JPH05317420A - 貯血槽 - Google Patents
貯血槽Info
- Publication number
- JPH05317420A JPH05317420A JP4148306A JP14830692A JPH05317420A JP H05317420 A JPH05317420 A JP H05317420A JP 4148306 A JP4148306 A JP 4148306A JP 14830692 A JP14830692 A JP 14830692A JP H05317420 A JPH05317420 A JP H05317420A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood
- defoaming
- filter
- amount
- reservoir
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- External Artificial Organs (AREA)
Abstract
グ2を有し、その内部には除泡装置7aが設置されてい
る。除泡装置7aは、血液流入口5aに接続された血液
導入管8と、フィルター部材9と、このフィルター部材
9の上方に設置された消泡部材10とを備えている。フ
ィルター部材9は、実質的に消泡剤が担持されていない
第1フィルター部91と、消泡剤が担持されている第2
フィルター部92とで構成されている。また、消泡部材
10には、消泡剤が担持されている。 【効果】 消泡剤の血液中への混入を最小限に抑え、か
つ貯血量の変動に対しても優れた除泡効果が安定的に得
られる。
Description
去する除泡装置を備える貯血槽に関する。
ポンプを作動して患者の静脈より脱血し、人工肺により
ガス交換を行なった後、この血液を再び患者の動脈に戻
すという人工肺体外血液循環が行なわれる。また、術野
から血液を吸引し、異物を瀘別除去した後、返血するラ
インも設けられる。このような人工肺体外血液循環回路
には、脱血した血液を一時的に貯留しておく貯血槽や、
術野から吸引された血液を瀘過し、一時的に貯留してお
く貯血槽(カーディオトミーリザーバー)が設置され
る。
整し、返血量を一定に保つための緩衝機能を有する他、
貯血槽内に除泡装置を設置し、血液中の気泡を除去する
機能をも有している。
の血液導入部の周囲を囲むように濾過部材を配置し、こ
の濾過部材にシリコーン消泡剤を担持し、血液が瀘過部
材を通過する際に、血液中に混入した気泡が消泡剤と接
触して消泡される構成のものが知られているが、このよ
うな除泡装置では、濾過部材を血液が通過する際に、消
泡剤が離脱して血液中に混入することがある。消泡剤と
して使用されるシリコーンは、不活性物質であり、それ
自体ほとんど有害ではないが、人体により物質代謝され
ないために、人体内に蓄積され易く、また、極細の毛細
管や血管等を詰まらせることもあり得るので、血液中へ
の混入は、極力避けるべきである。
ることができるものとして、脱泡要素(消泡部材)の上
端にのみ消泡剤を担持させ、この消泡剤担持領域を血液
の最高液面レベルより上方に設定し、血液と消泡剤とが
接触しないようにした除泡装置が開示されている(特開
昭63−21064号公報)。
うな欠点がある。すなわち、消泡剤担持領域が血液の最
高液面レベルより上方に設定されているため、血液流入
量が比較的少なく、平均的なまたはそれ以下の貯血量が
維持されているときには、その血液液面と消泡剤担持領
域の下端との間に相当の距離があり、この部分に常に気
泡が残留し、脱泡要素の内側に付着している状態とな
る。そのため、脱泡要素全体の面積に対する実効面積の
割合が低くなり、圧力損失が増加してプライミング量の
増大を招く。
大して、血液液面が上昇した場合には、これに伴って血
液液面付近の残留気泡が消泡剤担持領域に押し上げられ
るとともに、血液流入量に対応した多量の気泡が除泡装
置内に新たに流入してくるため、消泡しきれなくなり、
特に消泡剤担持領域の面積が小さいこともあって、消泡
されないまま気泡が除泡装置外に流出することがある。
報に記載の除泡装置では、貯血量の変動に伴う気泡の増
減に対し、安定した除泡効果が得られないという欠点が
ある。
剤の血液中への混入を最低限に抑え、かつ貯血量の変動
に対しても優れた気泡除去能を安定的に得られる貯血槽
を提供することにある。
(1)の本発明により達成される。また、下記(2)〜
(6)であるのが好ましい。
るハウジングと、前記血液流入口に連通するよう前記ハ
ウジング内に設置された除泡装置とを有する貯血槽であ
って、前記除泡装置は、前記血液流入口に接続された血
液導入管と、フィルター部材と、このフィルター部材の
上方に設置され、消泡剤を担持する消泡部材とを備えて
