JPH0531902A - 記録ヘツドおよび記録装置 - Google Patents

記録ヘツドおよび記録装置

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JPH0531902A
JPH0531902A JP3188771A JP18877191A JPH0531902A JP H0531902 A JPH0531902 A JP H0531902A JP 3188771 A JP3188771 A JP 3188771A JP 18877191 A JP18877191 A JP 18877191A JP H0531902 A JPH0531902 A JP H0531902A
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semiconductor
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット動作時の基板の温度上昇を防
止し、インクの劣化,熱のクロストークを防ぎ、インク
吐出を安定化し、信頼性が高く廉価な記録装置を提供す
る。 【構成】 インクジェット記録装置は、液体を吐出して
飛翔液滴を形成するためのインク吐出口13が開口され
たインク流路16に面し、ペルチエ効果によって発熱お
よび吸熱する金属14を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録ヘッドおよび記録装
置に関し、特にインクジェット記録ヘッドおよびインク
ジェット記録ヘッドを具えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録法は、記録ヘッドに
設けたオリフィスからインク(記録液)を吐出させてイ
ンク滴を形成し、このインク滴を紙等の被記録材に付着
させて記録を行う記録方法であり、騒音の発生が極めて
少なく、かつ高速記録が可能であり、しかも普通紙を使
用でき特別な構成の記録用の紙を用いる必要がないな
ど、多くの利点を有しており、種々のタイプのインクジ
ェット記録方法が開発されている。
【0003】このインクジェット記録方法におけるイン
ク吐出方式には、圧電素子の変形による流路内の圧力変
化を利用したもの、あるいは加圧されたインクを圧電素
子により振動を与え液滴流とし、帯電した液滴のうち必
要なもののみを電極により偏向させて記録を行うものな
どインク吐出エネルギー発生体に圧電素子を用いた方
式、あるいは流路内に発熱素子を設け、インクを急激に
加熱し、生ずる気泡の力によって液滴を吐出させるイン
ク吐出エネルギー発生体に発熱素子を用いた方式といっ
たような種々の記録方法を挙げることができる。
【0004】図4は、このようなインクジェット記録方
法に用いる記録ヘッドの吐出エネルギー発生体として電
気熱変換体を用いた場合の吐出液滴形成部付近の代表的
構成を示す断面図である。
【0005】この記録ヘッドは、Siなどからなる基体
1上に、インクを吐出するための熱エネルギーを発生す
るためのHfB2 等からなる発熱抵抗体2とAl等から
なる配線3とを有する電気熱変換体を配置し、さらに、
最終的に液流路と液室の下に位置する発熱抵抗体2と配
線3の上部にSiO2 等からなる保護層(不図示)を設
け、樹脂あるいはガラスなどから形成した天板6を接合
した構成を有する。
【0006】この記録ヘッドにおけるインクの吐出エネ
ルギーは、ヒーター部4を有する電気熱変換体によって
付与される。すなわち、配線3を経由して、発熱抵抗体
2に電流を流すと、ジュール熱が発生して、ヒーター部
4付近にある流路中のインクが瞬間的に加熱されて、膜
沸騰による気泡が発生し、その気泡の瞬間的な体積膨張
と収縮から消滅に至る体積変化によってインク吐出口
(オリフィス)5からインクの液滴が吐出される。
【0007】なお、このタイプの記録ヘッドでは、必要
に応じて、配線3およびヒーター部4上部に、耐キャビ
テーション層、またはその下部に蓄熱層が設けられる。
また、流路とインク吐出口5は、本例では、流路でのイ
ンクの流れ方向と、インク吐出口からのインク滴の吐出
方向が同一となるような位置関係で設けられているが、
