JPH05319273A

JPH05319273A - 重量物運搬台車

Info

Publication number: JPH05319273A
Application number: JP13090292A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Yamashita; 哲八山下
Original assignee: Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Electric Building Solutions Corp
Priority date: 1992-05-22
Filing date: 1992-05-22
Publication date: 1993-12-03

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は、直線、傾斜、段差部および狭い
通路等、変化する通路の運搬に対応して、手押し、牽引
きの容易な重量物運搬台車を得ることを目的とする。【構成】堅枠部材３を方形に囲い緊合してなる荷台２
には、弓形の底面を有するフレーム４が、荷台２の底面
を覆うように縦３列にネジ止め取り付けられている。各
フレーム５には、縦２列で１１個の固定式キャスタ５が
弓形の底面に沿って連設されている。荷台２の中程に
は、中枠６が横架され、さらに枕７が中枠６に載置され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、平床式の重量物運搬
台車に関し、特に階段を容易に昇降できる重量物運搬台
車の車両構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、エレベータの機械室は、巻上
機、制御盤、信号盤等、およびその運転をつかさどる機
器を配置した部屋であって、普通昇降路の頂上部に位置
し、屋上部に設けられている。さらに、この機械室に至
る通路の途中、あるいは出入口の前に、安全な傾斜階段
が施設されており、この階段を経由して、室内の出入、
機器の搬出入が行われている。

【０００３】従来、一般の機器物の搬出入では、通路に
見合った手押し形の台車が使われている。平坦な場所で
は、車付きの台車を人力で押し引きしていた。また、階
段では、階段の上下にも可能形の既製台車があるが、そ
の使用が手押しであることから、軽量の荷物に限られて
いた。しかし、搬出入する機械、機器物がかなりの重量
になる場合には、通常の手押し式では危険であり、機具
による牽引き方式が行われている。

【０００４】図８は従来の台車による重量物の階段運搬
状態の一例を示す模式図であり、図において１１は重量
物、１２はてこ棒、１３はコンクリートパネル等の厚手
の保護板、１５は台車、１６はコロ等の転がりである。

【０００５】つぎに、上記従来の台車による重量物１１
の運搬動作について説明する。まず、重量物１１を台車
１５の荷受台にワイヤ等で固定する。平坦な場所では、
台車１５、例えばパケットの下に転がり１６をあてなが
ら、てこ棒１２で操り牽引している。さらに、左右に方
向を変える場合には、てこ棒１２で少しづつ向きを変え
ている。しかし、傾斜部、例えば階段では、階段の踏み
面に案内や厚手の保護板１３を敷設し、階段上部に牽引
機具を設置し、滑車等のアンカー止めを設置し、転がり
１６、てこ棒１２を使用して機具牽引して、運搬してい
る。

【０００６】この場合、移動方向が直線的に作用するか
ら、搬出入通路を確保するとともに、作業上かなりの危
険をともなうことから、熟練者により作業が進められ、
作業上の安全、注意が払われている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の台車は以上のよ
うに構成されているので、台車１５の下に転がり１６を
あてながら牽引することになり、平坦部、傾斜部とも
に、運搬通路を痛めないように養生を繰り返したり、作
業にともなう多くの労力を必要とし、特に複雑な通路や
傾斜階段では、かじ取り、下方向の移動、横移動、斜め
移動等の作業が大変であるという課題があった。また、
その作業には、かなりの熟練を要するものであるという
課題もあった。

【０００８】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、直線、傾斜、段差部、狭い通路
等、変化する通路の搬送に対応して、手押し、牽引きの
容易な重量物運搬台車を得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係る重量物運
搬台車は、荷物を載置する荷台と、弓状の底面形状を有
し、荷台の底面を覆うように荷台に固設されたフレーム
と、フレームの弓状の底面に沿ってフレームにネジ止め
固定された複数の固定式キャスタとを備えるものであ
る。

【００１０】

【作用】この発明においては、複数の固定式キャスタ
が、フレームの弓状の底面に沿って前記フレームにネジ
止め固定されているので、荷台の中央付近の弓形部で接
地し、前後部で地面から離れ、段差があっても、段差の
上下の動きに追従することができる。また、直進、旋回
も可能で、水平の戻り、首振りもテコの作用で働くこと
ができる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。実施例１．図１および図２はそれぞれこの発明の実施例
１を示す重量物運搬台車の前方斜視図および後方斜視図
であり、図８に示した従来の重量物運搬台車と同一また
は相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。

【００１２】図において、１は重量物運搬台車の本体、
２は堅枠部材３を方形に囲い緊合してなる荷台、４は荷
台２の底面を覆うように固設した弓形を形成するフレー
ム、５はフレーム４に沿って連設した固定式キャスタで
ある。６は荷台２の中程に嵌め込むように横架された中
枠、７は中枠６に載設され、積み荷を安定させる枕であ
る。８は荷台２の前後に設けられた牽引用のフック、９
は荷台２の両側に設けられた網止め用のフック孔であ
る。

【００１３】ここで、フレーム４は、荷台２の両端部、
および中央部の底面を覆うように、縦３列に固設され、
各フレーム４にはその弓形に沿って固定式キャスタ５が
縦２列で各列１１個ネジ止め取り付けられ、車輪部１０
を構成している。したがって、固定式キャスタ５は、単
体ごとにネジ止めに取り付けて、各列１１個で、縦６列
連設されている。このように構成された車輪部１０は、
一連の固定式キャスタ５が荷台２に対して円弧状に配設
され、移動方向の中央付近の固定式キャスタ５が接地
し、前後部の固定式キャスタ５が地面から離れるように
構成されている。

