JPH0530734U - 熱線式空気流量計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】空気通路を形成する部材の制約を受けず検出精
度が高く、かつ、軽量で信頼性の高い熱線式空気流量計
を提供する。 【構成】熱線１、及び感温抵抗体２を、絶縁樹脂６にイ
ンサートされた支持ピン８に溶接する。前記絶縁樹脂６
は前記熱線１、及び感温抵抗体２、及び前記絶縁樹脂６
を覆うように、予め電波遮蔽用樹脂７の２段モールドと
共に、形成され、さらに前記電波遮蔽用樹脂７を、グラ
ンド端子に接地している。 【効果】電波遮蔽用樹脂により熱線、感熱抵抗体を覆う
ため、空気通路を形成する部材の制約を受けず、耐電波
障害性を向上し、かつ軽量で信頼性の高い熱線式空気流
量計を得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、熱線式空気流量計に係り、特に内燃機関の吸入空気流量を検出する 熱線式空気流量計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

特開昭59−159020号では、電波遮蔽体を空気通路を構成しているセンサ周辺部 材に設けた構造であった。

【０００３】 特開昭63−229327号では、金属で構成される電波遮蔽体を支持部周辺に設けた 構造であった。

【０００４】 特願平1−46536 号では、支持体成形時成形圧力によるインサート金具の変形 防止を目的とした、２段モールド構造であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術は、前記支持体に、金属により構成された電波遮蔽体を設けた構 造であり、前記電波遮蔽体を構成する材料に金属以外の材料を用いる事について は、考慮していない。また、支持体成形時圧力によるインサート金具変形防止を 目的とした２段モールド構造では、耐電波障害性については、考慮していない。 本考案は、前記熱線及び感熱抵抗体を接続する支持ピンを、絶縁用樹脂と前記 絶縁用樹脂の外周に形成した電波遮蔽用樹脂の２段からなる支持体に一体構造と することにより耐電波障害性向上に加えて、２段モールド一体成形により作業性 を向上させた熱線式空気流量計を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、前記熱線、及び感熱抵抗体を接続する支持ピンを、絶縁性樹脂と 、前記絶縁用樹脂外周に形成した電波遮蔽用樹脂の２段構造とすることにより達 成される。

【０００７】

【作用】

前記熱線及び感温抵抗体を接続する支持ピンを、絶縁用樹脂と前記絶縁用樹脂 の外周に形成した電波遮蔽用樹脂の２段構造からなる支持体に、一体構成し、か つ空気流量計のグランド端子に接地させることで、電波が、前記熱線、及び感熱 抵抗体に及ぼす影響を、遮断できる。これによって、空気通路を形成する部材の 制約を受けずに耐電波障害性を向上させることができる。

【０００８】 また前記支持体の構造を採用することにより、電波遮蔽用樹脂を樹脂モールド により成形できるので、作業性が向上する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図１〜図３により説明する。

【００１０】 図１は、空気流量を測定する熱線式流量計の断面図を示す。

【００１１】 アルミナボビンに白金線を巻き、表面をガラス材によってコーティングした熱 線１を、絶縁樹脂モールドによる絶縁樹脂６にインサートされた支持ピン８に溶 接する。なお、吸入空気温度を検出する感温抵抗体２も、前記熱線１と同一構造 である。ここで前記絶縁樹脂６部は前記熱線１，感温抵抗体２、及び絶縁樹脂６ を覆うような構造の電波遮蔽用樹脂７と共に形成され、前記電波遮蔽用樹脂７を 接地したものとする。また前記遮蔽用樹脂に鍍金可能な触媒入樹脂を採用し、更 にその外周に金属鍍金１１を施こしこれを接地したものによっても、同様の効果 が期待できる。

【００１２】 このような構造の熱線１、感温抵抗体２が溶接された熱線式空気流量計は、空 気通路を形成するボディに装着される。空気通路内に設置された熱線１に、一定 温度に加熱するための電流が印加される。前記熱線１の加熱温度を、吸入空気５ 量に関係なく、吸入空気５温度に対し一定温度に保つために、感熱抵抗体２で、 吸入空気５温度を測定している。従って、高流量が空気通路内を流れた時は、熱 線１に多い電流を、低流量が流れた時は、少ない電流を流して、一定温度に保つ 動作をする。熱線１を流れる電流と空気流量間には、単調増加の関係があり、熱 線１を流れる電流を測定することにより流量を検出するものである。

【００１３】 本考案により、熱線１が、電気的にシールドされ、空気通路を形成する部材の 制約を受けることなく、耐電波障害特性が大幅に向上する。さらに、２段モール ド一体成形により、作業性を向上させることができる効果がある。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、導電性樹脂で、前記熱線，感温抵抗体、及び支持部を覆うこ とにより、空気通路を形成する部材の制約を受けずに、耐電波障害特性を向上さ せ、かつ２段モールド一体成形により作業性を向上させた熱線式流量計を提供す る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である熱線式空気流量計の断
面図である。

【図２】本考案の一実施例を採用したモジュールの断面
図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１…熱線、２…感熱抵抗体、３…モールドケース、４…
金属ベース、５…吸入空気、６…絶縁樹脂、７…電波遮
蔽用樹脂、８…支持ピン、９…吸入空気通路、１０…ボ
ディ、１１…鍍金。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鬼川 博 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地 ３ 日立オートモテイブエンジニアリング 株式会社内 (72)考案者 武田 基幸 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地 ３ 日立オートモテイブエンジニアリング 株式会社内

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】空気通路を構成するボディと、該空気通路
   内に設置した熱線、及び感熱抵抗体、さらに前記熱線、
   感熱抵抗体の信号により空気流量に対応した出力電圧を
   発生するモジュールから構成される熱線式空気流量計に
   おいて、前記熱線及び感熱抵抗体を接続する支持ピンを
   絶縁性樹脂と、前記絶縁用樹脂外周に形成した電波遮蔽
   用樹脂の２段構造から成る支持体に一体構成したことを
   特徴とした熱線式空気流量計。
2. 【請求項２】前記遮蔽用樹脂を、導電性樹脂により構成
   したことを特徴とした請求項１記載の熱線式空気流量
   計。
3. 【請求項３】前記遮蔽用樹脂を、鍍金可能な触媒入り樹
   脂とし、更にその外周に金属鍍金を施こしたことを特徴
   とした請求項１記載の熱線式空気流量計。
4. 【請求項４】前記遮蔽用樹脂は、前記モジュールのグラ
   ンド端子に接続したことを特徴とした請求項１記載の熱
   線式空気流量計。