JPH05310407A - 窒化アルミニウム粉末の純化方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末の純化方法

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JPH05310407A
JPH05310407A JP14233491A JP14233491A JPH05310407A JP H05310407 A JPH05310407 A JP H05310407A JP 14233491 A JP14233491 A JP 14233491A JP 14233491 A JP14233491 A JP 14233491A JP H05310407 A JPH05310407 A JP H05310407A
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aluminum nitride
nitride powder
oxygen
gas
powder
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Takahiko Kikuchi
貴彦 菊池
Koji Tsugita
功司 次田
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Nippon Denko Co Ltd
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Nippon Denko Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/06Binary compounds of nitrogen with metals, with silicon, or with boron, or with carbon, i.e. nitrides; Compounds of nitrogen with more than one metal, silicon or boron
    • C01B21/072Binary compounds of nitrogen with metals, with silicon, or with boron, or with carbon, i.e. nitrides; Compounds of nitrogen with more than one metal, silicon or boron with aluminium
    • C01B21/0728After-treatment, e.g. grinding, purification

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高純度の窒化アルミニウムは熱伝導率が高
く、かつ絶縁性、熱膨張性、誘電特性、機械的強度等は
すぐれており、エレクトロニツクス分野のLSI基板材
等として注目されているが、原料粉末中の酸素等の不純
物の影響によりその焼結製品は本来の特性を発揮できな
いので、比較的簡単な方法で酸素を除去する。 【構成】 粗製窒化アルミニウム粉末をN2ガスを含む
雰囲気中で炭化水素ガス(Cmn)と接触させ1200
〜1700℃の温度範囲で加熱する方法である。 【効果】 酸素2.0重量%の粗製窒化アルミニウム粉
末を酸素0.7〜0.5重量%の高純度窒化アルミニウム
粉末に純化することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化アルミニウム粉末の
純化方法に関するものであり、AlNは熱伝導性の絶縁
体として知られており、その特性を活かして電子工学分
野のLSI基板材等に使用される。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムは、理論熱伝導率32
0W/m・kと高くかつ絶縁性、熱膨張性、誘電特性、機
械的強度、安全性などのすべての面において優れている
ため、アルミナに替わるセラミック基板として期待され
ているが、原料粉末中の不純物の影響により、実際には
理論熱伝導率の1/2程度の焼結体しか得られていない
のが現状である。不純物としては、O、Si、Fe、Mg
などが特に好ましくない元素であり、高熱伝導率の焼結
体を得るにはこれらの不純物はいずれも低減させなけれ
ばならないが、特に酸素については1.0%以下にする
ことが強く求められている。
【0003】現在工業化されている窒化アルミニウムの
製造方法には、次の2種類がある。 金属Alの直接窒化法 Al23の還元窒化法 しかしながらの方法では窒化物が堅いブロック状とな
るため窒化後に粉砕工程が必要であり、このとき空気中
の水分と反応して AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3 の反応が起こり、窒化アルミニウム表面に水酸化物層を
生成するため、酸素は不可避的に増加する。の方法で
は、反応を十分に進行させるために、カーボンを過剰に
配合する。その結果、カーボンが製品中に残留し、これ
を除去するために最終工程で空気中での加熱が必要であ
り、このとき酸素が増加する。この酸素含有量は一般に
比表面積の大きいほど増加するが、比表面積3〜5m2
gの微粉についてみると、上記直接窒化法、還元窒化法
のいずれの方法においても従来の製品では、酸素が1.
