JPH05307114A - 光ファイバー用ストリッパー - Google Patents

光ファイバー用ストリッパー

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Publication number
JPH05307114A
JPH05307114A JP11139192A JP11139192A JPH05307114A JP H05307114 A JPH05307114 A JP H05307114A JP 11139192 A JP11139192 A JP 11139192A JP 11139192 A JP11139192 A JP 11139192A JP H05307114 A JPH05307114 A JP H05307114A
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JP
Japan
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optical fiber
protective coating
coating layer
block
blade
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Application number
JP11139192A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Nagata
裕俊 永田
Nobuhide Miyamoto
信英 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湾曲した光ファイバーを真直に伸ばした状態
に保持して、その保護被覆層を正確に再現性よく、つま
り高信頼度で切断し引き抜くことが可能な光ファイバー
用ストリッパーを提供する。 【構成】 互に嵌合される凹および凸ブロック対を、保
護被覆層を切断するための刃体に近接させて配置し、凹
ブロックは、光ファイバーを確実に保持する案内溝を有
し、凸ブロックは、前記案内溝に嵌合し、両ブロックに
よりはさまれた光ファイバーを強制的に直線状に保持す
るための案内突起体とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバー用ストリッ
パーに関するものである。更に詳しく述べるならば、本
発明は、単一芯線部と、それを被覆する保護被覆層とか
らなる光ファイバーの端末部から、芯線部に損傷を与え
ることなくその保護被覆層を切断し引き抜くための、光
ファイバー用ストリッパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ファイバー用ストリッパーは、
互に重ね合わされる上下ブロック対からなり、各ブロッ
クに、光ファイバーの端末部分を保持する簡単な案内溝
と、保護被覆層を切断するための刃体とを有するもので
あって、上下ブロックの互に対向している刃体により保
護被覆層を切断し、この切れ目から保護被覆層を引き抜
くことができる。
【0003】上記のような構成を有する従来の光ファイ
バー用ストリッパーは、一面においては操作が簡単であ
るという利点を有しているが、他面では、下記のような
欠点を有している。すなわち、光ファイバーは、一般に
リールに巻き取られた状態で保管されているため、所謂
「曲がりぐせ」がついており、このように湾曲した光フ
ァイバーを従来の光ファイバー用ストリッパーにより、
高精度をもって処理することが難しかった。換言すれ
ば、従来のストリッパーの案内溝中に湾曲した光ファイ
バーを正確に再現よくセットすることが困難であった。
【0004】このように案内溝に正確にセットされてい
ない光ファイバーの保護被覆層を刃体により切断しよう
とすると、保護被覆層は強引に変形されつゝ刃体の溝状
刃部(これは、刃部と芯線との直接接触を避けるために
設けられたものである)にねじ込まれることになり、は
なはだしい場合には保護被覆層が刃体の刃溝に正確に適
合せず、前記溝状刃部を変形させながらあるいは、芯線
を傷つけながら保護被覆層が切断されるということが発
生する。
【0005】上述のように、従来の光ファイバー用スト
リッパーにおいては、光ファイバーの、保護被覆層を除
去すべき部分を、直線状に真直に伸びた状態に正確に再
現よく保持することが困難であるため、保護被覆層を、
刃体による切れ目から引き抜くときに、芯線部に付加さ
れる力も処理ごとに変動し、このため芯線部に処理品ご
とに異なる歪の発生をもたらし、或は芯線部を損傷する
