JPH0823556B2 - 尿の処理剤 - Google Patents

尿の処理剤

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JPH0823556B2
JPH0823556B2 JP1299572A JP29957289A JPH0823556B2 JP H0823556 B2 JPH0823556 B2 JP H0823556B2 JP 1299572 A JP1299572 A JP 1299572A JP 29957289 A JP29957289 A JP 29957289A JP H0823556 B2 JPH0823556 B2 JP H0823556B2
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一彦 新井
邦子 妹尾
弘康 鈴木
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は尿の処理剤に関する。さらに詳しくはトリプ
シンインヒビター、コロニー刺激因子等の生理活性物質
を取得する際にその生理活性ポリペプチドを尿から分離
しやすくするために用いられる尿の処理剤に関する。
〔従来の技術〕
尿中に様々な生理活性ポリペプチド、例えばウロキナ
ーゼ、カリクレイン、トリプシンインヒビター、エリス
ロポエチン、コロニー刺激因子、黄体形成ホルモン、卵
胞刺激ホルモン等が存在することは、既に知られてい
る。実際に、大量の尿からこれらの物質が単離・精製さ
れており、医薬品としても応用されている。
大量の尿からこれら生理活性ポリペプチドを抽出する
場合は、限外濾過濃縮、吸着剤による回収、タンパク質
沈澱等の操作を組み合わせるのが一般的である。
また、尿中には、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸
をはじめとするムコ多糖類が存在することも知られてい
る。これらは粘性が高く、濃縮、精製工程において悪影
響があり、望ましくない。
そのため、大量の尿から生理活性ポリペプチドを回収
する際に、(i)操作が簡便である、(ii)効率がよ
い、(iii)再現性がよい、(iv)生理活性ポリペプチ
ドの分解・失活がない、等が望まれている。
そこで、このような要望に応えたものとして特開昭63
−198700号公報では尿中コロニー刺激因子の精製工程に
pH8〜9処理の工程が採用されている。このように、尿
をpH8〜9に調整し、生じる不溶物を除去することで粘
性物質を取り除くことは可能である。
しかしながら、このpH8〜9処理のみではムコ多糖類
をはじめとする粘性物質の除去は完全ではなく、尿を大
量に濃縮するにつれ限外濾過膜やファイバーの目詰まり
が発生する。また、クロマト精製工程においては、カラ
ム樹脂上部パッキングが起こり、十分な分離が行われな
いばかりでなく、トラブル発生の原因となる。
さらに、弱アルカリ性条件下で安定性の悪い生理活性
ポリペプチドに適用することはできない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者は、尿中から抽出する生理活性ポリペプチド
が損失することなく、尿中に存在する粘性物質が簡便か
つ効率よく除去される方法について、鋭意研究を重ねた
結果、尿に特定成分の金属塩を添加してから処理すれば
良いことを見い出し本発明を完成した。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、亜鉛、カルシウム、銅、バリウ
ム、及びアルミニウムの金属塩から選ばれた少なくとも
1種以上からなることを特徴とする尿中生理活性ポリペ
プチドを取得する際に用いられる尿の処理剤である。
以下、さらに本発明について詳しく説明する。
本発明において、尿はそのまま用いてもよいが、大量
の尿から例えばウロキナーゼ、カリクレイン、トリプシ
ンインヒビター、エリスロポエチン、コロニー刺激因
子、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン等の生理活性
ポリペプチドを抽出する場合は、濃縮または、尿を吸着