おり、前記フィルター部材は、下方側にある消泡剤を実
質的に担持しない第1フィルター部と、上方側にある消
泡剤を担持する第2フィルター部とで構成されているこ
とを特徴とする貯血槽。
フィルター部との境界は、最大貯血量の5〜75%の範
囲の貯血量に対応した液面レベルの範囲内に形成されて
いる上記(1)に記載の貯血槽。
が前記血液導入管により少なくとも前記消泡部材に接触
することなく除泡装置内に導入されるように構成されて
いる上記(1)または(2)に記載の貯血槽。
2フィルター部の上端部に接合されている上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の貯血槽。
部材より血液の通過抵抗が低い材料で構成されている上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の貯血槽。
持量が、前記第2フィルター部における消泡剤の担持量
よりも多い上記(1)〜(4)のいずれかに記載の除泡
装置。
びこれに接続された血液導入管を経て除泡装置内に流入
した血液は、フィルター部材を通過し、この際に、血液
中に混入していた気泡が分離除去される。すなわち、血
液はフィルター部材の目(細孔)を通過してフィルター
部材の外側に流出し、ハウジング内の貯血空間に貯留さ
れ、一方、気泡はフィルター部材の目を通過することが
できず、自らの浮力および血液流によるウォッシュアウ
トの作用によりフィルター部材の内面に沿って浮上し、
血液の液面付近に集積される。
ほとんどが消泡剤を実質的に担持しない第1フィルター
部を通過するので、消泡剤が血液と接触して血液中に混
入することはない。
方にある第2フィルター部には、消泡剤が担持されてお
り、血液の液面付近の気泡がある程度集積して上昇した
り、貯血量が増大して血液液面が上昇したときには、血
液液面付近の気泡は第2フィルター部に接触し、消泡剤
の作用により破泡する。破泡した気泡は、空気として除
泡装置の外部へ排気される。
境界は、最大貯血量における血液液面レベルよりも下
方、特に、最大貯血量の10〜75%の範囲の貯血量に
対応した液面レベルの範囲内に設定されているので、前
記気泡の集積や液面上昇に迅速に対応して消泡すること
ができるとともに、第2フィルター部に血液が接触する
頻度は少なく、よって第2フィルター部に担持された消
泡剤が離脱して血液中に混入する量は少ない。
上昇した場合には、これに伴って血液液面付近の気泡も
上昇し、消泡部材に接触して消泡剤の作用により破泡す
る。この消泡部材は、前記第2フィルター部よりも消泡
能力が高く、上昇してくる気泡を迅速に消泡する。
液面レベル付近またはそれより上方に設定した場合に
は、血液が消泡部材に接触することはほとんどない。従
って、消泡部材から消泡剤が離脱したとしても、その量
は極微量となる。
血液は、貯血空間に貯留され、さらにハウジングの下部
に形成された血液流出口からハウジング外へ流出する。
この血液中の気泡および除泡剤の混入量は、極めて少な
いものとなっている。
適実施例に基いて詳細に説明する。
面図、図2は、図1中のA−A線での断面図、図3は、
図1中のB−B線での断面図である。図1に示すよう
に、本発明の貯血槽1は、ハウジング本体3と蓋体4と
で構成されるハウジング2を有する。このハウジング2
の内部には、血液を貯留する貯血空間25が形成されて
いる。
下方に突出する突出部31を有する箱形をなしており、
この突出部31の下部には、貯血空間25に連通する管
状の血液流出口6が形成されている。この血液流出口6
は、例えば体外血液循環回路の送血ラインのチューブに
接続される。
覆うようにハウジング本体3の上端に嵌合されている。
また、蓋体4の所定位置には、それぞれ貯血空間25に
連通する2つの管状の血液流入口5aおよび5bが形成
されている。これらのうち、血液流入口5aは、例えば
体外血液循環回路の脱血ラインのチューブに接続され、
血液流入口5bは、例えば術野からの血液吸引ラインの
チューブに接続される。
装置7aにプライミング液を注入する際に使用されるプ
ライミング液注入口5cが形成されている。また、血液
流入口5aのプライミング液注入口5cと逆側の側部に
は、脱気口5dが形成されている。後述する除泡装置7
aにより破泡された気泡は、その一部がこの脱気口5d
から空気として外部へ排出される。なお、貯血槽1内で
の血液の増減に伴う空気の出入は、この脱気口5dを介
して行われる。
内血吸引のための心腔内血流入口5eが複数形成されて
いる。このようなハウジング2において、貯血空間25
の容積は特に限定されないが、例えば、成人用では30
00〜5000ml程度、小児用では1000〜2500
ml程度とするのが好ましい。
としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−ス
チレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重
合体等を挙げることができ、このなかでも特に、ポリカ
ーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニルが好ましい。
貯血量や内部の血液の状態を目視で確認することができ
るように、実質的に透明であるのが好ましい。なお、ハ
ウジング本体3の正面(図1中左側端面)や側面には、
貯血量を示す目盛り(図示せず)が設けられているのが
好ましい。
流入した血液中に含まれる気泡を除去する2つの除泡装
置7aおよび7bが設置されている。以下、これらの除
泡装置の構成を順次説明する。
流入口5aに連通するものであり、血液流入口5aに接
続された血液導入管8と、フィルター部材9と、このフ
ィルター部材9の上方に設置された消泡部材10とを備
えている。
直管状の部材であり、その上端部は、血液流入口5aに
接続されている。また、血液導入管8の下端は、除泡装
置7a内の底部付近まで延長されている。これにより、
血液流入口5aから血液導入管8へ導入された血液は、
後述する消泡部材10および第2フィルター部92に接
触することなく除泡装置7a内に供給され、このような
血液導入時における血液中への消泡剤の混入が防止され
る。
より小径のプライミング液導入管11が設置され、その
上端は、プライミング液注入口5cに接続されている。
また、プライミング液導入管11の下端は、血液導入管
8と同様、除泡装置7a内の底部付近まで延長されてい
る。
11の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体等の高分子材料、各種ガラス、ア
ルミナ、シリカ等の各種セラミックス、ステンレス、ア
ルミニウム、銅、チタン等の金属、各種炭素材料等、あ
るいはこれらのうちの2以上を組合せたものを挙げるこ
とができるが、このなかでも特に、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、PET、ステンレスが
好ましい。
グ液導入管11の周囲には、フィルター部材9および消
泡部材10が設置されている。フィルター部材9は、血
液中の異物や気泡を除去する機能を有するものであり、
図中下方の第1フィルター部91と、これより上方の第
2フィルター部92とで構成されている。第1フィルタ
ー部91には、実質的に消泡剤が担持されておらず、第
2フィルター部92には、後述するような消泡剤が担持
されている。
透過性を有する多孔質材料で構成される。このような多
孔質材料としては、メッシュ(ネット)状のもの、織
布、不織布等が挙げられ、これらを単独でまたは任意に
組み合わせて(特に積層して)用いることができる。本
発明では、フィルター部材9として、メッシュ状のもの
を含んでいるのが好ましい。メッシュは、血液の透過性
に優れるとともに、開口精度が高く、気泡等を有効に除
去することができるからである。
た網目を有するシート状の部材であって、その形態は、
繊維の織物または編物、一体成形物、加工物等が挙げら
れる。
ュの構成材料としては、PET、PBTのようなポリエ
ステル、ナイロン(ポリアミド)、テトロン、レーヨ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフ
ィン、ポリ塩化ビニル等の高分子材料、アルミニウム、
ステンレス等の金属材料、あるいはこれらのうちの2以
上を組み合わせたものが挙げられるが、そのなかでも、
特に、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ステンレスが好ましい。
シュの網目のオープニングは15〜300μm 程度、特
に20〜200μm であるのが好ましい。300μm を
超えると、微細な気泡は血液とともにメッシュの網目を
透過することがあり、また、15μm 未満であると、血
液の通過抵抗が増大し、除泡装置7a内での血液の液面
が上昇する傾向となるからである。
性をさらに向上するために、必要に応じ、プラズマ処理
や親水性高分子材料のコーティングのような親水化処理
を施しておくことができる。この場合、プラズマ処理等
の親水化処理は、常法に従って行なえばよい。
えば、直径約20μm 以上の気泡を有効に除去すること
ができる。このようなフィルター部材9は、それ自体剛
性が低いため、図2に示す構成例では、格子状のフレー
ム部材12により支持、固定されている。このフレーム
部材12の構成材料は、前記血液導入管8と同様のもの
を用いることができる。
に担持される消泡剤は、気泡が接触すると破泡するよう
