JPH05321767A - 電子制御ディーゼルエンジンのegr制御方法 - Google Patents

電子制御ディーゼルエンジンのegr制御方法

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JPH05321767A
JPH05321767A JP4123938A JP12393892A JPH05321767A JP H05321767 A JPH05321767 A JP H05321767A JP 4123938 A JP4123938 A JP 4123938A JP 12393892 A JP12393892 A JP 12393892A JP H05321767 A JPH05321767 A JP H05321767A
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JP
Japan
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egr
amount
cylinder
diesel engine
injection amount
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JP4123938A
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English (en)
Inventor
Kanji Kizaki
幹士 木崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH05321767A publication Critical patent/JPH05321767A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】EGR制御領域が狭くなったりEGR不足とな
ったりすることをできる限り抑えながらEGRの不安定
動作を防止する。 【構成】ディーゼルエンジン2にEGR通路54、EG
Rバルブ55及びエレクトリックバキュームレギュレー
ティングバルブ(EVRV)56を設ける。ECU71
はエンジン回転速度等に基づいて基本最終噴射量を算出
し、その基本最終噴射量を各気筒毎の燃焼サイクルにお
ける回転変動のバラツキを無くすように補正して気筒別
の最終噴射量を算出する。ECUはその最終噴射量に基
づいて燃料噴射ポンプ1を駆動制御する。又、ECUは
各気筒毎に補正される前の基本最終噴射量等に基づいて
EGR量を算出し、その算出されたEGR量に基づいて
EVRVの開度を調整制御する。従って、EVRVを開
度調整させるためのEGR指令値が各気筒毎に変動する
ことが抑えられ、EGRバルブが頻繁にオン・オフ切り
換えされることが抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子制御ディーゼル
エンジンにおける排気再循環(EGR)制御方法に係
り、詳しくはエンジンの運転状態に応じて求められる燃
料の目標噴射量に基づいてEGR量を制御するようにし
た電子制御ディーゼルエンジンのEGR制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子制御ディーゼルエンジン
では、その燃料噴射ポンプにおけるプランジャのリフト
に応じて得られる燃料噴射量が目標噴射量となるよう
に、アクチュエータが制御される。これにより、プラン
ジャ高圧室が燃料室へ開放され、プランジャ高圧室内の
燃料の一部が燃料室へ溢流して、燃料の圧送終わり、即
ち噴射終了時期が制御され、所要の噴射量が得られるよ
うになっている。
【0003】この種の燃料噴射量制御に関する技術とし
ては種々提案されているが、例えば、特開昭60−16
2031号公報においては、電子制御ディーゼルエンジ
ンの各気筒間における燃料噴射量を制御する方法が開示
されている。即ち、この技術では、平均エンジン回転速
度やアクセル開度等に基づいて基本的な目標噴射量が算
出される。又、各気筒毎の1燃焼サイクルにおける回転
変動が検出され、その回転変動のバラツキが無くなるよ
うに各気筒毎の噴射量補正値が算出される。そして、上
記した基本的な目標噴射量が噴射量補正値により補正さ
れ、その補正された最終的な目標噴射量に基づいてアク
チュエータが各気筒毎に制御される。これにより、各気
筒間の燃料噴射量のバラツキに起因するエンジン振動が
抑えられるようになっていた。
【0004】ところで、ディーゼルエンジンやガソリン
エンジン等の内燃機関に設けられる装置として、排気中
に含まれるNOxを低減させる目的から、排気の一部を
吸気中へ再循環させるための排気再循環(EGR)制御
の技術が知られている。この種の技術では、上記のよう
に求められる最終的な目標噴射量とそのときのエンジン
回転速度等に基づいてEGR装置のオン・オフが制御さ
れるようになっている。そして、上記のような気筒別燃
料噴射量制御方法を採用した電子制御ディーゼルエンジ
ンについても、EGR制御の技術を付加することが考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な気筒別燃料噴射量制御方法の技術にEGR制御の技術
が付加された場合には、各気筒毎で最終的な目標噴射量
が異なることによりEGR装置のオン・オフされる領域
が各気筒毎で異なる場合があった。そのため、EGR装
置のオン・オフが繰り返されてEGRの動作が不安定と
なり、EGR装置でバルブの開閉が頻繁に行われて打音
発生のおそれがあった。
【0006】この不具合に対処するために、EGR装置
のオン・オフにある程度のヒステリシスを持たせること
が考えられる。しかし、この場合には、EGRを行うべ
きエンジンの運転領域であってもEGR装置がオフされ
ることがあり、その分だけEGRの制御領域が狭くな
る。或いは、EGR装置のオン・オフ切り換えをある程
度だけ遅延させることも考えられる。しかし、この場合
には、EGRを行うべきタイミングにEGR装置がオフ
されることがあり、その分だけEGR量が不足すること
になった。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、EGRの制御領域が狭くな
ったり、EGR不足となったりすることをできる限り抑
えながら、EGRの不安定動作を防止することの可能な
電子制御ディーゼルエンジンのEGR制御方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、ディーゼルエンジンの各気
筒へ燃料を噴射供給する燃料噴射ポンプと、ディーゼル
