JPH05306U - 電力管石綿被覆部の回転切削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電力管内の石綿被覆部を、管内に於ける管軸方
向への移動につれ、一方の端面から他方の端面に向け漸
次的に切削除去可能な回転切削装置を提供する。 【構成並びに効果】電力管の貫通孔内の管軸方向に移動
可能な回転型カッター部と、該カッター部に遠隔操作的
に回転を与えるための回転付与機構と、同カッター部に
遠隔操作的に推進力を与える衝撃式推進機構とを備え、
上記カッター部の推進方向前端に、上記貫通孔の内周壁
面を被覆している石綿被覆部を、後端面から前方に向け
切削するための切削刃を設けることにより、管内に於け
る管軸方向への移動で、石綿被覆部を一方の端面から他
方の端面に向け漸進的に切削除去して行くことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は電力管石綿被覆部の回転切削装置に関する。

【従来の技術とその問題点】

地下に埋設された既設の電力管の多くはコンクリート製であって、図１に示す ようにケーブル挿通用の貫通孔ａの内周壁面ｂは、石綿セメント管からなる石綿 被覆部ｃで被覆されている。近時電力容量アップにより貫通孔ａの内部スペース が手狭になり、その対応策の一つとして貫通孔ａ内より石綿被覆部ｃを取り除き 、該孔ａの有効径を拡大することが試案されている。石綿被覆部ｃを取り除く一 つの方策として、既設埋設管の錆こぶなどの除去に適用されている公知の回転式 切削装置を適用することが考えられるが、上記石綿被覆部ｃは石綿セメント管か ら構成されているために表面が実質的に平滑でしかも表面硬度もかなりあり、管 内からの切削刃の回転では、刃がかりがよくなく、適用が困難であった。 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。

【問題点を解決するための手段】

本考案は、電力管の貫通孔内の管軸方向に移動可能な回転型カッター部と、該 カッター部に遠隔操作的に回転を与えるための回転付与機構と、同カッター部に 遠隔操作的に推進力を与える衝撃式推進機構とを具備し、上記カッター部の推進 方向前端に、上記貫通孔の内周壁面を被覆している石綿被覆部を、後端面から前 方に向け切削するための切削刃が設けられていることを特徴とする電力管石綿被 覆部の回転切削装置に係る。

