JPH0531718A - 断熱用パネルの製造方法 - Google Patents

断熱用パネルの製造方法

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JPH0531718A
JPH0531718A JP3035219A JP3521991A JPH0531718A JP H0531718 A JPH0531718 A JP H0531718A JP 3035219 A JP3035219 A JP 3035219A JP 3521991 A JP3521991 A JP 3521991A JP H0531718 A JPH0531718 A JP H0531718A
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Yasuo Miyoshi
康雄 三好
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HOKKAIDO NOUZAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】表面に仕上げ材を配置して立体感がありかつ体
裁の優れた断熱構造躯体壁を容易に得ることのできる断
熱用パネルを、立面的にしかも吹き付け工法によって、
狭い作業場所で能率よく製造することにある。 【構成】底盤c上に鉄筋ネットbを起立固定する。その
一側面に、セラミック陶板a等の仕上げ材の所要複数枚
を破れ目地形等適宜の配置において装架固定する。そし
て、他側面側からモルタルを吹き付けて、少なくてもそ
の中に上記鉄筋ネットbを埋設する厚さのモルタル層d
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は断熱用パネルとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物等の躯体の内,外側
に断熱構造体を構築するいわゆる内,外断熱工法は、そ
の断熱構造体によって、外気温と日射による躯体への影
響を遮断しかつまた外気を直接躯体に触れさせないの
で、風雨や寒暑等の厳しい気象条件から躯体を保護する
等の利点があり、近時次第に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの断熱
工法を採用し当該建造物の躯体の内,外側に断熱構造体
を構築施工すること自体必ずしも容易なことではない。
従来提案されている断熱構造体の外表面を形成する外装
仕上げ材の耐用年数はコンクリート躯体の耐用年数に比
べ極端に短く、通常後者が70年程度であるのに対し前
者はせいぜい10数年に過ぎない。そのため、断熱構造
体の改修工事を繰り返し行わなければならない欠点があ
る。
【0004】この欠点を解消するために、仕上げ材とし
てセラミック陶板を採用する場合には、躯体面に直接あ
るいは間接にモルタルを塗り、それにセラミック陶板を
貼り付けるとともに所要の目地仕上げをすることになる
ものであるが、その施工は熟練者によらざるを得ないと
ころ、最近は特に熟練者が不足している。コンクリート
躯体の出来上がりを待ってその内,外側に断熱構造体を
施工することは、当該建造物の施工期間を長くし、コス
トを高くすることにもなる。
【0005】出願人は、これらの欠点を解消するととも
に立体感があって体裁の優れた断熱構造躯体壁を比較的
容易に得ることのできる断熱用パネルとその製造方法を
開発し、既に特願平2−248625号,同2−402
965号として特許出願中である。
【0006】これら特許出願中のものは、当該断熱用パ
ネルを、平面的にしかも打ち込み工法によって製造する
ものである。すなわち、平面方形の成型用函型の底板上
にセラミック陶板等の仕上げ材をその外面を下向きにし
て揃列敷設し、その上に鉄筋ネットを乗載設置し、そこ
に所要の層厚になるまでモルタルまたはコンクリートを
打設することによって、所期のパネルを製造するもので
ある。
【0007】このため、一旦鉄筋ネットを乗載した後に
おいて、あるいはまたモルタル,コンクリートの硬化前
において、既に敷設してある仕上げ材に不陸を生じある
いは隙間を生じているようなことがあってもそれを直す
