JPH05320909A - ダイヤモンド被覆硬質材料およびその製造法 - Google Patents

ダイヤモンド被覆硬質材料およびその製造法

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JPH05320909A
JPH05320909A JP12620092A JP12620092A JPH05320909A JP H05320909 A JPH05320909 A JP H05320909A JP 12620092 A JP12620092 A JP 12620092A JP 12620092 A JP12620092 A JP 12620092A JP H05320909 A JPH05320909 A JP H05320909A
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JP
Japan
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diamond
base material
coating layer
hard material
coated hard
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JP12620092A
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English (en)
Inventor
Naoya Omori
直也 大森
Akinori Kobayashi
晄徳 小林
Toshio Nomura
俊雄 野村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤモンド被覆硬質材料およびその製造法
を提供する。 【構成】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チタン
基サーメットを基材材質とするダイヤモンド被覆硬質材
料において、該基材最表面には該表面改質層は結合相を
含まない若しくは結合層の組成割合が基材内部に比べ少
ない表面改質相が存在していることを特徴とする。基材
材質を焼結肌または熱処理肌とした後ダイヤモンドを被
覆することにより製造できる。極めて高い耐摩耗性およ
び基材との密着強度に優れるので、各種工具、部品、砥
石等に有利に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極めて高い耐磨耗性及
び基材との密着強度に優れたダイヤモンド被覆硬質材料
およびその製造法に関するものであり、本発明品は切削
工具、耐摩工具、鉱山工具、電子部品、機械部品、砥石
などに利用して好適である。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは極めて硬度が高く、化学
的に安定し、高い熱伝導率特性、音波伝搬速度をはじめ
とする数多くの優れた特性を持っている。現在、市場に
於いて、多結晶ダイヤモンドとして、 ・ダイヤモンドの含有量が50体積%以上でダイヤモン
ド粒子が互いに結合した多結晶ダイヤモンド焼結体、 ・硬質材料の表面にダイヤモンド多結晶を被覆したダイ
ヤモンド被覆硬質材料、 ・ダイヤモンド多結晶をロウ付けした硬質材料が、 Al、Al−Si合金などの軽合金や、プラスチッ
ク、ゴム、グラファイトなどを切削加工する際に用い
る、スローアウェイチップ、ドリル、マイクロドリル、
エンドミル、ルーターなどの切削工具、 岩石採掘工具、 ボンディングツールや、プリンタヘッド、ダイス、熱
間加工用ガイドローラーや製管用ロールなどの各種耐摩
工具、耐摩治具、耐環境治具、 放熱板をはじめとする各種機械部品、 スピーカーをはじめとする各種振動板、 各種電子部品、 電着砥石などの各種研磨加工用砥石やドレッサー、 などが、広く実用に供されている。
【0003】ダイヤモンド微粉末を超高圧下で焼結した
多結晶ダイヤモンド焼結体は、例えば特公昭52−12
126号公報に記載されている。この先行技術に記載さ
れた製造方法では、ダイヤモンドの粉末を超硬合金の成
型体若しくは焼結体に接するように配置し、超硬合金の
液相を生じる温度以上の温度でかつ超高圧下にて焼結を
行なう。焼結に際しては、超硬合金中のCoの一部がダ
イヤモンド粉末中に侵入し、結合金属として作用する。
このようにして得たダイヤモンド焼結体を目的形状加工
し、各種合金にロウ付けすることにより、例えば切削工
具、耐摩工具、掘削工具、ドレッサー、線引きダイスと
して広く用いられている。
【0004】硬質材料の表面に多結晶ダイヤモンドを被
覆したダイヤモンド被覆硬質材料も前述のダイヤモンド
焼結体同様広く用いられている。先行技術としては、特
開昭61−522363、特開昭62−57802、特
開昭62−57804、特開昭62−166904、特
開昭63−14869、特開昭63−140084各号
公報をはじめとして多くが存在し、これらは任意の形状
の硬質材料、例えば超硬合金やサーメットの表面に気相
