JPH0532081A - 感熱孔版印刷機マスタ−紙用和紙補強剤 - Google Patents

感熱孔版印刷機マスタ−紙用和紙補強剤

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JPH0532081A
JPH0532081A JP21268791A JP21268791A JPH0532081A JP H0532081 A JPH0532081 A JP H0532081A JP 21268791 A JP21268791 A JP 21268791A JP 21268791 A JP21268791 A JP 21268791A JP H0532081 A JPH0532081 A JP H0532081A
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Shuichi Wada
秀一 和田
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Naotaka Yamaji
直貴 山路
Tadayuki Sugimoto
忠之 杉本
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然繊維の抄紙又は天然繊維に合成繊維を一
部混合抄紙した和紙へ含浸加工することにより、乾燥紙
力増強性、湿潤紙力増強性及びポリエステルフィルムと
の湿潤時接着性に優れた樹脂加工極薄和紙とする感熱孔
版印刷機マスタ−紙用和紙補強剤。 【構成】 ポリオ−ル化合物、有機ポリイソシアネ−
ト、イオン性塩形成基及び/又はノニオン性親水基とそ
れに対応する塩形成剤及び鎖伸長剤から得られる水系ウ
レタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂1000原子量中
の、 【化1】 で表わされる芳香族環基及び/又は脂肪族環基の数が2.
6 〜6.0 個の範囲内であり、又その水系ウレタン樹脂の
粒径が0.5 ミクロン以下であること特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドによる
書き込み穿孔方式を用いる製版方式に供する感熱孔版印
刷機マスター紙用和紙補強剤、さらに詳しくは、こう
ぞ、みつまた、マニラ麻等の天然繊維の抄紙またはこれ
ら天然繊維に一部ポリプロピレン、ビニロン、ポリエス
テル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維を混合抄紙した
和紙へ含浸加工することにより乾燥紙力増強性、湿潤紙
力増強性及びポリエステルフィルムとの湿潤時接着性に
優れた樹脂加工極薄和紙とする感熱孔版印刷機マスター
紙用和紙補強剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紙力増強剤には、乾燥紙力増強剤
としてポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミ
ド、デンプン等が、また湿潤紙力増強剤としては尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
ジアルデヒドデンプン、グリオキザール変性PAM、ポ
リアミドポリアミンエピクロルヒドリン等が抄紙工程中
の内添薬剤として使われてきた。また含浸薬剤として、
SBRラテックス、クロロプレンラテックス、NBRラ
テックス、酢酸ビニルラテックス、エチレン酢酸ビニル
ラテックス、アクリレ−トラテックス、塩化ビニルラテ
ックス、塩化ビニリデンラテックス等の樹脂系ラテック
スが乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤の目的で用いられ
てきた。
【0003】合成繊維系不織布に比較して、天然繊維系
の極薄和紙にポリエステルフィルムをラミネート加工し
た感熱孔版印刷機マスター紙では、サーマルヘッドによ
り穿孔し製版印刷するとインキ透過性が良好な反面、耐
水強度が小さい為、水性インキの使用により連続印刷し
た場合の耐刷性が不充分であリ極薄和紙を感熱孔版印刷
機マスター紙として利用する為には、ポリエステルフィ
ルムに対する優れた湿潤時接着力と、従来にない湿潤紙