ことがあり、このため製品の歩留りが低下し、製品の品
質の変動が大きくなるなどの問題を生ずる。
【0006】また、保護被覆層を切断し、これを、芯線
部から引き抜くときに、芯線部に損傷を与えることを防
止するために、刃体の刃部は、芯線部(ガラス)よりも
軟かな材料によって形成されていることが多い。このた
め、光ファイバーが正確にストリッパーに装着されず、
従って刃体の刃部が、正確に保護被覆層に適用されない
場合、芯線部と、刃部とが接触して、芯線部により刃部
が損傷し、保護被覆層除去作業の継続が、不可能になっ
たり、或は、保護被覆層の切断が不完全になり、このた
めその引き抜きに要する力が異常に増大するなどの問題
を生じ、工程管理および品質管理を著しく困難にする。
【0007】このため、最近光通信材料として重要性が
高まっている光ファイバーの加工において、ストリッパ
ーの性能、および信頼性を一層高めることが強く望まれ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光通信は、公衆通信手
段としてその重要性が急速に高まっているが、その主要
部品である光ファイバーの品質について、高均一性およ
び、高信頼性が要求される。従って、光ファイバーの加
工に用いられるストリッパーについても、高い加工信頼
性が要求される。本発明は、光ファイバーを正確に直線
状に真直に伸びた状態に強制的に保持し、その保護被覆
層を正確にかつ再現性よく切断し引き抜くことが可能で
あって、光ファイバーの芯線部を損傷することがなく、
また、この芯線部によって、刃部が損傷されることもな
い光ファイバー用ストリッパーを提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
対の組み合わされた光ファイバー案内兼保持用ブロック
を有する光ファイバー用ストリッパーにおいて、一方の
ブロックに、真直な深い案内溝を設け、他方のブロック
に、この案内溝に嵌合し、案内溝の底部に、光ファイバ
ーを直線状に伸びた状態で、保持することのできる案内
突起体を設けることによって、上記課題の解決に成功し
たものである。
【0010】すなわち、本発明の光ファイバー用ストリ
ッパーは、単一のファイバー芯線部と、それを被覆して
いる一層以上の保護被覆層とからなる光ファイバーの端
末部加工において、前記保護被覆層を切断し、引き抜く
装置であって前記光ファイバー端末部を、その芯線部が
保護被覆層を切断するための刃体に正確に位置するよ
う、精密に再現性よく保持するための、少なくとも一対
の互に嵌合できる凹ブロックおよび凸ブロックとを有
し、前記凹ブロックは、前記光ファイバーの端末部分を
収容できる真直に伸びた案内溝と、前記保護被覆層の一
部を切断するための、前記案内溝の底部から前記案内溝
中に出ている第1刃体とを有し、前記凸ブロックは、前
記凹ブロックの案内溝に嵌合し、前記直線状光ファイバ
ー端末部分を、直線状に伸ばした状態で前記案内溝の底
部に保持する案内突起部と、前記保護被覆層の残部を切
断するための、前記案内突起部の先端から、前記案内溝
中に、前記第1刃体に対向して出ている第2刃体とを有
することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の光ファイバー用ストリッパーの構造の
特徴を明らかにするために、先ず従来のストリッパーの
一例の構成を図1により説明する。
【0012】図1に従来の光ファイバー用ストリッパー
の下ブロックが図示されており、この下ブロックと対称
構造を有する上ブロックと組み合わされてストリッパー
を構成する。
【0013】図1において、下ブロック1には、3個の
支持板2,3、および4が互に平行に配置されており、
それぞれに、比較的浅い保持溝5が形成され、この溝5
中に光ファイバー6を保持するようになっている。光フ
ァイバー6は、芯線部7と保護被覆層8とにより構成さ
れるものである。すなわち、光ファイバー6は、3枚の
支持板2〜4の保持溝により、3点において保持されて
いるが支持板2および3の間、および支持板3および4
の間では、支持されていない。
【0014】また、図2に示されているように、各支持
板2〜4の各々においても、光ファイバー6の周面は、
その一部分のみが、上ブロックの支持板4aの保持溝5
aと、下ブロックの支持板4の保持溝5の内面に接して
いる。
【0015】図1において、刃体9が、支持板3および
4の間に配置されており、刃体9の刃部10は、光ファ
イバー6の芯線部7の周面に適合するように半円形の溝