より合成したダイヤモンド多結晶を被覆することによ
り、基材の耐磨耗性を著しく向上させる効果がある。こ
の方法によるダイヤモンド被覆硬質材料は、高い形状自
由度を有し、かつ安価に、大量に製造できるという大き
な長所を持ち、例えば切削工具、耐摩工具、掘削工具、
ドレッサー、線引きダイスとして広く用いられている。
【0005】また、基材表面に気相よりダイヤモンド被
覆層を形成し、この基材をエッチング除去することによ
り、多結晶ダイヤモンド板を製造し、これを目的形状加
工し、各種台金にロウ付けすることにより、前記2種同
様の用途にて広く用いられている。
【0006】現在、気相より基材表面に多結晶ダイヤモ
ンドを被覆する方法として、マイクロ波プラズマCVD
法、RF−プラズマCVD法、EA−CVD法、誘磁場
マイクロ波プラズマCVD法、、RF熱プラズマCVD
法、DCプラズマCVD法、DCプラズマジェットCV
D法、フィラメント熱CVD法、燃焼法など数多くの方
法が知られており、これらはダイヤモンド被覆硬質材料
製造の有力な方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記した従来
技術のうち、ダイヤモンド焼結体を台金にロウ付けして
作成できる各種工具等には形状に制約がある。具体的に
は、4枚刃エンドミルのような形状のすべての刃部に優
れた精度でダイヤモンド焼結体をロウ付けするのは、現
状の技術では困難である。このため、丸棒形状のダイヤ
モンド焼結体を作成し、これを放電加工して目的形状を
得なければならず、実際に耐摩耗性向上に要求される部
分以外もダイヤモンド焼結体にて構成されるため非常に
高価となり、かつ生産性も低い。これと同様のことが、
多結晶ダイヤモンド板をロウ付けした場合にも言える。
【0008】上記短所を克服するため、目的形状に加工
した基材表面にダイヤモンド被覆層を設けるダイヤモン
ド被覆硬質材料の開発が広く行われている。ダイヤモン
ド被覆硬質材料は、基材として各種物理特性に優れるW
C基超硬合金および炭化チタン基サーメットまたは炭窒
化チタン基サーメットの使用がまず考えられ、これを基
材とした場合、高い形状自由度を持ち、かつダイヤモン
ド焼結体および多結晶ダイヤモンド板をロウ付けしたも
のより高い強度を有することができ、さらに安価にて大
量に提供できることが十分予想できる。このため、多く
の研究者によりその性能向上が図られているが、現状で
はダイヤモンド被覆層と基材との密着力が不足してお
り、使用に於てダイヤモンド被覆層が剥離する場合が多
く、ダイヤモンド焼結体と同等の寿命を得るに至ってい
ない。この原因として、 (1)基材とダイヤモンドの熱膨張係数の違いより、熱
残留応力が発生し、ダイヤモンド被覆層が剥離しやすく
なる。 (2)ダイヤモンドは、あらゆる物質と中間相を持たな
いため、他物質との濡れ性が悪い。 (3)基材としてWC基超硬合金やサーメットのように
炭素の拡散が容易なFe、Co、Ni等の金属元素を含
む場合、これらの金属元素上にダイヤモンドの同位体で
あるグラファイトが優先的に生成しやすく、このためダ
イヤモンド被覆時の初期核発生密度が低下し、このため
ダイヤモンド被覆層と基材との密着強度が低下する。 の(1)〜(3)が挙げられている。
【0009】(1)を改良するため,基材材質としてダ
イヤモンドと同じ熱膨張係数を持った材質、例えばSi
3 4 を主成分とする焼結体やSiCを主成分とする焼
結体を選択する方法が、特公昭60−59086、特開
昭61−291493各号公報にて提案されている。さ
らに特願平2−269214号明細書では窒化ケイ素
(Si3 4 )を主成分とする基材の表面に窒化ケイ素
の柱状晶組織を晶出させ、表面に凹凸の存在する状態を
つくりだし、この表面に対してダイヤモンド被覆層を設
けることによりダイヤモンド被覆層と基材とを幾何学的
に絡ませることにより、ダイヤモンド被覆層の密着強度
を高める方法が提案されている。これらの改良により、
基材とダイヤモンド被覆層との密着力は格段に高くはな
った。しかし、例えば切削工具に適用した場合、過酷な
条件にて使用すれば、基材であるSi3 4 ,SiCの
強度が不足しているため基材から破壊が生じ、その使用
に耐えない場合が増加する。
【0010】(2)に対する解決策としては、特公昭6
2−7267号公報に記載されているように、基材表面
に中間層を被覆し、この表面にダイヤモンド被覆層を形
成する方法がある。この方法により、中間層に適切な材
質を選択すればダイヤモンド被覆層と中間層とは高い密
着力にて接合されるが、しかし、本発明者等が研究を行
い、過酷な条件にてその密着力を調査したところ、基材
−中間層界面と、中間層−ダイヤモンド被覆層界面の2
界面において、同時に十分使用に耐えうる密着力を得る
中間層材質を見いだすことが出来なかった。さらに、本
方法では、製造コストも高くなるという欠点がある。
【0011】(3)に対する解決策としては、特開昭6
1−52363号公報、特開平1−201475号公報
