JPH05313046A - 光電子装置 - Google Patents

光電子装置

Info

Publication number
JPH05313046A
JPH05313046A JP14328992A JP14328992A JPH05313046A JP H05313046 A JPH05313046 A JP H05313046A JP 14328992 A JP14328992 A JP 14328992A JP 14328992 A JP14328992 A JP 14328992A JP H05313046 A JPH05313046 A JP H05313046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
light
reference surface
lens
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14328992A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimihiro Kikuchi
公博 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP14328992A priority Critical patent/JPH05313046A/ja
Publication of JPH05313046A publication Critical patent/JPH05313046A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的精度、及び光学的精度を向上し、性
能と信頼性を高めた光電子装置を提供する。 【構成】 筒状の本体11の一端内側に発光ユニット
12を設け、前記本体11内中途部に鏡筒15を設け、
この鏡筒15内にガラス軸を中心に外周に向かって屈折
率が変化する薄膜を積層した棒状あるいは円板状の円柱
レンズ17を設け、この円柱レンズ17の端面に一端が
対向する光ファイバー18を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光通信等に好適
に使用できる半導体レーザモジュールに係り、特に光学
系そのものの改良、又は光学系の取り付け精度を高め、
且つ、生産性を高めることができる光電子装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な光通信用の送受信モジュールで
ある半導体レーザモジュールは、例えば特願昭63−1
81733号公報に示されるように構成されている。具
体的構造について図7を参照して説明する。図中に示さ
れる半導体レーザモジュールは円筒状に形成された本体
2の一端に結合された発光ユニット3を備えている。こ
の発光ユニット3はベース4を備え、このベース4の縁
部が前記本体2の一端に結合されており、本体2内に前
記発光素子5が位置される。また、前記本体2の中途部
内側には集光光学素子としての円柱形状のレンズ6が設
けられている。
【0003】また、前記本体2の他端側には連続状態且
つ同心状にソケット部7が設けられている。このソケッ
ト部7の中央部には先端が前記レンズ6に対向するよう
にフェルール8が貫通して設けられている。このフェル
ール8の中心部には第1の光ファイバー9が貫通して設
けられている。さらに、前記フェルール8の基端側には
割スリーブ8aが外嵌されている。この割スリーブ8a
は一端側がほぼ中央まで前記フェルール8に嵌合し、こ
のフェルール8を弾性的に把持するようになっている。
【0004】また、この割スリーブ8aの他端側は前記
ソケット部7から突出しており、この突出部分は前記ソ
ケット部7の外周に螺合するキャップ7aによって覆わ
れている。そして、前記割スリーブ8aの他端には第2
光ファイバー9bの先端に取り付けられたプラグ9cが
弾性的に把持されている。このプラグ9cは前記キャッ
プ7aに貫通状態に挿通されている。
【0005】前記割スリーブ8aにより、前記フェルー
ル8と前記キャップ7aとが同心状に位置され、第1お
よび第2の光ファイバー9a,9bの透過光の光軸の一
致がなされている。
【0006】しかしながら、前述したような半導体レー
ザモジュール1は、組立時に各部の位置決め調整をする
必要があり、特に光軸方向の位置決めをする場合には、
工程ごとに高精度の位置決め作業が必要となり、製造コ