部を形成し、この溝状刃部10により保護被覆層の下半
部を切断する。図示されていないが、上ブロックには、
下ブロックの刃体9に対向する刃体が配置されており、
この刃体の凹形刃部により、保護被覆層の上半部を切断
することができる。
【0016】図2に示されているように、上ブロックと
下ブロックを組み合わせて光ファイバーの保護被覆層を
切断し、この切れ目から、保護被覆層を引き抜くことが
できる。しかし前述のように、上記従来のストリッパー
においては、湾曲している光ファイバーを直線状に伸ば
された状態に十分に保持することができず、光ファイバ
ーは支持板の間でしばしば湾曲するという欠点がある。
【0017】本発明の光ファイバー用ストリッパーは上
記欠点を克服することができる。本発明の光ファイバー
用ストリッパーは、図3に示されているように、互に嵌
合される凸ブロック11と凹ブロック12とを有するも
のである。図3に示された凸ブロック11および凹ブロ
ック12においては、それぞれそれに配置されている刃
体の記載が省略されている。
【0018】図3において、凹ブロック12には、真直
な、比較的深い案内溝13が形成されており、その底部
に光ファイバー6が直線状に伸びた状態で収容されるよ
うになっている。また、凸ブロック11は、基板部14
と、この基板部から伸び出し、凹ブロック12の案内溝
13に嵌合する案内突起部15を有している。図3にお
いて、凹ブロック12の案内溝13の底面16は、それ
に収容される光ファイバー6の周面に適合した半円形断
面を有する凹面を形成しており、また、凸ブロック11
の案内突起部15の先端面17も、光ファイバー6の周
面に適合した半円形断面を有する凹面を形成しており、
この案内溝13に案内突起部13を挿入したとき、案内
溝13の凹形底面と、案内突起部13の凹形先端面とに
より光学ファイバー6の全周面をぴったりと押え、これ
を直線状に保持し得る構造となっている。光ファイバー
6を直線状に保持する目的のためには、案内溝13の底
面16、および案内突起部15の先端面17は、平面
状、あるいはV溝状であってもよい。
【0019】凹ブロック12に形成される案内溝の幅W
は、それに収容される光学ファイバーの外径Dにほゞ等
しいものであって、光ファイバーの脱着を円滑に行なう
には、例えばD=0.9mmの場合、W=D+0.05mm
程度の関係にあることが好ましい。勿論凸ブロック11
の案内突起部15の幅(厚さ)は、案内突起部15が案
内溝13内に挿入可能な限り案内溝13の幅Wにほゞ等
しいことが好ましい。案内溝の深さについては、案内溝
13に、案内突起部15が挿入されたとき、その嵌合が
安定している限り格別の限定はないが、一般に案内溝1
3の幅(W)の0.8〜2.5倍程度であることが好ま
しく、より好ましくは0.85〜0.95倍程度であ
る。
【0020】図4は、本発明のストリッパーの凸ブロッ
ク11および凹ブロック12を上下に分離したときの側
面図である。図4において、凹ブロック12には、間隙
部18が形成されており、この間隙部18に、光ファイ
バー6の保護被覆層8を切断するための第1刃体19が
案内溝中に伸び出るように取りつけられている。この第
1刃体19の先端の刃部は、図1あるいは図6に示され
ているように、光ファイバー6の芯線部の周面に適合
し、保護被覆層8の下半部を切断し得る半円形の溝状刃
部をなしている。
【0021】また、凸ブロック11の案内突起部15に
も前記凹ブロック12の間隙部18に対応する位置に間
隙部20が形成されており、この間隙部20に、前記第
1刃体19に対向する第2刃体21が取りつけられてい
る。凸ブロック11と、凹ブロック12とを嵌合したと
き、第2刃体21は、案内溝中に伸び出て、光学ファイ
バー6の保護被覆層8の上半部を切断することができ
る。
【0022】図4のストリッパーにおいては、凹ブロッ
ク12および凸ブロック11の各々に、刃体19,21
を、取りつけるための間隙部18,20が形成されてい
るが、このような間隙部を形成することなく、各刃体が
それぞれ凹部ブロックの底部および凸ブロックの基板部
14から伸び出るように取りつけられていてもよい。
【0023】図3および4に示された本発明のストリッ
パーにおいて、例えばそれに適用される光ファイバーが
0.9mmの外径を有する場合、凹ブロックおよび凸ブロ
ックの長さは保護被覆を除去する長さ以上であることが
好ましく、案内溝の幅Wは、0.9mm+0.05mm≧W
≧0.9mmを満足するものであり、案内溝の深さは、2
mm以上であることが好ましい。一般に外径0.9mmの光
ファイバーの端部から20mmでは、その曲がりぐせによ
