JPH0532145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数のシート状金属加工片を接合又
は結合するためプレスに装着され且つプレスによ
り駆動されるように構成された工具セツトに関す
る。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕

米国特許第3771216号明細書にはこの種の結合
を行うための工具セツトが開示されていて、シー
ト状金属の一部がパンチにより変形されて該シー
ト状金属を切断することなしにダイス型空洞部を
満たすようになつている。係る工具セツトにより
行われた連結は、液密で外観が美しく且つ比較的
強いという利点を有している。

上記米国特許明細書に開示された工具セツトに
よれば、変形せしめられた材料は金敷とダイス型
とパンチとにより限定された空洞部を完全に満た
すが、接合されるべき加工片はしばしば油脂でぬ
るぬるしていたり或いは他の圧縮不可能な不純物
を含んでいて、所定の押圧力が加えられていても
結合が不十分な強さであつたり結合されなかつた
りするようなことがある。プレスが所定のストロ
ークを持つ場合、シート状金属には不可避的な厚
さの交差があるため、接合強度が不十分になるか
これとは反対にダイス型によつて吸収されるべき
極端に高い膨張力が生じその結果ダイス型を非常
に堅いものにせざるを得ず比較的製作が厄介にな
るか、の何れかである。

本発明の目的は、重ねられたシート状金属加工
片が油脂でぬるぬるしている場合でも安全に結合
することのできる工具セツトを提供することにあ
る。

本発明の他の目的は、重ねられたシート状金属
加工片が厚さのばらつきを有する場合でも安全に
接合することのできる工具セツトを提供すること
にある。

本発明の更に他の目的は、シート状金属加工片
を安全に接合することのできる比較的小型の工具
セツトを提供することにある。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

本発明による工具セツトは、往復プレス上に互
いに対向して装着されるべきパンチと金敷とを含
んでいる。金敷は、その端面を越えて突出してダ
イス型空洞部を画成する成形部材により包囲され
ているが、この成形部材は或る幅の隙間分だけ金
敷から離間せしめられていて、加工されるべき最
大厚さのシート状金属でも上記隙間を完全に満た
すことはできないようになつている。グリースや
油は総てその隙間の底に集められて、好ましくは
その集められた流動体を除去できるドレンが設け
られている。

従来の工具セツトの上述の欠点に加えて、ダイ
ス型の空洞部内へ一旦変形して入つた材料はダイ
ス型内に摩擦力で保持されて、ダイス型から加工
片を取り外すのに可成りの力が必要とされるよう
になる。本発明によれば、好ましくは成形部材が
幾つかのセグメントに分割されていて、変形又は
接合された加工片を引き出す際それらが別々に広
がることができるようになつている。このような
広がるセグメントそれ自体は、例えば米国特許第
4459735号明細書に開示された如き他の形式の接
合工具から公知である。しかし、この形式の工具
のセグメントは変形中に既に別々に広がつてしま
う。

ダイス型部材は多数の別々の部品即ちソケツ
ト、成形部材セグメント及び金敷で構成されるの
が好ましい。これは、各部品の材料としてその目
的に最も適したものを選択することを可能にす
る。

本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面に
基づく実施例の説明から明らかになるであろう。

〔実施例〕

第１図及び第２図において、ダイス型部材は、
平面図が長方形をなすソケツト１０から成つてい
て、Ｖ形の頂面１２と、金敷１６の基部１８を収
容する中心穴１４とを有している。この実施例で
は、金敷１６は端面２１が下方へ延びていて肩部
２３において段付きになつているが、ダイス型部
材の形状により他の形状も容易に考えられ得る。

二つの成形部材セグメント２０は、ソケツト１
０により支持され得るようにソケツト１０のＶ形
に対応した傾斜底面２５と、金敷に対して該セグ
メントを確実に位置決めできるように金敷１６の
基部１８に対応した半円筒状の凹陥部２７とを有
している。これらの凹陥部２７は金敷１６の作用
部２２との間に環状の隙間２４を画成している。
成形部材セグメント２０はまた、金敷１６に対し
て位置決めされたとき互いに接触する合せ面２９
を有している。

このダイス型部材は、プレスのテーブル上に装
着されるようになつていて、該プレスのラム３１
（第２図参照）上に金敷１６と一線に揃えられて
いて矢印２８の方向に駆動されるようにされたパ
ンチ２６と協働する。

二枚又はそれ以上のシート状金属加工片がダイ
ス型部材とパンチとの間に置かれてプレスが駆動
せしめられると、パンチと金敷の間の材料はシー
ト状金属を切断することなしにダイス型部材の空
洞部を満たすように変形せしめられ、上記セグメ
ント２０は加工片によつソケツト１０に押し付け
られる。その場合、ソケツト２０のＶ形はセグメ
ントが横方向に撓むことのないように角度が選定
されている。パンチを引き上げると、セグメント
がソケツトから持ち上げられて横方向に後退する
に至るので、加工片はパンチに付着したまま持ち
上げられ得る。ソケツト１０には一点鎖線３２の
位置でリセツト用の板ばね３０が連結されてお
り、その板ばねの各自由端３４は折曲げられてい
て各セグメント２０の各切込み３６内に若干の遊
びが残るように係合されている。これらの板ばね
は、加工片がダイス型部材から取り外されると、
各セグメントの最初の位置に戻る。板ばねの代わ
りにゴムリング等の他の弾機手段が用いられても
よい。

第２図には流動体用のドレン４０が破線で示さ
れていて、又、第３図に明示したようにソケツト
１０のシユート４２内へ開口している。尚、第１
図ではかかるドレン４０を現わすために金敷１６
が90°回転せしめられた状態が示されている。