に記載の如く、サーメットや超硬合金の基材表面を酸溶
液にてエッチングして結合相のFeやNi、Co等の金
属元素を除去する方法がある。しかし、エッチングを行
なうと基材そのものの強度が低下し、また結合相の除去
により分散している硬質相が欠落し易くなるので、ダイ
ヤモンド被覆層が硬質相ごと剥離し易くなる。このた
め、この技術ではサーメットとダイヤモンドダイヤモン
ド被覆層との十分な密着力は得られず、切削工具や耐摩
工具として十分な密着力を持つダイヤモンド被覆硬質材
料を得ることは困難であった。
【0012】以上のように、現状ではサーメット基材と
高い密着力をもつダイヤモンド被覆層を安価に大量に製
造する技術はまだ未完であると言わざるを得ない。上述
の問題点に鑑み、本発明はサーメット基材表面にダイヤ
モンド被覆層を有し、基材とダイヤモンド被覆層との優
れた密着強度、高い靱性と、高い形状自由度を備えたダ
イヤモンド被覆硬質材料およびその製造法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のダイヤモンド被覆硬質材料は、炭化チタン
基サーメットまたは炭窒化チタン基サーメットを基材材
質とし、該基材表面にダイヤモンド被覆層を設けてなる
ダイヤモンド被覆硬質材料において、該基材最表面に表
面改質層が存在し、該表面改質層は結合相を含まない若
しくは結合相の組成割合が該基材内部に比べ少ないもの
であることを特徴とする。ここで、本発明における表面
改質層とは、当該基材内部とはその組成および/または
組織の異なる層をいう。また本発明の上記目的は、該基
材表面にダイヤモンド被覆層を設けてなるダイヤモンド
被覆硬質材料において、少なくとも記載表面の一部は焼
結肌とし、少なくとも当該焼結肌の部分にダイヤモンド
被覆層を形成してなるものによって達成される。また更
に本発明の上記目的は、該基材表面にダイヤモンド被覆
層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料において、基
材を任意形状に加工した後、当該基材を熱処理すること
により、基材表面の少なくとも一部は熱処理肌とした当
該基材の少なくとも一部表面または全面上にダイヤモン
ド被覆層を設けてなるものによって達成される。また、
上記焼結肌または熱処理肌とした基材の表面の結合相を
除去するか、表面において内部に較べて高い割合で存在
する結合相を除去した当該表面にダイヤモンド被覆層を
形成することも好ましい実施態様である。本発明のダイ
ヤモンド被覆硬質材料は、基材となるサーメットを焼結
した後、COの分圧が1Torr以上の雰囲気にて冷却
し、得られた焼結体の少なくとも一部表面を焼結肌と
し、少なくとも該焼結肌の一部表面にダイヤモンド被覆
層を設けることを特徴とする方法、基材となるサーメッ
トの焼結および冷却を、1Torr以上の窒素ガス雰囲
気にて行い、この焼結体の少なくとも一部表面につい
て、表面に浸み出した金属節分を酸および/またはアル
カリによりエッチングじいきょした一部表面にダイヤモ
ンド被覆層を設けることを特徴とする方法、もしくは基
材となるサーメットの焼結を行い、目的形状に加工した
後、900〜1500℃以上の温度で10分〜5時間熱
処理を行い、COの分圧が1Torr以上の雰囲気にて
冷却することにより該基材の少なくとも一部表面を熱処
理肌とし、少なくとも当該熱処理肌の一部表面にダイヤ
モンド被覆層を設けることを特徴とする方法、のいずれ
かにより製造できる。
【0014】
【作用】一般に、ダイヤモンドがWC、金属W、Tiを
はじめとする周期律表の4A、5A、6A族元素(Wを
除く)の炭化物、窒化物、ホウ化物、酸化物、炭窒化
物、ホウ窒化物の炭化物、窒化物または炭窒化物上およ
びこれらの固溶体上には高い核発生密度を示し、このた
め良好な密着強度を示すことが知られている。また、ダ
イヤモンドは、これらの中でもチタンとの濡れ性に優
れ、ダイヤモンド焼結体や多結晶ダイヤモンド板を台金
にロウ付けするロウ材には多くの場合チタンが含有され
ている。チタンとダイヤモンドが良好に濡れることの原
因は不明であるが、本発明者等は双方界面にチタンの炭
化物、窒化物または炭窒化物が形成され、これが密着力
向上に寄与していると考え、これら材質を主成分とする
サーメットを基材とした場合、優れた密着力を持つダイ
ヤモンド被覆層を得ることができるのではないかと考え
た。しかし、サーメットには結合相として必ず鉄系金属
が含有されているため、前述の理由によりダイヤモンド
被覆層の密着力を高めることが出来ず、またエッチング
により結合相を除去した場合基材強度が低下して、実用
において破損、欠損が発生する場合が多くなった。
【0015】このため、本発明においては、基材として
炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チタン基サーメッ
トを用いるが、その基材表面に、該基材内部とは組成お
よび/または組織の異なる層(本発明ではこの層を表面
改質層という)が存在するようにし、該表面改質層は結
