JPH05320863A - 耐熱・耐食合金部材及び耐熱・耐食合金部材の製造方法 - Google Patents

耐熱・耐食合金部材及び耐熱・耐食合金部材の製造方法

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JPH05320863A
JPH05320863A JP4214755A JP21475592A JPH05320863A JP H05320863 A JPH05320863 A JP H05320863A JP 4214755 A JP4214755 A JP 4214755A JP 21475592 A JP21475592 A JP 21475592A JP H05320863 A JPH05320863 A JP H05320863A
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resistant
phase
heat
corrosion
resistant alloy
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JP4214755A
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English (en)
Inventor
Masato Kamata
真人 鎌田
Kazuhiro Yasuda
一浩 安田
Masayuki Ito
昌行 伊藤
Takao Suzuki
隆夫 鈴木
Masako Nakabashi
昌子 中橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱・耐食合金材料の本来の特性を損なうこ
となく、耐酸化性、耐食性など表面の特性を改善した合
金部材を提供する。 【構成】 本発明は、Cr、NiおよびCoからなる群
から選択される少なくとも1種の金属MとAlとを含有
する耐熱・耐食合金材料の表面に、bcc構造の緻密な
母相中にfcc構造の金属間化合物M3 Alの相が分散
した二相分離構造組織層を有することを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱・耐食合金材料の
表面に二相分離構造組織層を有する耐熱・耐食合金部材
及び耐熱・耐食合金部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製品の高機能化、高付加価値化に
対する要求が高まっており、この要求に伴い新素材開発
への期待が高まっている。材料の表面改質は、材料本来
の特性を損なうことなく、新しい機能を付加することが
でき、複合効果が有効に得られることから特に期待され
ている。例えば、耐熱・耐食合金材料の特徴をさらに改
善することが要望されている。
【0003】材料の表面の改質方法としては、以下のよ
うな種々の方法が提案されている。
【0004】(1)物理的蒸着法(真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティングなど材料を蒸発させて表
面に堆積させる方法)により材料の表面にコーティング
層を設ける。
【0005】(2)化学的蒸着法(熱CVD、プラズマ
CVDなど主に気相どうしの反応で材料を表面に析出さ
せて堆積させる方法)により材料の表面にコーティング
層を設ける。
【0006】(3)特定の元素を浸透させる(炭素の場
合には浸炭、窒素の場合には窒化、Alの場合にはアル
ミナイジング、その他各種元素のイオン注入)ことによ
り材料の表面層の状態を変化させる。
【0007】(4)溶射、肉盛りなどにより材料の表面
に液相の材料を堆積して凝固させ、コーティング層を設
ける。
【0008】このうち、MCrAl、MCrAl+希土
類元素、Hf,Ti,Si,等を溶射してコーティング
した材料は、高温耐酸化、耐食性に優れており、現在も
ガスタービン発電の部材に用いられている。しかし、よ
り厳しい条件下での使用が求められており、上記溶射材
料でも十分とは言えない状況になってきた。より高温で
の酸化・腐食に対して耐えられる材料があれば、ガスタ
ービン発電の材料特性が格段に向上する。