な機能を有するものであり、その代表例としては、シリ
コーン(シリカを配合したコンパウンド型、オイル型
等)等が挙げられる。このような消泡剤の第2フィルタ
ー部92への担持方法は、例えば、消泡剤を含む液を素
材に含浸、塗布またはスプレーし、その後、乾燥(例え
ば、30℃、180分)することにより行なう。
ルター部92との境界94の位置については、後に詳述
する。フィルター部材9の上方に設置された消泡部材1
0には、前記と同様の消泡剤が担持されている。消泡部
材10への消泡剤の担持方法も前記と同様である。
をフィルター部材9の延長部93が被覆しているが、こ
の延長部93は、消泡部材10の一部としてとらえるこ
とができる。また、このような延長部93が存在しない
か、または消泡部材10の外面の一部のみを被覆してい
てもよい。
泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレ
ン、発泡ポリスチレン等の発泡体、メッシュ、織布、不
織布または、多孔質セラミックスや樹脂等の焼結体のよ
うな各種多孔質材を挙げることができるが、そのなかで
も、比較的血液の通過抵抗(圧力損出)が少ない材料を
用いるのが好ましい。
ポリウレタンのような発泡体やその他の多孔質材を用い
る場合には、その孔径は20μm 〜5mm程度、特に30
μm〜2mm程度とするのが好ましい。消泡部材10の下
端面、すなわち消泡部材10と第2フィルター部92と
の境界101の位置は、貯血槽1の最大貯血量における
液面レベル(最大液面レベルLmax )付近またはそれよ
り上方とするのが好ましい。
貯血槽1より血液が溢れ出るおそれが生じる限界の血液
量のことを言い、貯血槽1の機能や構造によっても異な
るが、通常は、貯血空間25の実質容積の70〜100
%程度とされる。
ィルター部91と第2フィルター部92との境界94の
位置は、貯血槽1の最大貯血量の好ましくは5〜75%
の範囲、より好ましくは20〜70%の範囲の貯血量に
対応した液面レベルの範囲内に設定されている。5%未
満であると、血液が第2フィルター部92と接触する頻
度が多くなり、血液中への消泡剤の混入量が比較的多く
なる傾向を示し、また、75%を超えると、逆に血液中
への消泡剤の混入は皆無となるが、血液液面と境界94
との間の距離が大きくなり、この部分に蓄積される気泡
の量が増大して、消泡能力が低下する。
内の血液の常用液面レベルL0 付近に設定されているの
が好ましい。
には、全循環血液量から、貯血槽1以外の循環回路のプ
ライミングボリュームおよび患者の最適循環血液量を差
し引いた量の血液が貯血槽1の貯血空間25に存在する
ときの液面レベルを言い、前記血液量は、主に輸液や心
筋保護剤の注入によって増加し、排尿によって減少す
る。実際には、血液流入口5a、5bおよび心腔内血流
入口5eからの合計血液流入量と血液流出口6からの流
出量とのバランスで決定される。貯血槽1の貯血量は、
通常、血液循環開始時には、安全に循環できる最低量
(最大貯血量の約10〜30%)でスタートし、その後
最大貯血量の約20〜50%で循環される。また、心筋
保護剤が注入された時に最大量(最大貯血量の40〜7
0%)となるのが一般的である。従って、除泡装置7a
内における実際の血液液面は、常用液面レベルL0 より
上下に変動する。
のそれぞれにおける消泡剤の担持量(単位体積当りの総
重量)は特に限定されないが、消泡部材10における消
泡剤の担持量が、第2フィルター部92における消泡剤
の担持量と同等またはそれよりも多いのが好ましい。消
泡部材10と第2フィルター部92とでは、後者の方が
下方にあるため、血液液面の変動に対し血液と接触する
頻度が多いが、消泡剤の担持量に上記のような差異を設
けておけば、血液中への消泡剤の混入量をより減少し、
かつ優れた除泡効果を安定的に得ることができる。
び第2フィルター部92のそれぞれの消泡剤担持量が同
等であってもよいことは言うまでもない。また、消泡部
材10および第2フィルター部92における除泡剤は、
同一の組成のものでも、異なる組成のもの(例えば、添
加剤の種類や添加量が異なるもの)でもよい。
2と第1フィルター部91とは、消泡剤が担持されてい
るか否かについてが相違し、その他はほぼ同様の構成で
あるが、これらの境界は厳密なものでなくてもよい。例
えば、これらの境界付近において、第1フィルター部9
1から第2フィルター部92へ向かって、消泡剤の担持
量が連続的または段階的に増加するような構成であって
もよい。
01は、血液液面に対しほぼ平行な平面であるが、これ
に限らず、血液液面に対し平行でないもの、あるいは平
面形状でないもの(例えば、湾曲面)であってもよい。
お、除泡装置7bについて、前記除泡装置7aと同様の
