JPH05311195A - 米からの洗浄剤 - Google Patents

米からの洗浄剤

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JPH05311195A
JPH05311195A JP4146981A JP14698192A JPH05311195A JP H05311195 A JPH05311195 A JP H05311195A JP 4146981 A JP4146981 A JP 4146981A JP 14698192 A JP14698192 A JP 14698192A JP H05311195 A JPH05311195 A JP H05311195A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄剤の排出総量を下げて環境汚染を防ぐこ
とのできる素材であり、また、肌を守る天然の保湿剤と
しての効果を兼ねそなえ、しかも、商品にした場合に褐
変等がなく、安定している天然の洗浄剤素材を提供す
る。 【構成】 米の水抽出物または有機溶媒抽出物を洗浄剤
に含有させてなることを特徴とする洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米の水抽出物または有
機溶媒抽出物を洗浄剤に含有させることにより、界面活
性剤等の濃度が低くても洗浄力、起泡力を飛躍的に増大
させ、排出総量からみて環境保全にも優れ、さらに、皮
膚に対して顕著な保湿効果、つるつる効果等を併せ持
ち、しかも、経時的に着色も起こさない洗浄剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、汚れを落とす目的として、使用分
野、汚れの種類に応じ、さまざまな洗浄剤が市場にあら
われている。石けん系のもの、石油、ヤシ油、パーム油
等起源の界面活性剤がそれである。しかし、これらは、
いずれも肌荒れを起こすことが一番の問題であり、ま
た、自然界にないものであるから環境問題も起こしてい
る。
【0003】一方、米は主食以外に清酒、焼酎、甘酒、
みりん、酢、麹などとして用途開発され、古くから生活
に欠かせないものとなっている。しかし、新規な用途で
の用途開発はほとんどなされていない。これは、米を単
なる主食であるとみるか、またはせいぜい澱粉源として
しかみていなかったということによるものであると思わ
れる。また、食以外の用途としては糠袋が知られている
が、糠袋にしても皮膚によいとされ、慣例的にそのまま
使用されていたのみであり、有効成分という概念もなけ
れば、抽出という考え方も全くなかったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、洗浄剤全般につ
いて、肌荒れと環境汚染が非常に大きな問題になってい
るが、何ら有力な解決方法は見出されていない。環境問
題では、川、海等の水質汚染が大きな問題になってい
る。天然物は環境によいとされているが、この天然の洗
剤としてしられている木炭、米糠等は、油ものに対する
洗浄力が全くないため現在使われていない。
【0005】一方、合成洗剤は、洗浄力はあるが手荒れ
および環境汚染の観点から大きな問題になっている。そ
のため石けん運動が各地で行われているが、この石けん
にしても合成洗剤(標準使用量は一般的に1.5ml/リ
ットル)と比較して同じ量を使用した場合、環境にいい
のであって、現実には、標準使用量が一般的に6〜7.
5ml/リットルと多量に使わないと洗浄力がないため、
最近、使用感以外にも排出総量からみて環境上問題があ
るとされている。また、合成洗剤においても手荒れを防
ぐため、界面活性剤濃度を一般的な27〜29%から2
0%前後に落とすなどしているが、一般的な標準使用量
ではどうしても洗浄力が落ち、標準使用量も2.5ml/
リットルと多くなってしまうまで、環境上は同じことで
ある。すなわち、界面活性剤濃度を低くおさえても少量
の使用量で充分な洗浄力を与える洗浄剤素材が待ち望ま
れている。また、手荒れを防ぐために、界面活性剤濃度
を低くしたり、天然果汁とか、アロエ、グリセリン、ジ
プロピレングリコール等を保湿剤として入れているもの
もあるが、洗浄剤の洗浄力がきついため、根本的な解決
には至っていない。
【0006】これらのことは、洗顔フォーム、ボディー
ソープ等バス、トイレタリー商品についても同様のこと
がいえる。今までは油類、アミノ酸群、多糖類等を主体
に保湿性を出してきた。しかし、この分野でも最近、安
全性が問題になり、天然の油類をはじめ、ヒアルロン
酸、胎盤エキス等の天然の保湿剤を配合しているものも
出ているが、保湿性ばかりを重視して、洗浄力が乏しい
ものである。
【0007】そこで、本発明者らは、すでに酒粕含有洗
剤(特願平2−25986)を開発した。酒粕を含有し
た洗剤は、界面活性剤濃度が低くても、洗浄力、起泡力