ストの増大を招くものであった。
【0007】また、前記円柱状のレンズ6としては中心
部から外周に向かって除々に屈折率が変化するセルフォ
ックレンズ(商品名)が知られている。このセルフォッ
クレンズはイオン交換法と称される製法で製造される。
すなわち、予めガラスロッドに屈折率に対する寄与度の
大きいイオン(電子分極率の大きいイオン)をドープし
ておき、屈折率に対する寄与度の小さいイオン(電子分
極率の小さいイオン)を含む溶融塩の中に前記ガラスロ
ッドを浸漬する。そして、高温下でイオン拡散を生じさ
せる。その結果ガラスロッド内のイオンの濃度分布が中
心から外周に向かって除々に変化し、このイオンの濃度
に応じて屈折率が外周に向かって変化する。一定時間経
過後にガラスロッドを取り出し、一定の厚さ寸法に切断
することにより、端面が平坦な円柱形状のセルフォック
レンズが形成される。
【0008】このセルフォックレンズは、光軸方向に平
滑端面を有する円柱形状のため高精度位置決めが容易で
ある。しかしながら、セルフォックレンズの製造方法は
高温下でイオン拡散により内部の屈折率を変化させてい
るが、このイオン拡散は可逆反応であるため、例えばセ
ルフォックレンズを高温下にて使用したような場合に、
内部のイオン密度が変化し、屈折率に変化が生じること
があり、安定性に欠ける欠点がある。また、イオン拡散
によりガラスロッド内のイオン濃度を変化させているた
め、設計の自由度に限界があり、非球面レンズ的効果を
得ることには限界があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の光電子装置は、特に円柱状のレンズを使用した場
合に、高温下で、レンズ性能が変化してしまう欠点があ
った。また、従来の光電子装置は光学系の位置決めの精
度を向上させるため、組立工程で、位置調整を行う作業
が特に重要であり、品質に大きな影響を与えるものであ
った。つまり、半導体レーザモジュール等は、その本体
とソケット部とを別体に設ける等の構造は、光軸方向お
よび径方向の調整を同時に行う必要があり、組立工数を
増大させる要因となっていた。
【0010】本発明は、前記課題に着目してなされたも
のであり、高温下でも安定した性能が得られる耐熱性の
高い光電子装置を提供することを目的とする。また、本
発明は前記課題に着目してなされたものであり、光軸方
向の位置調整を省略して径方向の調整のみで、調整を完
了できる光電子装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決しようとするための手段】本発明は、筒状
の本体の一端内に受光及び/又は発光用の光電素子を設
け、前記本体内に前記受光及び/又は発光用の光電素子
に一面が対向する集光光学素子を設け、この集光光学素
子の他面に一端が対向する光ファイバーを設け、前記集
光光学素子を光学材料からなる軸の外周に屈折率が除々
に異なる薄膜が積層されて、棒状あるいは円板状に形成
された集光光学素子とした光電子装置にある。
【0012】また、本発明は円筒状の本体の中途部内側
に第1基準面を形成し、この第1基準面に鏡筒を当接さ
せることで、この鏡筒の光軸方向の位置決めをし、この
鏡筒の内側所定位置に集光光学素子を挿着し、前記本体
の内側に前記鏡筒とほぼ同心状にフェルールを挿着し、
前記鏡筒の一端面にフェルールの光軸方向の位置決めを
する第2基準面を形成し、このフェルール内の所定位置
に光ファイバーの一端を挿着し、前記本体の他端側の端
面で第3基準面を形成し、この第3基準面に受光及び/
又は発光用の光電素子を当接して光軸方向の位置決めを
し、前記第1基準面から第2基準面までの距離をh1と
し、前記第2基準面から第3基準面までの距離をh2と
し、前記第1基準面から前記集光光学素子の主点までの
距離をf1とし、前記集光光学素子の主点から前記受光
及び/又は発光用の光電素子の受光及び/又は発光点ま
での距離をf2とし、前記受光及び/又は発光用の光電
素子の受光及び/又は発光点から前記第3基準面までの
距離をh3とした場合に、
【0013】
【数2】h1=f1+f2+h3−h2
【0014】の式を満足するように構成した光電子装置
にある。
【0015】
【作用】ガラス軸の外周に屈折率が除々に異なる薄膜が
積層された棒状あるいは円板状に形成された集光光学素
子を、光電子装置に挿着したことにより、その形状によ
り光軸方向の位置決めが、高精度且つ容易に行え、熱に
よる屈折率への影響を受けずらく、耐熱性の高い光電子
