JPH05311377A - ろう被覆Mg含有Al合金板材の製造方法 - Google Patents

ろう被覆Mg含有Al合金板材の製造方法

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JPH05311377A
JPH05311377A JP14654692A JP14654692A JPH05311377A JP H05311377 A JPH05311377 A JP H05311377A JP 14654692 A JP14654692 A JP 14654692A JP 14654692 A JP14654692 A JP 14654692A JP H05311377 A JPH05311377 A JP H05311377A
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JP
Japan
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alloy
brazing
filler metal
brazing filler
plating
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JP14654692A
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English (en)
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Motoyoshi Yamaguchi
元由 山口
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Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の熱交換器の部材として使用される5
00℃以下の温度でろう付するためのろう被覆Al合金
板材の製造方法を提供する。 【構成】 Mg0.1wt%以上を含むAl合金板材を酸
洗浄し乾燥後、その表面にZn系およびZn−Al系合
金からなる溶融温度500℃以下のろう材を、超音波を
印加しながら溶融めっき法により被覆することを特徴と
するろう被覆Mg含有Al合金板材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は500℃以下の温度でろ
う付するためのろう被覆Al合金板材の製造方法に関す
るものであり、このAl合金板材は自動車用の熱交換器
のラジエーター、ヒーター、コンデンサー等をろう付法
により製造する場合の部材として使用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用熱交換器の多くはAlおよびA
l合金が使用されており、主にろう付法によって製造さ
れている。通常ろう付はAl−Si系のろう材が用いら
れ、そのためろう付は600℃程度の高温で行われる。
近年ろう付コストの低減から、ろう付温度をより低温に
したいという要求が高まってきた。ろう付温度を低温に
することにより、ろう付時間の低減、熱量の低減、ろう
付炉のコスト低減、ろう付炉の耐久性の向上、更には融
点の低いAl材料が使用できる等種々の利点が生まれ
る。
【0003】現在実用化されている低温でろう付する方
法としては、Zn粉末とZnCl2主体のフラックスの
混合物をAl材料で組立てられたコアに塗布し、Znを
ろうとして450℃程度に加熱ろう付するものが知られ
ている。
【0004】Al−Si系ろう材を用いたろう付では、
ろう材の供給はろう単体の粉末、線材、板材でも良い
が、一般的には作業性の点を考慮してろう材を芯材に熱
間圧着によりクラッドした所謂ブレージングシートで行
われる場合が多い。この場合組立てる熱交換器の各部材
により片面にクラッドしたり、両面にクラッドしたりし
ている。例えば図1に示すラジエーターでは偏平電縫管
(1) やヘッダー(3) ではろう材を芯材の片面にクラッド
し、他面には耐食性を考慮しJISA7072合金をク
ラッドした材料が使用されている。また例えば図2に示
す積層タイプのエバポレーターのプレート(5) では両面
にろう材がクラッドされたブレージングシートが使用さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブレージングシートは
熱間圧着により製造するが、芯材、ろう材ともにAl合
金であり、容易に圧着することが出来る。ところが例え
ばAl合金にZn合金を熱間圧着するのは難しい。これ
はAlとZnの結晶構造に起因して、Zn合金は塑性加
工性が劣ることおよびAl合金は加工硬化し、Zn合金
は加工軟化するために熱間圧着した時に割れが生じたり
正常に圧着しないためである。他の低融点のろう材も同
様に塑性加工性は劣っている。従ってこれまでZn合金
を被覆した材料は製造されておらず、ラジエーターのよ
うな熱交換器を500℃以下のろう付温度で接合するこ
とはろう付コストの問題から困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに種々検討の結果、低融点ろう材を被覆したAl合金
板材の製造方法を開発し、更に高強度のMg含有合金に
低融点ろう材を被覆したAl合金板材の製造方法を開発
したものである。即ち本発明は、Mg0.1wt%以上を
含むAl合金板材を酸洗浄し、乾燥後、その表面にZn
系およびZn−Al系合金からなる溶融温度500℃以
下のろう材を、超音波を印加しながら溶融めっき法によ
り被覆することを特徴とするろう被覆Mg含有Al合金
板材の製造方法である。
【0007】
【作用】ここにおいてMg0.1wt%以上を含むAl合
金とは、JISA3004(Al−1%Mn−1%M
g)、JISA3005(Al−1%Mn−0.4%M
g)、JISA5005(Al−0.7%Mg)、JI
SA6N01(Al−0.7%Si−0.6%Mg)、
Al−0.5%Cu−1%Mn−0.15%Mg−0.