0〜1.3%もしくは1.3%以上であり、1.0%以
下、とりわけ好ましい0.8%以下のものは得られてい
ない。このような工程途中で酸素が増加した窒化アルミ
ニウム粉末を処理して酸素を低減させる方法としては、
特開昭60−71576、特開昭61−201608、
特開平2−26813がある。
【0004】特開昭60−71576は窒化アルミニウ
ムと遊離炭素、炭素含有有機物質およびそれらの混合物
から成る群より選ばれた粒状混合物をアルゴン、窒素お
よびそれらの混合物から選ばれた非酸化性雰囲気中で加
熱処理する方法である。しかし、この方法によれば、窒
化アルミニウム粉末と炭素質添加剤とから成る粒状混合
物を形成しなければならないため、工程が複雑になり、
また炭素質添加剤の正確な添加が必要であり、多く添加
すれば加熱処理後残留炭素量が増加するなどの問題点を
有する。
【0005】また、特開昭61−201608では、ハ
ロゲン化アルミニウムとアンモニアとをCVD法により
反応させて窒化アルミニウム粉末を合成し、この窒化ア
ルミニウム粉末に炭素源を混合した後、窒素を含む非酸
化性雰囲気中において1500〜1800℃で焼成する
ことを特徴とする高純度窒化アルミニウム粉末の製造方
法が示されている。しかしこの方法によれば、炭素源の
混合工程を必要とするうえ、反応温度は1500℃以上
の高温を要し、また最終的には空気雰囲気中で600℃
で加熱処理し、過剰のカーボンを除去する工程が必要で
あるため、このとき酸素が増加するなどの欠点がある。
【0006】また、特開平2−26813では、窒化ア
ルミニウム粉末をカーボン製の容器に収容し、窒素もし
くは窒素を含む不活性ガス中で1200〜1800℃で
加熱処理することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の
精製方法が示されている。しかしこの方法は基本的には
カーボン還元であるため、カーボン製容器の内径を大き
くすると内部まで均一に還元することが難しく、また反
応条件は、好ましくは温度1350〜1550℃、充填
密度0.15〜0.50g/ccとしているが、実施例に示
されるごとく、酸素を十分に低下させるために実際に
は、1400〜1700℃の高温を要し、かつ充填密度
も0.1〜0.3(g/cc)と小さいため、きわめて生産性
が悪いという問題点がある。このように従来までの窒化
アルミニウム粉末を処理して酸素含有量を低下させる純
化方法は、いずれも工業的には未だ満足すべき域に達し
ていない現状である。本発明者らは先に特願平3−31
379にて、窒化アルミニウム粉末をNH3ガスを含む
雰囲気中で炭化水素ガス(Cmn)と接触させ、Cmn
CH4に換算してNH3/CH4=1〜1000の流量比
において1200〜1700℃の温度で加熱することを
特徴とする方法を提案した。この方法によれば容易に酸
素0.7〜0.5%の窒化アルミニウムを得ることが可能
であり、これ自体は一つの完成された方法であるが、N
3の腐食性の問題があるため、ヒーター、炉材、ガス
配管などの材質およびそれらとガス吹き込み位置との関
係には注意を必要とした。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解消し、機器、炉材等に対してもNH3の如
き腐食性の問題がなく、工程途中での酸素増加量の多少
にかかわらず、窒化アルミニウムをガス還元により容易
に純化精製し、低酸素高純度窒化アルミニウム粉末を得
る効果的な方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題について鋭意研究した結果、製造工程でどのように酸
素が増加しようとも、あるいは市販の粗製窒化アルミニ
ウム粉末を購入した場合も含めてこれらをすべてガス還
元することにより、容易に低酸素高純度窒化アルミニウ
ムを得られる方法を見いだし、本発明を完成するに至っ
たものである。本発明の要旨とするところは次の如くで
ある。すなわち、 (1) 粗製窒化アルミニウム粉末をN2ガスを含む雰囲気
中で炭化水素ガス(CmHn)と接触させ1200〜17
00℃の温度で加熱することを特徴とする窒化アルミニ
ウム粉末の純化方法。 (2) 前記N2ガス雰囲気中のCmHnガスの流量比はCmH
nをCH4に換算してN2/CH4=1〜2000である上
記(1)に記載の窒化アルミニウム粉末の純化方法、であ
る。以下本発明を詳細に説明する。
【0009】粗製窒化アルミニウム粉末は、粒度分布、
比表面積、酸素含有量などはいずれのものでも良く、特
に限定を要しない。還元原料は実質的には窒化アルミニ
ウムであり、主としてその表面に存在する数%以下の酸
化物を還元するのみであるので、いずれの粗製原料の場
合でも還元はすみやかに終了する。粗製AlN粉末の表
面に存在するAl23はN2雰囲気中でCmHnと次の如き
反応により還元されるものと考えられるが、実際には熱
分解による反応中間体が複雑に関与しているものと思わ