ことはもはやできない。また、パネルの大きさに応じた
比較的広い作業場所を要することとなり、かつそれは得
ようとするパネルが大型になるのにともないさらに広い
作業場所を必要とする。
【0008】本発明は、当該断熱用パネルを、立面的に
しかも吹き付け工法によって製造することを特徴とし、
これによって、上記の如き欠点を解消し、所期のパネル
を能率よく製出することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明断熱用
パネルの製造方法は、まず、底盤上に鉄筋ネットを起立
固定し、それの一側面に、セラミック陶板等の仕上げ材
の所要複数枚を破れ目地形等適宜の配置において装架固
定する。そして、他側面側からモルタルを吹き付けるこ
とにより、少なくてもその中に上記鉄筋ネットを埋設す
る厚さのモルタル層を形成するものである。
【0010】外断熱用パネルの製造においては、上記他
側面側からさきに発泡性合成樹脂素材を吹き付け現場発
泡させて、少なくてもその中に上記鉄筋ネットを埋設す
る厚さの発泡合成樹脂断熱層を形成し、その後、その発
泡合成樹脂断熱層にモルタルを吹き付けてモルタル層を
形成する。
【0011】仕上げ材としては、セラミック陶板,自然
あるいは人工の石材,またはその同効資材等のものであ
れば、特にその材質を限定するものではない。また、そ
の仕上げ材として、一体成型の縦筋嵌合部を有するもの
を使用し、その縦筋嵌合部を縦筋ネットの縦筋に嵌合さ
せ、あるいはまた適宜の接着剤を使用することとする
と、鉄筋ネットへの仕上げ材の装架固定が容易でしかも
確実である。
【0012】さらに、仕上げ材として、下段の仕上げ材
の内側耐力部1の上端面11 に上段のセラミック陶板の
内側耐力部1の下端面12 を重合させ、上段のものの外
側化粧部2の下端面22 が下段のものの外側化粧部2の
傾斜する上記上端面21 との間に所要の間隔を形成し横
空目地s1 を保持するとともに、左側の仕上げ材の内側
耐力部1の右端面14 が右側の仕上げ材の内側耐力部1
の左端面13 との間にモルタル等が充填される所要の間
隙s2 をおいて隣り合い、その左右のものの外側化粧部
2の右端面24 と左端面23 との間に所要の間隔を形成
し縦空目地s3 を保持する構成のものを使用することと
すると、空目地を縦横に判然と走行させ、立体感に富み
重厚な感じの断熱用パネルを製出できる。
【0013】
【作用】本発明製造方法は、当該断熱用パネルを、立面
的にしかも吹き付け工法によって製造するものであり、
上記した平面的にしかも打ち込み工法によって製造する
場合と異なり、仕上げ材が下積み状態になることなく常
時露呈状態であるから、モルタルまたはコンクリートの
硬化前であれば、随時その不陸や隙間を直すことがで
き、また、比較的狭い作業場所において所期のパネルを
能率よく製出するこができる。
【0014】
【実施例】本発明断熱用パネルの外面を構成する仕上げ
材としては、セラミック陶板、自然あるいは人工の石
材、またはその同効資材の中から適宜選択採用できるも
のあるが、本実施例においてはセラミック陶板を採用し
たので、先ずそのセラミック陶板aの構成について、図
1ないし図3により説明する。
【0015】セラミック陶板aは、例えば高さ150m
m,幅300mm,厚さ25mmの横長方形であって、
内側耐力部1と外側化粧部2とからなり、その内側耐力
部1は裏面に約150mmの間隔をおいて2本の縦筋嵌
合部3,3を一体成型している。なお、この縦筋嵌合部
3,3とともにあるいはその代わりに横筋嵌合部を成型
することとしてもよい。内側耐力部1と外側化粧部2と
は、該セラミック陶板aの一つの対角線に沿って前者を
上向きに後者を下向きに偏倚させた状態において一体成
型されており、これによって、第1に、外側化粧部2
は、上端面21 を下向きの傾斜面として内側耐力部1の
上端面11 より下方に位置させるとともに、下端面22
を内側耐力部1の下端面12 より下方に突出させ、第2
に、外側化粧部2の左端面23を内側耐力部1の左端面
3 の左外方に突出させるとともに、内側耐力部1の右
端面14 を外側化粧部2の右端面24 より右外方に突出
させている。