装置を提供できる。
【0016】また、本体の内側に形成されて、この本体
の内側に設けられた鏡筒の光軸方向の位置決めをする第
1基準面と、鏡筒の端面に形成されてフェルールの光軸
方向の位置決めをする第2基準面と、本体の他端側に形
成されて受光及び/又は発光用の光電素子の光軸方向の
位置決めをする第3基準面とを前記数2の等式を満足す
るように設けることにより、光軸方向の位置決めを容易
にし、径方向のみの調整で組立を終了できる光電子装置
を提供できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明における第1実施例を図1から
図6を参照して説明する。まず、第1図に示される光電
子装置としての半導体レーザモジュール10について説
明する。この半導体レーザモジュール10の本体11は
ほぼ円筒形状に形成されており、この本体11の一端側
には光電素子としての発光素子である半導体レーザ素子
を備えた発光ユニット12が設けられている。前記本体
11の一端側には直径Dの第1取り付け孔13が穿設さ
れている。また、本体11には他端側から直径dの第2
取り付け孔14が穿設されている。この第2取り付け孔
14には、後述する鏡筒15およびフェルール16が挿
通されるようになっている。この鏡筒15内には集光光
学素子としての屈折率勾配型の円柱レンズ17が設けら
れている。この円柱レンズ17についての詳細は後に説
明する。また、前記フェルール16には光ファイバー1
8が嵌挿されている。
【0018】そして、前記鏡筒15は前記発光ユニット
12側の端部にフランジ状の位置決め縁部19を備えて
いる。また、鏡筒15の外周部は前記本体11の第2取
り付け孔14に高精度で嵌合するようになっている。さ
らに、鏡筒15の内周部は同じ鏡筒15の外周部に高精
度で同心を成すように形成されており、これらの円周部
中心位置と前記円柱レンズ17の主点Aの位置とが高精
度で一致するように構成されている。
【0019】また、前記本体11の第1取り付け孔13
と第2取り付け孔14との間には鏡筒15の位置決め縁
部19を受ける第1基準面20が形成されている。この
ように構成された鏡筒15は、その軸芯方向の位置決め
を前記位置決め縁部19にて行うようになっている。
【0020】そして、前記鏡筒15の位置決め縁部19
の第2基準面に当接する面を位置決め面21として、高
精度で加工し、前記円柱レンズ17の光軸方向の位置決
めを行うようになっている。また、鏡筒15には前記位
置決め面21に対して所定距離h1離れた位置に第2基
準面22が形成されている。
【0021】前記鏡筒15が前記本体11内に嵌挿さ
れ、第1基準面20で位置決めされると、前記フェルー
ル16の先端を、第2基準面22に当接することで、位
置決めされるようになっている。
【0022】つまり、本体11の第2取り付け孔14内
にそれぞれ対向状態に挿通され、互いに高精度の同心状
態を得た鏡筒15とフェルール16とは、前記鏡筒15
が第1基準面20によって光軸方向の位置決めがなさ
れ、フェルール16は鏡筒15の第2基準面22に当接
することにより、やはり光軸方向の位置決めがなされる
ようになっている。
【0023】ここで、前記鏡筒15内に嵌挿される円柱
レンズ17は、嵌挿工程の際に治具又は金型等によって
取り付け位置を規制して、前記位置決め面21からの距
離を高精度で位置決めされている。そして、この円柱レ
ンズ17と光ファイバー18との間には前記光ファイバ
ー18のコア18aとほぼ同一屈折率を有する透明物質
としての例えばガラスブロック23が挿入されている。
このガラスブロック23は前記コア18aが例えば合成
石英ガラスである場合に、例えば同一の合成石英ガラス
から製造されており、前記円柱レンズ17と光ファイバ
ー18との間にあって、それぞれに密着状態で、接合さ
れている。つまり、円柱レンズ17とガラスブロック2
3、およびガラスブロック23と光ファイバー18との
間には空気が侵入しない状態になっている。このように
ガラスブロック23を挟み込むことにより、前記発光ユ
ニット12側への、反射光の戻りを低減することができ
る。
【0024】なお、ここでは透明物質としてガラスブロ
ック23を使用しているが、例えば前記コア18aとほ
ぼ同一の屈折率を持つ液体等を封入する構造としても同
様の効果を達成し得る。
【0025】また、前記本体11の第1取り付け孔13
が穿設された端面は前記第1基準面20から所定距離h
