JPH05321599A - トンネル内換気制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的な換気ファンの運転を行うことができ
るトンネル内換気制御装置を得ることを目的とする。 【構成】 トンネル１内の高濃度の汚染空気のかたまり
を濃度計５で測定すると共に、トンネル１内の風向、風
速を風測定器７で測定し、トンネル１内の風向、風速か
ら高濃度の空気のかたまりの移動を把握し、換気ファン
４の風量制御のタイミングと風量を制御装置６により演
算する。 【効果】 トンネル内に出現した局部的な高濃度の空気
のかたまりの出現に対しても、換気電力コストを抑え、
かつ安定したトンネル内濃度を保つ換気制御を実現する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、トンネル内の有害ガ
スや煤煙等で汚染された空気を換気するためのトンネル
内換気制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は例えば「トンネル換気効率化に関
する調査研究（その４）報告書」 第９章９−２２
（平成３年２月発行 日本道路公団委託 財団法人高速
道路調査会作成）に示されるような従来のトンネル内換
気制御装置を示す構成図であり、図において、１はトン
ネル、２はトンネル１内の通行方向に沿って配設され、
このトンネル１内の集塵を行う電気集塵装置で、集塵用
のフィルタ３及び換気用のファン４を有している。５は
各電気集塵装置２の吸込口付近に配設され、トンネル１
内の有害ガスや煤煙等で汚染された空気の汚染濃度を測
定し、その測定値を示す測定信号５ａを出力する濃度
計、６は上記測定信号５ａに応じて各電気集塵装置２の
ファン４を制御する制御信号４ａを出力するコンピュー
タを用いた制御装置である。

【０００３】次に動作について説明する。図４のフロー
チャートにおいて、制御装置６は、先ずステップＳＴ１
の測定値１次処理において、濃度計５の測定信号５ａが
示す測定値のノイズ除去、平滑化などを行った後、ステ
ップＳＴ２の処理においてトンネル１内の汚染濃度があ
る適正レベル範囲内に入っているか否かをチェックす
る。トンネル１内の汚染濃度が適切レベル内であれば、
ステップＳＴ３のファン風量制御演算処理において、各
電気集塵装置２のファン４の風量をＰＩＤフィードバッ
ク演算等により決定する。次にステップＳＴ４のファン
風量制御処理によって、種々の機械・電気的条件を考慮
しながら制御信号４ａによりファン４の風量制御が行わ
れる。

【０００４】大型車の車群や整備不良車の車などがトン
ネル１の入口などでアクセルをふかした時など汚染が高
濃度の空気のかたまりが出現するが、その場合はステッ
プＳＴ２の判断において、適正レベル外と判断され、ス
テップＳＴ５の処理で、全部のファン４に高風量運転指
令を行う制御信号４ａを出し、濃度が適正レベル内に収
まるまで、ファン４を高風量運転する。通常は１地点の
濃度悪化に応じて全てのファン４を高風量運転する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のトンネル内換気
制御装置は以上のように構成されているので、汚染濃度
が悪化していない地点のファンも高風量で運転されるた
め、換気電力コストの点から見て不経済となる等の問題
点があった。

【０００６】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、局部的な濃度悪化の出現に
対して経済的な換気ファンの運転を行うことができる。
トンネル内換気制御装置を得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係るトンネル
内換気制御装置は、トンネル内の高濃度の空気のかたま
りを測定する第１の測定手段と、トンネル内の風向、風
速を測定する第２の測定手段とを設け、トンネル内の風
向、風速により高濃度の空気のかたまりの移動を把握し
て換気用ファンの風量制御のタイミングと風量を演算す
るようにしたものである。

【０００８】

【作用】この発明におけるトンネル内換気制御装置は、
トンネル内に出現した高濃度の空気のかたまりを検知
し、トンネル内の風向、風速を考慮してこのかたまりの
移動を把握し、適切なタイミングで各ファンの風量アッ
プを個別的に行うことにより、換気電力コストを抑え、
かつ安定したトンネル内濃度を保つ換気制御を実現する
ことができる。

【０００９】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例１を図に基づいて説
明する。図１においては、図３と対応する部分には同一
符号を付して説明を省略する。図１において、７はトン
ネル１内の風速及び風向を測定して、その測定値を示す
測定信号７ａを制御装置６に送る風測定器、８はトンネ
ル１内の風向を示す矢印である。なお、濃度計５を第１
の測定手段とし、風測定器７を第２の測定手段とする。

【００１０】次に動作について説明する。図２のフロー
チャートにおいてはステップＳＴ１〜ＳＴ４は図４と同
じ処理である。ステップＳＴ２において、適正レベル外
の高濃度の空気のかたまりが検知された場合はステップ
ＳＴ７のトンネル内汚染分布推定処理により、風測定器
７で測定された風速を考慮して、検知された高濃度の空
気のかたまりの移動状況を推定する。拡散を無視すれ
ば、高濃度の空気のかたまりは平均的にトンネル１内風
速で移動すると考えてよい。そこで、トンネル１内風速
を時間積分することにより、検知された高濃度の空気の
かたまりの位置を推定することができる。

【００１１】ステップＳＴ７の処理ではステップＳＴ６
で推定された高濃度の空気かたまりの移動状況をもと
に、高濃度の空気のかたまりが、電気集塵装置２の吸込
口や立坑の排気坑を通過する時間帯だけファン４を高風
量運転する様に、各ファン４の風量の時間的変化を決定
する。そしてステップＳＴ８によりファン４の起動遅れ
等の時間遅れを考慮して必要な時間帯にファン４の増風
が適切に行われるようにする。

【００１２】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、局部
的なトンネル内の高濃度の空気のかたまりに対してトン
ネル内風向及び風速を考慮し、その移動状況を推定して
適切なタイミングで換気ファンの風量アップを行うよう
に構成したので、換気電力コストを抑え、かつ安定した
トンネル内濃度を保つ換気制御を実現することができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１を示す構成図である。

【図２】実施例１の動作を示すフローチャートである。

【図３】従来のトンネル内換気制御装置を示す構成図で
ある。

【図４】従来のトンネル内換気制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１ トンネル ２ 電気集塵装置 ４ ファン ５ 濃度計（第１の測定手段） ６ 制御装置 ７ 風測定器（第２の測定手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トンネル内の通行方向に沿って配設され
   それぞれ換気用のファンを有する複数の電気集塵装置
   と、上記トンネル内の通行方向に沿って配設されこのト
   ンネル内の汚染濃度を測定する第１の測定手段と、上記
   トンネル内の風向及び風速を測定する第２の測定手段
   と、上記第１及び第２の測定手段の測定値に基づいて上
   記複数の電気集塵装置における各ファンの風量を個別的
   に制御する制御装置とを備えたトンネル内換気制御装
   置。