8%Si合金等のMgが0.1%以上を含む合金であ
り、Mgの他のいかなる成分を含有している合金でも良
い。
【0008】更にAl−Si系ろう材を使用している通
常のろう付では、強度は高くても固相線温度が620℃
以下の合金は量産製造のろう付温度のばらつきを考慮し
た場合には使用するのが難しかったが、本発明では使用
できる。融点が低く強度の高い合金とは、例えばJIS
A2017(Al−0.5%Si−4%Cu−0.7%
Mn−0.6%Mg:融点507〜638℃)、JIS
A5052(Al−2.5%Mg:融点593〜649
℃)、JISA7N01(Al−0.4%Mn−1.5
%Mg−4.5%Zn:融点615〜650℃)等であ
り、被覆するろう材の融点によっては更に低融点の他の
合金も使用できる。
【0009】これら合金は通常の板材とし、この表面に
低融点ろう材をめっきする。Mgを含有していない合金
では脱脂のみの前処理でめっきできるが、Mgが0.1
%以上含有した合金ではめっき性が劣る傾向にある。そ
の理由は材料製造時の熱履歴によって表面酸化皮膜が厚
く成長し易いためであり、めっき時に酸化皮膜が破壊さ
れず濡れ性が劣るためである。更に不均一な皮膜を形成
しているため、めっきの際にろう材が皮膜の弱い部分に
異常拡散し、均一なめっきが得られない等の問題があ
る。Mg含有材の表面酸化皮膜は素地のMg含有合金の
上に薄いAl2 3 が、その上にMgOからなる厚い皮
膜が形成されており、このMgOの皮膜は酸により容易
に除去できる。酸洗浄としては少なくともMgOの皮膜
が溶解できれば如何なる方法によっても良い。例えば硝
酸、硫酸、蓚酸等の水溶液であり、PHは低い方が良
く、種類濃度によって処理時間は異なる。酸で酸化皮膜
を溶解後水洗を行い乾燥させる。なお、アルカリ、例え
ば苛性ソーダでエッチングする方法もあるが、次工程で
酸による中和が必要でコスト的に問題がある。
【0010】ろう材としては融点が500℃以下なら、
純Zn、Zn−0〜28wt%Alおよびその他微量元素
を添加した如何なる合金も使用できる。ろう材を被覆す
る方法は種々あるが、被覆コストを考慮すると溶融めっ
き法により被覆するのが最良である。溶融めっきでは、
例え酸洗浄してもその後に薄い均一な酸化皮膜は生成さ
れるので、めっき時には表面の酸化皮膜を破壊する必要
がある。その方法としてはフラックスによる方法もある
が、製造コストを考慮すると超音波を利用する方法が良
い。
【0011】ろうの被覆厚さは限定するものではないが
大凡5〜100μm程度であり、各熱交換器、各部材に
最適な厚さを被覆すれば良い。板材の両面に溶融めっき
する場合には例えば図3に示すような装置を使用し、片
面のみに溶融めっきする場合には図4に示すような装置
を用い、めっきしない片面はめっき浴に接触させないで
めっきすれば良い。
【0012】
【実施例】
実施例1 表1に示す厚さ1mm×幅25mm×長さ100mmの各種M
g含有合金を用い、表1に示す種々の酸洗浄を行い水洗
し120℃で乾燥した。この試料を、Zn−5%Alろ
うが420℃で溶融している容器に浸漬し、超音波を印
加しながらめっきを行った。なお酸洗浄を行わず溶融め
っきを行ったものを比較材とした。このようにして作製
したろう被覆材の性能を調べて表1に併記した。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように本発明例No.1〜
No.8では、めっきは全表面均一にまた厚さも20〜2
5μmと均一であった。また密着性を180°密着曲げ
試験により調べたが、めっき層の剥離は見られず良好な
密着性であった。また図5に示す逆T継手試験片を組立
て、ろう付性の評価を行ったところ、正常なフィレット
が形成されろう付性を良好であった。これに対し酸洗浄
を行わなかった比較例No.9、No.10では、全表面不
均一なめっき状況でしかもろうの異常拡散が認められ
た。また密着性も劣っていた。
【0015】実施例2 溶融めっき装置の一例を図3に示す。図3はコイル状板
材の両面に連続的にめっきする装置の概略を示したもの
である。厚さ0.5mmのJISA3005合金のコイル
状板材をアンコイラー(6) より送りローラー(7) によっ
て溶剤脱脂装置(8) を通過させ、硝酸の30%水溶液に
よる酸洗浄装置(9) 、水洗装置(10)を通過させ乾燥装置
(1) を経て溶融めっき槽(12)に送る。めっきろう材(13)
