JPH05320197A - スタヒロコッカス・アウレウス菌株27r由来のペニシリン結合タンパク質2aのdnaおよびアミノ酸配列およびその精製に用いるための誘導体およびメシチリン耐性生物に対して有効な化合物の検定法 - Google Patents

スタヒロコッカス・アウレウス菌株27r由来のペニシリン結合タンパク質2aのdnaおよびアミノ酸配列およびその精製に用いるための誘導体およびメシチリン耐性生物に対して有効な化合物の検定法

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JPH05320197A
JPH05320197A JP4063834A JP6383492A JPH05320197A JP H05320197 A JPH05320197 A JP H05320197A JP 4063834 A JP4063834 A JP 4063834A JP 6383492 A JP6383492 A JP 6383492A JP H05320197 A JPH05320197 A JP H05320197A
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plasmid
compound
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ラリー・クリス・ブラッツザック
Paul Luther Skatrud
ポール・ルーサー・スカトラッド
Michele Ceceil Smith
ミシェル・セシル・スミス
Chyun-Yeh Earnest Wu
チュン−イェ・アーネスト・ウー
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メシチリン耐性のスタヒロコッカス(MR
S)、S.アウレウス菌株27Rから単離したPBP2
Aペニシリン結合タンパク質(PBP2A−27R)の
DNA配列とアミノ酸配列、可溶性PBP2Aタンパク
質(PBP2A−27Rs)、PBP2A−27Rの精
製に用いるキレート化ペプチドアミノ酸配列を含有する
誘導体、メシチリン耐性生物に有効な物質の検定法。 【効果】 MRSに有効な物質のスクリーニングに有用
である。また、MRSに可溶性PBP2Aタンパク質は
結晶化し易いために結合ドメインをX線結晶学的に解析
することができ、MRS感染症に対して有用な抗生物質
化合物の合理的な設計に貢献することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】スタフィロコッカス・アウレウス
株27R由来のペニシリン結合タンパク質2AのDNA
およびアミノ酸配列、およびその精製に用いるための誘
導体、およびメシチリン耐性生物に対して有効な化合物
の検定法に関する。
【従来技術と発明が解決すべき課題】β−ラクタム抗生
物質は感受性細菌細胞を殺すことができる。これらの抗
生物質の作用機序は完全には理解されていないが、これ
ら抗生物質は細菌の細胞壁の形成を妨害すると一般に考
えられている。細菌の細胞壁の適正な形成は、大部分の
細菌が正常に成長・発育するのに必要である。細菌細胞
壁の1つの成分はペプチドグリカンである。この分子
は、不均一な組成の高分子物であり、この高分子物は架
橋されると細胞表面を覆う格子構造を与え、この構造は
細胞に対して硬質の機械的特性を与える。グラム陽性菌
では、細胞壁は50〜100分子の厚さであるが、グラム陰
性菌では細胞壁は1〜2分子の厚さに過ぎない。
【0002】ペプチドグリカン層は、短いペプチド連鎖
で架橋された長いグリカン連鎖で構成されている。この
グリカン連鎖は、2つの交互に位置する糖分子、N−ア
セチルグルコサミンおよびN−アセチルムラミン酸で構
成されている。スタヒロコッカス・アウレウス(Staphy
lococcus aureus)では、短い(4つのアミノ酸)ペプ
チドがN−アセチルムラミン酸の残基に結合している。
これらの短いペプチドは、長いペプチドグリカン連鎖間
の結合を行う働きをするペンタグリシンペプチドによっ
て架橋されている。この最終的な架橋反応は膜結合トラ
ンスペプチダーゼタンパク質によって触媒される。β−
ラクタム抗生物質で阻害されるのはこの最終段階であ
る。抗生物質は、上記酵素の天然の基質に似せて、この
酵素と結合して、この主要酵素を恐らくアセチル化する
ことによって不活性化する。
【0003】上記のことは、β−ラクタム抗生物質とト
ランスペプチダーゼの相互作用のごく概略を述べたに過
ぎないが、細菌の細胞壁の生合成にはいくつもの種類の
トランスペプチダーゼが関与していることを理解しなけ
ればならない。放射性ペニシリンを阻害物質として用い
れば、これらのトランスペプチダーゼを同定し試験する
ことができる。したがって、これらの酵素は、“ペニシ
リン結合タンパク質”(PBP)と呼称されている。
【0004】最近、β−ラクタム抗生物質に対して耐性
の細菌の報告が増大していることに対して大きな関心が
寄せられている。このようなβ−ラクタム耐性細胞は、
β−ラクタム抗生物質に感受性の細胞に見られるのとは
異なるPBPを産生することが分かっている。これらの修
飾PBPはβ−ラクタム抗生物質に対する親和性が非常に
低い。これらのペニシリン(およびその他のβ−ラクタ
ム抗生物質)に対する親和性は非常に低いので、これら
の酵素を“ペニシリン結合タンパク質”と呼ぶことは誤
った名称のようである。しかし、これらのPBPは真のPBP
と類縁のものであることは明らかであり、当該技術分野
では一般にペニシリン結合タンパク質と呼ばれているの
でその命名法を今後も続けることにする。β−ラクタム
耐性を与える他の機序があるが(Tomasz, A.ら、Antimi
crob. Agents and Chemotherapy,33(11)巻、1869〜18
74頁、1989年)、これらのβ−ラクタム耐性微生物に対
抗する抗生物質の開発の鍵は、これらの修飾PBPに結合
する薬剤を発見することにあると広く考えられている。
【0005】修飾PBPは、スタヒロコッカス属のメチシ
リン耐性菌株から単離し、そのDNAコーディング配列を
クローン化して配列を決定した。これらの修飾PBPに対
し高い親和性を有する化合物は、スタヒロコッカス属の
メチシリン耐性菌株に対抗する抗生物質として治療上大
きな価値があるであろう。できるだけ広範囲の抗菌活性
を与えるためには、MRSによって産生されるできるだけ
多数のPBPに対する潜在的な薬剤の親和性を分析する必
要がある。本発明は、1つのこのようなPBP、すなわ
ち、MRS感染症に対して有効な治療化合物を合理的に設
計するのに有用なエス・アウレウス菌(黄色ブドウ状球
菌)株27RのPBP2Aを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、1つのこのよ
うな修飾ペニシリン結合タンパク質、すなわちスタヒロ
コッカス・アウレウス菌株27Rから単離したPBP2Aペニシ
リン結合タンパク質(以後PBP2A-27Rと呼ぶ)のDNA配列
とアミノ酸配列を提供するものである。また本発明はPB
P2A-27Aの読み枠に、キレート化ペプチドイン−フレー
ム(chelating peptide in-frame)を有し、その結果、
キレート化ペプチドアミノ酸配列を含有するPBP2A-27RS
タンパク質を発現するPBP2A-27Rタンパク質をコードす
るPBP2A-27R誘導体(以後PBP2A-27R-CPと呼ぶ)のDNA配
列を提供するものである。次いでこのPBP2A-27R-CPの分
子は、Smithらの米国特許第4,569,794号の教示事項に実
質的にしたがって固定化金属イオンカラムで精製でき
る。なおこの特許の全教示事項は本願に援用するものと
する。また本発明は、PBP2A-27R-CP分子とこの分子をコ
ードするDNA配列を提供するものであり、このDNA配列に
は、プロリン残基がキレート化ペプチドとPBP2A-27RS
ミノ酸配列の間に位置して、CP-IMACによる精製の後
に、PBP2A-27RSからキレート化ペプチドを除くのを容易
にする便利で特異的なジペプチダーゼ消化終止部位を提
供する。さらに本発明は、このようなPBPをキレート化
ペプチドに操作可能に結合することによって、例えば、
このようなキレート化ペプチドをコードするDNA配列
を、PBP2A-27Rタンパク質をコードするDNAコーディング
配列の5'末端または3'末端に組み込むことによってPB
Pを精製する方法を提供するものである。また本発明
は、全PBP2A-27Rタンパク質由来の、可溶性形態のPBP2A
-27Rタンパク質(PBP2A-27RSと表示する)を提供するも
のであり、このタンパク質はその天然の経膜領域を欠い
ている。さらに本発明は、メチシリン耐性のブドウ状球
菌を処置する際に治療価値がある化合物を検出するスク
リーニング法にPBP2A-27RもしくはPBP2A-27RSもしくはP
BP2A-27RS-CPを使用する方法を提供するものである。可
溶性形態のPBP2A-27Rタンパク質は結晶化し易い。結晶
形の可溶性PBP2A-27Rは、MRS感染症に対して有用な抗菌
化合物の合理的な設計を助けるX線結晶学で研究するこ
とができる。
【0007】添付図面に示される制限部位と機能の地図
は、本願で考察される組換えDNAベクターを適切に示す
ものである。制限部位の情報は、網羅的なものではない
ので、そのベクターには図に示すよりも多い所定のタイ
プの制限部位がある。図1はプラスミドpUC19の制限部
位と機能の地図である。図2はプラスミドpEWSA8の制限
部位と機能の地図である。図3はプラスミドpEWSA37の
制限部位と機能の地図である。図4はプラスミドM13mp1
8RFの制限部位と機能の地図である。図5はプラスミトM
13mp19RFの制限部位と機能の地図である。図6はプラス
ミドpEWM13-1の制限部位と機能の地図である。図7はプ
ラスミドpEWM13-7の制限部位と機能の地図である。図8
はプラスミドpEWM13-9の制限部位と機能の地図である。
図9はプラスミドpEWM13-12の制限部位と機能の地図で
ある。図10はプラスミドpEWM13-21の制限部位と機能
の地図である。図11はプラスミドpEWM13-22の制限部
位と機能の地図である。図12はプラスミドpEWM13-23
の制限部位と機能の地図である。図13はプラスミドpE
WSA24の制限部位と機能の地図である。図14はプラス
ミドpEWSA25の制限部位と機能の地図である。図15は
プラスミドpEWSA26の制限部位と機能の地図である。図
16はプラスミドpEWSA27の制限部位と機能の地図であ
る。図17はプラスミドpEWSA28の制限部位と機能の地
図である。図18はプラスミドpEWSA29の制限部位と機
能の地図である。図19はプラスミドpOW241の制限部位
と機能の地図である。図20はプラスミドpEWSA30の制
限部位と機能の地図である。図21はプラスミドpEWSA3
1の制限部位と機能の地図である。図22はプラスミドp
EWSA32の制限部位と機能の地図である。図23、24
は、PBP2Aペニシリン結合タンパンク質(PBP2A-27Rと呼
ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス菌株27R
のmecA-27R遺伝子のDNA配列を示す。図25、26はPBP2
A-27Rタンパク質のアミノ酸配列を示す。図27、2
8、29、30は、PBP2Aペニシリン結合タンパク質(PB
P2A-27Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレ
ウス菌株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列と対応するアミ
ノ酸配列を示す。図31は、クラブラン酸ナトリウムの
濃度を変えてpEWSA8とpEWSA37のプラスミドで形質転換
させた細胞からPBP2A-27Rタンパク質が発現されるのを
示すSDS-PAGEゲルのオートラジオグラムである。図32
はプラスミドpEWM39の制限部位と機能の地図である。図
33はプラスミドpEWSA40の制限部位と機能の地図であ
る。図34はプラスミドpEWSA41の制限部位と機能の地
図である。図35、36、37、38、39はMRS菌株
のPBP2Aタンパク質の公知の形態のDNA配列である。これ
らの図で 標識をつけた"Mecaepi"配列はエス・エピデ
ルミディス(S. epidermidis)菌株WT55から単離したmecA
遺伝子である。標識をつけた"Mecaaur"配列はエス・ア
ウレウス菌株BB270から単離したmecA遺伝子である。標
識をつけた"Matso"配列はエス・アウレウス菌株TK784か
ら単離したmecA遺伝子である。標識をつけた"Ewpbp"配
列はエス・アウレウス菌株27Rから単離したmecA27R遺伝
子である。
【0008】以下に本明細書で用いた語句を定義する。 ALa: アミノ酸のアラニン。
【0009】類似体: 他のものと構造が類似している化
合物。ポリペプチドについて用いた場合、一次、二次ま
たは三次の構造を意味する。
【0010】 Arg: アミノ酸のアルギニン Asn: アミノ酸のアスパラギン Asp: アミノ酸のアスパラギン酸
【0011】塩基対(bp): DNAもしくはRNAを意味する。
略号A, C, GおよびTはそれぞれ、DNA分子中に生成する
場合のヌクレオチドである(デオキシ)アデニン、(デ
オキシ)シチジン、(デオキシ)グアニン、および(デ
オキシ)チミジンの5'-モノホスフェートの形態に相当
する。略号U, C, GおよびTはそれぞれ、RNA分子中に生
成する場合のヌクレオチドであるウラシル、シチジン、
グアニンおよびチミンの5'-モノホスフェート形態に相
当する。二重鎖DNAにおいては、塩基対はAとTまたはCと
Gの結合を意味する。DNA/RNAのヘテロ二重鎖では、塩基
対はTとUまたはCとGの結合を意味する。
【0012】CP-IMAC: CP-固定化金属イオンアフィニテ
ィークロマトグラフィの略号である。
【0013】CP-固定化金属イオンアフィニティークロ
マトグラフィ: キレート化ペプチドもしくは遊離のキレ
ート化ペプチドを含有する融合タンパク質を、固体支持
体、またはキレート化ペプチドを有する別の融合タンパ
ク質に結合させる方法であり、この固体支持体もしくは
別のCP-タンパク質は米国特許第4,569,794号に記載され
ている配位結合した金属鎖イオンをもっている。なおこ
の特許はすべて本願に援用するものとする。
【0014】キレート化ペプチド(chelating peptide):
多価金属イオンと錯体を形成することができるアミノ
酸配列。キレート化ペプチドは、CP-固定化金属イオン
アフィニティクロマトグラフィによる精製と固定化を行
う際に用いられる。
【0015】CP-タンパク質: タンパク質分子に操作可
能に連結されたキレート化ペプチドのアミノ酸配列を含
有する融合タンパク質。
【0016】Cys: アミノ酸のシスティン、または他の
システィンの1/2残基とジスルフィド架橋によって共有
結合したシスティンの1/2残基。
【0017】DNA: デオキシリボ核酸。
【0018】EDTA: エチレンジアミン四酢酸の略号。
【0019】機能類似体: その分子もしくは化合物の天
然に生成する形態に対して類似の機能特性をもっている
が修飾された構造を有する分子を意味する。機能類似体
には、親分子の断片もしくは親分子に付加した分子が含
まれ、これらは親分子と類似の機能特性と反応性を有す
る。
【0020】機能等価体(等価物): 同じ機能をもって
いるが異なる構造を有する2つの分子。DNAとRNAの化合
物について用いる場合、この分子は、遺伝コードの固有
の縮重によって単一のタンパク質をコードする多重DNA
配列を含有している。所定のDNA配列は、所定のタンパ
ク質をコードするDNA配列の唯一の大きいが一定の本体
であるということは当該技術分野の熟練者は容易に分か
れるであろう。遺伝コードの天然の縮重は十分に報告さ
れている(Stryer L. Biochemistry 第2版、1981年、W.
H. Freeman and Company、米国、サンフランシスコ、61
9〜640頁)。それ故に、多くのDNAとRNAの配列は、合成
法または既存の配列の部位特異的変異誘発法で製造する
ことができ、これらの配列の転写および/または翻訳に
よって特定のタンパク質が産生される。
【0021】融合タンパク質: 第1ドメインが1つのタ
ンパク質分子のアミノ酸配列を有し、この分子に、これ
とは異質のアミノ酸配列を有する第2ドメインが操作可
能に連結されてなる2ドメインペプチド分子を意味す
る。
【0022】 Gln: アミノ酸のグルタミン。 Glu: アミノ酸のグルタミン酸。 Gly: アミノ酸のグリシン。 His: アミノ酸のヒスチジン。 IMAC: 固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフ
ィの略号。 Ile: アミノ酸のイソロイシン。 Leu: アミノ酸のロイシン。 Lys: アミノ酸のリシン。 Met: アミノ酸のメチオニンまたはその脱ホルミル化類
似体。 mRNA: 伝令RNA。 MRS: メチシリン耐性スタヒロコッカスの略号。 MRSA: メチシリン耐性スタヒロコッカス・アウレウスの
略号。 PBP: ペニシリン結合タンパク質の略号。 PBP2A-AUR: エス・アウレウス菌株BB270から単離され
た、下記のアミノ酸配列を有するPBP2aタンパク質。
【化21】
【化22】
【0023】PBP2A-aurs: 可溶形(すなわち膜結合形で
ない)のPBP2A-aur。
【0024】PBP2A-eip: エス・エピデルミディス菌株W
T55から単離された、下記のアミノ酸(単一文字表示)
配列を有するPBP2Aタンパク質。
【化23】
【化24】
【0025】PBP2A-epis: 可溶形(すなわち膜結合形で
ない)PBP2A-epi。
【0026】PBP2A-mat: エス・アウレウス菌株TK784か
ら単離された、下記アミノ酸(単一文字表示)配列を有
するPBP2Aタンパク質。
【化25】
【化26】
【0027】PBP2A-mats: 可溶形(すなわち膜結合形で
ない)PBP2A-mat。
【0028】PBP2A-27R: スタヒロコッカス・アウレウ
ス菌株27Rから単離した修飾ペニシリン結合タンパク
質。その一次構造は以下のアミノ酸配列を有する。
【化27】
【化28】 またはその機能誘導体。
【0029】PBP2A-27RS: PBP2A-27R分子のペニシリン
結合活性を保有する、PBP2A-27Rタンパク質の可溶性の
すなわち非膜結合性の誘導体。
【0030】PBP2A-27R-CP: PBP2A-27R分子、またはキ
レート化ペプチドと共有結合しているその機能誘導体。
【0031】PBP2A-CP: PBP2A分子(可溶形もしくは膜
結合形)またはキレート化ペプチドと共有結合している
その機能誘導体。
【0032】 PCR: ポリメラーゼ連鎖反応の略号。 Phe: アミノ酸のフェニルアラニン。 プラスミド: 染色体外自己複製遺伝要素。 PMSF: フェニルメチルスルホニルフルオロリドの略号。 Pro: アミノ酸のプロリン。
【0033】プロモーター・オペレーター領域: 所定の
遺伝子の転写の開始を助けて調節するDNA配列。
【0034】読み枠: tRNA、リボソームおよび関連因子
の翻訳装置によって、翻訳がトリプレットに”読取り”
を起こすヌクレオチド配列。各トリプレットは特定のア
ミノ酸に相当している。各トリプレットは別個のもので
同じ長さをもっているので、そのコーディング配列は3
の倍数でなければならない。塩基対の挿入もしくは欠失
(フレームシフト変異と呼ぶ)によって、同じDNAセグ
メントによってコードされる2つの異なるタンパク質が
得られる。これを保証するために、所望のポリペプチド
に対応するトリプレットコドンは開始コドンから3の倍
数で配列されねばならない。すなわち正しい”読み枠”
が維持されなければならない。キレート化ペプチドを有
する融合タンパク質を作製する場合、その構造タンパク
質をコードするDNA配列の読み枠はキレートペプチドを
コードするDNA配列中に保持されねばならない。
【0035】組換えDNAクローニングベクター: 限定は
ないが、1つ以上の付加DNA配列を付加できるかまたは
付加されたDNA分子を有するプラスミドとファージを含
む自己複製作因。
【0036】組換えDNA発現ベクター: 1つのプロモー
ターが異種遺伝子の発現を駆動するために組み込まれた
組換えDNAクローニングベクター。
【0037】レプリコン: プラスミドなどのベクターの
自己複製を制御し行わせるDNA配列。 RNA: リボ核酸。
【0038】 PR-HPLC: 逆相高性能液体クロマトグラフィーの略号。 Ser: アミノ酸のセリン。 Thr: アミノ酸のトレオニン。
【0039】転写: DNAのヌクレオチド配列に入ってい
る情報が相補的RNA配列に転移されるプロセス。
【0040】翻訳: 伝令RNAの遺伝情報を使って、ポリ
ペプチド連鎖の合成を指定して命令するプロセス。
【0041】Tris: トリス(ヒドロキシメチル)−アミ
ノメタンの略号。 Trp: アミノ酸のトリプトファン。 Tyr: アミノ酸のチロシン。 Va1: アミノ酸のパリン。
【0042】ベクター: 遺伝子操作で細胞の形質転換に
用いられるレプリコンであって、適切な制御配列と結合
されると形質転換される宿主細胞に特異的な特性を与え
る、適切なタンパク質分子に相当するポリヌクレオチド
配列を有するレプリコンである。プラスミド、ウィルス
およびバクテリオファージは本来レプリコンであるから
適切なベクターである。人工ベクターは、制御酵素およ
びリガーゼを用いて、異なる起源由来の分子を切断し連
結することによって構築される。ベクターには組換えDN
Aクローニングベクターと組換えDNA発現ベクターが含ま
れる。
【0043】本発明は、メチシリン耐性スタヒロコッカ
ス・アウレウス菌株27Rから単離された下記式1のアミ
ノ酸配列を有するペニシリン結合タンパク質からなる化
合物を提供するものである。
【化29】
【化30】 およびその機能誘導体。
【0044】さらに本発明は、生体内または生体外で転
写・翻訳を行って上記式1の化合物を産生するDNA化合
物を提供するものであり、このDNA化合物は下記式2の
デオキシヌクレオチド化合物で構成されている。
【化31】
【化32】 およびその機能等価体。
【0045】式2のDNA化合物は、式1のPBP2A-27R
タンパク質をコードするDNA配列の唯一の大きな一定の
本体であることは当該技術分野の熟練者には容易に理解
されるであろう。その遺伝コードの天然の縮重は詳しく
報告されている(Stryer, L.,Biochemistry第2版(198
1年)、W.H.Freeman and Company、米国、サンフランシ
スコ、619-635頁)。それ故に、多数のDNA配列および対
応するRNA配列が、合成法または式2のDNA化合物の部位
特異的変異法によって得られ、その配列を生体外もしく