力が要求されるが、従来技術にあるような抄紙工程中の
内添薬剤ではホルマリンの発生による作業環境性、作業
安全性に問題を有するものがあるだけでなく、湿潤紙力
が不充分であリ、また含浸薬剤として従来用いられてき
た樹脂系ラテックスでもポリエステルフィルムとの湿潤
時接着性に劣り、湿潤紙力も満足されず感熱孔版印刷機
マスター紙用和紙補強剤としてのこれら従来内添薬剤及
び含浸薬剤の使用は耐刷性が不充分で連続印刷時の印字
のにじみが発生するという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、極薄和紙へ含浸加工することにより
乾燥紙力増強性、湿潤紙力増強性及びポリエステルフィ
ルムとの湿潤時接着性に優れた樹脂加工極薄和紙とする
ことにより連続印刷時の印字のにじみが発生しない耐刷
性の優れた感熱孔版印刷機用マスター紙を提供する為の
感熱孔版印刷機マスター紙用和紙補強剤を創製すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決せんが
為、この発明は、分子中に平均分子量62〜5,000 で 2個
以上の水酸基を有するポリオール化合物[A]、分子中
に 2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシ
アネート[B]、分子中に水酸基またはアミノ基とイオ
ン性塩形成基及び/又はノニオン性親水基を有する化合
物[C]とそれに対応する塩形成剤及び鎖伸長剤[D]
とからなる水系ウレタン樹脂組成物において、ウレタン
樹脂1000原子量中の[A]、[B]、[C]および
[D]から導入される下記の構造式、
【化2】 で表わされる芳香族環基、及び/又は脂肪族環基の量が
2.0 〜6.0個の範囲内であり、またその水系ウレタン樹
脂の粒径が0.5 ミクロン以下であることを特徴とする感
熱孔版印刷機マスター紙用和紙補強剤である。
【0006】(手段を構成する要件)以下、発明の構成
に関する主要な事項につき項別して説明する。 (1) 2個以上の水酸基を有するポリオール化合物 本発
明組成物の原料として使用される平均分子量62〜5,000
で 2個以上の水酸基を有するポリオール化合物として
は、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ブタ
ンジオール、プロピレングリール、ヘキサンジオール、
ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフ
ェノールA,ジブロムビスフェノールA,1,4-シクロヘ
キサンジメタノール、ジヒドロキシエチルテレフタレー
ト、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル等の多価アルコール、それらのアルキレン誘導体又は
それら多価アルコール及びアルキレン誘導体と多価カル
ボン酸、多価カルボン酸無水物、若しくは多価カルボン
酸エステルからのエステル化物やポリカーボネートポリ
オール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラ
クトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリチ
オエーテルポリオ−ル、ポリアセタールポリオ−ル、ヒ
マシ油ポリオ−ル等のポリオ−ル化合物等が挙げられ
る。
【0007】(2) 有機ポリイソシアネート 次に、本発明に於る有機ポリイソシアネートととしては
トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシ
アネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレンジ
イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、ヘキサ
メチレンジイソシアネ−ト、水素添加ジフェニルメタン
ジイソシアネ−ト、水素添加トルエンジイソシアネー
ト、テトラメチレンキシリレンジイソシアネ−ト並びに
これらイソシアネ−ト類のビュレット化物やイソシアヌ
レート化物等の従来より慣用されている全ての芳香族、
脂肪族、脂環族系のイソシアネ−ト類の単独もしくは混