合相を含まない若しくは結合相の組成割合が基材内部よ
り少なく、好ましくは5重量%未満の、更に好ましくは
1重量%以下の結合相が存在する表面改質層を有するも
のとした。この表面改質層上には高い密着強度を持つダ
イヤモンド被覆層を形成することができ、同時に基体強
度として、炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チタン
基サーメット本来の高い強度を期待することができる。
さらに、表面改質層は基材と一体にて形成されているた
め、前述の中間層のような剥離の問題はなく、またエッ
チングにより硬質相の回りの結合相を除去したときに発
生した強度の低下の問題も発生しない。
【0016】本発明において基材となる炭化チタン基ま
たは炭窒化チタン基のサーメットとは、硬質分散相が主
として、4a,5aおよび6a族金属並びにSiの炭化
物、窒化物、炭窒化物およびホウ化物のうちの1種以上
で構成され、これらが炭化物,窒化物あるいは炭窒化物
換算で60重量%以上にて構成され、残りが結合相とし
て鉄系金属のうちの1種以上で構成される。
【0017】本発明の表面改質層は先に説明したとお
り、ダイヤモンドとの密着性に優れる材料である必要が
あり、炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チタン基サ
ーメット表面に基材と一体に形成されるものである。こ
の表面改質層を有する状態をつくり出すには、多くの方
法が挙げられるが、例えば下記の方法が挙げられる。 (1)原料粉末を混合、成型、焼結し、冷却する段階で
雰囲気ガスを浸炭雰囲気とする。具体的にはCO,CH
4 などの炭素含有ガス、炭化水素ガスが挙げられる。 (2)窒素中にて焼結し、降温後、表面に浸み出した結
合相成分を除去する方法。なお、降温時に浸炭雰囲気と
すれば、結合相成分の浸み出しを防ぐことができる。 (3) さらに、任意の焼結を行い、一度研削加工を行
った基材に対しても、前述の条件にて再度熱処理し、基
材表面性状を焼結肌に近い状態(以後熱処理肌と呼ぶ)
にする方法によっても、同様に表面改質層を形成できる
ことを見いだした。なお、表面に結合相成分により形成
された表面層(結合相層と呼ぶ)が存在する場合、ダイ
ヤモンド被覆層を形成するためにこの結合相層を除去す
る必要がある。
【0018】本発明の製法において、焼結温度および時
間は、通常のサーメットの焼結に使用される条件でよ
い。具体的には、1300℃〜1500℃の温度にて、
30〜3時間が一般的である。また、前述の(1)の場
合、COガス雰囲気にするのは、焼結初期からでも、中
期からでも、冷却段階でもよいが、900℃〜1600
℃の範囲で少なくとも10分以上保持しなければ、硬質
相の界面への移動が十分ではなく、表面改質層の発生が
認められない。本発明において、このようにして得た表
面改質層の存在する基材表面を焼結肌と呼ぶ。
【0019】さらに、任意の焼結を行い、一度研削を行
った基材に対しても、前述の条件にて再度熱処理し、基
材表面性状を焼結肌に近い状態にすることによっても、
先ほど同様に表面改質層を形成できることを見いだし
た。本発明において、このようにして得た基材表面を熱
処理肌と呼ぶ。熱処理条件も、焼結条件と同様であり1
300℃〜1600℃の温度にて、30〜3時間が一般
的である。CO雰囲気とするのは、熱処理初期からで
も、中期からでも、冷却段階でもよいが、900℃〜1
600℃の範囲で少なくとも10分間以上保持しなけれ
ば、硬質相の界面への移動が十分ではなく、表面改質層
の発生が認められないため、好ましくない。また、10
00分間を越える長時間に渡り熱処理を行った場合、基
材超硬合金の硬質相粒子の粗大化等により強度劣化する
ため望ましくない。ここで、本熱処理とダイヤモンド被
覆の工程を、基材を室温まで冷却しないで実施すること
および/または同一の真空容器にて実施することも可能
であり、工業的には有効な手段である。
【0020】本発明において、焼結肌、熱処理肌、また
はこれらの表面に存在する結合相層を除去した焼結肌、
熱処理肌の表面性状および断面を観察、分析した結果、
基材表面に表面改質層が存在し、この表面改質層は、内
部に較べてその結合相組成割合が少ないまたは全く結合
相が存在しない状態であり、その表面面粗度が通常の研
削肌と比較して悪くなっていることが判った。
【0021】表面の結合相が低下していることは、基材
表面部分が内部に較べて高硬度となっていることから検
出可能である。具体的には、基材内部のビッカース硬度
に対して4%以上高い硬度を示す。また、表面からのX
線回折を行うと、本発明のダイヤモンド被覆層の場合、
研削面に対してダイヤモンド被覆層を設けた場合と比較
して、結合相成分の回折強度が低くなっていることから
も、検出可能である。
【0022】以上のようにして得た焼結肌、熱処理肌の
表面性状および断面を観察、分析した結果、基材表面に
表面改質相が存在し、この表面改質層は、内部に比べて
その結合相組成割合が少ないまたは全く結合相が存在し
