JPH05321786A - 電磁式燃料噴射弁及び電磁式燃料噴射装置 - Google Patents
電磁式燃料噴射弁及び電磁式燃料噴射装置Info
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- JPH05321786A JPH05321786A JP12710192A JP12710192A JPH05321786A JP H05321786 A JPH05321786 A JP H05321786A JP 12710192 A JP12710192 A JP 12710192A JP 12710192 A JP12710192 A JP 12710192A JP H05321786 A JPH05321786 A JP H05321786A
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- fuel
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Abstract
(57)【要約】
【構成】電磁式燃料噴射弁1は、シート部9の上流側に
燃料に旋回力を与える燃料旋回素子13を、シート部9
の下流側に燃料噴射孔8と、燃料噴射孔8を開閉するボ
ール弁6を備え、ボール弁6の開閉時間を制御すること
によって燃料の噴射量を制御する。そして、エンジンの
運転状態に応じてストローク可変部材17を変形させ、
ボール弁6のストロークであるロッド10の首部の受け
面10aとストッパ14間の距離を変化させる。 【効果】ガソリンに比べて発熱量の低い代替燃料を用い
た場合や低回転数時の、最小燃料量での調量精度を確保
できるとともに、最大燃料量が非常に多くなる高出力時
にも十分に広い調量範囲を確保して運転できる。従っ
て、エンジンの運転に支障をきたすことがない。
燃料に旋回力を与える燃料旋回素子13を、シート部9
の下流側に燃料噴射孔8と、燃料噴射孔8を開閉するボ
ール弁6を備え、ボール弁6の開閉時間を制御すること
によって燃料の噴射量を制御する。そして、エンジンの
運転状態に応じてストローク可変部材17を変形させ、
ボール弁6のストロークであるロッド10の首部の受け
面10aとストッパ14間の距離を変化させる。 【効果】ガソリンに比べて発熱量の低い代替燃料を用い
た場合や低回転数時の、最小燃料量での調量精度を確保
できるとともに、最大燃料量が非常に多くなる高出力時
にも十分に広い調量範囲を確保して運転できる。従っ
て、エンジンの運転に支障をきたすことがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンの電
磁式燃料噴射弁に関する。
磁式燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンには低燃費かつ高出力化
が要求されているので、エンジンの運転に必要な空気流
量域は極めて広くなってきている。そのため、電磁式燃
料噴射弁の燃料調量範囲の要求も増大してきている。つ
まり、低燃費を満足するためにアイドル回転数を低下さ
せた場合に起こる最小燃料の非常に小さいところにおい
ても、高い調量精度が要求される。一方、高出力を得る
ために、エンジンの回転数を上げて単位時間当たりの爆
発回数を増やす方法も用いられる。この方法を用いる
と、それだけ多量の燃料と酸素が燃焼室でエネルギーを
放出することになり、最大燃料量が非常に増加する。こ
のため高出力を得るために最大燃料量を増大させたもの
においては、アイドル時の極少燃料量においても高い調
量精度を確保しようとしても、高出力時に合わせて流路
面積が拡大しているので非常に困難になる。したがっ
て、調量精度を確保するために、自己調芯作用のある球
弁を使用して軽量化を図り、バルブの応答性を高める試
みがなされている。このような調量範囲を拡大する例と
しては、「トヨタ技術」第35巻、第1号、昭和60年
6月発行の「EFI用高応答性電磁式燃料噴射弁の開
発」論文の記載がある。
が要求されているので、エンジンの運転に必要な空気流
量域は極めて広くなってきている。そのため、電磁式燃
料噴射弁の燃料調量範囲の要求も増大してきている。つ
まり、低燃費を満足するためにアイドル回転数を低下さ
せた場合に起こる最小燃料の非常に小さいところにおい
ても、高い調量精度が要求される。一方、高出力を得る
ために、エンジンの回転数を上げて単位時間当たりの爆
発回数を増やす方法も用いられる。この方法を用いる
と、それだけ多量の燃料と酸素が燃焼室でエネルギーを
放出することになり、最大燃料量が非常に増加する。こ
のため高出力を得るために最大燃料量を増大させたもの
においては、アイドル時の極少燃料量においても高い調
量精度を確保しようとしても、高出力時に合わせて流路
面積が拡大しているので非常に困難になる。したがっ
て、調量精度を確保するために、自己調芯作用のある球
弁を使用して軽量化を図り、バルブの応答性を高める試
みがなされている。このような調量範囲を拡大する例と
しては、「トヨタ技術」第35巻、第1号、昭和60年
6月発行の「EFI用高応答性電磁式燃料噴射弁の開
発」論文の記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、バ
ルブを軽量化しバルブの応答性を速めることにより、調
量範囲の広い電磁式燃料噴射弁を実現することが記載さ
れている。しかし、近年、低燃費化、高出力化に加えて
地球の環境汚染、温暖化が問題となり、排気規制の点か
らクリーン燃焼が可能なメタノール燃料等がガソリンに
代わる代替燃料として推進されている。メタノール燃料
の場合、単位重量当りの発熱量がガソリンに比べて低
い。そのため、ガソリンと同等のエネルギーを得るため
には、燃料の噴射量が大流量となり、調量範囲を広くす
る必要がある。しかし、上記従来技術を用いても、調量
範囲は十分ではなく、更にこの範囲を広くしなければな
らないという課題がある。
ルブを軽量化しバルブの応答性を速めることにより、調
量範囲の広い電磁式燃料噴射弁を実現することが記載さ
れている。しかし、近年、低燃費化、高出力化に加えて
地球の環境汚染、温暖化が問題となり、排気規制の点か
らクリーン燃焼が可能なメタノール燃料等がガソリンに
代わる代替燃料として推進されている。メタノール燃料
の場合、単位重量当りの発熱量がガソリンに比べて低