剤で処理しその吸着画分を溶出して得られる尿原液を用
いることが好ましい。
その手段としては限外濾過濃縮、水酸化アルミニウム
ゲル、合成ケイ酸アルミニウム、カオリン、シリカゲ
ル、イオン交換樹脂、キトサン等の吸着剤による回収・
濃縮が実施可能である。また、尿の処理剤として用いる
金属塩は、亜鉛、カルシウム、銅、バリウム、アルミニ
ウムの硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物等が利用可能で
あり、添加濃度は10mM〜5M程度まで、目的とする物質の
種類により選択することができるが、好ましくは、0.1M
〜1.0Mである。添加方法は特に限定されないが、添加し
た金属塩が均一に溶解する条件が望ましく、そのために
は4〜80℃の温度範囲の中で目的とする生理活性ポリペ
プチドの安定性を考慮しつつ設定された温度条件下で、
撹拌及び/又は振とうしつつ金属塩を添加し、0.5〜24
時間放置するのが好ましい。
次いで遠心分離機により沈澱を除去し、得られた上清
をさらに、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマ
トグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニ
ティークロマトグラフィー等の繁用のクロマトグラフィ
ーを組み合せ実施することにより目的とする生理活性ポ
リペプチドを単離することが可能である。
〔実施例〕
以下、実施例をあげてさらに具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜3 正常人尿22に酢酸を添加し、pHを4.0に調整後生じ
た沈澱を遠心分離(8000回転、15分)で除去して酸処理
尿を得た。この酸処理尿に110gの水酸化アルミニウムゲ
ル(キョーワード200B:協和化学工業(株)製)を添加
し、室温にて2時間撹拌した。1時間の放置後、上清と
吸着剤をデカンテーションで分離し、さらに吸引濾過に
より水で吸着剤を洗浄した。この洗浄吸着剤を1%アン
モニア1で1時間撹拌溶出を行ない、遠心分離(8000
回転、15分)により溶出液を得た。溶出液に硫酸アンモ
ニウムを80%飽和となるように加え、5時間放置後、遠
心分離(8000回転、30分)により得られた沈澱を、水50
mlに溶解し尿原液とした。この尿原液1mlに各種金属塩
をそれぞれ1Mとなるように添加し、30分間室温放置後、
微量高速遠心分離機(エッペンドルフ製)にて沈澱を除
去した。上清中のトリプシンインヒビター活性を、Mura
matsu等の方法(J.Biochem.,57,402,(1965))に準拠
し、カゼイン分解法で測定した。
すなわち、各試料とトリブシンを20℃で15分間反応さ
せた後、残存するトリプシン活性をカゼイン分解を指標
として測定した。カゼイン分解は、遊離したチロシン残
基をフェノール試薬を用いて定量した。尚、トリプシン
インヒビターの1単位(U)はトリプシン1μgのカゼ
イン分解能を完全に阻害する活性として定義した。
また、タンパク質定量は、BCA法タンパク質定量キッ
ト(ピアス社製)を用いた。
添加する金属塩を変化させた場合の沈澱量、トリプシ
ンインヒビター活性、蛋白質量を測定した。また比活性
は活性/蛋白質量より算出した。それらの結果を第1表
に示す。
なお、金属塩としては、実施例1は、硝酸バリウム
(BaNO3)を、実施例2は、硫酸銅(CuSO4)を、実施例
3は、塩化カルシウム(CaCl2)を、実施例4は、塩化
亜鉛(ZnCl2)を、実施例5は、硫酸アンモニウム(Al2
(SO4)を用いた。また、比較例1は、無添加とし
た。比較例1は無添加であり、比較例2については、金
属塩無添加で3.5N水酸化ナトリウム添加でpH8.5とし、
生じる沈澱を除去後、同様に測定を行なった。比較例3
は塩化マグネシウム(MgCl2)を用いた。
実施例6〜9、比較例4 実施例1〜5と同様にして得た尿原液50mlに、各種濃
度の塩化亜鉛を添加し、室温1時間放置後遠心分離(10
000回転、15分)により沈澱を除去した。上清中のトリ
プシンインヒビター活性およびタンパク質量を測定し
た。