があり、肌に対する保湿等の効果は優れているが、経時
的な褐変現象がひどく、商品完成度という点で問題とな
っている。
【0008】したがって、洗浄剤の排出総量を下げるこ
とにより環境汚染を防ぐことのできる素材であって、か
つ、肌を守る天然の保湿剤としての効果を兼ねそなえ、
しかも、商品にした場合に褐変等がなく、安定している
天然の洗浄剤素材の開発が洗浄剤業界にとって大きな課
題となっている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、動植物合
和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分
の研究を進めてきた。その過程で、米を水または有機溶
媒で抽出したものを各種洗浄剤に添加してみたところ、
界面活性剤の標準使用量よりも少量の使用量で、洗浄
力、起泡力に非常に優れ、皮膚に対して顕著な保湿、つ
るつるつ効果を持ち、しかも、経時的な褐変も起こさな
い洗浄剤が得られることが判明し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、米の水抽出物または有機
溶媒抽出物を洗浄剤に含有させてなることを特徴とする
洗浄剤であって、米を水抽出(酸、アルカリ抽出も含
む)またはアルコールなどの有機溶媒抽出したものを、
単に洗浄剤ベースに加えるだけで簡単安価に、しかも、
全く安全に上記の効果を顕し、商品としても非常に優れ
た洗浄剤が得られるのである。
【0010】米を水抽出または有機溶媒抽出する場合、
まず、米を粉砕または粉体化すると表面積が大きくなる
ため、極めて抽出効率が良好になる。この方法は、粉砕
機または精米機等を用い、一般的な方法によればよい。
粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解お
よび抽出に長時間を要する。
【0011】水抽出にあたっては、米をそのまま、好ま
しくは粉砕または粉体化したものに加水する。米は玄米
でも白米でもよい。加水量については、米に対して2〜
5倍量で効率よく抽出されるが、収率、作業性、最終使
用目的等に応じて適宜選定すればよい。この後、加温し
てゆき、沸騰状態になった時点で抽出を完了する。抽出
を完了した後、使用目的により、圧搾、濾過を行えば、
清澄な抽出エキスが得られる。なお、最初から熱水を加
えて抽出を行ってもよい。
【0012】抽出液中の有効成分は解明されていない
が、この未知の有効成分が熱に安定であることは確認で
きたので、水抽出の際の抽出温度は、高温が効率的であ
る。低温でも長時間置けば、充分に抽出を行うことがで
きる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性
あるいはアルカリ性にするか、防腐剤を加えることが必
要である。抽出時間は、沸騰抽出の場合には数分でよい
が、それ以下の中温の場合には、数時間から一昼夜が必
要である。低温の場合は、米の粉砕状態にもよるが、数
日〜1ケ月必要である。ただし、この場合にも、なるべ
く最後には加熱するのがより効果的である。
【0013】水抽出の場合に最も問題になるのは、糊化
現象である。糊状になれば抽出効率が悪くなるのみでな
く、実作業においては困難を極める。これを防ぐために
は、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性
にして澱粉を分解すればよく、この方法を用いることに
より、充分に解決でき実用上も全く問題がない。
【0014】抽出液中の有効成分は、酸、アルカリに安
定であるためか、酸抽出あるいはアルカリ抽出を行うの
も有効である。また、水抽出の場合、酸、アルカリで前
処理するか、米の組織に働く酵素(例えば、アミラー
ゼ)を反応させて前処理を行い、抽出する方法が効率的
である。これは、前処理により、有効成分がより抽出さ
れやすくなるためであると思われる。
【0015】さらに、有機溶媒抽出でも、本効果を持っ
たエキスが抽出されることが判明した。このことは、有
効成分の解明を進める上で、また、有効成分をコンクに
抽出したり、水に溶けないものとの配合という利用用途
の上で極めて有効である。この場合、なるべく微粉砕ま
たは粉体化することが好ましい。また、ここで用いる有
機溶媒は、アルコールのような人体に投与しても安全な
ものを使用することが望ましい。
【0016】さらに、アルコール発酵、乳酸発酵等の有
機酸発酵を組み合わせても同等の効果であった。なお、
本発明品の米からの抽出には、以上のように有機溶媒抽
出または水抽出し、その抽出物中の有効成分をさらに溶
媒抽出すると、より有効である。しかし、これは濃縮状
態が得られるためと思われ、濃縮することにより同等の
効果が得られる。
【0017】また、用途によっては糖があるとベタつく
とか、その効果において邪魔になることがある。その場