は生体内で転写および/翻訳することによって式1の化
合物が産生される。
【0046】メチシリン耐性スタヒロコッカス・アウレ
ウス菌株27RはRichard Novick博士(NYC Public Health
Department)から入手した。(スタヒロコッカス・アウ
レウス菌株27Rは米国、インディアナ州、インディアナ
ポリス、Eli Lilly & Co.のChyun-Yeh Wu氏から入手で
きる。)その細胞をTYブロス中で増殖させて、この細菌
のメチシリン耐性の原因であるペニシリン結合タンパク
質PBP2A-27RをコードするmecA-27R遺伝子を含有するエ
ス・アウレウスDNAの起源として使用した。得られた細
胞を遠心分離で単離し、溶菌し、次いでフェノール:ク
ロロホルムで抽出して遠心分離することによってDNAを
単離した。
【0047】このDNAをλファージEMBL3内にDNAライブ
ラリーを構築するために用いた。得られたDNAを制限エ
ンドヌクレアーゼSauIIIAで消化した。実施例1−Cで
得た、SauIIIAで部分的に消化されたDNAの試料をEMBL3
ファージ(Stratagene社、米国、カリフォルニア92037、
ラ・ジョラ、ノーストリー・パインズロード11099)の
アームに連結した(この操作はメーカーが規定した条件
に実質的に従って行った)。連結したDNAを次に、λフ
ァージのヘッドに詰め込んだ(Stratagene社、米国、カ
リフォルニア92037、ラ・ジョラ、ノーストリー・パイ
ンズロード11099のGigapackIIGold Packaging Extrac
t)。得られた詰め込みエキストラクトを用いて、Strata
gene社から入手したエシェリキア・コリ(Escherichia c
oli)菌株CJ236に感染させた。得られた感染イー・コリ
細胞をStratagenen社が記載しているようにして、寒天
板上の軟寒天重層にプレートした。増殖したプラークを
mecA-27R遺伝子の存在についてスクリーニングした。
【0048】プラークは、Maniatisらの("Molecular Cl
oning、A Laboratory Manual、1982年、Cold Spring Ha
rbor Laboratories)にプラーク雑種形成法について記載
された手順に実質的に従って雑種形成法によってmecA-2
7R遺伝子についてスクリーニングした。ライブラリーを
スクリーニングするのに用いた雑種形成プローブは、ポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR)で生成させた。PCRオリゴヌク
レオチドプライマーは、メーカーが示唆している、例え
ばApplied Biosystems Model 380Aもしくは380B(Appli
ed Biosystems社、米国、カリフォルニア州、ホスター
シティ)のような自動DNA合成器で合成した。下記のプ
ライマーの配列は、Songらが報した(FEBSLetters、221
(1)巻、167-171頁、1987年)mecA遺伝子のDNA配列に基づ
いたものである。
【化33】
【0049】これらのオリゴヌクレオチドプライマー
は、DNA Thermal Cyclerのメーカー(Perkin Elmer Cetu
s)が指定する条件下でPCR反応を行うのに使用したとこ
ろ、スタヒロコッカス・アウレウス菌株27Rおよびその
他のMRS菌株由来のmecA-27R遺伝子の5'-未満(約1,000
個の塩基)を増幅した。
【0050】上記のプローブに対して陽性の雑種形成応
答を示すプラークを精製した。対象のこれらのプラーク
の形成の原因であるファージ(ファージ分離株#1A)か
らDNAを抽出した。得られたDNAを精製し、選択した制限
酵素で消化した。mecA-27R遺伝子が、約4.0kbのHindIII
による制限断片内に完全に含まれていることが分かっ
た。このHindIIIによる制限断片は、次の試験に用いるm
ecA-27R遺伝子の起源にした。約4.0kbのHindIII制限断
片を制限酵素XbaIで切断し、生成した断片をM13mp
18とM13mp19中にクローン化してDNAの配列を
決定した。スタヒロコッカス・アウレウス菌株27R由来
のmecA-27R遺伝子の全DNA配列をTagTrack Sequencing S
ystem (Promega Corporation社、米国、ウィスコンシン
州53711-5399、マディソン、ウッズ・ホロー・ロード28
00)を用いて、サンガーのdideoxy-mediated chain-term
ination method (Sangerら、Proceedings of the Natio
nal Academy of ScienceUSA、74巻、5463頁、1977年)に
よって測定した。そのDNA配列を図23および24に示
す。そのDNA配列から推定されるアミノ酸配列を図25
および26に示す。
【0051】ファージ#1Aから単離したDNAを制限エンド
ヌクレアーゼHindIIIで完全に消化し、電気泳動法に付
し、DEAEセルロース膜に転移させた。そのDNAをその膜
から外して高塩緩衝液に入れ、エタノールで沈澱させ
た。DNAをペレット化して乾燥した。このDNAは、スタヒ
ロコッカス・アウレウス菌株27R由来のmecA-27R遺伝子
を含有する所望の4.0kbのHindIII制限断片を含有してい
た。
【0052】そのDNA断片をHindIIIで消化したpVC19プ
ラスミドに、当該技術分野で公知の方法によって連結し
た。連結されたDNAは、他の連結生成物とともに所望の
プラスミドpEWSA8とpEWSA37を含有していた。これらの
プラスミドの唯一の差異は、mecA-27R遺伝子を含有する
HindIII制限断片の配向である。プラスミドのpEWSA8とp
EWSA37の制限/機能地図をそれぞれ図2と3に示す。こ
の連結反応生成物を用いて、受容能力のあるエシエリキ
ア・コリK12 DH5α(MAX Efficiency) (Bethesda Resear
ch Laboratories、米国、メリーランド州、ゲイサーズ
バーグから購入した)を形質転換した。形質転換を行っ
た後、その細胞をアンピシリン(100μg/ml)を含有する
寒天板に分布させ、その寒天板を一夜37℃でインキュベ
ートした。
【0053】1つの挿入断片を有するプラスミドを含有
するエシェリキア・コリ形質転換体は、pUC19に存在す
るβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の不活性化反応によって
同定した。pUC19のHindIII部位に1つの挿入断片を有す
るこれらの形質転換体は無色のコロニーを形成したが、
中断されていないプラスミドを有する形質転換体は青色
のコロニーを生成した。無色コロニーから製造したミニ
プレプ(miniprep)のプラスミドDNAをManiatisらが報告
した手順(1982年、"Molecular Cloning、A Laboratory
Manual、Cold. Spring Harbor Laboratory)に実質的に
従って、制限エンドヌクレアーゼによる消化に依ってス
クリーニングした。プラスミドpEWSA8を含有する1つの
分離株と、プラスミドpEWSA37を含有するもう1つの分
離株を回収した。これらのプラスミドを含有する細胞を
それぞれDH5α/pEWSA8およびDH5α/pEWSA37と命名し
た。イー・コリK12 DH5α/pEWSA37をNorthern Regional
Research Laboratories(米国、イリノイ州、ペオリ
ア)National Culture Collectionに寄託したが、受託
番号B-18753で入手できる。
【0054】プラスミドのpEWSA37またはpEWSA8で得た
エシェリキア・コリ形質転換体は、検出可能なレベルの
活性なmecA-27遺伝子産物(PBP-2A-27R)を発現する。こ
れらの形質転換体において、mecA-27R遺伝子の発現は、
天然のスタヒロコッカス・アウレウスのプロモーターで
駆動される(Matsuhashiら、J.Bacteriol、167巻、975〜
980頁、1986年)。pEWSA37とpEWSA8で形質転換されたイ
ー・コリ細胞由来の細胞膜製剤をmecA-27R遺伝子産物(P
BP2A-27R)の存在について下記の方法で分析した。
【0055】その細胞をフレンチプレス(米国、イリノ
イ州、ウルバナ、SLM Amico社)を16,000lb/in2で3回
通過させて破壊した。遠心分離して未破壊の細菌細胞を
除去した後、上澄み液を不連続スクロース勾配液に注入
した。遠心分離(135,000×gで18時間)した後、細胞内
膜と付随するタンパク質を含有する画分を集めた。
【0056】得られた細胞膜製剤に125I-ペニシリンV
(IPV)で標識をつけて、Prestonら(Antimicrobial Agent
s and Chemotherapy、1990年718〜721頁)が記載した手
順にほぼ従って、PBPについて分析した。細胞膜製剤の
一部の4μlを2μlのクラブラン酸ナトリウム(1〜24
3μg/mlのクラブラン酸ナトリウムの濃度)および6μl
の125IPV(96μg/ml)とともに35℃で15分間インキュベー
トした。この反応は、12μlの青色混合物(1mlの20%
サルコシル−ポリアクリルアミドゲル電気泳動試料緩衝
液1:2:12当たり120mgの標識を付けていないPenV)
を添加することによって、停止させた。8%アクリルア
ミド−0.21%N,N'-メチレン−ビスアクリルアミドを用
いて、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法(SDS-PAGE)により、タンパク質を分離し
た。乾燥させたゲルをコダックX-OMATフィルムにフルオ
ログラフィーの増感処理なしで、24℃にて8〜24時間露
出させた。プラスミドpEWSA37もしくはプラスミドpEWSA
8を含有していなかったエシェリキア・コリ膜製剤は、P
BP2A-27Rに相当する位置に放射能標識がついたバンドを
示さなかった。これに対して、pEWSA37もしくはpEWSA8
を有する形質転換細胞は、エス・アウレウス27R由来のP
BP2Aに相当する位置に明確な放射能標識がついたバンド
を示した。そのバンドの強度は、反応に使用したクラブ
ラン酸ナトリウムの濃度が増大するにつれて増大した。
それ故に、スタヒロコッカス・アウレウスPBP2A-27Rタ
ンパク質を産生するイー・コリ細胞が回収された。これ
らのゲルのオートラジオグラムの複写物を図31に示
す。
【0057】さらに本発明は、分子の天然産の膜結合領
域を欠いている、式1のポリペプチド化合物の誘導体で
あるポリペプチド化合物を提供するものであり、このポ
リペプチド化合物は下記式3の化合物で構成されてい
る。
【化34】
【化35】 {式中nは0もしくは1、X=ValもしくはGly-CP[但しC
Pは式:(HiS)x-(A)y-(HiS)z<式中Aはアミノ酸、X=1〜
10、y=0〜4、z=1〜10>で表されるキレートペプチ
ド]}で表される化合物およびそのモノマー、ダイマー
およびトリマーであり、その各モノマー単位は同じでも
異なってもよく、その機能誘導体である。
【0058】ブドウ状球菌による感染症での臨床経験で
変わらないことは、この生物がその経路におかれたすべ
ての抗生物質の障害物を結局は乗り越えることができる
ということである。ペニシリンが出現する前は、ブドウ
状球菌による感染症にかかった患者の予後は不良であっ
た。1940年代より以前は、ブドウ状球菌はほとんどのも
のが普遍的にペニシリンに対して感受性であった。しか
し、このような感受性は短期間しか存存続しなかった(T
hornsberry, C.、J. of Antimicrobial Chemotherapy、
21: Suppl.C、9〜16頁、1988年)。ブドウ状球菌のペニ
シリン耐性菌株の報告は1940年代を通じて増大した。ペ
ニシリン耐性ブドウ状球菌のこれらの初期の菌株は、β
−ラクタム抗生物質を不活性化できる細胞外酵素(β−
ラクタマーゼ)を産生することが分かった。メチシリン
とその誘導体が1960年代に出現してブドウ状球菌のペニ
シリン耐性菌株に対する有効な武器を提供した。しかし
この前進も、これらの抗生物質に対して耐性のブドウ状
球菌の報告によって再び妨害された。臨床医は、新しい
抗生物質化合物が発見されるよりも早く、彼の抗生物質
の武器庫が時代遅れになることを知って、これらのブド
ウ状球菌は臨床医に対して大きな関心を呼んでいる。
【0059】ブドウ状球菌感染症に対して有用な抗生物
質化合物の合理的な設計は、ブドウ状球菌のメチシリン
耐性菌株が産生するペニシリン結合タンパク質の結合ド
メインを確認する性能に依存している。このような潜在
的な抗生物質結合部位の特性はX線結晶学の試験によっ
て測定される。ペニシリン結合タンパク質の特にPBP2A
のX線結晶学の研究を実施する際の大きな障害は、これ
らのタンパク質の特徴的な膜結合性であった。それ故
に、これらのペニシリン結合タンパク質をX線結晶学の
研究に使用できる可溶形で大量に製造することが望まし
い。本発明はこのような可溶性ペニシリン活性形のPBP2
A-27Aタンパク質および他のPBP2Aタンパク質を提供する
ものである。
【0060】先に述べたように、ペプチドグリカンのマ
トリックスの形成は、グリコシド交換反応とペプチド架
橋反応によって行われる。ペニシリンはこのペプチド架
橋反応のステップを阻害する。ペニシリンは、SDSゲル
電気泳動法によって単離されるほどに十分安定なアシル
化付加生成物を生成することによってペプチド架橋反応
に関与する酸素を不活性化する。これらの酸素すなわち
ペニシリン結合タンパク質は、ペニシリンなどのβ−ラ
クタム抗生物質に対して広範囲にわたって変化する親和
性を示す(Ghuysen, J.M.、Biotechnology and Applied
Biochemistry、12巻、468〜472頁、1990年)。遺伝子の
クローン化と配列決定、構造の研究および相同性の研究
の結果、セリンβ−ラクタマーゼ、その低分子量のペニ
シリン結合タンパク質およびその高分子量PBP(特にそ
のペニシリン結合ドメイン)がセリンペプチダーゼの超
族(スーパーファミリー)を形成することが分かってい
る。これらの酸素はすべて、類似の全体にわたる三次元
構造を有する「ペニシリン相互作用ドメイン」を持って
いる(Ghuysen, J.M.ら、Biochemical Journal、250
巻、313〜324頁、1988年)。この「ペニシリン相互作用
ドメイン」は2つの領域で構成されている。一方は「全
α」形構造であり、他方は両面がα−らせんによって保
護された5本鎖のβシートの中心コアを持っている(上
記文献参照)。その活性部位のセリンはそのドメインの
アミノ末端の下流のほぼ約60の残基の位置に存在してい
る。このセリンは、保存4分子Ser-Xaa-Xaa-Lysに所属
し、全α領域の1つのα−らせんのアミノ末端に位置し
ている(上記文献参照)。保存3分子His-Thr-Gly、Lys
-Thr-GlyまたはLys-Ser-Glyはそのドメインのカルボキ
シ末端の上流60残基の位置に存在している。この3分子
は、活性部位の一方の側を形成するβシートの最も奥の
ストランド上にあり、恐らく基質および/またはインヒ
ビターと水素結合の相互作用をしていると考えられる
(上記文献参照)。
【0061】この「ペニシリン相互作用ドメイン」のPB
P2A類似体内での保存によって、そのタンパク質のペニ
シリン結合性が維持される。しかし、自然のままのPBP
構造タンパク質のペニシリン結合性を保存するのに必要
な隣接アミノ酸配列は、まだ知られていなかった。タン
パク質化学では、予想できないので、これらの隣接領域
をどのように修飾すれば不活性かまたは活性のペニシリ
ン結合タンパク質を生成することになるかについて指標
を与えることはできない。活性部位の残基の単なる確認
だけでは、ペニシリン結合タンパク質の全体にわたる三
次元構造を保存するのにどの隣接配列が必要なのかにつ
いての十分な知見は得られない。本発明は、このペニシ
リン相互作用ドメインを保持し、しかも完全PBP2A-27R
分子のペニシリン結合タンパク質の機能を残している可
溶形のmeaA-27R産物を提供するものである。
【0062】PBP2A-27R分子をコードするDNA配列のほぼ
734までの塩基対を欠失しても、PBP2A分子の機能誘導体
の産生が保持されている。PBP2A分子の機能誘導体は、
ペニシリンもしくはβ−ラクタム抗生物質に対して天然
産形のPBP2A分子と同じか、もしくは類似の親和性を有
し、かつ天然のPBP2A分子の酸素機能を保持し、しかも
異なる一次アミノ酸配列を有するPBP2A分子と定義す
る。これらの修飾PBP2A分子を産生するMRS菌株に対向し
て有用な抗菌化合物を設計する際に、PBP2A分子の全酵
素活性を保持する必要がないことは、当該技術分野の熟
練者にとって容易に分かることである。研究中のどの特
定の試験化合物が、これらのPBP2Aタンパク質と結合し
て不活性化するかを確認するために、PBP2Aの活性部位
の適正な三次元の立体配産を保持することだけが必要で
ある。本発明の好ましい実施態様では、天然産のXbaI部
位を利用して遺伝子の最初の734bpを除去する。本発明
の最も好ましい実施態様では、PBP2A分子の機能誘導体
を保持するために最初のほぼ66のbpを除去する。それ故
に、mecA-27R分子の天然産のDNA配列のほぼ734までの塩
基対が連続してコーディング配列から欠失していても、
PBP2A分子の機能誘導体を産生する。同様に、公知のPBP
2A分子間に高い相同性があることは、これらの代替物の
PBP2Aのコーディング配列中の類似の欠失によって、こ
れらのPBP2Aの可溶性機能誘導体が得られることを示し
ている。
【0063】本発明は、X線結晶学の研究に適した可溶
形のPBP2Aタンパク質を提供するものである。これらの
研究から得られる情報によって、ペニシリンと結合する
親和性が減少したメチシリン耐性ブドウ状球菌由来のペ
ニシリン結合タンパク質の構造を推定することができ
る。この情報は、公知のPBP2Aのトランスメンブラン領
域が同一であることとあいまって、MRS菌株由来のPBP2A
分子の修飾ペニシリン結合ドメインの全構造図を提供す
るのを助ける。このようなモデルは、広範囲のメチシリ
ン耐性ブドウ状球菌に対向して有用な抗菌化合物を合理
的に設計するのに有用な情報を提供する。
【0064】mecA-27Rのコーディング領域の5'末端から
NcoI制限エンドヌクレアーゼ切断部位までの欠失部を生
体外での突然変異誘発によって挿入すると、可溶形PBP2
A-27Rタンパク質(PBP2A-27RS)をコードするDNA配列を産
生する。PBP2A-27Rタンパク質をコードするDNA配列を図
35−39に示す他の公開されたmecA配列と比べると、
PBP2A-27Rのトランスメンブラン領域(アミノ酸1〜2
2)をコードするDNA配列は、すべての公知の形態のmecA
と同一である。それ故に、これらの別のPBP2Aタンパク
質をコードする遺伝子から類似の仕方でそのDNA配列
(および得られたタンパク質中に生成するアミノ酸)を
除くと、これらのタンパク質の細胞質ゾル形もしくは可
溶形が得られることは明らかである。また、これらのタ
ンパク質の可溶形のものは、X線結晶学の研究に用い
て、これらの他のPBP2Aの抗生物質結合部位を確認する
ことができる。
【0065】mecA-27R遺伝子の産物、すなわちPBP2A-27
Rは、膜結合形のペニシリン結合タンパク質である。そ
のDNA配列から推定されるアミノ酸配列を分析した結
果、トランスメンブラン領域がそのタンパク質のアミノ
末端の最初のほぼ22のアミノ酸に位置していることが示
唆された。それ故に、生体外の部位特異的突然変異誘発
法を用いて、mecA-27R遺伝子を修飾して、推定上のトラ
ンスメンブラン領域をPBP2A-27Rから除去した。トラン
スメンブラン領域の除去に加えて、有用なNcoI制限部位
が発現ベクターに基づいてエシェリキア・コリ内で発現
できる開始コドンに組み込まれた。この修飾mecA-27R遺
伝子がコードする新しいPBP2A-27Rタンパク質は、エシ
ェリキア・コリ内で発現された場合、細胞膜と結合しな
いので、構造の研究に容易に利用できる。
【0066】スタヒロコッカス・アウレウスからクロー
ン化されたmecA-27R遺伝子をM13ベクターにサブクロー
ン化し、DNA配列を得て生体外での突然変異誘発法の実
験を行った。この生体外での突然変異誘発法の研究で、
タンパク質のトランスメンブラン領域を欠き、かつキレ
ートペプチドと1つの信号配列を新しいPBP2A-27Rタン
パク質のN末端に組み込んだタンパク質を産生する修飾
形のmecA-27Rが製造された。
【0067】生体外部位特異的突然変異誘発法の原理
は、Kunkel T.A.、PNAS、USA、82巻、488〜492頁、1985
年およびSmith M.、Ann.Rev.Genet.、19巻、423〜463
頁、1985年に記載されている。この方法の基本的プロト
コールは、Current Protocols inMolecular Biology、A
usubel, F.M.ら編集、第8章、Wiley Interscience、19
89年および補遺に記載されている。M13mp18 RF DNAと M
13mp19 RF DNA(New England Biolabs社が市販してい
る)は、これらの突然変異誘発法の実験に用いる基本的
な伝播体を提供する。他の多くのベクターとプロトコー
ルを上記のCurrentProtocols in Molecular Biologyに
記載されているような本願に記載のベクターとプロトコ
ールの代わりに用いることができる。プラスミドのM13m
p18RFとM13mp19RFの制限部位と機能の地図をそれぞれ、
添付図面の図4と5に示す。突然変異誘発実験の全体図
を図40に示す。これら2つのベクターは、独立して、Hi
ndIIIとXbalの制限エンドヌクレアーゼで消化されて、
そのベクターDNAが単離された。
【0068】mecA-27R遺伝子を含有するpEWSA37の約4.0
kbのHindIII-HindIII制限断片を次の手順で単離した。H
indIIIで消化した後、生成した断片を電気泳動法で展開
し、ついで臭化エチヂウムで染色して視覚化した。断片
の位置を確認した後、約4.0kbのHindIIIの前方のゲルに
小さなスリットを作り、Schleicher and Schuell (Keen
e社、米国、ニューハンプシャー州03431)DEAE膜の適切
な大きさに切り取った1片をスリット内に置いた。さら
に電気泳動を行って、DNAを上記DEAE膜に非共有結合的
に結合させた。断片をDEAE膜に結合させた後、膜を取り
出して低塩緩衝液ですすいだ。DNAを高塩緩衝液中で溶
離することによって膜から外した。得られた高塩DNA溶
液の容積をNaCl濃度が0.25Mになるように調節し、次に
