JPH05319827A - ビスマス系酸化物超電導体およびその製造方法 - Google Patents
ビスマス系酸化物超電導体およびその製造方法Info
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- JPH05319827A JPH05319827A JP3177183A JP17718391A JPH05319827A JP H05319827 A JPH05319827 A JP H05319827A JP 3177183 A JP3177183 A JP 3177183A JP 17718391 A JP17718391 A JP 17718391A JP H05319827 A JPH05319827 A JP H05319827A
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- superconductor
- oxide superconductor
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- oxide
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】臨界温度が高く、かつ、臨界電流密度の大きい
ビスマス系酸化物超電導体を提供する。 【構成】Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz REは希土類元素から選ばれた1種以上、 0≦x、0≦y 0.005≦x+y≦0.4、 zは酸素量 の組成式で表される酸化物超電導体であって、融液から
の凝固物であることを特徴とする酸化物超電導体。
ビスマス系酸化物超電導体を提供する。 【構成】Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz REは希土類元素から選ばれた1種以上、 0≦x、0≦y 0.005≦x+y≦0.4、 zは酸素量 の組成式で表される酸化物超電導体であって、融液から
の凝固物であることを特徴とする酸化物超電導体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス系酸化物超電
導体およびその製造方法に関する。
導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビスマス系酸化物超電導体とし
て、Bi,Sr,Ca,Cu,O を構成元素とするものが知られてい
る。そして、Bi2Sr2Ca2Cu3Oz(以下2223相とい
う)、Bi2Sr2CaCu2Oz (以下2212相という)、Bi2S
r2CuOz(以下2201相という)の3種の結晶構造があ
り(zは酸素量)、それぞれの臨界温度がおよそ110
K、80K、20Kであることが知られている。液体窒
素温度(77K)における実用を目指した研究は臨界温
度が高い2223相,2212相を中心に行なわれてい
る。
て、Bi,Sr,Ca,Cu,O を構成元素とするものが知られてい
る。そして、Bi2Sr2Ca2Cu3Oz(以下2223相とい
う)、Bi2Sr2CaCu2Oz (以下2212相という)、Bi2S
r2CuOz(以下2201相という)の3種の結晶構造があ
り(zは酸素量)、それぞれの臨界温度がおよそ110
K、80K、20Kであることが知られている。液体窒
素温度(77K)における実用を目指した研究は臨界温
度が高い2223相,2212相を中心に行なわれてい
る。
【0003】ビスマス系超電導体は、上記の組成を有す
る仮焼粉末を合成した後、これをプレスやテープ成形に
より成形し、焼結あるいは溶融凝固することにより製造
されていた。溶融凝固法では、結晶粒子が大きく成長
し、かつ、粒子間の結合が強い組織となるので、超電導
特性が良好な超電導体が得られる。
る仮焼粉末を合成した後、これをプレスやテープ成形に
より成形し、焼結あるいは溶融凝固することにより製造
されていた。溶融凝固法では、結晶粒子が大きく成長
し、かつ、粒子間の結合が強い組織となるので、超電導
特性が良好な超電導体が得られる。
【0004】ビスマス系超電導体を溶融凝固法で製造す
る場合、融液から容易に生成するのは上記3種の結晶構
造の中の2212相である。2212相は、上記のとお
り通常の臨界温度は80K程度であるが、800℃程度
の温度から急冷すると臨界温度が90Kに高められると
報告されている。本発明者らは、Tを絶対温度、Pを気
圧単位の酸素分圧の常用対数としたとき、6800/T+P
<7.1 かつ 25,000 /T+P>21.7の条件で熱処理し
て、P≦-3の条件で冷却する場合は、急冷をしなくと
も、臨界温度が88K以上に高められることを既に提案
している。(特願平3−12830号)
る場合、融液から容易に生成するのは上記3種の結晶構
造の中の2212相である。2212相は、上記のとお
り通常の臨界温度は80K程度であるが、800℃程度
の温度から急冷すると臨界温度が90Kに高められると