【実施例】

以下に本考案の一実施例を添付図面にもとづき説明すると、次の通りである。 図１は本考案装置の全体図並びに電力管石綿被覆部ｃの切削除去状況を概略的 に示している。 図１から明らかなように、カッター部１は筒型で前端側の外径は石綿被覆部ｃ の外径ひいては該被覆部ｃを除く貫通孔ａの内径に略々等しく、これより後方側 は管内の通過性をよくするために後方側に向け漸進的に外径を減じている。 上記カッター部１は回転切削型であって前端に、上記石綿被覆部ｃを後端面か ら前方に向け回転切削するための切削刃２が形成されている。切削刃２として鋸 刃状のものが図示されているが、その形状は種々変更できる。 上記カッター部１に遠隔操作的に回転を与えるために、前端側の作業ピットｄ 内に回転付与機構３が設置される。 回転付与機構３は回転軸４を介し上記カッター部１に回転を与える駆動装置５ を有し、該装置５はベース６のリーダー６ａ上を往復移動可能な移動台７上に設 置されている。 回転軸４は短軸４ａの継手構造を有し、後端側はカッター部１の後端側を閉塞 している端板１ａの中心に固設され、前端側は、上記移動台７上に設置されたチ ャック部８にチャックされ、このチャック状態のもとに上記駆動装置５の作動を して回転を受けるようになっている。 上記カッター部１に遠隔操作的に推進力を与えるために、第１衝撃式推進機構 ９が上記移動台７上に設置され、該機構９の作動をして、移動台７及び回転軸４ を介しカッター部１に推進力が与えられる。上記機構９そのものは、パーカッシ ヨンドリルなどに於て既に周知されている。 第２衝撃式推進機構１０が、上記カッター部１の後端側に一体に連設される。 この機構１０は圧縮空気作動式で商標名グルンドラムのもとに既に市販されてい る。この作動原理を第２図にもとづく説明すると、地上からホース１０ａ及びス イベル１０ｂを介し本体１０ｃ内に供給された圧縮空気の力で本体ｃ内のピスト ン１０ｄを本体ヘッド部１０ｅに当て、この衝撃力をカッター部１に与え、推進 させるような構成になっている。 第１及び第２衝撃式推進機構９，１０は必ずしも併用する必要はなく、場合に よってはいずれか一方を省略してもよい。 カッター部１の近傍の回転軸４上にセンタガイド装置１１が軸４の回転からフ リーに備えられる。 上記装置１１は図３に詳細を示すように筒状の本体部１１ａに於て軸４にフリ ーに嵌挿され、両端部の軸受部１１ｂ、１１ｂは滑り性のよい金属又はプラスチ ックから構成されている。本体部１１ａの外周部からはガイド部１１ｃが放射状 に張出され、各ガイド部１１ｃの基端側は、本体部１１ａに嵌装された筒状のゴ ムクッション１１ｄに支持固定されている。上記クッション１１ｄの内側にはク ッション性向上を目的として環状空所１１ｅが形成されている。ガイド部１１ｃ の先端側には、ソリ状のシユー１１ｆが設けられ、該シユー１１ｆに於て管内面 にクッション１１ｄの保有弾性に抗し圧着されている。上記装置IIの管軸方向へ の移動は軸４に固着されたカラー１２，１２により防止される。 第１図に示す状態で駆動装置５の作動をして回転軸４を介しカッター部１に回 転を与えながら、推進機構９，１０の作動をしてカッター部１に推進力を与える と、カッター部１はその前端の切削刃２で石綿被覆部ｃを後端面から切削しつつ 管内を前方に向け移動して行き、同時に、該カッター部１と軸４を介し連結され ている移動台７もベース６のリーダー６ａに沿い往動方向に移動して行く。 カッター部１に対する回転と推進力の付与は、図４に示すように移動台７がリ ーダー６ａの終端側に至った時点で停止され、この停止状態で、最前端の短軸４ ａの取り外し、移動台７の始端側への復帰及び復帰された移動台７への軸４前端 部の取付けが順次行なわれ、図１の状態に戻り、駆動装置５及び第１及び第２衝 撃式推進機構９，１０の作動で再びカッター部１による石綿被覆部ｃの切削が開 始される。 このような操作の繰返しで、カッター部１により、石綿被覆部ｃを後端面から 前方に向け切削して行くことができる。 カッター部１による石綿被覆部ｃの切削除去により切削屑が発生するが、切削 屑は、例えば図示のようにカッター部１の胴部に排出口１３を設けることにより 、該口１３を通じ、カッター部１より後方側の貫通孔ａ内に向け排出することが できる。 貫通孔ａには、施工現場によっては６ＭＲ程度の極くゆるい曲がり部が形成さ れている場合がある。このような曲がり部に対処するために、軸４を構成してい る短軸４ａの継手部４ａ₁ をユニバーサルジヨイントから構成することができる 。 短軸４ａの長さは、上記移動台７の移動巾と略々等しく、継手部４ａ₁ は移動 台７のチヤック部８への取付けを考慮し、適宜短軸４ａの軸端から取り外し得る ようになっている。

【考案の効果】

本考案装置によれば、カッター部に与えられる回転と推進力とで、石綿被覆部 を後端面から前方に向け順次削り取って行くことができるので、上記被覆部が内 周面平滑で且つかなりの表面硬度を有しているに拘わらず、これを安定確実に切 削除去することができ、電力管貫通孔の有効径拡大に適用して有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例並びにその管内設置状況を概
略的に示す全体図である。

【図２】図１のカッター部並びにその付近の一部縦断拡
大図である。

【図３】センタガイド装置の拡大断面図である。

【図４】移動台の移動終端位置の状況を示す拡大図であ
る。

【符号の説明】

１ カッター部 ２ 切削刃 ３ 回転付与機構 ４ 回転軸 ５ 駆動装置 ７ 移動台 ８ チヤツク ９ 衝撃式推進機構 １０ 〃 １１ センタガイド装置

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】電力管の貫通孔内の管軸方向に移動可能な
   回転型カッター部と、該カッター部に遠隔操作的に回転
   を与えるための回転付与機構と、同カッター部に遠隔操
   作的に推進力を与える衝撃式推進機構とを具備し、上記
   カッター部の推進方向前端に、上記貫通孔の内周壁面を
   被覆している石綿被覆部を、後端面から前方に向け切削
   するための切削刃が設けられていることを特徴とする電
   力管石綿被覆部の回転切削装置。