3倍容積の冷無水エタノールを溶液に添加した。得られ
た溶液を混合し、−70℃で30分間保持した。次に溶液を
遠心分離に付し、上澄液を廃棄し、DNAで構成されたペ
レットを風乾した。得られたDNAペレットを水に再懸濁
させ、エタノールでもう一度沈澱させて残留塩を除去し
た。風乾したDNAペレットを20μlの水に再懸濁させた
が、これはpEWSA37の約4.0kbのHindIII断片を含有して
いた。4.0kb HindII-HindIII制限断片をさらにXbaI制限
エンドヌクレアーゼで消化した。遺伝子の5'領域のほぼ
738のbpとこれに続く上流の配列、および遺伝子の3’
末端のほぼ1269bpを有するほぼ2.1kbの断片とこれに続
く3’配列を含有する上記の生成した約1.82kbの断片を
電気泳動法によって、0.8%アガロースゲル上に分離
し、次いで上記のようにして単離した。
【0069】先に調製して得たHindIII/XbaIで消化した
M13mp18 DNAと、mecA-27R遺伝子の5'末端を含有する前
記1.82kb HindIII/XbaI制限断片とを混合し、T4DNAリガ
ーゼの存在下で連結した。受容能力のあるエシェリキア
・コリK12 JM109("Epicurean ColiTM"、米国、カリフ
ォルニア州92121、サンディエゴ、タンジー・ストリー
ト3770のStratagene社が市販している)をプラスミドDN
A pEWM13-1を含有する連結反応混合物で形質転換した。
M13法のさらに詳細な説明については、M13 Cloning/Did
eoxy、Sequencing Instruction Manual、Bethesda Rese
arch Laboratories [BRL]、Life Technologies, Inc.、
米国、メリーランド州20877、ガイサーズバーグを参照
のこと。なお、この文献は本題に援用するものとする。
mecA-27R遺伝子の5'末端を有する所望のほぼ約1.82kbの
HindIII/XbaI断片の挿入断片を含有する形質転換体をβ
−ガラクトシダーゼ活性(無色のプラーク表現型)の挿
入失活法と、複製型(RF)DNAの制限酵素分析によって同
定した。スクリーニングするために、透明なプラークを
パスツールピペットを用いて、プレート重層物から初期
対数成長相のイー・コリK12 JM109細胞の3mlづつ(プ
ラーク当たり)に充填した。培養物を通気しながら37℃
で6〜18時間インキュベートした。このインキュベーシ
ョンの後、各培養物の1.5mlづつを別個の1.5mlエッペン
ドルフ管でペレット化した。上澄液は、ファージ粒子を
含有しているが、これは新しい管内にデカントされ、4
℃で貯蔵され、ファージ接種物の起源として用いた。
【0070】下記のことを除いて、BirnboimとDoly、Nu
c. Acids Res.、7(6)巻、1513〜1523頁、1979年のアル
カリ性プラスミド製造法の教示に実質的に従って、複製
型DNAを細胞のペレットから製造した。この方法をスケ
ールアップして行い、1.5倍容積の溶液I、IIおよびIII
を使用し、透明溶解液を等容積のCHCl3で1回抽出し
た。次に0.4倍容積のイソプロパノールを添加してDNAを
沈澱させ、室温で20分間インキュベートした。DNAを遠
心分離によって集め、0.3M NaOACからエタノールで沈澱
させた。このようにして単離されたDNAを制限分析する
ことによって、ほぼ1.82kbのHindIII/XbaI制限断片の存
在を確認した。この方法によって、イー・コリK12 JM10
9/pEWM13-1細胞を同定した。次にこれらの細胞は、部位
特異的突然変異誘発およびDNAの配列決定に用いるファ
ージとプラスミドのpEWM13-1の起源として使用した。図
6は、ファージpEWM13-1の制限/機能地図を示す。
【0071】逆の配向を得るために、mecA-27Rの5'末端
を含有するHindIII/XbaI断片をM13mp19内にクローン化
した。このプラスミドは、DNAの配列決定試験に有用で
ある。先に製造したHindIII/Xbalで消化したM13mp19DN
A、およびmecA-27R遺伝子の5'末端を含有する1.82kbのH
indIII/Xbal制限断片を混合し、T4DNAリガーゼの存在下
で連結した。先に述べたようにして、この連結反応混合
物でイー・コリを形質転換し、次にプラークをスクリー
ニングした。所望のプラスミドを含有するイー・コリJM
109/pEWM13-7細胞を上記のようにして同定した。これら
の細胞は、配列決定反応を行うための一重鎖DNAの起源
であった。プラスミドpEWM13-7の制限部位と機能の地図
を図7に示す。
【0072】mecA-27Rの3'末端も、DNA配列決定用に両
方のM13ベクターにクローン化した。HindIII/Xbalで消
化したM13mp18DNAおよびmecA-27R遺伝子の3'末端を含有
する2.1kbのHindIII/Xbal制限断片を混合し、T4DNAリガ
ーゼの存在下で連結した。この連結反応混合物でイー・
コリを形質転換しプラークをスクリーニングしてイー・
コリJM109/pEWM13-9細胞を同定した。これらの細胞は、
配列決定反応に用いる一重鎖DNAの起源として用いた。
プラスミドpEWM13-9の制限/機能地図を図8に示す。me
cA-27Rの3'末端の逆方向の配向を得るために、遺伝子の
所望の領域を含有するHindIII/Xbal断片をM13mp19にク
ローン化した。HindIII/Xbalで消化したM13mp19DNA、お
よびmecA-27Rの遺伝子の3'末端を有する2.1kbのHindIII
/XbaI制限断片を混合し、T4DNAリガーゼの存在下で連結
した。この連結反応混合物でイー・コリを形質転換しプ
ラークをスクリーニングして、イー・コリJM109/pEWM13
-12を同定した。これらの細胞は、配列決定反応に用い
る一重鎖DNAの起源として使用した。プラスミドpEWM3-1
2の制限/機能地図を図9に示す。
【0073】生体外での突然変異誘発法に使用するため
に、mecA-27Rの5'末端に相当する一重鎖DNAを次のよう
にして製造した。初期対数成長相のエシェリキア・コリ
K12 CJ236(Bio-Rad Laboratories、米国、カリフォルニ
ア州94804、リッチモンド、ハーバー・ウェイ・サウス1
414)の10mLの培養物にファージ保存物(pEWM13-1)の約20
0μlを接種して、通気しながら37℃で約18時間インキュ
ベートした。得られたペレットは一重鎖のファージpEWM
13-1を含有していた。得られた溶液をまずCHCl3で抽出
し、次にTEを飽和させたフェノールで抽出して一重鎖DN
Aを遊離させた。得られた溶液を次にTEで飽和させたフ
ェノール:CHCl3(1:1、v/v)の混合物で2度抽出し次
にCH3Cl3だけで2回抽出した。次に一重鎖DNAを0.3M Na
OAcから沈澱させ、遠心分離に付して集め、得られたペ
レットを0.1XTE緩衝液に再懸濁させた。この溶液は一重
鎖pEWM13-1DNAを含有していた。
【0074】生体外での突然変異誘発に用いる合成オリ
ゴヌクレオチドを自動DNA合成器を用い、メーカー提供
の支持にほぼ従って合成した。突然変異誘発法のプライ
マーは以下のように選定した。
【0075】(1) 2ALOOP-1:下記のDNA配列を有する
48ヌクレオチド長さの一重鎖DNA断片であって、mecA-27
Rの翻訳開始コドンの5'に隣接する21の塩基と同一、開
始コドンに組み込まれたNcoI制限部位、PBP2A-27Rのア
ミノ酸23に対するコドンで始まる21の塩基と等しい断
片。
【化36】
【0076】上記オリゴヌクレオチド(2ALOOP-1)による
生体外での突然変異誘発は、MUTAGENETMIN VITRO MUTAG
ENESIS KITの指示マニュアル(カタログ番号170-3571、
Bio-Rad Laboratories、米国、カリフォルニア州9480
4、リッチモンド、ハーバー・ウェイ・サウス1414)に
記載の手順にほぼ従って行った。このマニュアルの全教
示事項は、本願に援用するものとする。所望の変異部を
有するファージDNAを含有するプラークは、Qiagen Plas
mid Midi Kit (Qiagen Inc.社、米国、カリフォルニア
州91311、チャトスウォース、イートン・アベニュー925
9)を用いて、このメーカーの推薦方法にほぼ従って、単
離したRF DNAを制限分析することによって同定した。所
望の変異部を示すRF DNAを含有する単離物を得た。これ
らの培養物を修飾された形態のmecA-27R遺伝子の5'末端
を有するほぼ0.74kbのNcoI/Xbal制限断片を含有するRF
DNAの起源として用いた。
【0077】修飾された形態のmecA-27R遺伝子の5'末端
を含有する制限断片は次のようにして単離した。エシェ
リキア・コリ培養物JM109/pEWM13-21を200mlのTYブロス
に接種し、通気しながら一夜インキュベートした。遠心
分離に付すことによって(8,000rpm、4℃、GSAロータ、
10分間、Beckman Sorvall centrifuge)、細胞を各一夜
培養物から収穫した。上澄液を廃棄し、次いでQiagen P
lasmid Mid: Kitを用い、そのメーカーの推薦方法にほ
ぼ従って(Qiagen Inc.、米国、カリフォルニア州9131
1、チャトスウォース、イートン・アベニュー9259)、複
製型のpEWM13-21をペレット化細胞から単離した。この
プラスミドから、mecA-27R遺伝子の5'末端を含有するHi
ndIII/XbaI制限断片を単離した。得られた精製DNA制限
断片を以下に説明する。この断片を約20μlの滅菌水に
再懸濁して、所望の制限断片の約2μgを含有させた。
【0078】所望の修飾部を含有するmecA-27R遺伝子を
再構築するためには、中間体のプラスミドpEWSA24を製
造する必要があった。これは次のようにして実施した。
プラスミドpVC19(Bethesda Research Laboratories、米
国、メリーランド州20877、ガイサーズバーグ、図1)
をHindIIIとXbaIの制限酵素で消化した。HindIII/XbaI
で消化した所望のpVC19ベクターをプラスミドpEWM13-1
の約1.8kbのHindIII/XbaI制限断片と混合して連結し
た。連結されたDNAは、所望のプラスミドpEWSA24と他の
連結反応生成物を含有していた。形質転換を受容できる
エシェリキア・コリK12 DH5α(MAX Efficiency)をプラ
スミドpEWSA24を含有する連結反応混合物で形質転換し
た。形質転換を行った後、アンピシリン(100μg/ml)、4
0μg/mlの5ーブロモ−4−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトシド(X-gal)および0.1Mのイソプロピ
ルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)を含有する寒天プレー
トに得られた細胞を分布させ、そのプレートを一夜37℃
でインキュベートした。1挿入断片を有するプラスミド
を含有するエシェリキア・コリ形質転換体をpVC19上に
存在するβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を不活性化するこ
とによって固定した。pVC19のHindIII部位とXbaI部位に
連結された1挿入断片を有するこれらの形質転換体は、
無色のコロニーを形成したが、一方中断されていないも
のは青色のコロニーを形成した。Maniatisら(1982年、"
Molecular Cloning、A Laboratory Mannual、Cold Spri
ng Harbor Laboratory)に記載された手順に実質的に従
って、制限エンドヌクレアーゼで消化することに依っ
て、無色のコロニーから製造したミニプレッププラスミ
ドDNAをスクリーニングした。プラスミドpEWSA24を含有
する1つの単離物を回収した。このプラスミドを含有す
る単離物をDH5α/pEWSA24と命名した。
【0079】mecA-27Rの変異型の5'末端をpVC19中にク
ローン化したが、その野生型3'末端をこれら変異体の5'
末端に連結する必要があった。プラスミドpEWSA37はmec
A-27R遺伝子の野生型3'末端の起源を提供した。エシェ
リキア・コリDH5α/pEWSA37から精製したプラスミドDNA
を制限エンドヌクレアーゼXbaIによって消化を完了させ
た。この制限エンドヌクレアーゼによる消化で生成した
DNA断片を0.8%アガロースゲル上の電気泳動法によっ
て、所望のほぼ2.1kbのXbaI断片が他の消化生成物から
明確に分離されるまで分離した。
【0080】mecA-27R遺伝子の変異体の5'末端を以下の
手順で野生型3'末端と連結した。プラスミドDNAをQiage
n Plasmid Midi Kitを用いて、エシェリキア・コリ菌株
DH5α/pEWSA24から単離した。pEWSA24DNA(B
ethesda Research Laboratories、米国、メリーランド
州20877、ガイサーバーグ)を制限酵素XbaIで消化した。
反応をフェノール:クロロホルムによる抽出によって停
止させ、DNAを水性相に回収し、これをエタノールで沈
澱させて濃縮した。得られたペレットは、20μl水に再
懸濁させたが、所望のXbaI消化pEWSA24ベクターを約2
μg含有していた。この方法で得たベクターDNAは−20℃
で貯蔵した。
【0081】pEWSA37から単離した約2.1kbのXbaI制限断
片をXbaI消化pEWSA24プラスミドベクターDNAと混合し、
T4DNAリガーゼの存在下で連結した。連結されたDNAは所
望のプラスミドpEWSA27と他の連結反応生成物を含有し
ていた。形質転換の受容能力があるエシェリキア・コリ
K12 DH5α(MAX Efficiency、Bethesda Research Labora
tories、米国、メリーランド州20877、ガイサーズバー
グ)をプラスミドpEWSA24を含有する連結反応混合物で形
質転換した。形質転換を行った後、生成した細胞をアン
ピシリン(100μg/ml)を含有する寒天プレートに分布さ
せた。このプレートを37℃で一夜インキュベートした。
pEWSA24のXbaI部位に1挿入断片を有するプラスミドを
含有するエシェリキア・コリ形質転換体をQiagen Plasm
id Midi Kitを用いて製造したミニプレッププラスミドD
NAを制限エンドヌクレアーゼで消化することによって同
定した。XbaI部位に1挿入断片を有するプラスミドを含
有する単離を回収し、次にXbaI挿入断片の配向について
スクリーニングした。挿入されたDNAの配向を決定する
のに、制限エンドヌクレアーゼのSphIとBamHIが特に有
用であった。所望の配向の挿入断片を含有するプラスミ
ドは、これらの酵素の両方で同時に切断されると、ほぼ
0.52kbの制限断片+他の断片を産生する。挿入断片の配
向が間違っている場合、0.52kbの制限断片が存在し、別
の1.58kbのSphI制限断片が出現した。所望のプラスミド
を含有する単離物が見出され、DH5α/pEWSA27と命名し
た。変異型のmecA-27R遺伝子(すなわちDH5α/pEWSA2
7)を含有するエシェリキア・コリ培養物を200mlのTYブ
ロス中で一夜増殖させた。細胞を収穫し、そのプラスミ
ドDNAをQiagen Plasmid Midi Kitを用いて抽出した。こ
の方法で単離したプラスミドDNAを200μlの滅菌水中に
再懸濁させてプラスミドpEWSA27を含有させた。
【0082】修飾mecA-27R遺伝子をエシェリキア・コリ
中で有効に発現するために、その遺伝子をエシェリキア
・コリの発現ベクター中に移動させた。上記の単離され
たプラスミドをNcoIとBamHIの制限酵素で消化した。得
られた反応混合物を0.8%アガロースゲルに注入し、所
望のNcoI/BamHI断片(約2.1kb)が他の消化生成物から
明確に分離するまで電気泳動を行った。この断片は、上
記のようにして単離された。プラスミドpEWSA27由来の
変異型のmecA-27R遺伝子を有する所望のNcoI/BamHI制限
断片(断片A)は、トランスメンブラン領域を欠いてい
るがNcoI部位を含有している。
【0083】プラスミドpOW241は、エシェリキア・コリ
中に異質のタンパク質を産生させるのに有用な発現ベク
ターである。異質タンパク質の発現は、熱誘発性λpLプ
ロモーターの誘発に依存している。また、このプラスミ
ドは翻訳開始部位に非反復NcoI部位、および対象の遺伝
子を含有する制限断片の3'末端として有用な位置の下流
にBamHI部位を持っている。pOW241中では、pcbc遺伝子
がNcoI部位とBamHI部位の間の領域を占めている。pcbc
遺伝子は、各種の形のmecA-27R遺伝子を発現させるのに
有用なpOW241を作るために取り出さなければならない。
プラスミドpOW241の制限部位と機能の地図を図19に示
す。プラスミドpOW241はプラスミドpCZ336の誘導体であ
る(Samsonら、Bio/Technology、5巻、11号、1207〜121
4頁、1987年)。
【0084】プラスミドpOW241をNcoIとBamHI制限エン
ドヌクレアーゼで消化し、生成したDNA断片を所望の約
6.1kbの断片が他の消化生成物から明確に分離されるま
でアガロースゲル電気泳動に付して分離した。ほぼ6.1k
bの断片が単離され−20℃で貯蔵した。
【0085】プラスミドpEWSA27の約2.8kbのNcoI/BamHI
制限断片をNcoI/BamHIで消化したpOW241プラスミドベク
ターDNAと混合して連結させた。連結されたDNAは所望の
プラスミドpEWSA30と他の連結反応生成物を含有してい
た。形質転換を受容できるエシェリキア・コリK12 DH5
α(MAX Efficiency)を上記のプラスミドpEWSA30を含有
する連結反応混合物で形質転換した。形質転換を行った
後、得られた細胞をL−寒天およびテトラサイクリン(1
00μg/ml)を含有する寒天プレートに分布させ、そのプ
レートを一夜30℃でインキュベートした。1挿入断片を
有するプラスミドを含有するエシェリキア・コリ形質転
換体をQiagen Plasmid Midi Kitを用いて製造したミニ
プレップ・プラスミドDNAを制限酵素で消化することに
よって同定した。ほぼ2.8kbのNcoI-BamHI制限断片を含
有する単離物が回収され、これをさらに制限分析法で分
析して、適正な断片が挿入されたことを立証した。適正
なプラスミドを含有していることを見出された単離物を
DH5α/pEWSA30と命名した。pEWSA30の制限部位/機能地
図を図20に示す。
【0086】プラスミドpEWSA30で発現される修飾PBP2A
-27Rタンパク質の活性を次のようにして分析した。エシ
ェリキア・コリK12 DH5α/pEWSA30形質転換体を500mlの
Lブロス(10μg/mlのテトラサイクリン含有)内で、旋
回インキュベーター(250rpm)中において一夜30℃で増殖
させた。10mlの上記培養物を2.8Lフラスコに入っている
10μg/mlのテトラサイクリン含有の新しいLブロス990m
lに添加することによって、上記細胞を100倍に希釈し、
同じ増殖条件下30℃で1時間インキュベートした。次に
温度を42℃に上げて、タンパク質の発現を誘発してイン
キュベーションを続けた。プラスミドpEWSA30上の修飾m
ecA-27Rコーディング配列の発現を駆動するために配置
されているλpLプロモーターのcI857温度感受性受容体
は、42℃で不活性化される。それ故に、修飾型のmecA-2
7Rの42℃における発現は宿主細胞内で起こる。誘発の
後、細胞を遠心分離によって収穫し、イー・コリが産生
したPBP2A-27R活性の好ましい起源として使用した。
【0087】培養物から収穫された細胞をPBP2A-27Rの
活性について検定した。この場合、宿主細胞の膜を調製
する必要はなかったが、イー・コリ細胞を溶解する必要
がある。自生のタンパク質を膜に結合させるPBP2A-27R
タンパク質のトランスメンブラン部分を変異型のmecA-2
7R遺伝子に移動させた。その結果PBP2A-27Rタンパク質
は細胞質ゾル形(PBP2A-27RS)で発現される。
【0088】プラスミドのpEWSA25とpEWSA26、およびエ
シェリキア・コリ菌株のDH5α/pEWSA25とDH5α/pEWSA26
は、プラスミドpEWSA24とイー・コリ菌株DH5α/pEWSA24
について上記した方法に従って構築した。プラスミドpE
WSA25は、Met-Gly-His-Trp-His-His-Hisのキレートペプ
チドをコードする配列を有するmecA-27R遺伝子の5'末端
を含有するpEWM13-22のHindIII-XbaI断片を用いて構築
した。プラスミドpEWSA26は、Met-Gly-His-Trp-His-His
-His-Proキレートペプチドをコードする配列を有するme
cA-27R遺伝子の5'末端を含有するpEWM13-23のHindIII-X
baI断片を用いて構築した。プラスミドのpEWSA24、pEWS
A25、およびpEWSA26の制限/機能地図をそれぞれ図1
3、14および15に示す。
【0089】さらに本発明は、天然産の膜結合領域を欠
き、かつ遷移金属のイオンと配位共有結合型錯体を形成
することができるキレートペプチドなどの有機キレート
化部分に作動可能に連結されている、式3の化合物およ
びその誘導体の化合を提供するものである。
【0090】可溶形のPBP2A-27Rタンパク質もキレート
ペプチドをコードするDNA配列を組み込むことによって
修飾することができ、得られるタンパク質は"CP"という
接尾語を追加することによって呼称している(例えばPB
P2A-CP、PBP2A-27R-CP)。キレートペプチドをコードす
るDNA配列は、ペニシリン結合タンパク質をコードする
配列の5'末端もしくは3'末端のいずれかに位置してい
る。PBPをコードする配列の5'または3'の末端に、キレ
ートペプチドをコードする配列を組み込むか否かの決定
は、ほとんど利用される特定の分子に依存し、かつキレ
ートペプチドは単に精製部分として使用すべきなのか、
または以下に述べる固定化装置として使用すべきなのか
どうかに依存している。固定化された遷移金属イオンと
錯体を形成する各種のキレートペプチドを利用できる。
このようなキレートペプチドは、式:(His)x-(A)y-(Hi
s)z(式中Aはアミノ酸、x=1-10、y=0-4、z=1-10)で表
され、そのモノマー、ダイマーおよびトリマーが含ま
れ、各モノマーの単位は同一でも異なっていてもよい。
【0091】本発明の好ましい実施態様では、キレート
ペプチドは少なくとも1つおよび好ましくは2つ以上の
ヒスチジン残基を含有する長さが2〜10のアミノ酸であ
る。本発明の好ましい実施態様では、AはTrp、Glyおよ
びTyrからなる群から選択される。本発明の実施態様で