エンジンから排出される排気の一部を同エンジンへ取り
込まれる吸気中へ再循環させるEGR手段とを備え、デ
ィーゼルエンジンにおけるエンジン回転速度を含む運転
状態パラメータに基づいてディーゼルエンジンへ供給す
べき基本的な目標噴射量を算出し、ディーゼルエンジン
の各気筒毎の燃焼サイクルにて検出される回転変動のバ
ラツキが無くなるように、算出された基本的な目標噴射
量を各気筒毎に補正して気筒別の最終的な目標噴射量を
算出し、その算出された最終的な目標噴射量を噴射量指
令値として燃料噴射ポンプを前記気筒別に駆動制御する
と共に、目標噴射量とエンジン回転速度とに基づいて吸
気中へ再循環させるべきEGR量を算出し、その算出さ
れたEGR量をEGR指令値として前記EGR手段をオ
ン・オフ制御するようにした電子制御ディーゼルエンジ
ンのEGR制御方法において、算出された基本的な目標
噴射量とエンジン回転速度とに基づいてEGR量を算出
し、その算出されたEGR量をEGR指令値としてEG
R手段をオン・オフ制御するようにしている。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、エンジン回転速度を含む
運転状態パラメータに基づいて算出された基本的な目標
噴射量が各気筒毎に補正されて、各気筒毎の燃焼サイク
ルにおける回転変動のバラツキが無くなるような気筒別
の最終的な目標噴射量が算出される。そして、その最終
的な目標噴射量を噴射量指令値として燃料噴射ポンプが
気筒別に駆動制御される。又、上記のように算出された
基本的な目標噴射量がEGR量を算出するために使用さ
れる。そして、その算出されたEGR量をEGR指令値
としてEGR手段がオン・オフ制御される。
【0010】従って、EGR指令値を決定するに当た
り、各気筒毎に補正が加えられる前の基本的な目標噴射
量が使用されることから、EGR指令値が各気筒毎に変
動することが抑えられ、EGR手段が頻繁にオン・オフ
切り換えされることが抑えられる。
【0011】
【実施例】以下、この発明における電子制御ディーゼル
エンジンのEGR制御方法を自動車に搭載されたディー
ゼルエンジンに具体化した一実施例を図1〜図14に基
づいて詳細に説明する。
【0012】図12はこの実施例における過給機付ディ
ーゼルエンジンのEGR制御装置を示す概略構成図であ
り、図13はその分配型燃料噴射ポンプ1を示す断面図
である。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2のク
ランクシャフト40にベルト等を介して駆動連結された
ドライブプーリ3を備えている。そして、そのドライブ
プーリ3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、
ディーゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)毎
に設けられた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃
料噴射が行われる。
【0013】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、べーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。更に、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2
の気筒数と同数の、即ちこの場合4ヶ所(8個分)の切
歯が等角度間隔で形成され、更に各切歯の間には14個
ずつ(合計で56個)の突起が等角度間隔で形成されて
いる。そして、ドライブシャフト5の基端部は図示しな
いカップリングを介してカムプレート8に接続されてい
る。
【0014】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿
ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数
のカムローラ10が取付けられている。カムフェイス8
aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ設けられ
ている。又、カムプレート8はスプリング11によって
常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0015】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、それらカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5の
回転力が図示しないカップリングを介してカムプレート
8に伝達されることにより、カムプレート8が回転しな
がらカムローラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中
左右方向へ往復駆動される。又、この往復駆動に伴って
プランジャ12が回転しながら同方向へ往復駆動され
る。つまり、カムプレート8のカムフェイス8aがロー
ラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程でプラン
ジャ12が往動(リフト)され、その逆にカムフェイス
8aがカムローラ10を乗り下げる過程でプランジャ1
2が復動される。
【0016】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17が形成されている。又、それら吸入溝16
及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13
には分配通路18及び吸入ポート19が形成さている。
【0017】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。又、プランジャ12が復動
されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝1
6の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料
室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0018】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整するスピル
調整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。こ
の電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が