ない状態であり、その表面面粗度が通常の研削肌と比較
して悪くなっていることが判った。表面改質層の存在お
よび/または焼結肌もしくは熱処理肌に対する被覆であ
ることによりダイヤモンド被覆層の密着力が増大した原
因として、二つの要因が推定される。 I.基材表面において、ダイヤモンド被覆層との接合力
に優れる各種硬質相の占める面積が通常の研削肌の場合
と比較して大きいため、双方の化学的結合力が増大し
た。 II. 基材表面の表面面粗度が、通常の研削肌と比較して
大きく鳴っており、これによりダイヤモンド被覆層と基
材との幾何学的な絡み合いが増大し、双方の物理的結合
力が増大した。
【0023】尚、ここで言う面粗度とは、一般に行われ
ている触針計による測定のみならず、微小区間における
面粗度も含む。微小区間における面粗度とは、ダイヤモ
ンド被覆層−基材最表面の界面において、基準長さを5
0μmなどの微小区間とした、この基準長さ内における
面粗度のことである。これは、ダイヤモンド被覆後の基
材の断面をラッピング観察し、写真撮影を行い、ダイヤ
モンド被覆層−基材の境界線をもって被覆後の基材の表
面面粗度計算を行った。ここで、基準長さ内の境界線の
最高高さと最低高さとの差をもってRmax * と表現し
た。但し、この際、巨視的なうねりは直線近似して計算
した。
【0024】上記焼結肌および熱処理肌を形成した場
合、焼結体中の炭素量、焼結方法等により、表面に結合
相の滲み出しが見られる場合もある。滲み出した結合相
表面に形成されたダイヤモンド被覆層は容易に剥離して
しまうので、滲み出した結合相を除去する必要がある。
滲み出した結合相の除去方法として、エッチング、ブラ
スト、バレル等の処理が挙げられる。ここで、ブラス
ト、バレル等の機械加工では、その表面面粗度が向上し
てしまい、面粗度劣化による密着強度向上の効果が薄く
なってしまうため、エッチング除去が望ましい。ここで
言うエッチングとは、従来の技術を説明した欄に述べた
基材を腐食させる目的ではなく、滲み出した結合相を除
去するためであり、従って表面改質層が結合相を含有し
ない場合、基材に腐食層は全く存在せず、結合相が存在
する場合もその成分割合が極めて小さいため、基材強度
劣化は生じない程度の処理である。この滲み出し結合相
に対する除去処理は、熱処理肌に関しても同様のことが
言える。
【0025】また、一般的に、ダイヤモンド被覆層形成
初期のダイヤモンド核発生密度を向上させるため、基材
に何らかの傷つけ処理を施すことが広く行われている。
本発明においても、ダイヤモンド被覆層形成前の母材に
対して、傷つけ処理を施すことが望ましい。ところが、
砥石等による傷つけ処理や、砥粒を物理的に押しつける
傷つけ処理は、せっかく形成した表面改質層が除去され
たり、あるいは微視的面粗度が低下し、このためダイヤ
モンド被覆層と基材の密着強度が低下する。これを避け
るため、一般的に行われている超音波振動を利用した傷
つけ処理が望ましい。具体的には、ガラス被覆層形成前
の基材と、ダイヤモンド粒子やBN粒子などの硬質粒子
を、水、アルコール類などの溶媒中に投じ、溶媒に超音
波振動を与えることにより、硬質粒子が基材に衝突する
方法である。この方法を用いた場合、基材表面の巨視的
面粗度Rmax 、Ra 、R2 (JIS B 0601記
載)や微視的面粗度Rmax * や表面構成元素組成割合を
変化させることなく、基材表面に傷つけ処理を行うこと
ができる。
【0026】さらに、当該超硬合金を構成する各種硬質
相の粒径が、1μm以上である場合、さらに良好なダイ
ヤモンド被覆層となり基材との密着力が優れることが判
った。この原因については未だ不明であり、この条件を
満たす場合、ダイヤモンド被覆層と基材との物理的整合
性が最も優れるためと推測したが定かではない。
【0027】本発明において、表面改質層中の結合相割
合の分布は、その焼結条件および熱処理条件により変わ
り、表面に向かって連続的に減少しても良いし、断続的
減少であってもよい。また、基材焼結および研削加工後
の基材の熱処理を行なう際、結晶粒粗大化による強度劣
化を少しでも低減させ、同時に基材内部の欠陥(ポア)
を減少させることにより強度向上も期待できる。焼結温
度と比較して低い温度、好ましくは1200℃〜145
0℃、さらに好ましくは1300℃〜1350℃の温度
で、熱間静水圧プレスを行なうことが望ましい。このと
きの静水圧圧力は高圧のほうがより優れた効果を期待で
きるが、工業的見地から10気圧〜3000気圧が望ま
しい。
【0028】ここで、表面改質層の層厚に関しては、
0.01μm以下であれば、基材中の結合相成分の影響
が強くなり、ダイヤモンド被覆層の密着強度向上には寄
与しなくなる。この影響を完全に遮断するためには、
0.1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であ
る。また、上限については、基材強度を維持するために
1000μm以下が望ましい。
【0029】本発明において基材表面の表面面粗度は、
触針法にて測定した場合、JIS規格のRmax にて1.