最も好ましいキレートペプチドを表Iに示す。組替えタ
ンパク質の特徴であるN末端のメチオン残基を置いて上
記のキレートペプチドの配列の機能面を依然として保持
することが可能である。さらにCP-タンパク質のN末端
とキレートペプチドの間に1ないし、ほぼ6個のアミノ
酸を置いてキレートペプチドの金属結合特性を保持する
ことも可能である。また、キレートペプチドがタンパク
質のC末端に位置している場合は、このキレートペプチ
ドに続いて1ないし、ほぼ6個のアミノ酸を位置させる
ことも可能である。また、キレートペプチドをタンパク
質の一次構造内に組み込んで、その表面を暴露させ金属
イオンと錯体を作ることができるようにすることもでき
る。
【表1】
【0092】本発明の実施態様には、各種の金属イオン
を組み込むことができる。Cr(III)、V(II)、Mn(IV)のよ
うな充満(d6)レベル、または半充満(d3)レベル形の8面
体錯体、ならびにCo(III)、Fe(II)、Ru(II)、Os(II)、R
h(III)、Ir(III)、Pd(IV)およびPt(IV)の低スピン形の
8面体錯体は著しく不活性な傾向があり、この発明を実
施態様に有用である。(Hanzik, Robert P.、Inorganic
Aspects of Biological and Organic Chemistry、Acade
mic Press、ニューヨーク、1976年、109頁、およびCott
on F.A.およびWilkinson, G.、上記文献を参照)。当該
技術分野の熟練者ならば、本発明の実施態様にこれらの
金属イオンを組み込む際に関与するパラメータは分かる
であろう。本発明の好ましい実施態様では、金属イオン
はCo、CrおよびRuからなる群から選択される。本発明の
最も好ましい実施態様における金属イオンはCoである。
本発明の最も好ましい実施態様ではCo(II)、Cr(II)また
はRu(III)それぞれからCo(III)、Cr(III)またはRu(II)
へと進行して不活性錯体を生成することが望ましい。金
属Zu、CuまたはNiのイオンは精製を目的とする場合は有
用であるが、Co(III)イオンの様な好ましい金属イオン
を有する錯体と同じように不活性な錯体を提供しないよ
うである。
【0093】ある金属イオンは、特定のキレート化剤を
用いる場合に選択される。一般に本発明のためには、硬
質金属イオンはより硬質の配位子と錯体を形成させねば
ならず、軟質金属イオンは軟質の配位子と錯体を形成さ
せねばばらない。例えば使用されるキレート化剤がイミ
ノニ酢酸(IDA)の場合、好ましい金属イオンとしてはCr
(III)、V(II)、Mn(IV)、CO(III)、Fe(II)、Ru(II)およ
びPt(IV)が含まれる。用いられるキレート化剤がニトリ
ロ三酢酸(NTA)の場合、好ましい金属イオンには、Cr(II
I)、V(II)、Mn(IV)、Co(III)、Fe(II)、Ru(II)およびPt
(IV)が含まれる。使用されるキレート化剤がテルピリジ
ン、ビピリジンまたはポリピラゾリルポレートの配位子
の場合、好ましい金属イオンとしてはCo(III)、Fe(I
I)、Ru(II)、Os(II)、Rh(III)、Ir(III)、Pd(IV)および
Pt(IV)が含まれる。使われるキレート化剤がトリエチレ
ンテトラアミン、ビエチレンテトラアミンまたは1,4,7-
トリアザシクロナンの場合、好ましい金属イオンとして
はCo(III)、Cr(III)、Fe(II)、Ru(II)、Os(II)、Rh(II
I)、Ir(III)、Pd(IV)およびPt(IV)が含まれる。
【0094】本発明はまた、N末端キレートペプチドと
構造タンパク質の間にプロリン残基が組み込まれた形態
のPBP2A-CPを提供するものである。終止末端の下流の偶
数番号のアミノ酸の位置にプロリン残基を組み込むこと
によって、ジアミノペプチダーゼの作用によって、キレ
ートペプチドを容易に除くことができる。アミノ末端の
キレートペプチドを除くと可溶形のペニシリン結合タン
パク質が得られる。
【0095】本願で例示するように、キレートペプチド
の配列をPBP2A-27RSタンパク質のアミノ末端に組み込ん
だ。その一次構造にキレートペプチドを組み込んでいる
このタンパク質は、PBP2A-27R-CPと命名され、キレート
ペプチドの存在を反映している。キレートペプチドを組
み込んで修飾したPBP2Aタンパク質を本願では、一般にP
BP2A-CPタンパク質と呼称する。キレートペプチドを精
製部分として使用することは、Smith, M.らの米国特許
第4,569,794号に記載されており、この特許の全教示事
項はすべて本願に援用するものとする。ペニシリン結合
タンパク質の精製は、上記の文献に開示されているCP-I
MACの原理によって行われる。
【0096】PBP-2A-27RS-CPタンパク質の製造は、2ALO
OP-1オリゴヌクレオチドの代わりに下記のオリゴヌクレ
オチドを使うことを除いて、可溶化された形態のPBP2A-
27Rタンパク質を製造するために先に述べた部位特異的
突然変異誘発法にほぼ従って行った。
【0097】(2) 2ALOOP-2:下記DNA配列を有する6
3ヌクレオチド長さの一重鎖DNA断片であって、mecA-27R
の翻訳開始コドンの5'に隣接する21の塩基と同じで、開
始コドンにNcoI制限を組み込み、金属キレートペプチド
をコードし、およびPBP2A-27Rのアミノ酸23を指定する
コドンで始まるmecA-27Rの19の塩基と同一の断片。
【化37】
【0098】(3) 2ALOOP-3:下記DNA配列を有する6
6ヌクレオチド長さの一重鎖DNA断片であって、mecA-27R
の翻訳開始コドンの5'に隣接する21の塩基と同一で、開
始コドンにNcoI制限部位を組み込み、金属キレートペプ
チドがジペプチダーゼで容易に除去できるようにプロリ
ンに対応するコドンで終わっている金属キレートペプチ
ドをコードし、PBP2A-27Rのアミノ酸23を指定するコド
ンで開始するmecA-27Rの19塩基と同じ断片。
【化38】
【0099】プラスミドのpEWSA28とpEWSA29およびエシ
ェリキア・コリ菌株のDH5α/pEWSA28とDH5α/pEWSA29
は、下記のことを除いてプラスミドpEWSA27とイー・コ
リ菌株DH5α/pEWSA27について先に述べた方法に従って
構築した。プラスミドpEWSA28は、Met-Gly-His-Trp-His
-His-Hisのキレートペプチドをコードする配列を有する
mecA-27R遺伝子の5'末端を含有するpEWM13-25のHindIII
-XbaI断片を用いて構築した。プラスミドpEWSA27は、Me
t-Gly-His-Trp-His-His-His-Proのキレートペプチドを
コードする配列を有するmecA-27R遺伝子の5'末端を含有
するpEWM13-26のHindIII-XbaI断片を用いて構築した。
プラスミドのpEWSA28およびpEWSA29の制限部位と機能の
地図をそれぞれ図17と18に示す。2ALLOP-2で製造さ
れたプラスミドSA28はトランスメンブラン領域を欠き、
NcoI部位とキレートペプチドを含有している。2ALOOP-3
で製造されたプラスミドpEWSA29はトランスメンブラン
領域を欠き、NcoI部位とプロリンキレートペプチドとを
含有している。
【0100】プラスミドのpEWSA31とpEWSA32およびエシ
ェリキア・コリ菌株のDH5α/pEWSA31とDH5α/pEWSA32
は、プラスミドpEWSA30とイー・コリ菌株DH5α/pEWSA30
をそれぞれ、pEWSA28およびpEWSA29由来のNcoI/BamHI制
限断片を用いて製造する前記方法に従って構築した。プ
ラスミドのpEWSA31とpEWSA32の制限/機能地図をそれぞ
れ図21と22に示す。
【0101】さらに、pEWSA30をイー・コリ中で発現さ
せる先に述べた方法に類似の方法で、プラスミドpEWSA3
1(K12 DH5α/pEWSA31)およびpEWSA32(K12 DH5α/pEWSA3
2)を含有する培養物を増殖させ誘発させて、それらの形
態のmecA-27R遺伝子を発現させた。
【0102】PBP2A-CPは、組替えDNA法または公知の化
学的方法、例えば溶液もしくは固相によるペプチド合成
法、または通常の溶液法で結合させたタンパク質断片で
開始する溶液中半合成法によって製造できることは、当
該技術分野の熟練者ならば容易に理解できるであろう。
本発明の好ましい実施態様において、PBP2A-CPは組替え
DNA法を用いて、キレートペプチドをコードするインフ
レームDNA配列を対象のタンパク質のコーディング配列
に付加することによって製造することができる。キレー
トペプチドのコーディング配列の組み込みは、通常の遺
伝子クローン化法またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を
用いて、PBP2A-CPをコードする合成遺伝子を創製し増幅
することによって達成することができる。従って、キレ
ートペプチドのコーディング配列を含有する合成PCRプ
ライマーは、キレートペプチドのコーディング配列をPC
Rによって製造されたDNAに直接組み込むことによって作
ることができる。このようなクローニング配列の発現産
物は、キレートペプチドを有する"PBP2A-CP"である。
【0103】最終のPBP2A-CP中のキレートペプチドの配
置は、主としてそのタンパク質の特性によって決まる。
キレートペプチドのコーディング配列は、キレートペプ
チドがタンパク質のアミノ末端もしくはカルボキシ末
端、またその近くに生成するような、タンパク質のコー
ディング配列の5'末端もしくは3'末端、またはその近く
の位置に組み込まれる。さらにキレートペプチドは、表
面を暴露して金属イオンと錯体を作ることができるよう
にタンパク質の一次構造に組み込んでもよい。すべての
場合、キレートペプチドはタンパク質の生物学的特性に
対する潜在的な作用を最小限に留めるようにタンパク質
に組み込むことが好ましい。例えば、立体障害によって
キレートペプチドと金属イオンとの結合が妨害されて固
定化が阻害されるような場合には、固定化させるために
キレートペプチドとタンパク質の間に何らかの「スペー
サ」を設けることが望ましい。このような「スペーサ」
には、1〜約30のアミノ酸からなるペプチドが含まれ
る。またキレートペプチドは、長さが異なる有機リンカ
ーによってタンパク質に連結して所望のスペーシング効
果を与えることができる。ポリペプチドスペーサの包含
は、CP-タンパク質が、組替えDNA法によって所望のポリ
ペプチドスペーサ(キレートペプチドとタンパク質分子
の適正な読み枠を保持している)をコードするDNA配列
をキレートペプチドをコードするDNA配列と、固定化し
たりタンパク質との間に挿入することにより製造される
と容易に達成することができる。
【0104】キレートペプチドとタンパク質の間に連結
部を設けてキレートペプチドとタンパク質の間に特異的
なタンパク質分解切断点を設けることはいくつかの応用
に有用である。タンパク質分解反応は、酵素(例えばト
リプシン、キモトリプシン)または化学的手段(例えば
臭化シアン)によって実施することができる。さらに、
CP-タンパク質のN末端から偶数番号の位置にプロリン
残基を組み込むと、キレートペプチドの配列がプロリン
残基を含有していない場合、キレートペプチドをDAPI
(ジアミノペプチダーゼ)の作用で除去することが容易
になる。
【0105】しかし、キレートペプチドを有するペニシ
リン結合タンパク質は、固定化された遷移金属のイオン
を有するカラムに、反応活性な酸化状態で固定化するこ
とができる。次に、結合された遷移金属のイオンを種々
の手段で酸化すると、キレートペプチドを有するペニシ
リン結合タンパク質とカラムとの間に動力学的に不活性
な配位共有結合型錯体を生成させることができる。この
固定化形のPBP2A-CPは、ブドウ状球菌のメチシリン耐性
菌株が産生するペニシリン結合タンパク質に結合する化
合物を検定するのに理想的な基質を提供する。
【0106】本発明は、さらにペニシリン結合タンパク
質を捕捉する性能を有する薬剤を精製および検定する方
法を提供するものであり、その方法は以下のステップで
構成されている。すなわち、
【0107】1.遷移金属のイオンと配位共有結合型錯
体を形成することができるキレート化剤と共有結合して
いるペニシリン結合タンパク質を製造し、
【0108】2.キレート化剤と共有結合している前記
ペニシリン結合タンパク質を固体支持体に導入し、前記
固体支持体は固定化された遷移金属のイオンを有し、前
記遷移金属イオンはキレート化剤と前記の固定化された
遷移金属のイオンとの間に配位共有結合型錯体を形成す
るように動力学的に活性な酸化状態にあり、
【0109】3.キレート化剤と固定化された遷移金属
のイオンとの間に動力学的に不活性な配位共有結合型錯
体を形成するように、前記遷移金属のイオンの酸化状態
を動力学的に不活性な酸化状態に変化させ、
【0110】4.前記の動力学的に不活性な固定化され
たPBP-CP錯体に抗菌剤を導入し、
【0111】5.前記の動力学的に不活性な配位共有結
合型錯体のペニシリン結合タンパク質の部分への前記抗
菌剤の結合を検定する方法である。
【0112】本発明の方法は、固定化されたPBP2A-CPと
各種の潜在的配位子との相互作用を研究する検定システ
ムを開発する手段を提供するものである。
【0113】このようなPBP2A結合検定法は、本願で例
示するように以下のようにして進める、二次分子の相互
作用を研究したいタンパク質は、前記のようにしてPBP2
A-CP形で製造する。PBP2A-27RS-CPタンパク質は、当該
技術分野で公知の方法によって、Met-Gly-His-Trp-His-
His-HisのキレートペプチドをコードするDNA配列をPBP2
A-27RSタンパク質をコードするDNA配列の5'末端に付加
することによって製造した。PBP2A-27RS-CPタンパク質
をコードする上記の遺伝子を、次にpEWSA31発現プラス
ミドに組み込み、このプラスミドを用い当該技術分野で
公知の方法によって、受容能力のあるイー・コリK12 DH
5α細胞を形質転換した。PBP2A-27R-CPの発現はPBP結合
検定法で確認した。
【0114】CP-IMACカラムを本願の実施例4.U.の
教示事項およびSmithらの米国特許第4,569,794号(この
特許は本願に援用するものとする)の教示事項に実質的
に従って製造した。多数の遷移金属イオンを用いる場合
は、カラムマトリックスに対する酸化還元剤の存在もし
くは導入を避けるよう注意しなければならない。固定化
された金属イオンは、反応活性酸化状態でなければなら
ない。本願で例示するように、結合Co(II)イオンを有す
るイミノ二酢酸(IDA)分子は、高速流動度のアガロース
もしくはTSK-PWゲルのような親水性樹脂と共有結合して
いる。固定化されたCo(II)イオンは、カラムにPBP2A-CP
タンパク質を連結する該タンパク質のキレートペプチド
の部分と相互に作用する。このイオンは、PBP2A-CPタン
パク質の容易な精製法を提供する。PBP2A-CPタンパク質
は、[CP-タンパク質/Co(II)-樹脂]錯体、すなわち「ロ
ックされていない(unlocked)」形態を形成することによ
って、粗製混合物から精製することができる。次に、非
特異的に結合した分子をイミダゾールのような弱い競合
化合物を導入することによって放出する。
【0115】PBP2A-CPと固定化金属イオンとを反応活性
な酸化状態のままで連結した場合には、以下の3つのい
ずれかを利用できる。すなわち、
【0116】(1) pHを下げるか、もしくはイミダゾ
ールのような競合化合物を添加する(すなわち通常のCP
-IMAC精製法)ことによって、結合金属イオンからPBP2A
-CPタンパク質を放出させるか、または
【0117】(2) 固定化PBP2A-CPを化学的手段もし
くは酵素の手段で、構造タンパク質の配列とキレートペ
プチドの配列との間の適切な点で切断して、マトリック
スに結合しているキレートペプチドを残したままで実質
的に純粋なタンパク質を単離させるか、または、
【0118】(3) 金属イオンの酸化状態を変化させ
ることによってPBP2A-CPをカラムマトリックスに「ロッ
ク」することができる。
【0119】上記のうち(1)によって精製PBP2A-CPタ
ンパク質が回収される。この方法で精製されたPBP2A-27
R-CPタンパク質は、タンパク質の構造研究と、治療薬と
して有用なことを証明する、PBP2A-27Rのインヒビター
を検出する検定法に使用できる。しかし、上記(3)に
述べたように、結合金属イオンの酸化状態を変化させる
ことによって、「金属イオン-PBP2A-CP」錯体の動力学
的パラメータを変化させて、キレートペプチドもしくは
PBP2A-CPの支持マトリックスへの動力学的に不活性な結
合を達成することができる。このPBP2A-CPタンパク質
は、動力学的に不活性な金属イオンの結合によって固定
化されているが、タンパク質、配位子、潜在的配位子お
よび配位子のPBP2A-CPタンパク質との結合を妨害する化
合物の間の相互作用を研究するのに使用できる。
【0120】動力学的に不活性な錯体は、結合金属イオ
ンの酸化状態を変化させ、結合金属イオンを反応活性な
酸化状態から動力学的に不活性な酸化状態にすることに
よって製造することができる。PBP2A-27RS-CPの場合、
酸素ガス、酸素を含有するガス、またはCo(II)をCo(II
I)に酸化出来るが、PBP-27RS-CP分子を酸化して不活性
状態にすることがない他の酸化剤をカラムに導入して結
合コバルトイオンを+2から+3の酸化状態に酸化する
ことによって、タンパク質をマトリックスに「ロック」
することができる。
【0121】金属イオンの酸化状態に必要な変化を起こ
させることは、各種の酸化還元剤で達成できる。例えば
酸素、過酸化水素および過酸類のような酸化剤は本発明
の実施態様に使用できる。還元剤の例としては、チオー
ル類、フェロシアン化カリウム、チオシアン酸カリウ
ム、亜硫酸塩類、および亜ジチオン酸ナトリウムがあ
る。これらは適切な濃度の水溶液として調製される。こ
れらの金属イオンの酸化状態をすべての条件下で変化さ
せて、与えられたキレート化剤で動力学的に不活性な錯
体を作るのにすべての酸化還元剤が適切であるというわ
けではないことは、当該技術分野の熟練者にはわかって
いるであろう。適切な酸化還元剤を選択する際の1つの
要因は、反応活性な錯体の電気化学的電位を考慮し、反
応の全自由エネルギーが自発的であるような薬剤を使う
ことである。また、すべての酸化還元剤が、架橋される
分子の性質によっては適切であるというわけではないこ
とも当該技術分野の熟練者ならばわかるであろう。タン
パク質またはリポーターの分子が、ある種の酸化還元剤
によって不活性化される感受性も考慮しなければならな
い。
【0122】本願に例示する本発明の好ましい実施態様
では、動力学的に不活性な錯体の製造は、下記のバッチ
法で行われる。固定化されたIDA-Co(II)-PBP2A-27R-CP
錯体を含有するカラムの内容物を試験管に移した。固定
したゲルの上方の空間を酸素ガスもしくは酸素含有ガス
で置換して蓋をした。試験管を24時間にわたって連続的
に上下を逆転させて、酸素含有ガスとIDA-Co(II)-PBP2A
-27R-CP錯体を含有するビーズを混合し、Co(II)をCo(II
I)に酸化した。その結果PBP2A-27R-CPは「ロックされ
た」立体配座になっていると考えられる。次にIDA-Co-
(III)PBP2A-27R-CP錯体を含有するビーズの等量ずつを
例えばエッペンドルフ管またはマイクロタイマープレー
トのウェルのような反応容器に移す。
【0123】「ロックされた」形態のPBP2A-CPは、PBP2
Aに結合しているこれら分子の検定に用いるのに理想的
なリガンドを提供する。標識を付けた抗生物質の試験化
合物の試料を固定化されたPBP2A-CPが入った反応容器に
導入する。次に未結合の試験化合物を洗浄して遊離させ
る。標識をつけた化合物が存在することは、「PBP2A-試
験化合物」錯体が生成していることを示す。PBP2A-27R-
CP/リガンド錯体の生成が起こっていることは各種の方
法で決定される。本願で例示する本発明の好ましい実施
態様では、試験化合物の結合性は、試験化合物が存在し
ていない場合に対して存在している場合の125I-penVの
結合性レベルを比較することによって測定される。また
この結合性は、検定に放射性標識を付けたリガンドを用
いて放射能のレベルを評価することによって測定するこ
とができる。PBP2Aリガンドは蛍光染料もしくは酵素抱
合法のような他の方法で標識をつけることができる。PB
P2Aリガンドの直接修飾はすべて、PBP2A-27R-CP/リガン
ド錯体が生成するのを阻害するような方法で行わねばな
らない。あるいは、PBP2Aリガンドに対する抗体であっ
て酵素、蛍光または放射能で標識を付けたものを管に導
入しPBP2A-27R-CP/リガンドの錯体の存在を測定するこ
とができる。
【0124】上記のPBP2A-CP検体法のような本発明の実
施態様で開発された検定システムは、反応容器がマルチ
ウェルPandexR検定プレート、もしくはマイクロタイタ
ープレートのウェルであるような自動式方法に容易に適
用できる。
【0125】さらに本発明は、下記式4: SP-CP(Pro)n-PBP2AS [式中SPはシグナルペプチド、CPは下記式で表されるキ
レートペプチド、 (His)x-(A)y-(His)z (式中Aは、アミノ酸、X=1-10、Y=0-4、Z=1-10)およ
びそのモノマー、ダイマーおよびトリマー(ただし、各
モノマー単位は同じか、もしくは異なってもよく、nは
0もしくは1、ならびにPBP2ASはPBP2A分子の可溶形で
ある]で表される化合物の誘導体を提供するものであ
る。
【0126】シグナルペプチドが、原核環境および真核
環境の両方において分泌タンパク質を細胞外に放出する
のを容易にするということは当該技術分野では公知であ
る。通常の細胞質ゾルタンパク質に非相同のシグナルペ
プチドを付加すると、イー・コリ中の通常の細胞質ゾル
タンパク質が細胞外に輸送されるようになることは知ら
れている(MacIntyreら、J.Biol.Chem.、262巻、8416〜8
422頁、1987年)。このような融合タンパク質の組み換え
による製造は、宿主生物に適したシグナルペプチドをコ
ードするDNA配列をタンパク質のコーディング配列の5'
に挿入し、その読み枠に入れて付加することによって行
われる。
【0127】シグナルペプチドの原理は、原核生物と真
核生物の両者について類似しているが、重大な差異があ
る。原核系は真核系よりもはるかに不明な点が多いが、
何らかの総括を行うことができる。塩基性および/また
は荷電アミノ酸の残基が構造タンパク質のアミノ末端の
近くに存在すると分泌を阻害する(Yamane K.等、J.Bio
l.Chem.、263巻、19690〜19696頁、1988年;Summers R.