無通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室
15内の燃料が燃料室21へスピルされる。又、コイル
24が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖
されて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止
められる。
【0019】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調整が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。又、プランジャ12の往動中に、電磁スピル
弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射ノズル4からの噴射終了が調整されて燃料噴射量が
制御される。
【0020】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を制御するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレー
ト8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更するため
のものである。
【0021】タイマ装置26は制御油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピスト
ン28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリ
ング31等とから構成されている。そして、タイマピス
トン28はスライドピン32を介してローラリング9に
接続されている。
【0022】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置(以下、「タイマピストン位置」と
いう)が決定される。又、そのタイマピストン位置が決
定されることにより、ローラリング9の位置が決定さ
れ、カムプレート8を介してプランジャ12の往復動タ
イミングが決定される。
【0023】タイマ装置26の制御油圧として作用する
燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイマ
制御弁(TCV)33が設けられている。即ち、タイマ
ハウジング27の加圧室30と低圧室29とが連通路3
4によって連通されており、同連通路34の途中にTC
V33が設けられている。このTCV33は、デューテ
ィ制御された通電信号によって開閉制御される電磁弁で
あり、同TCV33の開閉制御によって加圧室30内の
燃料圧力が調整される。そして、その燃料圧力の調整に
よって、プランジャ12のリフトタイミングが制御さ
れ、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期が制御され
る。
【0024】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなる回転数センサ35が、パルサ7の外
周面に対向して取付けられている。この回転数センサ3
5はパルサ7の突起等が横切る際に、それらの通過を検
出してエンジン回転速度NEに相当するタイミング信
号、即ち一定のクランク角度(11.25°CA)毎の
エンジン回転パルスを出力する。又、この回転数センサ
35は、そのエンジン回転パルス毎の瞬時回転速度を検
出する。更に、この回転数センサ35は、ローラリング
9と一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関わ
りなく、プランジャリフトに対して一定のタイミングで
基準となるタイミング信号を出力する。
【0025】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。このディーゼルエンジン2ではシリンダボア4
1、ピストン42及びシリンダヘッド43によって各気
筒毎に対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されてい
る。又、それら各主燃焼室44に連通する副燃焼室45
が各気筒毎に対応して設けられている。そして、各副燃
焼室45には、各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料
が供給されるようになっている。又、各副燃焼室45に
は、始動補助装置としての周知のグロープラグ46がそ
れぞれ取り付けられている。
【0026】ディーゼルエンジン2には、吸気通路47
及び排気通路48がそれぞれ設けられている。又、その
吸気通路47には過給機を構成するターボチャージャ4
9のコップレッサ50が設けられ、排気通路48にはタ
ーボチャージャ49のタービン51が設けられている。
又、排気通路48には、過給圧PiMを調節するウェイ
ストゲートバルブ52が設けられている。周知のように
このターボチャージャー49は、排気ガスのエネルギー
を利用してタービン51を回転させ、その同軸上にある
コンプレッサ50を回転させて吸入空気を昇圧させる。
この作用により、密度の高い混合気を主燃焼室44へ送
り込んで燃料を多量に燃焼させ、ディーゼルエンジン2
の出力を増大させるようになっている。
【0027】又、ディーゼルエンジン2には、排気通路
48内の排気の一部を吸気通路47へ再循環させるため
のエキゾーストガスリサキュレイションバルブ通路(E
GR通路)54が設けられている。そして、そのEGR
通路54の途中には、排気再循環量(EGR量)を調節
するEGRバルブ55が設けられている。又、そのEG
Rバルブ55を開閉駆動させるために開度調整されるエ
レクトリックバキュームレギュレーティングバルブ(E
VRV)56が設けられている。そして、これらEGR
通路54、EGRバルブ55及びEVRV56等により
EGR手段が構成されており、EVRV56によってE
GRバルブ55が開閉駆動されることにより、排気通路
48からEGR通路55を通じて吸気通路47へ導かれ
るEGR量が調整される。
【0028】更に、吸気通路47の途中には、アクセル
ペダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバ
ルブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ
58に平行してバイパス通路59が設けられ、同バイパ
ス通路59にはバイパス絞り弁60が設けられている。