合物が挙げられる。
【0008】(3) イオン性塩形成基を有する化合物及び
それに対応する塩形成剤 次に分子中に水酸基及び/又はアミノ基とイオン性塩形
成基を有する化合物及びそれに対応する塩形成剤として
は、 塩形成性のカルボン酸又はスルホン酸基を持つ化合物
及び対応する塩形成剤、 酸で中和可能な第 4級又は第 3級基になり得る基を持
つ化合物及び対応する塩形成剤、 等が挙げられる。
【0009】塩形成性のカルボン酸又はスルホン酸基を
持つ化合物としては、例えばグリコール酸、リンゴ酸、
グリシン、アミノ安息香酸、アラニン、ジメチロールプ
ロピオン酸等のヒドロキシ酸、アミノカルボン酸、多価
ヒドロキシ酸類やタウリン、スルファミン酸、2-ヒドロ
キシエタンスルホン酸等のアミノスルホン酸、ヒドロキ
シスルホン酸類等が挙げられる。またそれに対応する塩
形成剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の 1価の金属水酸化物やアンモニア、トリメチル
アミン、トリエチルアミン等の 3級アミン化合物等が挙
げられる。
【0010】酸で中和可能な第 4級又は第 3級基になり
得る基を持つ化合物としては、例えばN,N−ジメチル
エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の
アルコキシル化アミン類やN−メチル−N−(3−アミ
ノプロピル)−エタノールアミン、N,N−ジメチルヒ
ドラジン等のアミノアルコール類やアミン類等が挙げら
れる。またそれに対応する塩形成剤としては例えば塩
酸、硝酸、蟻酸、酢酸、ジエチル硫酸、メチルクロライ
ド、ベンジルクロライド、キシリレンジクロライド等の
有機及び無機酸類並びに第 4級化反応を起こすハロゲン
原子又は相当する強酸のエステルを含有する化合物が挙
げられる。
【0011】(4) ノニオン性親水性基を有する化合物 次に分子中に水酸基及び/又はアミノ基とノニオン性親
水性基を有する化合物としては、モノアルコール又は多
価アルコールのエチレンオキサイド単独もしくはエチレ
ンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げ
られる。
【0012】(5) 鎖延長剤 本発明に使用される鎖延長剤としては、アミノ基を 2個
以上有する化合物が用いられ、例えばエチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキ
シレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジア
ミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニル
メタンジアミン等が挙げられる。また水も鎖延長剤とし
ての役割を果す。鎖延長剤の添加量はイソシアネート末
端ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して当
量以下が好ましい。
【0013】(6) 芳香族環基及び脂肪族環基量 本発明組成物の製造にあたり、ウレタン樹脂1000原子量
中の[A]、[B]、[C]および[D]から導入され
る下記の構造式、
【化3】 で表わされる芳香族環基、脂肪族環基の量が2.0 〜6.0
個の範囲内であることが必要である。ここで、本発明に
いう芳香族環基、脂肪族環基とは前記分子中に 2個以上
の水酸基を有するポリオール化合物[A]、分子中に 2
個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネ
ート[B]、分子中に水酸基またはアミノ基とイオン性
塩形成基及び/又はノニオン性親水基を有する化合物
[C]及び鎖伸長剤[D]から導入されるものである。
【0014】芳香族環基、及び/又は脂肪族環基の量が
2.0 個未満の場合、得られる水系ウレタン樹脂は軟らか
く、このような水系ウレタン樹脂を感熱孔版印刷機マス
ター紙用和紙に含浸処理した場合、充分な紙力増強効果
が得られず、特に湿潤紙力強度が劣る為、連続印刷時の
印字のにじみが発生する。また芳香族環基、脂肪族環基
の量が6.0 個を越える場合、得られる水系ウレタン樹脂
からは均一な皮膜は形成されず、非常に脆く紙力増強剤