結果を第2表に示す。
実施例10〜14、比較例5〜7 正常人尿22に、50gの粒状含水珪酸(ホワイトカー
ボン;徳山曹達社製)を添加し、室温にて5時間撹拌し
た。2時間の放置後、上清と吸着剤をデカンテーション
で分離し、さらに吸引濾過により水で吸着剤を洗浄し
た。この洗浄吸着剤を1%アンモニア1で1時間撹拌
溶出を行ない、遠心分離(8000回転、15分)により溶出
液を得た。溶出液に硫酸アンモニウムを80%飽和となる
ように加え、 5時間放置後、遠心分離(8000回転、30分)により得
られた沈澱を、水50mlに溶解し尿原液とした。この尿原
液1mlに各種金属塩をそれぞれ1Mとなるように添加し、
室温30分間放置後、微量高速遠心機(エッペンドルフ
製)にて沈澱を除去し、上清をリン酸緩衝生理食塩水
(PBS)に対して透析して、そのコロニー刺激因子(CS
F)活性およびタンパク質量を測定した。
CSF活性の測定方法は、Pluznik,Sachs(J.Cell.Physi
ol.,66,319(1965)),Bradley,Metcalf(Aust,J.Exp.B
iol,Med.,44,287(1966))、Tsuneoka,Shikita(FEBS
Letters,77,243(1977))に準拠して行なった。具体的
には、直径35mmのプラスチック培養皿に20%馬血清、各
濃度のCSF試料、0.3%の寒天および1×105個のマウス
骨髄細胞を含むMcCoy′s5A培地1mlを加え、7日間37℃
で5%CO2を含む飽和水蒸気下で培養した。培養後、倒
立顕微鏡下で検鏡し、50個以上の細胞集塊をコロニーの
数とし、コロニーを1個形成させる活性を1単位(U)
と定義した。
なお、金属塩としては、実施例10は、硝酸バリウム
(BaNO3)を、実施例11は、硫酸銅(CuSO4)を、実施例
12は、塩化カルシウム(CaCl2)を、実施例13は、塩化
亜鉛(ZnCl2)を、実施例14は、硫酸アルミニウム(Al2
(SO4)を用いた。また、比較例5は、無添加であ
り、比較例6は、金属塩無添加で3.5N水酸化ナトリウム
添加でpH8.5とし、生じる沈澱を除去後、同様に測定を
行なった。比較例7は、塩化マグネシウム(MgCl2)を
用いた。
結果を第3表に示す。
実施例15、比較例8 正常人尿200に酢酸を添加し、pHを4.0に調整後、生
じた沈澱を遠心分離(8000回転、30分)で除去して酸処
理尿を得た。この酸処理尿に1kgの水酸化アルミニウム
ゲル(キョーワード200B:協和化学工業(株)製)を添
加し、室温にて3時間撹拌した。1時間の放置後、上清
と吸着剤をデカンテーションで分離し、さらに吸引濾過
により水10で吸着剤を洗浄した。この洗浄吸着剤を1
%アンモニア10で2時間撹拌溶出を行ない、遠心分離
(8000回転、30分)により溶出液を得た。溶出液を酢酸
で中和後、0.5Mとなるように塩化亜鉛を添加し、室温1
時間放置後、遠心分離(8500回転、60分)により沈澱を
除去して亜鉛処理尿原液とした。
この亜鉛処理尿原液10をペリコンカセット(ミリポ
ア社製)による限外濾過で濃縮を行なった。10から1
まで濃縮される時間を、亜鉛処理尿原液(実施例15)
と未処理尿原液(比較例8)とで調べた。
結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 本発明による、尿の処理剤を用いることにより、大量
の尿から生理活性ポリペプチドを取得する際に、これら
を損失することなく夾雑する粘性物質を除去することが
可能となり、限外濾過等による濃縮時間が短縮され膜ト
ラブルが防止されると同時に、目的とする生理活性ポリ
ペプチドを工業的規模で効率よく、再現性よく取得する
ことが可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛、カルシウム、銅、バリウムおよびア
    ルミニウムの金属塩から選ばれた少なくとも1種以上か
    らなることを特徴とする尿中生理活性ポリペプチドを取
    得する際に用いられる尿の処理剤。
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