G.等、J.Biol.Chem.、264巻、20082〜20088頁、1989
年)。他の点では、原核生物のシグナルペプチドは真核
生物のそれに似ている。原核生物および真核生物のシグ
ナルペプチドの両者は、全体にわたって3つのドメイン
構造を有し、機能を保持するのに必要な精密な配列コン
サーベーションを持っていない(von Heijne, G.、J.Mem
brane Biol.、115巻、195〜201頁、1990年参照、この文
献の全教示事項は本願に援用するものとする)。合成の
「理想的な」シグナルペプチドが原核および真核の両方
の環境内で機能することが報告されている(上記文
献)。
【0128】本発明の好ましい実施態様において、使用
されるシグナルペプチドは、宿主細胞系の分泌タンパク
質に対して固有のシグナルペプチドである。例えば、イ
ー・コリ内でタンパク質を発現する場合、イー・コリの
シグナルペプチドを用いる方が好ましい。各種のイー・
コリ分泌タンパク質のアミノ酸配列は当該技術分野で公
知である。これらのシグナルペプチドの例としては、Om
pA遺伝子、ampC遺伝子およびβ−ラクタマーゼ遺伝子の
シグナルペプチドがある。本発明の最も好ましい実施例
では、ampC遺伝子のシグナルペプチドが、可溶形PBP2A-
27Rタンパク質をコードするDNA配列の5'末端に組み込ま
れている。シグナルペプチドの融合タンパク質構造体か
らの有効な切断を確実に行うために、シグナルペプチド
と成熟アートタンパク質(art protein)のコーディング
配列との間の界面におけるアミノ酸配列の性質を保持す
ることが望ましい。シグナルペプチドの切断反応は、こ
の界面のアミノ酸配列の二次と三次の構造によって主と
して支配されるようである。シグナルペプチド切断点の
下流に隣接する荷電残基の荷電と疎水性の保存、および
該残基の脱離は、原核系における有効な翻訳に対して重
要のようである。しかし、いずれか1つの特定のアミノ
酸配列を保持するということは重要なことではない。
【0129】シグナルペプチドと構造タンパク質の間
に、便利なプロテアーゼ感受性切断部位を組み込むため
に、構造タンパク質に関連するシグナルペプチドのコー
ディング配列を修飾することはいくつかの用途で望まし
いことである。この修飾によって、シグナルペプチドの
融合タンパク質構造体からの切除の制御が容易になる。
例えば、シグナルペプチドのカルボキシ末端残基にLys
もしくはArgの残基を組み込むと、トリプシンの作用に
よるシグナル配列の除去が容易になる。Phe、Trpもしく
はTyrの残基を同様に組み込むとキモトリプシンの作用
によるシグナルペプチドの除去が容易になる。また、シ
グナルペプチドの除去は、シグナルペプチドのカルボキ
シ末端残基にメチオニン残基を組み込んで臭化シアンで
切断するというような化学的方法でも実施できる。本願
で例示する本発明の好ましい実施態様では、分泌形のPB
P2A-27RS変異体をコードするプラスミドは、シグナルペ
プチドをコードするDNA配列をPBP2A-27RSのコーディン
グ配列の5'末端に挿入することによって形成される。下
記のdsDNA配列:
【化39】 は、amPCシグナルペプチドに対応する下記のアミノ酸配
列:
【化40】 をコードする。プラスミドのpEWSA30、pEWSA31およびpE
WSA32に挿入されると、生成タンパク質のアミノ末端にa
mpCシグナルペプチドを有するPBP2A-27RSタンパク質
(およびキレートペプチドを有するPBP2A-27RS誘導体)
が得られる。
【0130】例えば、プラスミドpEWSA30を、PBP2A-27R
Sのコーディング配列の開始コドンにおける非反復NcoI
部位を利用して、NcoI制限エンドヌクレアーゼで消化す
る。その直線化されたベクターDNAをアガロースゲル電
気泳動法で単離し、子ウシ腸ホスファターゼで脱リン酸
を行う。上記のssDNA配列をApplied Biosystems社のMod
el 380Aもしくは380BのDNA合成器(米国、カリフォルニ
ア州、ホスターシティ、Applied Biosystems社)で合成
する。生成した一重鎖分子をポリアクリルアミドゲル電
気泳動法で精製し、ゲルから単離した。その両端をT4-
ポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化する。得ら
れたssDNA分子をアニールする。シグナルペプチドをコ
ードするリン酸化dsDNAをT4DNAリガーゼの存在下、上記
の脱リン酸化ベクターDNAと混合する。得られた連結反
応混合物は、正しい配向の合成dsDNA挿入物を有するプ
ラスミドpEWSA39と他の連結生成物を含有している。受
容能力のあるイー・コリK12 DH5α細胞を形質転換する
のに、上記の混合物を使用した。得られた細胞を増殖さ
せ、コロニーを採取し2XTYブロスに再懸濁させた。
【0131】pEWSA39を含有するこれらの菌株の同定
は、制限生成物をミニプレップアガロースゲル電気泳動
法で視覚化することによって行う。そのDNAをNcoIとXba
Iの制限エンドヌクレアーゼで消化する。pEWSA39ベクタ
ーを有する細胞は、約675bpの断片を産生するはずであ
る。ampCシグナルペプチドをコードするdsDNA断片を逆
の配向で持っている細胞は、約675bpの断片に対応する
バンドを欠いており、約740bpの断片に対応するバンド
を産生する。
【0132】変異型のmecA-27R遺伝子(すなわちDH5α/
pEWSA39)を含有するエシェリキア・コリ培養物を200ml
のTYブロス中で一夜増殖させた。得られた細胞を収穫
し、プラスミドDNAをQiagen Plasmid Midi Kitを用いて
抽出した。この方法で単離したプラスミドDNAを200μl
の滅菌水中に再懸濁させてプラスミドpEWSA39を含有し
ていた。上記の二重鎖挿入断片で形成されたプラスミド
pEWSA39は、トランスメンブラン領域を欠き、NcoI部位
とampCシグナルペプチドをコードする配列を持ってい
る。
【0133】プラスミドのpEWSA40とpEWSA41およびイー
・コリ菌株のDH5α/pEWSA40についてさきに記載した方
法で構築した(ただし、プラスミドのpEWSA40とpEWSA41
をそれぞれ構築するのにプラスミドのpEWSA31とpEWSA32
をプラスミドpEWSA30の代わりに使用した)。プラスミ
ドのpEWSA40とpEWSA41それぞれの制限部位と機能の地図
を図34と35−39に示す。プラスミドpEWSA40は、N
coI部位、キレートペプチドおよびampCのシグナルペプ
チドを持っている。プラスミドpEWSA41は、NcoI部位、a
mpCシグナルペプチド、キレートペプチド、およびその
キレートペプチドと構造タンパク質の間にプロリン残基
を含有している。
【0134】pEWSA39とイー・コリの発言についてさき
に述べたのと類似の方式で、プラスミドpEWSA40(K12 DH
5α/pEWSA40)およびpEWSA41(K12 DH5α/pEWSA41)を含有
する培養物を増殖させ、それらの形態のmecA遺伝子の発
現を誘発させた。
【0135】
【実施例】下記の実施例は本発明の実施態様を単に例示
するに過ぎず、本発明の適用範囲を決して限定するもの
ではないとみなすべきである。
【0136】実施例1 スタヒロコッカス・アウレウスmecA-27R遺伝子の起源 A.スタヒロコッカス・アウレウス菌株27R
【0137】メチシリン耐性スタヒロコッカス・アウレ
ウス菌株27Rの試料はRichard Novick博士(New York
City Public Health Department)から入手した。200ml
のTYブロス(8gのトリプトン、5gのNaClおよび5gの
酵母エキスを1l当たりに含有)にエス・アウレウス菌
株27Rを接種し、回転シェーカー(2インチの振出しで2
50rpm)を用いて37℃にて一夜(15〜18時間)インキュベ
ートした。得られた培養物からの細胞をこの細菌のメチ
シリン耐性の原因であるペニシリン結合タンパク質PBP2
A-27RをコードするmecA-27R遺伝子を有するエス・アウ
レウスDNAの起源として用いた。
【0138】B.スタヒロコッカス・アウレウス菌株27
RからのDNAの単離
【0139】実施1−Aで製造した培養物を4℃にて60
00rpmで遠心分離して細胞をペレット化した(Beckman So
rvall遠心分離器、SS34ロータ)。生成した上澄液を廃棄
した。得られた細胞ペレットを5mlのTS緩衝液(TS緩衝
剤=0.05MトリスpH8.0および25%W/Vスクロース)中に再
懸濁させた。この細胞懸濁液を滅菌した50mlポリエチレ
ン遠心分離管に入れた。
【0140】10mgリゾチーム/ml、10mgリゾスタフィン/
ml、および0.05Mトリス-pH8.0で構成された1mlの溶液
を前記細胞懸濁液の入った管に添加した。その管を37℃
で30分間インキュベートした。0.25M EDTA-pH8.0を含有
する2mlの溶液を上記の管に加えた。管の内容物を十分
に混合し、次いで37℃でさらに5分間インキュベートし
た。次いで8mlの溶菌溶液(2%のSDS、0.05M EDTA、2
0μgプロテイナーゼK/mlおよび20μg/mlのRNアーゼ-pH
8.0)を上記混合物に加えた。この混合物が入った管を3
7℃で30分間インキュベートした。この時点で、細胞は
溶解してそのDNAを媒体(全容積=16ml)中に放出し
た。
【0141】TE緩衝液で飽和したフェノールの同容積を
溶解した細胞混合物の入った管に添加した。次に相分離
を促進するために上記の管を遠心分離に付した。細胞の
破片は管の底に集まり、一方タンパク質はフェノールと
水性相の界面に沈澱した。DNAを含有する上部水性相を
タンパク質性の界面を避けながら吸引によって注意深く
取り出し、次いで、同じ方法でフェノールを用いてもう
一度抽出した。得られた水性相を同容積のクロロホルム
で2回抽出した。
【0142】前記の上部水性相は、抽出された核酸を含
有しているが、これをためて次に15mlポリエチレン遠心
分離管に4mlずつを入れた。1/10の容積の3.0M酢酸ナト
リウムと2倍容積の氷冷無水エタノールを添加してDNA
を沈澱させた。この混合物を−70℃で約30分間インキュ
ベートした。Beckman Sorvall遠心分離器(HB-4ロータ、
10,000rpm、−15℃、25分間)で遠心分離してDNAを収穫
した。得られたDNAペレットを風乾し、TE緩衝液に再懸
濁して約1μgDNA/μlの濃度にした。
【0143】C.DNAライブラリー構築用のスタヒロコ
ッカス・アウレウス27RのゲノムDNA制限断片の製造
【0144】制限エンドヌクレアーゼSauIIIaは、BamHI
で作られる末端と相容性の連結用の末端を有するDNAの
制限断片を生成させる。実施1−Bで製造したDNAの試
料を部分消化することによって、広範囲の大きさを有す
るDNA制限断片を製造した。5μlのDNA(約5μg)、2
μlの10×制限酵素緩衝液(Boehringer Mannheim社、米
国、インディアナ州、インディアナポリス)、11μlの
水および2μlの制限酵素SauIIIA(10単位)(Boehring
er Mannheim社、米国、インディアナ州、インディアナ
ポリス)で構成された制限消化物を37℃で30秒間、1分
間または2分間ずつ別個に分けた混合物についてインキ
ュベートした。反応は、実施例1−Bに記載したよう
に、フェノールとクロロホルムによる抽出で停止させ
た。次にDNAをエタノールで沈澱させ(実施冷1−B参
照)、水に再懸濁させた。この方法で生成したDNA断片
は、ランダムに生成した末端(SauIIIA制限エンドヌク
レアーゼの切断部位で形成される)を有し、全ゲノムを
カバーする1組の断片を示し、従ってどの特定の遺伝子
もこの断片のサブセット中で無傷であるはずである。
【0145】D.スタヒロコッカス・アウレウス27Rゲ
ノムライブラリーの構築
【0146】ゲノムライブラリーをλファージEMBL3中
に構築した。実施例1−Cで得たSauIIIAで部分的に消
化したDNAの試料をEMBL3ファージのアームに(米国、カ
リフォルニア州、ラ・ジョラ、ノース・トレイ・パイン
ズ・ロード11099、Stratagene社)、メーカーが規定す
る条件に実質的に従って連結した。次に、連結されたDN
Aをλファージのヘッドに充填した(Gigapack II Gold
Packaging Extract、Stratagene社、米国、カリフォル
ニア州、ラ・ジョラ、ノース・トレイ・パインズ・ロー
ド11099)。この充填抽出物を用いてStratagene社提供
のエシェリキア・コリ菌株P2392に感染させた。感染さ
せたイー・コリ細胞をさきに記載したようにして(Strat
agene社)寒天プレート上の軟寒天重層にプレートした。
接種したプレートを37℃で一夜(12〜16時間)インキュ
ベートし、生成したプラークをmecA-27R遺伝子の存在に
ついてスクリーニングした。
【0147】E.プラーク雑種形成法によるmecA-27R遺
伝子についてのスタヒロコッカス・アウレウス27Rゲノ
ムライブラリーのスクリーニング
【0148】Maniatisらの"Morecular Cloning、A Labo
ratory Manual、1982年、Cold Spring Harbor Laborato
ries"に記載されているプラーク雑種形成法の手順にほ
ぼ従って雑種形成することによって、実施例1−Dで得
たプラークをmecA-27R遺伝子についてスクリーニングし
た。ライブラリーをスクリーニングするのに用いた雑種
形成プローブをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で製造し
た。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、メーカーの
示唆に従って自動DNA合成器で合成した。このプライマ
ーの配列は、下記のとおりであるが、Songらが報告した
mecA-27R遺伝子のDNA配列に基づいたものであった(Son
gら、FEBS Letters、221(1)巻、167〜171頁、1987
年)。
【化41】
【0149】これらのオリゴヌクレオチドプライマー
は、DNA Thermal Cyclerのメーカー(Perkin Elmer Cetu
s)が指定する条件下でPCR反応に用いたところ、スタヒ
ロコッカス・アウレウス菌株27RなどのMRS菌株由来のme
cA-27R遺伝子の5'末端(約1,000の塩基)を増幅した。
高い比活性の雑種形成プローブを作るために、(α-
32P)ATP(New England Nuclear社、米国、マサチュー
セッツ州、ボストン)をPCR反応混合物に添加し、未標
識のdATPの量を通常の濃度の約1/10に低下させた(PCR
条件は熱サイクルのファイルの下記のパラメータを含ん
でいる。すなわち、溶融温度=94℃にて30秒間、アニー
リング温度=55℃にて30秒間、伸長=72℃で1分間およ
び30サイクルである)。組み込まれなかった(α-32P)
ATPをメーカーの推薦事項にほぼ従って(米国、インデ
ィアナ州、インディアナポリス、Boehringer Mannheim
Biochemicals社、Quick SpinTMカラム、G25セファディ
ックス)、スピンカラムクロマトグラフィーで除去し
た。この方法で製造した放射能標識オリゴヌクレオチド
を5分間沸騰させて変性し、雑種形成プローブとして直
接使用した。
【0150】上記のプローブに対して陽性の雑種形成応
答を示したプラークを精製した。対象のこれらプラーク
の生成に関与するファージからDNAを抽出した。精製し
たそのDNAを選択した制限酵素で消化した。生成した制
限断片を0.8%アガロースゲル上で分離し、Southernの
方法(Journal of Molecular Biology、98巻、503〜517
頁、1975年)によって、mecA-27R遺伝子の存在について
分析した。mecA-27R遺伝子は、ファージ分離株#1Aに見
出された約4.0kbのHindIII制限断片(以下に示す)内に
完全に存在していることが分かった。
【化42】
【0151】このHindIII制限断片は、続く研究のmecA-
27R遺伝子の起源であった。このほぼ4.0kbのHindIII制
限断片を制限酵素XbaIで切断し、生成した断片をDNAの
配列を決定するためにM13mp18とM13mp19(図4と5)に
クローン化した。このプロセスでプラスミドのpEWM13-
1、pEWM13-7、pEWM13-9およびpEWM13-12(それぞれ図
6、7、8および9に示す)が形成された。スタヒロコ
ッカス・アウレウス27R由来のmecA-27R遺伝子の全DNA配
列をTaqTrack Sequencing System (Promega Corporatio
n社米国、ウィスコンシン州、53711-5399、マディソ
ン、ウッヅ・ホロウ・ロード2800)を用い、Sangerのジ
デオキシ−チェーンターミネーション法(Sangerら、Pro
ceedings of the National Academy of Science USA、7
4巻、5463頁、1977年)によって決定した。得られたDNA
配列を図23、24に示す。そのDNA配列から推定され
るアミノ酸配列を図25、26に示す。
【0152】プラスミドのpEWSA8とpEWSA37およびエシ
ェリキア・コリ菌株K12のDH5α/pEWSA8とDH5α/pEWSA37
の構築
【0153】A.スタヒロコッカス・アウレウス27R由
来のmecA-27R遺伝子を含有する4.0kbのHindIII制限断片
単離
【0154】ファージ分離株#1Aから精製したDNAを次の
ようにして制限エンドヌクレアーゼHindIIIで完全に消
化した。実施例1−Eで製造した10μl(約10μg)のフ
ァージDNAを33μlの滅菌水、5μlの10×HindIII制限酵
素緩衝液および2μlの制限酵素HindIII(約24単位)と
混合した。この制限酵素反応混合物を約3時間37℃でイ
ンキュベートした。上記制限エンドヌクレアーゼ消化で
生成したDNA断片を所望の4.0kb HindIII断片が他の消化
生成物から明確に分離するまで、0.8%のアガロースゲ
ル上に電気泳動法で分離した。電気泳動で分離したDNA
を臭化エチジウム(0.5μg/ml)で染色し、染色したゲル
を長波長紫外線に曝露して視覚化した。断片の位置を確
認した後、約4.0kbのHindIII断片の前方のゲルに小さな
スリットを作製し、Schleicher and Schuell社(米国、
ニューハンプシャー州03431、キーン)のDEAE膜の1片
を適当な大きさに切り取ってスリットの中に入れた。さ
らに電気泳動を行ったところ、DNAが非共有結合的にDEA
E膜に結合した。断片がDEAE膜に結合させた後、DEAE膜
をはずし、低塩緩衝液(100mM KCl;0.1mM EDTA;および
20mMトリス-HCl、pH8.0)ですすいだ。次に、その膜を小
さな管の中に入れ、高塩緩衝液(1M NaCl;0.1mM EDT
A:および20mMトリス-HCl、pH8.0)に浸漬し、次に65℃
で30分間インキュベートしてDEAE紙からDNAをはずし
た。65℃でインキュベートした後、DNAを含有するイン
キュベーション緩衝液を集め、膜を高塩緩衝液ですすい
だ。すすぐのに用いた緩衝液をインキュベーション緩衝
液とともにプールした。
【0155】高塩DNA溶液の容積を調節してNaClの濃度
を0.25Mにし、次に3倍容積の冷無水エタノールを該溶
液に添加した。得られた溶液を混合し−70℃で30分間放
置した。次に、その溶液をBeckman Sorvall遠心分離器
を用い、HB-4ロータで10,000rpmにて、−15℃で25分間
遠心分離した。上澄液を廃棄し、DNAで構成されたペレ
ットを風乾した。得られたDNAのペレットを実施例1−
Bに記載したのと同様にして、もう一度水に再懸濁さ
せ、エタノールで沈澱させて残留塩を除去した。この時
点で、風乾したDNAペレットは、50μlの水に再懸濁させ
たが、このペレットはスタヒロコッカス・アウレウス菌
株27R由来のmecA-27R遺伝子を含有する所望の4.0kbのHi
ndIII制限断片で構成されていた。
【0156】B.HindIIIで消化させたベクターpUC19の
製造
【0157】約2.5μgのプラスミドpUC19(Bethesda Res
earch Laboratories社、米国、メリーランド州20877、
ガイサーズバーグから入手できる)(図1にその制限/
機能地図を示す)を実施例2−Aに記載したのと同様に
して、HindIIIで消化した(全反応容積を20μlに減ら
し、酸素の使用量を2μlに減らした)。得られた制限
酵素消化物を37℃で約2時間インキュベートした。制限
酵素の活性を停止させるために、反応混合物を同容積の
フェノール:クロロホルムで抽出し、水性相中のDNAを
新しい管に移し、エタノールで沈澱させて精製した。得
られたDNAペレットは、20μlの水に再懸濁させたが、約
2μgの所望のHindIII消化pUC19プラスミドベクターで
構成されていた。この方法で得たベクターDNAは−20℃
で貯蔵した。
【0158】C.プラスミドのpEWSA8とpEWSA37および
エシェリキア・コリ菌株K12のDH5α/pEWSA8とDH5α/pEW
SA37の最終的な構築
【0159】実施例2−Aで製造した約4.0kbのHindIII
制限断片の2μlをHindIII消化pUC19プラスミドベクタ
ーDNA(実施例2−Bで製造)の1μlと混合した。この
混合物を指定のDNA断片(3μl)、2μlの10×リガー
ゼ緩衝液(0.5Mトリス-HCl、pH7.5および100mM MgCl2)、
2μlの5mM ATP、1μlの6μg/ml BSA、ガラス器具で
蒸留した12μlの水および1μl(1Weiss単位)のT4 DN
Aリガーゼ(New England Biolabs社)を含有する20μlの
反応混合物中で連結した。得られた反応混合物を約18時
間15℃でインキュベートした。連結されたDNAは、他の
連結反応生成物とともに所望のプラスミドのpEWSA8とpE
WSA37を含有していた。
【0160】形質転換の受容能力のあるエシェリキア・
コリK12 DH5α(MAC Efficiency)をBethesda Research L
aboratories社(米国、メリーランド州、ガイサーズバ
ーグ)から購入し、この菌株をメーカーの指示にほぼ従
って(ただし、DNAの容積は20μlであった)、pEWSA8と
pEWSA37を含有する連結反応混合物で形質転換した。形
質転換を行った後、アンピシリン(100μg/ml)、40μg/m
lの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトシド(X-gal)および0.1Mのイソプロピルチオ
−β−ガラクトシド(IPTG)を含有する寒天プレート上
に、上記形質転換細胞を分布させ、次にそのプレートを
37℃で一夜インキュベートした。
【0161】挿入断片を有するプラスミドを含有してい
るエシェリキア・コリ形質転換体をpUC19に存在するβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子を不活性化することによって
同定した。pUC19のHindIII部位に挿入断片を有するこれ
らの形質転換体は、無色のコロニーを生成したが、一方
中断されていないものは、これらの培養条件下で青色の
コロニーを生成した。無色のコロニーから製造したミニ
プレッププラスミドDNAをManiatisらのMolecular Cloni
ng、A Laboratory Manuual、Cold Spring Harbor Labor
atory 1982年に記載されている方法に実質的に従って、
制限エンドヌクレアーゼで消化することによりスクリー
ニングした。プラスミドpEWSA8を含有する1つの分離株
が回収され、もう1つの分離株はプラスミドpEWSA37を
含有していた。これらのプラスミドを含有する細胞は、
それぞれDH5α/pEWSA8およびDH5α/pEWSA37と命名し
た。これらのプラスミドの唯一の差異は、mecA-27R遺伝
子を含有するHindIII制限断片の配向である。プラスミ
ドのpEWSA8とpEWSA37の制限/機能地図をそれぞれ図2
と3に示す。DH5α/pEWSA37はNOrthern Regional Resea
rch Laboratories National Culture Collectionに寄託
されており、受託番号B-18753で入手することができ
る。
【0162】
【実施例3】A.プラスミドpEWSA37及びpEWSA8上の黄
色ブドウ球菌由mecA-27R遺伝子の大腸菌における発現 プラスミドpEWSA37及びpEWSA8を用いて得られる大腸菌
形質転換細胞は、活性な検出可能レベルのmecA-27R遺伝
子産物を発現する。これらの形質転換細胞では、黄色ブ
ドウ球菌固有のプロモーターによりmecA-27R遺伝子発現
が推進される。この培養サンプルを、TYブロス(アンピ
シリン100μg/ml含有)200ml中、37℃で一晩、旋回イン
キュベーター(250rpm)で培養した。Beckman Sorvall
遠心器(GSAローター、10,000rpm、4℃、10分)で遠心
分離することにより、一晩培養した培養液から細胞を収
穫した。上澄を除去した後、これらの細胞の細胞膜標本
を分析してmecA-27R遺伝子産物、PBP2A-27Rの存在を検
討した。
【0163】B.大腸菌菌株 DH5α/pEWSA37及びDH5α/
pEWSA8細胞膜の調製 実施例3ーAで収穫したプラスミドpEWSA37又はプラスミド
pEWSA8を含有する大腸菌細胞を、pH7.0の10mMリン酸ナ
トリウム緩衝液に再懸濁することにより洗浄した。遠心
分離により細胞を収穫した。もう1度洗浄し、完了後、
1ml当り50μg/mlのデオキシリボヌクレアーゼI、1mM
フッ化フェニルメチルスルホン酸、0.14mM2ーメルカプト
エタノールを含有する新鮮なリン酸ナトリウム緩衝液に
ペレット化した細胞を再懸濁した。16,000lb/in2でフレ
ンチプレス(SLM Aminco、イリノイ州アーバナ)を3回
通過させ、細胞を破壊した。未破壊の細菌細胞を遠心分
離で除去した後、pH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液
中、52%蔗糖液9mlを上に重ねた58%蔗糖9mlでできて
いる不連続な蔗糖勾配に上澄を載せ、135,000 X g18時
間遠心分離した。内側膜を含有する52%蔗糖画分を集
め、135,000×gで1時間遠心分離した。各培養の内膜標