これらの方向を異なるようにこれらを配置する場合もあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような構成の
記録ヘッドにおいては、次のような問題がある。
【0009】1)気泡(バブル)を発生するために、ヒ
ーター部が大きな熱量を急速を発生する必要があるため
に大電力が必要である。
【0010】2)インクに供給された熱量がインク吐出
後にもヒーター部近傍に残存するために基板温度の上昇
を招来する。
【0011】3)ヒーター部で発生した熱が隣接する他
のノズルに到達するために、隣接するノズルが誤動作す
ること、すなわち、熱のクロストークを招き、インクジ
ェット記録ヘッドの吐出性に障害がある。
【0012】現在においては、ジュール熱を用いる方法
は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する方法とし
て、大電力を要するため、必ずしも最適な方法とは言え
ない。
【0013】また、インクジェット記録動作時における
基板温度の上昇は、インクを劣化させ、インク吐出が不
安定となるという新たな問題を引き起こす。
【0014】すなわち、比較的高温での記録ヘッドの信
頼性および記録ヘッドの寿命と、比較的高温における気
泡の発泡容易性とは相反する特性である。現状において
は、長時間インク液滴を吐出しない場合には、劣化した
インクが記録紙に到達して、画像の鮮細性を損なうこと
を防止するために、記録紙に印刷する前に、空打を行い
劣化していない新鮮なインクが記録紙に到達するように
していた。しかしながら、この方法では、空打のための
余分の装置が必要であり、また、空打時間があるため
に、スループットが低下する。
【0015】温度上昇によるクロストークの問題は、ヒ
ーター部に電気エネルギーを供給して、熱エネルギーを
発生させて気泡を生じせしめるインクジェット記録装置
に常に伴なう決定的な問題である。もしも、余分な熱を
発生せず、インク液に残存している熱を速やかに回収す
ることができるならば理想的である。
【0016】そこで、本発明の目的は、上述の問題点を
解消し、熱のクロストークを招来することはなく、イン
クが劣化して吐出が不安定になることなく、スループッ
トを高めた記録ヘッドおよび記録装置を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の記録ヘッドは、一端にインク吐出口
を有するインク流路を構成する半導体基板上に、半導体
層と接し、ペルチエ効果によって発熱および吸熱する金
属層が形成されていることを特徴とする。
【0018】記録ヘッドは、第1導電型の第1半導体層
と第2導電型の第2半導体層とが第1金属層を介して結
合され、第2導電型の第3半導体層と第1導電型の第4
半導体層とが第2金属層を介して結合され、前記第1半
導体層の前記第1金属層と対向する面および前記第3半
導体層の前記第2金属層と対向する面は第3金属層によ
って接続され、前記第2半導体層の前記第1金属層と対
向する面と前記第4半導体層の前記第2金属層と対向す
る面は第4金属層によって接続され、さらに前記第1金
属層は第2導電型の第5半導体層へ、前記第2金属層は
第1導電型の第6半導体層へ接続され、前記第5および
第6半導体層のそれぞれ第1および第2金属層に対向す
る面は第5および第6金属層に接続されているカスケー
ド接続構造のペルチエ素子が、一端にインク吐出口を有
するインク流路を構成する半導体基板に組込まれ、前記
第4金属層が前記インク流路に面していることを特徴と
する。
【0019】また、記録ヘッドは、第1導電型の第1半
導体層と第2導電型の第2半導体層とが第1金属層を介
して結合され、前記第1および第2半導体層の前記第1
金属層に対向する面は、第2および第3金属層に接続さ
れている構造のペルチエ素子が、一端にインク吐出口を
有するインク流路を構成する半導体基板に組込まれ、前
記第1の金属層が前記インク流路に面していることを特
徴とする。
【0020】さらに、本発明の記録装置は、一端にイン
ク吐出口を有するインク流路を構成する半導体基板上
に、半導体層と接し、ペルチエ効果によって発熱および
吸熱する金属層が形成されている記録ヘッドを具えてい
ることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、ペルチエ素子の冷却作用を用