り、その一端は、他端に対し約2mmの「ハネ」を示す
が、これを本発明のストリッパーに装着すると、この
「ハネ」を完全に解消し、光ファイバーを直線状に保持
することができる。
【0024】本発明のストリッパーにおいて、互に対向
する第1および第2刃体は、それぞれ、凹ブロック、お
よび凸ブロックの中途部に配置されている。換言すれ
ば、刃体の前後において光ファイバーを直線状に保持す
ることができる。従って、刃体の先端の刃部は、正確に
光ファイバーの保護被覆層を切断し、芯線部に歪を生じ
たり、又はこれを損傷したりすることがなく、また、刃
部が芯線部によって損傷されることもない。
【0025】本発明のストリッパーにおいて、図5に示
されているように、凹ブロック12の案内溝13の底面
と、凸ブロック11の案内突起部15の先端面とに、そ
れぞれ弾性材料、例えばゴムからなる弾性ストッパー2
2、および23が取りつけられ、弾性ストッパー面が形
成されていてもよい。このようにすると、光ファイバー
が弾性ストッパーにより保持されるから、この保持面に
おいて、光ファイバーを押え込むことなく、かつ切断さ
れた保護被覆を引き抜く際の滑りどめとなる。
【0026】図6には、本発明のストリッパーに用いら
れる刃体の一例が示されている。図6において刃体19
の先端部分には刃部24が形成され、刃部24の先端
は、光ファイバーの保護被覆層の半部を切断し、しかし
芯線部を損傷しないように、芯線部の周面に適合した半
円形状の凹部25を形成している。刃部24の両側に
は、ストッパー部26が形成されている。第1および第
2刃体が、対向して前進し光ファイバーの保護被覆層を
切断したとき、これらの刃体のストッパーの先端が、互
に接触して、刃部による芯線部の損傷、又は芯線部によ
る刃部の損傷を防止することができる。
【0027】本発明のストリッパーにおいて、保護被覆
層の切断をより正確に行なうために、光ファイバーを凹
凸ブロック対で直線状に保持した後に切断できるよう各
刃体は、光ファイバーの保護被覆層の切断位置まで前進
し、かつ後退することが可能に装着されていることが好
ましい。図7において、凸ブロック11および凹ブロッ
ク12により、光ファイバー6が直線状に保持されたと
き、第1刃体19および第2刃体21は、それぞれの刃
部先端が、光ファイバーの保護被覆層を切断しない位置
にあるように後退している。
【0028】上記のように光ファイバーの保持が完了し
た後に図8に示されているように、第1および第2刃体
19,21を光ファイバーに向って対称に前進させて、
それぞれの刃部により保護被覆層8を切断する。このと
き、刃体19および21の、図6に示されているような
ストッパー部が、互に接触し、刃部および芯線部7の損
傷を防止することができる。
【0029】第1および第2刃体の前進後退機構には格
別の限定はなく、例えば凹ブロックおよび凸ブロックの
各々に、設けられた刃体取りつけ用間隙部に沿って、移
動し得るものであってもよく、或は各刃体をねじ構造に
連結して、このねじを回転して、刃体を移動させるよう
にしたものであってもよい。
【0030】本発明のストリッパーにおいて、凹ブロッ
クおよび凸ブロックの嵌合体(ブロック対)が前記案内
溝および案内突起体の長さ方向に関して、前部分および
後部分に2分されていてもよい。この場合、少なくとも
一方の、例えばこの前部嵌合体が基台に設けられた移動
ガイド上を、保持されている光ファイバーの軸方向に沿
って前進後退自在に配置され、前記後部嵌合体は、例え
ば基台上に固定されており、前記前部および後部嵌合体
のいづれか一方に、第1および第2刃体が取りつけられ
ていることが好ましい。このようなストリッパーにおい
ては、前部および後部嵌合体により、光ファイバーの端
末部を保持し、この光ファイバーの端末部の保護被覆層
を、第1および第2刃体により切断し、その後、前部嵌
合体を、移動ガイドに沿って、後部嵌合体から遠ざかる
方向に移動すれば、切断された保護被覆層の端末部を直
線状に保持した光ファイバーに沿って正確に再現よく引
き抜くことができる。
【0031】図9において、凹ブロックおよび凸ブロッ
ク嵌合体は、前部嵌合体27および後部嵌合体28に2
分されていて、対向している刃体19および21は、前
部又は後部嵌合体27又は28(図9の場合は、前部嵌
合体27)に取りつけられている。後部嵌合体28は、
基台29の一端に固定されており、この基台29には移
動ガイド30が設けられていて、前部嵌合体27は、こ
の移動ガイド30に沿って、前進後退することができ
る。
