JPH05321111A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents
繊維複合シートの製造方法Info
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- JPH05321111A JPH05321111A JP4122089A JP12208992A JPH05321111A JP H05321111 A JPH05321111 A JP H05321111A JP 4122089 A JP4122089 A JP 4122089A JP 12208992 A JP12208992 A JP 12208992A JP H05321111 A JPH05321111 A JP H05321111A
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- fiber composite
- fiber
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- aromatic polymer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 機械的強度、耐熱性、難燃性、耐薬品性に優
れると共に、高生産性で作業性の良好な芳香族系重合体
繊維からなる繊維複合シートの製造方法を提供する。 【構成】 主鎖にチオエーテル結合又はエーテル結合を
有する芳香族系重合体繊維及び主鎖にスルホン結合を有
する芳香族系重合体繊維から選ばれた少なくとも１種の
繊維を使用してシート状物を作製し、該シート状物にク
ロルスルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチ
レンのエマルジョンをバインダーとして付与した後乾式
凝固する。
れると共に、高生産性で作業性の良好な芳香族系重合体
繊維からなる繊維複合シートの製造方法を提供する。 【構成】 主鎖にチオエーテル結合又はエーテル結合を
有する芳香族系重合体繊維及び主鎖にスルホン結合を有
する芳香族系重合体繊維から選ばれた少なくとも１種の
繊維を使用してシート状物を作製し、該シート状物にク
ロルスルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチ
レンのエマルジョンをバインダーとして付与した後乾式
凝固する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、難燃性、耐薬
品性に優れ、高強度で柔軟な繊維複合シートの製造方法
に関する。
品性に優れ、高強度で柔軟な繊維複合シートの製造方法
に関する。
【０００２】
【従来の技術】各種繊維をゴム弾性を有する重合体で接
合した繊維複合シートは、人工皮革や繊維補強ゴム資材
等として広く使用されている。最近では、これらの繊維
複合シートを、例えば、電気絶縁材料、薬液ワイピング
クロス、断熱材、ガスケット、安全衣服、実験着、防水
資材、消防服、オイル保持材等の用途に適用するため、
耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れたものが要求されるよ
うになってきた。
合した繊維複合シートは、人工皮革や繊維補強ゴム資材
等として広く使用されている。最近では、これらの繊維
複合シートを、例えば、電気絶縁材料、薬液ワイピング
クロス、断熱材、ガスケット、安全衣服、実験着、防水
資材、消防服、オイル保持材等の用途に適用するため、
耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れたものが要求されるよ
うになってきた。
【０００３】このような要求に対し、ポリフェニレンス
ルフィドやポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェ
ニレンスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の芳香
族系重合体からなる高強度で、耐熱性、難燃性、耐薬品
性に優れた繊維を使用することが考えられる。しかし、
これら芳香族系重合体繊維シートに、従来の繊維複合シ
ートに含浸されている可燃性で耐薬品性に劣る溶剤溶液
タイプのポリウレタンのようなバインダーを付与したの
では、上記芳香族系重合体繊維の特性を十分に活用する
ことができなくなる。また、溶剤溶液タイプのバインダ
ーは、溶剤回収や排水処理を必要とし、生産性を低下さ
せ、火災や爆発の危険があるため作業性に劣る欠点があ
った。
ルフィドやポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェ
ニレンスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の芳香
族系重合体からなる高強度で、耐熱性、難燃性、耐薬品
性に優れた繊維を使用することが考えられる。しかし、
これら芳香族系重合体繊維シートに、従来の繊維複合シ
ートに含浸されている可燃性で耐薬品性に劣る溶剤溶液
タイプのポリウレタンのようなバインダーを付与したの
では、上記芳香族系重合体繊維の特性を十分に活用する
ことができなくなる。また、溶剤溶液タイプのバインダ
ーは、溶剤回収や排水処理を必要とし、生産性を低下さ
せ、火災や爆発の危険があるため作業性に劣る欠点があ
った。
【０００４】本発明者らは、クロルスルホン化ポリエチ
レンや塩素化ポリエチレンが優れた耐熱性、難燃性、耐
薬品性を有する弾性重合体であることに着目し、これら
の上記芳香族系重合体繊維シートのバインダーとしての
適用可能性について鋭意検討を進めて本発明を見出した
ものである。
レンや塩素化ポリエチレンが優れた耐熱性、難燃性、耐
薬品性を有する弾性重合体であることに着目し、これら
の上記芳香族系重合体繊維シートのバインダーとしての
適用可能性について鋭意検討を進めて本発明を見出した
ものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度、耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れると共に、高
生産性で作業性の良好な芳香族系重合体繊維からなる繊
維複合シートの製造方法を提供することにある。
的強度、耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れると共に、高
生産性で作業性の良好な芳香族系重合体繊維からなる繊
維複合シートの製造方法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、主鎖にチオエーテル結合又はエーテル結合を有する
芳香族系重合体繊維及び主鎖にスルホン結合を有する芳
香族系重合体繊維から選ばれた少なくとも１種の繊維を
使用してシート状物を作製し、該シート状物にクロルス
ルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンの
エマルジョンをバインダーとして付与した後、該バイン
ダーを乾式凝固することにより達成することができる。
は、主鎖にチオエーテル結合又はエーテル結合を有する
芳香族系重合体繊維及び主鎖にスルホン結合を有する芳
香族系重合体繊維から選ばれた少なくとも１種の繊維を
使用してシート状物を作製し、該シート状物にクロルス
ルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンの
エマルジョンをバインダーとして付与した後、該バイン
ダーを乾式凝固することにより達成することができる。
【０００７】このように芳香族系重合体繊維と、そのバ
インダーとしてクロルスルホン化ポリエチレン及び／又
は塩素化ポリエチレンを使用することにより、耐熱性、
難燃性、耐薬品性、機械的強度に優れた繊維複合シート
を製造することができる。しかも、上記バインダーをエ
マルジョンにして使用するため、溶剤回収や排水処理を
必要とせず生産性を向上することができ、火災や爆発の
危険がないため作業性を向上することができる。
インダーとしてクロルスルホン化ポリエチレン及び／又
は塩素化ポリエチレンを使用することにより、耐熱性、
難燃性、耐薬品性、機械的強度に優れた繊維複合シート
を製造することができる。しかも、上記バインダーをエ
マルジョンにして使用するため、溶剤回収や排水処理を
必要とせず生産性を向上することができ、火災や爆発の
危険がないため作業性を向上することができる。
【０００８】本発明に使用する主鎖にチオエーテル結合
を有する芳香族系重合体としては、ポリフェニレンスル
フィド (以下ＰＰＳと称する) やポリフェニレンスルフ
ィドケトン等があり、主鎖にエーテル結合を有する芳香
族系重合体としては、ポリエーテルエーテルケトンや変
成ポリフェニレンエーテル並びに特公昭６３−６２５３
２号公報や特開昭６１−２４５３０８号公報に記載され
ているシアノ基を有する芳香族系シアノフェニルエーテ
ル (ポリエーテルニトリル) 等がある。また、主鎖にス
ルホン結合を有する芳香族系重合体としては、ポリフェ
ニレンスルホン(以下ＰＰＳＯと称する) がある。好ま
しくは安価で工業的に入手し易いＰＰＳやＰＰＳＯを使
用することが望ましい。ＰＰＳやポリフェニレンスルフ
ィドスルホンは過酢酸等で酸化することによりＰＰＳＯ
に変性することができる。好ましくはこれらＰＰＳ繊維
やポリフェニレンスルフィドスルホン繊維でシート状物