としての効果が得られない。
【0015】(7) 水系ウレタン樹脂の粒径 本発明組成物の製造にあたり、水系ウレタン樹脂の粒径
を0.5 ミクロン以下とすることが必要である。感熱孔版
印刷機マスター紙用和紙はこうぞ、みつまた、マニラ麻
等の天然繊維の抄紙又はこれら天然繊維に一部ポリプロ
ピレン、ビニロン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン
等の合成繊維を混合抄紙したものであり、その繊維径は
5〜20ミクロンと非常に細いものである。粒径が0.5 ミ
クロンを越える水系ウレタン樹脂を感熱孔版印刷機マス
ター紙用和紙に含浸処理した場合、形成される樹脂皮膜
はこれら繊維表面に付着するだけで乾燥紙力増強性、湿
潤紙力増強性に劣る。水系ウレタン樹脂の粒径が0.5 ミ
クロン以下であれば、その繊維内部へ浸透することが出
来、少量の付着量で充分な乾燥紙力増強性、湿潤紙力増
強性を発揮することが出来る。
【0016】(8) 水系ウレタン樹脂組成物の製造 本発明水系ウレタン樹脂組成物の製造方法としては、分
子中に平均分子量62〜5,000 で 2個以上の水酸基を有す
るポリオール化合物[A]、分子中に 2個以上のイソシ
アネート基を有する有機ポリイソシアネート[B]、分
子中に水酸基またはアミノ基とイオン性塩形成基及び/
又はノニオン性親水基を有する化合物[C]とそれに対
応する塩形成剤から得られるイソシアネート末端ウレタ
ンプレポリマーを公知の方法で水中に乳化後、水又はア
ミノ基を 2個以上有する鎖伸長剤[D]で鎖延長するこ
とにより得られる。この際必要に応じてイソシアネート
基と反応しない有機溶媒類をイソシアネート末端ウレタ
ンプレポリマー反応段階、または反応終了後添加する事
により乳化を容易なものとすることができる。この場
合、要すれば減圧下に有機溶媒類を留去して無溶剤型水
系ウレタン樹脂とすることが出来る。また乳化に際しア
ニオン、カチオン、ノニオン性等の界面活性剤を補助的
に添加し乳化を容易にすることも可能である。
【0017】(9) 組成物の用途 本発明組成物は、こうぞ、みつまた、マニラ麻等の天然
繊維の抄紙又はこれら天然繊維に一部ポリプロピレン、
ビニロン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成
繊維を混合抄紙した極薄和紙へ含浸加工することにより
乾燥紙力増強性、湿潤紙力増強性及びポリエステルフィ
ルムとの湿潤時接着性に優れた樹脂加工極薄和紙とする
ことにより、ポリエステルフィルムをラミネート加工し
たサーマルヘッドによる書き込み穿孔方式を用いる製版
方式に供する感熱孔版印刷機マスター紙用和紙補強剤と
して利用出来るものである。
【0018】また本発明組成物は、各種天然繊維、合成
繊維により抄紙された紙に含浸加工することにより乾燥
紙力増強性、湿潤紙力増強性及びポリエステルフィルム
との湿潤時接着性に優れた樹脂加工紙とすることができ
る為、感熱孔版印刷機マスター紙用和紙補強剤としての
利用以外にも印刷用紙、情報用紙、エレクトロニック用
紙、フィルター、医療衛生用紙、家庭用紙、包装用紙等
の二次加工薬品としての適用が考えられる。
【0019】本発明組成物の感熱孔版印刷機マスター紙
用和紙への処理方法としては、スプレー処理、浸漬処
理、刷毛処理、ローラーコーター処理等種々の処理方法
が挙げられる。本発明組成物においては、皮張り防止
剤、レベリング剤、消泡剤、浸透剤、造膜助剤、着色顔
料、増粘剤等の各種添加剤を目的にあった性状にするた
めに性能を低下させない範囲内で配合することも可能で
ある。また、低コスト化等の目的で性能を低下させない
範囲内で、従来から紙力増強剤として使用されてきたポ
リビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニルラテック
ス、SBRラテックス、クロロプレンラテックス、NB
Rラテックス、アクリレ−トラテックス、塩化ビニルラ
テックス等の各種水系樹脂系ラテックスやコロイダルシ
リカ等を混合しても差し支えない。
【0020】また乾燥紙力増強性、湿潤紙力増強性及び
ポリエステルフィルムとの湿潤時接着性に関し、より優
れた樹脂加工紙とする為に、本発明組成物に各種アジリ