【0032】一般に、光ファイバーが、ストリッパーに
正確に保持されていない状態で光ファイバーの保護被覆
層を引き抜く場合、この引き抜きに要する力が異常に大
きくなる。例えば、ストリッパーに正しく保持されてい
る、外径0.9mmの光ファイバーの端末部分において、
長さ15mmの保護被覆層を切断し引き抜くときに要する
引き抜き力は、900±100gf程度であるが、光ファ
イバーが正しく保持されていない場合は、所要引き抜き
力が著しく増大し、1200gfに達することもある。
【0033】上記のような引き抜き力が異常に大きくな
るということは、光ファイバーが、正しく真直に保持さ
れていないことを意味する。従って、本発明のストリッ
パーは、上記引き抜き力を検知し、それが異常に高い値
である場合、すなわち所定のしきい値を越えた場合、所
定の警報を発するようになっていることが好ましい。こ
のような引き抜き力検知手段としてはロードセル、又は
所定バネ定数を有するスプリングなどを用いることがで
きる。
【0034】本発明のストリッパーにおいて、光ファイ
バーの保護被覆層を切断した後、それを一定の力で引き
抜くようにしてもよい。例えば、この引き抜きを所定バ
ネ定数に調整されたスプリングを利用して行うように
し、所要引き抜き力が、上記スプリングの引き抜き力よ
り大きくなった場合、自動的に上記引き抜き操作が実施
されないようにしてもよい。このようにすれば、光ファ
イバーの保持状態に異常にあるかどうかを容易にチェッ
クすることが可能になる。
【0035】
【実施例】本発明のストリッパーを下記実施例により更
に説明する。
【0036】実施例1 図3,4,5、および6図に示されている構造を有する
ストリッパーを作成した。使用する光ファイバーの外径
は0.9mmであり芯線部の直径は0.125mmであっ
た。凹ブロックの案内溝の寸法は、長さ30mm、幅0.
95mm、深さ5mmであり、凸ブロックの案内突起体の寸
法は、長さ20mm、幅(厚さ)0.9mm、高さ(溝の深
さに対応)4mmであった。
【0037】第1および第2刃体の刃部先端には、それ
ぞれ直径0.15mmの半円形溝部が形成され、芯線部の
周面に適合するようにした。この刃体の刃部先端の位置
は、凹および凸ブロックの1端(光ファイバーの末端
側)から10mmであった。上記凹ブロックの案内溝に湾
曲した光ファイバーを直線状に伸ばして収容し、これを
凸ブロックの案内突起部により押えて、光ファイバーを
直線状に保持し、これに第1および第2刃体の刃部を押
し当てたところ、保護被覆層を正確に切断した。この切
断した保護被覆層は、容易に引き抜くことができた。
【0038】実施例2 図9に示された構成を有するストリッパーを作成した。
前部嵌合体の長さは30mmであり、後部(固定)嵌合体
の長さは30mmであって、前部嵌合体の、後面に近い位
置に刃体を配置した。前部および後部嵌合体を接近させ
た状態で、湾曲した光ファイバーを、真直に伸ばして、
案内溝内に収容し、これを案内突起体で押えて保持し、
刃部を押し当てゝ光ファイバーの保護被覆層を正確に切
断した。次に、前部嵌合体を図9における矢印の方向に
移動したところ、容易に保護被覆層を引き抜くことがで
きた。
【0039】
【発明の効果】本発明のストリッパーは、湾曲した光フ
ァイバーを、直線状に伸ばした状態に保持したまゝ、そ
の保護被覆層を正確に切断し、それを引き抜くことを容
易になし得るものであって、光ファイバーの芯線部、お
よび刃体の刃部とが、互に他を損傷することがなく、ま
た作業者の技能、熟練度等にも依存することなく高い信
頼性をもって、保護被覆層の切断引き抜き操作をなすこ
とを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の光ファイバー用ストリッパーの一例の
下ブロックの構成および光ファイバー保持状態を示す斜
視説明図である。
【図2】 図1に示された従来の光ファイバー用ストリ
ッパーの上下ブロックを組み合わせ、その間に光ファイ
バーを保持した状態を示す正面説明図。
【図3】 本発明の光ファイバー用ストリッパーの1例
における凹および凸ブロックの構成を示す斜視説明図。
【図4】 本発明の光ファイバー用ストリッパーの1例
の構成を示す側面説明図。
【図5】 本発明の光ファイバー用ストリッパーに用い
られる凹ブロックの案内溝底面、および凸ブロックの案
内突起体先端に弾性ストッパーを配置した場合の正面説
明図。
【図6】 本発明の光ファイバー用ストリッパーに用い
られる刃体の構成の一例を示す斜視説明図。
【図7】 本発明の光ファイバー用ストリッパーにおい