いて、インクを吐出させた後の残存した熱を吸収するよ
うに構成したので、基板温度が上昇することはない。従
って、インクは劣化することなく安定したインク液滴を
吐出させることができ、また隣接するノズルが誤動作す
る熱のクロストークも招くことはない。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の記録ヘッドの
実施例を示す模式的断面図である。
【0024】Siからなる半導体基板11にBを熱拡散
法等によってドープしてp+ 型拡散層12を形成する。
さらにまた、基板11に対向する半導体基板18にPを
熱拡散法等によりドープしてn+ 型拡散層17を形成す
る。半導体基板11および半導体基板18によってイン
ク流路16が形成される。さらに、p+ 型拡散層12お
よびn+ 型拡散層17の表面に、それぞれ、インクから
の酸化を防止するためにインク遮蔽性に優れるSiO2
等からなる絶縁保護膜19および20を形成する。さら
に、p+ 型拡散層12およびn+ 型拡散層17の間にA
l等からなる金属14が設けられている。金属14は中
央部に開孔を有し、一方の部分14Aでp+ 型拡散層1
2と、他方の部分14Bでn+ 型拡散層17とそれぞれ
直接に接している。ここで、p+ 型拡散層12に正の電
圧を印加し、n+ 型拡散層17に負の電圧を印加して電
流を流す。その結果、ペルチエ効果により、p+ 型拡散
層12と金属14Aとの界面および金属14Bとn+
拡散層17との界面で発熱する。この発生した熱は熱伝
導性の高い金属14を通してインク液に伝達される。こ
れにより、インク流路16内のインク液は加熱され、気
泡が発生する。この気泡の急激な体積増加により、イン
ク吐出口13よりインク液滴が吐出される。次に、p+
型拡散層12に負の電圧を印加し、n+ 型拡散層17に
正の電圧を印加することにより、界面で吸熱が生じる。
このペルチエ効果による吸熱作用により、気泡が収縮
し、消滅してもとのインク液に戻る。これと同時に、残
存するインク液および周囲の熱を奪うために、基板温度
も低下してインク液が劣化することはなくなる。
【0025】また、ペルチエ効果の吸熱作用によりイン
ク液の温度が低下するので、隣接するノズルが誤動作す
るような熱のクロストークは招かない。従って、ノズル
を微細化することが可能である。
【0026】さらに、基板温度がペルチエ効果により低
下するために、基板の保持が容易となり、例えば、集積
回路のような他の機能素子等を同一基板上に形成するこ
とが可能となるので、スループットが上昇すると共に、
廉価な記録装置を提供することができる。
【0027】(実施例2)図2は本発明の他の実施例を
示す模式的断面図である。
【0028】図2の接続方法は一般にカスケード接続と
呼ばれている。
【0029】インク吐出口29Aを有するインク流路2
9を構成する半導体基板28Aに組込まれたペルチエ素
子は複数の導電型層部分と複数の金属層とで構成されて
いる。天板28Bは半導体である必要はない。図2の例
では、p+ 層25A,25Cおよびn+ 層25B,25
Dが、金属層22A,22B,22Cおよび24A,2
4Bによって、M(金属)22A→p+ 層25A→M2
4A→n+ 層25B→M22B→p+ 層25C→M24
B→n+ 層25D→M22Cと接続され、さらに、n+
層25Bは金属層24Aを介してp+層26Aに、p+
層25Cは金属層24Bを介してn+ 層26Bと接続さ
れ、p+ 層26Aおよびn+ 層26Bは金属層30を介
して接続されている。従って金属22Aと22Cとの間
には、前述した経路の他に、M22A→p+ 層25A→
M24A→p+ 層26A→M30→n+ 層26B→M2
4B→n+ 層25D→M22Cという経路が形成されて
いる。金属層30はインク流路29に露出し、半導体基
板28Aの表面は絶縁保護膜27によって覆われてい
る。このような構造は通常の半導体作製技術、すなわち
金属膜の堆積,不純物導入層の形成とそれらのパターニ
ングによって作ることができる。金属層22Aおよび2
2Cは電極としても利用できる。電極22Aと電極22
Cとの間に電圧を印加して電流を流すと、金属層と半導
体層との界面のうち、p+ 層から金属層へ、および金属
層からn+ 層へ電流が流れる界面では発熱し、金属層か