報告されている。本発明者らは、Tを絶対温度、Pを気
圧単位の酸素分圧の常用対数としたとき、6800/T+P
<7.1 かつ 25,000 /T+P>21.7の条件で熱処理し
て、P≦-3の条件で冷却する場合は、急冷をしなくと
も、臨界温度が88K以上に高められることを既に提案
している。(特願平3−12830号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化物超電導体の液体
窒素温度(77K)での実用を考えたとき、臨界温度は
より高い方が望ましい。特にビスマス系酸化物超電導体
の場合は、臨界温度近傍で本質的に磁束のピン止め力が
弱いので、臨界温度を高めることはピン止め力の強化に
もつながり有効である。本発明は、臨界温度の高いビス
マス系酸化物超電導体を提供することを目的とする。
窒素温度(77K)での実用を考えたとき、臨界温度は
より高い方が望ましい。特にビスマス系酸化物超電導体
の場合は、臨界温度近傍で本質的に磁束のピン止め力が
弱いので、臨界温度を高めることはピン止め力の強化に
もつながり有効である。本発明は、臨界温度の高いビス
マス系酸化物超電導体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz REは希土類元素から選ばれた1種以上、 0≦x、0≦y 0.005≦x+y≦0.4、 zは酸素量 の組成式で表される酸化物超電導体であって、融液から
の凝固物であることを特徴とする酸化物超電導体を提供
するものである。
の凝固物であることを特徴とする酸化物超電導体を提供
するものである。
【0007】本発明において、REとして導入される希
土類元素は Bi-Sr-Ca-Cu-O系2212相の、Srまたは
Caを置換するものと考えられる。ここで希土類元素
は、具体的にはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luの17種の元素である。SrまたはCa
は、結晶構造中で2価のイオンであるが、希土類元素は
3価以上のイオンになるので、この置換により、221
2相中のホール濃度が減少し、臨界温度が上昇すると考
えられる。
土類元素は Bi-Sr-Ca-Cu-O系2212相の、Srまたは
Caを置換するものと考えられる。ここで希土類元素
は、具体的にはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luの17種の元素である。SrまたはCa
は、結晶構造中で2価のイオンであるが、希土類元素は
3価以上のイオンになるので、この置換により、221
2相中のホール濃度が減少し、臨界温度が上昇すると考
えられる。
【0008】希土類元素の置換量は、上記組成式におい
て、(x+y)が0.005以上で、0.4以下である
ことが必要である。(x+y)が0.005に満たない
場合は、本発明の効果が十分発現しない。(x+y)が
0.4を超える場合は、2212相以外の非超電導体の
結晶相が析出し、2212相が不連続になるおそれがあ
るので、不適当である。(x+y)が0.01以上で、
0.15以下である場合は、さらに好ましい。
て、(x+y)が0.005以上で、0.4以下である
ことが必要である。(x+y)が0.005に満たない
場合は、本発明の効果が十分発現しない。(x+y)が
0.4を超える場合は、2212相以外の非超電導体の
結晶相が析出し、2212相が不連続になるおそれがあ
るので、不適当である。(x+y)が0.01以上で、
0.15以下である場合は、さらに好ましい。
【0009】本発明においてREは、1種の希土類元素
だけでなく2種以上の希土類元素が混合されたものであ
ってもよい。
だけでなく2種以上の希土類元素が混合されたものであ
ってもよい。
【0010】2212相は、希土類が置換されていない
場合には結晶格子のc軸の長さが約30.8Åであるのに対
し、本発明の2212相ではやや結晶格子のc軸の長さ
が小さい。このような結晶格子の収縮も、臨界温度の上
昇に一部寄与しているものと考えられる。超電導体の結
晶格子のc軸の長さは、30.7Å以下であることが望まし
く、この場合に特に高い臨界温度を示す。
場合には結晶格子のc軸の長さが約30.8Åであるのに対
し、本発明の2212相ではやや結晶格子のc軸の長さ
が小さい。このような結晶格子の収縮も、臨界温度の上
昇に一部寄与しているものと考えられる。超電導体の結
晶格子のc軸の長さは、30.7Å以下であることが望まし
く、この場合に特に高い臨界温度を示す。
【0011】本発明の酸化物超電導体は凝固物であり、
上記組成の酸化物超電導体をその融液からの凝固法によ
り製造する。このため、緻密で連続的な組織が得られ
る。2212相は、加熱したときに分解溶融し、固相と
融液とを生成する。本発明においては、この固相と融液
とが混合した状態(以下部分溶融状態という。)から、
徐々に温度を下げて2212相を析出させるのが好まし
い。
上記組成の酸化物超電導体をその融液からの凝固法によ
り製造する。このため、緻密で連続的な組織が得られ