2離れた位置に第3基準面24として高精度で形成され
ている。そして、この第3基準面24に対して前記発光
ユニット12の一部が当接して位置決めされるようにな
っている。発光ユニット12の外側形状は金属板からな
る円板状のベース25と、このベース25の上に結合さ
れ同じく金属板からなる側壁カバー26と、この側壁カ
バー26の先端側に結合されたガラス窓27とを備えて
いる。これらベース25、側壁カバー26およびガラス
窓27によって覆われた容積室28内は真空状態に保た
れており、この容積室28内にはレーザ動作するための
電極29が設けられている。
【0026】つまり、前記発光ユニット12は部品製造
の工程において、前記ベース25の前記第3基準面24
に当接する縁部25aと、電極29の発光点29aとの
間の距離h3が所定の交差範囲内に製造されている。そ
して、第3基準面24の位置が決定すれば、ここから前
記発光点29aまでの距離h3が決定する構造となって
いる。
【0027】なお、ここで発光素子を備えた発光ユニッ
ト12を取り付けているが、本発明はこれにのみ限定さ
れるものではない。例えば図示は省略するが、受光素子
を備えた受光ユニットや受光素子と発光素子を備えた受
発光ユニットでもよい。
【0028】以上のように構成された半導体レーザモジ
ュール10の前記本体11に対する鏡筒15の取り付け
構造は、前記位置決め縁部19の一側面を前記第1基準
面20に当接させて位置決めし、位置決め縁部19の他
側面を本体11にレーザ溶接することにより、位置決め
面と、結合面が、それぞれ異なる面を利用して構成され
ている。
【0029】つまり、位置決めのための第1基準面20
は、円柱レンズ17の光軸方向の位置決め専用に形成さ
れたものであり、結合のための溶接部30は位置決めと
は直接関係の無い発光ユニット12側端面に形成されて
いる。
【0030】また、こうした構造は前記発光ユニット1
2の取り付け構造にも応用されている。前記本体11の
第3基準面24に対して発光ユニット12の縁部25a
の一側面が当接され、レーザ溶接による溶接部30は本
体11と発光ユニット12の外周部に形成されている。
つまり、第3基準面24は発光ユニット12の前記光軸
方向の位置決め専用に形成されており、両者の結合は外
周部に形成された溶接部30によって行われている。
【0031】従来は本体11内への鏡筒15の取り付け
は圧入等により、位置決めと結合を同一構成内で完結さ
せていたので、結合精度および結合強度をともに高い品
質に作り込むことが困難であった。しかし、前述の構造
によれば、結合精度と結合強度の極めて高い半導体レー
ザモジュール10を提供できる。
【0032】なお、図1中の半導体レーザモジュール1
0は本体11の前記第2取り付け孔14により、鏡筒1
5とフェルール16の同心状態を確保しているが、図2
中に示されるように、弾性を有する円管状のスリーブ1
4aを使用することによっても鏡筒15とフェルール1
6の同心状態を確保することができる。
【0033】次に、半導体レーザモジュール10に設け
られた円柱レンズ17について図3から図6を参照して
説明する。図に示される円柱レンズ17は薄膜積層方法
としての化学気成長法(CVD:Chemical Vapor Depos
ition )により製造されたものであり、特に熱CVDを
使用した場合について以下説明する。
【0034】まず、このCVD法によるレンズ製造装置
40について説明すれば、図3および図4に示されるよ
うに、反応室41は円筒形状に形成された石英管等によ
って形成された側壁を備えている。また、この反応室4
1の外側にはマイクロ波プラズマ発生装置42が設けら
れており、このマイクロ波プラズマ発生装置42はマイ
クロ波発振器であるサイクロトロン43を備え、また、
導波管44、整合器45、および反射板46を備えてい
る。
【0035】そして、前記反応室41の上下端には、そ
れぞれ、密封状態を保持して外嵌された第1封止体47
と第2封止体48が設けられている。これら封止体4
7,48は互いにほぼ対象的に構成されており、上下に
対を成して設けられ同期して駆動するモータ49と、こ
れらモータ49によって駆動される駆動機構51とを備
えている。
【0036】前記駆動機構51によって例えば4本のガ
ラス軸53を図4中の矢印で示す周方向に回転駆動し、
これと同時にCVD法により、ガラス軸53の外側面に
薄膜を除々に積層させていく。一定時間後に積層膜の厚
さが所定寸法に増大し、その結果ガラス軸53を中心と