事項についてはその説明を省略する。図3に示すよう
に、除泡装置7bは、血液流入口5bに連通しており、
カーディオトミーリザーバーを構成するものである。こ
の除泡装置7bは、血液流入口5bに接続された血液導
入管14と、フィルター部材15と、このフィルター部
材15の内側上方部分に設置された消泡部材16と、血
液分配部材17とを備えている。
し、下方へ向かって内径が漸減する管状の部材であり、
その上端部は、血液流入口5bおよび心腔内血液入口5
eにそれぞれ連通している。また、血液導入管14の下
端は、後述する消泡部材16の下端面161よりやや上
方に位置しており、これにより、血液流入口5bから血
液導入管14へ導入された血液は、血液導入管14の下
端より落下して、消泡部材16に接触することなく除泡
装置7a内に供給される。
ましくは円筒状の消泡部材16が設置され、さらにその
外周に好ましくは円筒状のフィルター部材15が設置さ
れている。フィルター部材15の下端開口には、除泡装
置7bの内部に向かって突出する血液分配部材17が装
着されている。この血液分配部材17は、血液導入管1
4の下端より落下してきた血液をフィルター部材15の
内面に向けて放射状に均一に分配する機能を有するもの
である。
填材18により血液分配部材17の外周部に固着されて
おり、フィルター部材15および消泡部材16の上端部
は、充填材18により血液導入管14の基部に固着され
ている。フィルター部材15は、前記と同様の第1フィ
ルター部151および第2フィルター部152で構成さ
れている。第1フィルター部151には、実質的に消泡
剤が担持されておらず、第2フィルター部152には、
前述したような消泡剤が担持されている。
部材15は、前述したような素材をひだ(プリーツ)状
に成形した内層155と、この内層155の外周に接着
された外層156とで構成されている。
で、フィルター部材15の有効面積を十分に取ることが
できる。また、外層156は、消泡部材16との間で内
層155の変形を規制し、フィルター部材15を一定の
形状に保持する機能を有するものであり、比較的硬質の
メッシュ、ネットまたはフレーム部材が好適に用いられ
る。
2フィルター部152と重なるように、前記と同様の消
泡部材16が設置されている。この消泡部材16には、
前記と同様の消泡剤が担持されている。消泡部材16の
下端面161の位置は、前記最大液面レベルLmax 付近
またはそれより上方とするのが好ましい。
フィルター部151と第2フィルター部152との境界
153の位置は、前記と同様の理由から、貯血槽1の最
大貯血量の好ましくは5〜75%の範囲、より好ましく
は20〜70%の範囲の貯血量に対応した液面レベルの
範囲内に設定されており、さらには、除泡装置7b内の
血液の常用液面レベルL0 付近に設定されているのが好
ましい。
部152の各消泡剤の組成や担持量に差異を設けるこ
と、および境界153の形状や明確性については、前記
と同様である。図示の構成例では、1つのハウジング2
内に2つの除泡装置7aおよび7bが設置されているも
のを挙げたが、本発明ではこれに限らず、1つのハウジ
ング内に1つの除泡装置が設置されているものでもよ
い。
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお、本発明の貯血槽の用途は特に限定されない
が、体外血液循環回路において、脱血した血液を一時的
に貯留しておく貯血槽や、術野より吸引された血液から
異物を瀘別し、一時的に貯留しておく貯血槽(カーディ
オトミーリザーバー)に適用するのが好ましい。
基づいてさらに詳細に説明する。 (実施例1)図1に示す構成のハウジングに図2に示す
除泡装置を装着した構成の貯血槽を作製した。この貯血
槽における諸条件は、下記表1に示す通りである。
の境界位置を、最大貯血量の10%の貯血量での液面レ
ベルの位置とした以外は、実施例1と同様の貯血槽を作
製した。
の境界位置を、最大貯血量の70%の貯血量での液面レ
ベルの位置とした以外は、実施例1と同様の貯血槽を作
製した。
持量を消泡部材の消泡剤担持量より少なくするために、
第2フィルター部の消泡剤担持条件として、0.5 %シリ
コーン/1000mlフレオンに浸漬後、自然乾燥した以外
は、実施例1と同様の貯血槽を作製した。
持させない以外は、実施例1と同様の貯血槽を作製し
た。
に対し、次のような実験を行った。血液流入口から、平
均流量4000ml/minで血液を供給するとともに、この
血液に100ml/minの割合で気泡(直径1〜5mm程度)
を混入させ、所定時間経過後、貯血槽内の気泡の状態を
観察した。なお、血液の供給量は、±500ml/minの範
囲で変動した。
ずれも、10分以上経過しても気泡は正常に除去され続
けていたのに対し、比較例の貯血槽では、気泡の蓄積量