【００１４】つぎに、実施例１の階段運搬動作について
説明する。まず、平坦部をハンドパレットトラック等で
運搬されてきた重量物１１は、荷台２に積み換えられ
る。重量物１１は、枕７により安定した状態で荷台２に
載置され、フック孔９を使い掛止される。その後、図３
に示すように、てこ棒１２を用い、本体１を階段下まで
運搬する。あらかじめ、階段の踏み面には、コンクリー
トパネル等の厚手の保護板１３を敷設しておき、階段上
部には、小型ウインチを仮設しておく。そこで、牽引ワ
イヤ１４をフック８に、補助牽引ワイヤを重量物１１に
それぞれ目通しにかけ、牽引ワイヤ１４によりフック８
と小型ウインチとを連結する。

【００１５】ついで、図４に示すように、てこ棒１２に
より本体１の後端を軽く押し下げると、テコの作用で本
体１の前方が浮き上がり、踏み面の高低差、その傾斜に
沿って車輪部１０を構成する前方の固定式キャスタ５が
乗り上がる。さらに、図５に示すように、小型ウインチ
により牽引ワイヤ１４を牽引すれば、本体１は傾斜面に
平行して牽引され、平坦部とほぼ同様に簡便に直進牽引
移動される。

【００１６】また、例えば運搬途中で左右に方向を変え
る場合には、本体１の前方を左右に首振りするように引
き込めば、容易にかじ取りすることができ、その場で簡
便に旋回することができる。

【００１７】このように、上記実施例１によれば、弓形
のフレーム４に沿って複数個の固定式キャスタ５を連設
して車輪部１０を構成しているので、直進性、旋回性、
さらに安定性に優れる。また、段差を容易に進むことが
でき、階段も平坦部と同様に牽引することができる。さ
らに、直線性、旋回性、安定性が優れているので、作業
負担が軽く、熟練も要せず省力化が図られるとともに、
運搬時間に短縮化が図られる。

【００１８】また、複合複数のキャスタ構成であるの
で、積載荷重に対しても複合容量となり、高重量にも充
分耐えることができる。

【００１９】また、荷台２に枕７を設けているので、荷
すべりが防止され、特に重量物１１が筒状の場合には安
定して載せられるとともに荷台２になじまる。

【００２０】また、固定式キャスタ５がフレーム４にネ
ジ止め取り付けしているので、タイヤ等が劣化した場合
には、単体で交換でき、経済性に優れている。

【００２１】さらに、固定式キャスタ５のタイヤがゴム
車輪で構成していれば、重厚の敷物を要せず、通路を痛
めるおそれもない。

【００２２】実施例２．上記実施例１では、板状体の弓
形のフレーム４を荷台２の底面を覆うように縦３列に設
けるものとしているが、この実施例２では、図６に示す
ように、一体加工物の弓形のフレーム４ａを荷台２の底
面全体を覆うように設けるものとし、より安定性を高め
ることができる。

【００２３】実施例３．上記実施例１では、板状体の弓
形のフレーム４を荷台２の底面を覆うように縦３列に設
けるものとしているが、この実施例３では、図７に示す
ように、断面方形状の略筒状体の弓形のフレーム４ｂを
荷台２の底面を覆うように縦３列に設けるものとし、フ
レームの筒状体形状により緩衝性を高めることができ
る。

【００２４】なお、上記実施例１、３では、フレーム
４、４ｂを荷台２の底面を覆うように縦３列に設け、そ
れぞれに縦２列で１１個の固定式キャスタ５を配設する
ものとしているが、この発明におけるフレーム４、４ｂ
の本数、固定式キャスタ５の個数は、これに限定される
ものではない。

【００２５】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、荷物を
載置する荷台と、弓状の底面形状を有し、荷台の底面を
覆うように荷台に固設されたフレームと、フレームの弓
状の底面に沿ってフレームにネジ止め固定された複数の
固定式キャスタとを備えているので、平坦部と同様に階
段部や段差部でも車両運搬ができるとともに、その取り
扱いも容易で、安全で、しかも人手も省略化できる重量
物運搬台車が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１を示す重量物運搬台車の前
方斜視図である。

【図２】この発明の実施例１を示す重量物運搬台車の後
方斜視図である。

【図３】この発明の実施例１を示す重量物運搬台車の平
坦部での運搬動作を説明する側面図である。

【図４】この発明の実施例１を示す重量物運搬台車の階
段運搬動作を説明する側面図である。

【図５】この発明の実施例１を示す重量物運搬台車の階
段運搬動作を説明する側面図である。

【図６】この発明の実施例２を示す重量物運搬台車の要
部斜視図である。

【図７】この発明の実施例３を示す重量物運搬台車の要
部斜視図である。

【図８】従来の台車の一例を示す階段運搬状態の模式図
である。

【符号の説明】

２荷台４フレーム４ａフレーム４ｂフレーム５固定式キャスタ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】荷物を載置する荷台と、弓状の底面形状
を有し、前記荷台の底面を覆うように前記荷台に固設さ
れたフレームと、前記フレームの弓状の底面に沿って前
記フレームにネジ止め固定された複数の固定式キャスタ
とを備えたことを特徴とする重量物運搬台車。