5μm以上の場合、その密着力向上に大きく効果がある
ことを確認した。または、前述の断面観察による微視的
面粗度が、Rmax * にて2μm以上の場合にもその密着
力向上に大きく効果があることを確認した。
【0030】なお、ダイヤモンド被覆層の層厚に関して
は、各々の用途に応じて必要な層厚とすればよい。但
し、耐摩耗性が要求される使用用途においては、層厚が
0.5μm以下では被覆層による耐摩耗性など諸性能の
向上が認められず、また300μm以上の被覆層を形成
した場合でも、もはや大きな性能の向上が認められない
ため、経済上の理由より、0.5μm〜300μmが望
ましい。
【0031】ここまで、ダイヤモンド被覆層を中心に説
明したが、本発明はダイヤモンド状炭素およびダイヤモ
ンドとダイヤモンド状炭素との複層を形成した場合にも
全く同様の効果がある。さらに、これらの被覆層がホウ
素、N2 を含んだ場合でも同じである。また、ダイヤモ
ンド被覆の方法は、従来の技術にて説明したいずれの方
法を用いても良い。また、所定の面粗度および/または
寸法精度を得るために、ダイヤモンド被覆層表面を砥石
や熱処理等にて平滑化、鏡面化しても、本発明の優秀性
は損なわれない。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例により、具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〕母材として、平均粒径が1〜1.5μmの
Ti(CN)、TiN、TiC、WC、Mo2 O、Nb
C、VC、Ni、Coを用い、表1の組成に調合後、振
動ミルを用いて粉砕を行い、さらにバインダーを添加し
たものを、プレス成形および成型加工し、、内接円:1
2.7mm、厚み:3.18mm、コーナーR:0.8
mmのJIS SPGN422形状のプレス成形体を製
造し、300℃にて脱バインダー後、表1に記載した条
件にて焼結を行った。焼結時間はいずれも60分間であ
る。得られた焼結体のうちいくつかには焼結体表面に金
属成分の浸み出しにより形成された結合相層が存在して
いたため、これをエッチング除去し、母材チップを製造
した。焼結体表面( 焼結肌) 状態および結合相層の有無
とその層厚、結合相層除去方法および母材表面微視的面
粗度を併せて、表1に示した。
【0033】なお、表1中の結合相層除去処理の内容
は、下記のとおり。 *1 : 硝酸5%、30℃にて5分間洗浄。これによ
り結合相層は除去された。断面観察の結果、母材表面は
硬質相にて形成された表面改質層によりくまなく覆われ
ており、これにより母材内部に腐食層の存在は全く認め
られなかった。 *2 : ショットブラスト処理を15秒間行い、これ
により結合相層は除去された。
【0034】表1中の表面面粗度Rmax とはJIS B
0601に準拠する通常の触針法にて測定した面粗度の
ことであり、微視的面粗度とは、基材−ダイヤモンド被
覆層界面において、基準長さを50μmとした、この微
小区間内の面粗度のことで、本チップの断面をラッピン
グ観察し、写真撮影を行い、ダイヤモンド被覆層−基材
の境界線をもって被覆後の基材の表面面粗度とし、基準
長さ内の最高高さと最低高さの差をもってRmax * と表
現した。結合相層の有無および層厚も断面観察により測
定した。本発明チップNo. 7* を除いて、いずれの焼結
肌または結合相層除去後の焼結肌表面にも、内部に比べ
て結合相成分の割合が低い表面改質層が存在することを
確認した。本発明チップNo. 4とNo. 6の断面を観察し
た結果、それぞれ約20μm、約80μmの表面改質層
が認められ、表面改質層中の結合相成分は1重量%以下
であった。
【0035】
【表1】
【0036】まず、研削肌と焼結肌の比較を行なうた
め、表2に示した方法にて母材チップを加工した。な
お、チップの刃先処理の概略例を図1に示した。図1の
ものは一般にチャンファーホーニング加工と呼ばれてい
る刃先処理で、図中αは25°、βは20°、Lは0.
