JPH05306420A - 短繊維成形体、その製造方法及び摺動部材 - Google Patents

短繊維成形体、その製造方法及び摺動部材

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JPH05306420A
JPH05306420A JP13591092A JP13591092A JPH05306420A JP H05306420 A JPH05306420 A JP H05306420A JP 13591092 A JP13591092 A JP 13591092A JP 13591092 A JP13591092 A JP 13591092A JP H05306420 A JPH05306420 A JP H05306420A
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JP
Japan
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short
short fibers
fiber
molded body
formed body
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JP13591092A
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Jiyun Ookijima
純 大木島
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比して摺動特性が改善された摺動部
材、それを製造するための短繊維成形体、及び短繊維成
形体の製造方法を提供する。 【構成】 所定形状に成形された短繊維成形体であっ
て、個々の短繊維10′が互いに他に対する接触部に形
成された融着部14により互いに連結されている。また
短繊維成形体の製造方法であって、短繊維の集合体を所
定形状の成形体に成形し、しかる後個々の短繊維が互い
に他に対する接触部にて融着するまで成形体を実質的に
短繊維の融点直下の温度にて熱処理し、短繊維を融着に
より互いに連結する。また摺動部材であって、個々の短
繊維が互いに他に対する接触部にて融着により互いに連
結された短繊維成形体が摺動面部に鋳ぐるまれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化金属複合材料
に係り、更に詳細には繊維強化金属複合材料製造用の短
繊維成形体、その製造方法及び摺動部材に係る。
【0002】
【従来の技術】繊維強化金属複合材料製造用の短繊維成
形体の製造方法の一つとして、例えば特開平2−125
825号公報に記載されている如く、短繊維が溶媒に懸
濁されたスラリー状の混合物に対し吸引成形や圧縮成形
を行うことにより短繊維を所定形状の成形体に成形する
方法や、この方法に於て溶媒にシリカの如き無機バイン
ダを溶解することにより短繊維を所定形状の成形体に成
形すると共に個々の短繊維を無機バインダにて結合する
方法が従来よりよく知られている。
【0003】これらの方法によれば、繊維強化金属複合
材料を製造するための所定形状の短繊維成形体を能率よ
く形成することができ、特に後者の方法によれば加圧鋳
造などによる複合材料の製造時にも短繊維成形体の個々
の短繊維の間にマトリックス金属の溶湯が浸透されるま
で確実に所定の形状を維持する短繊維成形体を形成する
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の前者の方
法により形成された短繊維成形体に於ては、個々の短繊
維は互いに結合されておらず物理的に互いに接触した状
態にあるだけであり、また上述の後者の方法により形成
された短繊維成形体に於ては、加圧鋳造などによって成
形体の個々の短繊維の間にマトリックス金属の溶湯が含
浸されると無機バインダは短繊維を互いに結合する機能
を喪失する。従って従来の方法により形成された短繊維
成形体を用いて製造された複合材料が比較的高い温度
域、例えば室温とマトリックス金属の融点との中間の温
度以上の温度域に於て摺動部材として使用されると、摺
動面近傍の短繊維がその周囲のマトリックス金属ごと脱
落し、摺動部材が比較的早期に劣化してしまうという問
題がある。
【0005】本発明は、従来の方法により製造される繊
維強化金属複合材料製造用の短繊維成形体に於ける上述
の如き問題に鑑み、従来に比して摺動特性が改善された
摺動部材、かかる摺動部材を製造するための短繊維成形
体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、繊維強化金属複合材料製造用の短繊維成形
体にして、個々の短繊維が互いに他に対する接触部にて
融着により互いに連結されていることを特徴とする短繊
維成形体、繊維強化金属複合材料製造用の短繊維成形体
の製造方法にして、短繊維の集合体を所定形状の成形体
に成形し、しかる後個々の前記短繊維が互いに他に対す
る接触部にて融着するまで前記成形体を実質的に前記短
繊維の融点直下の温度にて熱処理することを特徴とする
短繊維成形体の製造方法、及び個々の短繊維が互いに他
に対する接触部にて融着により互いに連結された短繊維