が徐々に増大し、10分経過した時点で、除泡措置の上
部から気泡が噴出した。また、実施例1〜4の貯血槽に
おいて、血液流出口から流出する血液中の消泡剤の濃度
を測定したところ、測定限界以下であった。
れば、消泡剤を実質的に担持しない第1フィルター部
と、消泡剤を担持する第2フィルター部と、消泡剤を担
持する消泡部材との3層構造としたことにより、血液流
入量の変動に伴う貯血槽内の血液液面の変動や気泡量の
変動が生じても、これに対応して有効に除泡することが
でき、しかも血液が消泡剤と接触する頻度が低く、消泡
剤の血液中への混入量を最大限に抑制することができる
ので、生体への悪影響がない。すなわち、優れた除泡効
果を安定的に得られることと、消泡剤の血液中への混入
抑制とを両立することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 血液流入口と血液流出口とを有するハウ
ジングと、前記血液流入口に連通するよう前記ハウジン
グ内に設置された除泡装置とを有する貯血槽であって、 前記除泡装置は、前記血液流入口に接続された血液導入
管と、フィルター部材と、このフィルター部材の上方に
設置され、消泡剤を担持する消泡部材とを備えており、 前記フィルター部材は、下方側にある消泡剤を実質的に
担持しない第1フィルター部と、上方側にある消泡剤を
担持する第2フィルター部とで構成されていることを特
徴とする貯血槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14830692A JP3231077B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 貯血槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14830692A JP3231077B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 貯血槽 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05317420A true JPH05317420A (ja) | 1993-12-03 |
JP3231077B2 JP3231077B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=15449841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14830692A Expired - Lifetime JP3231077B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 貯血槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231077B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09285537A (ja) * | 1996-04-19 | 1997-11-04 | Senko Ika Kogyo Kk | 熱交換器 |
JP2000515055A (ja) * | 1997-05-14 | 2000-11-14 | アヴェコー・カーディオバスキュラー・インコーポレーテッド | 医療用途用の熱交換器 |
US6908446B2 (en) | 2000-11-30 | 2005-06-21 | Termo Kabushiki Kaisha | Blood reservoir |
WO2010041604A1 (ja) | 2008-10-09 | 2010-04-15 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
JP4612268B2 (ja) * | 2001-07-13 | 2011-01-12 | マクベェット カルディオプルモナリ アーゲー | 脱泡剤でコーティングされた表面を有する装置及び脱泡剤含有表面の使用 |
JP2011212214A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Jms Co Ltd | 貯血槽 |
WO2016084908A1 (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
JP2016101226A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
