JPH05309102A - 歯科用工具およびその製造方法 - Google Patents

歯科用工具およびその製造方法

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JPH05309102A
JPH05309102A JP14626392A JP14626392A JPH05309102A JP H05309102 A JPH05309102 A JP H05309102A JP 14626392 A JP14626392 A JP 14626392A JP 14626392 A JP14626392 A JP 14626392A JP H05309102 A JPH05309102 A JP H05309102A
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JP
Japan
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dental tool
single crystal
diamond
base material
ceramic base
Prior art date
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Application number
JP14626392A
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English (en)
Inventor
Tamaki Iida
玉樹 飯田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】ダイヤモンド単結晶粒子層を全表面にコーティ
ングした複数の冷却水溝3を有するセラミックス基材製
研削頭部1から成ることを特徴とする歯科用工具、およ
び複数の冷却水溝を有するセラミックス基材の表面に気
相ダイヤモンドコーティング法によりダイヤモンド単結
晶粒子層をコーティングすることを特徴とする歯科用工
具の製造方法。 【効果】本発明によれば従来品と比べて切削・研削性に
優れ、光沢、平滑性を与え、冷却効果が高く、患者の触
感も良い歯科用工具を提供することができる。またドラ
イシステムのみで製造できることから多量生産に適して
おり、経済的効果も高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切削性、冷却性に優れた
歯科用工具およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている歯科用工具はその
一部又は全体が金属製か或は研削部の表面にダイヤモン
ド、カーボランダム等の研削砥粒を接着剤で接着させる
か電着してできている。これらの工具は歯の治療や義歯
作製に使用されるが、その切削・研削性能が良過ぎても
使い勝手が悪く、適度の切削・研削性と研削面に光沢が
出る様な研削性および患者にとって触感の良いことが要
望されている。しかし、従来品で研削しても、砥粒が角
ばっているため切れの良いものは仕上りに光沢・平滑性
がなく、切れの悪いものは長時間使用すると発熱等で患
者にとって触感が良くない等の欠点があり、また、義歯
の加工では義歯の材質が年々変化してきて切味不足のも
のもある等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな欠点を解消した、優れた研削・切削性をもち、優れ
た触感、光沢、平滑を与えることのできる歯科用工具を
提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するために歯科用工具として最適な材質を選
び、冷却水の効率的な使用法として基材に冷却水の通路
を設けることが有効であることを見出し、諸条件を検討
して本発明に到達した。その要旨は、ダイヤモンド単結
晶粒子層を全表面にコーティングした複数の冷却水溝を
有するセラミックス基材製研削頭部から成ることを特徴
とする歯科用工具、および複数の冷却水溝を有するセラ
ミックス基材の表面に気相ダイヤモンドコーティング法
によりダイヤモンド単結晶粒子層をコーティングするこ
とを特徴とする歯科用工具の製造方法にある。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
最大の特徴は歯科用工具の研削頭部を構成するセラミッ
クス基材の表面に冷却水の通路となる複数の溝を設けた
ことであり、図1にその具体例の側面図を示した。