い。そのため、ガソリンと同等のエネルギーを得るため
には、燃料の噴射量が大流量となり、調量範囲を広くす
る必要がある。しかし、上記従来技術を用いても、調量
範囲は十分ではなく、更にこの範囲を広くしなければな
らないという課題がある。
【0004】本発明の目的は、ガソリンに比べて発熱量
の低いメタノール燃料等の代替燃料を用いた場合におい
て、発熱量の差から生じる噴射量の増加に対して、更に
広範囲な調量を確保した電磁式燃料噴射弁を提供するこ
とにある。
の低いメタノール燃料等の代替燃料を用いた場合におい
て、発熱量の差から生じる噴射量の増加に対して、更に
広範囲な調量を確保した電磁式燃料噴射弁を提供するこ
とにある。
【0005】本発明の他の目的は、アイドル時の低回転
数時においても高い調量精度を有する電磁式燃料噴射弁
を提供することにある。
数時においても高い調量精度を有する電磁式燃料噴射弁
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第一の特徴は、弁座の上流側に配設され供給
された燃料に旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座
の下流側に設けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール
弁を押圧するシートスプリングと、この弁座から前記ボ
ール弁を離間させる磁気回路とを備え、前記ボール弁と
前記弁座との開閉時間を制御することにより前記燃料の
噴射量を制御する電磁式燃料噴射弁において、前記ボー
ル弁のストロークを可変にする手段を設けたことにあ
る。
の本発明の第一の特徴は、弁座の上流側に配設され供給
された燃料に旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座
の下流側に設けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール
弁を押圧するシートスプリングと、この弁座から前記ボ
ール弁を離間させる磁気回路とを備え、前記ボール弁と
前記弁座との開閉時間を制御することにより前記燃料の
噴射量を制御する電磁式燃料噴射弁において、前記ボー
ル弁のストロークを可変にする手段を設けたことにあ
る。
【0007】また、本発明の第二の特徴は、弁座の上流
側に配設され供給された燃料に旋回力を与える燃料旋回
素子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔と、
この弁座にボール弁を押圧するシートスプリングと、こ
の弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路とを備
え、前記ボール弁と前記弁座との開閉時間を制御するこ
とによって燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射弁に
おいて、前記ボール弁のストロークを連続的に可変にす
る手段を設けたことにある。
側に配設され供給された燃料に旋回力を与える燃料旋回
素子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔と、
この弁座にボール弁を押圧するシートスプリングと、こ
の弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路とを備
え、前記ボール弁と前記弁座との開閉時間を制御するこ
とによって燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射弁に
おいて、前記ボール弁のストロークを連続的に可変にす
る手段を設けたことにある。
【0008】さらに、本発明の第三の特徴は、弁座の上
流側に配設され供給された燃料に旋回力を与える燃料旋
回素子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔
と、この弁座にボール弁を押圧するシートスプリング
と、この弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路と
を備え、前記ボール弁都前記弁座との開閉時間を制御す
ることによって燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射
弁において、前記ボール弁のストロークをステップ状に
可変にする手段を設けたことにある。
流側に配設され供給された燃料に旋回力を与える燃料旋
回素子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔
と、この弁座にボール弁を押圧するシートスプリング
と、この弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路と
を備え、前記ボール弁都前記弁座との開閉時間を制御す
ることによって燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射
弁において、前記ボール弁のストロークをステップ状に
可変にする手段を設けたことにある。
【0009】さらに、本発明の第四の特徴は、エンジン
の運転状態を検出する信号検出手段と、弁座の上流側に
配設され、供給された燃料に旋回力を与える燃料旋回素
子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔と、こ
の弁座にボール弁を押圧するシートスプリングと、この
弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路とを備え、
前記ボール弁と前記弁座との開閉時間を制御することに
より前記燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射装置に
おいて、前記信号検出手段の出力信号に基づいて前記ボ
ール弁のストロークを可変にする手段とを設けたことに
ある。
の運転状態を検出する信号検出手段と、弁座の上流側に
配設され、供給された燃料に旋回力を与える燃料旋回素
子と、この弁座の下流側に設けられた燃料噴射孔と、こ
の弁座にボール弁を押圧するシートスプリングと、この
弁座から前記ボール弁を離間させる磁気回路とを備え、
前記ボール弁と前記弁座との開閉時間を制御することに
より前記燃料の噴射量を制御する電磁式燃料噴射装置に