【0009】これら(1)〜(4)の方法は、基材上に
新たな物質を堆積させた改質層を形成することにより、
表面の状態を改質する方法である。しかし、これらの方
法で形成された改質層自体は緻密性に乏しく、しかも基
材上を覆っているだけであり両者の界面の密着性も悪
い。このため、改質層にクラックが発生したり、改質層
が基材との界面から剥離して、機械的強度の低下よび耐
酸化・耐腐食特性の低下を招き、材料の特性が十分に発
揮できないことがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
方法であると表面が効果的に改質された耐熱・耐食合金
材料を得ることは困難であった。
【0011】本発明の目的は、表面が効果的に改質され
た耐熱・耐食合金部材からなる耐熱・耐食合金部材を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、耐熱
・耐食合金材料の表面に、bcc構造(面心立方構造)
を有する母相中にfcc構造(体心立方構造)の金属間
化合物M3 Al(但し、MはCr,Ni及びCoから選
択される少なくとも一種の金属)の相が分散した二相分
離構造組織層を有することを特徴とする耐熱・耐食合金
部材である。
【0013】また、本発明は、耐熱・耐食合金材料表面
に、bcc構造(面心立方構造)を有する母相中にfc
c構造(体心立方構造)の金属間化合物M3 Al(但
し、MはCr,Ni及びCoから選択される少なくとも
一種の金属)の相が分散した二相分離構造組織層を有す
る基材表面に、Alの酸化物またはAlと希土類元素と
の複合酸化物を形成したことを特徴とする耐熱・耐食合
金部材である。
【0014】また、本発明は、Cr,Ni,Coから選
択される少なくとも一種の元素とAlと希土類元素とを
含む耐熱材料の表面に高エネルギービームを照射してb
cc構造の母相中にfcc構造の金属間化合物M3 Al
の相が分散した構造を形成する工程と、この耐熱材料を
酸素含有雰囲気中で加熱処理することを特徴とする耐熱
・耐食部材の製造方法である。
【0015】本発明において、耐熱・耐食合金材料の表
面に形成される二相分離構造組織層は、緻密な母相と、
この母相中の分散相とからなっている。母相はbcc構
造(面心立方構造)を有し、分散相はfcc構造(体心
立方構造)の金属間化合物M3 Al(MはNi、Coお
よびCrからなる群から選択される少なくとも1種)か
らなっている。
【0016】このような構造を有する組織層を有してい
ると、使用時に酸化性雰囲気中にさらされると、割れの
ない緻密な酸化膜が形成されるため、内部酸化が防止さ
れ良好な耐酸化性を示す。また、材料自体の強度も増加
する。
【0017】これは母相中に分散されたfcc構造の金
属間化合物M3 Alの相が強度の向上させると共に、表
面に形成される酸化膜(Al2 3 等)を構成する金属
の供給源となりより緻密な酸化膜が形成されるためであ
る。
【0018】本発明において、耐熱・耐食合金材料は、
Cr、NiおよびCoからなる群から選択される少なく
とも1種の金属MとAlとを有するものが好ましい。各
構成元素の組成は特に限定されない。例えば、ステンレ
ス鋼、Ni基合金、Co基合金、M´CrAlX(M´
はNi、Co、Feからなる群から選択される少なくと
も1種、XはY,Nd,Sm,La,Ce,Pr,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u,Hf,Sc,Th,Si,Zr,Ti,Ta,P
t,Rh,からなる群から選択される少なくとも1種)
で表される合金が挙げられる。
【0019】より具体的には、Ni基合金、Co基合金
およびM´CrAlX合金としては、以下のような組成
(いずれも重量%)を有するものが用いられる。Ni基
合金は、Cr:6〜15、Co:0〜7、Al:5〜
7、Ti:0〜1、W:6〜9、残部Niの組成を有す
る。Co基合金は、Cr:20以下、Ni:5〜20、
W:8以下、Ta:7〜20、C:0.5〜1、Al:
5〜7、残部Coの組成を有する。M´CrAlX合金
は、M´:35〜80(Ni:0〜80、Co:0〜8
0、Fe:0〜80)、Cr:10〜45、Al:6〜
18、X:3〜10の組成を有する。