(a)〜(d)は円柱状セラミックス基材に縦型、交差
螺旋型、井桁型、螺旋型の複数の溝を、(e)は逆円錐
台状基材に縦型の複数の溝を設けたものである。これら
の冷却水溝の幅は0.2 〜 0.7mm、好ましくは0.5mm 程度
が良く、深さは 0.1〜0.2mm 、好ましくは0.12mm位が良
い。
【0006】研削頭部を構成するセラミックス基材は、
窒化珪素、炭化珪素および酸化アルミニウム等の硬度の
高いものが良く、これらの微粉末にイットリア、マグネ
シア、硅酸等の焼結助剤を2〜3%配合し、上記複数の
条溝を有する各種研削頭部形状にプレス成形した後、1,
200 〜2,000 ℃で約24時間かけて焼結し、成形体を得
る。
【0007】次いでに気相ダイヤモンド析出法で上記成
形体の表面にダイヤモンド単結晶層を析出させる。ここ
に生成するダイヤモンド単結晶の粒子径は1つで5〜10
μmか、或は1〜3μmの小粒子が凝集した集合体の大
きさが5〜10μmとなる様に調整することで必要ある。
5μmより小さいとすぐに目詰まりし易くなり、10μm
を越えると初期切削性が悪くなる。
【0008】気相ダイヤモンド析出法は一般的にダイヤ
モンド合成法で知られる熱プラズマCVD法、マイクロ波
CVD法等で良く、反応器内にセラミックス製成形体を入
れた後、反応器を10-3Torrまで減圧し、メタンと水素の
混合ガス(CH4=1% H2=99容量%)を入れ10Torrにし
た後、 2.45GHzの高周波を印加して反応器内にプラズマ
を発生させ、ダイヤモンド単結晶層が厚さ5〜10μmと
なる様に時間を調整する。ここに使用される混合ガスは
メタンの他にエタン、プロパン等の炭化水素ガスが例示
される。高周波負荷は成形体の加熱温度が 700〜 900℃
となる様に調整する。また反応中成形体を回転台に載せ
るか或は回転軸に垂直に固定して回転させ析出の均一化
を図るのが良く、その回転数は5〜10回転/分、好まし
くは6〜8回転/分が良い。
【0009】本発明のダイヤモンドコーティングは膜状
でなく単結晶粒子が並んでいるかまたは単結晶粒子が重
なり合った集合体状になっていることが切削・研削性能
上必要である。そのためには気相ダイヤモンド析出法を
実施する前に前処理が必要である。この前処理は本出願
人が先に提案(特願平04-69215号)した方法で行う。即
ち、成形体を20〜60μm好ましくは40μmのダイヤモン
ド粒子をエチルアルコール中に 0.5〜 1.5重量%好まし
くは1重量%に分散した液に入れ、30〜60分間好ましく
は40〜45分間超音波洗浄器で研磨する。次にエチルアル
コール中に6〜20μmの酸化アルミニウムを 0.5〜2重
量%好ましくは1重量%に分散した混合した液に入れ、
30〜60分間好ましくは40〜45分間超音波洗浄器で研磨す
る。これを乾燥させてエチルアルコールを除去した成形
体とした後気相ダイヤモンド析出法を施せば目的の単結
晶粒子層または析出時間をかけると単結晶粒子の集合体
が生成する。この成形体に金属製のシャンクを接合して
歯科用工具を完成する。
【0010】以上の様にして作製した歯科用工具は切削
性に優れると共に、冷却水の流れが良く、切削粉も容易
に排出されるので歯の仕上げ面の平滑性に優れ、光沢の
あるものとなる。また患者にとっては治療中の不快感が
減少し、治療時間も短縮されるメリットがある。さらに
義歯の材質の変化に対しても充分の切削、研削性を有す
るものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施態様を実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 (実施例)平均粒径 0.7μmの窒化珪素粉末96重量%に
焼結助剤として平均粒径2μmの酸化マグネシウム粉末
4重量%を混合し、水で練って成形用型に充填し充分搗
き固めてから型を外して、外径3mmφ、内径1mmφ、長
さ7mmで長さ方向に幅0.5mm、深さ0.12mmの4本の溝を持
つ円筒状研削頭部を作製した。この成形体を電気炉で1,
200 〜 2,000℃に序々に温度を上げて最終的に 2,000
℃、1時間で焼成して徐冷し、1サイクル24時間かけて
焼結した。次いでこの焼結体を気相ダイヤモンド析出法
にかけた。即ち、マイクロ波 CVD法装置の反応器内に入
れ、回転台の上に垂直に立て、反応器内を10-3Torrまで
減圧し、メタン1%、一酸化炭素4%、水素95%の混合
ガスを導入して10Torrにした後、2.45GHz の高周波を印
加し、基材の温度が 800℃となるまで負荷を上昇させ
