JPH0531631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はビユーカメラのピント合わせや構図決
め等に用いられるビユアー装置に関する。

（従来の技術） 従来のこの種のビユアー装置として、例えば実
開昭57−32937号に開示されたものが知られてい
る。このビユアー装置は、ピントガラスを有する
カメラバツクの後面に、目覆いフード付のルーペ
を伸縮機構を介して連結して構成されている。か
かる構成により、アオリ操作等によつてレンズの
光軸が画面の中心から上下方向に外れた場合に、
伸縮機構によつてルーペを上下移動して画面の中
心とレンズの光軸とが一致した状態で、画面を把
握できるようになつている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来の装置は、伸縮機構の
両側部のリンク機構を補強するとともに同調させ
るための、両側部を連結する横棒を備えているの
で、例えばスイング操作等によつてレンズが垂直
軸を中心として回動し、レンズの光軸の角度がピ
ントガラスに対して変化した場合、前記横棒が垂
直軸を中心とするリンク機構の回動を拘束するた
めに、レンズの光軸の角度の上記変化に対応して
ルーペの角度を変えることができない。この結
果、ルーペの面に対して光が横から斜めに入射し
てしまい、直角に入射する場合と比較して光量が
不足するため、画面が暗くなり、ピント合わせ等
を的確に行えないという問題があつた。

また、上記従来の装置は、使用時に前記横棒が
視界を邪魔するのを防止するためにリンク機構の
各リンクの長さを大きくしなければならないこ
と、及びピントガラスとルーペとの間の遮光袋布
を伸縮機構で支えるようにするために、遮光袋布
が伸縮機構の外側に配置されていることから、不
使用時、折りたたんだときに装置が全体としてか
さばり、携帯性に難点がある。

更に、ピントガラス枠に対するルーペの周方向
の設置角度が固定であるので、フイルムの向きを
縦横変えた場合にルーペの角度が90度回転するの
に対応して、撮影者が首を横に曲げてルーペを見
なければならなくなる等、使い勝手が良くないと
いう欠点もある。

本考案は、このような問題点を解決するために
なされたものであり、レンズの光軸の角度がピン
トガラスに対していずれの方向に変化した場合に
もピント合わせ等を的確に行えるとともに、コン
パクトで携帯性に優れ、かつ使い勝手の良いカメ
ラのビユアー装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、ピントガラ
スを有するカメラバツクの後面に取り付けられる
前部支持枠と、ルーペ及び目覆いフードを備えた
ルーペ部と、該ルーペ部が取り付けられる後部支
持枠と、前記ルーペ部が前記ピントガラスに対し
て接離動可能で、前記ピントガラスの水平軸及び
垂直軸を中心として回動可能であり、かつ移動位
置で静止できるように、前記前部支持枠及び前記
後部支持枠の両側部に接続された伸縮機構と、該
伸縮機構の内側に設けられ、前記前部支持枠と前
記後部支持枠とを連結する蛇腹とを備えたもので
ある。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図及び第２図において、１はカメラ後部の
カメラバツクに設けられたピントグラス枠で、ピ
ントグラスがこれと平行に押さえ枠（いずれも図
示せず）で固定されるようになつている。

図中の２は、本考案を適用したカメラのビユア
ー装置で、ビユアー装置２は、取付部材３、伸縮
部４及びルーペ部５から成る。取付部材３は、ピ
ントグラス枠１及び伸縮部４の後述する前部支持
枠９のいずれに対しても着脱自在であり、ピント
グラス枠１に対しては一定の周方向位置で、前部
支持枠９に対しては互いに90度異なる２つの周方
向位置で固定できるようになつている。

ルーペ部５は、双眼のルーペ６（片側のみ図
示）、樹脂材等を成形した目覆いフード７及び取
付部８から成り、取付部８は、第２図に示すよう
に、伸縮部４の後述する後部支持枠１０に、例え
ば差し込み式で着脱自在に取り付けられるように
なつている。

伸縮部４は、前述した前部支持枠９と後部支持
枠１０とを伸縮機構１１及び蛇腹１２で連結して
成る。伸縮機構１１は、パンタグラフ構造をな
し、即ち、相対する２組の互いに等しい長さのリ
ンク１３，１３′，１４，１４′の各々の一端部
が、それぞれ前部支持枠９及び後部支持枠１０の
両側中央部に回動自在に取り付けられて回動部１
５を形成するとともに、他端部は連結部１６で回
動自在に互いに連結されている。上記リンクは、
回動方向に力を加えたときに回動でき、かつ回動
部１５及び連結部１６の摩擦抵抗により回動位置
で静止できるように、回動部１５及び連結部１６
において互いに連結されている。また、伸縮自在
の蛇腹１２は、その前端部が前部支持枠９に、後
端部が後部支持枠１０にそれぞれ固定され、かつ
伸縮機構１１の内側に設けられている。