る。2212相は、加熱したときに分解溶融し、固相と
融液とを生成する。本発明においては、この固相と融液
とが混合した状態(以下部分溶融状態という。)から、
徐々に温度を下げて2212相を析出させるのが好まし
い。
【0012】希土類元素を含まないビスマス系2212
相の分解溶融温度が空気中で880℃付近であったのに
対し、本発明の2212相の分解溶融温度についてはこ
れよりも30℃程度高くなり910℃付近になる。
相の分解溶融温度が空気中で880℃付近であったのに
対し、本発明の2212相の分解溶融温度についてはこ
れよりも30℃程度高くなり910℃付近になる。
【0013】希土類元素を含まない2212相は、部分
溶融状態における融液部分の粘性が低く、系外に流れ出
しやすいので、分解溶融温度からあまり高い温度で溶融
することができないのに対し、本発明では融液の粘度が
比較的高く、部分溶融状態において、より液相成分の多
い状態にすることが可能である。このため、本発明では
凝固時に析出する結晶の大きさは、希土類元素を含まな
いものよりも数倍〜数十倍大きくなり、その結果、粒子
間の弱結合の問題も改善され、臨界電流密度が高められ
る。
溶融状態における融液部分の粘性が低く、系外に流れ出
しやすいので、分解溶融温度からあまり高い温度で溶融
することができないのに対し、本発明では融液の粘度が
比較的高く、部分溶融状態において、より液相成分の多
い状態にすることが可能である。このため、本発明では
凝固時に析出する結晶の大きさは、希土類元素を含まな
いものよりも数倍〜数十倍大きくなり、その結果、粒子
間の弱結合の問題も改善され、臨界電流密度が高められ
る。
【0014】溶融に当たっては、上記の組成の酸化物の
粉末を作製し、適宜成形した後、部分溶融状態にするの
が好ましい。溶融凝固の際に金属と積層した状態である
場合は、金属板上に、緻密に配向した結晶が積み重なっ
た組織を有するテープ状の超電導体が得られるのでより
好ましい。具体的には、ドクターブレード法で得られた
原料粉末を含むグリーンシートを金属板上で溶融凝固す
る方法、金属板上にスクリーン印刷法などで厚膜を形成
し溶融凝固する方法、金属管中に原料粉を充填し、金属
管をプレスしテープ状にする方法などにより製造するの
が好ましい。金属としては、金あるいは銀などが、好ま
しく用いられる。
粉末を作製し、適宜成形した後、部分溶融状態にするの
が好ましい。溶融凝固の際に金属と積層した状態である
場合は、金属板上に、緻密に配向した結晶が積み重なっ
た組織を有するテープ状の超電導体が得られるのでより
好ましい。具体的には、ドクターブレード法で得られた
原料粉末を含むグリーンシートを金属板上で溶融凝固す
る方法、金属板上にスクリーン印刷法などで厚膜を形成
し溶融凝固する方法、金属管中に原料粉を充填し、金属
管をプレスしテープ状にする方法などにより製造するの
が好ましい。金属としては、金あるいは銀などが、好ま
しく用いられる。
【0015】
実施例1 組成式Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz において、表1に示し
たREおよびxの組み合わせでy=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作製した。この粉末をオクチルアルコールと混
合した後、0.05mm×5mm ×50mmの銀板上にスクリーン印
刷し乾燥した。この積層体を空気中で920℃で1時間
溶融し、850℃まで3時間かけて冷却し、その温度で
2時間保持した後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却し
た。この結果、銀板上に2212相の厚膜が積層したテ
ープが得られた。
たREおよびxの組み合わせでy=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作製した。この粉末をオクチルアルコールと混
合した後、0.05mm×5mm ×50mmの銀板上にスクリーン印
刷し乾燥した。この積層体を空気中で920℃で1時間
溶融し、850℃まで3時間かけて冷却し、その温度で
2時間保持した後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却し
た。この結果、銀板上に2212相の厚膜が積層したテ
ープが得られた。
【0016】得られたテープは超電導体の厚さが約50
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表1に示す。
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】比較例1 Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz において、x=0、y=0と
なるような酸化物の仮焼粉末を作製した。すなわち、Bi
2Sr2CaCu2Oz 組成の仮焼粉末を作製し、あとは、実施例
1と同様にして酸化物超電導体テープを得た。
なるような酸化物の仮焼粉末を作製した。すなわち、Bi