本をpH7.0の50mMリン酸ナトリウム緩衝液に懸濁して1m
l当り蛋白12mgとし、-70℃で保存した。
【0164】C. mecA-27R遺伝子産物PBP2A-27Rのた
めの大腸菌の膜蛋白検定。 実質的には、Prestonらが記述した(Antimicrobial Age
nts and Chemotherapy、1990年、718〜721ページ)技法
に従って125I−ペニシリンV(IPV)でラベルし、実施
例3Bで調製した細胞膜標本のPBPを検討した。膜標本
4μlを、クラブラン酸ナトリウム2μl(クラブラン酸
ナトリウム濃度は1〜243μg/mlの範囲であった)及び
125IPV(96μg/ml)6μlと共に35℃で15分間インキュ
ベートした。宿主細胞により産生されるβ−ラクタマー
ゼの活性を阻害するためにクラブラン酸ナトリウムを含
有させた。ブルーミックス(1ml当り120mgの冷IPV−20
%サルコシル−ポリアクリルアミドゲル電気泳動サンプ
ル緩衝液、1:2:12)12μlを加えて反応を止めた。8%
アクリルアミド−0.21%N, N'−メチレンビスアクリル
アミドを用いて、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法で蛋白を分離した。蛍光写真法
的な増強をせずに、24℃で8〜24時間、乾燥ゲルをKoda
k X-OMATフィルムに暴露した。プラスミドpEWSA37又はp
EWSA8を含まない大腸菌の膜標本は、最高濃度のクラブ
ラン酸ナトリウムを用いた時でも、PBP2A-27Rと一致す
る位置に放射性標識帯を示さなかった。対象的に、pEWS
A37又はpEWSA8を含んでいる形質転換細胞は、純粋なPBP
2A-27Rと一致する位置に明確な放射標識帯を示した。そ
の帯の強度は、反応に用いるクラブラン酸ナトリウム濃
度が上昇するにつれて増大した。故に、黄色ブドウ球菌
PBP2A-27R蛋白を産生する大腸菌細胞は回収された。
【0165】実施例4 大腸菌における変形mecA-27R遺伝子の発現 mecA-27R遺伝子産物PBP2A-27Rは、膜結合性のペニシリ
ン結合蛋白である。膜貫通領域は蛋白のアミノ末端、最
初の22アミノ酸に位置していることが、DNAの塩基配
列分析から示唆された。そこで、インビトロにおける部
位特異的突然変異誘発を用いてmecA-27R遺伝子を変化さ
せ、結果として得られるPBP2A-27R蛋白から推定の膜貫
通領域を除去した。膜貫通領域の除去に加えて、有用な
制限部位を開始コドンに組み込み、大腸菌を基本とする
ベクターでの発現を可能にした。この改変mecA-27R遺伝
子にコード化された新しいPBP2A-27R蛋白は、大腸菌で
発現する時には細胞膜と結合していないはずで、従って
構造研究に容易に利用でき、メチシリン耐性ブドウ球菌
(MRS)に対する治療効果を有する新化合物の発見に
向けた検定に用いられる。加えて、金属結合領域を含む
他の変異株から作られれば、大腸菌で発現した後の蛋白
の精製に役立つ。
【0166】A.HindIII/XbaI−消化ベクターM13mp18
RF DNAの調製 M13mp18 RF DNA (New England Biolabs [NEB]から入手
可能、図4参照)約3.0μgを、制限酵素HindIII1μl
(〜12単位)を含有するHindIII緩衝液100μl中、37℃
で90分間消化した。フェノール:クロロホルムで抽出し
て反応を止め、水相に回収したDNAをエタノール沈降法
で濃縮した。滅菌水20μlにDNAペレットを再懸濁した。
濃縮DNAに別の制限酵素消化を実施した。この時には、H
indIIIの代わりにXbaI緩衝液及び制限酵素XbaI(1μ
l、〜12単位)を用いた。37℃で90分間消化した後、本
酵素をフェノール:クロロホルムで抽出して不活化し、
エタノール沈降法で濃縮した。このペレットを水20μl
に再懸濁すると、望み通りのHindIII/XbaI消化M13mp18
ベクターが〜2μgできた。本法で得られたベクターDNA
を−20℃で保存した。
【0167】B. HindIII/XbaI消化ベクターM13mp19
RF DNAの調製 M13mp19 RF DNA(New England Biolabs [NEB]から入手
可能、図5参照)約3.0μgを、制限酵素HindIII1μl
(〜12単位)を含有するHindIII緩衝液100μl中、37℃
で90分間消化した。フェノール:クロロホルムで抽出し
て反応を止め、水相に回収したDNAをエタノール沈降法
で濃縮した。滅菌水20μlにDNAペレットを再懸濁した。
濃縮DNAに別の制限酵素消化を実施した。この時には、H
indIIIの代わりにXbaI緩衝液及び制限酵素XbaI(1μ
l、12単位)を用いた。37℃で90分間消化した後、本酵
素をフェノール:クロロホルムで抽出して不活化し、エ
タノール沈降法で濃縮した。このペレットを水20μlに
再懸濁すると、望み通りのHindI/XbaI消化M13mp19ベク
ターが〜2μgできた。本法で得られたベクターDNAを−
20℃で保存した。
【0168】C.mecA-27R遺伝子の5'及び3'末端を含む
HindIII/XbaI制限フラグメントの調製 実施例2−Aに記述した様に、mecA-27R遺伝子を含有す
る約4.0kbのHindIII制限フラグメントが得られた。制限
酵素XbaI1μlを含有するXbaI緩衝液100μl中、37℃で9
0分間、この制限フラグメントをさらに消化した。フェ
ノール:クロロホルムで抽出して反応を止め、水相に回
収したDNAをエタノール沈降法で濃縮した。滅菌水20μl
に本DNAペレットを再懸濁すると、望み通りの制限フラ
グメントができた。その1つは長さ約1.82kbで、mecA-2
7R遺伝子遺伝の5'末端の約738塩基対に加えて上流配列
を包含し、もう1つは長さ約2.1kbで、mecA-27R遺伝子
の3'末端の約1269塩基対及びmecA-27Rから下流のDNA配
列を含有するものであった。
【0169】0.8%アガロースゲル上で上述の、1.82及
び2.1kbのHindIII/XbaI制限フラグメントを分離した。
次に、実施例2−Aに記述した様に、このDNAフラグメ
ントをアガロースゲルから除去した。それぞれの制限フ
ラグメントで構成されている最終的なDNAペレットを、
滅菌水20μlに再懸濁すると、1.82kbHindIII/XbaI制限
ラグメント約2μg及び2.1kbのHindIII/XbaI制限フラグ
メント約2μgができた。
【0170】D.プラスミドpEWM13-1及び大腸菌K12 JM
109/pEWM13-1の最終的構成 実施例4−Aで調製したHindIII/XbaI消化M13mp18 DNA
約0.2μg並びに、実施例4−Cで調製したmecA-27R遺伝
子の5'末端を含有する1.82のkb HindIII/XbaI制限フラ
グメント約0.4μgを混合し、T4 DNAリガーゼの存在下で
連結した。コンピテント大腸菌K12 JM109(“エピキュ
リアンイ.コリTM”)をStratagene(92121カリフォルニ
ア州サンディエゴ、ダンジー通り3770)から購入し、DN
A量が20μlであったこと並びに、培養液への希釈や発現
時間を必要としなかったこと以外は、実質的に製造会社
の指示に従って、プラスミドDNA pEWM13-1を構成してい
る連結混合物を用いて形質転換した。形質転換後、〜
1、10、20、40及び50μl中の標本液中の細胞を、対数
増殖期の大腸菌JM 109が管当り0.25ml入っている13×10
0mmのガラス製滅菌管に分配した。これらの管にトップ
アガー(45℃で溶解した状態に保たれている寒天0.8%
を含有するL-ブロス)を3ml加えた。細胞−トップアガ
ー混合物を40μg/mlの5ーブロモ-4-クロロ-3-インドリ
ル-β-D-ガラクトシド(X-gal)及び0.1Mイソプロピ
ルチオ-β-ガラクトシド(IPTG)を含有しているL-寒天
平板上に注ぎ、この平板を37℃で一晩インキュベートし
た(M13技法に関するさらに詳しい記述及び説明には、M
13 Cloning/Dideoxy Sequencing Instruction Manual,
Bethesda Research Laboratories(BRL)、Life Techno
logies, Inc.、20877メリーランド州ゲイセルスバーグ
を参照のこと)。mecA-27R遺伝子の5'末端を含有する、
所望の約1.82kbのHindIII/XbaIフラグメントの挿入を含
む形質転換細胞を、β-ガラクトシダーゼ活性の挿入失
活(無色のプラーク表現型)及び複製型(RF)DNAの制
限酵素分析によって同定した。スクリーニングのため、
パスツールピペットを使用して、透明プラークを、プラ
ーク当り3mlの対数増殖期初期の大腸菌K12 JM109細胞
に平板上層から充填した。37℃で6〜18時間、通気をし
ながら培養基をインキュベートした。
【0171】このインキュベートの後、各培養液1.5ml
を別々の1.5mlエッペンドルフ管内でペレット化した。
ファージ粒子を含有している上澄を新たな管に傾斜し、
4℃で保存してファージ接種材料の供給源とした。下記
の例外はあるが、実質的にはBirnboimとDoly(1979年、
Nuc. Acid Res. 7(6):1513−1523)のアルカリプ
ラスミド調製法の教えに従って、細胞ペレットから複製
型DNAを調製した。本法では、使用する溶液I、II及びII
Iの量を1.5倍にスケールアップし、透明になった溶解物
を等量のクロロホルムで1度抽出した。次に0.4倍量の
イソプロパノールを加えてDNAを沈殿させ、室温で20分
間インキュベートした。このDNAを遠心分離で採収した
後、エタノールを用いて0.3MのNaOAcから沈殿させた。
このようにして分離したDNAの制限分析法を、約1.82kb
のHindIII/XbaI制限フラグメントの存在確認に用いた。
この方法で、大腸菌K12 JM109/pEWM13-1細胞を同定し
た。次にこれらの細胞を部位特異的突然変異誘発及びDN
Aの塩基配列のためのファージおよびプラスミドpEWM13-
1の供給源として使用した。図6は、プラスミドpEWM13-1
の制限/機能地図を表している。
【0172】E.プラスミドpEWM13-7及び大腸菌K12 JM
109/pEWM13ー7の最終的構築 このフラグメントの逆の方向性を得るため、mecA-27Rの
5'末端をM13mp19にも連結した。実施例4−Bで調製し
たHindIII/XbaI消化M13mp19 DNA約0.2μg並びに、実施
例4−Cで調製したmecA-27R遺伝子の5'末端を含有する
1.82kbのHindIII/XbaI制限フラグメント約0.4μgを混合
し、T4 DNAリカ゛ーセ゛の存在下で連結した。
【0173】実施例4−Dに記述した様に、この連結混
合物を用いた大腸菌の形質転換及びプラークのスクリー
ニングを実施した。これらの細胞は塩基配列決定反応用
の1本鎖DNAの供給源であった。(1本鎖ファージDNAの
分離方法は実施例4−Hに記述してある。)プラスミド
pEWM13-7の制限/機能地図を図7に示した。
【0174】F.プラスミドpEWM13-9及び大腸菌K12 JM
109/pEWM13-9の最終的構築 実施例4−Aで調製したHindIII/XbaI消化M13mp18 DNA
約0.2μg並びに、実施例4−Cで調製したmecA-27R遺伝
子の3'末端を含有する2.1kbのHindIII/XbaI制限フラグ
メント約0.4μgを混合し、T4 DNAリガーゼの存在下で連
結した。
【0175】実施例4−Dに記述した様に、この連結混
合物を用いた大腸菌の形質転換及びプラークのスクリー
ニングを実施した。実施例4−Dに記述した様に、大腸
菌JM109/pEWM13-9の細胞を同定した。これらの細胞は配
列決定反応用の1本鎖DNAの供給源として用いた。(1
本鎖ファージDNAの分離方法は実施例4−Hに記述して
ある)。プラスミドpEWM13-9の制限/機能地図を図8に
示した。
【0176】G.プラスミドpEWM13-12及び大腸菌K12 J
M109/pEWM13-12の最終的構築 実施例4−Bで調製したHindIII/XbaI消化M13mp19 DNA
約0.2μg並びに、実施例4−Cで調製したmecA-27R遺伝
子の3'末端を含有する2.1kbのHindIII/XbaI制限フラグ
メント約0.4μgを混合し、T4 DNAリガーゼの存在下で連
結した。
【0177】実施例4−Dに記述した様に、この連結混
合物を用いた大腸菌の形質転換及びプラークのスクリー
ニングを実施した。実施例4−Dに記述した様に、大腸
菌JM109/pEWM13-12の細胞を同定した。これらの細胞は
配列決定反応用の1本鎖DNAの供給源として用いた。
(1本鎖ファージDNAの分離方法は実施例4−Hに記述
してある)。プラスミドpEWM13-12の制限/機能地図を
図9に示した。
【0178】H.ファージpEWM13-21を構築するための
部位特異的突然変異誘発用の1本鎖ファージpEWM13ー1DN
Aの調製 対数増殖期初期の大腸菌K12 CJ236(Bio-Rad Laborato
ries、94804カリフォルニア州リッチモンド、ハーバー
ウェイサウス、1414)の培養液10mlにファージ貯蔵品pE
WM13-1(実施例4−Dで調製)〜200μlを接種し、通気
しながら37℃で〜18時間インキュベートした。培養液を
滅菌遠心管に移して、細胞がペレット化するまで遠心分
離し(Beckman Sorvall遠心器、SS34ローター、6,000rp
m、4℃、10分)、結果として生じた上澄を新しい管に
移して再度遠心分離した(同一条件)。新しい管に上澄
を再度傾斜した。3M食塩水中のポリエチレングリコール
6000の25%溶液1mlを上澄に加えてから、室温で15分間
インキュベートした。結果として生じた混合物を、SS34
ローター(Beckman Sorvall遠心器)を用いて、4℃10,
000rpmで30分間遠心分離した。この遠心分離で得られた
ペレットは、1本鎖ファージpEWM13-1を含有しており、
これをTE緩衝液400μlに溶解した。最初はクロロホルム
で、次ぎにTE飽和フェノールで本溶液を抽出して1本鎖
DNAを遊離させた。フェノールを水相と15分間接触させ
ておいた。次にこの溶液をTE-飽和フェノール:クロロ
ホルム(1:1、v/v)で2度抽出してから、クロロホルム
のみで2度抽出した。1本鎖DNAを0.3M NaOAcから沈殿
させて遠心分離で集め、結果として生じたペレットを0.
1×TE緩衝液100μlに再懸濁した。この溶液は1本鎖フ
ァージpEWM13-1 DNAを〜5μg含有していた。
【0179】I.ファージpEWM13-22、pEWM13-23及びpE
WM24を創るためのファージpEWM13-1の部位特異的突然変
異誘発 突然変異誘発に用いられた1本鎖DNAフラグメントは、D
NA自動シンセサイザーで合成した。突然変異誘発のプラ
イマーは下記のように表されている。(1)2ALOOP-1:
mecA-27Rの翻訳開始コドン5'に隣接する21塩基と全く
同一の、48ヌクレオチド長さの1本鎖DNAフラグメン
ト、開始コドンのNcoI制限部位を組み込み、PBP2A-27R
のアミノ酸23を特定するコドンで始まる21個の塩基と
同一であって、下記のDNA配列で表される。
【化43】 (2)2ALOOP-2:mecA-27Rの翻訳開始コドンの5'に隣接
する21塩基と全一の、63ヌクレオチド長さの1本鎖
DNAフラグメント、2ALOOP-2は、開始コドンにNcoI制限
部位を組み込み、金属キレート化ペプチドをコード化
し、PBP2A-27Rのアミノ酸23を特定するコドンで始まるm
ecA-27Rの19個の塩基と同一であって、下記のDNA
配列で表される。
【化44】 (3)2ALOOP-3:mecA-27Rの翻訳開始コドンの5'に隣接
する21塩基と全一の、66ヌクレオチド長さの1本鎖
DNAフラグメント、2ALOOP-3は、開始コドンにNcoI制限
部位を組み込み、金属キレート化ペプチドのジペプチダ
ーゼ除去を容易にするプロリンのためのコドンで終了す
る金属キレート化ペプチドをコード化し、PBP2A-27Rの
アミノ酸23を特定するコドンで始まるmecA-27Rの19個
の塩基と同一であって、下記のDNA配列で表される。
【化45】
【0180】実質的には、MUTAGENETM IN VITRO MUTAGE
NESIS KIT使用説明書(カタログナンバー170-3571、Bio
-Rad Laboratories、94804カリフォルニア州リッチモン
ド、ハーバーウェイサウス、1414)に記述されている方
法に従い、上記のオリゴヌクレオチド(2ALOOP-1、2ALO
OP-2及び2ALOOP-3)を各々用いて、インビトロの突然変
異誘発を実施した。使用した鋳型はpEWM13-1由来の1本
鎖ファージDNAであった。Qiagen Plasmid Midi Kitを使
用し、実質的には製造会社が指示する通りに(Qiagen I
nc., 91311カリフォルニア州チャッツワース、イートン
アベニュー9259)分離した、複製型DNAの制限分析で望
み通りの突然変異をしたファージDNAを含有するプラー
クを同定した。望ましい突然変異を示す複製型DNAを含
有した各分離物を得た。これらの培養菌をJM109/pEWM13
-21(2ALOOP-1で誘発した突然変異を含む)、JM109/pEW
M13-22(2ALOOP-2で誘発した突然変異を含む)JM109/pE
WM13-23(2ALOOP-3で誘発した突然変異を含む)と表し
た。各々のプラスミドの制限部位/機能地図を、それぞ
れ図10、11及び12に示してある。mecA-27R遺伝子
の改変された5'末端の、約0.8kbのNcoI/XbaI制限フラ
グメントを含有する複製型DNAの供給源として、各培養
菌を使用した。
【0181】J.突然変異した形のmecA-27R遺伝子の5'
末端を含有するHindIII/XbaI制限フラグメントの分離 大腸菌培養菌JM109/pEWM13-21、JM109/pEWM13-22及びJM
109/pEWM13-23をTYブロス200mlに接種し、通気をしなが
ら一晩インキュベートした。遠心分離(8,000rpm、4
℃、GSAローター、10分。Beckman Sorvall遠心器)によ
り、各々一晩培養した培養液から細胞を採収した。上澄
を捨て、Qiagen Plasmid Midi Kitを使用し、実質的に
は製造会社が推薦する通りに(Qiagen Inc., 91311カリ
フォルニア州チャッツワース、イートンアベニュー925
9)ペレット化した細胞から複製型のpEWM13-21、pEWM13
-22及びpEWM13-23を分離した。実施例2−Aに記述した
通りに、各々のプラスミドに由来するmecA-27R遺伝子の
5'末端を含有するHindIII/XbaI制限フラグメントを分離
した。結果として生じた純粋なDNA制限フラグメントを
図32に図示してある。各フラグメント(図32に示した、
A、B、C及びD)を滅菌水約20μlに再懸濁すると、
望み通りの制限フラグメント約2μgができた。
【0182】K.HindIII/XbaI消化pUC19プラスミドDNA
の調製 pUC19 DNA(Bethesda Research Laboratories、20877メ
リーランド州ゲイセルスバーグ、図1)約3.0μgを、制
限酵素HindIII1μl(〜12単位)を含有するHindIII緩
衝液100μl中、37℃で90分間消化した。フェノール:ク
ロロホルムで抽出して反応を止め、水相に回収したDNA
をエタノール沈降法で濃縮した。DNAペレットを滅菌水2
0μlに再懸濁した。濃縮DNAに別の制限酵素消化を実施
した。この時には、HindIIIの代わりにXbaI緩衝液及び
制限酵素XbaI(1μl、12単位)を使用した。37℃で90
分間消化した後、この酵素をフェノール:クロロホルム
で抽出して不活化し、エタノール沈降法で濃縮した。こ
のペレットを滅菌水20μlに再懸濁すると望み通りのHin
dIII/XbaI消化pUC19ベクターが〜2μgできた。この方法
で得られたベクターDNAを−20℃で保存した。
【0183】L.プラスミドpEWSA24、pEWSA25並びに、
pEWSA25及び大腸菌菌株DH5α/pEWSA24、DH5α/pEWSA25
及びDH5α/pEWSA26の構築 プラスミドpEWSA24及び大腸菌菌株DH5α/pEWSA24の構成
をここで詳述する。実施例4−Jで調製した、〜1.74kb
のHindIII/XbaI制限フラグメントA2μgを、HindIII/X
baI消化pUC19プラスミドベクターDNA(実施例4−Kで
調製)1μl と混合した。特性化したDNAフラグメント
(3μl)、10X DNAリガーゼ緩衝液(pH7.5の0.5Mトリ
ス−塩酸及び100mM塩化マグネシウム2μl、5mMのATP
2μl、6μg/mlのBSA 1μlガラス蒸留水12μl及びT4
DNAリガーゼ(New England Biolabs)1μl(1バイス
単位)を含有する反応液20μl中でこの混合物を連結し
た。この反応液を15℃で約18時間インキュベートした。
連結したDNAは望み通りのプラスミドpEWSA24及び他の連
結産物を構成した。
【0184】形質転換コンピテント大腸菌K12 DH5α
(マックス・エフェシエンシー)をBethesda Research L
aboratories(メリーランド州ゲイセルスバーグ)から
購入し、DNA量が20μlであったこと以外は、実質的に製
造会社の指示に従って、プラスミドpEWSA24を含有する
連結反応混合物を用いて形質転換した。形質転換後、ア
ンピシリン(100μg/ml)、5-ブロモ-4-クロロ-3-イン
ドリル-β-D-ガラクトシド(X-gal)40μg及び0.1Mイ
ソプロピルチオ-β-ガラクトシド(IPTG)を含有する寒
天平板(プレート)に細胞を分配し、この平板を37℃で一
晩インキュベートした。
【0185】挿入を行ったプラスミドを含有する大腸菌
形質転換細胞を、pUC19に存在するβ-ガラクトシダーゼ
遺伝子の失活で同定した。このような培養条件では、pU
C19のHindIIIとXbaI制限部位の間に挿入を含む形質転換
細胞は無色のコロニーを形成したが、連続したものは青
いコロニーを形成した。Maniatisらが記述した方法(198
2年、“Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Col
d Spring Harbor Laboratory”) に実質的に従って、制
限エンドヌクレアーゼ消化により、無色のコロニーから
調製した微少標本プラスミドDNAをスクリーニングし
た。プラスミドpEWSA24を含有する1つの分離物が回収さ
れた。このプラスミドを含有する分離物をDH5α/pEWSA2
4と名付けた。
【0186】すぐ上でプラスミドpEWSA24及び大腸菌菌
株DH5α/pEWSA24について記述した方法に従って、プラ
スミドpEWSA25及びpEWSA26並びに大腸菌菌株DH5α/pEWS
A25、DH5α/pEWSA26を構築した。pEWSA25の場合には、
実施例4−JのフラグメントBがpUC19に組み込まれ
た。プラスミドpEWSA26の場合には、実施例4−Jのフ
ラグメントCがpUC19に組み込まれた。プラスミドpEWSA
24、pEWSA25及びpEWM26の制限/機能地図を、それぞれ
図13、14、15及び33に示した。
【0187】M.mecA-27R遺伝子の3'末端を含有するプ
ラスミドpEWSA37に由来する、約2.1kbのXbaI制限断片の
分離。 実施例2−Cで調製した、大腸菌DH5α/pEWSA37から精
製されたプラスミドDNAを、下記の様に制限エンドヌク
レアーゼXbaIを用いて完全に消化した。プラスミドDNA
pEWSA37 10μl(〜10μg)を、滅菌水33μl、10X XbaI
制限酵素緩衝液5μl及び制限酵素XbaI2μl(24単位)
と混合した。この制限酵素反応液を37℃で約3時間イン
キュベートした。望み通りの約2.1kbのXbaIフラグメン
トが他の消化生成物から明らかに分離されるまで、制限
エンドヌクレアーゼ消化で生じたDNAフラグメントを、
0.8%アガロースゲル電気泳動法で分離した。電気泳動
にかけたDNAを、エチジウムブロマイド(0.5μg/ml)で
染色して視覚化し、染色されたゲルを長波長紫外線に暴
露した。フラグメントが配置された後、〜21kbのXbaIフ
ラグメントの前のゲルに小さなスリットを作り、適当な
大きさに切断したSchleicher及びSchuell(03431ニュー
ハンプシャー州キーン)DEAE膜の一片をこのスリットに
入れた。さらに電気泳動にかけると、DNAはDEAE膜に非
共有結合した。フラグメントがDEAE膜に結合した後で、
この膜を除去して低塩緩衝液(100mM塩化カリウム;0.1
mM EDTA;20mMトリス−塩酸、pH8.0)で洗浄した。次
に、この膜を小管に入れ、高塩緩衝液(1M食塩;0.1mM
EDTA;20mMトリス−塩酸、pH8.0)に浸漬し、65℃で30
分間インキュベートして、DEAEペーパーからDNAを除去
した。65℃でインキュベートした後、DNAを含有するイ
ンキュベーション緩衝液を集め、高塩緩衝液で膜を洗浄
した。この洗浄緩衝液を、インキュベーション緩衝液と
共にプールした。
【0188】食塩濃度が0.25Mになるように高塩のDNA溶
液量を調製し、3倍量の冷たい無水エタノールをこの溶
液に加えた。生じた溶液を混合し、−70℃に30分間置い
た。次に、Beckman Sorvall遠心器のHB-4ローターで1
0,000rpm、−15℃で25分間、この溶液を遠心分離した。
この上澄を捨て、DNAを含有するペレットを風乾した。
実施例1−Bに記述した様に、DNAペレットを水に再懸
濁し、もう一度エタノール沈降して残留塩を除去した。
この時、風乾したDNAペレットを水20μlに再懸濁する
と、プラスミドpEWSA37由来のmecA-27R遺伝子の3'末端
を含有する、望み通りの2.1kbのXbaI制限フラグメント
ができた。
【0189】N.XbaI消化pEWSA24、pEWSA25及びpEWSA2
6プラスミドDNAの調製 ここで、プラスミドpEWSA24の調製について詳述する。Q
iagen Plasmid Midi Kitを使用し、実質的には製造会社
が推薦する通りに(Qiagen Inc., 91311カリフォルニア
州チャッツワース、イートンアベニュー9259)、大腸菌
菌株DH5α/pEWSA24からプラスミドDNAを分離した。制限
酵素XbaI1μl(〜12単位)を含有するXbaI緩衝液100μ
l中、37℃で90分間、約3.0μgのpEWSA24 DNA(Bethesda
Research Laboratories、20877メリーランド州ゲイセ