【0020】耐熱・耐食合金材料表面に前記二相分離構
造組織層を有する構造を持つ耐熱・耐食合金部材は、前
述の如くの耐熱・耐食合金材料の表面に、レーザービー
ム、電子ビームなどの高密度エネルギービームを照射す
ることによって形成することができる。耐熱・耐食合金
材料の表面は、高密度エネルギービームが照射されると
いったん溶融し、これが凝固したときに分散相である金
属間化合物M3 Alと、非常に緻密な母相が形成され
る。
【0021】レーザービーム、電子ビームなどを用いる
と、他の熱源と比較して高密度エネルギーが得られるた
め、表面改質が容易に行なえるだけでなく、急熱、急冷
も容易である。したがって、これまで困難であった非平
衡過程を伴う表面改質も可能であると考えられる。ま
た、レーザービームはレンズ、ミラーで容易に集光、反
射ができるため、照射部位を容易に制御できる。このた
め、材料表面の任意の箇所にレーザービームを照射し
て、材料表面を部分的に改質することもできる。
【0022】なお、耐熱・耐食合金材料に高密度エネル
ギービームを照射する場合、合金材料によってビームの
吸収率と反射率が異なる。これを補正するためには、ビ
ーム出力、ビーム送り速度、ビーム・オシレーションな
どを調整する。また、大気中で合金材料に高密度エネル
ギービームを照射する場合、改質途中で合金材料が酸化
されてしまう。したがって、真空中またはアルゴン、窒
素などの不活性ガス雰囲気中で改質を行うことが好まし
い。この時の真空度は、10-5〜700Torrまでの
雰囲気に設定される。
【0023】上記の方法で得られた二相分離構造組織層
の表面は平滑である。
【0024】また、上記の方法で得られた本発明の耐熱
・耐食合金部材は、表面に形成された二相分離構造組織
層が非常に緻密であるため、腐食性雰囲気にさらされて
も、腐食性物質が表面より侵入することがなく、良好な
耐食性を維持することができる。また、二相分離構造組
織層は、表面のみに形成されるため、材料全体に影響が
およびにくく、合金材料本来の特性を損なうことがな
い。
【0025】また、本発明においては、耐熱・耐食合金
材料表面に、前記二相分離構造組織層を有する耐熱・耐
食合金部材の表面に、酸素含有雰囲気下で熱処理するこ
とにより、Alの酸化物、又はAlと希土類元素の複合
酸化物を形成しても良い。
【0026】二相分離構造組織層を形成した耐熱・耐食
材料表面に、少なくともAlの酸化物又はAlと希土類
元素との複合酸化物を予め形成しておくと、腐食性雰囲
気に本発明部材を晒しても、腐食性物質が表面から侵入
する事なく、良好な健全性を維持することができる。ま
た、酸化性雰囲気中に本発明による耐熱部材を晒して
も、緻密な酸化物又は複合酸化物が内部酸化を防止し、
部材を保護する作用がある。
【0027】Alと希土類元素との複合酸化物を形成さ
せる場合、希土類元素は、前記母相、分散相を形成する
前に、希土類元素を含む化合物を耐熱・耐食合金材料表
面に塗布、添加してあれば良い。また、耐熱耐食合金材
料中にあらかじめ混入してあっても良い。
【0028】そして、上記Alの酸化物又は複合酸化物
は、大気中または酸素雰囲気中で、200〜1100℃
の温度領域の間で0.1〜100hr.放置して形成さ
せればよく、具体的には大気中、900℃,24hr.
の条件が望ましい。また、上記Alの酸化物又は複合酸
化物は、Al2 3 ,Al5 3 12,Al2
4 9 ,AlYO3 ,Al2 4 9 ,YAlO3 ,A
lNdO3 ,NdAlO3 ,SmAlO3 ,Sm4 Al
2 9 ,LaAl1118,LaAlO3 ,La10Al4
21,Al22La2 36,CeAlO3 ,PrAl
3 ,EuAlO3 ,AlEuO3 ,Al2 Eu
4 9 ,EuAl1219,AlGdO3 ,Al2 Gd4
9 ,Gd3 Al5 12,GdAl1118,TbAlO
3 ,TbAl2 Al3 12,AlDyO3 ,Al2 Dy
4 9 ,Dy3 Al2 (AlO4 3 ,HoAlO3
Ho4 Al2 9 ,Al10Ho6 24,ErAlO3
Er4 Al2 9 ,Al10Er6 24,TmAlO3
Tm3 Al2 Al3 12,Yb3 Al5 12,YbAl