らp+ 層へ、およびn+ 層から金属層へ電流が流れる界
面では吸熱する。
【0030】従って、電極22Aに正の電圧を、電極2
2Cに負の電圧を印加して電流を流すと、インク流路2
9に露出している金属層30は発熱し、金属層30に接
する部分のインクは急激に加熱されて気泡を生じ、イン
ク吐出口29Aからインク液滴が吐出される。この時中
間の金属層24Aおよび24Bはほとんど発熱せず、最
下層の金属層22A,22Bおよび22Cは吸熱する。
【0031】次に電極22Aに負の電圧を、電極22C
に正の電圧を印加して電流を流すと、各界面において
は、前述と逆の吸熱・発熱が生ずる。従って、金属層3
0付近の吸熱作用により、インク液中の気泡は急速に収
縮し、消滅する。この時、最下層の金属層22A,22
B,22Cは発熱するが、前段階における吸熱によって
基板28Aのこの近傍は冷却されているので、この時の
発熱によっても基板28Aの温度は上昇しない。
【0032】上記した実施例2においては、3段型カス
ケード接続であるが、p+ 層25A,n+ 層25B,p
+ 層25Cおよびn+ 層25Dを取り除くと共に、金属
層22A,22B、および22Cを取り除いた2段型カ
スケード接続としても、実施例2に記載したのと同様の
ペルチエ効果を発揮する。
【0033】更なる例としては、従来の記録装置のヒー
ター部の近傍に、インク液および発熱抵抗層の冷却専用
のペルチエ素子を設ければ、冷却効果を一段と高めるこ
とが可能となるので、基板温度も低下する。従って、イ
ンクが劣化することはなくなり、隣接するノズルが誤動
作するような熱のクロストークを招かない。それにより
ノズルからのインク吐出も安定し、ノズルの微細化も可
能となる。
【0034】図3はその制御用回路図である。トランジ
スター33および34にクロック信号φ1 を印加して導
通させると、ペルチエ素子のp+ 型拡散層31Aに+V
の電圧が、n+ 型拡散層31Dに−Vの電圧が印加さ
れ、電流はp+ 層31A→金属31B→金属31C→n
+ 層31Dの順に流れる。その結果、n+ 型拡散層31
Dと金属31Cとの界面が発熱すると同時に、p+ 型拡
散層31Aと金属31Bとの界面で発熱する。従って、
インク液を加熱し、気泡を発生させることができる。次
に、トランジスター35および36にクロック信号φ2
を印加して導通させると、ペルチエ素子のp+ 型拡散層
31Aに−Vの電圧が、n+ 型拡散層31Dに+Vの電
圧が印加される。その結果、n+ 型拡散層31Dと金属
31Cとの界面において吸熱すると同時にp+ 型拡散層
31Aと金属31Bとの界面においても吸熱する。従っ
て、インク液路内に発生した気泡は収縮し、ついには消
滅してもとのインク液に戻る。図3に示した制御回路
は、ノズルを形成した半導体基板上に形成することがで
きる。
【0035】以上の実施例においては、n+ 型拡散層ま
たはp+ 型拡散層と電極との平坦な界面での発熱・吸熱
作用によって気泡を発生させ、次いで気泡を収縮させた
が、ペルチエ効果は界面で起こるので、界面を平坦面に
形成するのではなく、金属層とp+ 型拡散層またはn+
型拡散層の界面に凹凸を設ければ、表面積を大きくする
ことができるため、ペルチエ効果をさらに高めることが
できる。
【0036】その上、インク吐出後、ペルチエ効果によ
り基板温度を低下させることが可能であるので、熱に弱
い集積回路を同一基板に形成することができ、記録装置
を超微細,高精密にすることが可能となる。
【0037】特開昭62−253457号公報に開示さ
れているように、印刷技術、すなわちフォトレジストあ
るいは感光性ドライフィルム等を用いた微細加工技術に
より、記録ヘッドの細密部を所望のパターンで、しかも
極めて容易に記録ヘッドを製造することができる。さら
に、このような方法によって、記録ヘッドの超微細化,
高集積化,高精密化を達成することができる。
【0038】以上例示した実施例では、半導体基板にB
をドープしてp型拡散層を形成し、またPをドープして
n型拡散層を形成したが、公知のn型熱電半導体材料お
よびp型熱電半導体材料を用いることができるのは勿論
である(例えば、上村欣一・西田勲夫著、「熱電半導体
とその応用」、日刊工業新聞社、1988年、pp.1
67〜pp.180を参照のこと)。
