JPH05310569A - カプトプリル含有経皮吸収製剤 - Google Patents

カプトプリル含有経皮吸収製剤

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JPH05310569A
JPH05310569A JP12051792A JP12051792A JPH05310569A JP H05310569 A JPH05310569 A JP H05310569A JP 12051792 A JP12051792 A JP 12051792A JP 12051792 A JP12051792 A JP 12051792A JP H05310569 A JPH05310569 A JP H05310569A
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JP
Japan
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captopril
percutaneous absorption
drug
absorption preparation
aqueous medium
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JP12051792A
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Chinami Iida
千奈美 飯田
Yoshimasa Furubayashi
祥正 古林
Akihiro Sakimae
明宏 崎前
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カプトプリルの経皮吸収速度を向上させた、
安全性の高い経皮吸収製剤を提供する。 【構成】 水を必須成分とする水性媒体中にカプトプリ
ルと酸化防止剤を含有させた経皮吸収製剤。 【効果】 安全性が高く、皮膚刺激性の低い経皮吸収製
剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効成分としてカプト
プリルを含有する経皮吸収用貼付剤に関するものであ
る。カプトプリルは、N−(3−メルカプト−2−D−
メチルプロピオニル)−L−プロリンの化学名を有する
優れた血圧降下剤である。
【0002】
【従来の技術】カプトプリルは、循環器用医薬分野の中
で、アンギオテンシン変換酵素阻害剤の一つとして血圧
降下を目的として広く使用されている。従来、この薬剤
の投与形態は経口剤であるが、腸壁障害による副作用
(例えば、悪心、嘔吐、食欲不振)が問題と言われてい
る。そこで、最近投与方法を工夫して副作用の軽減を図
ることを目的に、例えば皮膚から吸収させる形態の製剤
の研究がなされている。この経皮投与法は経口投与法に
比べて上記の副作用を低減するばかりでなく、多くの利
点を有している。例えば、経口投与すると腸から吸収さ
れた薬物は肝臓へ循環するため薬効が発現される前に肝
臓によりかなりの量が代謝分解されるのに対して、経皮
投与法では吸収された薬物は体内の初回循環時に肝臓を
通過しないので、肝臓による分解を受けず、薬効の大幅
減は生じない。また薬物の経皮吸収性をコントロールす
ることで、長時間にわたり一定の薬物血中濃度の維持が
可能であり、経口投与のごとく薬物の短時間、大量吸収
による副作用の軽減が可能となる。
【0003】一般的に、経皮吸収により薬物を皮膚から
吸収させる場合、該薬物が皮膚を通過しにくく、バイオ
アベイラビリティーが低くなることが多い。これは、皮
膚表面には角質層が存在し、この角質層は体内へ異物が
混入するのを防ぐ役目をもつからである。この角質層の
バリアー機能を低下させて薬物の吸収を促進させるため
に吸収促進剤を含有させた製剤が開発されている(例え
ば、特開昭58−52216号公報、同58−7991
8号公報、同60−13720号公報、同60−114
31号公報、同61−24517号公報、同61−22
1121号公報、特開平2−202813号等)。
【0004】このような吸収促進剤としては、ジメチル
スルフォキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、プロピレングリコールモノアセテート、エタノー
ル、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、没食子酸
エステル、グリセリン、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル等、種々のものが開示されている。
【0005】カプトプリルの経皮吸収に関しては、例え
ば、特開平2−202813公報、同3−83924公
報、同4−1127公報等の明細書中に記載がみられる
が、これらの公知発明技術はいずれも特定の吸収促進剤
あるいは配合剤の使用が主要要件となっており、カプト
プリルはあまた多数の適用薬物の一例として挙げられて
いるにすぎず、具体的に開示されている促進剤がどの程
度効果があるのかは不明である。また、吸収促進剤は薬
物本来の薬効増進を期待して用いるものではなく、かつ
皮膚刺激性を有するものもあり、できれば使わない方が
好ましい。さらにまた、カプトプリルそのものの物性と
して、通常の条件では極めて酸化されやすいものであ
り、安定化されたカプトプリル経皮吸収製剤は開示され
ていない。カプトプリルの酸化防止を行い、かつ皮膚か
ら吸収させる経皮吸収製剤の提供が望まれているのが現
状である。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、かか
る従来技術の欠点に鑑み、必ずしも経皮吸収促進剤を採
用する必要がなく、しかも、皮膚へのカプトプリルの吸
収性のよいカプトプリル含有経皮吸収製剤を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる従来技術の問題点を解決した新規かつ、有効なカ
プトプリル含有経皮吸収製剤に関して鋭意研究した結
果、意外にも水が特別な吸収促進効果を有することを見
いだし、かつアスコルビン酸などの人体に安全な酸化防