を作製した後、酸化してＰＰＳＯ繊維にするのがよい。
を有する芳香族系重合体としては、ポリフェニレンスル
フィド (以下ＰＰＳと称する) やポリフェニレンスルフ
ィドケトン等があり、主鎖にエーテル結合を有する芳香
族系重合体としては、ポリエーテルエーテルケトンや変
成ポリフェニレンエーテル並びに特公昭６３−６２５３
２号公報や特開昭６１−２４５３０８号公報に記載され
ているシアノ基を有する芳香族系シアノフェニルエーテ
ル (ポリエーテルニトリル) 等がある。また、主鎖にス
ルホン結合を有する芳香族系重合体としては、ポリフェ
ニレンスルホン(以下ＰＰＳＯと称する) がある。好ま
しくは安価で工業的に入手し易いＰＰＳやＰＰＳＯを使
用することが望ましい。ＰＰＳやポリフェニレンスルフ
ィドスルホンは過酢酸等で酸化することによりＰＰＳＯ
に変性することができる。好ましくはこれらＰＰＳ繊維
やポリフェニレンスルフィドスルホン繊維でシート状物
を作製した後、酸化してＰＰＳＯ繊維にするのがよい。
【０００９】これら芳香族系重合体繊維の繊維本数、断
面形状等は特に限定されるものではなく任意のものが適
用できる。繊度は繊維複合シートに吸水性を付与し、柔
軟性や耐疲労性を向上するためできるだけ小さくするの
がよい。好ましくは１デニール未満、さらに好ましくは
０．５デニール未満にするのがよい。このような芳香族
系重合体繊維からなるシート状物としては、不織布（フ
ェルト）、編織物、紙等がある。繊維複合シートの縦，
横両方向における強伸度や寸法のバラツキを小さくする
ためには不織布を使用することが望ましい。不織布の製
造手段としては、連続繊維を所定の長さに切断して短繊
維とし、これをカード、クロスラッパーにかけてウェッ
ブを形成し、このウェッブをニードルパンチ又はウォー
タージェットを施すことにより得られるフェルトや、特
開昭６３−３１５６５５号公報に記載のメルトブロー法
及びフラッシュ紡糸法のような高速紡糸により繊維を製
造すると同時に開繊，補集することにより得られるシー
ト状物等がある。また、これらシート状物は加熱により
収縮処理を施したものであってもよい。
面形状等は特に限定されるものではなく任意のものが適
用できる。繊度は繊維複合シートに吸水性を付与し、柔
軟性や耐疲労性を向上するためできるだけ小さくするの
がよい。好ましくは１デニール未満、さらに好ましくは
０．５デニール未満にするのがよい。このような芳香族
系重合体繊維からなるシート状物としては、不織布（フ
ェルト）、編織物、紙等がある。繊維複合シートの縦，
横両方向における強伸度や寸法のバラツキを小さくする
ためには不織布を使用することが望ましい。不織布の製
造手段としては、連続繊維を所定の長さに切断して短繊
維とし、これをカード、クロスラッパーにかけてウェッ
ブを形成し、このウェッブをニードルパンチ又はウォー
タージェットを施すことにより得られるフェルトや、特
開昭６３−３１５６５５号公報に記載のメルトブロー法
及びフラッシュ紡糸法のような高速紡糸により繊維を製
造すると同時に開繊，補集することにより得られるシー
ト状物等がある。また、これらシート状物は加熱により
収縮処理を施したものであってもよい。
【００１０】本発明において、上記シート状物には、ク
ロルスルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチ
レンを、公知の手段及び乳化剤を使用し、安定なエマル
ジョンにして付与する。このため、溶剤回収や排水処理
を必要としないため生産性に優れると共に、火災や毒性
等の危険がないため作業性に優れている。上記エマルジ
ョンには架橋剤と架橋促進剤を添加することが望まし
い。架橋剤と架橋促進剤の添加によりバインダーの強度
や耐薬品性をより一層向上することができる。架橋剤の
例としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛等が挙げら
れ、架橋促進剤の例としては、ジペンタメチレンチウラ
ムヘキサスルフィド (以下ＴＲＡと称する)、テトラメ
チルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、メタフ
ェニレンビスマレイミド等がある。さらに上記エマルジ
ョンには、着色剤、滑材、耐候剤、他種のバインダー、
水可溶性樹脂等を添加することができる。バインダーに
はイソフタル酸とソジウムスルホイソフタル酸を共重合
した熱水可溶性の共重合ポリエステルやポリビニルアル
コール（ＰＶＡ）等の可溶性樹脂等を添加し、この樹脂
等を乾式凝固後に除去して多孔化し、繊維複合シートの
吸水性を向上することが望ましい。
ロルスルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチ
レンを、公知の手段及び乳化剤を使用し、安定なエマル
ジョンにして付与する。このため、溶剤回収や排水処理
を必要としないため生産性に優れると共に、火災や毒性
等の危険がないため作業性に優れている。上記エマルジ
ョンには架橋剤と架橋促進剤を添加することが望まし
い。架橋剤と架橋促進剤の添加によりバインダーの強度
や耐薬品性をより一層向上することができる。架橋剤の
例としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛等が挙げら
れ、架橋促進剤の例としては、ジペンタメチレンチウラ
ムヘキサスルフィド (以下ＴＲＡと称する)、テトラメ
チルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、メタフ
ェニレンビスマレイミド等がある。さらに上記エマルジ
ョンには、着色剤、滑材、耐候剤、他種のバインダー、
水可溶性樹脂等を添加することができる。バインダーに
はイソフタル酸とソジウムスルホイソフタル酸を共重合
した熱水可溶性の共重合ポリエステルやポリビニルアル
コール（ＰＶＡ）等の可溶性樹脂等を添加し、この樹脂
等を乾式凝固後に除去して多孔化し、繊維複合シートの
吸水性を向上することが望ましい。
【００１１】このようなエマルジョンを前記シート状物
に付与する方法は特に限定されるものではなく、含浸,
コーティング, スプレー法などの任意の方法を適用する
ことができる。また、バインダーの付与量は、繊維複合
シートの使用目的により相違するが、耐熱性、難燃性、
耐薬品性、強度を付与すると共に、耐久性と柔軟性を付
与するためには繊維１００重量部に対して５〜２００重
量部の範囲にするのがよい。
に付与する方法は特に限定されるものではなく、含浸,
コーティング, スプレー法などの任意の方法を適用する
ことができる。また、バインダーの付与量は、繊維複合
シートの使用目的により相違するが、耐熱性、難燃性、
耐薬品性、強度を付与すると共に、耐久性と柔軟性を付
与するためには繊維１００重量部に対して５〜２００重
量部の範囲にするのがよい。
【００１２】次いで、上記エマルジョンを付与したシー
ト状物は、熱風乾燥、マイクロ波加熱、ドライスチーム
乾燥等により乾式凝固される。好ましくは１２０℃以上
の温度で乾式凝固するのがよい。本発明方法により得ら
れる繊維複合シートを構成する芳香族系重合体繊維とバ
インダーとは共に、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性を
有するので、従来の繊維シートでは使用できなかった多
くの分野で使用することが可能である。このような用途
の例としては、前述した電気絶縁材料等の用途の外に、
パッキン基材、デミスター、離形材、電池のセパレータ
ー、心臓パッチ、人工血管、人工皮膚等の用途に使用す
ることが可能である。また、細繊度の芳香族系重合体繊
維を使用し吸水性を高めることにより、水や各種薬液の
吸水ロール基材、吸引プレス・ローラー基材、薬液シー
ル基材、薬液フィルター、食品用フィルター等として使
用することが可能である。
ト状物は、熱風乾燥、マイクロ波加熱、ドライスチーム
乾燥等により乾式凝固される。好ましくは１２０℃以上
の温度で乾式凝固するのがよい。本発明方法により得ら
れる繊維複合シートを構成する芳香族系重合体繊維とバ
インダーとは共に、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性を
有するので、従来の繊維シートでは使用できなかった多
くの分野で使用することが可能である。このような用途
の例としては、前述した電気絶縁材料等の用途の外に、
パッキン基材、デミスター、離形材、電池のセパレータ
ー、心臓パッチ、人工血管、人工皮膚等の用途に使用す
ることが可能である。また、細繊度の芳香族系重合体繊
維を使用し吸水性を高めることにより、水や各種薬液の
吸水ロール基材、吸引プレス・ローラー基材、薬液シー
ル基材、薬液フィルター、食品用フィルター等として使
用することが可能である。
【００１３】
実施例１ 東レ・フィリップスペトローリアム社製のＰＰＳ樹脂を
１８０℃で６時間、熱風中で乾燥し、直径０．２ｍｍφ
の細孔１５０個を有する紡糸口金から吐出した。吐出糸
条を上記紡糸口金の下方１００ｃｍの位置に設けた高速
エジェクターにより吸引噴出せしめ、５，０００ｍ／分
の速度で引き取り単繊維繊度２デニールの連続繊維糸条
とし、この連続繊維糸条を衝突板に当てて個々の単繊維
に開繊しながら金網製のコンベヤベルト式補集装置上に
補集し、目付４８０ｇ／ｍ2 のウェップを作製した。次
いでこのウェッブをニードルパンチ機に通して目付５７
０ｇ／ｍ2 のフェルトにした。
１８０℃で６時間、熱風中で乾燥し、直径０．２ｍｍφ