【0039】その場合には、用いられる記録ヘッドの温
度とp型とn型の半導体素子の性能指数を考慮に入れて
材料を選択する。
【0040】n型とp型の半導体素子からなる熱電素子
の性能指数は、
【0041】
【数1】
【0042】で表わされる。ここで、αn ,αp ,(κ
/σ)n ,(κ/σ)p は、それぞれ、n型,p型の半
導体のゼーベック係数,導電率に対する熱伝導率の比を
表わす。適当な仮定の下で計算すると、Zの大きな物質
を得るためには、μ/κph(μ:移動度、κph:熱伝導
率の格子成分)の大きな物質を選び、不純物制御を行っ
てキャリア濃度nの値を1018〜1019cm-3にすれば
良いことがわかる(管義夫(編):「熱電半導体」、槙
書店(1966)、pp.262)。μ/κphを大きく
するには、平均原子量を増加すればよい。このことは、
原子番号の大きな半導体が有利なことを示している。現
在、実用に供されている材料は基本的に、Bi−Te,
Pb−Te,Si−Ge等を例示することができる。
【0043】ビスマス・テルル系熱電半導体は、n型お
よびp型熱電半導体として、それぞれBi2 Te3 およ
びSb2 Te3 を主成分とする固溶体が現在よく用いら
れている。また、焼結温度の処理条件に敏感であって、
p型にもn型にも変化するBi2 Te3 も用いられる。
【0044】鉛・ゲルマニウム・テルル系の熱電材料は
850K以下の中温度領域で有用性が認められている。
【0045】PbTeに、p型添加剤としてAg2 Te
またはNaを、n型にはPbI2 またはPbBrを添加
してキャリア濃度の制御を行う。また、Pb0.95Ge
0.05TeにPbI2 を添加したn型と、PbTe0.95
0.05にNaを添加したp型とは、冷間プレスした後、
水素雰囲気下中で焼結することによって得られる。この
p型とn型材料は最大性能指数が約1.8×10-3/K
(770K)で、PbTe単結晶よりも最大性能指数が
大きい。
【0046】Si−Ge系熱電半導体材料としては、B
またはPを多量に添加したp型またはn型のSi−Ge
合金が知られている。Gaを添加したSi−Ge合金の
p型は、B添加のp型やP添加のn型よりも熱伝導率が
小さいが性能指数は良い。
【0047】セレン化合物としては、p型のCu1.97
0.03Seおよびn型のGdSeが挙げられ、GaPを
添加したSi−Ge合金よりも大きな性能指数を示す。
【0048】以上例示した熱電半導体を用いることによ
り、熱電半導体材料の性能指数を高めることができ、ペ
ルチエ効果を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ペルチエ素子の冷却作用を用いて、インクを吐出させた
後の残存した熱を吸収するように構成したので、基板温
度が上昇することはない。従って、インクは劣化するこ
となく安定したインク液滴を吐出させることができ、ま
た隣接するノズルが誤動作する熱のクロストークも招く
ことはない。
【0050】さらにまた、本発明によれば、熱効率の高
いペルチエ効果を利用しているので、従来のジュール熱
を利用するインクジェット記録装置とは異なり、大電力
を必要としないので、廉価なインクジェット記録装置を
提供することができる。
【0051】その上、本発明によれば、インクを空打す
るための余分な装置を必要とせず、またスループットが
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置のノズル部分の実施例を示す
模式的断面図である。
【図2】本発明の記録装置のノズル部分の他の実施例を
示す模式的断面図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置のノズル部に
おけるヒーター部を制御するための制御回路図である。