このバイパス絞り弁60は、二つのバキュームスイッチ
ングバルブ(VSV)61,62のオン・オフ制御によ
って駆動される二段式のダイヤフラム室を有するアクチ
ュエータ63によって開閉制御される。このバイパス絞
り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御されるもので
ある。例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減の
ために半開状態に制御され、通常運転時には全開状態に
制御され、更に運転停止時には円滑な停止のために全閉
状態に制御される。
【0029】尚、この実施例において、ディーゼルエン
ジン2のクランクシャフト40とトランスミッションと
はグリスを内蔵したグリス式のフライホイールダンパを
介して連結されている。従って、冷間時にはグリスが固
まって流動しにくくなることから、クランクシャフト4
0の回転に対する慣性マスは大きくなる。それに対し
て、温間時にはグリスが流動し始めることから、クラン
クシャフト40の回転に対する慣性マスは小さくなる。
このことから、個々の気筒の爆発・燃焼に起因した各燃
焼サイクルにおけるクランクシャフト40の回転変動、
即ちディーゼルエンジン2の回転変動は、冷間時で小さ
く、温間時で大きくなる。
【0030】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及び
各VSV61,62は電子制御装置(以下単に「EC
U」という)71にそれぞれ電気的に接続され、それら
の駆動タイミングがECU71によって制御されるよう
になっている。
【0031】ディーゼルエンジン2の運転状態を検出す
るセンサとしては、前述した回転数センサ35に加え
て、以下の各種センサが設けられている。即ち、吸気通
路47の入口に設けられたエアクリーナ64の近傍に
は、吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設け
られている。又、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセルセンサ73が設けられて
いる。吸気ポート53の近傍には、ターボチャージャ4
9によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過給圧P
iMを検出する吸気圧センサ74が設けられている。更
に、ディーゼルエンジン2の冷却水温THWを検出する
水温センサ75が設けられている。又、クランクシャフ
ト40の回転基準位置、例えば特定気筒の上死点に対す
るクランクシャフト40の回転位置を検出するクランク
角センサ76が設けられている。更に又、図示しないト
ランスミッションには、そのギアの回転によって回され
るマグネット77aによりリードスイッチ77bをオン
・オフさせて車両速度(車速)SPDを検出する車速セ
ンサ77が設けられている。
【0032】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜77がそれぞれ接続されると共に回転数センサ3
5が接続されている。又、ECU71は各センサ35,
72〜77から出力される検出信号に基づき、電磁スピ
ル弁23、TCV33、グロープラグ46、EVRV5
6及び各VSV61,62等を好適に制御する。
【0033】次に、前述したECU71の構成につい
て、図14のブロック図に従って説明する。ECU71
は中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム
及びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等と、これら各
部と入力ポート85及び出力ポート86等とをバス87
によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0034】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセルセンサ73、吸気圧センサ74及び水
温センサ75が、各バッファ88,89,90,91、
マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して接続
されている。同じく、入力ポート85には、前述した回
転数センサ35、クランク角センサ76及び車速センサ
77が、波形整形回路95を介して接続されている。そ
して、CPU81は入力ポート85を介して入力される
各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値として
読み込む。又、出力ポート86には各駆動回路96,9
7,98,99,100,101を介して電磁スピル弁
23、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及
び各VSV61,62等が接続されている。
【0035】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及び
各VSV61,62等を好適に制御する。
【0036】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射制御及びEGR制御の処理動作について図1
〜図11に従って説明する。先ず、図1のフローチャー
トはECU71により実行される各処理のうち、後述す
る処理で使用される目標回転速度NFを算出するために
所定時間(この実施例では「8msec」)毎に実行さ
れる「NF算出ルーチン」を示している。
【0037】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ110において、水温センサ75の検出値に基づ
き冷却水温THWを読み込む。そして、ステップ120
において、今回読み込まれた冷却水温THWに基づき目
標回転速度NFを算出した後、このルーチンの処理を一
旦終了する。ここで、目標回転速度NFは以下の計算式
に従って求められる。
【0038】 NF=350*(60−THW)/150+700 従って、このルーチンの処理によれば、冷却水温THW
の大きさに応じて目標回転速度NFが決定される。
【0039】次に、図2のフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち、燃料噴射量制御のた
めに所定時間毎に実行される「メインルーチン」を示し
ている。
【0040】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ210において、回転数センサ35、アクセルセ