れる。 Al23+CH4 → 2Al+CO+2H2O (1) Al23+3CH4 → 2Al+3CO+6H2 (2) 4Al23+7N2 → 8AlN+6NO2 (3) Al23+N2+3CH4 → 2AlN+3CO+6H2 (4)
【0010】本発明において、還元温度を1200〜1
700℃と限定した理由は、1200℃未満では低温に
過ぎて上記反応速度が遅く長時間を要し生産性が悪化
し、また1700℃を越すと反応は進行するものの、高
温に過ぎてAlN粒子が成長して粗大となり焼結性が悪
化するからである。実際操業においては1300〜16
00℃の温度範囲が好ましい。
【0011】炭化水素ガス量については、過剰にすると
熱分解によって生じたカーボンが残留するので、Cとし
て必要最小限あれば良い。雰囲気はN2+CmHnであ
るが、好ましくは初めにN2+CmHnとした後、更にN
2雰囲気中で加熱を継続して還元反応を十分に行わせる
のが良い。炭化水素ガスが供給過剰となった場合には還
元反応終了後にH2ガスを流すことにより、発生した過
剰Cを除去することができる。
【0012】
【作用】粗製窒化アルミニウム粉末をN2を含む雰囲気
中で炭化水素ガスで還元することにより、その表面に存
在する酸化物層が除去されて酸素が低下し、酸素0.7
〜0.5%の窒化アルミニウム粉末を得ることができ
る。しかもガス還元であるため、還元剤が固体である場
合のような繁雑な混合工程を必要とすることなく、容易
に酸素を低下させることができる。
【0013】
【実施例】以下の実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明における窒化アルミニウム粉末の酸
素分析は、LECO社製TC−136、カーボン分析
は、LECO社製CS−244で行った。
【0014】実施例 1 酸素1.3%、カーボン0.05%の窒化アルミニウム粉
末2gをアルミナボートに充填し、これを内径30mmの
炉芯管を備えた管状炉に入れた。N2 5l/min流しなが
ら1400℃まで昇温した後、1400℃に2hr保持し
たが、この間最初の0.3hrはN25l/min、C38 0.
01l/minの混合ガスとし、後の1.7hrはN2のみ5l
/minとした。その後N25l/min流しながら冷却し、8
00℃以下で取り出して酸素分析を行つた。また、炭化
水素ガスの種類と流量、温度、時間を変えて同様に行つ
た。結果を表1、表2に示す。
【0015】実施例 2 酸素2.0%、カーボン0.08%を含む粗製窒化アルミ
ニウム粉末を用いて実施例1と同様の実験を行った。結
果を表1、表2に示す。
【0016】比較例 実施例1で用いた粗製窒化アルミニウム粉末を、本発明
限定要件をはずれる水準とした以外は、実施例1と全く
同様に実験を行った。結果は表1、表2に示すように精
製粉のOおよびCはともに本発明の実施例1、2に比し
高く、十分純化されていないことが明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明による粗製窒化アルミニウム粉末
をN2を含む雰囲気中で炭化水素ガスで還元する方法で
は、酸素0.5〜0.7%という従来見られなかった低酸
素窒化アルミニウムを容易に得ることができる。したが
って本発明で得られた窒化アルミニウムを原料として焼
結体を作成した場合、高い熱伝導率を示すものが得られ
ることは明らかである。
【0018】
【表】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 窒化アルミニウム粉末の純化方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化アルミニウム粉末の
純化方法に関するものであり、AlNは熱伝導性の絶縁
体として知られており、その特性を活かして電子工学分
野のLSI基板材等に使用される。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムは、理論熱伝導率32
0W/m・kと高くかつ絶縁性、熱膨張性、誘電特性、機
械的強度、安全性などのすべての面において優れている
ため、アルミナに替わるセラミック基板として期待され
ているが、原料粉末中の不純物の影響により、実際には
理論熱伝導率の1/2程度の焼結体しか得られていない
のが現状である。不純物としては、O、Si、Fe、Mg
などが特に好ましくない元素であり、高熱伝導率の焼結
体を得るにはこれらの不純物はいずれも低減させなけれ
ばならないが、特に酸素については1.0%以下にする
ことが強く求められている。
【0003】現在工業化されている窒化アルミニウムの
製造方法には、次の2種類がある。 金属Alの直接窒化法 Al23の還元窒化法 しかしながらの方法では窒化物が硬いブロック状とな
るため窒化後に粉砕工程が必要であり、このとき空気中
の水分と反応として AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3 の反応が起こり、窒化アルミニウム表面に水酸化物層を