2Sr2CaCu2Oz 組成の仮焼粉末を作製し、あとは、実施例
1と同様にして酸化物超電導体テープを得た。
【0019】得られたテープは超電導体の厚さが約50
μmでこの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。得られ
たテープのいくつかについて、直流四端子法で調べたと
ころ臨界温度は80〜85Kで、77K・ゼロ磁場での
臨界電流密度は400〜1200A/cm2 であった。
μmでこの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。得られ
たテープのいくつかについて、直流四端子法で調べたと
ころ臨界温度は80〜85Kで、77K・ゼロ磁場での
臨界電流密度は400〜1200A/cm2 であった。
【0020】比較例2 Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz において、REとしてLaを用
い、x=0.5 、y=0となるような酸化物の仮焼粉末を
作製した。あとは、実施例1と同様にして酸化物超電導
体テープを得た。
い、x=0.5 、y=0となるような酸化物の仮焼粉末を
作製した。あとは、実施例1と同様にして酸化物超電導
体テープを得た。
【0021】得られたテープは超電導体の厚さが約50
μmでこの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
2212相の溶融凝固組織が連続しておらず、(La,Sr,C
a)2CuO4 の結晶が所々に析出していた。得られたテープ
は直流四端子法で調べたところ臨界温度は95Kで、7
7K・ゼロ磁場での臨界電流密度は2500A/cm2で
あった。
μmでこの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
2212相の溶融凝固組織が連続しておらず、(La,Sr,C
a)2CuO4 の結晶が所々に析出していた。得られたテープ
は直流四端子法で調べたところ臨界温度は95Kで、7
7K・ゼロ磁場での臨界電流密度は2500A/cm2で
あった。
【0022】実施例2 組成式Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz において、表2に示し
たREおよびxの組み合わせでy=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作り、この粉末を有機バインダーと混合した後
これをドクターブレード法によりシート状に成形し乾燥
した。得られたグリーンシートを0.05mm×5mm ×50mmの
金板上に載せ、空気中で960℃で1時間溶融し、85
0℃まで6時間かけて冷却し、その温度で2時間保持し
た後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却した。この結
果、金板上に2212相の厚膜が積層したテープが得ら
れた。
たREおよびxの組み合わせでy=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作り、この粉末を有機バインダーと混合した後
これをドクターブレード法によりシート状に成形し乾燥
した。得られたグリーンシートを0.05mm×5mm ×50mmの
金板上に載せ、空気中で960℃で1時間溶融し、85
0℃まで6時間かけて冷却し、その温度で2時間保持し
た後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却した。この結
果、金板上に2212相の厚膜が積層したテープが得ら
れた。
【0023】得られたテープは超電導体の厚さが約50
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表2に示す。
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3 組成式Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz において、表3に示し
たREおよびyの組み合わせでx=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作製した。この粉末を有機バインダーと混合し
た後これをドクターブレード法によりシート状に成形し
乾燥した。得られたグリーンシートを0.05mm×5mm ×50
mmの金板上に載せ、空気中で960℃で1時間溶融し、
850℃まで6時間かけて冷却し、その温度で2時間保
持した後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却した。この
結果、金板上に2212相の厚膜が積層したテープが得
られた。
たREおよびyの組み合わせでx=0の組成の酸化物の仮
焼粉末を作製した。この粉末を有機バインダーと混合し
た後これをドクターブレード法によりシート状に成形し