ルスバーグ)を消化した。フェノール:クロロホルムで
抽出して反応を止め、水相に回収されたDNAをエタノー
ル沈降法で濃縮した。生じたペレットを滅菌水20μlに
再懸濁すると、望み通りのXbaI消化pEWSA24ベクター〜
2μgができた。本法で得られたベクターを−20℃で保
存した。
【0190】実施例4−Lで調製した大腸菌DH5α/pEWS
A25、DH5α/pEWSA26及びDH5α/pEWSA40から分離したプ
ラスミドDNAに、上述のプラスミドpEWSA24と正確に同じ
方法で、XbaI消化を行った。
【0191】O.プラスミドpEWSA27、pEWSA28及びpEWS
A29並びに大腸菌菌株DH5α/pEWSA27、DH5α/pEWSA28及
びDH5α/pEWSA29の構築 ここで、プラスミドpEWSA27の構成を詳述する。実施例
4−Mで調製した、〜2.1kbのXbaI制限フラグメント2
μlを、XbaI消化pEWSA24プラスミドベクターDNA(実施
例4−Nで調製)1μlと混合した。特性化したDNAフラ
グメント(3μl)、10× DNAリガーゼ緩衝液(pH7.5の
0.5Mトリス−塩酸及び100mM塩化マグネシウム)2μl、
5mM ATP2μl、6μg/mlのBSA1μl、ガラス蒸留水12
μl及びT4DNAリガーゼ(New England Biolabs)1μl
(1バイス単位)を含有する反応液20μl中でこの混合
物を連結した。この反応液を15℃で約18時間インキュベ
ートした。連結したDNAは望み通りのプラスミドpEWSA27
及び他の連結産物を構成した。
【0192】形質転換コンピテント大腸菌K12 DH5 α
(マックス・エフェシエンシー)をBethesda Research L
aboratories(メリーランド州ゲイセルスバーグ)から
購入し、DNA量が20μlであったこと以外は、実質的に製
造会社の指示に従って、プラスミドpEWSA24を構成する
連結反応混合物を用いて形質転換した。形質転換後、ア
ンピシリン(100μg/ml)を含有する寒天平板に細胞を
分配し、この平板を37℃で一晩インキュベートした。
【0193】Qiagen Plasmid Midi Kitを使用し、実質
的には製造会社が推薦する通りに(Qiagen Inc., 91311
カリフォルニア州チャッツワース、イート、アベニュー
9259)調製した微少標本プラスミドDNAの制限エンドヌ
クレアーゼ消化によって、pEWSA24のXbaI部位に挿入を
するプラスミドを含む大腸菌形質転換細胞を同定した。
次に回収された、XbaI部位に挿入を有するプラスミドを
含有する分離物について、XbaI挿入の方向をスクリーニ
ングした。制限エンドヌクレアーゼ部位SphI及びBamHI
は、挿入されたDNAの方向決定に特に有用であった。望
み通りの方向の挿入を含有するプラスミドであれば、こ
れらの両酵素で消化すると、約0.52kbの制限フラグメン
トとその他の消化生成物を産生する。挿入の方向が間違
っていれば、0.52kbの制限フラグメント並びに、方向が
正しければ存在しない1.58kbのSphI制限フラグメントが
存在する。望み通りのプラスミドを含有する分離物が確
認され、pEWSA27と命名した。
【0194】すぐ上でプラスミドpEWSA27及び大腸菌菌
株 DH5α/pEWSA27について記述した方法に従って、プラ
スミドPEWSA28及びpEWSA29並びに大腸菌菌株DH5α/pEWS
A28、DH5 α/pEWSA29を構築した。pEWSA28の構築にはプ
ラスミドpEWSA25を使用した。pEWSA29の構築にはプラス
ミドpEWSA26を使用した。プラスミドpEWSA27、pEWSA28
及びpEWSA29の制限/機能地図を、それぞれ図16、1
7、18及び33に示した。これらのプラスミドは、完
全なmecA-27R遺伝子の様々な変異型を含有する。
【0195】P.大腸菌発現ベクターに挿入するための
変異型mecA-27Rを含有するNcoI/BamHI制限フラグメント
の分離 実施例4−Oで調製した変異型mecA-27R遺伝子(即ちDH
5α/pEWSA27、DH5α/pEWSA28及びDH5α/pEWSA29)を含
有する大腸菌培養菌を、TYブロス200ml中で一晩培養し
た。遠心分離(GSAローター、8,000rpm、10分、4℃。B
eckman Sovall遠心器)により、各々一晩培養した培養
菌から細胞を採収した。Qiagen Plasmid Midi Kitを使
用し、実質的には製造会社が推薦する通りに(Qiagen I
nc., 91311カリフォルニア州チャッツワース、イートン
アベニュー9259)、採収した細胞の各ペレットからプラ
スミドDNAを抽出した。本法で分離したプラスミドDNAを
滅菌水200μlに再懸濁すると、プラスミドpEWSA27、pEW
SA28及びpEWSA29ができた。
【0196】上で分離した各プラスミド約10μgを、制
限酵素NcoI1μl(〜12単位)を含むNcoI緩衝液100μl
中、37℃で90分間消化した。フェノール:クロロホルム
で抽出して反応を止め、水相に回収したDNAをエタノー
ル沈降法で濃縮した。DNAペレットを滅菌水20μlに再懸
濁した。濃縮DNAに別の制限酵素消化を実施した。この
時にはNcoIの代わりにBamHI緩衝液及び制限酵素BamHI
(1μl、12単位)を使用した。37℃で90分間消化した
後、この反応液を0.8%アガロースゲルに載せ、望み通
りのNcoI/BamHIフラグメント(約2.8kb)が他の消化生
成物から明らかに分離されるまで、電気泳動にかけた。
実施例2−Aに実質的に従って、望み通りのフラグメン
トがアガロースゲルから分離された。このDNA産物を滅
菌水50μlに再懸濁すると、プラスミドpEWSA27(フラグ
メントA、膜内外領域が欠如し、NcoI部位を含有す
る)、pEWSA28(フラグメントB、膜内外領域が欠如
し、NcoI部位及びキレート化ペプチドを含有する)、pE
WSA29(フラグメントC、膜内外領域が欠如し、NcoI部
位及びプロリンキレート化ペプチドを含有する)から、
変異型mecA-27R遺伝子を含む、望み通りのNcoI/BamHI制
限フラグメントがきでた。
【0197】Q.NcoI/BamHI消化pOW241プラスミドDNA
の調製及び約6.1kbのフラグメントの分離 ブラスミドpOW241は、大腸菌における外来蛋白の産生に
有用な発現ベクターである。本プラスミドにおける外来
蛋白の発現は、熱誘導性ラムダpLプロモーターの誘導に
よって異なる。本プラスミドは、翻訳開始部位並びにそ
の位置から下流のBamHI部位に、目的の遺伝子を含有す
る制限フラグメント3'末端に有用な固有のNcoI部位も含
有している。pOW241では、pcbC遺伝子がNcoI部位からBa
mHI部位までの領域を占拠している。様々な型のmecA-27
R遺伝子の発現に役立たせるため、pcbC遺伝子を除去し
なければならない。プラスミドpOW241の制限部位及び機
能地図を図19に示す。プラスミドpOW241はプラスミド
pCZ336の誘導体である(Samsonら、1987年、Bio/Techno
logy, Vol.5, No.11, 1207 - 1214ページ)。
【0198】pOW241プラスミドDNA約3.0μgを、制限酵
素NcoI1μl(〜12単位)を含有するNcoI緩衝液100μl
中、37℃で90分間消化した。フェノール:クロロホルム
で抽出して反応を止め、水相に回収したDNAをエタノー
ル沈降法で濃縮した。DNAペレットを滅菌水20μlに再懸
濁した。濃縮DNAに別の制限酵素消化を実施した。この
時には、NcoIの代わりにBamHI緩衝液及び制限酵素BamHI
(1μl、12単位)を使用した。37℃で90分間消化した
後、この反応液を0.8%アガロースゲルに載せ、望み通
りの約6.1kbのフラグメントが他の消化生成物から明ら
かに分離されるまで、電気泳動にかけた。実質的には実
施例2−Aに記述した方法に従って、約6.1kbのフラグ
メントをゲルから分離した。回収したDNAペレットを水2
0μlに再懸濁すると、pcbC遺伝子が欠如した、望み通り
のNcoI/BamHI消化pOW241ベクター〜2μgがきでた。本
法で得られたベクターDNAを−20℃で保存した。
【0199】R.プラスミドpEWSA30、pEWSA31及びpEWS
A32並びに大腸菌菌株DH5α/pEWSA30、DH5α/pEWSA31及
びDH5α/pEWSA32の構築 PEWSA27(実施例4−Pで調製)由来の〜2.8kbのNcoI/B
amHI制限フラグメント2μlを、NcoI/BamHI消化pOW241
プラスミドベクターDNA(実施例4−Qで調製)1μlと
混合した。特性化したDNAフラグメント(3μl)、10X
DNAリガーゼ緩衝液(pH7.5の0.5Mトリス-塩酸及び100mM
塩化マグネシウム)2μl、5mM ATP2μl、6μg/mlの
BSA 1μl、ガラス蒸留水12μl及びT4 DNAリガーゼ(Ne
w EnglandBiolabs)1μl(1バイス単位を)含有する
反応液20μl中でこの混合物を連結した。この反応液15
℃で約18時間インキュベートした。連結したDNAは望み
通りのプラスミドpEWSA30及び他の連結産物を構成して
いた。
【0200】形質転換コンピテント大腸菌K12 DH5α
(マックス・エフェシエンシー)をBethesda Research L
aboratories(メリーランド州ゲイセルスバーグ)から
購入し、DNA量が20μlであったこと以外は、実質的に製
造会社の指示に従って、プラスミドpEWSA30を構成する
連結反応混合物を用いて形質転換した。形質転換後、L-
寒天及びテトラサクリン(100μg/ml)を含有する寒天
平板に細胞を分配し、この平板を30℃で一晩インキュベ
ートした。
【0201】Qiagen Plasmid Midi Kitを使用し、実質
的には製造会社が推薦する通りに(Qiagen Inc., 91311
カリフォルニア州チャッツワース、イートンアベニュー
9259)調製した微少標本プラスミドDNAの制限エンドヌ
クレアーゼ消化によって、挿入をプラスミドを含む大腸
菌形質転換細胞を同定した。約2.8kbのNcoI-BamHI制限
フラグメントを含有する、回収された分離物を制限分析
法でさらに分析し、適切なフラグメントが挿入されてい
たことを証明した。適切なプラスミドを有することが確
認された分離物をDH5α/pEWSA30と命名した。pEWSA30の
制限部位/機能地図を図20に示す。
【0202】すぐ上でプラスミドpEWSA30及び大腸菌菌
株DH5α/pEWSA30について記述した方法に従って、プラ
スミドpEWSA31及びpEWSA32並びに大腸菌菌株DH5α/pEWS
A31及びDH5α/pEWSA32を構築した。pEWSA31の構築には
プラスミドpEWSA28(実施例4−Pで調製)由来のNcoI/
BamHI制限フラグメントを使用した。pEWSA32の構築には
プラスミドpEWSA29(実施例4−Pで調製)由来のNcoI/
BanHI制限フラグメントを使用した。プラスミドpEWSA31
及びpEWSA32の制限/機能地図を、それぞれ図21及び
22に示した。
【0203】S.変異型mecA-27R遺伝子の大腸菌におけ
る発現 大腸菌K12 DH5α/pEWSA30形質転換細胞を、L ブロス
(テトラサイクリン10μg/ml含有)500ml中、30℃で一
晩、旋回インキュベーター(250rpm)内で培養した。一
晩培養した培養液10mlを、2.8Lのフラスコ中の、テトラ
サクリン10μg/mlを含有する新たなLブロス990mlに加え
ることによって、この細胞を100倍希釈し、同一培養条
件のもと、30℃で1時間インキュベートした。旋回培養
振盪器の温度を42℃に上げ、インキュベートをさらに6.
5時間継続した。プラスミドpEWSA30上のmecA-27Rコード
化配列の発現を推進する位置にあるラムダpLプロモータ
ーのcI857温度感受性レプレッサーを42℃で不活化され
る。それ故、42℃では、mecA-27Rの発現が宿主細胞で起
きる。誘導後、遠心分離で本細胞を採収し、大腸菌産生
PBP2A-27R活性の好ましい供給源として用いた。
【0204】大腸菌におけるpEWSA30の発現に関する上
述と類似した方法で、プラスミドpEWSA31及びpEWSA32を
含有する培養菌を培養し、それらのmecA-27R遺伝子型の
発現を誘導した。
【0205】T.大腸菌細胞におけるPBP2A-27R活性の
検定(分析) 実施例3−Cに記述したプロトコールに従って、実施例
4−Rの培養液から採収穫した細胞のPBP2A-27R活性を
検定した。この場合、宿主細胞の膜を調製する必要はな
いが、大腸菌細胞を破る必要がある。mecA-27R遺伝子の
変異型では、本来の蛋白を膜と結合させているPBP2A-27
R蛋白の膜貫通部分は除去されている。結果として、PBP
2A-27R蛋白は細胞質型で発現される。
【0206】U.DH5α/pEWSA31及びDH5α/pEWSA32細胞
由来のPBP2A-27R-CP蛋白の精製 DH5α/pEWSA31及びDH5α/pEWSA32細胞は、本来の膜貫通
領域が欠如しており、しかもその構造内に組み込まれた
キレート化ペプチドを有するPBP2A-27R蛋白をコード化
するプラスミドを含有している(これらのプラスミドは
実施例4−Rに記述してある)。キレート化ペプチドが
存在することは、純蛋白を速やかに獲得する上で有用で
ある。変異型mecA-27R遺伝子発現は、実施例4−Sに記
述してある。pEWSA31又はpEWSA32を含有する細胞ペレッ
トは下記の方法で処理する。
【0207】再懸濁及び遠心分離により、ペレット化し
た細胞をpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中で2度
洗浄する。遠心分離により洗浄細胞を採収し、50μg/ml
のデオキシリボヌクレアーゼI及び1mMフェニルメタン
スルホニルフルオリドを含有するリン酸ナトリウム緩衝
液10mMに再懸濁する。16,000lb/in2のフレンチプレス
(SLM Aminco、イリノイ州アーバナ)を通過させてこの
細胞を破壊する。遠心分離して未破壊の細菌細胞を除去
した後、上澄を採収して135,000×gで1時間遠心し、細
胞膜及び小胞を除去する。この遠心分離の上澄を新たな
容器に傾斜すると、PBP 2A-27R及び他の蛋白を含有する
粗蛋白抽出物ができる。
【0208】0.45ミクロンのフィルターで粗蛋白抽出物
を濾過し、A緩衝液(50 mM NaH2PO4、0.5M NaCl、pH7.
5)で平衡にしたNi(II)もしくはCo(II)IMACカラム
にかける。Ni(II)もしくはCo(II)IMACカラムは、記
述(Smithら、1987年)通りに調製した。Co(II)IMAC
カラムを準備する場合には、Co(II)からCo(III)へ
の早期酸化を防ぐため、緩衝液及び水は全て脱気し、ヘ
リウムで洗浄を行って空気を排除する。簡潔には、1.0
×10.0cmのHRカラムにPharmacia Fast-Flow Chelating
Gelを注ぎ、FPLCと接続し、50mM NiCl2又はCoCl2溶液4
mlを使用する前に、カラムの4倍量の蒸留水で洗浄す
る。A緩衝液で平衡化する前に、カラムの4煤量の蒸留
水で金属負荷カラムを再度洗浄する。粗蛋白抽出物のサ
ンプル溶液1mlを本カラムに注入し、ベースラインがゼ
ロに戻るまでA緩衝液を用いて0.2ml/分で洗浄する
が、一般にはカラムの1.5倍量である。次に、pHを下げ
るか又はイミダゾールの様な置換配位子を導入して、結
合した物質を溶離する。下降pH勾配(グラディエント)の
作製に用いるB緩衝液は、50mM酢酸、0.5M食塩、pH3.7
である。0〜100%Bの勾配150分以上又はカラムの約3
倍量で、pH7.5〜3.7の直線的なpH勾配を生じ、これをPB
P2A-27R-CPの溶離に使用した。イミダゾール勾配の作製
に使用するB緩衝液は、0.5Mイミダゾール、50mM NaH2P
O4、0.5M NaCl、pH7.5で構成されている。PBP2A-27R-CP
の溶離に、0〜100%Bの勾配300ml以上又はカラムの約
4.5倍量を用いる。Novex Tricine-PAGEゲル装置を使用
するドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアイドゲル
電気泳動及びWesternブロットで、クロマトグラムのピ
ークの蛋白含有量を決定する。イミダゾールが高濃度の
時に、このカラムからNi(II)が溶離するかどうかを決
定するのに、同一のイミダゾール勾配を使用して実施す
るブランクのIMACを用いる。前述の様に(Smithら、198
7年)、過剰のEDTAを用いる滴定により各画分のNi(I
I)濃度を測定する。
【0209】プールはPBP2A-27R-CPを含有している画分
でできているので、pH8.0の50mM炭酸水素アンモニウム
緩衝液で平衡化したSephadex G25カラムで脱塩する。脱
塩したプールを凍結乾燥した。本法で精製したPBP2A-27
R-CP蛋白は、蛋白の構造研究並びに、治療薬として有用
と考えられるPBP2A-27R阻害剤を検出する検定に使用で
きる。
【0210】V.分泌型PBP2A-27RSの産生 分泌型PBP2A-27RS変種をコード化しているプラスミド
は、PBP2A-27RSコーディング配列の5'末端にシグナルペ
プチドをコード化しているDNA塩基配列を挿入すること
により形成される。下記のds DNA配列:
【化46】 は、ampCシグナルペプチドに対応する下記のアミノ酸配
列をコードする。
【化47】 プラスミドpEWSA30に挿入されると、pEWSA31及びpEWSA3
2は、結果として生じる蛋白のアミノ末端にampCシグナ
ルペプチドを有するPEP2A-27RS蛋白(及びキレート化ペ
プチドを有するPBP2A-27RS誘導体)となる。
【0211】プラスミドpEWSA30は、PBP2A-27RSコーデ
ィング配列の開始コドンに位置する唯一のNcoI部位を利
用して、NcoI制限エンドヌクレアーゼで消化する。直線
化してベクターDNAをアガロースゲル電気泳動で分離
し、ウシ腸ホスファターゼで脱リン酸化する。上記のss
DNA配列は、Applied Biosystems Model 380A又は380B D
NAシンセサイザー(Applied Biosystems、カリフォルニ
ア州ファスター=シティー)で合成する。ポリアクリル
アミドゲル電気泳動で1本鎖の分子を精製し、ゲルから
分離する。T4ーポリヌクレオチドキナーゼを用いてssDNA
分子の末端をリン酸化する。リン酸化したssDNA分子を
アニールして、NcoIによる開裂の後、左方突出部との連
結に適合した、5'突出末端を有する、上に図解したdsDN
A分子を形成する。シグナルペプチドをコード化してい
るリン酸化dsDNAを、T4 DNAリガーゼの存在下で、脱リ
ン酸化ベクターDNAと混合する。その結果生じる混合物
は、適切な方向の合成dsDNA挿入並びに、他の連結産物
を含むプラスミドpEWSA39を含有する。コンピテント大
腸菌K12 DH5α細胞の形質転換に、この混合物を使用す
る。この細胞を培養し、コロニーを採取して2x TYブロ
スに再懸濁する。
【0212】形質転換細胞から得た微小標本DNAの制限
分析により、pEWSA39を含有する菌株の同定を行う。Nco
I及びXbaI制限エンドヌクレアーゼでこのDNAを消化す
る。pEWSA39ベクターを含む細胞は、〜675塩基対のフラ
グメントを産生するはずである。反対方向で、ampCシグ
ナルペプチドをコード化しているdsDNAフラグメントを
含む細胞は、〜675塩基対のフラグメントに相当する帯
は欠けており、〜740塩基対のフラグメントに対応する
帯を呈する。
【0213】変異型mecA-27R遺伝子(即ちDH5α/pEWSA3
9)を含有する大腸菌培養液を、200mlのTYブロス中で一
晩培養した。この細胞を採収し、Qiagen Plasmid Midi
Kitを使用してプラスミドDNAを抽出した。本法で分離し
たプラスミドDNAを滅菌水200μlに再懸濁すると、プラ
スミドpEWSA39ができた。上述の様に、2本鎖挿入によ
って形成されたプラスミドpEWSA39は膜貫通領域が欠如
しており、NcoI部位並びに、ampCシグナルペプチドコー
ディング配列を含有する。
【0214】プラスミドpEWSA30の代わりにプラスミドp
EWSA31及びpEWSA32を使用して、それぞれpEWSA40及びpE
WSA41を構成したこと以外は、プラスミドpEWSA39及び大
腸菌菌株DH5α/pEWSA39に関してすぐ上で記述した方法
に従って、プラスミドpEWSA40及びpEWSA41並びに大腸菌
菌株DH5α/pEWSA40及びDH5α/pEWSA41を構築した。プラ
スミドpEWSA40及びpEWSA41の制限部位及び機能地図を、
それぞれ図33及び34に示す。プラスミドpEWSA40はN
coI部位、キレート化ペプチド及びampCのシグナルペプ
チドを含有する。プラスミドpEWSA41はNcoI部位、ampC
シグナルペプチド、キレート化ペプチド並びに、キレー
ト化ペプチドと構造蛋白の間にプロリン残基を含有す
る。
【0215】pEWSA39及び大腸菌の発現に関して上で記
述した方法と類似した方法で、プラスミドpEWSA40(K12
DH5α/pEWSA40)及びpEWSA41(K12 DH5α/pEWSA41)を
含有する培養液を培養し、それらのmecA遺伝子型の発現
を惹起した。
【0216】実施例5 細胞粗抽出物を用いるメチシリン耐性スタフィロコッカ
ス種を阻害する化合物のスクリーニング mecA−27R遺伝子により、メチシリン耐性スタフィ
ロコッカス種に有効な化合物をスクリーニングする能力
が増大する。野生型PBP2A−27Rの膜結合性が、
このタンパク質の大量スクリーニング操作での使用を複
雑にしている。この事実により、特定の化合物との結合
能力を正確に評価するためには、天然mecA−27R遺
伝子を含有する細胞から膜画分を単離する必要がある。
本発明者らはPBP2A−27Rの膜スパニング領域を
同定し、次いで、mecA−27R遺伝子を分子生物学的
手法で修飾することにより除いた。修飾した遺伝子をp
EWSA30と命名された発現ベクターに挿入した(実
施例4−R参照)。プラスミドpEWSE30で発現さ
れた修飾PBP2A−27Rは大規模なスクリーニング
工程に容易に用いることができる。そのような工程の1
つを本明細書に記載する。
【0217】A.膜貫通領域を欠くPBP2A−27R
タンパク質をコードするプラスミドpEWSA30上の
修飾mecA−27R遺伝子の発現 大腸菌(Escherichia coli) K12 DHα/pEW
SA30形質転換体を500mlのLブロス(テトラサイ
クリン10μg/ml含有)中、旋回インキュベーター(培
養器)内で(250rpm)30℃において一夜培養し
た。一夜培養物10mlを2.8Lのフラスコ中で調製し
たばかりのテトラサイクリン10μg/ml含有Lブロス9
90mlに加えることにより、細胞を100倍希釈し、同
じ培養条件下、30℃で1時間インキュベートした。次
いで、旋回培養振盪器の温度を42℃に上げ、さらに
6.5時間インキュベーションを続けた。プラスミドp
EWSA30のmecA−27Rコード化配列を発現させ
る位置にあるラムダPLプロモーターのcI857温度
感受性リプレッサーは42℃で不活化される。従って、
42℃で宿主細胞内でのmecA−27Rの発現が起き
る。誘導後、細胞を遠心して収穫し、大腸菌によって産
生された膜貫通領域を欠くPBP2A−27Rの好まし
い供給源として用いた。
【0218】B.PBP2A−27Rペニシリン結合活
性の分析のための粗タンパク質抽出物の調製 実施例5−Aで調製した細胞ペッレットを10mMりん
酸ナトリウムバッファー(pH7.0)に再懸濁し、遠
心することによって2回洗浄した。洗浄した細胞を遠心
して収穫し、50μg/mlDNaseI、1mM PMS
F、および0.14mM2−メルカプトエタノールを含有
する10mMりん酸ナトリウムバッファーに再懸濁し
た。細胞を16,000lb/in2でFench press(SLM Am
inco ,Urbana, Illinois)を通して破壊する。遠心して
破壊されなかった細菌を除去したのち、上清を収穫し、
135,000xgで1時間遠心することにより細胞膜
と小胞を除去する。この遠心によって得た上清を新しい
容器に入れると、PBP2A−27Rsを含有する粗タ
ンパク質抽出物を構成する。
【0219】C.PBP2A−27Rペニシリン結合活
性の分析(検定) 実施例5−Bで調製した粗細胞抽出物について、PBP
2A−27Rのペニシリンへの結合能力を、実質上、プ
レストンら(Preston)記載の方法に従い、125I−ペニシ
リンV(IPV)で標識することにより分析する(Anti
microbial Agents and Chemotherapy, 1990, p.718-72
1)。工程を大規模スクリーニングに適用するために、反
応物質を96ウエルのマイクロタイターディッシュに入
れる。粗細胞抽出物4μlをIPV6μl(96μg/ml)
と一緒に35℃で15分間インキュベートする。反応液
中のタンパク質が沈殿する。沈殿したタンパク質をガラ
スフィルターに集め、結合しなかったIPVを洗い流
す。PBP2A−27Rに結合したIPVの量はシンチ
レーションカウンターで算定することができる。また
は、IPVの結合度をオートラジオグラフィーで算定す
ることもできる、上記の工程を基礎とし、試験化合物の
PBP2A−27Rの活性部位への結合能力を競合アッ
セイを用いて評価する。この場合、試験化合物を粗細胞
抽出物に15分間暴露して後、IPVを加える。ガラス
フィルター上に存在する放射能量の減少は陽性結果を示
している。
【0220】実施例6 支持体に固定化したPBP2A−27Rs−CPを用い
るメチシリン耐性スタフィロコッカス種を阻害する化合
物のスクリーニング 本明細書に例示のごとく、固定化PBP2A結合アッセ
イの工程は以下の要領で行われる。上記実施例4.Rに
記載のごとく、PBP2A−27Rsタンパク質をコー
ドするDNA配列の5’末端にMet-Gly-His-Trp-His-Hi
s-Hisキレート化ペプチドをコードするDNA配列を付
加することによりPBP2A−27Rs−CPタンパク
質を生産した。当業者既知の方法でpEWSA31発現
プラスミドをコンピテントcoli K12 DHα細
胞に導入した。PBP2A−27R−CPペニシリン結
合タンパク質の発現はPBP結合アッセイで確認した。
【0221】スミスら(Smith, 米国特許4,569,
794)の教示に従い、実質上、本明細書の実施例4.