た。この時の負荷は400Wとなった。15時間経過後電流を
止めて冷却し取り出したところ、成形体表面のダイヤモ
ンド層の厚さは8μmであった。この層をX線回折装置
で成分測定を行った結果、ダイヤモンド単結晶粒子群で
あることを確認した。
【0012】この研削用頭部に芯金(シャンク)を取り
付けて歯科用工具とした。図2に示したように研削用頭
部1の穴に熱硬化性接着剤付き芯金2を挿入して接合す
る。次いでこの歯科用工具を30,000rpm および 300,000
rpm のエアータービン(いずれも (株) ナカニシ製)に
取り付けて切削・研削試験を行った。また実際に歯科医
師および歯科技工士によって患者の治療時の感触や、材
料の異ったものについて切削・研削試験を行ない、その
結果を表1に示した。
【0013】(比較例)従来品として比較例1)中仕上
げ用カーバイド・バー、比較例2)中仕上げ用カーボラ
ンダム・ポイント(いずれも (株) 松風製)を使用して
実施例と同様の切削・研削試験を行ない、その結果を表
1に併記した。
【0014】
【表1】
【0015】試験方法および試験条件は次のようであ
る。 1.被試験材料 金属:バイオエイト(69Co-13Cr-8Ti) 日本歯研工業製 陶歯:アパセラム(Cu10(PO4)(OH)2)旭光学工業製 硬質レジン:ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)住友
化学工業製 2.切削試験及び評価 回転数:30,000rpm、300,000rpm 方式:100gf 荷重による湿式切削 冷却水量:5ml/min 試験装置:小型切削研磨器、エアータービン( (株) ナ
カニシ製) 評価:20分後の切削累積量(mg) 3.研削試験及び評価 回転数:30,000rpm 方式:100gf 荷重による湿式研削 冷却水量:5ml/mi
n. 試験装置:小型切削研磨器( (株) ナカニシ製) 評価:20分後の研削累積量(mg) 4.平滑性 3で研削試験した結果の平滑度=表面粗度Rmax 5.光沢 室温30W 蛍光灯下での目視状況 6.水切れ 注水による切削試験した結果に対する目視状況 7.触感 歯科用工具を熟知している歯科医師及び歯科技工士に試
用してもらった時の患者と医師及び技工士との感じを示
した。異種材料(金属、陶歯、硬質レジン)についても
それぞれの試験内容によって本発明品が他の従来品A、
Bに比べて優れていることが判った。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば従来品と比べて切削・研
削性に優れ、光沢、平滑性を与え、冷却効果が高く、患
者の触感も良い歯科用工具を提供することができる。ま
たドライシステムのみで製造出来ることから多量生産に
適しており、経済的効果も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用工具の各種研削頭部を示す側面
図である。 (a)縦溝型、(b)交差螺旋溝型、(c)井桁溝型、
(d)螺旋溝型、(e)円錐縦溝型。
【図2】本発明の歯科用工具の組立構造を示す側面図で
ある。 (a)研削頭部、(b)シャンク(柄)。
【符号の説明】
1 研削頭部 2 シャンク
(柄) 3 冷却水溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤモンド単結晶粒子層を全表面にコー
    ティングした複数の冷却水溝を有するセラミックス基材
    製研削頭部から成ることを特徴とする歯科用工具。
  2. 【請求項2】ダイヤモンド単結晶粒子層の厚さが5〜10
    μmである請求項1に記載の歯科用工具。
  3. 【請求項3】セラミックス基材が窒化ケイ素、炭化ケイ
    素、酸化アルミニウムである請求項1または2に記載の
    歯科用工具。
  4. 【請求項4】複数の冷却水溝を有するセラミックス基材
    の表面に気相ダイヤモンドコーティング法によりダイヤ
    モンド単結晶粒子層をコーティングすることを特徴とす
    る歯科用工具の製造方法。
JP14626392A 1992-05-13 1992-05-13 歯科用工具およびその製造方法 Pending JPH05309102A (ja)

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Cited By (6)

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