第４図に示されたセグメントは撓み方向へ切り
込まれたアンダーカツト部を持つており、このア
ンダーカツト部は二枚又はそれ以上のシート状金
属片の接合強度を増すように変形せしめられたシ
ート状金属材料により少なくとも部分的に満たさ
れ得る。

〔発明の効果〕

上述の如く本発明によれば、金敷と共にダイス
型の空洞部を画成すべき成形部材が複数のセグメ
ントに分かれていてパンチ部材による金属加工片
の加工中に、各セグメントは横方向に開かないよ
うに固定保持されるから、加工片は隙間内をパン
チ部材の駆動方向に突出して変形され、一部が金
敷の端面を越えて隙間内に展延することで、金属
加工片の接合強度が一層強い加工片を形成でき
る。又、プレス後には成形部材が開くように構成
されているから、プレス後の加工片の取り出しが
容易である。又ダイス型空洞部の隙間には加工片
に付着した油脂の如き流動体を排出するドレン開
口が設けられているから、シート状金属片の結合
を常に確実且つ適確に行うことができる。更に本
発明によれば、ダイス型部材は多数の別々の部品
で構成されているから、各部品の目的に合つた材
料を選択でき、その結果極めて長期間の使用に耐
え得るこの種工具セツトを提供できるばかりか、
小型になし得るという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を破断して示すダイス型部材の分
解斜視図、第２図はダイス型部材の縦断面図及び
パンチの一部側面、第３図は第２図の−線に
沿う断面図、第４図はは成形部材セグメントの他
の実施例を示す部分斜視図である。 １０……ソケツト、１６……金敷、２０……成
形部材セグメント、２１……端面、２３……肩
部、２５……傾斜底面、２６……パンチ、２７…
…凹陥部、２９……合せ面、３０……リセツト用
の板ばね、３１……ラム、４０……流動体用ドレ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 実質上平坦な端面を有するパンチ部材と、ダ
   イス型部材とを含んでいて、 該ダイス型部材は、上記パンチ部材の端面に対
   向して装着される実質上平坦な端面を有する金敷
   と、該金敷を包囲してダイス型空洞部を形成する
   成形部材とを含み、該成形部材は、上記金敷との
   間に、パンチ部材の駆動方向に延びて金敷の上記
   端面に開口する隙間を形成するように、金敷の少
   なくとも一部分から所定距離だけ離間されてお
   り、これによつて、プレスが駆動せしめられると
   金属加工片が上記ダイス型空洞部及び隙間内に入
   つて変形せしめられ、又、該隙間は金敷の外周全
   範囲を取り囲むと共に、該隙間は金属加工片の接
   合を形成するのに必要であるよりもパンチ部材の
   駆動方向に深くして金属加工片が上記隙間を満た
   し得ないように寸法設定されていて、上記ダイス
   型部材が、金属加工片の変形の間上記成形部材を
   金敷に対して固定的に支持して金属加工片の接合
   部がパンチ部材の駆動方向に対し横方向に拡張し
   ないようにするための手段を有していることを特
   徴とする、 所定の厚さの複数の重ねられたシート状金属加
   工片を接合して結合するための、プレスに装着さ
   れ且つプレスによつて駆動される工具セツト。 ２ 上記金属加工片は、パンチ部材によつて切断
   されないようになつていることを特徴とする請求
   項１に記載の工具セツト。 ３ 上記隙間から流動体を排出するためドレンを
   更に含んでいることを特徴とする請求項１に記載
   の工具セツト。 ４ 上記ドレンは、隙間内に開通する開口と排出
   口を画成する手段と連結通路とを有することを特
   徴とする請求項３に記載の工具セツト。 ５ 上記成形部材は、第一の端面と第二の端面と
   を有していて、少なくとも該第一の端面が上記金
   属加工片の取り出しのために展開され得るように
   なつている複数のセグメントからなることを特徴
   とする請求項１に記載の工具セツト。 ６ 上記ダイス型部材は、更にソケツトを備え、
   又、上記金敷が該ソケツト内へ挿入されており、
   そして上記セグメントはソケツトによつて支持さ
   れていることを特徴とする請求項１に記載の工具
   セツト。 ７ 上記ソケツトとセグメントとは互いに係合し
   合う支持面を有していて、上記セグメントの支持
   面が該セグメントの上記第二の端面で移動可能に
   支持されていることを特徴とする請求項６に記載
   の工具セツト。 ８ 上記金敷はソケツトの支持面を越えて突き出
   ていると共に、上記セグメントは隙間よりも低い
   位置で上記金敷と接触していることを特徴とする
   請求項７に記載の工具セツト。 ９ リセツト用の板ばねが、上記セグメントに若
   干の遊びが残るように係合されていることを特徴
   とする請求項５乃至８の何れかに記載の工具セツ
   ト。 １０ 上記セグメントは上記第一の端面でアンダ
   ーカツトされていることを特徴とする請求項５に
   記載の工具セツト。 １１ 上記ソケツトと金敷とセグメントとは互い
   に異なる材料で作られていることを特徴とする請
   求項６に記載の工具セツト。 １２ 上記セグメント支持面は、パンチ部材がダ
   イス型空洞部内へ進入したとき該セグメントの上
   記係合し合う面が横方向に撓み得ないように角度
   設定されていることを特徴とする請求項７に記載
   の工具セツト。 １３ 上記セグメント支持面は、パンチ部材が上
   記ダイス型空洞部を離脱するとき上記セグメント
   が撓み得るように角度設定されていることを特徴
   とする請求項１２に記載の工具セツト。