3 ,Al2 Yb4 9 ,Al10Yb4 21,AlLu
3 ,Lu4AL2 9 ,Lu3 Al2 Al3 12,等
が挙げられる。
【0029】なお、これらの中で、Al5 3 12,G
3 Al5 12,Yb3 Al5 12等、いわゆるA3
2 ' B3 ''O12のガーネット構造を持つ複合酸化物は特
に好ましい。
【0030】またAlの酸化物又はAlと希土類元素と
の複合酸化物は、高温、高圧状態の水中または水蒸気雰
囲気に前記二相分離構造を形成した耐熱・耐食材料を晒
すことによって形成してもよい。
【0031】高温、高圧の条件とは、温度150〜40
0℃かつ圧力5〜90kg/cm2の範囲であることが
好ましい。より好ましい条件は、温度300℃かつ圧力
10kg/cm2 である。
【0032】高温、高圧の条件下で酸化物を形成するこ
とにより、より緻密な膜を形成することができる。
【0033】本発明に係る耐熱・耐食部材は種々の方法
を用いて、他の基材上に形成してもよい。その方法とし
ては、溶射,スパッタリング,真空蒸着,粉末塗布,化
学気相成長法などが挙げられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】実施例1 本実施例では、図1に示す改質装置を用いた。図1にお
いて、反応容器11内には走査ステージ12が設けら
れ、この上に被処理材料が載せられる。反応容器11内
は、真空ポンプ(図示せず)により排気される。反応容
器11内にはガス供給管13からアルゴンガスなどの不
活性ガスが供給される。また、被処理材料上に配置され
た光学系を通してレーザービーム14が照射される。
【0036】基材1として20mm×20mmのNi基
耐熱合金を用いた。この基材1の表面に、低圧溶射法に
よってNiCoCrAlY(重量%で23.8Co−1
6.7Cr−13.0Al−Bal Ni)粉末を20
0μm厚さに被覆して、被覆層2を形成した。被覆層2
が形成された基材1を反応容器11内の走査ステージ1
2上にセットし、反応容器11内を5×10-3Torr
まで真空引きした後、アルゴンガスを500ml/mi
nの流量で導入し、反応容器11内の圧力を500To
rrに保持した。走査ステージ12による送り速度を
0.7mm/minに設定し、出力1kW、オシレーシ
ョン幅10mmの条件でCO2 レーザービームを被覆層
2の表面に照射して、表面改質を施した。この結果、1
00μm厚さの改質層3が得られた。
【0037】図2に示すように、電子顕微鏡によりこの
改質層3の断面を観察したところ、緻密な母相中に島状
の分散相が形成された二相分離構造組織となっているこ
とが確認された。電子線回析および元素分析から、母相
はNiCr型bcc構造、分散相はNi3 Al型fcc
構造と同定することができた。
【0038】このようにして改質された試料について、
900℃の大気中で1,000時間酸化試験を行った。
酸化試験後の試料表面には、緻密なAl2 3 が形成さ
れた。また、母相が緻密なために酸素の試料内部への拡
散は起こらず、酸化試験前と同様な二相分離構造組織層
を有しており、良好な耐酸化性を示した。
【0039】比較のために、前記と同様に20mm×2
0mmのNi基耐熱合金基材1の表面に低圧溶射法によ
ってNiCoCrAlY粉末を200μm厚さに被覆し
て被覆層2を形成しているが、表面改質を施していない
試料について、900℃の大気中で酸化試験時間を行っ
た。酸化試験後の試料表面には、針状の緻密でないAl
2 3 層が形成された。また、母相の緻密度が低いため
酸素が被覆層内に拡散して内部酸化を起こし、しかも所
々で被覆層の剥離が観察された。
【0040】実施例2 被処理合金材料として、Ni基超合金の一種であるMa
r−M247(重量%で0.15C−8.28Cr−1
0.1Co−0.64Mo−10.14W−3.14T
a−0.97Ti−5.44Al−0.018B−0.
03Zr−1.25Hf−Bal Ni)を用いた。こ
の合金材料を反応容器11内の走査ステージ12上にセ
ットし、反応容器11内を5×10-3Torrまで真空
引きした後、アルゴンガスを500ml/minの流量
で反応容器内に導入し、反応容器11内を100Tor
rに保持した。走査ステージ12による送り速度を0.