以上のように構成されたビユアー装置は次のよ
うにして使用される。撮影に際し、撮影者はまず
カメラを被写体に向けた後、ルーペ部５の目覆い
フード７からルーペ６を覗き込み、撮影レンズか
らピントガラスの画面に写し出された被写体の影
像を確認しながら、ピント合わせや構図決めを行
う。この場合、ルーペ部５を押し又は引つ張つ
て、前記リンクを回動部１５及び連結部１６の周
りに回動させ、伸縮機構１１及びこれに伴つて蛇
腹１２を伸縮させることにより、ルーペ部５を前
後させて視度を調整することができる。この時、
回動部１５及び連結部１６の摩擦抵抗により、リ
ンクが調整位置に維持されるので、撮影者はルー
ペ部５から手を離して、ピント合わせ等の他の操
作を行うことができる。また、ピントガラスから
ルーペ部５にわたつて蛇腹１２がこれらを覆うよ
うに設けられているので、この蛇腹１２によつて
周囲からの光が遮断されることにより、鮮明な影
像を得ることができる。

また、チルト操作等によつてレンズの光軸の角
度が変化し、ルーペ６の面に対して光が上側又は
下側から斜めに入射する場合には、ルーペ部５に
力を加えることにより、例えば第１図の二点鎖線
に示すように、伸縮機構１１を回動部１５及び連
結部１６の周りに、即ち水平軸の周りに回動させ
てルーペ６の面に光が直角に入射するように調整
でき、従つて、この場合にも最大の光量により鮮
明な影像を得て、ピント合わせや構図決めを的確
に行うことができる。

更に、スイング操作等によつてレンズの光軸の
角度が変化し、ルーペ６の面に対して光が横から
斜めに入射する場合には、ルーペ部５に力を加え
ることにより、一方の側のリンク伸縮長さを他方
の側のリンクのそれと比較して大きく又は小さく
して、ルーペ部５を垂直軸を中心として回動させ
ることができる。このような操作は、従来と異な
り、リンク間を連結し拘束する横棒がないことか
ら可能であり、従つて、この場合にもピント合わ
せ等を的確に行うことができる。

同様に、チルト操作及びスイング操作等によつ
てルーペ６の面に対して光が上下方向及び横方向
の両方向に関して斜めから入射する場合には、ル
ーペ部５を水平軸及び垂直軸の双方の軸を中心と
して回動させる、即ちルーペ部５をピントガラス
を中心として球運動させることによつて、ピント
合わせ等を的確に行うことができる。

また、上記横棒がなく、視界を確保するために
リンクを長くする必要がないとともに、蛇腹１２
が伸縮機構１１の内側に配置されているので、従
来と比較してよりコンパクトであり、装置の携帯
性を高めることができる。伸縮機構１１及び蛇腹
１２が伸縮自在であること、ルーペ部５及び取付
部材３が着脱自在であることはまた、装置の携帯
性をより一層高めるものである。

更に、取付部材３が、支持枠９に対して互いに
90度異なる２つの周方向位置で固定できるように
なつているので、フイルムの向きを縦横変えた場
合、これに対応して取付部材３の設置角度を縦横
変えることができ、従つて、フイルムの向きにか
かわらず、ルーペ６を常に横長の状態で覗き込む
ことができる。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案のカメラのビユア
ー装置によれば、レンズの光軸の角度がピントガ
ラスに対していずれの方向に変化した場合にもピ
ント合わせ等を的確に行えるとともに、コントク
トで携帯性に優れ、かつ使い勝手も向上するとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はビユ
アー装置の側面図、第２図は一部を切り欠いたビ
ユアー装置の正面図である。 ５……ルーペ部、６……ルーペ、７……目覆い
フード、９……前部支持枠、１０……後部支持
枠、１１……伸縮機構、１２……蛇腹。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ピントガラスを有するカメラバツクの後面に
   取り付けられる前部支持枠と、ルーペ及び目覆
   いフードを備えたルーペ部と、該ルーペ部が取
   り付けられる後部支持枠と、前記ルーペ部が前
   記ピントガラスに対して接離動可能で、前記ピ
   ントガラスの水平軸及び垂直軸を中心として回
   動可能であり、かつ移動位置で静止できる摩擦
   抵抗を有する、前記前部支持枠及び前記後部支
   持枠の両側部に接続された伸縮機構と、該伸縮
   機構の内側に設けられ、前記前部支持枠と前記
   後部支持枠とを連結する蛇腹とを備えたことを
   特徴とするカメラのビユアー装置。 (2) 前記前部支持枠は、これに対して互いに90度
   異なる２つの周方向位置で取り付けられるよう
   に構成されている取付部材を備え、該取付部材
   が前記カメラバツクの後面に取り付けられるこ
   とを特徴とする、請求項(1)に記載のカメラのビ
   ユアー装置。