
4,16のディスクロータ10への押圧が解除され、デ
ィスクブレーキが非作用状態に復帰する。
【0040】本実施例においては、パッド14,16が
摩耗した際のブレーキクリアランス調整が制動時に必然
的に行われるため、パーキングブレーキ操作レバーの操
作ストロークは常にほぼ一定に保たれる。また、専用の
ブレーキクリアランス調整機構を設ける必要がないた
め、装置全体の構造が簡単となり、コストを低く抑える
ことができる。
摩耗した際のブレーキクリアランス調整が制動時に必然
的に行われるため、パーキングブレーキ操作レバーの操
作ストロークは常にほぼ一定に保たれる。また、専用の
ブレーキクリアランス調整機構を設ける必要がないた
め、装置全体の構造が簡単となり、コストを低く抑える
ことができる。
【0041】また、制御装置178等の電気系統に失陥
が生じた場合には、ソレノイド206,208への励磁
電流の供給が断たれるため、電磁方向切換弁196,1
98が図2に示す原位置へ復帰し、各液圧シリンダ34
の液圧室58がそれぞれマスタシリンダ184の加圧室
186,188と連通させられて、本ディスクブレーキ
は単純な液圧ディスクブレーキと同様に作動させられ
る。運転者がブレーキペダル180を踏み込めば、マス
タシリンダ184に発生させられる液圧が各液圧室58
に供給され、超音波モータ50およびピストン46が一
体的に前進させられて制動が行われるのである。すなわ
ち、本実施例のディスクブレーキは、電気系統が正常に
作動する間は超音波モータ50の駆動に基づく電気ブレ
ーキとして作動し、電気系統が失陥した場合には液圧ブ
レーキとして作動するのであり、電気系統に失陥が生じ
ても自動車を支障なく減速あるいは停止させることがで
きる。
が生じた場合には、ソレノイド206,208への励磁
電流の供給が断たれるため、電磁方向切換弁196,1
98が図2に示す原位置へ復帰し、各液圧シリンダ34
の液圧室58がそれぞれマスタシリンダ184の加圧室
186,188と連通させられて、本ディスクブレーキ
は単純な液圧ディスクブレーキと同様に作動させられ
る。運転者がブレーキペダル180を踏み込めば、マス
タシリンダ184に発生させられる液圧が各液圧室58
に供給され、超音波モータ50およびピストン46が一
体的に前進させられて制動が行われるのである。すなわ
ち、本実施例のディスクブレーキは、電気系統が正常に
作動する間は超音波モータ50の駆動に基づく電気ブレ
ーキとして作動し、電気系統が失陥した場合には液圧ブ
レーキとして作動するのであり、電気系統に失陥が生じ
ても自動車を支障なく減速あるいは停止させることがで
きる。
【0042】本実施例においては、通常の走行時におけ
る制動はすべて制御装置178の制御に基づく超音波モ
ータ50の駆動により行われ、マスタシリンダ184の
液圧に基づく制動は電気系統失陥時のみに行われるもの
とされるので、制動時や加速時における過大スリップの
防止、ブレーキペダル180の踏力に見合った制動効果
が得られるようにする制動効果制御、自動車の走行方向
制御のためのディクスブレーキ制御等を行うための液圧
制御装置を設ける必要がなく、装置コストを低減させる
ことができる。また、超音波モータ50等の電気的な制
御には、液圧制御に比較して制御遅れが生じにくいた
め、制動力を正確に制御することができる。
る制動はすべて制御装置178の制御に基づく超音波モ
ータ50の駆動により行われ、マスタシリンダ184の
液圧に基づく制動は電気系統失陥時のみに行われるもの
とされるので、制動時や加速時における過大スリップの
防止、ブレーキペダル180の踏力に見合った制動効果
が得られるようにする制動効果制御、自動車の走行方向
制御のためのディクスブレーキ制御等を行うための液圧
制御装置を設ける必要がなく、装置コストを低減させる
ことができる。また、超音波モータ50等の電気的な制
御には、液圧制御に比較して制御遅れが生じにくいた
め、制動力を正確に制御することができる。
【0043】なお付言すれば、本実施例においては、ブ
レーキペダル180の踏込力が一定に保たれている間
も、モータ駆動回路176を介して超音波モータ50が
作動させられ、インナパッド14に超音波モータ50の
回転トルクが作用させられるようになっているが、超音
波モータ50の非作動状態においても、ピストン46が
インナパッド14の反力により超音波モータ50側へ後
退させられることはないため、ブレーキペダル180の
踏力が一定に保たれている間は、超音波モータ50への
電圧の印加を断つことも可能である。
レーキペダル180の踏込力が一定に保たれている間
も、モータ駆動回路176を介して超音波モータ50が
作動させられ、インナパッド14に超音波モータ50の
回転トルクが作用させられるようになっているが、超音
波モータ50の非作動状態においても、ピストン46が
インナパッド14の反力により超音波モータ50側へ後
退させられることはないため、ブレーキペダル180の
踏力が一定に保たれている間は、超音波モータ50への
電圧の印加を断つことも可能である。
【0044】また、本実施例においては、同じディスク
ブレーキが電気ブレーキとしても液圧ブレーキとしても
作動するものとされているが、これは不可欠ではない。
さらに、トルク受け部材としてのマウンティングブラケ
ット26と、対向部材としてのシリンダ部38を備えた
キャリパ36とが別体にされているが、これらが一体化
されたいわゆるキャリパ固定式のディスクブレーキに本
発明を適用することも可能である。
ブレーキが電気ブレーキとしても液圧ブレーキとしても
作動するものとされているが、これは不可欠ではない。