止剤がカプトプリルの安定化に有効であることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明は、水を必須成分とする水性
媒体中にカプトプリルを0.5〜50重量%及び酸化防
止剤を0.1〜49重量%含有することを特徴とするカ
プトプリル含有経皮吸収製剤である。本発明において
は、特別の吸収促進剤を必ずしも水性媒体に共存させな
くともカプトプリルは容易に皮膚から吸収される。水性
媒体とは水を必須成分として含有する溶液であり、水単
独でも使用可能である。水性媒体に含有させる水分は好
ましくは10〜99.5重量%が好ましく、より好まし
くは30〜95重量%である。また、水性媒体に含有さ
せるカプトプリル濃度は好ましくは0.5〜50重量%
である。
【0009】本発明の有効成分のカプトプリルは、極め
て酸化劣化を受けやすく、特に水などの水性媒体に溶解
させたときには容易に酸化され、ジチオ化合物に変化す
る。カプトプリルの薬効維持にはこのジチオ化反応を防
止することが必須であり、本発明においては、種々の酸
化防止剤が使用される。酸化防止剤としては、カプトプ
リル共存下での水性媒体中の溶解酸素除去機能を有する
ものであれば、本発明に使用可能であるが、好ましく
は、人体に悪影響を与えないものがよく、例えば、アス
コルビン酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸ステアレ
ートやアスコルビン酸パルミテートなどのアスコルビン
酸エステル類、トコフェロールなどの酸化防止剤が好ま
しく使用される。本発明においては、これらの酸化防止
剤は、カプトプリル含有水性媒体に対して、好ましくは
0.5〜49重量含有させることで用いられる。
【0010】本発明は大略上述のごとき構成からなるも
のであるが、必要に応じて水性媒体中にゲル化剤、増粘
剤、保水剤、粘着剤、安定化剤、pH調整剤などから選
択される1種以上を配合することは自由である。すなわ
ち、水性媒体を固体状にするためにゲル化剤及び増粘剤
を用いることもできる。ゲル化剤としては、ゼラチン、
寒天、マンナン、アルギン酸、100%λカラギーナン
以外のカラギーナン、ファーセレラン、カルボキシポリ
メチレン、エチレン無水マレイン酸、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、エチルヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、及びポリ(メチルビニルエーテル)−無水マレイン
酸のような公知のゲル化剤を掲げることができ、増粘剤
としては、ローカストビーンガム、100%λのカラギ
ーナン、キサンタンガムなどをかかげることができる。
またこれらを併用してもよく、ゲル化剤及び/又は増粘
剤を0.2〜5重量%となるように混合するのが好まし
い。
【0011】保水剤としては、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、ソルビトール、マルテトール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価
アルコール及びエタノール、イソプロパノールなどの1
級アルコールを一種または二種以上組み合わせて用いる
ことができる。また、公知の安定化剤、pH調整剤、防
腐剤等を用い、薬剤の安定性及びこれに伴う薬剤の信頼
性を高めることができる。
【0012】本発明の経皮吸収製剤にはパッチ剤、パッ
プ剤、軟膏剤(クリーム剤を含む)、硬膏剤、テープ
剤、ローション剤、液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧剤などが
含まれるが、中でも経皮用貼付剤(パッチ剤、パップ
剤、硬膏剤、テープ剤等)が好ましい。軟膏剤(クリー
ム剤)ローション剤、液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧剤は、
水性媒体の水、酸化防止剤、及び必要に応じ非イオン性
界面活性剤、無機塩基、酸などを製剤分野において公知
の軟膏基剤、溶剤、懸濁化剤、乳化剤又は噴射剤などと
ともに配合して製することができる。必要により、防腐
剤(パラオキシ安息香酸エチル、塩化ベンザルコニウム
など)炎症防止剤(例、グリチルリチン酸など)を配合
することができる。
【0013】また、パッチ剤、パップ剤、硬膏剤、テー
プ剤などの貼付剤は水性媒体としての水、酸化防止剤及
び必要に応じ非イオン性界面活性剤、無機塩基、酸を製
剤分野において公知の基剤と混合し、必要に応じて防腐
剤、炎症防止剤などを加えた後、適当な支持体に吸収ま
たは付着させ調整することができる。
【0014】このような支持体としては、酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、
可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニリデン、アルミニウム、不織布、織布、紙などが例
示される。パッチ剤、パップ剤、テープ剤に必要に応じ
て使用される粘着剤としてはポリアルキルビニルエーテ
ル系、ポリアルキルアクリレート系、ポリイソブチレン
系、天然ゴム系、合成ゴム系粘着剤がある。
【0015】最近、薬物の皮膚透過性の評価に関し、
T.Higuchi,R.Konishi,Thera
p.Res.,,280〜288(1989)、及
び、矢田登、日東技報、28,11〜23(1990)
等に挙げられるように、ヒト角質層のモデルとしてヘビ
の抜け殻が有用であることが報告されている。これに
は、脂質の化学的性質や角質の構造がヒト角質層に類似
していること、薬物の透過パターンがヒト角質層に極め
てよく類似していること、薬剤透過性の個体差がヒト死
体皮膚や新鮮動物皮膚の1/10〜1/3であること、
長期の保存が可能である、との記載がある。これら文献
の結果から、少なくともヒト皮膚胸部のモデルとしてヘ
ビの抜け殻が実験材料として使用可能であると判断さ
れ、本発明でも使用された。
【0016】以下実施例において詳述するが、本発明に
おいてはこれに限定されるものではない。
【0017】実施例1、比較例1 実施例1カプトプリル10重量部、アスコルビン酸0.