成形体が摺動面部に鋳ぐるまれた摺動部材によって達成
される。
【0007】
【作用】本発明の短繊維成形体及び摺動部材によれば、
個々の短繊維は互いに他に対する接触部にて融着により
互いに連結されており、互いに共働して二次元的又は三
次元的に一種のトラス構造をなしているので、摺動面部
に短繊維成形体が鋳ぐるまれた摺動部材が比較的高い温
度域に於て使用され、摺動面に露呈する短繊維が相手部
材との摺動によりマトリックス金属より引抜こうとする
力や剪断力を受けても、その短繊維はそれに連結されマ
トリックス金属中に埋設されこれによって強固に保持さ
れた他の短繊維によりマトリックス金属より引抜かれる
ことが効果的に防止され、また剪断力が二次元的又は三
次元的にトラス構造をなす複数の短繊維により担持さ
れ、これにより摺動面近傍の短繊維がその周囲のマトリ
ックス金属ごと脱落することが確実に防止される。
【0008】また本発明の短繊維成形体の製造方法によ
れば、所定形状の成形体に成形された個々の短繊維が互
いに他に対する接触部にて融着するまで成形体が実質的
に短繊維の融点直下の温度にて熱処理されることによ
り、個々の短繊維は互いに他に対する接触部にて融着に
より互いに直接結合された状態になるので、短繊維がシ
リカの如き無機バインダにより間接的に結合される場合
に比して短繊維を強固に結合することが可能であり、加
圧鋳造等によって成形体の個々の短繊維の間にマトリッ
クス金属の溶湯が含浸されても短繊維は互いに強固に結
合された状態を維持する。
【0009】尚本明細書に於ける「短繊維」はアルミナ
−シリカ短繊維の如き不連続繊維、所定の長さにチョッ
ピングされたアルミナ長繊維の如き連続繊維、炭化ケイ
素ウイスカの如きウイスカの何れであってもよい。
【0010】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0011】まず繊維径2〜5μm 、繊維長1〜4mmの
アルミナ−シリカ短繊維10(イソライト工業株式会社
製「アルシロン」)を吸引成形することにより、図1に
示されている如く外径100mm、内径80mm、高さ20
mmの寸法を有し実質的に三次元的に無作為に配向された
体積率15%のアルミナ−シリカ短繊維10よりなる円
筒状の短繊維成形体12を形成した。
【0012】次いで図には示されていないが短繊維成形
体を大気中にてアルミナ−シリカ短繊維の融点直下の温
度である1650℃に5時間加熱する熱処理を施し、こ
れにより図2に解図的に示されている如く、個々のアル
ミナ−シリカ短繊維10を互いに他に対する接触部にて
融着により互いに連結させた。尚図2に於て、14はア
ルミナ−シリカ短繊維の間の融着部を示している。
【0013】次いで上述の如く熱処理された短繊維成形
体を400℃に予熱した後、図3に示されている如く短
繊維成形体12′をディーゼルエンジン用ピストンを鋳
造するための鋳造装置16の主型18内の所定の位置に
配置し、主型内に700℃のアルミニウム合金(JIS
規格AC8A、融点535℃)の溶湯20を注湯し、溶
湯を主型18に嵌合する上型22により1000kgf /
cm2 の圧力にて加圧して短繊維成形体に溶湯を浸透さ
せ、溶湯に対する加圧状態を溶湯が完全に凝固するまで
保持した。
【0014】溶湯が完全に凝固した後、形成された鋳物
をノックアウトピン24により主型18より取り出し、
鋳物に対しT7熱処理及び機械加工を施すことにより直
径95mm、長さ97mmのディーゼルエンジン用のピスト
ンを8個形成した。図4はかくして形成されたピストン
26のトップリング溝28及びその周囲の部分を示す拡
大部分断面図であり、図4に於て30は互いに連結され
たアルミナ−シリカ短繊維10′により複合強化された
アルミニウム合金32よりなる複合材料の部分を示して
おり、34及び36はそれぞれセカンドリング及びオイ
ルリングを示している。
【0015】次いでかくして形成されたピストンを4気
筒3600ccの直噴式ディーゼルエンジンに組み込み、
軽油を燃料としてエンジンを回転数4000rpm (Aパ
ターン)及び2000rpm (Bパターン)にて300時
間に亘り運転する耐久試験を行った。尚比較例として、
短繊維成形体に対し熱処理が施されなかった点を除き同
一の要領及び条件にて形成された8個のディーゼルエン
ジン用ピストンについても同様に耐久試験を行った。
【0016】耐久試験終了後各ピストンを切断してトッ
プリング溝周囲の部分のマトリックスの硬さを測定する
ことにより耐久試験時に於けるピストンのトップリング
溝周囲の部分の到達温度を推定したところ、到達温度は
エンジンが回転数4000rpm (Aパターン)にて運転
されたピストンについては270℃であり、エンジンが
回転数2000rpm (Bパターン)にて運転されたピス
トンについては250℃であると推定された。
【0017】また各ピストンについてトップリング溝の
摩耗量(反スラスト側の上下面最大摩耗量の和)を測定
した。その結果を下記の表1に示す。尚表1に於て#は
エンジンの気筒ナンバーを示しており、摩耗量の単位は
μm である。
【0018】
【表1】 Aパターン Bパターン (推定温度:270℃) (推定温度:250℃) #1 #2 #3 #4 #1 #2 #3 #4 実施例 17 13 18 15 11 12 15 12 比較例 26 33 28 31 13 16 17 15 表1より、実施例に於ける摩耗量はAパターン及びBパ
ターンの何れについても比較例の摩耗量よりも少なく、
特に実施例によれば室温とマトリックス金属の融点(5
35℃)との中間の温度以上の温度である270℃に於
ける摩耗量を比較例の摩耗量の約半分に低減できること
が解る。
【0019】また耐久試験後の実施例及び比較例のトッ
プリング溝部の状態を観察したところ、比較例に於ては
トップリング溝部のアルミナ−シリカ短繊維がマトリッ
クスであるアルミニウム合金ごと脱落していたのに対
し、実施例に於ては図5に示されている如くトップリン
グ溝28の壁面より露出したアルミナ−シリカ短繊維1
0′はそれに連結されアルミニウム合金32中に埋設さ
れこれにより強固に保持された他のアルミナ−シリカ短
繊維により脱落することがないよう保持された状態にあ
ることが認められた。
【0020】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。例
えば本発明の摺動部材は実施例の如きピストンに限定さ
れるものではなく、摺動面の耐摩耗性が高いことが必要
とされる任意の部材であってよい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の短繊維成形体及び摺動部材によれば、個々の短繊維
は互いに他に対する接触部にて融着により互いに連結さ
れており、互いに共働して二次元的又は三次元的に一種
のトラス構造をなしており、従って摺動面部に本発明の
短繊維成形体が鋳ぐるまれた摺動部材が比較的高い温度
域に於て使用され、摺動面に露呈する短繊維が相手部材
との摺動によりマトリックス金属より引抜こうとする力
や剪断力を受けても、その短繊維はそれに連結されマト
リックス金属中に埋設されこれによって強固に保持され
た他の短繊維によりマトリックス金属より引抜かれるこ
とが効果的に防止されると共に、剪断力が二次元的又は
三次元的にトラス構造をなす複数の短繊維により担持さ
れるので、摺動面近傍の短繊維がその周囲のマトリック
ス金属ごと脱落することを確実に防止することができ、
これにより摺動部材の耐摩耗性を従来に比して大幅に向
上させることができる。
【0022】また本発明の短繊維成形体の製造方法によ
れば、所定形状の成形体に成形された個々の短繊維が互
いに他に対する接触部にて融着するまで成形体が実質的
に短繊維の融点直下の温度にて熱処理されることによ
り、個々の短繊維は互いに他に対する接触部にて融着に
より互いに直接結合された状態になるので、短繊維がシ
リカの如き無機バインダにより間接的に結合される場合
に比して短繊維を強固に結合することができ、加圧鋳造
などによって成形体の個々の短繊維の間にマトリックス
金属の溶湯が含浸されても短繊維が互いに強固に結合さ
れた状態を維持することができ、また無機バインダとマ
トリックス金属との反応により脆い相が形成されること
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実質的に三次元的に無作為に配向されたアルミ
ナ−シリカ短繊維よりなる円筒状の繊維成形体を示す斜
視図である。
【図2】個々のアルミナ−シリカ短繊維が互いに他に対
する接触部にて融着により互いに連結された状態を示す
説明図である。
【図3】ディーゼルエンジン用ピストンを鋳造する状態
を示す断面図である。
【図4】ディーゼルエンジン用ピストンのトップリング
溝部を示す拡大部分断面図である。
【図5】耐久試験後のトップリング溝部のアルミナ−シ
リカ短繊維を示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
10、10′…アルミナ−シリカ短繊維 12、12′…繊維成形体 14…融着部 16…鋳造装置 20…アルミニウム合金の溶湯 26…ピストン 28…トップリング溝 30…複合材料 32…アルミニウム合金

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化金属複合材料製造用の短繊維成形
    体にして、個々の短繊維が互いに他に対する接触部にて
    融着により互いに連結されていることを特徴とする短繊
    維成形体。
  2. 【請求項2】繊維強化金属複合材料製造用の短繊維成形
    体の製造方法にして、短繊維の集合体を所定形状の成形
    体に成形し、しかる後個々の前記短繊維が互いに他に対
    する接触部にて融着するまで前記成形体を実質的に前記
    短繊維の融点直下の温度にて熱処理することを特徴とす
    る短繊維成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】個々の短繊維が互いに他に対する接触部に
    て融着により互いに連結された短繊維成形体が摺動面部
    に鋳ぐるまれた摺動部材。
JP13591092A 1992-04-28 1992-04-28 短繊維成形体、その製造方法及び摺動部材 Pending JPH05306420A (ja)

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