合には、糖を酵母に食べさせるとか、有効成分を吸着剤
で分画するとか、有機溶媒で抽出することにより糖を除
いてやればよい。いずれにしても、抽出さえ行えば効果
が出てくるわけで、用途によっては不要の成分は種々の
方法により取り除けばよい。
【0018】このようにして得られた米の抽出物を各種
洗浄剤に添加混合すればよい。すなわち、添加混合とい
う簡単な方法でよいので、化粧石けん、洗たく石けん、
シャンプー、ボディーソープ、洗顔フォーム、台所用洗
剤、家庭用洗剤、ハンドウォッシャー等幅広い用途で利
用可能となる。
【0019】混合する場合、台所洗剤のような液体の場
合には、ベースとなる界面活性剤に米の抽出物をそのま
ま混合し、よく攪拌する。添加する量は、利用用途、目
的に応じて、最終製品に対して20〜30%である。洗
顔フォームのようなクリーム状のものの場合には、けん
化時または混合時に10〜30%添加する。また、洗た
く用洗剤のように粉末化した方がよい場合には、抽出液
をスプレードライして粉末、粒状化し、よく混合する。
いずれにしても、より効果を出そうと思えば添加量を多
くし、効果さえあればよいというのであれば添加量は少
なくてよい。
【0020】米は主食として毎日食べており、あまりに
も身近すぎて、このように洗浄剤として使用するという
概念すらなく、思いもよらないことであった。また、食
べる以外には清酒、焼酎、酢などに用いられてきたが、
米の抽出という考え方も方法も取られていない。これ
は、加熱抽出しようとすると米の特性として糊状にな
り、従来の考え方では非常に困難であったことにもよる
ものと思われる。そのため本発明においては、有機溶媒
抽出、酸、アルカリ抽出などを用い、また、水抽出の場
合、アミラーゼ等を作用させ、抽出を容易にすることに
より、目的を達成することができるようにしたのであ
る。このようにして十分抽出操作を行って初めて、非常
に優れた洗浄剤としての有効成分を抽出することができ
るのである。
【0021】次に、具体的な実験データに基づいて説明
する。まず、界面活性剤の濃度を29%と20%に調整
したものをベースにおき、これと米の水抽出物を混合
し、界面活性剤濃度を20%に調整したものについて、
洗浄力試験としてリーナツ試験法、皿洗い試験法、起泡
力試験としてロスマイルス法による試験を行い、その結
果を表1、図1に示した。試験方法としてリーナツ試験
法、ロスマイルス法は、JIS規格に準じて行った。ま
た、皿洗い試験法の方法としては、市販ラード、スポン
ジ(110mm×75mm×30mm)、皿(φ25cm)、試
料(各洗剤10g+水道水10g)20gを準備し、ま
ず、皿の表面に1枚につき市販ラード2.5gをつけ全
体に指でのばし、25℃前後で保存した。乾燥したスポ
ンジに試料20gを塗布し、軽くもんで泡立たせ、その
スポンジで皿の外側、内側を1周ずつ洗い、これを1枚
の皿で5回繰り返し、泡が立たなくなるまでに何枚洗え
るかを5回試験し、その平均値を調べた。
【0022】
【表1】 注1 ベースはポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸ナトリウム:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:
ラウリルジメチルアミンオキシド:ヤシ油脂肪酸ジエタ
ノールアミド=21:7:2:3の混合物である。 注2 界面活性剤濃度は最終製品にした時の濃度であ
る。
【0023】界面活性剤ベースのみの数値で比較してみ
ると分かるように、界面活性剤濃度を29%から20%
に下げると、洗浄力、起泡力ともに著しく落ちるが、米
の抽出物を添加混合することにより、界面活性剤濃度を
20%に下げても、界面活性剤濃度29%ベースのみよ
りも優れた洗浄力があり、起泡力が出てくる。
【0024】このように、本発明品は、JIS規格の試
験法においても、洗浄剤ベースとして著しく効果がある
ことが分かった。また、これらを行った熟練者による
と、本発明品は、界面活性剤ベースのみに比べてはっき
りと洗浄力に差があるばかりでなく、洗浄後、肌に対し
て今までの洗浄剤にはなかったしっとり感が出ていると
した。また、実際の家庭の汚れに近い皿洗い試験におい
て、さらにこのような顕著な差が証明されたということ
は、実使用面においてきわめて有効であることが分かっ
たのである。
【0025】さらに、台所洗剤において大きな問題であ
る手荒れ防止について、本発明品は、手にやさしいとい
う以上に、しっとりとさえするということが指摘され
た。そこで、まず、パネラー24名を用い、アンケート
調査を行い、洗浄後のしっとり感について答えてもらっ
た。その結果を表2に記載する。
【0026】
【表2】 注1 評価は5点法による。 5 しっとりする 4 少ししっとりする(手にやさ
しい) 3 ふつう 2 少しかさかさする 1 カサカサする 結果は5点法による人数の合計で示した。 注2 家庭で3日間使用後におけるアンケート結果であ