おいて、前記信号検出手段の出力信号に基づいて前記ボ
ール弁のストロークを可変にする手段とを設けたことに
ある。
【0010】
【作用】ボール弁の中間部にあるプランジャロッドに設
けた受け面と、この受け面に対向して電磁式燃料噴射弁
の静止側に設けたストッパと部材とにより隙間が形成さ
れ、ボール弁のストロークが決まる。そこで、エンジン
の運転状況や運転中に使用している燃料の成分等を検出
できる検出器からの出力信号を用いて、ストッパ部材の
受け面との接触側端面に設けた、例えば圧電素子からな
る弾性部材であるストローク可変部材を駆動して、前記
隙間を調整する。これにより、それぞれの運転条件に最
適な噴射量が得られるようにボール弁のストローク距
離、及びボール弁の開弁時間の調整が可能となる。
けた受け面と、この受け面に対向して電磁式燃料噴射弁
の静止側に設けたストッパと部材とにより隙間が形成さ
れ、ボール弁のストロークが決まる。そこで、エンジン
の運転状況や運転中に使用している燃料の成分等を検出
できる検出器からの出力信号を用いて、ストッパ部材の
受け面との接触側端面に設けた、例えば圧電素子からな
る弾性部材であるストローク可変部材を駆動して、前記
隙間を調整する。これにより、それぞれの運転条件に最
適な噴射量が得られるようにボール弁のストローク距
離、及びボール弁の開弁時間の調整が可能となる。
【0011】この調整は、弾性部材を検出器からの信号
に応じて、変形させることにより実行される。例えば、
弾性部材が拡大されると、ボール弁のストローク距離が
短くなり、開弁時間も短くなる。そして、電磁式燃料噴
射弁より噴射される燃料噴射量と入力パルス幅の特性が
変化し、アイドル時の少ない燃料量に対応可能となる。
に応じて、変形させることにより実行される。例えば、
弾性部材が拡大されると、ボール弁のストローク距離が
短くなり、開弁時間も短くなる。そして、電磁式燃料噴
射弁より噴射される燃料噴射量と入力パルス幅の特性が
変化し、アイドル時の少ない燃料量に対応可能となる。
【0012】これにより、単位重量当りの発熱量の低い
代替燃料等を使用したときの運転条件である、広い調量
範囲が求められる場合においても、単一の電磁式燃料噴
射弁で対応可能となる。また、少ない燃料量での使用に
おいても燃料の調量精度が確保されので、エンジンの運
転に支障を起こすこと無く、燃料の安定した噴射供給が
可能になる。
代替燃料等を使用したときの運転条件である、広い調量
範囲が求められる場合においても、単一の電磁式燃料噴
射弁で対応可能となる。また、少ない燃料量での使用に
おいても燃料の調量精度が確保されので、エンジンの運
転に支障を起こすこと無く、燃料の安定した噴射供給が
可能になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1ないし図
2にて説明する。まず、本発明の電磁式燃料噴射弁1の
縦断面図である図1を用いて、電磁式燃料噴射弁1の構
造、動作について説明する。電磁式燃料噴射弁1は、コ
ントロールユニット(図示せず)により演算されたデュ
ーティのON−OFF信号により、弁座(シート部)の
開閉を行ない、燃料の噴射供給を行なう。電気信号は、
コイル2にパルスとして与えられ、コイル2に電流が流
されると、コア3、ヨーク4、プランジャ5で磁気回路
が構成され、プランジャ5がコア3側に吸引される。プ
ランジャ5が移動すると、これと一体になっているボー
ル弁6が移動してバルブガイド7のシート部9に燃料噴
射孔8を形成する。このボール弁6は、磁性材料製のプ
ランジャ5の一端に接合されたロッド10と、ロッド1
0の他端に溶接接合されたボール11とプランジャ5の
上部に設けた開口部に固定された非磁性材料からなるガ
イドリング12とバルブガイド7のシート部9側の中空
部に挿入固定される円筒状の燃料旋回素子13の内壁面
でボール11がガイドされる。また、流入通路16内に
ボール弁6をバネ力で押さえるために、シート部9にボ
ール11をシートするシートスプリング19を設けてお
り、ロッド10の端面とこのシートスプリング19とが
接している構造となっている。
2にて説明する。まず、本発明の電磁式燃料噴射弁1の
縦断面図である図1を用いて、電磁式燃料噴射弁1の構
造、動作について説明する。電磁式燃料噴射弁1は、コ
ントロールユニット(図示せず)により演算されたデュ
ーティのON−OFF信号により、弁座(シート部)の
開閉を行ない、燃料の噴射供給を行なう。電気信号は、
コイル2にパルスとして与えられ、コイル2に電流が流
されると、コア3、ヨーク4、プランジャ5で磁気回路
が構成され、プランジャ5がコア3側に吸引される。プ
ランジャ5が移動すると、これと一体になっているボー
ル弁6が移動してバルブガイド7のシート部9に燃料噴
射孔8を形成する。このボール弁6は、磁性材料製のプ
ランジャ5の一端に接合されたロッド10と、ロッド1
0の他端に溶接接合されたボール11とプランジャ5の
上部に設けた開口部に固定された非磁性材料からなるガ
イドリング12とバルブガイド7のシート部9側の中空
部に挿入固定される円筒状の燃料旋回素子13の内壁面
でボール11がガイドされる。また、流入通路16内に
ボール弁6をバネ力で押さえるために、シート部9にボ
ール11をシートするシートスプリング19を設けてお
り、ロッド10の端面とこのシートスプリング19とが
接している構造となっている。
【0014】また、図中の上下方向の移動の際のストロ
ーク量は、ロッド10の首部の受け面10aとヨーク4
の下部に取り付けたストッパ14に設けたストローク可
変部材17との間の隙間の寸法で決定される。また、制
御器(図示せず)には、エンジンの回転数信号、空気量
信号、燃料成分検出器からの信号が入力され、その各々
の信号に応じてボール弁6の適正なストロークを確保す
るように、ストローク可変部材17の体積を変化させる
信号を出力する。これにより、ストローク可変部材17
とロッド10の首部の受け面10aとのストローク距離
が調整され、ボール弁の開閉時間を制御することができ
る。そして、この電磁式燃料噴射弁1から噴射される燃
料噴射量を調整できる。
ーク量は、ロッド10の首部の受け面10aとヨーク4
の下部に取り付けたストッパ14に設けたストローク可
変部材17との間の隙間の寸法で決定される。また、制
御器(図示せず)には、エンジンの回転数信号、空気量