した丸棒状の円柱レンズ素材54が形成される。
【0037】前記駆動機構51は上下対象的に設けられ
ているので、同一構成部分については、同一符号を付し
て説明の重複を避ける。この駆動機構51は前記ガラス
軸53の端部を把持する例えば4対の三つ爪チャック5
5を備えている。これらの、三つ爪チャック55は前記
封止体47,48の内側壁間に枢着された、4本の短軸
56の、反応室41内に突出された、先端に一体に結合
されている。これら三つ爪チャック55に設けられた操
作環55aを回動操作することにより、三つ爪チャック
55を締めつけ状態と、開放状態に操作できるようにな
っている。つまり、三つ爪チャック55は、前記操作環
55aを回動操作することで、ガラス軸53の端部を着
脱することができる。
【0038】また、前記短軸56の中途部にはプーリ5
7が設けられており、このプーリ57にはベルト58が
巻き付けられ、前記モータ49からの動力が伝達される
ようになっている。前記第1封止体47は前記反応室4
1の上部に設けられて、そのほぼ中央部には上方外側か
ら反応室41内に貫通するガス供給ノズル60が設けら
れている。このガス供給ノズル60は多重管であり、実
施例の場合には三重管となっている。このガス供給ノズ
ル60には供給管がそれぞれ接続されており、これらの
供給管には所定の反応ガスを供給するボンベ61が流量
調節バルブ62を介して接続さあれている。
【0039】また、前記第2封止体48は前記反応室4
1の下部に設けられて、そのほぼ中央部には排気管70
が設けられている。この排気管70には反応室41内を
真空状態にするための、図示していないが真空ポンプが
接続されている。
【0040】以下、レンズ製造装置40により前記円柱
レンズ17を製造する方法について説明する。まず、前
記三つ爪チャック55間にガラス軸53を上下方向に架
けわたし状態に挿着し、反応室41を密閉状態にする。
次に、排気管70を通じて、反応室41内を前記真空ポ
ンプにより所定圧以下に減圧する。そして、流量調節バ
ルブ62を調節することで反応ガスを反応室41内に供
給する。このとき、反応ガスはガス供給ノズル60から
出た時点で各反応ガスを混合するようになっている。次
にマイクロ波プラズマ発生装置42により、反応室41
内にマイクロ波を導入させる。
【0041】このマイクロ波が導入された反応室41内
は加熱されプラズマ状態となり、前記ガラス軸53の外
周に薄膜が析出する。この間、ガラス軸53を周回り方
向に所定速度で回転させることにより、薄膜を除々に太
るように積層させていく。一定時間後に積層膜の厚さが
所定寸法に増大し、その結果ガラス軸53を中心とした
丸棒状の円柱レンズ素材53aが形成される。
【0042】薄膜の析出および積層中に、前記流量調節
バルブ62を開閉操作することにより、反応室41への
各反応ガスの流入量を制御することで、析出する物質の
屈折率を変化させることができる。これにより、完成さ
れた円柱レンズ素材53aは図5および図6に示される
ように、円柱形状でありながら、屈折率が径方向に変化
する性質をもっている。そして、各反応ガスの流入量を
制御することにより、球面レンズ的性能、非球面レンズ
的性能を問わず、要求される収差係数をもった円柱レン
ズ素材53aを提供できる。
【0043】ここで、例えばガラス軸53の外周に対し
てSiO2 とB2 O3 を同時に析出させ、双方の析出成
分比率を薄膜の積層の段階ごとに変化させることで、凸
レンズと同様の光学的性能を得ることができる。なお、
前記B2 O3 の成分分布を径に対してSinカーブに変
化させたものが球面両凸面レンズに相当する屈折率を持
つ。そして、この成分分布の変化率を変化させることで
非球面レンズに相当する光学機能をもたせることができ
る。また、前記ガラス軸53の外周に対してSiO2 と
B2 O3 ではなく、SiO2 とGeO2 を積層させるこ
とにより、凹面レンズに相当する光学性能をもたせるこ
ともできる。
【0044】このようにして製造された円柱レンズ素材
53aはCVD法による成膜工程を終えると、前記三つ
爪チャック55から外され、反応室41から取り出され
る。そして、円柱レンズ素材53aは、さらに、従来よ
り光ファイバー等の製造で行われている線引きを施さ
れ、その後に、図5に示されるように厚さtで切断され
ることで円柱レンズ17を得ることができる。
【0045】以下、図2を参照して半導体レーザモジュ