生成するため、酸素は不可避的に増加する。の方法で
は、反応を十分に進行させるために、カーボンを過剰に
配合する。その結果、カーボンが製品中に残留し、これ
を除去するために最終工程で空気中での加熱が必要であ
り、このとき酸素が増加する。この酸素含有量は一般に
比表面積の大きいほど増加するが、比表面積3〜5m2
/gの微粉についてみると、上記直接窒化法、還元窒化
法のいずれの方法においても従来の製品では、酸素が
1.0〜1.3%もしくは1.3%以上であり、1.0以
下、とりわけ好ましい0.8%以下のものは得られてい
ない。このような工程途中で酸素が増加した窒化アルミ
ニウム粉末を処理して酸素を低減させる方法としては、
特開昭60−71576、特開昭61−201608、
特開平2−26813がある。
【0004】特開昭60−71576は窒化アルミニウ
ムと遊離炭素、炭素含有有機物質およびそれらの混合物
から成る群より選ばれた粒状混合物をアルゴン、窒素お
よびそれらの混合物から選ばれた非酸化性雰囲気中で加
熱処理する方法である。しかし、この方法によれば、窒
化アルミニウム粉末と炭素質添加剤とから成る粒状混合
物を形成しなければならないため、工程が複雑になり、
また炭素質添加剤の正確な添加が必要であり、多く添加
すれば加熱処理後残留炭素量が増加するなどの問題点を
有する。
【0005】また、特開昭61−201608では、ハ
ロゲン化アルミニウムとアンモニアとをCVD法により
反応させて窒化アルミニウム粉末を合成し、この窒化ア
ルミニウム粉末に炭素源を混合した後、窒素を含む非酸
化性雰囲気中において1500〜1800℃で焼成する
ことを特徴とする高純度窒化アルミニウム粉末の製造方
法が示されている。しかしこの方法によれば、炭素源の
混合工程を必要とするうえ、反応温度は1500℃以上
の高温を要し、また最終的には空気雰囲気中で600℃
で加熱処理し、過剰のカーボンを除去する工程が必要で
あるため、このとき酸素が増加するなどの欠点がある。
【0006】また、特開平2−26813では、窒化ア
ルミニウム粉末をカーボン製の容器に収容し、窒素もし
くは窒素を含む不活性ガス中で1200〜1800℃で
加熱処理することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の
精製方法が示されている。しかしこの方法は基本的には
カーボン還元であるため、カーボン製容器の内径を大き
くすると内部まで均一に還元することが難しく、また反
応条件は、好ましくは温度1350〜1550℃、充填
密度0.15〜0.50g/ccとしているが、実施例に示
されるごとく、酸素を十分に低下させるために実際に
は、1400〜1700℃の高温を要し、かつ充填密度
も0.1〜0.3(g/cc)と小さいため、きわめて生産性
が悪いという問題点がある。このように従来までの窒化
アルミニウム粉末を処理して酸素含有量を低下させる純
化方法は、いずれも工業的には未だ満足すべき域に達し
ていない現状である。本発明者らは先に特願平3−31
739にて、窒化アルミニウム粉末をNH3ガスを含む
雰囲気中で炭化水素ガス(Cmn)と接触させ、Cmn
CH4に換算してNH3/CH4=1〜2000の流量比
において1200〜1700℃の温度で加熱することを
特徴とする方法を提案した。この方法によれば容易に酸
素0.7〜0.5%の窒化アルミニウムを得ることが可能
であり、これ自体は一つの完成された方法であるが、N
3の腐食性の問題があるため、ヒーター、炉材、ガス
配管などの材質およびそれらとガス吹き込み位置との関
係には注意を必要とした。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解消し、機器、炉材等に対してもNH3の如
き腐食性の問題がなく、製造工程途中での酸素増加量の
多少にかかわらず、窒化アルミニウムをガス還元により
容易に純化精製し、低酸素高純度窒化アルミニウム粉末
を得る効果的な方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題について鋭意研究した結果、製造工程でどのように酸
素が増加しようとも、あるいは市販の粗製窒化アルミニ
ウム粉末を購入した場合も含めてこれらをすべてガス還
元することにより、容易に低酸素高純度窒化アルミニウ
ムが得られる方法を見いだし、本発明を完成するに至っ
たものである。本発明の要旨とするところは次の如くで
ある。すなわち、粗製窒化アルミニウム粉末をN2ガス
を含む雰囲気中で炭化水素ガス(Cmn)と接触させ1
200〜1700℃の温度で加熱することを特徴とする
窒化アルミニウム粉末の純化方法、である。
【0009】粗製窒化アルミニウム粉末は、粒度分布、
比表面積、酸素含有量などはいずれのものでも良く、特
に限定を要しない。還元原料は実質的には窒化アルミニ
ウムであり、主としてその表面に存在する数%以下の酸
化物を還元するのみであるので、いずれの粗製原料の場