信号、燃料成分検出器からの信号が入力され、その各々
の信号に応じてボール弁6の適正なストロークを確保す
るように、ストローク可変部材17の体積を変化させる
信号を出力する。これにより、ストローク可変部材17
とロッド10の首部の受け面10aとのストローク距離
が調整され、ボール弁の開閉時間を制御することができ
る。そして、この電磁式燃料噴射弁1から噴射される燃
料噴射量を調整できる。
【0015】ここで、ストローク可変部材17の体積の
変化は、ストローク可変部材として圧電素子を用いるこ
とにより達成される。なお、本実施例では、ストローク
可変部材を体積変化させることにより、ストロークを可
変にしているが、ストローク可変部材をボール弁の移動
方向に移動可能に設けても良いことは勿論である。その
場合、ストローク可変部材を2分割にし、固定側と可変
側に分け、制御信号に応じて可変側を例えば油圧等によ
り移動させるようにしても良い。
変化は、ストローク可変部材として圧電素子を用いるこ
とにより達成される。なお、本実施例では、ストローク
可変部材を体積変化させることにより、ストロークを可
変にしているが、ストローク可変部材をボール弁の移動
方向に移動可能に設けても良いことは勿論である。その
場合、ストローク可変部材を2分割にし、固定側と可変
側に分け、制御信号に応じて可変側を例えば油圧等によ
り移動させるようにしても良い。
【0016】図2は、本発明の第1の実施例のストロー
ク可変部材17回りの拡大図である。上述したボール弁
6のストローク距離調整により、ボール弁の開閉時間が
制御され、それにより、燃料噴射孔8より噴射される燃
料が調量される。従って、図2中にl1で示した大スト
ローク距離に設定されているときは、燃料噴射量が多
く、燃料噴射量をそれより少なく設定したいときには各
種の信号を入力してストローク可変部材17の体積を拡
大し、ストローク距離をl1からl2に短くする。そし
て、これにより燃料噴射量を制御する構成になってい
る。
ク可変部材17回りの拡大図である。上述したボール弁
6のストローク距離調整により、ボール弁の開閉時間が
制御され、それにより、燃料噴射孔8より噴射される燃
料が調量される。従って、図2中にl1で示した大スト
ローク距離に設定されているときは、燃料噴射量が多
く、燃料噴射量をそれより少なく設定したいときには各
種の信号を入力してストローク可変部材17の体積を拡
大し、ストローク距離をl1からl2に短くする。そし
て、これにより燃料噴射量を制御する構成になってい
る。
【0017】つぎに、このように構成した電磁式燃料噴
射弁1の燃料の噴射供給経路について図1を用いて説明
する。燃料は、図示しない燃料ポンプや燃料圧力レギュ
レータにより加圧調整され、フィルタ15を介してコア
3の内部に設けられた流入通路16より流入し、プラン
ジャ5の外周、ストッパ14とロッド10の隙間を経た
後、燃料旋回素子13を通ってシート部9へ旋回供給さ
れる。そして、ボール弁11の開閉動作(開閉時間)に
より、燃料噴射孔8から噴射される燃料噴射量が制御さ
れる。
射弁1の燃料の噴射供給経路について図1を用いて説明
する。燃料は、図示しない燃料ポンプや燃料圧力レギュ
レータにより加圧調整され、フィルタ15を介してコア
3の内部に設けられた流入通路16より流入し、プラン
ジャ5の外周、ストッパ14とロッド10の隙間を経た
後、燃料旋回素子13を通ってシート部9へ旋回供給さ
れる。そして、ボール弁11の開閉動作(開閉時間)に
より、燃料噴射孔8から噴射される燃料噴射量が制御さ
れる。
【0018】次に、本発明の電磁式燃料噴射弁1の効果
について図3、図4、図5、図6を用いて説明する。上
記のように構成した電磁式燃料噴射弁1を用いると、従
来の電磁式燃料噴射弁と比べて、調量範囲(電磁式燃料
噴射弁から噴射される燃料噴射量と電磁式燃料噴射弁の
弁を駆動する信号のパルス幅との関係が比例する範囲)
を可変にできる。これにより、ガソリン燃料とは異なる
発熱量の低いメタノール等の代替燃料を用いた場合であ
っても、調量範囲をその使用条件にあうように可変にで
きるので、燃料の調量精度が確保できる。そして、エン
ジン等の運転に支障を起こすこと無く安全な運転が可能
になる。
について図3、図4、図5、図6を用いて説明する。上
記のように構成した電磁式燃料噴射弁1を用いると、従
来の電磁式燃料噴射弁と比べて、調量範囲(電磁式燃料
噴射弁から噴射される燃料噴射量と電磁式燃料噴射弁の
弁を駆動する信号のパルス幅との関係が比例する範囲)
を可変にできる。これにより、ガソリン燃料とは異なる
発熱量の低いメタノール等の代替燃料を用いた場合であ
っても、調量範囲をその使用条件にあうように可変にで
きるので、燃料の調量精度が確保できる。そして、エン
ジン等の運転に支障を起こすこと無く安全な運転が可能
になる。
【0019】図3は、ガソリン燃料の場合とメタノール
燃料の場合の噴射量特性をそれぞれ示したものである。
図では、横軸に電磁式燃料噴射弁の開弁時間に相当する
パルス幅を示し、縦軸に燃料の噴射量を示す。ガソリン
を用いた場合を実線で、メタノールの場合を一点鎖線で
示す。メタノールの場合、ガソリンと同等の発熱量を出
すためには噴射量を約2倍にする必要があり、電磁式燃
料噴射弁もそれにあった燃料噴射のできるサイズのもの
が必要となる。この関係を具体的に図4に示す。図4
は、発熱量と理論空燃比について、ガソリンとメタノー
ルを比較したものである。図より、ガソリンの発熱量は
約10500kcal/kg、メタノールの発熱量は約
4800kcal/kgとなっており、ガソリンはメタ
ノールに比して単位重量当たり約2倍の発熱量である。
従って、メタノールがガソリンと同等の噴射時間で同等
の発熱量を得るためには、約2倍の燃料が必要である。
そのために、電磁式燃料噴射弁もそれだけの燃料を噴射
できる必要がある。
燃料の場合の噴射量特性をそれぞれ示したものである。
図では、横軸に電磁式燃料噴射弁の開弁時間に相当する
パルス幅を示し、縦軸に燃料の噴射量を示す。ガソリン
を用いた場合を実線で、メタノールの場合を一点鎖線で
示す。メタノールの場合、ガソリンと同等の発熱量を出
すためには噴射量を約2倍にする必要があり、電磁式燃
料噴射弁もそれにあった燃料噴射のできるサイズのもの
が必要となる。この関係を具体的に図4に示す。図4
は、発熱量と理論空燃比について、ガソリンとメタノー
ルを比較したものである。図より、ガソリンの発熱量は