ール10の光学系の取り付け位置の関係について説明す
る。前述のようにして製造された円柱レンズ17は、主
点Aが前記鏡筒15の第2基準面22から距離f1の位
置に圧入もしくは接着して一体的に結合されている。ま
た、円柱レンズ17の主点Aから発光点29aまでの距
離f2は、前記距離f1とほぼ同一の距離に設定されて
いる。これは円柱レンズ17自体が球面両凸面のレンズ
と同等の光学的機能をもっており、前記主点Aを基準と
して光軸方向にほぼ対象にレンズ機能を発揮するものだ
からである。つまり、前記主点Aからの焦点距離と、前
記f1,f2はほぼ同一寸法に設定されている。
【0046】そして、前記発光点29aから前記第3基
準面24までの距離h3に前記距離f1と距離f2とを
合計した距離Fは前記第2基準面22から第3基準面2
4までの距離である。さらに、この距離Fは前記第1基
準面20か第2基準面22までの距離h1と第1基準面
20から第3基準面24までの距離h2を合計した距離
である。つまり、
【0047】
【数3】F=f1+f2+h3 F=h1+h2
【0048】
【数4】h1+h2=f1+f2+h3
【0049】なので、例えばh2を設定すれば、
【数5】h1=f1+f2+h3−h2
【0050】により距離h1が決まる。
【0051】つまり、本体11に対して、第1基準面2
0と第3基準面24を同一工程で切削し、さらに、鏡筒
15に対して第2基準面22を設けることにより、半導
体レーザモジュール10の組み立て調整時の光学系の光
軸方向の位置決め精度を高めることが容易にできる。ま
た、前述した第1から第3基準面20,22,24は全
て位置決めの為の当接面のみの役目を果たし、結合のた
めの構造は別の箇所に設けることにより、加工によって
得られた高精度を組み立て精度にそのまま生かすことが
できる。
【0052】なお、前記屈折率分布型の円柱レンズ17
を、さらに加熱等して金型によるプレス又は研磨加工を
施すことにより、さらなる屈折率の変更が可能である。
これにより、レンズ17の設計と、製造への対応の自由
度を高めることができる。さらに前記屈折率分布型の円
柱レンズ17はガラス軸53の軸芯に対してある角度を
もった位置に光学軸を成すように配置することでも、特
有の光学機能を発揮するので他の用途に利用可能であ
る。
【0053】また、前記半導体レーザモジュール10
は、光ファイバー18のコア18aと同一材料からなる
ガラスブロック23と、同コア18aと同一材料からな
る軸53を有する円柱レンズ17とを、連続的に密接し
て設けているので、信号光の反射による戻り光を低減で
きる。なお、前記ガラスブロック23と軸53の材質は
ガラスに限定されず、屈折率が前記コア18aと同一、
もしくは近い材質のもので有れば同等の効果を得ること
ができる。
【0054】また、前記実施例では、光学材料からなる
軸はガラス軸53であったが、これに限定されない。つ
まり、光ファイバー18のコア18aに近い、又は同一
の屈折率のロッド材料であれば同等の効果を得ることが
できる。
【0055】さらに、前記実施例では円柱レンズ素材5
4を線引して円柱レンズ17を製作していたが、円柱レ
ンズ素材54をそのまま、切断して円柱レンズ17とし
て使用することも可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学材料からなる軸の外周に屈折率が除々に異なる薄膜
が積層された棒状あるいは円板に形成された集光光学素
子を、光電子装置に挿着したことにより、光軸方向の位
置決めが高精度かつ容易に行え、熱による屈折率への影
響を受けずらく、熱に対する耐久性の高い光電子装置を
提供できる。
【0057】さらに、本発明によれば、本体の内側に形
成されて、この本体の内側に設けられた鏡筒の光軸方向
の位置決めをする第1基準面の位置と、鏡筒の端面に形
成されてフェルールの光軸方向の位置決めをする第2基
準面の位置と、本体の他端側に形成されて受光及び/又
は発光用の光電素子の光軸方向の位置決めをする第3基
準面の位置とを、光学系の距離関係に基づいて決定した
ことで、組み立て調整時の光軸方向の位置決めを容易に
し、径方向のみの調整で組み立てを終了できる。さら
に、前記第1、第2、および第3基準面は、位置決めの
みに利用され、結合構造等を他の構造にて実現している
ので、位置きめ精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する半導体レーザモジ