【0016】セラミック陶板aは、上下に積み重ねたと
き、すなわち下段のセラミック陶板aの内側耐力部1の
上端面11 に上段のセラミック陶板aの内側耐力部1の
下端面12 を重合させたとき、上段のものの外側化粧部
2の下端面22 が下段のものの外側化粧部2の傾斜する
上記上端面21 との間に所要の間隔を形成し横空目地s
1 を保持する関係に設定してなるものである(図9,1
0参照)。
【0017】また、セラミック陶板aは、左右に隣り合
ったとき、左側のセラミック陶板aの内側耐力部1の右
端面14 が右側のセラミック陶板aの内側耐力部1の左
端面13 との間に後記打設モルタル等が充填される所要
の間隙s2 をおいて隣り合い、そのとき、その左右のも
のの外側化粧部2の右端面24 と左端面23 との間に所
要の間隔を形成し縦空目地s3 を保持する関係に設定し
てなる(図7,8参照)。
【0018】bは、上記構成のセラミック陶板aを装架
固定するのに使用され、かつ、製造される断熱用パネル
の内部に位置して全体を補強することになる鉄筋ネット
で、それは、直径6mmの複数本の縦筋4と横筋5と
を、所要の大きさ例えば高さ300mm,幅150mm
の多数の区画を形成するようにして溶接等の固定手段を
使用して組み立てたものである。
【0019】本発明製造方法による断熱用パネルの製造
は次のようにして行う。cは底盤で、その底盤c上に鉄
筋ネットbを起立し、その左右両側を幅押え6,6によ
り押さえてその起立状態に固定する。そして、上記構成
のセラミック陶板aを起立している鉄筋ネットbの一側
面に、縦筋嵌合部3,3を縦筋4,4に嵌合させなが
ら、例えば図6の破れ目地あるいはいも目地等所望の積
み方を採用して装架する。
【0020】この場合、鉄筋4,4の回りに所要の接着
剤を塗布して縦筋嵌合部3,3と縦筋4,4とをしっか
りと固定し、また、下段のセラミック陶板aの内側耐力
部1の上端面11 に無機質接着剤7を塗布し、それに上
段のセラミック陶板aの内側耐力部1の下端面12 を合
致させて該上段のセラミック陶板aを積み重ねる。
【0021】図示のように破れ目地形の配列とすること
によって、下段のセラミック陶板aの内側耐力部1の上
端面11 に上段のセラミック陶板aの内側耐力部1の下
端面12 を重合させ、上段のものの外側化粧部2の下端
面22 が下段のものの外側化粧部2の傾斜する上記上端
面21 との間に所要の間隔を形成し横空目地s1 を保持
するとともに、左側のセラミック陶板aの内側耐力部1
の右端面14 が右側のセラミック陶板aの内側耐力部1
の左端面13 との間に打設モルタル等が充填される所要
の間隙s2 をおいて隣り合い、その左右のものの外側化
粧部2の右端面24 と左端面23 との間に所要の間隔を
形成し縦空目地s3 を保持する関係にする(図7,8図
参照)。
【0022】上記において、横筋5が位置することにな
る段のセラミック陶板aの縦筋嵌合部3については、そ
の横筋5を通過させるのに必要な程度の切込み3′をあ
らかじめ入れておくものである(図9)。
【0023】次に、鉄筋ネットbの他側面側から通常モ
ルタルまたはGRCモルタルを吹き付けることにより、
少なくてもその中に上記鉄筋ネットbを埋設する厚さ3
0mmのモルタル層dを形成する(図9)。これによっ
て吊り上げに耐える強度の所期の断熱パネルAを得る。
【0024】上記において、外断熱用パネルを得ようと
するときは、鉄筋ネットbの他側面側から所要の発泡性
合成樹脂素材を吹き付け現場発泡させて、少なくてもそ
の中に鉄筋ネットbを埋設する厚さの発泡合成樹脂断熱
層eを形成し、その発泡合成樹脂断熱層eに通常モルタ
ルあるいはGRCモルタルを吹き付けてモルタル層dを
形成する。これにより、同じく吊り上げに耐える強度の
所期の外断熱用パネルBを得る(図11)。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、本発明断熱用パネルの製造方法によれば次の効果を
奏する。
【0026】 当該断熱用パネルを、立面的にしかも
吹き付け工法によって製造するから、平面的にしかも打
ち込み工法で製造する場合に比べて狭い場所での製造が
可能である。 平面的にしかも打ち込み工法によって製造する場合