約10500kcal/kg、メタノールの発熱量は約
4800kcal/kgとなっており、ガソリンはメタ
ノールに比して単位重量当たり約2倍の発熱量である。
従って、メタノールがガソリンと同等の噴射時間で同等
の発熱量を得るためには、約2倍の燃料が必要である。
そのために、電磁式燃料噴射弁もそれだけの燃料を噴射
できる必要がある。
【0020】次に、図5に、電磁式燃料噴射弁1の最大
ストロークをストローク可変部材17を用いて、可変に
した本発明の一実施例の燃料噴射量の特性を示す。横軸
は電磁式燃料噴射弁の開弁時間に相当する入力パルス幅
であり、縦軸は燃料噴射量である。ここで、低燃費を維
持するためにアイドル回転数を低下させた場合には、電
磁式燃料噴射弁における最小燃料量は非常に小さくな
り、その場合にも調量精度は要求される。一方、高出力
を得るためにはエンジンの回転数を上げて、時間当たり
の爆発回数を増やすことになる。すなわち、それだけ多
量の燃料と酸素を燃焼室に供給して、大エネルギーを放
出している。この高出力を得るための最大燃料量は非常
に多い。このため、ある最大燃料量を噴射できるサイズ
の電磁式燃料噴射弁を、図5中の(イ)線で表すものと
すれば、アイドル回転数を低下させた場合に相当する噴
射量として極めて少ないqiにおいても燃料の調量が必
要となってくる。しかしながら、(イ)線の特性を示す
電磁式燃料噴射弁では、図5に示したように、燃料噴射
量qiは調量範囲外にあるため調量精度が確保できな
い。
ストロークをストローク可変部材17を用いて、可変に
した本発明の一実施例の燃料噴射量の特性を示す。横軸
は電磁式燃料噴射弁の開弁時間に相当する入力パルス幅
であり、縦軸は燃料噴射量である。ここで、低燃費を維
持するためにアイドル回転数を低下させた場合には、電
磁式燃料噴射弁における最小燃料量は非常に小さくな
り、その場合にも調量精度は要求される。一方、高出力
を得るためにはエンジンの回転数を上げて、時間当たり
の爆発回数を増やすことになる。すなわち、それだけ多
量の燃料と酸素を燃焼室に供給して、大エネルギーを放
出している。この高出力を得るための最大燃料量は非常
に多い。このため、ある最大燃料量を噴射できるサイズ
の電磁式燃料噴射弁を、図5中の(イ)線で表すものと
すれば、アイドル回転数を低下させた場合に相当する噴
射量として極めて少ないqiにおいても燃料の調量が必
要となってくる。しかしながら、(イ)線の特性を示す
電磁式燃料噴射弁では、図5に示したように、燃料噴射
量qiは調量範囲外にあるため調量精度が確保できな
い。
【0021】一方、本発明の第1の実施例の場合には、
ボール弁のストローク可変部材の体積を最適に拡大して
ボール弁のストローク距離を短くし、噴射時間を短くす
る。これにより、電磁式燃料噴射弁の特性線図の(イ)
線から(ロ)線に噴射量特性を移行させることが可能と
なる。そして、最小燃料量の非常に小さい所での調量精
度の要求を満たす電磁式燃料噴射弁に変形させ、qiの
噴射量でも調量精度が確保できる。
ボール弁のストローク可変部材の体積を最適に拡大して
ボール弁のストローク距離を短くし、噴射時間を短くす
る。これにより、電磁式燃料噴射弁の特性線図の(イ)
線から(ロ)線に噴射量特性を移行させることが可能と
なる。そして、最小燃料量の非常に小さい所での調量精
度の要求を満たす電磁式燃料噴射弁に変形させ、qiの
噴射量でも調量精度が確保できる。
【0022】また、図6は、横軸に時間、縦軸にバルブ
リフト(バルブストローク)と入力パルスのオン−オフ
を、図5に示した特性を有する電磁式燃料噴射弁の1パ
ルスの噴射量について表したものである。入力パルスが
オンされると、ある時間遅れの後、ボール弁が開きはじ
め、その後ボール弁のバルブリフトの変化は図中に示す
ようになる。図6中の縦縞に塗られた部分は、図5の電
磁式燃料噴射弁の(イ)に対応する状態での1パルス当
たりの噴射量を表し、横縞で塗られた部分は、同じく図
5の電磁式燃料噴射弁の(ロ)に対応した状態での1パ
ルス当たりの噴射量を表している。つまり、本実施例を
用いることにより、電磁式燃料噴射弁の調量範囲をある
範囲で可変にできるために、結果的に電磁式燃料噴射弁
の調量範囲を拡大することができ、最小燃料量から最大
燃料量までのどの範囲にあっても、一つの電磁式燃料噴
射弁で対応できる。図5で(イ)の特性をもっていた電
磁式燃料噴射弁が、少噴射量時には(ロ)の特性を持つ
電磁式燃料噴射弁に変化するために、調量範囲を図5の
(イ)+(ロ)に拡大できるという効果がある。
リフト(バルブストローク)と入力パルスのオン−オフ
を、図5に示した特性を有する電磁式燃料噴射弁の1パ
ルスの噴射量について表したものである。入力パルスが
オンされると、ある時間遅れの後、ボール弁が開きはじ
め、その後ボール弁のバルブリフトの変化は図中に示す
ようになる。図6中の縦縞に塗られた部分は、図5の電
磁式燃料噴射弁の(イ)に対応する状態での1パルス当
たりの噴射量を表し、横縞で塗られた部分は、同じく図
5の電磁式燃料噴射弁の(ロ)に対応した状態での1パ
ルス当たりの噴射量を表している。つまり、本実施例を
用いることにより、電磁式燃料噴射弁の調量範囲をある
範囲で可変にできるために、結果的に電磁式燃料噴射弁
の調量範囲を拡大することができ、最小燃料量から最大
燃料量までのどの範囲にあっても、一つの電磁式燃料噴
射弁で対応できる。図5で(イ)の特性をもっていた電
磁式燃料噴射弁が、少噴射量時には(ロ)の特性を持つ
電磁式燃料噴射弁に変化するために、調量範囲を図5の
(イ)+(ロ)に拡大できるという効果がある。
【0023】次に、本発明の電磁式燃料噴射弁1の第2
の実施例の構造、動作について図7を用いて説明する。
この図は、電磁式燃料噴射弁1の縦断面図である。この
電磁式燃料噴射弁1も、第一の実施例と同様にコントロ
ールユニット(図示せず)により演算されたデューティ
のオン−オフ信号により、シート部の開閉を行ない、燃
料の噴射供給を行なうものである。本実施例と第1の実
施例との違いは、以下の点である。
の実施例の構造、動作について図7を用いて説明する。
この図は、電磁式燃料噴射弁1の縦断面図である。この
電磁式燃料噴射弁1も、第一の実施例と同様にコントロ
ールユニット(図示せず)により演算されたデューティ
のオン−オフ信号により、シート部の開閉を行ない、燃