5mm/minに設定し、出力2kW、オシレーション
幅10mmのCO2 レーザービームを合金材料の表面に
照射して、表面改質を施した。この結果、200μm厚
さの改質層が得られた。
【0041】電子顕微鏡によりこの改質層の断面を観察
してところ、緻密な母相中に島状の分散相が形成された
二相分離構造組織となっていることが確認された。電子
線回析および元素分析から母相はNiCr型bcc構造
分散相はNi3 Al型fcc構造と同定することができ
た。このようにして改質された試料について、1000
℃の大気中で1,000時間酸化試験を行った。酸化試
料後の試料表面には、緻密なAl2 3 が形成された。
また、母相が緻密なために酸素の試料内部への拡散は起
こらず、改質層の二相分離構造組織およびその下部のN
i基超合金の組織のいずれも酸化処理前と同様であり、
良好な耐酸化性を維持していた。
【0042】比較のために、表面改質を施していないM
ar−M247試料について、1000℃の大気中で
1,000時間酸化試験を行った。酸化試験後の試料表
面には、針状の緻密でないCO2 AlO4 の被覆層が形
成された。また、母相の緻密度が低いため酸素が拡散し
て内部酸化を起こし、しかも所々で被覆層の剥離が観察
された。
【0043】実施例3 本実施例においては改質装置は実施例1と同様なものを
用いた。基材1として20mm×20mmのNi基耐熱
合金を用いた。そして、基材1の表面にNiCoCrA
lY(23.8Co−16.7Cr−13.0Al−1
0.0Y−Bal Ni:wt%)粉末を低圧溶射法
(図示せず)によって200μm厚さの被覆層2を形成
した。また、100μm厚さの表面改質を行うため、基
材1を反応容器11中にセットした。
【0044】そして、反応容器11中を5×10-3To
rrまで真空引きした後、アルゴンガスを500ml/
minの流量でガス供給管13から反応容器内に導入
し、500Torrに保持する。次いで、被覆層2の表
面を出力1.2kW、オシレーション幅10mmのCO
2 レーザー14で照射し、走査ステージ12の送り速度
を0.7mm/minとして、表面改質を行った。その
結果、100μm厚さの改質層3が得られた。この改質
層3の断面または表面を顕微鏡で観察してみると、図3
に示すように分散物と緻密な母相との二相構造組織8を
呈していた。元素分析を行ったところ、分散物は、Ni
3 Al型fcc構造および緻密な母相はNiCr型bc
c構造と同定することができた。
【0045】この改質した試料を、900℃の大気中で
10hr.酸化物形成を行った。この結果、試料表面に
は、緻密なアルミニウムとイットリウムの複合酸化物A
53 12(9)が形成された。そして、得られた試
料を、1000℃,1000hr.の酸化試験を行った
が、複合酸化物の消失も無く、空気中の酸素が内部に拡
散せず、酸化試験前と変わらぬ複合酸化物を表面に有す
る二相構造組織を呈しており、良好な耐酸化性を維持し
ていた。
【0046】実施例4 本実施例においては、基材として、Ni基超合金の一種
であるMar−M247(0.15C−8.28Cr−
10.1Co−0.64Mo−10.14w−3.14
Ta−0.97Ti−5.44Al−0.018B−
0.03Zr−1.25Hf Bal Ni)を用い
た。
【0047】さらに基材表面にネオジウム粉末を固めて
載せておいた。そして、200μmの表面改質を行うた
め、基材を反応容器中にセットし、反応容器中を5×1
-3Torrまで真空引きした後、アルゴンガスを50
0ml/minの流量で反応容器内に導入し、100T
orrに保持する。次いで、被覆層の表面を出力2k
W、オシレーション幅10mmのCO2 レーザーで照射
し、走査ステージの送り速度を0.5mm/minとし
て、表面改質を行った。その結果、200μm厚さの改
質層が得られた。この改質層の断面または表面を顕微鏡
で観察してみると、分散物と緻密な母相との二相構造組
織を呈していた。電子線回析及び元素分析から母相はN
iCr型bcc構造、分散相はNi3 Al型fcc構造
と同定することができた。この改質した試料を、900
℃の大気中で10時間酸化物形成を行った。この結果、
試料表面には緻密なAlNdO3 が形成された。次い
で、1000℃の大気中1,000hr.酸化試験を行
った。酸化試験後の試料表面は、なんら変化すること無
く、緻密なAlNdO3 が存在していた。さらに酸化試
験前と変わらぬ複合酸化物を表面に有する二相構造組織
を呈しており、良好な耐酸化性を維持していた。
【0048】以上の結果から明らかなように、本実施例
による耐熱部材は従来と比較して耐熱性、耐腐食性が良
好となる。また、この耐熱部材は、一般に表面のみの形
成であるために、材料全体に影響がおよびにくい。この