5重量部、ヒドロキシプロピルセルロース2重量部に水
を加えて全体が100重量部となる薬剤試料溶液を調製
した。比較例1カプトプリル10重量部、ヒドロキシプ
ロピルセルロース2重量部に水を加えて全体が100重
量部となる薬剤試料溶液を調製した。37℃において一
か月間保存し、経時的にこの間の試料中のカプトプリル
とカプトプリル由来副生物濃度を高速液体クロマトグラ
フィーで測定した。その結果、実施例1においてカプト
プリルのジスルフィド体の生成は認められなかったが、
アスコルビン酸不在系である比較例1ではジスルフィド
体の大幅な増加が認められた。実施例1と比較例1を比
較すると酸化防止剤としてのアスコルビン酸の添加が有
用であるという結果を得た。
【0018】実施例2〜4、比較例2 実験はタイコブラ(東海観光ヘビセンターより入手)の
背部抜け殻をフランツ型セルに設置して行なった。セル
のレシーバー側に生理食塩液を満たし、ヘビの抜け殻の
一方を生理食塩水に接するように設置した。セル温度を
37℃に保ち、ヘビの抜け殻の他方に一定量の薬剤溶液
を適用した後、一定時間ごとに生理食塩水をサンプリン
グしてヘビの抜け殻を透過した薬剤量を定量した。ま
た、レシーバー側は生理食塩水を加えて常にヘビの抜け
殻と生理食塩水とが接しているように保った。表1に示
した組成に薬剤溶液を調製した。実施例3では懸濁溶
液、実施例2,4,及び比較例2では均一溶液が得られ
た。この溶液を500μl/cm2 になるようにヘビの
抜け殻に塗布し、溶剤の蒸発を防ぐ目的で密栓をした。
【0019】
【表1】
【0020】図1には実施例2〜4及び比較例2の時間
経過におけるカプトプリルの積算透過量(実施例3の2
4時間透過量を100とする)を示した。ドナー側に水
を含むカプトプリル含有製剤を用いたものはカプトプリ
ルを良好に透過させることができ、かつ、透過溶液側に
はカプトプリルのジスルフィド体の生成は認められない
ことが判明した。水性媒体として水を用いること、及び
酸化防止剤としてアスコルビン酸を用いることの有効性
が認められた。水を用いなかった比較例2ではカプトプ
リルが透過しなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤は有機溶剤などの
吸収促進剤を使用せずにカプトプリルの安定性を保ち、
また皮膚透過性を向上させることができ、皮膚への刺激
性や、臭いの問題を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2〜4及び比較例2におけるカプトプリ
ル積算透過量相対値を示したグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 366 7038−4C 31/355 7252−4C 31/375 7252−4C 47/22 J 7433−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を必須成分とする水性媒体中にカプト
    プリルを0.5〜50重量%及び酸化防止剤を0.1〜
    49重量%含有することを特徴とするカプトプリル含有
    経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤としてアスコルビン酸もしく
    はエリソルビン酸またはそのエステル或はトコフェロー
    ルを用いることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収
    製剤。
JP12051792A 1992-05-13 1992-05-13 カプトプリル含有経皮吸収製剤 Pending JPH05310569A (ja)

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