料の噴射供給を行なうものである。本実施例と第1の実
施例との違いは、以下の点である。
【0024】すなわち、シートスプリング19のロッド
と反対側の端面に接してスプリング力可変部材18が設
けられており、シートスプリング19がスプリング力可
変部材18の体積を制御信号に応じて拡大もしくは減少
させる。そして、スプリングの変位とスプリング力が比
例する関係を用いてスプリング力を変化させる。これに
より、ボール弁の開閉時間を制御することができ、燃料
噴射量を調整できる。エンジンの回転数信号、空気量信
号、燃料成分検出器から出力される信号を制御器(図示
せず)に入力し、その制御器の出力信号をスプリング力
可変部材18に入力し、そして、各々の使用条件に適正
となるようスプリング力を制御する。これにより、ボー
ル弁の開閉時間を制御し、電磁式燃料噴射弁1より噴射
される燃料噴射量を制御する。
と反対側の端面に接してスプリング力可変部材18が設
けられており、シートスプリング19がスプリング力可
変部材18の体積を制御信号に応じて拡大もしくは減少
させる。そして、スプリングの変位とスプリング力が比
例する関係を用いてスプリング力を変化させる。これに
より、ボール弁の開閉時間を制御することができ、燃料
噴射量を調整できる。エンジンの回転数信号、空気量信
号、燃料成分検出器から出力される信号を制御器(図示
せず)に入力し、その制御器の出力信号をスプリング力
可変部材18に入力し、そして、各々の使用条件に適正
となるようスプリング力を制御する。これにより、ボー
ル弁の開閉時間を制御し、電磁式燃料噴射弁1より噴射
される燃料噴射量を制御する。
【0025】次に、このように構成した本発明の電磁式
燃料噴射弁1の第2の実施例の効果について図7、図8
および図9を用いて説明する。この電磁式燃料噴射弁1
を用いることにより、従来の電磁式燃料噴射弁と比べ
て、調量範囲(電磁式燃料噴射弁より噴射される燃料噴
射量と電磁式燃料噴射弁に弁を駆動させるためのパルス
の幅の関係が比例する範囲)を可変にできる。すなわ
ち、ガソリン燃料と異なる発熱量の低いメタノール等の
代替燃料を用いた場合にも、調量範囲をその使用条件に
あうように可変にできるので燃料の調量精度が確保でき
る。そして、エンジン等の運転に支障を起こすこと無
く、安全な運転が可能になる。
燃料噴射弁1の第2の実施例の効果について図7、図8
および図9を用いて説明する。この電磁式燃料噴射弁1
を用いることにより、従来の電磁式燃料噴射弁と比べ
て、調量範囲(電磁式燃料噴射弁より噴射される燃料噴
射量と電磁式燃料噴射弁に弁を駆動させるためのパルス
の幅の関係が比例する範囲)を可変にできる。すなわ
ち、ガソリン燃料と異なる発熱量の低いメタノール等の
代替燃料を用いた場合にも、調量範囲をその使用条件に
あうように可変にできるので燃料の調量精度が確保でき
る。そして、エンジン等の運転に支障を起こすこと無
く、安全な運転が可能になる。
【0026】図8に、この本発明の第2の実施例の電磁
式燃料噴射弁1の燃料噴射量の特性を示す。横軸は電磁
式燃料噴射弁の開弁時間を表す入力パルス幅を示し、縦
軸は噴射量を示す。ある最大燃料量を噴射できる電磁式
燃料噴射弁が、図8中の(ハ)線で表されるものとする
と、アイドル回転数低下時などの噴射量が極めて少ない
qjの場合には、(ハ)線の特性を示す電磁式燃料噴射
弁では、qjは調量範囲外になるために調量精度が確保
できない。一方、本発明の第2の実施例の場合には、シ
ートスプリング19に接しているスプリング力可変部材
18を拡大させ、スプリング力を強めてボール弁のスト
ロークを短くすることにより噴射時間を短くする。これ
により、電磁式燃料噴射弁の特性線図を(ハ)線から
(ニ)線に変え、最小燃料量の非常に小さい所までの調
量精度の要求を満たすことが可能になり、調量範囲を拡
大できる。
式燃料噴射弁1の燃料噴射量の特性を示す。横軸は電磁
式燃料噴射弁の開弁時間を表す入力パルス幅を示し、縦
軸は噴射量を示す。ある最大燃料量を噴射できる電磁式
燃料噴射弁が、図8中の(ハ)線で表されるものとする
と、アイドル回転数低下時などの噴射量が極めて少ない
qjの場合には、(ハ)線の特性を示す電磁式燃料噴射
弁では、qjは調量範囲外になるために調量精度が確保
できない。一方、本発明の第2の実施例の場合には、シ
ートスプリング19に接しているスプリング力可変部材
18を拡大させ、スプリング力を強めてボール弁のスト
ロークを短くすることにより噴射時間を短くする。これ
により、電磁式燃料噴射弁の特性線図を(ハ)線から
(ニ)線に変え、最小燃料量の非常に小さい所までの調
量精度の要求を満たすことが可能になり、調量範囲を拡
大できる。
【0027】さらに、図9は、横軸に時間、縦軸にバル
ブリフトと入力パルスのオン−オフを表した第1の実施
例における図6に対応した図であり、図8の電磁式燃料
噴射弁から噴射される1パルス当たりの噴射量を表して
いる。入力パルスがオンされるとある時間遅れの後、ボ
ール弁が開きはじめ、その後ボール弁は図9に示すよう
なバルブリフトの経過をたどる。図9中で縦縞に塗られ
た部分は、図8の電磁式燃料噴射弁を(ハ)の状態で使
用したときの1パルス当たりの噴射量を表し、横縞で塗
られた部分は、この電磁式燃料噴射弁を(ニ)の状態で
用いたときの1パルス当たりの噴射量を表している。つ
まり、本発明の第2の実施例を用いることにより、電磁
式燃料噴射弁の調量範囲を可変にできるため、電磁式燃
料噴射弁の調量範囲を拡大することができる。そして、
最小燃料量から最大燃料量までの調量範囲がどの範囲で
も、一つの電磁式燃料噴射弁で対応可能となる。これに
より、図8の(ハ)の特性をもっていた電磁式燃料噴射
弁が、(ニ)の特性をもつ電磁式燃料噴射弁に移行し、
調量範囲が図8の(ハ)+(ニ)に拡大できるという効
果がある。
ブリフトと入力パルスのオン−オフを表した第1の実施
例における図6に対応した図であり、図8の電磁式燃料
噴射弁から噴射される1パルス当たりの噴射量を表して
いる。入力パルスがオンされるとある時間遅れの後、ボ
ール弁が開きはじめ、その後ボール弁は図9に示すよう
なバルブリフトの経過をたどる。図9中で縦縞に塗られ
た部分は、図8の電磁式燃料噴射弁を(ハ)の状態で使
用したときの1パルス当たりの噴射量を表し、横縞で塗
られた部分は、この電磁式燃料噴射弁を(ニ)の状態で
用いたときの1パルス当たりの噴射量を表している。つ