ンサ73及び吸気圧センサ74の検出値に基づき、エン
ジン回転速度NE、アクセル開度ACCP及び過給圧P
iMをそれぞれ読み込む。これと同時に、後述する「N
FI算出ルーチン」にて求められる積分制御量NFIを
読み込む。又、各気筒毎に燃料噴射量を補正するために
後述する「QCMPK算出ルーチン」にて求められる気
筒毎補正量QCMPKを読み込む。
【0041】続いて、ステップ220において、今回読
み込まれたエンジン回転速度NEからそのエンジン回転
パルスに基づき基準回転速度NE1を算出する。ここ
で、この基準回転速度NE1とは、図3に示すように、
ディーゼルエンジン2の各気筒に対応する同一燃焼サイ
クルにおいて、エンジン回転パルスのカウント数(パル
スカウント数)が「13」になってから次の「1」にな
るまでの、クランク角度で「45°CA」のパルス間隔
における瞬時回転速度に相当している。又、基準回転速
度NE1の位置は、同一燃焼サイクルで爆発・燃焼後に
瞬時回転速度がピークとなる時期近傍で、かつ燃料噴射
が開始される時期近傍に相当している。
【0042】又、ステップ230において、今回求めら
れた基準回転速度NE1を噴射量算出用回転速度NEQ
Bとして設定する。更に、ステップ240において、今
回設定された噴射量算出用回転速度NEQBと今回読み
込まれた積分制御量NFIとの差を補正後エンジン回転
速度NEISCとして設定する。
【0043】次いで、ステップ250において、今回求
められた補正後エンジン回転速度NEISCと、今回読
み込まれたアクセル開度ACCP及び過給圧PiM等に
基づき、ディーゼルエンジン2へ供給すべき基本的な目
標噴射量としての基本最終噴射量QFINAを算出す
る。この基本最終噴射量QFINAは予め定められた計
算式に従って求められる。
【0044】そして、ステップ260においては、今回
求められた基本最終噴射量QFINAに、今回読み込ま
れた気筒毎補正量QCMPKを加算した結果を最終的な
目標噴射量としての最終噴射量QFINとして設定した
後、このルーチンの処理を一旦終了する。
【0045】従って、このルーチンの処理によれば、瞬
時回転速度がピークとなる時期近傍の基準回転速度NE
1が積分制御量NFIにより補正され、その補正後エン
ジン回転速度NEISCに基づいて目標噴射量が求めら
れる。これによって、実際にディーゼルエンジン2の各
気筒で必要とする燃料噴射量に近づいた最終燃料噴射量
QFINが得られる。
【0046】次に、図4のフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち、前述した積分制御量
NFIを算出するために所定時間(この実施例では「4
9msec」)毎に実行される「NFI算出ルーチン」
を示している。
【0047】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ310において、回転数センサ35及び車速セン
サ77の検出値に基づき、エンジン回転速度NE及び車
速SPDをそれぞれ読み込む。又、アクセルセンサ73
の検出値等から別途の処理ルーチンにて求められる補正
後アクセル開度ACCPAを読み込む。更に、前述した
「NF算出ルーチン」にて求められる目標回転速度NF
を読み込む。
【0048】続いて、ステップ320において、ディー
ゼルエンジン2の運転状態がアイドル安定状態であるか
否かを判断する。ここで、アイドル安定状態の判断は補
正後アクセル開度ACCPA及び車速SPD等に基づい
て行われる。例えば、補正後アクセル開度ACCPAが
「0%」で、かつ車速SPDが「0km/h」の場合に
アイドル安定状態と判断される。そして、アイドル安定
状態でない合には、そのままこのルーチンの処理を一旦
終了し、アイドル安定状態である場合には、ステップ3
30へ移行する。
【0049】ステップ330においては、今回読み込ま
れた目標回転速度NFとエンジン回転速度NEとの差の
絶対値から回転速度偏差ΔNEを算出する。又、ステッ
プ340において、その求められた回転速度偏差ΔNE
から積分補正量ΔNFIを算出する。ここで、積分補正
量ΔNFIは、図5に示すように回転速度偏差ΔNEに
対する積分補正量ΔNFIの関係を予め定めてなるマッ
プを参照して求められる。このマップでは、回転速度偏
差ΔNEが大きくなるに連れて積分補正量ΔNFIが段
階的に大きくなるように設定されている。
【0050】次に、ステップ350において、今回読み
込まれたエンジン回転速度NEが目標回転速度NFより
も小さいか否かを判断する。ここで、エンジン回転速度
NEが目標回転速度NFよりも小さい場合には、ステッ
プ360において、前回求められた積分制御量NFIに
今回求められた積分補正量ΔNFIを加算した結果を新
たな積分制御量NFIとして設定した後、このルーチン
の処理を一旦終了する。
【0051】一方、ステップ350において、エンジン
回転速度NEが目標回転速度NFよりも小さくない場合
には、ステップ370において、前回求められた積分制
御量NFIから今回求められた積分補正量ΔNFIを減
算した結果を新たな積分制御量NFIとして設定した
後、このルーチンの処理を一旦終了する。
【0052】ここで、積分制御量NFIは、アイドル安
定状態において、実際のエンジン回転速度NEが目標回
転速度NFとなるように補正するためのアイドル回転速
度補正量に相当している。又、この積分制御量NFI
は、同一エンジン回転速度NEにおいて、燃料噴射ポン
プ1からの噴射量バラツキ等を補正すべく燃料噴射量を
補正するために使用されるものである。
【0053】次に、図6のフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち、前述した気筒毎補正
量QCMPKを算出するための「QCMPK算出ルーチ
ン」を示している。このルーチンは、エンジン回転速度
NEにおけるエンジン回転パルスを入力する毎に実行さ
れる。
【0054】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ410において、回転数センサ35により検出さ
れ入力されるエンジン回転パルスから、そのパルスカウ
ント数を算出する。そして、ステップ420において、
今回算出されたパルスカウント数が各燃焼サイクルにお
ける「13」であるか否かを判断する。ここで、パルス
カウント数が「13」でない場合にはそのままこのルー
チンの処理を一旦終し、パルスカウント数が「13」で
ある場合にはステップ430へ移行する。
【0055】ステップ430においては、回転数センサ
35及び車速センサ77の検出値に基づき、エンジン回