ジン系、エポキシ系、カルボジイミド系、メラミン系、
イソシアネート系架橋剤を配合することも有用である。
【0021】こうぞ、みつまた、マニラ麻等の天然繊維
の抄紙又はこれら天然繊維に一部ポリプロピレン、ビニ
ロン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維
を混合抄紙した和紙の主成分は天然セルロース繊維であ
るが、その分子構造は線状でしかも数多くの -OH基が緻
密に配列し微細結晶を形成する為、排他的で他物質への
接着力も良くないものである。その為、従来から紙力増
強剤として使用されてきたポリビニルアルコール樹脂、
SBRラテックス、クロロプレンラテックス、NBRラ
テックス、アクリレ−トラテックス、塩化ビニルラテッ
クス、エチレン酢酸ビニルラテックス等の各種水系樹脂
系ラテックスでは、天然セルロース繊維との密着性が不
充分なだけでなく、その樹脂処理乾燥工程で樹脂のマイ
グレーションが発生する為、目的とする紙力増強効果、
特に湿潤紙力増強効果に劣るものであった。
【0022】しかしながら、ポリウレタン樹脂1000原子
量中の芳香族環基、脂肪族環基の量が2.0 〜6.0molの範
囲内であり、またその水系ウレタン樹脂の粒径が0.5 ミ
クロン以下である水系ウレタン樹脂組成物を和紙へ含浸
加工することにより乾燥紙力増強性、湿潤紙力増強性及
びポリエステルフィルムとの湿潤時接着性に優れた樹脂
加工極薄和紙を製造出来ることが判明した。
【0023】これは、高凝集力を有するウレタン結合、
芳香族環基、脂肪族環基、尿素結合が天然セルロース繊
維との接着性、浸透性を向上しマイグレーションの発生
を抑制するばかりでなく、ガラス転移温度を上昇させる
為、樹脂硬度、樹脂強度、樹脂耐水性を向上させる結果
と思われる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は、それらの実施例に拘束されるもので
はない。 合成例 1〜5 、比較合成例 1〜2 表1に示すように、メチルエチルケトン溶媒中で分子中
に 2個以上の水酸基を有するポリオール化合物[A]、
分子中に 2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリ
イソシアネート[B]、分子中に水酸基またはアミノ基
とイオン性塩形成基及び/又はノニオン性親水基を有す
る化合物[C]とそれに対応する塩形成剤からイソシア
ネート末端ウレタンプレポリマー合成後、公知の方法で
水中に乳化した後、水又はアミノ基を 2個以上有する鎖
伸長剤[D]で鎖延長することにより得られた乳白色〜
透明液状の各種水系ポリウレタン樹脂から減圧下でメチ
ルエチルケトン溶媒を留去して各種無溶剤型水系ウレタ
ン樹脂を製造した。
【表1】
【0025】実施例 1〜5 合成例 1〜 5で得られた各種無溶剤型水系ウレタン樹脂
を7%固形分となるように水で希釈後、マニラ麻から抄紙
された和紙へ含浸後、マングル絞り(絞り圧 2Kg/c
2)機を通過させた後、 150℃雰囲気中で 1分間強制乾
燥して樹脂加工和紙を作成した。
【0026】次に、ポリエステルフィルム上に溶剤型熱
可塑系ポリウレタン樹脂を塗布した後、樹脂加工和紙と
180℃で15秒間圧着することにより感熱孔版印刷機マス
ター紙を作成した。得られた樹脂加工和紙、感熱孔版印
刷機マスター紙に関し、各項目別の諸性能を比較確認し
た。
【0027】実施例 6〜7 合成例 1で得られた無溶剤型水系ウレタン樹脂中に各種
架橋剤を10重量%配合した後、7%固形分となるように水
で希釈後、マニラ麻から抄紙された和紙へ含浸した以外
は実施例 1〜 5と同様にして、得られた樹脂加工和紙及
び感熱孔版印刷機マスター紙に関し、各項目別の諸性能
を比較確認した。
【0028】比較例 1〜2 比較合成例 1〜2 で得られた各種無溶剤型水系ウレタン
樹脂を7%固形分となるように水で希釈後、マニラ麻から
抄紙された和紙へ含浸した以外は実施例 1〜 5と同様に
して、得られた樹脂加工和紙、感熱孔版印刷機マスター
紙に関し、各項目別の諸性能を比較確認した。
【0029】比較例 3 〜6 市販のポリビニルアルコール樹脂、SBRラテックス、
アクリレ−トラテックス、塩化ビニリデンラテックスを
7%固形分となるように水で希釈後、マニラ麻から抄紙さ