には仕上げ材は鉄筋ネット等の下積み状態になるから一
旦揃列敷設した後においてはその不陸や隙間を調整する
ことができないが、立面的にしかも吹き付け工法による
と、仕上げ材は常時露呈状態であり、モルタルまたはコ
ンクリートの硬化前であれば、随時その不陸や隙間を直
すことができ、高品質の製品を能率よく製出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明製造方法の実施に直接使用するセラ
ミック陶板の正面図である。
【図2】 同上の平面図である。
【図3】 同上の側面図である。
【図4】 底盤上に起立した状態の鉄筋ネットの正面
図である。
【図5】 同上の鉄筋ネットにセラミック陶板を装架
し始めた状態の正面図である。
【図6】 同上の鉄筋ネットに所要枚数のセラミック
陶板を装架し終えた状態の正面図である。
【図7】 同上の要部正面図である。
【図8】 同上の平面図である。
【図9】 モルタルを吹き付けた状態の縦断面図であ
る。
【図10】 製出した断熱用パネルの斜視図である。
【図11】 製出した外断熱用パネルの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
A 製出した断熱用パネル B 製出した外断熱用パネル a セラミック陶板 b 鉄筋ネット c 底盤 d モルタル層 e 発泡合成樹脂断熱層 s1 横空目地 s2 間隙 s3 縦空目地 1 内側耐力部 11 上端面 12 下端面 13 左端面 14 右端面 2 外側化粧部 21 上端面 22 下端面 23 左端面 24 右端面 3 縦筋嵌合部 4 縦筋 5 横筋 6 幅押え 7 接着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底盤上に鉄筋ネットを起立固定し、それの
    一側面に、セラミック陶板等の仕上げ材の所要複数枚を
    破れ目地形等適宜の配置において装架固定し、他側面側
    からモルタルを吹き付けることにより、少なくてもその
    中に上記鉄筋ネットを埋設する厚さのモルタル層を形成
    することを特徴とする断熱用パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】底盤上に鉄筋ネットを起立固定し、それの
    一側面に、セラミック陶板等の仕上げ材の所要複数枚を
    破れ目地形等適宜の配置において装架固定し、他側面側
    から発泡性合成樹脂素材を吹き付け現場発泡させて、少
    なくてもその中に上記鉄筋ネットを埋設する厚さの発泡
    合成樹脂断熱層を形成し、さらにその発泡断熱層にモル
    タルを吹き付けてモルタル層を形成することを特徴とす
    る断熱用パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】仕上げ材がそれに一体成型の縦筋嵌合部を
    有し、その縦筋嵌合部を縦筋ネットの縦筋に嵌合させる
    とともに、各仕上げ材同士またはその縦筋嵌合部と縦筋
    とを接着剤で固着することを特徴とする請求項1または
    2記載の断熱用パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】各仕上げ材を、下段の仕上げ材の内側耐力
    部1の上端面11 に上段のセラミック陶板の内側耐力部
    1の下端面12 を重合させ、上段のものの外側化粧部2
    の下端面22 が下段のものの外側化粧部2の傾斜する上
    記上端面21 との間に所要の間隔を形成し横空目地s1
    を保持するとともに、左側の仕上げ材の内側耐力部1の
    右端面14 が右側の仕上げ材の内側耐力部1の左端面1
    3 との間にモルタル等が充填される所要の間隙s2 をお
    いて隣り合い、その左右のものの外側化粧部2の右端面
    4 と左端面23 との間に所要の間隔を形成し縦空目地
    3 を保持する関係に配置装架することを特徴とする請
    求項1,2または3記載の断熱用パネルの製造方法。
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