の細孔１５０個を有する紡糸口金から吐出した。吐出糸
条を上記紡糸口金の下方１００ｃｍの位置に設けた高速
エジェクターにより吸引噴出せしめ、５，０００ｍ／分
の速度で引き取り単繊維繊度２デニールの連続繊維糸条
とし、この連続繊維糸条を衝突板に当てて個々の単繊維
に開繊しながら金網製のコンベヤベルト式補集装置上に
補集し、目付４８０ｇ／ｍ2 のウェップを作製した。次
いでこのウェッブをニードルパンチ機に通して目付５７
０ｇ／ｍ2 のフェルトにした。
【００１４】別に、１２重量％のクロルスルホン化ポリ
エチレンを含有するエマルジョン１００重量部に対し、
架橋剤として酸化亜鉛３重量部、架橋促進剤としてＴＲ
Ａ３重量部をそれぞれ添加攪拌してバインダーを作製し
た。このバインダーを上記ＰＰＳ繊維フェルトに含浸付
与し、１００℃の熱風で乾式凝固した。次いで１５０℃
で３分間熱処理し繊維複合シートを得た。得られた繊維
複合シート中のバインダー付着量はＰＰＳ繊維重量当た
り３３重量％であった。
エチレンを含有するエマルジョン１００重量部に対し、
架橋剤として酸化亜鉛３重量部、架橋促進剤としてＴＲ
Ａ３重量部をそれぞれ添加攪拌してバインダーを作製し
た。このバインダーを上記ＰＰＳ繊維フェルトに含浸付
与し、１００℃の熱風で乾式凝固した。次いで１５０℃
で３分間熱処理し繊維複合シートを得た。得られた繊維
複合シート中のバインダー付着量はＰＰＳ繊維重量当た
り３３重量％であった。
【００１５】この繊維複合シートの耐薬品性を下記方法
によりテストしたところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液
のいずれの場合も浸漬前と後とで特に変化は認められず
極めて優れた耐薬品性を有することがわかった。また、
柔軟性に富み、耐屈曲疲労性にも優れていた。耐薬品性テスト ：繊維複合シートを６０℃の４５％の硫
酸水溶液と５０℃の２０％のクロム酸水溶液中にそれぞ
れ浸漬し、１ケ月間放置した後取り出して損傷の有無を
調べた。
によりテストしたところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液
のいずれの場合も浸漬前と後とで特に変化は認められず
極めて優れた耐薬品性を有することがわかった。また、
柔軟性に富み、耐屈曲疲労性にも優れていた。耐薬品性テスト ：繊維複合シートを６０℃の４５％の硫
酸水溶液と５０℃の２０％のクロム酸水溶液中にそれぞ
れ浸漬し、１ケ月間放置した後取り出して損傷の有無を
調べた。
【００１６】実施例２ 実施例１において、バインダーとして塩素化ポリエチレ
ンエマルジョンを使用した以外は同様にして繊維複合シ
ートを製作した。この繊維複合シートの耐薬品製を評価
した結果、実施例１の繊維複合シートと実質的に同じで
あった。
ンエマルジョンを使用した以外は同様にして繊維複合シ
ートを製作した。この繊維複合シートの耐薬品製を評価
した結果、実施例１の繊維複合シートと実質的に同じで
あった。
【００１７】実施例３ 特開昭６３−３１５６５５号公報に記載のメルトブロー
法及びその実施例１に記載の下記の紡糸条件の下に紡糸
し、目付３５ｇ／ｍ2 のウェッブを作製した。 紡糸条件 ： 紡糸温度＝３２０℃， エアー温度＝３６０℃， エアー量＝１１５０Ｎｍ3 ／Ｈｒ， 吐出量＝３００ｇ／ｍｉｎ， ノズル径＝０．２ｍｍ， ノズルピッチ＝１．２ｍｍ， ノズル数＝８３４個， 補集距離＝１５ｃｍ， 補集直後の線圧＝２ｋｇ／１００ｃｍ 上記ウェッブ１０枚を積層した後、ウォータージェット
パンチ機にかけて目付５２０ｇ／ｍ2 のフェルトを作製
した。このフェルトに実施例１と同様にしてバインダー
を含浸付与し、バインダー付着量３５重量％の繊維複合
シートを作製した。
法及びその実施例１に記載の下記の紡糸条件の下に紡糸
し、目付３５ｇ／ｍ2 のウェッブを作製した。 紡糸条件 ： 紡糸温度＝３２０℃， エアー温度＝３６０℃， エアー量＝１１５０Ｎｍ3 ／Ｈｒ， 吐出量＝３００ｇ／ｍｉｎ， ノズル径＝０．２ｍｍ， ノズルピッチ＝１．２ｍｍ， ノズル数＝８３４個， 補集距離＝１５ｃｍ， 補集直後の線圧＝２ｋｇ／１００ｃｍ 上記ウェッブ１０枚を積層した後、ウォータージェット
パンチ機にかけて目付５２０ｇ／ｍ2 のフェルトを作製
した。このフェルトに実施例１と同様にしてバインダー
を含浸付与し、バインダー付着量３５重量％の繊維複合
シートを作製した。
【００１８】得られた繊維複合シートの耐薬品性を評価
した結果、実施例１の繊維複合シートと同等の耐薬品性
を示した。また、優れた吸水性を有していた。 実施例４ 実施例１において、ニードルパンチ機に通したフェルト
を２５％、５０℃の過酢酸に１時間浸漬し、ＰＰＳをＰ
ＰＳＯに変成した。ＰＰＳＯに変成された割合は９２％