Uの記載に従ってCP−IMACカラムを調製する。固
定化Coイオンは不安定なCo(II)酸化状態になけ
ればならない。Co(II)の早期の酸化を避けるため
に、使用前に全バッファーと溶液をヘリウムで脱気し
た。上記のごとく、結合Co(II)イオンを有するイ
ミノ二酢酸(IDA)分子を高速アガロースゲルに共有
結合的に結合させた。上記実施例4.Uに記載のごと
く、固定化Co(II)イオンはPBP2A−27RS
−CPのキレート化ペプチド部分と相互作用し、[PB
P2A−27Rs−CP/Co(II)−樹脂]複合体
(コンプレックス)、即ち、「解錠された(アンロック
ド)」形を形成する。次いで、イミダゾールを導入して
非特異的結合分子を遊離させる。
【0222】結合金属イオンの酸化状態を変化させ動力
学的に不安定なCo(II)酸化状態から動力学的に安
定なCo(III)酸化状態への変化を惹起し、動力学
的に不活性な複合体を形成する。これは、以下のバッチ
工程で酸素をカラムに導入することにより達成される。
固定化IDA−Co(II)−PBP2A−27R−C
P複合体を含有するカラムの内容物を試験管に移した。
沈静したゲル上の空間を酸素または酸素含有ガスで置換
した後、キャップをした。試験管を24時間連続的に逆
転させて酸素含有ガスとIDA−Co(II)−PBP
2A−27Rs−CP錯体含有ビーズとを混合し、Co
(II)をCo(III)に酸化した。これにより、P
BP2A−27Rs−CPは「施錠(ロック)された」
コンホメーションであると推定される。次いで、IDA
−Co(III)−PBP2A−27R−CP錯体を有
するビーズの等量を、例えばエッペンドルフチューブの
ような反応容器またはマイクロタイタープレートに移
す。
【0223】抗微生物試験化合物試料を固定化PBP2
A−27Rs−CPを含有する反応容器に導入する。次
いで、非結合試験化合物を洗い流す。次いで、125I−p
enVを反応容器に加える。非結合125I−penVを洗い流
す。試験化合物の存在下と試験化合物の不在下での125
I−penV結合レベルの比較によって試験化合物の結合
レベルを決定する。試験化合物の存在下での125I−pen
V結合に対する試験化合物の不在下での125I−penV結
合の割合は[PBP2A−27Rs−CP−試験化合
物]複合体の形成と直接的な比例関係にある。試験化合
物存在下での125I−penV結合の量に比較して試験化合
物不在下で高比率の125I−penV結合を示す試験化合物
は、その化合物が潜在的にMBS感染に対する抗生物質
として有用であることを示唆している。
【0224】実施例7 精製PBP2a−27R−CP遺伝子を用いるメチシリ
ン耐性スタフィロコッカス種を阻害する化合物のスクリ
ーニング mecA−27R遺伝子により、メチシリン耐性スタフィ
ロコッカス種に有効な化合物をスクリーニングする能力
が増大する。野生型PBP2A−27Rが膜結合性であ
ることが、このタンパク質の大量スクリーニング操作で
の使用を複雑にしている。この事実により、特定の化合
物との結合能力を正確に評価するためには、天然mecA
−27R遺伝子を含有する細胞から膜画分を単離する必
要がある。本発明者らはPBP2A−27Rの膜スパニ
ング領域を同定し、次いで、mecA−27R遺伝子を分
子生物学的手法で修飾することにより除いた。さらに、
タンパク質の精製を促進するためにタンパク質のN−末
端にキレート化ペプチドを付加した。修飾した遺伝子を
pEWSA31と命名した発現ベクターに挿入した。キ
レート化ペプチドとタンパク質の残余との間にプロリン
残基を含有する修飾PBP2A−27R−CPを構築し
た(pEWSA32)。プラスミドpEWSA31また
はpEWSA32から発現された修飾PBP2A−27
R−CP類は大規模なスクリーニング工程に容易に用い
ることができる。そのような工程の1つを本明細書に記
載する。
【0225】A.膜貫通領域を欠くPBP2A−27R
−CPタンパク質をコードするプラスミドpEWSE3
1上の修飾mecA−27R−CP遺伝子の発現Escherichia coli K12 DHα/pEWSA31形
質転換体を500mlのLブロス(テトラサイクリン10
μg/ml含有)中、旋回インキュベーター内で(250rp
m)30℃において一夜培養した。一夜培養物10mlを
2.8Lのフラスコ中で調製したばかりのテトラサイク
リン10μg/ml含有Lブロス990mlに加えることによ
り、細胞を100倍希釈し、同じ培養条件下、30℃で
1時間インキュベートした。次いで、旋回培養振盪器の
温度を42℃に上げ、さらに6.5時間インキュベーシ
ョンを続けた。プラスミドpEWSA31上のmecA−
27R−CPコード化配列を発現させる位置にあるラム
ダPLプロモーターのcI857温度感受性リプレッサ
ーは42℃で不活化される。従って、42℃で宿主細胞
内でのmecA−27R−CPの発現が起きる。誘導した
後、細胞を遠心して収穫し、大腸菌によって産生された
膜貫通領域を欠きキレート化ペプチドを含有するPBP
2A−27R−CPの好ましい供給源として用いる。
【0226】B.PBP2A−27R−CPタンパク質
のDH5α/pEWSA31からの精製 DH5α/pEWSA31細胞は天然の膜貫通領域を欠
如し、その構造に挿入されたキレート化ペプチドを含有
するPBP2A−27R−CPタンパク質をコードする
プラスミドを含有する(このプラスミドは実施例4−R
に記載)。キレート化ペプチドの存在は純化タンパク質
の迅速な取得に役立つ。mecA−27R遺伝子の突然変
異形の発現は実施例4−Sに記載されている。pEWS
A31含有細胞ペレットを以下の方法で処理する。細胞
ペッレットを10mMりん酸ナトリウムバッファー(p
H7.0)に再懸濁し、遠心することによって2回洗浄
する。洗浄した細胞を遠心して収穫し、50μg/mlDN
aseIおよび1mM PMSFを含有する10mMりん
酸ナトリウムバッファーに再懸濁する。細胞を16,0
00lb/in2でFench press(SLM Aminco ,Urbana, Illi
nois)を通して破壊する。遠心して破壊されなかった細
菌を除去したのち、上清を収穫し、135,000xg
で1時間遠心することにより細胞膜と小胞を除去する。
この遠心によって得た上清を新しい容器に入れると、P
BP2A−27R−CPと他のタンパク質を含有する粗
タンパク質抽出物を構成する。
【0227】粗タンパク質抽出物を0.45ミクロンフ
ィルターに通してAバッファー(50mM NaH2PO
4、0.5M NaCl、pH7.5)で平衡化したNi
(II)またはCo(II)IMACカラムに適用す
る。Ni(II)またはCo(II)IMACカラムは
既述の方法で調製した[スミスら(Smith)、198
7]。Co(II)カラムを調製する場合、Co(I
I)からCo(III)への早期の酸化を避けるため
に、バッファーおよび水のすべてを脱気しヘリウム洗浄
して空気を排除する。簡単には、FPLCと連結した
1.0x10.0cmHRカラムにファルマシア高速キレー
ト化ゲル(Pharmacia Fast-Flow Chelating Gel)を注
加し、蒸留水4カラム容量で洗浄した後、カラムに50
mM NiCl2またはCoCl2溶液4mlを加える。金
属を充填したカラムを蒸留水4カラム容量で再度洗浄し
た後、Aバッファーで平衡化する。粗タンパク質抽出液
試料1mlをカラムに注入し、通常、1.5カラム容量の
Aバッファー(0.2ml/分)で基線が0に戻るまで洗
浄する。次いで、pHを下げるか、イミダゾールのよう
な置換試薬を加えて結合物質を溶離する。pH漸減グラ
ディエントを得るために用いるBバッファーは50mM
酢酸、0.5M NaCl、pH3.7である。150分間
での、約3カラム容量の0−100%Bのグラディエン
トによってpH7.5からpH3.7の線状pHグラディ
エントが得られ、これを用いてPB2A−27R−CP
を溶離する。イミダゾールグラディエントを得るために
用いるBバッファーは0.5mMイミダゾール、50mM
NaH2PO4、0.5M NaCl、pH7.5からなる。
300分間での、または約4.5カラム容量の0−10
0%Bのグラディエントを用いてPB2A−27R−C
Pを溶離する。クロマトグラムのピークのタンパク質含
量をNovex Tricine-PAGE gelシステムを用いるSDS−
PAGEとウエスタンブロットによって決定する。同じ
イミダゾールグラディエントによるブランクIMACラ
ンによって、イミダゾールの高濃度でカラムからNi
(II)が浸出するか否かを決定する。既述(スミら、
1987)のごとく、過剰量のEDTAで滴定すること
により各画分のNi(II)濃度を測定する。
【0228】次いで、PB2A−27R−CPを含有す
る画分でプールを作成し、50mM炭酸水素アンモニウ
ムバッファーpH8.0で平衡化したSephadex G25カラ
ムに適用して脱塩する。次いで、脱塩したプールを凍結
乾燥する。このような方法で精製したPB2A−27R
−CPタンパク質はタンパク質の構造研究、および治療
剤としての有用性が明らかになるであろうPB2A−2
7R阻害物質の検出アッセイに用いることができる。他
の有用なPB2a−27R−CPをコードするプラスミ
ドpEWSA32はキレート化ペプチドのカルボキシル
末端にプロリン残基を含有する。上記のタンパク質精製
工程が完了したら、ジアミノペプチダーゼを作用させて
キレート化ペプチドを除去する。このタンパク質も以下
のアッセイに有用である。 C.PBP2A−27R−CPペニシリン結合活性の分
析 精製PB2A−27R−CPのペニシリンへの結合能力
を、実質上、プレストンら(Preston, Antimicrobial Ag
ents and Chemotherapy, 1990, 718-721頁)記載の方法
に従い、125I−ペニシリンV(IPV)で標識するこ
とにより分析する。工程の大規模スクリーニングへの適
用のために、反応物質を96ウエルのマイクロタイター
ディッシュに含有させる。精製タンパク質(pEWSA
31またはpEWSA32から産生)各4μlを試験化
合物2μlと一緒に15分間インキュベートする。IP
V(96μg/ml)を加え、さらに35℃で15分間イン
キュベートする。反応液中のタンパク質が沈殿する。沈
殿したタンパク質をガラスフィルターに集め、結合しな
かったIPVを洗い流す。PBP2A−27R−CPに
結合したIPVの量はシンチレーションカウンターで算
定することができる。または、IPVの結合度をオート
ラジオグラフィーで算定することもできる、ガラスフィ
ルター上に存在する放射能量の減少は陽性結果を示すも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドpUC19の制限部位と機能の地図で
ある。
【図2】 プラスミドpEWSA8の制限部位と機能の地図で
ある。
【図3】 プラスミドpEWSA37の制限部位と機能の地図
である。
【図4】 プラスミドM13mp18RFの制限部位と機能の地
図である。
【図5】 プラスミトM13mp19RFの制限部位と機能の地
図である。
【図6】 プラスミドpEWM13-1の制限部位と機能の地図
である。
【図7】 プラスミドpEWM13-7の制限部位と機能の地図
である。
【図8】 プラスミドpEWM13-9の制限部位と機能の地図
である。
【図9】 プラスミドpEWM13-12の制限部位と機能の地
図である。
【図10】 プラスミドpEWM13-21の制限部位と機能の
地図である。
【図11】 プラスミドpEWM13-22の制限部位と機能の
地図である。
【図12】 プラスミドpEWM13-23の制限部位と機能の
地図である。
【図13】 プラスミドpEWSA24の制限部位と機能の地
図である。
【図14】 プラスミドpEWSA25の制限部位と機能の地
図である。
【図15】 プラスミドpEWSA26の制限部位と機能の地
図である。
【図16】 プラスミドpEWSA27の制限部位と機能の地
図である。
【図17】 プラスミドpEWSA28の制限部位と機能の地
図である。
【図18】 プラスミドpEWSA29の制限部位と機能の地
図である。
【図19】 プラスミドpOW241の制限部位と機能の地図
である。
【図20】 プラスミドpEWSA30の制限部位と機能の地
図である。
【図21】 プラスミドpEWSA31の制限部位と機能の地
図である。
【図22】 プラスミドpEWSA32の制限部位と機能の地
図である。
【図23】 PBP2Aペニシリン結合タンパンク質(PBP2A-
27Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス
菌株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列の一部を示す。
【図24】 PBP2Aペニシリン結合タンパンク質(PBP2A-
27Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス
菌株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列の一部を示す。
【図25】 PBP2A-27Rタンパク質のアミノ酸配列の一
部を示す。
【図26】 PBP2A-27Rタンパク質のアミノ酸配列の一
部を示す。
【図27】 PBP2Aペニシリン結合タンパク質(PBP2A-27
Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス菌
株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列と対応するアミノ酸配
列の一部を示す。
【図28】 PBP2Aペニシリン結合タンパク質(PBP2A-27
Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス菌
株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列と対応するアミノ酸配
列の一部を示す。
【図29】 PBP2Aペニシリン結合タンパク質(PBP2A-27
Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス菌
株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列と対応するアミノ酸配
列の一部を示す。
【図30】 PBP2Aペニシリン結合タンパク質(PBP2A-27
Rと呼ぶ)をコードするスタヒロコッカス・アウレウス菌
株27RのmecA-27R遺伝子のDNA配列と対応するアミノ酸配
列の一部を示す。
【図31】 クラブラン酸ナトリウムの濃度を変えてpE
WSA8とpEWSA37のプラスミドで形質転換させた細胞からP
BP2A-27Rタンパク質が発現されるのを示すSDS-PAGEゲル
のオートラジオグラムである。
【図32】 プラスミドpEWM39の制限部位と機能の地図
である。
【図33】 プラスミドpEWSA40の制限部位と機能の地
図である。
【図34】 プラスミドpEWSA41の制限部位と機能の地
図である。
【図35】 MRS菌株のPBP2Aタンパク質の公知の形態の
DNA配列の一部である。
【図36】 MRS菌株のPBP2Aタンパク質の公知の形態の
DNA配列の一部である。
【図37】 MRS菌株のPBP2Aタンパク質の公知の形態の
DNA配列の一部である。
【図38】 MRS菌株のPBP2Aタンパク質の公知の形態の
DNA配列の一部である。
【図39】 MRS菌株のPBP2Aタンパク質の公知の形態の
DNA配列の一部である。 標識をつけた"Mecaepi"配列はエス・エピデルミディス
(S. epidermidis)菌株WT55から単離したmecA遺伝子であ
る。標識をつけた"Mecaaur"配列はエス・アウレウス菌
株BB270から単離したmecA遺伝子である。標識をつけた"
Matso"配列はエス・アウレウス菌株TK784から単離したm
ecA遺伝子である。標識をつけた"Ewpbp"配列はエス・ア
ウレウス菌株27Rから単離したmecA27R遺伝子である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/32 C12P 21/02 C 8214−4B C12Q 1/18 6807−4B 1/68 A 8114−4B G01N 30/88 E 8506−2J 33/58 A 7055−2J //(C12N 15/32 C12R 1:445) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12Q 1/18 C12R 1:445) C07K 99:00 (72)発明者 ポール・ルーサー・スカトラッド アメリカ合衆国46143インディアナ州グリ ーンウッド、フィエスタ・ドライブ1045番 (72)発明者 ミシェル・セシル・スミス アメリカ合衆国46234インディアナ州イン ディアナポリス、ノース・レイクリッジ・ ドライブ4515番 (72)発明者 チュン−イェ・アーネスト・ウー アメリカ合衆国46217インディアナ州イン ディアナポリス、ゲティスバーグ・コート 828番 (54)【発明の名称】 スタヒロコッカス・アウレウス菌株27R由来のペニシリン結合タンパク質2AのDNAおよびア ミノ酸配列およびその精製に用いるための誘導体およびメシチリン耐性生物に対して有効な化合 物の検定法

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PB2A−27Rタンパク質またはその
    機能的な誘導体をコードするポリヌクレオチド化合物、
    およびその機能上の等価物であるポリヌクレオチド化合
    物。
  2. 【請求項2】 該ポリヌクレオチド化合物が式: 【化1】 【化2】 【化3】 で示されるDNA配列を含有する請求項1の化合物。
  3. 【請求項3】 大腸菌宿主細胞内で機能的なプロモータ
    ー−オペレーター配列と作動可能に結合している請求項
    2の化合物。
  4. 【請求項4】 請求項4の化合物を含有するベクター。
  5. 【請求項5】 PB2A−27Rタンパク質またはその
    機能的な誘導体を含有するポリペプチド化合物。
  6. 【請求項6】 式: 【化4】 で示されるアミノ酸配列を含有する請求項5の化合物。
  7. 【請求項7】 式: SP−L−PBP2AS {式中、SPは0またはシグナルペプチド;LはMet-
    Val、または式: Met-Gly-CP-(Pro)n-PBP2A [式中、CPは0または式: (His)x−(A)y−(His)z (式中、Aはアミノ酸;xは1−10;yは0−4;zは
    1−10を表す)で示されるキレート化ペプチド、およ
    びその単量体、二量体および三量体(各単量体単位は同
    一または異なる);Proはアミノ酸プロリン;そしてn
    は0または1を表す]で示される化合物;PBP2As
    はPBP2Aタンパク質の可溶化形を表す}で示される
    ポリペプチド化合物。
  8. 【請求項8】 xが1−3、yが0−4、zが1−3で
    ある請求項7の化合物。
  9. 【請求項9】 該キレート化ペプチドが式: His-Trp-His-Met-Tyr、His-His-His-Met-Ty
    r、 His-Trp-His-Trp-His、His-Trp-His-His-
    His、His-His-His-His-Tyr-Met-His-His-His
    -His-Tyr、His-His-His-His-HisおよびHis-Tr
    p-His-His-His で示されるキレート化ペプチドから選択される請求項8
    の化合物。
  10. 【請求項10】 SPがampC遺伝子産物、ompA遺伝子
    産物およびβ−ラクタマーゼ遺伝子産物のシグナルペプ
    チドからなる群から選択される請求項9の化合物。
  11. 【請求項11】 該PBP2Asが式: 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 で示されるアミノ酸配列を有するPBP2ASからなる
    群から選択される請求項10の化合物。
  12. 【請求項12】 該キレート化ペプチドが式:His−T
    rp−His−His−Hisで示されるキレート化ペプチドで
    ある請求項11の化合物。
  13. 【請求項13】 SPがampC遺伝子産物のシグナルペ
    プチドである請求項12の化合物。
  14. 【請求項14】 nが0である請求項13の化合物。
  15. 【請求項15】 請求項14の化合物をコードするポリ
    ヌクレオチド化合物。
  16. 【請求項16】 SPが0、LがMet-Val、該PBP
    2Asが式: 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 で示されるアミノ酸配列を有するPBP2ASからなる
    群から選択される請求項7の化合物。
  17. 【請求項17】 請求項16の化合物をコードするポリ
    ヌクレオチド化合物。
  18. 【請求項18】 メシチリン耐性ブドウ状球菌(MR
    S)株のPBP2Asへの結合能力を有する物質を精製
    し、検定する方法であって、以下の工程: A.遷移金属イオンと配位共有錯体を形成することがで
    きるキレート化剤に共有結合したPBP2Aタンパク質
    を形成し、 B.動力学的に不安定な酸化状態にある遷移金属イオン
    が固定化されている固体支持体に、キレート化剤に共有
    結合した該PBP2Aを導入して、キレート化剤に共有
    結合したPBP2Aタンパク質と該固定化遷移金属イオ
    ンとの配位共有錯体を形成し、 C.該遷移金属イオンの酸化状態を動力学的に不活性な
    状態に変化させてキレート化剤を有するPBP2Aタン
    パク質と固定化金属イオンとの動力学的に不活性な配位
    共有錯体を形成し、 D.該動力学的に不活性な錯体に化合物を導入し、 E.該化合物と該動力学的に不活性な配位共有錯体のP
    BP2Aタンパク質部分との結合を分析することからな
    る方法。
  19. 【請求項19】 該遷移金属イオンがV、Cr、Mn、
    Fe、Ru、Os、Co、Rh、Pd、またはPtから
    なる群から選択される請求項18の方法。
  20. 【請求項20】 該キレーターの少なくとも1個は二座
    配位子、三座配位子、四座配位子、五座配位子、三脚
    (tripod)およびマクロサイクリック配位子からなる群
    から選択される有機キレート化部分である請求項19の
    方法。
  21. 【請求項21】 該キレーターの少なくとも1個はイミ
    ノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、テルピリジン、ビピリジ
    ン、トリエチレンテトラアミン、ビエチレントリアミ
    ン、およびその誘導体からなる群から選択される有機キ
    レート化部分である請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 該キレーターの少なくとも1個が式: (His)x−(A)y−(His)z−(Pro)n (式中、Aは1またはそれ以上のアミノ酸;xは1−1
    0;yは0−4;zは1−10;nは0または1を表す)
    で示されるキレート化ペプチド、その単量体、二量体お
    よび三量体(各単量体単位は同一または異なる)である
    請求項20の方法。
  23. 【請求項23】 xが1−3、yが0−4、zが1−3
    である請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 該キレート化ペプチドが式: His-Trp-His-Met-Tyr、His-His-His-Met-Ty
    r、His-Trp-His-Trp-His、His-Trp-His-His-
    His、His-His-His-His-Tyr-Met-His-His-His
    -His-Tyr、His-His-His-His-His、His-Trp-H
    is-His-His、His-Trp-His-Met-Tyr、His-His-
    His-Met-Tyr、His−Trp-His-Trp-His-Pro、His
    -Trp-His-His-His-Pro、His-His-His-His-Ty
    r-Met-His-His-His-His-Tyr-Pro、His-His-H
    is-His-His-ProおよびHis-Trp-His-His-His-P
    ro で示されるキレート化ペプチドから選択される請求項2
    3の方法。
  25. 【請求項25】 該ペニシリン結合タンパク質が請求項
    16の化合物を含む請求項24の方法。
  26. 【請求項26】 PBP2Aタンパク質と結合する物質
    の検定法???であって、以下の工程: A.組み替えによってPBP2Asタンパク質を発現す
    る細胞を培養し、 B.該細胞を溶解して無傷の細胞、膜および小胞を除去
    し、 C.粗細胞抽出液を単離し、 D.該粗細胞抽出液を潜在的なPBP2A阻害物質に暴
    露し、 E.標識したペニシリンVを該細胞抽出液に導入し、 F.結合しなかった標識ペニシリンVを除き、 G.粗抽出液中に残存する標識ペニシリンVの存在を分
    析することからなる方法。
  27. 【請求項27】 該PBP2Asタンパク質が請求項1
    6の化合物を含有する請求項26の方法。
  28. 【請求項28】 PBP2Aタンパク質と結合する物質
    の検定法であって、以下の工程: A.組み替えによってPBP2As−CPタンパク質を
    発現する細胞を培養し、 B.該細胞を溶解して該PBP2As−CPタンパク質
    を精製し、 C.該PBP2As−CPを潜在的なPBP2A阻害物
    質に暴露し、 D.標識したペニシリンVを該純化PBP2As−CP
    に導入し、 E.結合しなかった標識ペニシリンVを除き、 F.純化PBP2As−CPに結合したままの標識ペニ
    シリンVの存在を分析することからなる方法。
  29. 【請求項29】 該PBP2Asタンパク質が請求項1
    6の化合物を含有する請求項28の方法。
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