転速度NE及び車速SPDをそれぞれ読み込む。又、ア
クセルセンサ73の検出値等から別途の処理ルーチンに
て求められる補正後アクセル開度ACCPAを読み込
む。
【0056】そして、ステップ440において、前述し
たと同様に補正後アクセル開度ACCPA及び車速SP
D等に基づき、ディーゼルエンジン2の運転状態がアイ
ドル安定状態であるか否かを判断する。ここで、アイド
ル安定状態でない合には、そのままこのルーチンの処理
を一旦終了し、アイドル安定状態である場合には、ステ
ップ450へ移行する。つまり、ステップ410〜ステ
ップ440の処理では、気筒毎補正量QCMPKを算出
するための条件が成立しているか否かが判断されるので
ある。
【0057】ステップ440から移行してステップ45
0においては、エンジン回転速度NEに基づき、各気筒
最高回転速度TNH(K)を算出する。この各気筒最高
回転速度TNH(K)は、図3に示すように、各気筒毎
の同一燃焼サイクルにおいてパルスカウント数が「1
3」になってから次の「0」になるまでの時間間隔に基
づいて算出される。
【0058】続いて、ステップ460において、今回の
燃焼サイクルにおける各気筒最高回転速度TNH(K)
と前回の燃焼サイクルにおける各気筒最高回転速度TN
H(K−1)との差を算出し、その算出結果を回転速度
偏差DNEKとして設定する。つまり、今回の燃焼サイ
クルと前回の燃焼サイクルの間の回転変動の差を求める
のである。
【0059】そして、ステップ470において、今回求
められた回転速度偏差DNEKに基づき、所定の計算式
に従って基本最終噴射量QFINAを補正するための気
筒毎補正量QCMPKを算出する。
【0060】その後、ステップ480において、今回の
燃焼サイクルにおける各気筒最高回転速度TNH(K)
を前回の燃焼サイクルにおける各気筒最高回転速度TN
H(K−1)として設定し、このルーチンの処理を一旦
終了する。
【0061】次に、図7のフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち積分制御量補正用学習
値NFIGEを算出するために所定時間(この実施例で
は「1msec」)毎に実行される「NFIGE算出ル
ーチン」を示している。
【0062】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ510において、回転数センサ35、水温センサ
75及び車速センサ77の検出値に基づき、エンジン回
転速度NE、冷却水温THW及び車速SPDをそれぞれ
読み込む。又、アクセルセンサ73の検出値等から別途
の処理ルーチンにて求められる補正後アクセル開度AC
CPAを読み込む。更に、前述した「NFI算出ルーチ
ン」にて求められる積分制御量NFIを読み込む。
【0063】続いて、ステップ520においては、積分
制御量補正用学習値NFIGEの学習条件が成立してい
るか否かを判断する。ここでは、例えば車速SPD及び
補正後アクセル開度ACCPA等に基づきアイドル安定
状態と判断され、エンジン回転速度NEが「500rp
m」よりも大きく、かつ冷却水温THWが「50℃」以
上である場合に、積分制御量補正用学習値NFIGEの
学習条件が成立しているものと判断される。そして、そ
の学習条件が成立していない場合には、そのままこのル
ーチンの処理を一旦終了する。又、学習条件が成立して
いる場合には、ステップ530へ移行する。
【0064】そして、ステップ530においては、今回
求められた積分制御量補正用学習値NFIGEが今回読
み込まれた積分制御量NFIよりも大きいか否かを判断
する。ここで、積分制御量補正用学習値NFIGEが積
分制御量NFIよりも大きい場合には、ステップ540
において、前回求められた積分制御量補正用学習値NF
IGEから「0.78」を減算した結果を新たな積分制
御量補正用学習値NFIGEとして設定した後、このル
ーチンの処理を一旦終了する。一方、積分制御量補正用
学習値NFIGEが積分制御量NFIよりも大きくない
場合には、ステップ450において、前回求められた積
分制御量補正用学習値NFIGEに「0.39」を加算
した結果を新たな積分制御量補正用学習値NFIGEと
して設定した後、このルーチンの処理を一旦終了する。
【0065】従って、このルーチンの処理では、燃料噴
射ポンプ1からの噴射量バラツキを反映した積分制御量
NFIに応じて、積分制御量補正用学習値NFIGEが
更新設定される。
【0066】次に、図8のフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち前述したEGR量を制
御するために所定時間(この実施例では「8mse
c」)毎に実行される「EGR制御処理ルーチン」を示
している。
【0067】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ610において、回転数センサ35の検出値に基
づき、各燃焼サイクルにおける平均的なエンジン回転速
度NEを読み込む。又、前述した「メインルーチン」及
び「NFIGE算出ルーチン」にて求められる基本最終
噴射量QFINA、積分制御量補正用学習値NFIGE
をそれぞれ読み込む。
【0068】続いて、ステップ620において、今回読
み込まれたエンジン回転速度NE、基本最終噴射量QF
INA、積分制御量補正用学習値NFIGE等に基づい
て補正後最終燃料噴射量QFINDを算出する。この補
正後最終燃料噴射量QFINDは、以下の計算式に従っ
て求められる。
【0069】 QFIND=QFINA−(NFIGE*2.5)/100 −(90−NE*15/3000) そして、ステップ630において、今回読み込まれたエ
ンジン回転速度NEと今回求められた補正後最終燃料噴
射量QFINDとに基づき、EGR制御量DFINを算
出する。ここで、EGR制御量DFINは、図9に示す
ようにエンジン回転速度NE及び補正後最終燃料噴射量
QFINDに対するEGR制御量DFINの関係を予め
定めてなるマップを参照して求められる。このマップに
おいて、EGR制御量DFINは補正後最終燃料噴射量
QFINDが大きくなるに連れてほぼ小さくなってい
る。又、EGR制御量DFINは、ある範囲の補正後最
終燃料噴射量QFINDにおいてエンジン回転速度NE
が大きくなるに連れて大きくなっている。
【0070】その後、ステップ640において、今回求
められたEGR制御量DFINが予め定められた基準値
αよりも小さいか否かを判断する。ここで、EGR制御
量DFINが基準値αよりも小さい場合には、ステップ
650において、EGRバルブ55を閉じるようにEV
RV56を駆動制御する。即ち、EGRをオフさせる。