れた和紙へ含浸した以外は実施例 1〜 5と同様にして、
得られた樹脂加工和紙、感熱孔版印刷機マスター紙に関
し、各項目別の諸性能を比較確認した。
【0030】比較例 7 次に、ポリエステルフィルム上に溶剤型熱可塑系ポリウ
レタン樹脂を塗布した後、未加工和紙と 180℃で15秒間
圧着することにより感熱孔版印刷機マスター紙を作成し
た。未加工和紙及び得られた感熱孔版印刷機マスター紙
に関し、実施例1〜 5と同様にして各項目別の諸性能を
比較確認した。これら諸性能の比較確認試験結果を表
2、および表3に示す。
【表2】
【表3】
【0031】〈各種性能試験〉 (1)乾燥紙力強度:巾15mmに裁断した樹脂加工和紙を
引っ張り試験機により乾燥紙力強度を測定した。 (2)湿潤紙力強度:巾15mmに裁断した樹脂加工和紙を
水中に30秒間浸漬後、引っ張り試験機により湿潤紙力強
度を測定した。 (3)湿潤時接着性:一辺が5cm の正方形に裁断した感
熱孔版印刷機マスター紙を水中に 120秒間浸漬後、取り
出してポリエステルフィルムと樹脂加工和紙間の接着性
を確認した。 (4)耐刷性 :感熱孔版印刷機を用いてサーマル
ヘッドにより穿孔し、5000枚まで製版印刷して印字にに
じみの発生がないか確認した。
【0032】尚、表1中の分子中に 2個以上の水酸基を
有する高分子ポリオール化合物及び併用架橋剤、界面活
性剤は以下に示すものを使用した。 (a)ビスフェノールAアルキレン誘導体:ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物(平均分子量 360) (b)ポリテトラメチレングリコール:テトラハイドロ
フランの開環重合物 (平均分子量2000) (c)フタル酸系ポリエステル:3-メチル-1,5- ペンタ
ンジオールとジメチルテレフタル酸からのポリエステル
(平均分子量2000) (d)ポリエチレングリコール:ジエチレングリコール
のエチレンオキサイド付加物(平均分子量1000) (e)エポキシ系架橋剤:ソルビトールポリグリシジル
エーテル (f)ノニオン性界面活性剤:ノニルフェノールのエチ
レンオキサイド10mol 付加物
【0033】
【発明の効果】本発明補強剤を天然繊維の抄紙または天
然繊維に合成繊維を一部混合抄紙した和紙へ含浸加工す
ることにより、乾燥紙力増強性、湿潤紙力増強性及びポ
リエステルフィルムとの湿潤時接着性に優れた樹脂加工
極薄和紙とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 5/00 Z

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 分子中に平均分子量62〜5,000 で 2個以
    上の水酸基を有するポリオール化合物[A]、分子中に
    2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシア
    ネート[B]、分子中に水酸基またはアミノ基とイオン
    性塩形成基及び/又はノニオン性親水基を有する化合物
    [C]とそれに対応する塩形成剤及び鎖伸長剤[D]と
    からなる水系ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹
    脂1000原子量中の[A]、[B]、[C]及び[D]か
    ら導入される下記の構造式、 【化1】 で表わされる芳香族環基、及び/又は脂肪族環基の量が
    2.0 〜6.0個の範囲内であり、またその水系ウレタン樹
    脂の粒径が0.5 ミクロン以下であることを特徴とする感
    熱孔版印刷機マスター紙用和紙補強剤。
JP21268791A 1991-07-29 1991-07-29 感熱孔版印刷機マスタ−紙用和紙補強剤 Expired - Lifetime JPH07106677B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002254849A (ja) * 2001-03-06 2002-09-11 Ricoh Co Ltd 感熱孔版印刷用原紙

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