ため、元の材料特性を損なうことなく表面の特性のみを
向上させることができる。
【0049】実施例5 本実施例においては改質装置は実施例1と同様なものを
用いた。
【0050】基材1として20mm×20mmのNi基
耐熱合金を用いた。上記基材1の表面に低圧溶射法によ
ってNiCoCrAlY(23.8Co−16.7Cr
−13.0Al−10.0Y−Bal Ni;wt%)
粉末を低圧溶射法(図示せず)によって200μm厚さ
の被覆層2を形成した。100μm厚さの表面改質を行
うため、基材1を反応容器11中にセットした。反応容
器中を5×10-3Torrまで真空引きした後、アルゴ
ンガスを500ml/minの流量でガス供給管13か
ら反応容器内に導入し、500Torrに保持する。次
いで、被覆層2の表面を出力1.2kW、オシレーショ
ン幅10mmのCO2 レーザー14で照射し、走査ステ
ージ12の送り速度を0.7mm/minとして、表面
改質を行った。その結果、100μm厚さの改質層3が
得られた。この改質層3の断面または表面を顕微鏡で観
察してみると、図4に示すように分散物と緻密な母相と
の二相構造組織8を呈していた。元素分析を行ったとこ
ろ、分散物は、Ni3 Al型fcc構造および緻密な母
相はNiCr型bcc構造と同定することができた。こ
の改質した試料を、390℃、5kg/cm2 の水中
で、10hr.酸化膜形成を行った。この結果、試料表
面には、厚さ2000オングストロームの緻密なアルミ
ニウムとイットリウムの複合酸化物Al5 3 10(1
0)が形成された。得られた試料を、1000℃,10
00hr.の酸化試験を行ったが、複合酸化物の消失も
無く、空気中の酸素が内部に拡散せず、酸化試験前と変
わらぬ複合酸化物を表面に有する二相構造組織を呈して
おり、良好な耐酸化性を維持していた。
【0051】実施例6 本実施例においては、基材として、Ni基超合金の一種
であるMar−M247(0.15C−8.28Cr−
10.1Co−0.64Mo−10.14W−3.14
Ta−0.97Ti−5.44Al−0.018B−
0.03Zr−1.25Hf Bal Ni)を用い
た。
【0052】さらに基材表面にネオジウム粉末を固めて
載せておいた。200μmの表面改質を行うため、基材
を反応容器中にセットした。反応容器中を5×10-3
orrまで真空引きした後、アルゴンガスを500ml
/minの流量で反応容器内に導入し、100Torr
に保持する。次いで、被覆層の表面を出力2kW、オシ
レーション幅10mmのCO2 レーザーで照射し、走査
ステージの送り速度を0.5mm/minとして、表面
改質を行った。その結果、200μm厚さの改質層が得
られた。この改質層の断面または表面を顕微鏡で観察し
てみると、分散物と緻密な母相との二相構造組織を呈し
ていた。電子線回析及び元素分析から、母相はNiCr
型bcc構造、分散相はNi3 Al型fcc構造と同定
することができた。この改質した試料を、200℃、1
6kg/cm2 の水蒸気中で酸化膜形成を行った。この
結果、試料表面には厚さ3000オングストロームの緻
密なAlNdO3 が形成された。次いで1000℃の大
気中で1000hr.酸化試験を行った。酸化試験後の
試料表面は、なんら変化すること無く、緻密なAlNd
3 が存在していた。さらに酸化試験前と変わらぬ複合
酸化物を表面に有する二相構造組織を呈しており、良好
な耐酸化性を維持していた。
【0053】実施例7 基材としてハステロイX合金(22Cr−1.5Co−
9Mo−19Fe−0.1C−Bal Ni,wt%)
を用いた。100μmの表面改質を行うため、基材を反
応容器中にセットした。反応容器中を5×10-3Tor
rまで真空引きした後、アルゴンガスを500ml/m
inの流量で反応容器内に導入し、100Torrに保
持する。次いで、被覆層の表面を出力1.5kW、オシ
レーション幅10mmのCO2 レーザーで照射し、走査
ステージの送り速度を0.8mm/minとして、表面
改質を行った。その結果、100μm厚さの改質層が得
られた。この改質層の断面または表面を顕微鏡で観察し
てみると、分散物と緻密な母相との二相構造組織を呈し
ていた。電子線回析及び元素分析から母相はNiCr型
bcc構造、分散相はNi3 Al型fcc構造と同定す
ることができた。この改質した試料を200℃、16k
g/cm2 の水蒸気中で酸化膜形成を行った。この結
果、試料表面には厚さ3000オングストロームの緻密
なAl2 3 が形成された。次いで1000℃の大気中
で1000hr.酸化試験を行った。酸化試験後の試料
表面は、なんら変化すること無く、緻密なAl2 3
存在していた。さらに酸化試験前と変わらぬ複合酸化物
を表面に有する二相構造組織を呈しており、良好な耐酸
化性を維持していた。