は440℃に加熱溶融している純Znである。板材はめ
っき浴内部に設けられたガイドロール(14)で導かれ、超
音波発振子(17)近傍を通過した時に表面酸化皮膜は除去
され、材料表面が濡れめっきされる。最後にめっき槽に
垂直に取り出し、冷却後コイラー(15)にコイル状に巻き
取った。なお比較として、酸洗浄工程(9) 、(10)、(11)
を通過しないめっき工程で上記と同様に製造した。この
ようにして製造されたコイル状板材の性能を調べた。比
較材では均一なめっき厚さが得られず、またろうの異常
拡散が認められた。これに対し本発明例により製造した
被覆材はめっき厚さは30〜35μmと均一なものであ
った。まためっきの密着性を180°密着曲げ試験によ
り調べたが、めっき層の剥離等は起こらず良好な密着性
であった。また図5に示す逆T継手試験片を組立て、ろ
う付性の評価を行ったところ、正常なフィレットが形成
されろう付性は良好であった。
【0016】実施例3 図4に示すコイル状板材の片面に連続的に溶融めっきす
る装置を用いてめっきを行った。めっきする板材は、J
ISA6N01合金を芯材とし片面にJISA7072
合金を全板厚に対して10%の割合でクラッドしたもの
で、通常の熱間圧着法により製造した厚さ1mmのもので
ある。この板材をJISA7072合金面を上面として
アンコイラー(6) より送りローラー(7) によって溶剤脱
脂装置(8) を通過させ、40℃の硫酸5%水溶液の酸洗
浄装置(9) 、水洗装置(10)を通過させ乾燥装置(11)を経
てZn−15%Alろう材よりなる460℃に加熱した
溶融めっき槽(12)導入した。この時JISA7072合
金面はシール装置(16)により溶融ろう材(13)には接触し
ない。材料表面の酸化皮膜は超音波発振子(17)近傍を通
過した時に除去され、表面が濡れめっきされる。そして
最後にめっき槽より引き上げ、冷却後コイラー(15)にコ
イル状に巻き取った。なお比較として、酸洗浄工程(9)
、(10)、(11)を通過しないめっき工程で上記と同様に
製造した。このようにして製造されたコイル状板材の性
能を調べた。めっき厚さは30〜35μmと均一なもの
であった。まためっきの密着性を180°密着曲げ試験
により調べたが、めっき層の剥離は等は起こらず良好な
密着性であった。また図5に示す逆T継手試験片を組立
て、ろう付性の評価を行ったところ、正常なフィレット
が形成されろう付性は良好であった。これに対し、酸洗
浄工程を除いた比較例では不均一なめっきであり、密着
性も劣っていた。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、低融
点のろう材を被覆した高強度のAl合金板材を容易に製
造でき、このろう被覆板材を熱交換器用材料として用い
ればろう付コストの大幅な低減が可能となり、更にこれ
まで使用できなかった低融点の高強度材の使用が可能に
なる等工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラジエーターを示す斜視図。
【図2】積層タイプのエバポレーターを示す斜視図。
【図3】板材の両面に溶融めっきする装置の概念図。
【図4】板材の片面に溶融めっきする装置の概念図。
【図5】逆T継手試験片を示す斜視図。
【符号の説明】
1 偏平電縫管 2 フィン 3 ヘッダー 4 樹脂タンク 5 プレート 6 アンコイラー 7 送りローラー 8 溶剤脱脂装置 9 酸洗浄装置 10 水洗装置 11 乾燥装置 12 溶融めっき槽 13 溶融ろう材 14 ガイドローラー 15 コイラー 16 シール装置 17 超音波発振子 18 めっき板材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg0.1wt%以上を含むAl合金板材
    を酸洗浄し乾燥後、その表面にZn系およびZn−Al
    系合金からなる溶融温度500℃以下のろう材を、超音
    波を印加しながら溶融めっき法により被覆することを特
    徴とするろう被覆Mg含有Al合金板材の製造方法。
JP14654692A 1992-05-11 1992-05-11 ろう被覆Mg含有Al合金板材の製造方法 Pending JPH05311377A (ja)

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