さらに、トルク受け部材としてのマウンティングブラケ
ット26と、対向部材としてのシリンダ部38を備えた
キャリパ36とが別体にされているが、これらが一体化
されたいわゆるキャリパ固定式のディスクブレーキに本
発明を適用することも可能である。
【0045】その他、パーキングブレーキ機構や超音波
モータの制御プログラムを変更し、あるいは超音波モー
タ50に代えてサーボモータ等他の種類のモータを使用
する等、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施
した態様で、本発明を実施することができる。
モータの制御プログラムを変更し、あるいは超音波モー
タ50に代えてサーボモータ等他の種類のモータを使用
する等、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施
した態様で、本発明を実施することができる。
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキの正
面断面図である。
面断面図である。
【図2】上記ディスクブレーキが接続される液圧回路を
示す回路図である。
示す回路図である。
【図3】上記ブレーキ装置の制御装置のROMに格納さ
れた、超音波モータ制御プログラムを示すフローチャー
トである。
れた、超音波モータ制御プログラムを示すフローチャー
トである。
10 ディスクロータ 12 摩擦面 14 インナパッド 16 アウタパッド 34 液圧シリンダ 36 キャリパ 42 液圧シリンダ 46 ピストン 50 超音波モータ 62 スクリュロッド 122 シャフト 130 パーキングレバー 140 可動部材 142 プッシュロッド
Claims (1)
- 【請求項1】 回転するディスクロータと、そのディス
クロータの摩擦面に対向して配設された摩擦部材と、デ
ィスクロータから摩擦部材に伝達されるトルクを受ける
トルク受け部材と、そのトルク受け部材に支持され、前
記摩擦部材の背面に対向する対向部材と、その対向部材
に保持されたモータと、そのモータと前記摩擦部材との
間に設けられ、前記モータにより回転させられる第一ね
じ部材とその第一ねじ部材と螺合して第一ねじ部材の回
転に応じて前記摩擦部材を前記ディスクロータの摩擦面
に押圧する第二ねじ部材とを有するねじ機構とを含むデ
ィスクブレーキにおいて、 前記モータを前記対向部材に相対回転不能かつ軸方向に
移動可能に保持させるとともに、モータと対向部材との
間に、パーキングブレーキ操作部材に連結され、そのパ
ーキングブレーキ操作部材の操作により機械的に作動さ
せられてモータを前記ディスクロータ側へ押すパーキン
グブレーキ機構を設けたことを特徴とするディスクブレ
ーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4148761A JP2973707B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4148761A JP2973707B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | ディスクブレーキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05321961A true JPH05321961A (ja) | 1993-12-07 |
JP2973707B2 JP2973707B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=15460058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4148761A Expired - Fee Related JP2973707B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | ディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2973707B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998014715A1 (en) * | 1996-10-03 | 1998-04-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking system including motor-driven disc brake equipped with self-servo mechanism |
WO1998027356A1 (de) * | 1996-12-16 | 1998-06-25 | Robert Bosch Gmbh | Elektromechanisch betätigbare bremse |
US6139117A (en) * | 1998-03-26 | 2000-10-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrically operated parking brake apparatus having braking force changing device operable while drive power source switch is off |