ュールの側断面図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する半導体レーザモジ
ュールの光学的および機械的構成の距離関係を図示する
側断面図である。
【図3】本発明の一実施例で使用した屈折率分布型の円
柱レンズを製造するレンズ製造装置の図4の III−III
線部分の断面を概略的に示す正断面図である。
【図4】本発明の一実施例で使用した屈折率分布型の円
柱レンズを製造するレンズ製造装置の図3のIV−IV線部
分の断面を概略的に示す正断面図である。
【図5】本発明の一実施例で使用した屈折率分布型の円
柱レンズを製造する一過程を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例で使用した屈折率分布型のレ
ンズの断面形状とともに屈折率分布を示す正断面図であ
る。
【図7】従来の半導体レーザモジュールの構造を説明す
る側断面図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザモジュール(光電子装置) 11 本体 15 鏡筒 16 フェルール 17 円柱レンズ(集光光学素子) 18 光ファイバー 53 ガラス軸 A 主点 20 第1基準面 22 第2基準面 24 第3基準面 29 電極(受光及び/又は発光用の光電素子) 29a 発光点(受光点及び/又は発光点)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の本体と、この本体の一端内に設
    けられた受光及び/又は発光用の光電素子と、前記本体
    内に設けられて前記受光及び/又は発光用の光電素子に
    一面が対向する集光光学素子と、この集光光学素子の他
    面に一端が対面する光ファイバーとを備えた光電子装置
    において、前記集光光学素子を光学材料からなる軸の外
    周に屈折率が除々に異なる薄膜が積層されて、棒状ある
    いは円板状に形成された集光光学素子としたことを特徴
    とする光電子装置。
  2. 【請求項2】 筒状の本体と、この本体の中途部内側
    に形成された第1基準面と、この第1基準面に当接する
    ことで光軸方向の位置決めがされる鏡筒と、この鏡筒の
    内側所定位置に位置決め装着された集光光学素子と、前
    記本体の内側に挿着されて前記鏡筒とほぼ同心状に挿着
    されたフェルールと、前記鏡筒の一端面に形成され前記
    フェルールの光軸方向の位置決めをする第2基準面と、
    このフェルール内の所定位置に一端が挿着された光ファ
    イバーと、前記本体の他端側に形成された端面からなり
    光軸方向の位置決めのみをする第3基準面と、この第3
    基準面に当接して光軸方向の位置決めがされる受光及び
    /又は発光用の光電素子とを備え、前記第1基準面から
    第2基準面までの距離をh1とし、前記第2基準面から
    第3基準面までの距離をh2とし、前記第1基準面から
    前記集光光学素子の主点までの距離をf1とし、前記集
    光光学素子の主点から前記受光及び/又は発光用の光電
    素子の受光及び/又は発光点までの距離をf2とし、前
    記受光及び/又は発光用の光電素子の受光又は発光点か
    ら前記第3基準面までの距離をh3とした場合に、 【数1】h1=f1+f2+h3−h2 の式を満足する構造としたことを特徴とする光電子装
    置。
JP14328992A 1992-05-09 1992-05-09 光電子装置 Withdrawn JPH05313046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14328992A JPH05313046A (ja) 1992-05-09 1992-05-09 光電子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14328992A JPH05313046A (ja) 1992-05-09 1992-05-09 光電子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05313046A true JPH05313046A (ja) 1993-11-26

Family