乾燥した。得られたグリーンシートを0.05mm×5mm ×50
mmの金板上に載せ、空気中で960℃で1時間溶融し、
850℃まで6時間かけて冷却し、その温度で2時間保
持した後、加熱炉の電源を切り、炉内で冷却した。この
結果、金板上に2212相の厚膜が積層したテープが得
られた。
【0026】得られたテープは超電導体の厚さが約50
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表3に示す。
μmで、この断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、2212相結晶が銀の面に平行に成長していた。こ
の方法で得られたいくつかのテープの超電導特性につい
て、直流四端子法で調べた臨界温度および77K・ゼロ
磁場での臨界電流密度を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の超電導体は、希土類元素の置換
によるホール濃度の減少および結晶格子の収縮の効果に
より、高い臨界温度を示す。高い温度からの溶融凝固法
による製造が可能で、凝固した結晶が非常に大きく粒間
の弱結合の問題が改善されるので臨界電流密度が高い。
によるホール濃度の減少および結晶格子の収縮の効果に
より、高い臨界温度を示す。高い温度からの溶融凝固法
による製造が可能で、凝固した結晶が非常に大きく粒間
の弱結合の問題が改善されるので臨界電流密度が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/24 ZAA Z 8728−4M
Claims (4)
- 【請求項1】Bi2Sr2-xCa1-yCu2REx+yOz REは希土類元素から選ばれた1種以上、 0≦x、0≦y 0.005≦x+y≦0.4、 zは酸素量 の組成式で表される酸化物超電導体であって、融液から
の凝固物であることを特徴とする酸化物超電導体。 - 【請求項2】超電導体の結晶格子のc軸の長さが30.7Å
以下であることを特徴とする請求項1の酸化物超電導
体。 - 【請求項3】酸化物超電導体組成の酸化物粉末成形体
を、部分溶融状態にした後、冷却して凝固することを特
徴とする請求項1の酸化物超電導体の製造方法。 - 【請求項4】金属基板上に形成された超電導体組成の酸
化物厚膜を、溶融凝固する請求項3の酸化物超電導体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177183A JPH05319827A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ビスマス系酸化物超電導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177183A JPH05319827A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ビスマス系酸化物超電導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05319827A true JPH05319827A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=16026635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3177183A Withdrawn JPH05319827A (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ビスマス系酸化物超電導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05319827A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102482112A (zh) * | 2009-09-08 | 2012-05-30 | 住友电气工业株式会社 | Bi2223氧化物超导体及其制造方法 |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP3177183A patent/JPH05319827A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102482112A (zh) * | 2009-09-08 | 2012-05-30 | 住友电气工业株式会社 | Bi2223氧化物超导体及其制造方法 |
DE112010003576T5 (de) | 2009-09-08 | 2012-09-06 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | BI2223-Oxidsupraleiter und Verfahren zu seiner Herstellung |
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