JPH05306108A - β−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体の製造方法 - Google Patents

β−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体の製造方法

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JPH05306108A
JPH05306108A JP4112602A JP11260292A JPH05306108A JP H05306108 A JPH05306108 A JP H05306108A JP 4112602 A JP4112602 A JP 4112602A JP 11260292 A JP11260292 A JP 11260292A JP H05306108 A JPH05306108 A JP H05306108A
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JP
Japan
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powder
tricalcium phosphate
calcium titanate
tcp
beta
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JP4112602A
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Hiroyuki Irie
洋之 入江
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】α−リン酸三カルシウム(TCP)相が混在せ
ず、かつ、β−TCPおよびチタン酸カルシウムを十分
に複合化できるβ−TCP−チタン酸カルシウム複合体
の製造方法を提供する。 【構成】粒子径1μm以下の水酸化アパタイト粉末およ
び酸化チタン粉末をモル比が2:1になるように夫々秤
量し、ジルコニア製ボールミルポットに入れる。さら
に、10重量%ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液を
加え、回転混合してスラリーを得る。スラリーを所望の
形状に成形した後乾燥させ、得られた成形体を1100
℃で1時間焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−リン酸三カルシウ
ム−チタン酸カルシウム複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸カルシウム系化合物は、生体親和
性に優れ、骨組織と直接結合することから、人工骨や骨
補綴材のようなインプラントに用いられている。特にβ
−リン酸三カルシウム[Ca3 (PO4 2 ](以下、
β−TCPと記す)は、骨に吸収され易く、骨組織に埋
入した後に容易に自家骨に置換される性質を有してい
る。しかしながら、β−TCPを実際に使用する場合に
は、体内に埋入する部位や用途に応じて骨へ吸収される
度合い(以下、骨吸収性と記す)や、骨と直接結合した
り、骨に置換されて自家骨化するような、いわゆる、生
体活性を制御する必要がある。
【0003】このようなβ−TCPの骨吸収性および生
体活性を制御する手段としては、骨吸収性を有しないチ
タン酸カルシウム(CaTiO3 )とβ−TCPを複合
化することが行われている。一般に、チタン系金属は、
比較的介在組織を形成せずに骨組織と結合することが知
られているが、これは、チタン系金属の表面にチタン酸
カルシウムが生成するためと考えられている。そこで、
β−TCPとチタン酸カルシウムを複合化することによ
り、β−TCPの生体活性を損なうことなく、骨吸収性
を低減することができる。このようなβ−TCPとチタ
ン酸カルシウムの複合体(以下、β−TCP−CaTi
3 複合体と記す)を、例えば、チタン系金属からなる
インプラント材に被覆または複合化して、インプラント
材の生体活性を改善したり、β−TCPとチタン酸カル
シウムの割合を変更することにより骨吸収性を適宜制御
することができる。
【0004】従来、β−TCPとチタン酸カルシウムの
複合化は、β−TCP粉末とチタン酸カルシウム粉末と
を混合した後、所定の形状に成形して所定温度で焼成す
ることにより行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のβ−TCP−CaTiO3 複合体の製造法
法では、焼成工程においてβ−TCPとリン酸カルシウ
ムとを十分に複合化し得、初期焼結段階以降の焼結状態
を得るためには、約1200℃以上で焼成することが必
要である。しかしながら、リン酸三カルシウム(以下、
TCPと記す)は、約1150℃付近にβ相からα相へ
の結晶転移点があり、α−TCPの生成を防止するため
には約1150℃よりも低温で焼成する必要がある。こ
のため、従来の方法に従って、約1200℃以上で焼成
した場合には、β−TCPの一部または全てがα−TC
Pに転移してしまう。一方、約1150℃以下で焼成し
た場合には、β−TCPとチタン酸カルシウムが十分に
複合化し得ない。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、α−TCP相が混在せず、かつ、β−TCPお
よびチタン酸カルシウムを十分に複合化することができ
るβ−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体
の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水酸化アパタ
イト粉末またはβ−リン酸三カルシウム粉末を含有する
水酸化アパタイト粉末と酸化チタンとを混合した後、焼
成してβ−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複
合体を得ることを特徴とするβ−リン酸三カルシウム−
チタン酸カルシウム複合体の製造方法を提供する。以
下、本発明をさらに詳細に説明する。HAP粉末[Ca