【0054】比較例として、ハステロイX合金を100
0℃の大気中で酸化試験を行った。酸化試験後の試料表
面には、厚さ10μmの針状の緻密でないNi2 AlO
4 の被覆層が形成された。母相の緻密度が低いために、
空気中の酸素が被覆層内に拡散して、内部酸化を起こし
てしまい、所々で被覆層の剥離が観察された。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明の合金材料
は、表面に二相分離構造組織を有する改質層が形成され
ているため、材料本来の特性を損なうことなく、耐酸化
性などの特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いられた改質装置の
構成図。
【図2】本発明の実施例1において表面改質された合金
部材の金属組織を示す電子顕微鏡写真。
【図3】本発明の実施例3において表面改質された合金
部材の金属組織を示す電子顕微鏡写真。
【図4】本発明の実施例5において表面改質された合金
部材の金属組織を示す電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…基材、2…被覆層、3…改質層、8…二相構造組
織、9,10…複合酸化物層、11…反応容器、12…
走査ステージ、13…ガス供給管、14…レーザービー
ム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 中橋 昌子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱・耐食合金材料の表面に、bcc構造
    の母相中にfcc構造の金属間化合物M3 Al(但し、
    MはCr,Ni及びCoから選択される少なくとも一種
    の金属)の相が分散した二相分離構造組織層を有するこ
    とを特徴とする耐熱・耐食合金部材。
  2. 【請求項2】耐熱・耐食合金材料の表面に、bcc構造
    を有する母相中に、fcc構造の金属間化合物M3 Al
    (但し、MはCr,Ni及びCoから選択される少なく
    とも一種の金属)の相が分散した二相分離構造組織層を
    有する基材の表面に、Alの酸化物又はAlと希土類元
    素との複合酸化物を形成したことを特徴とする耐熱・耐
    食合金部材。
  3. 【請求項3】Cr,Ni,Coから選択される少なくと
    も一種の元素とAlと希土類元素とを含む耐熱材料の表
    面に高エネルギービームを照射してbcc構造の母相中
    にfcc構造の金属間化合物M3 Alの相が分散した工
    程と、この耐熱材料を酸素含有雰囲気で加熱処理するこ
    とを特徴とする耐熱・耐食合金部材の製造方法。
JP4214755A 1992-03-16 1992-07-21 耐熱・耐食合金部材及び耐熱・耐食合金部材の製造方法 Pending JPH05320863A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7699974B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit having a regenerator and a reactor
US7699975B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit for overall CO2 reduction
US7767075B2 (en) 2007-12-21 2010-08-03 Uop Llc System and method of producing heat in a fluid catalytic cracking unit
US7811446B2 (en) 2007-12-21 2010-10-12 Uop Llc Method of recovering energy from a fluid catalytic cracking unit for overall carbon dioxide reduction
US7932204B2 (en) 2007-12-21 2011-04-26 Uop Llc Method of regenerating catalyst in a fluidized catalytic cracking unit
US7935245B2 (en) 2007-12-21 2011-05-03 Uop Llc System and method of increasing synthesis gas yield in a fluid catalytic cracking unit

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