る。 注3 サンプルは表1、注1、注2に準じたものであ
る。 注4 パネラーは男8名、女16名の24名で行った。
【0027】本発明品については、使用後、全ての人が
肌がしっとりすると答えた。界面活性剤濃度20%のベ
ースは、さらりとした効果があるという人も3人いた
が、その人たちも本発明品のようにしっとりするものは
今までなかったと答えた。また、パネラーの内7人は、
今までどんな洗剤を使っても、2〜3回継続的に使用す
ると手が荒れていたが、本発明品については、継続的に
使用しても全く荒れないとした。
【0028】そこで、本発明者らは、しっとり効果を実
験的に証明するために、人工皮革を用いてその含水量の
経時変化を調べ、図2に示した。その測定方法は、重量
を測定した乾燥人工皮革を、希釈した洗浄剤(各原液
7.5ml/水100ml)に5分間浸漬した後に流水でよ
くすすぎ、約30分間放置し、単位重量当たりの含水量
を約185%に設定し、以後25℃の部屋で経時的に含
水量の変化を測定した。なお、図2において、含水率は
洗浄前の人工皮革を含水率0とし、その後の含水量を%
で表した。
【0029】これは、皮膚の保水性、みずみずしさを表
すものである。図2から分かるように、普通の洗浄剤で
は、水と比較しても洗浄後の含水量が著しく落ちてい
る。これは、洗浄剤の洗浄力により、肌のみずみずしさ
(保水効果)を落としてしまうためである。ところが、
本発明品については、逆に水分を保持する効果が認めら
れた。これは、今までの洗浄剤では考えられなかったこ
とであり、今まで洗浄力をとるか、少しでも手にやさし
いという点をとるかであったものが、天然のものでこれ
らを両立させるものが見出されたことは、画期的な発見
であるといえる。
【0030】石けんについても洗浄力、しっとり感の試
験を行ったところ、合成洗剤と同様の結果であった。そ
ればかりでなく、石けんについては、使用感としてぬめ
り感が大きな問題であったが、そのぬめり感もほとんど
取り除くことができた。また、実施例4で得られた本発
明品で洗たくをしたところ、少量の使用量で汚れがよく
落ち、洗浄液に手をつけてもやわらかく、しっとりする
ことが判明した。
【0031】さらに、最近使用量が激増しているバス、
トイレタリー商品のうちの実施例3で得られた本発明品
(洗顔フォーム)を10名のパネラーに使用させたとこ
ろ、洗顔フォームベースのみと比較して、全員がはっき
りとしたしっとりさがあるとした。すなわち、本発明品
は、洗顔フォーム等の一般的に化粧品として使用されて
いるものにおいても、はっきりとした保湿性が出てくる
わけで、そのことからも本発明品の優れた保湿性が実証
されたわけである。さらに、全員が本発明品の洗顔フォ
ームで洗うと、しっとりするだけでなく、つるつるする
と答えた。
【0032】そこで、実施例3で得られた洗顔フォーム
の効果を例証した。すなわち、米の抽出物を含有した洗
顔フォームと、米の抽出物を含有していない洗顔フォー
ムで洗浄した人工皮革について、動摩擦計により、摩擦
係数を測定した。測定方法は、洗顔フォーム0.7gを
100mlの蒸留水に溶かしたものに人工皮革を浸漬し、
5分間放置後、十分に水洗し、25℃で25分間乾燥
後、動摩擦計で摩擦係数を測定した。平均摩擦係数の比
率は、水を100%とした場合の比較%とし、結果は図
3に示した。
【0033】図3から明らかなように、洗顔フォームに
米抽出物を添加混合することにより、洗顔後、肌をつる
つるさせる効果をも併せ持つ優れた洗顔フォームが得ら
れることが判明した。さらに、本発明品の商品としての
色の安定性を調べるために、実施例1で得られた本発明
品と酒粕抽出物を20%配合した台所洗剤を、37℃で
1ケ月間の虐待試験を行った。酒粕抽出物は、米の代わ
りに酒粕を実施例1に準じて抽出し圧搾したものを用い
た。台所洗剤のベースは、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピル
ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油脂
肪酸ジエタノールアミドの混合物を用いた。その結果、
酒粕抽出物は1週間目くらいから目に分かるほどの褐変
が起こりだし、1ケ月後には、しょう油のような色にな
った。それに比べ、本発明品の台所洗剤においては、少
しの着色は認められたもののほとんど変化はなかった。
これらのことから、本発明品は、十分に商品化ができる
ものであるといえる。
【0034】以上の結果から、本発明により単に洗浄剤
ベースに米の抽出物を添加混合するだけで、簡単に界面
活性剤濃度が低くても洗浄力、起泡力に優れ、しかも、
皮膚に対してしっとりさ、つるつるさをもたらすきわめ
て優れた洗浄剤が得られることが実証されたのである。
また、本発明により、界面活性剤濃度が低くても、洗浄
力、起泡力に優れる洗浄剤が得られたことから、界面活