まり、本発明の第2の実施例を用いることにより、電磁
式燃料噴射弁の調量範囲を可変にできるため、電磁式燃
料噴射弁の調量範囲を拡大することができる。そして、
最小燃料量から最大燃料量までの調量範囲がどの範囲で
も、一つの電磁式燃料噴射弁で対応可能となる。これに
より、図8の(ハ)の特性をもっていた電磁式燃料噴射
弁が、(ニ)の特性をもつ電磁式燃料噴射弁に移行し、
調量範囲が図8の(ハ)+(ニ)に拡大できるという効
果がある。
【0028】図10は、本発明の第1実施例に用いる圧
電素子の特性を示す図で、横軸に外部より入力される入
力信号、縦軸に圧電素子の変位を示している。入力信号
が入力されると圧電素子は入力信号に対し2次曲線的に
変位し、それぞれの信号に応じた変位が生じる。そし
て、入力信号がオフになった直後のみ、変位が僅かに残
るが、ある時間経過すると元に戻る特性を有している。
なお、このようなヒステリシスを取り除くには、パルス
駆動等の手段を用いると解決でき、本発明の趣旨とする
変位量の可変制御には十分利用可能である。また、本発
明の目的は通常40μm程度のボール弁のストロークを
100μm程度に増すことにより達成されるが、ここで
示した圧電素子を用いることにより、十分目的を達成で
きる。
電素子の特性を示す図で、横軸に外部より入力される入
力信号、縦軸に圧電素子の変位を示している。入力信号
が入力されると圧電素子は入力信号に対し2次曲線的に
変位し、それぞれの信号に応じた変位が生じる。そし
て、入力信号がオフになった直後のみ、変位が僅かに残
るが、ある時間経過すると元に戻る特性を有している。
なお、このようなヒステリシスを取り除くには、パルス
駆動等の手段を用いると解決でき、本発明の趣旨とする
変位量の可変制御には十分利用可能である。また、本発
明の目的は通常40μm程度のボール弁のストロークを
100μm程度に増すことにより達成されるが、ここで
示した圧電素子を用いることにより、十分目的を達成で
きる。
【0029】ボール弁のストロークを可変にする手段に
ついては、以上の実施例に述べたもののみならず、形状
記憶合金、圧電素子と異種材料を積層した積層形圧電素
子などその体積を変化させる材料であれば、本発明に利
用可能である。また、上記可変部材の取付けには、カシ
メ、ろう付け、拡散接合等を用いれば良い。
ついては、以上の実施例に述べたもののみならず、形状
記憶合金、圧電素子と異種材料を積層した積層形圧電素
子などその体積を変化させる材料であれば、本発明に利
用可能である。また、上記可変部材の取付けには、カシ
メ、ろう付け、拡散接合等を用いれば良い。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ガソリンに比べて発熱
量の低い代替燃料を用いた場合や、低燃費を目的として
アイドル回転数を低下させた場合に生じる、非常に小さ
い最小燃料量での燃料の調量精度を確保できる。一方、
高出力化を図って、最大燃料量を非常に多くした場合に
も燃料の調量精度を確保できるので、高精度な調量範囲
を十分に広く確保して運転することが可能となる。従っ
て、エンジンの運転に支障をきたすことがない。さら
に、代替燃料を用いることにより、排気汚染物質(排気
ガス、CO、HC、NOx)の低減が図られ、環境汚染
を防止することも可能となる。
量の低い代替燃料を用いた場合や、低燃費を目的として
アイドル回転数を低下させた場合に生じる、非常に小さ
い最小燃料量での燃料の調量精度を確保できる。一方、
高出力化を図って、最大燃料量を非常に多くした場合に
も燃料の調量精度を確保できるので、高精度な調量範囲
を十分に広く確保して運転することが可能となる。従っ
て、エンジンの運転に支障をきたすことがない。さら
に、代替燃料を用いることにより、排気汚染物質(排気
ガス、CO、HC、NOx)の低減が図られ、環境汚染
を防止することも可能となる。
【0031】
【図1】本発明の第1の実施例の構造を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の第1の実施例の拡大断面図である。
【図3】電磁式燃料噴射弁を用いて、異種の燃料2種類
を用いたときの燃料噴射特性を示した図である。
を用いたときの燃料噴射特性を示した図である。
【図4】ガソリンとメタノールの発熱量と理論空燃比の
比較図である。
比較図である。
【図5】本発明の第1の実施例の電磁式燃料噴射弁の入
力パルス幅と噴射量の関係(ストローク可変)を示した
図である。
力パルス幅と噴射量の関係(ストローク可変)を示した
図である。
【図6】本発明の第1の実施例の電磁式燃料噴射弁の1
パルス当たりの噴射時間と入力パルス、バルブリフトの
関係を示した図である。
パルス当たりの噴射時間と入力パルス、バルブリフトの
関係を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施例の構造を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図8】本発明の第2の実施例の電磁式燃料噴射弁の入
力パルス幅と噴射量の関係(スプリング力可変)を示し
た図である。
力パルス幅と噴射量の関係(スプリング力可変)を示し
た図である。
【図9】本発明の第2の実施例の電磁式燃料噴射弁の1
パルス当たりの噴射時間と入力パルス、バルブリフトの
関係を示した図である。
パルス当たりの噴射時間と入力パルス、バルブリフトの
関係を示した図である。
【図10】本発明の電磁式燃料噴射弁の入力信号と圧電
素子の変位の関係を示した図である。
素子の変位の関係を示した図である。
1…電磁式燃料噴射弁、2…コイル、3…コア、4…ヨ
ーク、5…プランジャ、6…ボール弁、7…バルブガイ
ド、8…燃料噴射孔、9…シート部、10…ロッド、1
0a…受け面、11…ボール、12…ガイドリング、1
3…燃料旋回素子、14…ストッパ、15…フィルタ、
16…流入通路、17…ストローク可変部材、18…シ
ートスプリング力可変部材、19…シートスプリング
ーク、5…プランジャ、6…ボール弁、7…バルブガイ
ド、8…燃料噴射孔、9…シート部、10…ロッド、1
0a…受け面、11…ボール、12…ガイドリング、1
3…燃料旋回素子、14…ストッパ、15…フィルタ、
16…流入通路、17…ストローク可変部材、18…シ
ートスプリング力可変部材、19…シートスプリング
Claims (10)