JP2021053302A (ja) * | 2019-10-02 | 2021-04-08 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP14830692A patent/JP3231077B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09285537A (ja) * | 1996-04-19 | 1997-11-04 | Senko Ika Kogyo Kk | 熱交換器 |
JP2000515055A (ja) * | 1997-05-14 | 2000-11-14 | アヴェコー・カーディオバスキュラー・インコーポレーテッド | 医療用途用の熱交換器 |
US6908446B2 (en) | 2000-11-30 | 2005-06-21 | Termo Kabushiki Kaisha | Blood reservoir |
JP4612268B2 (ja) * | 2001-07-13 | 2011-01-12 | マクベェット カルディオプルモナリ アーゲー | 脱泡剤でコーティングされた表面を有する装置及び脱泡剤含有表面の使用 |
WO2010041604A1 (ja) | 2008-10-09 | 2010-04-15 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
US8597417B2 (en) | 2008-10-09 | 2013-12-03 | Nipro Corporation | Blood reservoir |
EP3115072A1 (en) | 2008-10-09 | 2017-01-11 | Nipro Corporation | Blood reservoir |
JP2011212214A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Jms Co Ltd | 貯血槽 |
WO2016084908A1 (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
JP2016101226A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
JP2021053302A (ja) * | 2019-10-02 | 2021-04-08 | ニプロ株式会社 | 貯血槽 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3231077B2 (ja) | 2001-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6908446B2 (en) | Blood reservoir | |
CA1340585C (en) | Medical instrument and method for fabricating same | |
US5049146A (en) | Blood/gas separator and flow system | |
EP2335751B1 (en) | A closed venous-cardiotomy reservoir with improved air handling | |
KR19990087770A (ko) | 심장절개혈 및 정맥혈의 결합 저장소 | |
JP3231077B2 (ja) | 貯血槽 | |
JP2002165878A (ja) | 貯血槽 | |
JP3051495B2 (ja) | 除泡装置および貯血槽 | |
JP5046063B2 (ja) | 貯血槽 | |
JP4952232B2 (ja) | 貯血槽 | |
JP3373252B2 (ja) | 貯血槽 | |
JP6307916B2 (ja) | 貯血槽 | |
JPH027667B2 (ja) | ||
JPH0126707B2 (ja) | ||
JP3373250B2 (ja) | 貯血槽 | |
JP4485707B2 (ja) | 貯血槽 | |
JPS6145770A (ja) | 貯血槽 | |
JP4332969B2 (ja) | 貯血槽 | |
JPH02124170A (ja) | 貯血槽 | |
JP2002204827A (ja) | カーディオトミー付き静脈血貯血槽 | |
CN109069722B (zh) | 带有血液处理组件的血液储器 | |
JPS628183B2 (ja) | ||
JPS6359338B2 (ja) | ||
JPS632627B2 (ja) | ||
JPS60103965A (ja) | 貯血槽 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914 Year of fee payment: 11 |