であった。このフェルトに実施例１と同様に、クロロス
ルホン化ポリエチレンのエマルジョンを付与し、乾式凝
固して繊維複合シートを製作した。得られた繊維複合シ
ート中のバインダー付着量２８重量％であった。
した結果、実施例１の繊維複合シートと同等の耐薬品性
を示した。また、優れた吸水性を有していた。 実施例４ 実施例１において、ニードルパンチ機に通したフェルト
を２５％、５０℃の過酢酸に１時間浸漬し、ＰＰＳをＰ
ＰＳＯに変成した。ＰＰＳＯに変成された割合は９２％
であった。このフェルトに実施例１と同様に、クロロス
ルホン化ポリエチレンのエマルジョンを付与し、乾式凝
固して繊維複合シートを製作した。得られた繊維複合シ
ート中のバインダー付着量２８重量％であった。
【００１９】この繊維複合シートの耐薬品性を上記方法
によりテストしたところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液
のいずれの場合も浸漬前と後とで特に変化は認められ
ず、優れた耐薬品性を有することがわかった。 実施例５ 実施例３のメルトブロー法において、特公昭６３−６２
５３２号公報の実施例１に準じて作製したポリシアノア
リールエーテル樹脂を使用し、紡糸温度３５０℃、エァ
ー温度を３７０℃、ウェッブの目付約８０ｇ／ｍ2 、積
層枚数５枚に変更した以外は同様にして目付４７０ｇ／
ｍ2 のフェルトを作製した。このフェルトに実施例１と
同様にバインダーを含浸付与し、バインダー付着量２８
重量％の繊維複合シートを作製した。
によりテストしたところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液
のいずれの場合も浸漬前と後とで特に変化は認められ
ず、優れた耐薬品性を有することがわかった。 実施例５ 実施例３のメルトブロー法において、特公昭６３−６２
５３２号公報の実施例１に準じて作製したポリシアノア
リールエーテル樹脂を使用し、紡糸温度３５０℃、エァ
ー温度を３７０℃、ウェッブの目付約８０ｇ／ｍ2 、積
層枚数５枚に変更した以外は同様にして目付４７０ｇ／
ｍ2 のフェルトを作製した。このフェルトに実施例１と
同様にバインダーを含浸付与し、バインダー付着量２８
重量％の繊維複合シートを作製した。
【００２０】この繊維複合シートの耐薬品性を評価した
結果、実施例１の繊維複合シートと実質的に同一であっ
た。また、また、優れた吸水性を有していた。 比較例 実施例４のフェルトに、バインダーとして、ポリカプロ
ラクトンジオールとポリテトラメチレングリコールをソ
フトセグメントとし、ジフェニルメタンジイソシアネー
トをイソシアネート成分とし、ジアミノジフェニルメタ
ンを鎖伸長剤とするポリウレタン１２重量％を溶解した
ジメチルホルムアミド（ＤＭＦ）溶液を付与し、次いで
１２０℃で乾式凝固して前記ポリウレタンの付着量が３
５重量％の繊維複合シートを作製した。
結果、実施例１の繊維複合シートと実質的に同一であっ
た。また、また、優れた吸水性を有していた。 比較例 実施例４のフェルトに、バインダーとして、ポリカプロ
ラクトンジオールとポリテトラメチレングリコールをソ
フトセグメントとし、ジフェニルメタンジイソシアネー
トをイソシアネート成分とし、ジアミノジフェニルメタ
ンを鎖伸長剤とするポリウレタン１２重量％を溶解した
ジメチルホルムアミド（ＤＭＦ）溶液を付与し、次いで
１２０℃で乾式凝固して前記ポリウレタンの付着量が３
５重量％の繊維複合シートを作製した。
【００２１】この繊維複合シートの耐薬品性を上記方法
により評価したところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液の
いずれの場合もポリウレタンがほとんど脱落してしまっ
ていた。また、この例では、バインダーの溶剤にＤＭＦ
を使用したため、フェルトにバイダーを付与する装置や
その乾燥凝固装置として防爆装置を設けた高価な装置並
びにＤＭＦ回収装置を使用する必要があった。さらに作
業者がＤＭＦと接触したりしないようにするための安全
対策が必要であった。
により評価したところ、硫酸水溶液とクロム酸水溶液の
いずれの場合もポリウレタンがほとんど脱落してしまっ
ていた。また、この例では、バインダーの溶剤にＤＭＦ
を使用したため、フェルトにバイダーを付与する装置や
その乾燥凝固装置として防爆装置を設けた高価な装置並
びにＤＭＦ回収装置を使用する必要があった。さらに作
業者がＤＭＦと接触したりしないようにするための安全
対策が必要であった。
【００２２】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族系重合体繊維を
シート状物にし、このシート状物にクロルスルホン化ポ
リエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンをバインダー
として付与することにより、耐熱性、難燃性、耐薬品
性、機械的強度に優れた柔軟で吸水性に富む繊維複合シ
ートを製造することができる。しかも、クロルスルホン
化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンのエマル
ジョンを使用するため、溶剤回収や排水処理の必要がな
いため生産性に優れ、火災や爆発の危険がないので作業
性を向上することができる。
シート状物にし、このシート状物にクロルスルホン化ポ
リエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンをバインダー
として付与することにより、耐熱性、難燃性、耐薬品
性、機械的強度に優れた柔軟で吸水性に富む繊維複合シ
ートを製造することができる。しかも、クロルスルホン
化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリエチレンのエマル
ジョンを使用するため、溶剤回収や排水処理の必要がな
いため生産性に優れ、火災や爆発の危険がないので作業
性を向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０６Ｍ 15/356 Ｄ０６Ｎ 3/04 ＤＡＡ 7141−4Ｆ
Claims (1)
- 【請求項１】 主鎖にチオエーテル結合又はエーテル結
合を有する芳香族系重合体繊維及び主鎖にスルホン結合
を有する芳香族系重合体繊維から選ばれた少なくとも１
種の繊維を使用してシート状物を作製し、該シート状物
にクロルスルホン化ポリエチレン及び／又は塩素化ポリ
エチレンのエマルジョンをバインダーとして付与した後
乾式凝固することを特徴とする繊維複合シートの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4122089A JPH05321111A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 繊維複合シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4122089A JPH05321111A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 繊維複合シートの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05321111A true JPH05321111A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=14827383
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4122089A Pending JPH05321111A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 繊維複合シートの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05321111A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2351975A (en) * | 1999-07-07 | 2001-01-17 | Freudenberg Carl | Surface treatment of polyphenylene sulphide and polysulphone fibres |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP4122089A patent/JPH05321111A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2351975A (en) * | 1999-07-07 | 2001-01-17 | Freudenberg Carl | Surface treatment of polyphenylene sulphide and polysulphone fibres |
| GB2351975B (en) * | 1999-07-07 | 2001-05-16 | Freudenberg Carl | Method of rendering polyphenylene sulphide and polysulphone fibre surfaces wettable by KOH solutions |
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