5 (PO4 3 ]と酸化チタン粉末[TiO2 ]とを混
合した後焼成することにより、式(1)に示すような固
相反応が起こる。
【0008】
【化1】
【0009】上記固相反応は、β−TCPからα−TC
Pへの結晶転移点である1150℃よりも低い温度でも
進行し、β−TCP[Ca3 (PO4 2 ]とチタン酸
カルシウム[CaTiO3 ]のみが生成され、かつ、生
成したβ−TCP相がα−TCPに転移する恐れがな
い。
【0010】この固相反応において、HAP粉末および
酸化チタン粉末が微粒子であるほど反応性が高くなり、
上記固相反応がより低温でも進行する。HAP粉末およ
び酸化チタン粉末の粒子径は、例えば、5〜10μm以
下が好ましく、1μm以下が特に好ましい。例えば、粒
子径が1μm以下のHAP粉末および酸化チタン粉末
を、乳鉢またはボールミルを用いて混合した後、100
0℃〜1100℃で焼成することにより、上記固相反応
が十分に進行し、α−TCP相を生じることなくβ−T
CPとチタン酸カルシウムが複合化する。
【0011】HAP粉末および酸化チタン粉末は混合し
た後、所望の形状に成形して焼成することもできる。こ
の際、HAP粉末および酸化チタン粉末をスラリー状に
して成形し、乾燥後焼成することができる。HAP粉末
は、β−TCP粉末を含んでいてもよい。また、HAP
粉末と酸化チタン粉末の混合比はモル比で2:1が好ま
しい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 実施例1
【0013】まず、HAP粉末を湿式粉砕法に従って製
造した。すなわち、炭酸カルシウム0.067モル、リ
ン酸水素カルシウム0.100モルおよび純水200m
lをジルコニア製ボールミルポットに入れ、約1日回転
摩砕してスラリーを調製した。得られたスラリーを80
℃で乾燥した後、750℃で焼成して粉末を得た。得ら
れた粉末についてX線回析および走査型電子顕微鏡(S
EM)による観察を行った。この結果、粉末がHAPの
単一相からなり、粒子径が1μm以下であることが確認
された。
【0014】このようにして得られたHAP粉末と、酸
化チタン粉末とをモル比がHAP:酸化チタン=2:1
になるように夫々秤量し、ジルコニア製ボールミルポッ
トに入れた。さらに、解膠剤として10重量%ポリアク
リル酸アンモニウム塩水溶液を加え、回転混合してスラ
リーを得た。得られたスラリーを所望の形状に成形した
後乾燥させた。得られた成形体を1100℃で1時間焼
成した。このようにして得られた焼成体を粉末X線回析
法により評価した。この結果、焼成体がβ−TCP相お
よびチタン酸カルシウム相のみで構成されたβ−TCP
−CaTiO3複合体であることが確認された。 実施例2 β−TCP粉末、HAP粉末および酸化チタン粉末から
β−TCP−CaTiO3 複合体を製造した場合につい
て説明する。
【0015】まず、β−TCP粉末を、湿式粉砕法に従
って製造した。すなわち、炭酸カルシウム0.050モ
ル、リン酸水素カルシウム二水和物0.100モルおよ
び純水200mlをジルコニア製ボールミルポットに入
れ、約1日回転摩砕してスラリーを調製した。得られた
スラリーを80℃で乾燥した後、750℃で焼成して粉
末を得た。得られた粉末についてX線回析および走査型
電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。この結果、
粉末がβ−TCPの単一相からなり、粒子径が1μm以
下であることが確認された。
【0016】次に、酸化チタン粉末を、チタンアルコキ
シドを加水分解して製造した。まず、チタンテトラエト
キシド[Ti(OC2 5 4 ]のエタノール溶液に水
のエタノール溶液を添加・混合した。この混合物を熟成
させた後、生成した粉末粒子を分取し、700℃で仮焼
した。得られた粉末をSEMにより観察した結果、粒子
径が1μm以下であることが確認された。
【0017】実施例1で得たHAP粉末、上述のβ−T
CP粉末および酸化チタン粉末とをモル比がHAP:β
−TCP:酸化チタン=2:2:1になるように夫々秤
量し、ジルコニア製ボールミルポットに入れた。さら
に、10重量%ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液を
加え、回転混合してスラリーを得た。得られたスラリー
を所望の形状に成形した後乾燥させた。得られた成形体
を1100℃で1時間焼成した。このようにして得られ
た焼成体を粉末X線回析法により評価した。この結果、
焼成体がβ−TCP相(Whitelockite)およびチタン酸
カルシウム相(Perovskite)のみで構成されたβ−TC
P−CaTiO3 複合体であることが確認された。
【0018】
【発明の効果】以上説明した如くに、本発明のβ−リン
酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体は、β−T
CPの結晶転移点よりも低い温度で焼成することによ
り、β−TCPおよびチタン酸カルシウムとを十分に複
合化することができる。これにより、α−TCP相を含
まないβ−リン酸三カルシウム相およびチタン酸カルシ
ウム相のみからなる複合体を製造できる。このような複
合体は、インプラントとして用いる場合に、その用途お
よび埋入される部位に応じて、骨吸収性および生体活性
を容易に制御することができる等顕著な効果を有するも
のである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アパタイト粉末またはβ−リン酸
    三カルシウム粉末を含有する水酸化アパタイト粉末と酸
    化チタンとを混合した後、焼成してβ−リン酸三カルシ
    ウム−チタン酸カルシウム複合体を得ることを特徴とす
    るβ−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体
    の製造方法。
JP4112602A 1992-05-01 1992-05-01 β−リン酸三カルシウム−チタン酸カルシウム複合体の製造方法 Withdrawn JPH05306108A (ja)

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