- 【請求項1】弁座の上流側に配設され供給された燃料に
旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座の下流側に設
けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール弁を押圧する
シートスプリングと、この弁座から前記ボール弁を離間
させる磁気回路とを備え、前記ボール弁と前記弁座との
開閉時間を制御することにより前記燃料の噴射量を制御
する電磁式燃料噴射弁において、前記ボール弁のストロ
ークを可変にする手段を設けたことを特徴とする電磁式
燃料噴射弁。 - 【請求項2】弁座の上流側に配設され供給された燃料に
旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座の下流側に設
けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール弁を押圧する
シートスプリングと、この弁座から前記ボール弁を離間
させる磁気回路とを備え、前記ボール弁と前記弁座との
開閉時間を制御することによって燃料の噴射量を制御す
る電磁式燃料噴射弁において、前記ボール弁のストロー
クを連続的に可変にする手段を設けたこと特徴とする電
磁式燃料噴射弁。 - 【請求項3】弁座の上流側に配設され供給された燃料に
旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座の下流側に設
けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール弁を押圧する
シートスプリングと、この弁座から前記ボール弁を離間
させる磁気回路とを備え、前記ボール弁都前記弁座との
開閉時間を制御することによって燃料の噴射量を制御す
る電磁式燃料噴射弁において、前記ボール弁のストロー
クをステップ状に可変にする手段を設けたことを特徴と
する電磁式燃料噴射弁。 - 【請求項4】請求項1において、前記シートスプリング
のスプリング力を可変としたことを特徴とする電磁式燃
料噴射弁。 - 【請求項5】請求項4において前記シートスプリング
は、そのバネ力が連続的に可変であることを特徴とする
電磁式燃料噴射弁。 - 【請求項6】請求項4において前記シートスプリング
は、そのバネ力がステップ状に可変であることを特徴と
する電磁式燃料噴射弁。 - 【請求項7】請求項1において、前記ボール弁のストロ
ーク可変手段は弾性部材を備えたことを特徴とする電磁
式燃料噴射弁。 - 【請求項8】請求項1において、前記ボール弁のストロ
ーク可変手段は圧電素子を備えていることを特徴とする
電磁式燃料噴射弁。 - 【請求項9】弁座の上流側に配設され、供給された燃料
に旋回力を与える燃料旋回素子と、この弁座の下流側に
設けられた燃料噴射孔と、この弁座にボール弁を押圧す
るシートスプリングと、この弁座から前記ボール弁を離
間させる磁気回路とを備え、前記ボール弁と前記弁座と
の開閉時間を制御することにより前記燃料の噴射量を制
御する電磁式燃料噴射装置において、前記弁座を有する
バルブガイドに接してストッパを、このストッパのバル
ブガイド側にストローク可変部材をそれぞれ設け、前記
ボール弁の中間部に前記ストローク可変部材に対向して
受け面を設け、前記ストローク可変部材と前記受け面と
の隙間により前記ボール弁のストロークを決定し、前記
ストローク可変部材の体積を変化させて前記ストローク
を可変としたことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。 - 【請求項10】エンジンの運転状態を検出する信号検出
手段と、弁座の上流側に配設され、供給された燃料に旋
回力を与える燃料旋回素子と、この弁座の下流側に設け
られた燃料噴射孔と、この弁座にボール弁を押圧するシ
ートスプリングと、この弁座から前記ボール弁を離間さ
せる磁気回路とを備え、前記ボール弁と前記弁座との開
閉時間を制御することにより前記燃料の噴射量を制御す
る電磁式燃料噴射装置において、前記信号検出手段の出
力信号に基づいて前記ボール弁のストロークを可変にす
る手段とを設けたことを特徴とする電磁式燃料噴射装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12710192A JPH05321786A (ja) | 1992-05-20 | 1992-05-20 | 電磁式燃料噴射弁及び電磁式燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12710192A JPH05321786A (ja) | 1992-05-20 | 1992-05-20 | 電磁式燃料噴射弁及び電磁式燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05321786A true JPH05321786A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=14951622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12710192A Pending JPH05321786A (ja) | 1992-05-20 | 1992-05-20 | 電磁式燃料噴射弁及び電磁式燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05321786A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100605478B1 (ko) * | 1997-11-18 | 2006-10-04 | 로베르트 보쉬 게엠베하 | 내연기관 연료분사기 제어장치 |
-
1992
- 1992-05-20 JP JP12710192A patent/JPH05321786A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100605478B1 (ko) * | 1997-11-18 | 2006-10-04 | 로베르트 보쉬 게엠베하 | 내연기관 연료분사기 제어장치 |
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