05mmとした。なお、刃先処理面加工、上下面加工お
よび側面研削加工には、市販のレジンボンド・ダイヤモ
ンド砥石を用いた。なお、研削肌のRmax は0.6μ
m、Rmax * は0.8μmで、表面に特異な層の存在は
認められなかった。
【0037】
【表2】
【0038】表2の処理を施した母材チップを、8〜1
6μmのダイヤモンド砥粒を純水に浮遊分散させてなる
溶液に浸漬し、当該溶液に5分間、45kHzの超音波
振動を与えることにより傷つけ処理を行った。このよう
にして準備した母材チップの表面に、公知の熱フィラメ
ントCVD法を用いて下記表3の条件にてダイヤモンド
被覆層を形成して、本発明ダイヤモンド被覆スローアウ
ェイチップNo.1〜No.24 を製造した。
【表3】
【0039】本実施例において、基材の表面に析出した
被覆層は、ラマン分光分析法によって、ダイヤモンドの
特徴である1333cm-1にピークが存在することを確認
した。
【0040】これらの切削チップを用いて、下記表4の
条件にて連続切削試験を行い、逃げ面摩耗量、切り刃の
摩耗状態を観察した。チップの加工方法、被覆したダイ
ヤモンド被覆層層厚、切削試験結果を併せて表5に示し
た。
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】本発明チップNo.2, No.5, No.20 の断面を
ラッピング後、母材表面部と内部との硬度について、荷
重200gにてビッカース硬度を測定したところ、これ
らは5〜15%の表面部の硬度上昇が認められた。比較
チップでは本発明表面の硬度上昇は認められなかった。
【0043】また、本発明チップNo.2, No.5, No.20 の
焼結肌にダイヤモンド被覆層を設けた表面と、比較チッ
プのダイヤモンド被覆表面について、Cu−Kα線にて
X線回折測定を起こったところ、前者の方が結合相のピ
ークの強度比が小さくなっていたことを確認した。以上
の結果から、本発明チップの特に焼結肌の面のダイヤモ
ンド被覆層の密着強度が優れることが判る。
【0044】実施例2 本実施例では、研削肌と熱処理肌と焼結肌の比較を行な
う。母材として、表1の試料〜を全面研削加工した
チップ、および〜を全面研削加工した後さらに表2
のVIIまたはVIIIの刃先処理を施した母材を準備し、こ
れらに熱処理を行ってチップ表面を熱処理肌とし、さら
にいくつかについては結合相層除去処理および表6に示
す熱処理後加工を施すことにより、本発明母材チップを
製造した。熱処理時間はNo.37 のみ30分間で、その他
は60分間である。
【0045】
【表6】
【0046】これらのチップに対して、実施例1と同様
の傷つけ処理を施し、さらに公知のマイクロ波プラズマ
CVD法を用いて、発振周波数は2.45GHz、チッ
プ表面温度は860℃、全圧40TorrのH2 −2.
0%CH4 ガス中にて1〜15時間保持してダイヤモン
ド被覆層を形成した。このようにして、表7に示した本
発明チップNo.25 〜No.37 を製造した。熱処理前加工内
容、熱処理条件、冷却雰囲気、熱処理肌表面状態、結合
相層除去方法、表面面粗度、熱処理後加工内容、ダイヤ
モンド被覆層層厚を併せて表7に示す。このうちで、N
o.27 とNo.34 は熱処理とダイヤモンド被覆を同一の真
空容器内にて行った。すなわち、熱処理後、基材温度を
室温まで冷却せずダイヤモンド被覆温度まで表中の冷却
条件にて冷却し、引き続いてダイヤモンドを被覆した。
なお、本発明チップNo.30 とNo.33の断面を観察した結
果、それぞれ約15μm、約60μmの表面改質層が認
められ、表面改質層中の結合相成分は1重量%以下であ
った。また、表7中の*1の意味するところは実施例1
におけると同様であり、Rmax 、Rmax * とは、実施例
1と同様の測定を行った結果である。
【0047】本実施例において、基材の表面に析出した
被覆層は、ラマン分光分析法によって、ダイヤモンドの
特徴である1333cm-1にピークが存在することを確
認した。これらのチップを用いて、実施例1と同様の連
続切削試験を行った。この結果を併せて表7に示す。こ
の結果から、熱処理肌も、焼結肌同様に高いダイヤモン
ド被覆層の密着強度を持つことが判る。
【0048】
【表7】
【0049】
【発明の効果】本発明のダイヤモンド被覆硬質材料にお
いてはいずれも、従来のダイヤモンド被覆硬質材料と比
べると、ダイヤモンド膜の耐剥離性が良好であることは
上記したところから明らかである。また、本発明の実施
例として切削工具の場合を示したが、この他各種切削工
具、耐摩工具、各種機械部品、砥石などに本発明を適用
した場合も、良好な結果が得られることは、十分予想で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるチップの刃先処理の
概略例を示す説明図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、該基材表面にダイヤ
    モンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料に
    おいて、該基材最表面に表面改質層が存在し、該表面改
    質層は結合相の組成割合が該基材内部に比べ少ないもの
    であることを特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料。
  2. 【請求項2】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、該基材表面にダイヤ
    モンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料に
    おいて、該基材最表面に内部より高硬度の表面改質層が
    存在することを特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料。
  3. 【請求項3】 上記表面改質層の層厚が1000μm以
    下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のダイヤモンド被覆硬質材料。
  4. 【請求項4】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、該基材表面にダイヤ
    モンド被覆層を設けられてなるダイヤモンド被覆硬質材
    料において、少なくとも基材表面の一部が焼結肌であ
    り、少なくとも当該焼結肌の部分にダイヤモンド被覆層
    が形成されてなることを特徴とするダイヤモンド被覆硬
    質材料。
  5. 【請求項5】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、基材表面にダイヤモ
    ンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料にお
    いて、少なくとも基材表面の一部が焼結肌であり、該焼
    結肌表面に存在する結合相を除去した少なくとも当該焼
    結肌の部分にダイヤモンド被覆層が形成されてなること
    を特徴とする請求項4記載のダイヤモンド被覆硬質材
    料。
  6. 【請求項6】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、基材表面にダイヤモ
    ンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料にお
    いて、少なくとも基材表面の一部が焼結肌であり、この
    焼結肌表面に存在する結合相組成が基材内部に比べて高
    い表面層を除去した当該焼結肌の少なくとも1部分にダ
    イヤモンド被覆層が形成されてなる請求項4記載のダイ
    ヤモンド被覆硬質材料。
  7. 【請求項7】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、基材表面にダイヤモ
    ンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料にお
    いて、基材を任意の形状に加工した後、当該基材を熱処
    理することにより、基材表面性状の少なくとも一部は熱
    処理肌とした基材の少なくとも一部表面または全表面上
    にダイヤモンド被覆層を形成してなることを特徴とする
    ダイヤモンド被覆硬質材料。
  8. 【請求項8】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、基材表面にダイヤモ
    ンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料にお
    いて、基材を任意の形状に加工した後、当該基材を熱処
    理することにより、基材表面性状の少なくとも一部は熱
    処理肌とし、表面の結合相を除去した該熱処理肌表面の
    少なくとも一部表面または全表面上にダイヤモンド被覆
    層を形成してなることを特徴とする請求項7記載のダイ
    ヤモンド被覆硬質材料。
  9. 【請求項9】 炭化チタン基サーメットまたは炭窒化チ
    タン基サーメットを基材材質とし、基材表面にダイヤモ
    ンド被覆層を設けてなるダイヤモンド被覆硬質材料にお
    いて、基材を任意の形状に加工した後、当該基材を熱処
    理することにより、基材表面性状の少なくとも一部は熱
    処理肌とし、さらに表面に存在する結合相組成か基材内
    部よりも高い表面層を除去した当該熱処理肌表面の少な
    くとも1部表面または全表面上にダイヤモンド被覆層を
    形成してなる請求項7記載のダイヤモンド被覆硬質材
    料。
  10. 【請求項10】 上記ダイヤモンドを被覆する基材表面
    の表面面粗度が、Rmax で1.5μm以上であることを
    特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の
    ダイヤモンド被覆硬質材料。
  11. 【請求項11】 上記ダイヤモンド被覆層の層厚が、
    0.5〜300μmであることを特徴とする請求項1な
    いし請求項10のいずれかに記載のダイヤモンド被覆硬
    質材料。
  12. 【請求項12】 上記基材はその内部から表面に向かっ
    て結合相がほぼ連続的または段階的に減少しているもの
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のい
    ずれかに記載のダイヤモンド被覆硬質材料。
  13. 【請求項13】 基材となるサーメットを焼結した後、
    COおよび/またはCH4 の分圧が1Torr以上の雰
    囲気にて冷却することにより、得られた焼結体の少なく
    とも一部表面を焼結肌とし、さらに少なくとも該焼結肌
    の一部表面にダイヤモンド被覆層を設けることを特徴と
    するダイヤモンド被覆硬質材料の製造法。
  14. 【請求項14】 基材となるサーメットの焼結および冷
    却を、1Torr以上の窒素ガス雰囲気にて行い、この
    焼結体の少なくとも一部表面について、表面に浸み出し
    た金属成分を酸および/またはアルカリによりエッチン
    グ除去した一部表面にダイヤモンド被覆層を設けること
    を特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料の製造法。
  15. 【請求項15】 基材となるサーメットの焼結を行い、
    目的形状に加工した後、900〜1600℃以上の温度
    で10分〜5時間熱処理を行い、次にCOの分圧が1T
    orr以上の雰囲気にて冷却することにより該基材の少
    なくとも一部表面を熱処理肌とし、さらに当該熱処理肌
    の少なくとも一部表面にダイヤモンド被覆層を設けるこ
    とを特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料の製造法。
  16. 【請求項16】 基材となるサーメットの焼結を行い、
    目的形状に加工した後、1Torr以上の窒素ガス中に
    て900〜1600℃以上の温度で10分〜5時間熱処
    理を行い次に冷却することにより基材の少なくとも一部
    表面を熱処理肌とし、さらに該熱処理肌表面に浸み出し
    た金属成分を酸および/またはアルカリによりエッチン
    グ除去した一部表面にダイヤモンド被覆層を設けること
    を特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料の製造法。
  17. 【請求項17】上記焼結または熱処理において、焼結圧
    力を10〜3000気圧の条件で熱間静水圧プレスを行
    なうことを特徴とする請求項14ないし請求項16のい
    ずれかに記載のダイヤモンド被覆硬質材料の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011218481A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Mitsubishi Materials Corp 炭窒化チタン基サーメット製切削インサートおよびその製造方法

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