【図4】従来のインクジェット記録装置のノズル部分を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 発熱抵抗体 3 配線 4 ヒーター部 5 インク吐出口(オリフィス) 6 天板 11 半導体基板 12 p+ 型拡散層 13 インク吐出口 14A,14B 金属 16 インク流路 17 n+ 型拡散層 18 半導体基板 19,20 絶縁保護膜 22A〜22C 金属層 24A,24B 金属層 25A p+ 型拡散層 25B n+ 型拡散層 25C p+ 型拡散層 25D n+ 型拡散層 26A p+ 型拡散層 26B n+ 型拡散層 27 絶縁保護膜 28A,28B 基板 29 インク流路 29A インク吐出口 30 金属層 31A p+ 型拡散層 31B 金属 31C 金属 31D n+ 型拡散層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端にインク吐出口を有するインク流路
    を構成する半導体基板上に、半導体層と接し、ペルチエ
    効果によって発熱および吸熱する金属層が形成されてい
    ることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板は前記インク流路を挟ん
    で対向する第1基板と第2基板とを有し、該第1および
    第2基板にはそれぞれ第1導電型層および第2導電型層
    が形成されており、前記金属層は前記第1導電型層と接
    する第1部分,前記第2導電型層と接する第2部分およ
    び前記第1部分と前記第2部分とを接続しかつインク流
    通孔を有する第3部分からなることを特徴とする請求項
    1に記載の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ペルチエ効果によって発熱および吸
    熱する層がカスケード接続されたペルチエ素子の一部で
    あることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記金属層と前記半導体層との界面が凹
    凸部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記基板に、電気熱変換素子がさらに形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記基板に、ペルチエ素子を制御する回
    路がさらに組込まれていることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 第1導電型の第1半導体層と第2導電型
    の第2半導体層とが第1金属層を介して結合され、第2
    導電型の第3半導体層と第1導電型の第4半導体層とが
    第2金属層を介して結合され、前記第1半導体層の前記
    第1金属層と対向する面および前記第3半導体層の前記
    第2金属層と対向する面は第3金属層によって接続さ
    れ、前記第2半導体層の前記第1金属層と対向する面と
    前記第4半導体層の前記第2金属層と対向する面は第4
    金属層によって接続され、さらに前記第1金属層は第2
    導電型の第5半導体層へ、前記第2金属層は第1導電型
    の第6半導体層へ接続され、前記第5および第6半導体
    層のそれぞれ第1および第2金属層に対向する面は第5
    および第6金属層に接続されているカスケード接続構造
    のペルチエ素子が、一端にインク吐出口を有するインク
    流路を構成する半導体基板に組込まれ、前記第4金属層
    が前記インク流路に面していることを特徴とする記録ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】 第1導電型の第1半導体層と第2導電型
    の第2半導体層とが第1金属層を介して結合され、前記
    第1および第2半導体層の前記第1金属層に対向する面
    は、第2および第3金属層に接続されている構造のペル
    チエ素子が、一端にインク吐出口を有するインク流路を
    構成する半導体基板に組込まれ、前記第1の金属層が前
    記インク流路に面していることを特徴とする記録ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 一端にインク吐出口を有するインク流路
    を構成する半導体基板上に、半導体層と接し、ペルチエ
    効果によって発熱および吸熱する金属層が形成されてい
    る記録ヘッドを具えていることを特徴とする記録装置。
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