性剤の排出総量を下げることが可能となり、環境汚染の
防止という点からも非常に重要な貢献をすることとな
る。
【0035】
【発明の効果】前記の分析データーおよび官能評価から
も明らかなように、洗浄剤ベースに米の抽出物を配合す
ることにより、界面活性剤濃度が低くても、少量の使用
量で充分な洗浄力のある洗浄剤が得られることが判明し
た。これは、現在大きな問題となっている環境汚染の問
題に対し、界面活性剤の排出総量を減少させるという面
から多大の貢献をするものである。さらに、米の抽出物
を洗浄剤ベースに添加することにより、洗浄剤の宿命の
ようであった肌荒れに対し、これを防止するばかりでな
く、顕著なしっとり効果、つるつる効果を与え、しか
も、安定性もあるものが得られることが判明した。
【0036】以上のように、本発明は、今まで洗浄剤で
問題になっていた環境汚染の問題と、洗浄力を落とさず
に肌を守るという矛盾する両主要問題を、米の抽出物と
いう安全で、しかも、安価なもので同時に解決すること
ができたのである。また、米の有効成分を抽出するとい
う考え方は今までなかったことであり、米の有効利用、
新しい利用用途の拡大という点からみても画期的な発明
である。
【0037】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて説明する。 実施例1 白米15kgをよく粉砕し、これに60℃の温水45リッ
トルと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、
徐々に温度を上げて行き、5分間煮沸抽出した後、30
℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、圧搾液4
1リットルと残渣16kgを得た。
【0038】次に、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル硫酸ナトリウム:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイ
ン:ラウリルジメチルアミンオキシド:ヤシ油脂肪酸ジ
エタノールアミド=21:7:2:3に混合した界面活
性剤を16.5部用意し、これに上記圧搾液15部と水
18.5部を加えて50部とし、よく攪拌し、本発明品
50部を得た。
【0039】実施例2 白米1kgをよく粉砕し、95%アルコール3リットルを
添加し、よく攪拌して放置した。4日後、しぼり機でし
ぼり、圧搾液2.5リットルと残渣1.2kgを得た。こ
の圧搾液の一部1リットルに500ml加水し、ロータリ
ーエバポレーターによりアルコールを完全に除去し、ア
ルコール抽出液480mlを得た。次に、実施例1に準じ
て台所洗剤を得た。
【0040】実施例3 精製水25部に水酸化カリウム6部を加えて加温して
おき、また、ミリスチン酸30部、ステアリン酸7
部、親油型モノステアリン酸グリセリン7部を加熱融解
しておき、まず、にグリセリン10部を添加して直ち
に70℃に調整した後、これにをよくかきまぜながら
徐々に加え、石けんを作った。これを十分かきまぜなが
ら40〜50℃まで冷却し、これに実施例1で得られた
水抽出物15部を加え、さらに、35℃まで冷却し、本
発明品95部を得た。
【0041】実施例4 白米1kgをよく粉砕し、0.1%の塩酸水5リットルを
加え、よく攪拌し、6時間放置した。その後、しぼり機
でしぼり、圧搾液4.6リットルと残渣1.2kgに分離
した。この圧搾液を1N NaOHで中和し、抽出液
4.7リットルを得た。
【0042】この抽出液10リットルにデキストリン6
kgを添加し、スプレードライして粉末エキス6.5kgを
得た。この粉末エキス7部を、よく攪拌した牛脂脂肪酸
ナトリウム40部とヤシ油脂肪酸ナトリウム20部と炭
酸ナトリウム40部の中に入れてさらによく攪拌し、粉
末洗たく洗剤としての本発明品100部を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロスマイルス法による起泡力テストの結果を示
す図表である。
【図2】皮膚保水性に対する洗浄剤の影響を試験した結
果を示す図表である。
【図3】洗顔フォームで洗浄した人工皮革について動摩
擦計により摩擦係数を測定した結果を示す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米の水抽出物または有機溶媒抽出物を洗
    浄剤に含有させてなることを特徴とする洗浄剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07252129A (ja) * 1993-12-15 1995-10-03 Soken Kk 米からの表皮角質層健全化剤
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