ID=15335270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14328992A Withdrawn JPH05313046A (ja) 1992-05-09 1992-05-09 光電子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05313046A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007171556A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Enplas Corp 光モジュール、光モジュールを備えた光コネクタ及び光モジュールによる光結合方法
JP2007241093A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Tyco Electronics Amp Kk 光コネクタ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007171556A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Enplas Corp 光モジュール、光モジュールを備えた光コネクタ及び光モジュールによる光結合方法
JP4662153B2 (ja) * 2005-12-22 2011-03-30 株式会社エンプラス 光モジュール、及び光モジュールを備えた光コネクタ
JP2007241093A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Tyco Electronics Amp Kk 光コネクタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4290667A (en) Optical fibre terminations and connectors
US5537503A (en) Optical semiconductor module and method of fabricating the same
JP2954788B2 (ja) 光電変換接続装置およびその製造方法
EP0189966B1 (en) Method for aligning optical fiber connectors
JP2521602B2 (ja) ガラス質材料製マルチフェル―ルの製造方法、該方法で製造されたマルチフェル―ル及び該マルチフェル―ルの使用方法
CN107063554B (zh) 一种一体化光纤大压力传感器及其制作方法
TW200424592A (en) Precisely aligned lens structure and a method for its fabrication
JPH05313046A (ja) 光電子装置
US6633701B2 (en) Method of manufacturing a core collimating assembly for DWDM devices
JP2006003661A (ja) 光コネクタ及びフェルールの製造方法
JPH11218652A (ja) 光ファイバの光源組立およびその製造方法
JPH07120643A (ja) レンズつき半導体レーザおよびその製法
JP2009093041A (ja) 光モジュール
JP2003167159A (ja) 光ファイバ付きレンズ部品
CN113340492A (zh) 光纤法珀压力传感器及其敏感单元的批量化制备方法
JP2003121689A (ja) 光モジュールおよびその組立方法
JP2003098321A (ja) 光学機能素子、これを用いた光送受信モジュール及びその製造方法
JP2804238B2 (ja) 光半導体モジュールの製造方法
JPH11295559A (ja) 半導体レーザモジュール
JP2002214478A (ja) 光ファイバ用フェルール及びその加工方法及びそれを用いた光ファイバ端末
JP3769862B2 (ja) 光学部品及び光学部品の製造方法
CN115855228A (zh) 全石英光纤法珀振动传感器及其敏感单元的制备方法
JP2002258116A (ja) 光デバイス及びそれを用いた光モジュール
WO2004083925A1 (ja) 光コリメータ
JP2003050337A (ja) 光ファイバスタブの製造方法及び光ファイバスタブ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990803