て、保護被覆層切断前の刃体の位置の一例を示す正面説
明図。
【図8】 図7のストリッパーにおいて、保護被覆層を
切断するときの刃体の移動位置を示す正面説明図。
【図9】 本発明の光ファイバー用ストリッパーの他の
例の構成を示す斜視説明図。
【符号の説明】 1…従来のストリッパーの下ブロック 2,3,4…下ブロックの支持板 4a…上ブロックの支持板 5…下ブロックの保持溝 5a…上ブロックの保持溝 6…光ファイバー 7…芯線部 8…保護被覆層 9…刃体 10…溝状刃部 11…凸ブロック 12…凹ブロック 13…案内溝 14…基板部 15…案内突起部 16…案内溝の底面 17…案内突起部の先端面 18,20…間隙部 19,21…刃体 22,23…弾性ストッパー 24…刃部 25…半円形凹部 26…ストッパー部 27…前部嵌合体 28…後部嵌合体 29…基台 30…移動ガイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一のファイバー芯線部と、それを被覆
    している一層以上の保護被覆層とからなる光ファイバー
    の端末部加工において、前記保護被覆層を切断し引き抜
    く装置であって、前記光ファイバー端末部を、その芯線
    部が、保護被覆層を切断するための刃体に正確に位置す
    るよう、精密に再現性よく保持するための、少なくとも
    一対の互に嵌合できる凹ブロックと凸ブロックとを有
    し、 前記凹ブロックは、前記光ファイバーの端末部分を、収
    容できる真直に伸びた案内溝と、前記保護被覆層の一部
    を切断するための、前記案内溝の底部から前記案内溝中
    に出ている第1刃体とを有し、 前記凸ブロックは、前記凹ブロックの案内溝に嵌合し、
    前記直線状光ファイバー端末部分を、直線上に伸ばした
    状態で前記案内溝の底部に保持するための案内突起部
    と、前記保護被覆層の残部を切断するための、前記案内
    突起部の先端から前記案内溝中に、前記第1刃体に対向
    して出ている第2刃体とを有する、ことを特徴とする、
    光ファイバー用ストリッパー。
  2. 【請求項2】 前記刃体対により切断された、前記保護
    被覆層を直線的に引き抜く際のすべり止めとして前記凹
    ブロックの案内溝の底面と、前記凸ブロックの案内突起
    部の先端面とに、弾性材料からなる弾性ストッパーが取
    りつけられている、請求項1に記載の光ファイバー用ス
    トリッパー。
  3. 【請求項3】 前記凹ブロックの第1刃体と、前記凸ブ
    ロックの第2刃体とが、それぞれ、光ファイバーの保護
    被覆層の切断位置に前進、後退することが可能な構造を
    もって装着されている、請求項1に記載の光ファイバー
    用ストリッパー。
  4. 【請求項4】 前記凹、凸ブロック対が、保持する光フ
    ァイバーの軸方向に関して、刃体を備えた部分および刃
    体を持たない部分に2分されており、その少なくとも一
    方のブロック対部分が、両ブロック対を保持する基台に
    設けられた移動ガイド上を、光ファイバーの軸方向に沿
    って前進後退自在に配置され、両ブロック対により強制
    的に直線状に保持された光ファイバー端末部の保護被覆
    層を、一方のブロック対部分に装備された刃体により切
    断した後、前記前進後退自在なブロック対部分を前記移
    動ガイドに沿って他方のブロック対部分から遠ざかる方
    向に移動し、切断された保護被覆層を直線的に引き抜く
    ことができる、請求項1に記載の光ファイバー用ストリ
    ッパー。
  5. 【請求項5】 前記保護被覆層を引き抜く力を検知する
    装置を更に有している、請求項4に記載の光ファイバー
    用ストリッパー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345578A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Moritex Corp 撮像装置
JP2015036740A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 株式会社長田中央研究所 保護チューブ切断治具
CN106646741A (zh) * 2015-08-07 2017-05-10 泰科电子(上海)有限公司 光纤剥离设备

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