合でも還元はすみやかに終了する。粗製AlN粉末の表
面に存在するAl23はN2雰囲気中でCmnと次の如き
反応により還元されるものと考えられるが、実際には熱
分解による反応中間体が複雑に関与しているものと思わ
れる。 Al23+CH4→2Al+CO+2H2O (1) Al23+3CH4→2Al+3CO+6H2 (2) Al23+N2+3CH4→2AlN+3CO+6H2 (3)
【0010】本発明において、還元温度を1200〜1
700℃と限定した理由は、1200℃未満では低温に
過ぎて上記反応速度が遅く長時間を要し生産性が悪化
し、また1700℃を越すと反応は進行するものの、高
温に過ぎてAlN粒子が成長して粗大となり焼結性が悪
化するからである。実際操業においては1300〜16
00℃の温度範囲が好ましい。
【0011】炭化水素ガス量については、過剰にすると
熱分解によって生じたカーボンが残留するので、Cとし
て必要最小限あれば良い。雰囲気はN2+Cmnである
が、好ましくは初めにN2+Cmnとした後、更にN2
囲気中で加熱を継続して還元反応を十分に行わせるのが
良い。炭化水素ガスが供給過剰となった場合には還元反
応終了後にH2ガスを流すことにより、発生した過剰C
を除去することができる。
【0012】
【作用】粗製窒化アルミニウム粉末をN2を含む雰囲気
中で炭化水素ガスで還元することにより、その表面に存
在する酸化物層が除去されて酸素が低下し、酸素0.7
〜0.5%の窒化アルミニウム粉末を得ることができ
る。しかもガス還元であるため、還元剤が固体である場
合のような繁雑な混合工程を必要とすることなく、容易
に酸素を低下させることができる。
【0013】
【実施例】以下の実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明における窒化アルミニウム粉末の酸
素分析は、LECO社製TC−136、カーボン分析
は、LECO社製CS−244で行った。
【0014】実施例 1 酸素1.3%、カーボン0.05%の窒化アルミニウム粉
末2gをアルミナボートに充填し、これを内径30mmの
炉芯管を備えた管状炉に入れた。N2 51/min流しなが
ら1400℃まで昇温した後、1400℃に2hr保持し
たが、この間最初の0.3hrはN251/min、C38 0.
011/minの混合ガスとし、後の1.7hrはN2のみ51
/minとした。この後N251/min流しながら冷却し、8
00℃以下で取り出して酸素分析を行った。また、炭化
水素ガスの種類と流量、温度、時間を変えて同様に行っ
た。結果を表1、表2に示す。
【0015】実施例 2 酸素2.0%、カーボン0.08%を含む粗製窒化アルミ
ニウム粉末を用いて実施例1と同様の実験を行った。結
果を表1、表2に示す。
【0016】比較例 実施例1で用いた粗製窒化アルミニウム粉末を、本発明
限定要件をはずれる水準とした以外は、実施例1と全く
同様に実験を行った。結果は表1、表2に示すように精
製粉のOおよびCはともに本発明の実施例1、2に比し
高く、十分純化されていないことが明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明による粗製窒化アルミニウム粉末
をN2を含む雰囲気中で炭化水素ガスで還元する方法で
は、酸素0.5〜0.7%という従来見られなかった低酸
素窒化アルミニウムを容易に得ることができる。したが
って本発明で得られた窒化アルミニウムを原料として焼
結体を作成した場合、高い熱伝導率を示すものが得られ
ることは明らかである。
【0018】
【表】 表1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製窒化アルミニウム粉末をN2ガスを
    含む雰囲気中で炭化水素ガス(CmHn)と接触させ12
    00〜1700℃の温度で加熱することを特徴とする窒
    化アルミニウム粉末の純化方法。
  2. 【請求項2】前記N2ガス雰囲気中のCmHnガスの流量
    比はCmHnをCH4に換算してN2/CH4=1〜200
    0である請求項(1)に記載の窒化アルミニウム粉末の
    純化方法。
JP14233491A 1991-05-17 1991-05-17 窒化アルミニウム粉末の純化方法 Pending JPH05310407A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109576783A (zh) * 2019-01-23 2019-04-05 山东大学 一种用于高质量氮化铝晶体生长的原料预处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109576783A (zh) * 2019-01-23 2019-04-05 山东大学 一种用于高质量氮化铝晶体生长的原料预处理方法

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