その後、このルーチンの処理を一旦終了する。
【0071】一方、ステップ640において、EGR制
御量DFINが基準値αよりも小さくない場合には、ス
テップ660において、今回求められたEGR制御量D
FINが予め定められた基準値β(α<β)よりも大き
いか否かを判断する。ここで、EGR制御量DFINが
基準値βよりも大きい場合には、ステップ680へ移行
する。又、EGR制御量DFINが基準値βよりも大き
くない場合には、ステップ670において、前回の制御
周期でEGRバルブ55が閉じていたか否かを判断す
る。そして、ステップ670において、前回にEGRバ
ルブ55が閉じていた場合には、ステップ650におい
て、前述したと同様にEGRをオフさせて、このルーチ
ンの処理を一旦終了する。又、前回にEGRバルブ55
が閉じていない場合には、ステップ680へ移行する。
【0072】そして、ステップ660又はステップ67
0から移行してステップ680においては、EGRバル
ブ55を開くようにEVRV56を駆動制御する。即
ち、EGRをオンさせる。その後、このルーチンの処理
を一旦終了する。
【0073】つまり、ステップ640〜ステップ680
においては、図10に示すように、基準値α,βの間で
ある程度のヒステリシスをもたせながらEGRのオン・
オフが切り換えられるのである。
【0074】従って、積分制御量NFIに応じて更新設
定された積分制御量補正用学習値NFIGEに基づき基
本最終噴射量QFINAが補正され、燃料噴射ポンプ1
の噴射量バラツキの違いが補われた補正後最終燃料噴射
量QFINDが求められる。そして、その補正後最終燃
料噴射量QFIND等に基づいて求められるEGR制御
量DFINに応じ、EGRのオン・オフが切り換えられ
てEGR量が制御される。
【0075】以上説明したように、この実施例のEGR
制御装置におけるEGR制御方法によれば、ディーゼル
エンジン2のアイドル安定状態において、実際のエンジ
ン回転速度NEが所定の目標回転速度NFとなるように
補正するための積分制御量NFIが求められる。又、デ
ィーゼルエンジン2の各燃焼サイクルで、その瞬時回転
速度がピークとなる時期近傍の基準回転速度NE1が噴
射量算出用回転速度NEQBとして求められる。更に、
その噴射量算出用回転速度NEQBが積分制御量NFI
により補正されて補正後エンジン回転速度NEISCが
求められる。そして、その補正後エンジン回転速度NE
ISCと、アクセル開度ACCP及び過給圧PiM等と
に基づき、ディーゼルエンジン2に供給すべき基本最終
噴射量QFINAが求められる。
【0076】併せて、この実施例では、ディーゼルエン
ジン2の各気筒毎の燃焼サイクルにて検出される回転変
動の間のバラツキが無くなるように補正するための気筒
毎補正量QCMPKが求められる。そして、基本最終噴
射量QFINAが気筒毎補正量QCMPKにより補正さ
れて、気筒別の最終噴射量QFINが求められる。又、
この最終噴射量QFINに基づいてディーゼルエンジン
2における燃料噴射量制御が実行される。加えて、この
実施例では、積分制御量NFIの大小の違いに応じて更
新設定された積分制御量補正用学習値NFIGEとエン
ジン回転速度NE等に基づき、基本最終噴射量QFIN
Aが補正されて補正後最終燃料噴射量QFINDが求め
られる。そして、その補正後最終燃料噴射量QFIND
とエンジン回転速度NEとに基づいてEGR制御量DF
INが決定される。又、そのEGR制御量DFINをE
GR指令値として、EGRのためのEVRV56の開度
が調整される。
【0077】従って、この実施例では、EGR制御量D
FINを決定するに当たり、気筒毎補正量QCMPKに
よって気筒毎に補正が加えられる前の基本最終噴射量Q
FINAが使用される。このことから、EGR制御量D
FINが各気筒毎に変動することが抑えられ、EGRの
ためのEVRV56が各気筒毎に頻繁に開度調整される
ことが抑えられる。その結果、EVRV56が必要以上
に開度調整を繰り返されることがなくなり、EGRバル
ブ55の開閉が頻繁に切り換えられることが抑えられ
る。よって、EGRの動作を安定化させることができる
と共に、EGRバルブ55での打音発生を低減させるこ
とができる。
【0078】しかも、上記のようにEGRの動作を安定
化させることができることから、EVRV56の開度調
整のために持たせるヒステリシスの幅をできる限り小さ
くすることができる。即ち、図11に示すように、EG
Rを行うべきEGRオン領域と、EGRを中止すべきE
GRオフ領域との間のヒステリシスの幅をできる限り狭
く設定することができる。その結果、EGRの制御領域
が狭くなることを抑えて、その分だけEGRの制御領域
を拡大させながら、EGRの不安定動作を防止すること
ができる。
【0079】又、この実施例では、基本最終噴射量QF
INAを求めるに当たり、各燃焼サイクルでピークとな
る付近の基準回転速度NE1を用いていることから、実
際にディーゼルエンジン2で必要とする燃料噴射量に近
い基本最終噴射量QFINAを得ることができる。よっ
て、ディーゼルエンジン2の燃料噴射量制御をより高精
度に行うことができ、その結果として自動車のドライバ
ビリティの悪化を未然に防止することができる。併せ
て、基本最終噴射量QFINAが気筒毎補正量QCMP
Kにより補正されて各気筒別に求められた最終噴射量Q
FINによってディーゼルエンジン2の燃料噴射量が制
御される。その結果、各気筒間の燃料噴射量のバラツキ
が抑えられ、そのバラツキに起因するエンジン振動を抑
えることができる。
【0080】更に、この実施例において、タイマ装置2
6を使用した燃料噴射時期制御を実行するに当たり、そ
の目標タイマ位置をエンジン回転速度NEと、負荷に相
当する補正後最終噴射量QFINDとに基づいて算出す
ることが考えられる。この場合、EGR制御量DFIN
を決定するのと同様に、気筒毎補正量QCMPKによっ
て気筒毎に補正が加えられる前の基本最終噴射量QFI
NAが使用されることになる。このことから、算出され
る目標タイマ位置が必要以上に変動することが抑えら
れ、安定した好ましい燃料噴射時期制御を実行すること
ができる。
【0081】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、基本最終噴射量QFINAを算
出するために用いる回転速度として、図3に示すよう
に、同一燃焼サイクル内でパルスカウント数が「13」
になってから次の「1」になるまでの、クランク角度で
「45°CA」のパルス間隔における基準回転速度NE
1を使用したが、これに限られるものではなく、例えば
同一燃焼サイクル内においてパルスカウト数で「13」
から「4」になるまでの間の瞬時回転速度を適宜に選択
して使用することもできる。
【0082】(2)前記実施例では、基本最終噴射量Q
FINAを算出するに当たり、噴射量算出用回転速度N
EQBを積分制御量NFIにより補正して求められる補
正後エンジン回転速度NEISCを使用したが、単に平
均的なエンジン回転速度NEを用いて基本最終噴射量Q
FINAを算出するようにしてもよい。
【0083】(3)前記実施例では、EGRのオン・オ
フ切り換えにある程度のヒステリシスをもたせる場合に
具体化したが、EGRのオン・オフ切り換えにある程度
の遅延時間をもたせる場合に具体化することもできる。
この場合にも、同様にEGRの動作を安定化させること
ができることから、EGRのオン・オフ切り換えにおけ
る遅延時間を短く設定することができる。よって、EG
Rを行うべきタイミングに近い時期でEVRV56を開
かせてEGRバルブ55を開くことができ、EGR不足
となることを可能な限り抑えながら、EGRの不安定動
作を防止することができる。
【0084】(4)前記実施例では、過給機としてのタ
ーボチャージャ49を備えたディーゼルエンジン2に具
体化したが、過給機としてのスーパーチャジャを備えた
ディーゼルエンジンや、過給機を備えていないディーゼ
ルエンジンに具体化することもできる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、各気筒毎の燃焼サイクルにおける回転変動のバラツ
キが無くなるように各気筒毎に補正が加えられる前の基
本的な目標噴射量を使用してEGR量を算出し、その算
出されたEGR量をEGR指令値としてEGR手段がオ
ン・オフ制御するようにしている。従って、EGR指令
値が各気筒毎に変動することが抑えられ、EGR手段が
頻繁にオン・オフ切り換えされることが抑えられる。そ
の結果、EGRの制御領域が狭くなったり、EGR不足
となったりすることをできる限り抑えながら、EGRの
不安定動作を防止することができるという優れた効果を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した一実施例において、EC
Uにより実行される「NF算出ルーチン」を説明するフ
ローチャートである。
【図2】一実施例において、ECUにより実行される
「メインルーチン」を説明するフローチャートである。
【図3】一実施例において、1燃焼サイクルにおけるエ
ンジン回転パルスのカウント数とエンジン回転速度の関
係を説明するタイムチャートである。
【図4】一実施例において、ECUにより実行される
「NFI算出ルーチン」を説明するフローチャートであ
る。
【図5】一実施例において、回転速度偏差に対する積分
補正量の関係を予め定めてなるマップである。
【図6】一実施例において、ECUにより実行される
「QCMPK算出ルーチン」を説明するフローチャート
である。
【図7】一実施例において、ECUにより実行される
「NFIGE算出ルーチン」を説明するフローチャート
である。
【図8】一実施例において、ECUにより実行される
「EGR制御処理ルーチン」を説明するフローチャート
である。
【図9】一実施例において、エンジン回転速度及び補正
後最終燃料噴射量に対するEGR制御量の関係を予め定
めてなるマップである。
【図10】一実施例において、EGRのオン・オフにお
けるヒステリシスを説明する図である。
【図11】一実施例において、エンジン回転速度と補正
後最終噴射量との関係におけるEGRオン領域及びEG
Rオフ領域と、EGRのオン・オフにおけるヒステリシ
スを説明するグラフである。
【図12】一実施例における過給機付ディーゼルエンジ
ンのEGR制御装置を示す概略構成図である。
【図13】一実施例において燃料噴射ポンプを示す断面
図である。
【図14】一実施例においてECUの電気的構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…ディーゼルエンジン、35…
回転数センサ、73…アクセルセンサ、54…EGR通
路、55…EGRバルブ、56…EVRV(54〜56
はEGR手段を構成している)、71…ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/40 G 7813−3G 43/00 301 N 7536−3G H 7536−3G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの各気筒へ燃料を噴
    射供給する燃料噴射ポンプと、 前記ディーゼルエンジンから排出される排気の一部を同
    エンジンへ取り込まれる吸気中へ再循環させるEGR手
    段とを備え、前記ディーゼルエンジンにおけるエンジン
    回転速度を含む運転状態パラメータに基づいて前記ディ
    ーゼルエンジンへ供給すべき基本的な目標噴射量を算出
    し、 前記ディーゼルエンジンの各気筒毎の燃焼サイクルにて
    検出される回転変動のバラツキが無くなるように、前記
    算出された基本的な目標噴射量を各気筒毎に補正して気
    筒別の最終的な目標噴射量を算出し、 その算出された最終的な目標噴射量を噴射量指令値とし
    て前記燃料噴射ポンプを前記気筒別に駆動制御すると共
    に、前記目標噴射量と前記エンジン回転速度とに基づい
    て前記吸気中へ再循環させるべきEGR量を算出し、 その算出されたEGR量をEGR指令値として前記EG
    R手段をオン・オフ制御するようにした電子制御ディー
    ゼルエンジンのEGR制御方法において、 前記算出された基本的な目標噴射量と前記エンジン回転
    速度とに基づいてEGR量を算出し、 その算出されたEGR量をEGR指令値として前記EG
    R手段をオン・オフ制御するようにしたことを特徴とす
    る電子制御ディーゼルエンジンのEGR制御方法。
JP4123938A 1992-05-15 1992-05-15 電子制御ディーゼルエンジンのegr制御方法 Pending JPH05321767A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018178823A (ja) * 2017-04-11 2018-11-15 株式会社Subaru Egr装置

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JP2018178823A (ja) * 2017-04-11 2018-11-15 株式会社Subaru Egr装置

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