EP1138971A2 (de) | 2000-03-28 | 2001-10-04 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektromechanische Bremsvorrichtung, insbesondere für ein Kraftfahrzeug |
EP1231118B1 (de) * | 2001-02-13 | 2007-05-02 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektromechanische Bremsvorrichtung, insbesondere für Kraftfahrzeuge |
WO2012127514A1 (ja) * | 2011-03-18 | 2012-09-27 | トヨタ自動車株式会社 | ブレーキ装置 |
KR101251507B1 (ko) * | 2010-12-09 | 2013-04-05 | 현대자동차주식회사 | 전동 브레이크 장치 |
JP2014129871A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Hyundai Motor Company Co Ltd | 自動車用電動式ブレーキ |
WO2024182982A1 (zh) * | 2023-03-06 | 2024-09-12 | 华为技术有限公司 | 控制方法、制动器、制动系统、车辆、存储介质及产品 |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP4148761A patent/JP2973707B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998014715A1 (en) * | 1996-10-03 | 1998-04-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking system including motor-driven disc brake equipped with self-servo mechanism |
WO1998027356A1 (de) * | 1996-12-16 | 1998-06-25 | Robert Bosch Gmbh | Elektromechanisch betätigbare bremse |
US6139117A (en) * | 1998-03-26 | 2000-10-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrically operated parking brake apparatus having braking force changing device operable while drive power source switch is off |
EP1138971A2 (de) | 2000-03-28 | 2001-10-04 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektromechanische Bremsvorrichtung, insbesondere für ein Kraftfahrzeug |
EP1231118B1 (de) * | 2001-02-13 | 2007-05-02 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektromechanische Bremsvorrichtung, insbesondere für Kraftfahrzeuge |
KR101251507B1 (ko) * | 2010-12-09 | 2013-04-05 | 현대자동차주식회사 | 전동 브레이크 장치 |
WO2012127514A1 (ja) * | 2011-03-18 | 2012-09-27 | トヨタ自動車株式会社 | ブレーキ装置 |
CN103443495A (zh) * | 2011-03-18 | 2013-12-11 | 丰田自动车株式会社 | 制动装置 |
JP5472528B2 (ja) * | 2011-03-18 | 2014-04-16 | トヨタ自動車株式会社 | ブレーキ装置 |
CN103443495B (zh) * | 2011-03-18 | 2014-12-03 | 丰田自动车株式会社 | 制动装置 |
US8997947B2 (en) | 2011-03-18 | 2015-04-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brake device |
JP2014129871A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Hyundai Motor Company Co Ltd | 自動車用電動式ブレーキ |
US9199623B2 (en) | 2012-12-28 | 2015-12-01 | Hyundai Motor Company | Motor driven brake system |
WO2024182982A1 (zh) * | 2023-03-06 | 2024-09-12 | 华为技术有限公司 | 控制方法、制动器、制动系统、车辆、存储介质及产品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2973707B2 (ja) | 1999-11-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |