JPH05306230A - 尿の処理方法 - Google Patents

尿の処理方法

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JPH05306230A
JPH05306230A JP3133315A JP13331591A JPH05306230A JP H05306230 A JPH05306230 A JP H05306230A JP 3133315 A JP3133315 A JP 3133315A JP 13331591 A JP13331591 A JP 13331591A JP H05306230 A JPH05306230 A JP H05306230A
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JP
Japan
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urine
added
physiologically active
organic medium
active substance
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Application number
JP3133315A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Arai
一彦 新井
Hideharu Shimizu
英晴 清水
Morio Niimura
守男 新村
Kuniko Senoo
邦子 妹尾
Hiroyasu Suzuki
弘康 鈴木
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水溶性有機質媒体と亜鉛、カルシウム、銅、
バリウムおよびアルミニウムの金属塩から選ばれた少な
くとも一種以上とを尿に添加することを特徴とする尿中
生理活性物質を取得する際の尿の処理方法。 【効果】 本発明による尿の処理方法を用いることによ
り、大量の尿から生理活性物質を取得する際に、これら
を損失することなく夾雑する粘性物質を除去することが
可能となり、目的とする生理活性物質を工業的規模で効
率よく、再現性よく回収することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は尿の処理方法に関する。
さらに詳しくは、トリプシンインヒビター、コロニー刺
激因子等の生理活性物質を取得する際にその生理活性物
質を尿から分離しやすくするために用いられる尿の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】尿中に様々な有用物質、例えばウロキナ
ーゼ、カリクレイン、トリプシンインヒビター、エリス
ロポエチン、コロニー刺激因子、黄体形成ホルモン、卵
胞刺激ホルモン等が存在することは、既に知られてい
る。実際に、大量の尿からこれらの物質が単離・精製さ
れており、医薬品としても応用されている。
【0003】大量の尿からこれら生理活性物質を抽出す
る場合は、限外濾過濃縮、吸着剤による回収、タンパク
質沈澱等の操作を組み合わせるのが一般的である。ま
た、尿中には、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸をは
じめとするムコ多糖類が存在することも知られている。
これらは粘性が高く、濃縮、精製工程において悪影響が
あり、望ましくない。そのため、大量の尿から生理活性
物質を回収する際に、操作が簡便である、効率がよ
い、再現性がよい、生理活性物質の分解・失活がな
い、等が望まれている。
【0004】そこで、このような要望に応えたものとし
て特開昭63−198700号公報では尿中コロニー刺
激因子の精製工程にpH8〜9処理の工程が採用されて
いる。このように、尿をpH8〜9に調整し、生じる不
溶物を除去することで粘性物質を取り除くことは可能で
ある。
【0005】しかしながら、このpH8〜9処理のみで
はムコ多糖類をはじめとする粘性物質の除去は完全では
なく、尿を大量に濃縮するにつれ限外濾過膜やファイバ
ーの目詰まりが発生する。また、クロマト精製工程にお
いては、カラム樹脂上部パッキングが起こり、十分な分
離が行われないばかりでなく、トラブル発生の原因とな
る。さらに、弱アルカリ性条件下で安定性の悪い生理活
性物質に適用することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、尿中から
抽出する生理活性物質が損失することなく、尿中に存在
する粘性物質が簡便かつ効率よく除去される方法につい
て、鋭意研究を重ねた結果、尿に水溶性有機質媒体と特
定成分の金属塩を添加してから処理すれば良いことを見
い出し本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、水
溶性有機質媒体と亜鉛、カルシウム、銅、バリウムおよ
びアルミニウムの金属塩から選ばれた少なくとも一種以
上とを尿に添加することを特徴とする尿中生理活性物質
を取得する際の尿の処理方法である。以下、さらに本発
明について詳しく説明する。
【0008】本発明において、尿はそのまま用いてもよ
いが、大量の尿から例えばウロキナーゼ、カリクレイ
ン、トリプシンインヒビター、エリスロポエチン、コロ
ニー刺激因子、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン等
の生理活性物質を抽出する場合は、濃縮または、尿を吸
着剤で処理しその吸着画分を溶出して得られる尿原液を
用いることが好ましい。
【0009】その手段としては限外濾過濃縮、水酸化ア
ルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、カオリン、
シリカゲル、イオン交換樹脂、キトサン等の吸着剤によ
る回収・濃縮が実施可能である。水溶性有機質媒体は、
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等の一価アルコール類、エチレングリコール
等の多価アルコール類、アリルアルコール、クロトニル
アルコール等の不飽和アルコール類、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアル
デヒド類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド、アセ
トアミド等のアミド類等が挙げられ、医薬品への適用を
考慮した場合、エタノールが好ましい。その濃度は、1
〜30(V/V) %の範囲で選択可能であるが、好ましくは
5〜15(V/V) %である。
【0010】また、添加する金属塩は、亜鉛、カルシウ
ム、銅、バリウム、アルミニウムの硝酸塩、硫酸塩、酢
酸塩、塩化物等が利用可能であり、好ましくは亜鉛であ
る。添加濃度は10mM〜5M程度まで、目的とする物
質の種類により選択することができるが、好ましくは、
0.1 〜 1.0Mである。添加方法は特に限定されないが、
添加した金属塩が均一に溶解する条件が望ましく、4 〜
80℃の温度範囲の中で目的物質の安定性を考慮しつつ設
定された温度条件下で、撹拌及び/又は振とうしつつ金
属塩を添加し、0.5 〜24時間放置するのが好ましい。
尚、水溶性有機質媒体と金属塩は同時に又は別々に添加
してもかまわない。
【0011】次いで遠心分離機により沈澱を除去し、得
られた上清をさらに、イオン交換クロマトグラフィー、
疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー等の繁用のクロ
マトグラフィーを組合せ実施することにより目的とする
生理活性物質を単離することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例をあげてさらに具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0013】実施例1〜5、比較例1〜3 正常人尿22リットルに酢酸を添加し、pHを4.0 に調
整後生じた沈澱を遠心分離(8000回転、15分)で
除去して酸処理尿を得た。この酸処理尿に110gの水
酸化アルミニウムゲル(キョーワード200B:協和化
学工業(株)製)を添加し、室温にて2時間撹拌した。
1時間の静置後、上清と吸着剤をデカンテーションで分
離し、さらに吸引濾過により水で吸着剤を洗浄した。こ
の洗浄吸着剤を1%アンモニア1リットルで1時間撹拌
溶出を行ない、遠心分離(8000回転、15分)によ
り溶出液を得た。溶出液に硫酸アンモニウムを80%飽
和となるように加え、5時間放置後、遠心分離(800
0回転、30分)により得られた沈澱を、10(V/V)%
エタノール50mlに溶解し尿原液とした。この尿原液1
mlに各種金属塩をそれぞれ1Mとなるように添加し、3
0分間室温放置後、微量高速遠心分離機(エッペンドル
フ製)にて沈澱を除去した。
【0014】上清中のトリプシンインヒビター活性を、
Muramatsu 等の方法(J. Biochem.,57,402,(1965) )に
準拠し、カゼイン分解法で測定した。すなわち、各試料
とトリプシンを20℃で15分間反応させた後、残存す
るトリプシン活性をカゼイン分解を指標として測定し
た。カゼイン分解は、遊離したチロシン残基をフェノー
ル試薬を用いて定量した。尚、トリプシンインヒビター
の1単位(U)はトリプシン1μgのカゼイン分解能を
完全に阻害する活性として定義した。また、タンパク質
定量は、BCA法タンパク質定量キット(ピアス社製)
を用いた。
【0015】添加する金属塩を変化させた場合の沈澱
量、トリプシンインヒビター活性、蛋白質量を測定し
た。また比活性は活性/蛋白質量より算出した。それら
の結果を表1に示す。なお、金属塩としては、実施例1
は、硝酸バリウム(BaNO3) を、実施例2は、硫酸銅(CuS
O4) を、実施例3は、塩化カルシウム(CaCl2) を、実施
例4は、塩化亜鉛(ZnCl2) を、実施例5は、硫酸アルミ
ニウム(Al2(SO4)2) を用いた。また、比較例1は無添加
であり、比較例2については、金属塩無添加で3.5N水酸
化ナトリウム添加でpH8.5 とし、生じる沈澱を除去
後、同様に測定を行った。比較例3は、塩化マグネシウ
ム(MgCl2) を用いた。
【0016】
【表1】
【0017】実施例6〜10、比較例4〜6 正常人尿22リットルに、50gの粒状含水珪酸(ホワ
イトカーボン;徳山曹達社製)を添加し、室温にて5時
間撹拌した。2時間の静置後、上清と吸着剤をデカンテ
ーションで分離し、さらに吸引濾過により水で吸着剤を
洗浄した。この洗浄吸着剤を1%アンモニア1リットル
で1時間撹拌溶出を行ない、遠心分離(8000回転、
15分)により溶出液を得た。溶出液に硫酸アンモニウ
ムを80%飽和となるように加え、5時間放置後、遠心
分離(8000回転、30分)により得られた沈澱を、
10(V/V) %メタノール50mlに溶解し尿原液とした。
この尿原液1mlに各種金属塩をそれぞれ1Mとなるよう
に添加し、室温30分間放置後、微量高速遠心機(エッ
ペンドルフ製)にて沈澱を除去し、上清をリン酸緩衝生
理食塩水(PBS)に対して透析して、そのコロニー刺
激因子(CSF)活性およびタンパク質量を測定した。
【0018】CSF活性の測定方法は、Pluznik,Sachs
(J.Cell.Physiol.,66,319(1965)) 、Bradley,Metcalf(A
ust,J.Exp.Biol.Med.,44,287(1966) 、Tsuneoka,Shikit
a(FEBS Letters,77,243(1977)) に準拠して行った。具
体的には、直径35mmのプラスチック培養皿に20%馬
血清、各濃度のCSF試料、0.3 %の寒天および1×1
5 個のマウス骨髄細胞を含むMcCoy's 5A培地1ml を加
え、7 日間37℃で5%CO2 を含む飽和水蒸気下で培
養した。培養後、倒立顕微鏡下で検鏡し、50個以上の
細胞集塊をコロニーの数とし、コロニーを1 個形成させ
る活性を1 単位(U)とした。
【0019】なお、金属塩としては、実施例6は、硝酸
バリウム(BaNO3) を、実施例7は、硫酸銅(CuSO4) を、
実施例8は、塩化カルシウム(CaCl2) を、実施例9は、
塩化亜鉛(ZnCl2) を、実施例10は、硫酸アルミニウム
(Al2(SO4)2) を用いた。また、比較例4は無添加であ
り、比較例5については、金属塩無添加で3.5N水酸化ナ
トリウム添加でpH8.5 とし、生じる沈澱を除去後、同
様に測定を行った。比較例6は、塩化マグネシウム(MgC
l2) を用いた。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】実施例11、比較例7 正常人尿200リットルに酢酸を添加し、pHを4.0 に
調整後生じた沈澱を遠心分離(8000回転、30分)
で除去して酸処理尿を得た。この酸処理尿に1Kgの水
酸化アルミニウムゲル(キョーワード200B:協和化
学工業(株)製)を添加し、室温にて3時間撹拌した。
1時間の静置後、上清と吸着剤をデカンテーションで分
離し、さらに吸引濾過により水10リットルで吸着剤を
洗浄した。この洗浄吸着剤を1%アンモニア10リット
ルで 2時間撹拌溶出を行ない、遠心分離(8000回
転、30分)により溶出液を得た。溶出液を酢酸で中和
後、エタノールを10(V/V) %となるように添加し、さ
らに塩化亜鉛を0.5Mとなるように添加した。室温1時間
放置後、遠心分離(8500回転、60分)により沈澱
を除去してエタノール−亜鉛処理尿原液とした。この処
理尿原液10リットルをペリコンカセット(ミリポア社
製)による限外濾過で濃縮を行なった。10リットルか
ら1リットルまで濃縮される時間を、処理尿原液(実施
例11)と未処理尿原液(比較例7)とで調べた。結果
を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明による尿の処理方法を用いること
により、大量の尿から生理活性物質を取得する際に、こ
れらを損失することなく夾雑する粘性物質を除去するこ
とが可能となり、限外濾過等による濃縮時間が短縮され
膜トラブルが防止されると同時に、目的とする生理活性
物質を工業的規模で効率よく、再現性よく回収すること
が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 邦子 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 鈴木 弘康 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性有機質媒体と亜鉛、カルシウム、
    銅、バリウムおよびアルミニウムの金属塩から選ばれた
    少なくとも一種以上とを尿に添加することを特徴とする
    尿中生理活性物質を取得する際の尿の処理方法。
JP3133315A 1991-05-10 1991-05-10 尿の処理方法 Pending JPH05306230A (ja)

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