JPH0530602U - ラツク支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体形状をコンパクトに収めることのできる
ラック支持構造を提供する。 【構成】 ラック２の背面に摺接するホルダ１１とハウ
ジング１内に一体形成されたばね受１Ｂ₀ との間に、皿
ばね１３およびシム１２が介装されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はラック支持構造、特に自動車の操舵装置に用いられるラック支持構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、かかる操舵装置のラック支持構造としては、例えば実開昭５８−１６９ ２５６号公報に記載されたものが知られている。

【０００３】 このものは、ギアボックス内に回転自在に支持されたピニオンと、該ピニオン と噛み合って軸線方向に移動可能なラックとを設けると共に、該ラックの背面に 摺動接触した弾発プランジャーと、この背後にギアボックスに螺着された蓋体に 受けられた皿バネとを設け、蓋体の螺合代を変えることにより、ラックおよびピ ニオンのバックラッシュを調整するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来のものにあっては、ギアボックスに螺着された蓋体 でもって、バックラッシュの調整を行うようにしており、ギアボックスにおける この蓋体の螺合部位が本体部から突出する構成をとらざるを得ないことから、全 体的な構成が大きくならざるを得ないものであった。

【０００５】 特に、このようなラック支持構造を４輪操舵車両の後輪側に用いるような場合 には、その取付のためのスペースが狭く、他の部材、例えばディファレンシャル ギアケース等と干渉するという問題がある。

【０００６】 本考案の目的は、全体形状をコンパクトに収めることのできるラック支持構造 を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案はハウジング内に回動自在に支承されたピ ニオンと、該ピニオンに噛合し軸線方向に移動自在なラックと、該ラックの背面 に摺接するホルダとを備え、該ホルダと前記ハウジング内に一体形成したばね受 けとの間に、皿ばねおよびシムのみを介装したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、ラックの背面に摺接するホルダとハウジング内に一体形成さ れたばね受との間には、皿ばねおよびシムのみが介装される。

【０００９】 従って、ハウジングに余分な突出部を形成する必要がなく全体形状をコンパク トに収めることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添附図面を参照しつつ説明する。

【００１１】 以下、本考案にかかるラック支持構造を４輪操舵車両の後輪操舵装置に適用し た実施例につき説明する。

【００１２】 図において、１はハウジングであり、本実施例にあっては、ラック２を軸方向 に移動自在に収容し案内する筒状部１Ａと、該筒状部１Ａのほぼ中心に位置しラ ック２に噛合するピニオン３を支承するギア収容部１Ｂと、該ギア収容部１Ｂに 連続し後述する伝達方向変換のためのハイポイドギア対を収容する円筒状部１Ｃ とを有している。

【００１３】 そして、ラック２の両端には、周知の如くボールジョイント４，４が設けられ 、不図示のタイロッドやナックルアームを介して後輪を操舵するようになる。

【００１４】 本実施例では、ピニオン３にハイポイドギア５が一体的に形成されている（以 下、この一体の両者を総称するときはピニオン構成体３５と呼ぶ）。ハイポイド ギア５にはハウジング１に固設されるモータ６により駆動されるハイポイドピニ オン７が噛合している。

【００１５】 なお、８はハウジング１の円筒状部１Ｃの開口を覆蓋するカバーでありボルト ９により締着され、１０は同じくギア収容部１Ｂの開口を覆蓋するカバーであり 圧入される。

【００１６】 １１はラック２の円弧状背面に摺接するホルダであり、該ホルダ１１とハウジ ング１のギア収容部１Ｂの底面に形成したばね受１Ｂ₀ との間にはシム１２と皿 ばね１３とが介設されている。

【００１７】 さらに、１４も同じくシム、１５，１６および１７はピニオン構成体３５をハ ウジング１内に回動自在に支承するためのニードルベアリング、１８はディファ レンシャルギアである。

【００１８】 上記構成になる本実施例において、その組付作業に際しては、まずハウジング １のギア収容部１Ｂ底面のばね受１Ｂ₀ に皿ばね１３，シム１２，およびホルダ １１を順次載置し、ラック２を筒状部１Ａに挿入する。そしてラック２を皿ばね １３の付勢力に抗って押さえ込みつつ、ニードルベアリング１５および１６が装 着されたギア収容部１Ｂにピニオン構成体３５を挿入し、ラック２と噛合させる 。このとき、バックラッシュが適正値でなければシム１２を取変え上述の作業を 再度行う。そして、シム１４およびニードルベアリング１７を装着してピニオン 構成体３５の位置決めが完了した後に、ハイポイドピニオン７とハイポイドギア ５との噛合調整を行う。

【００１９】 本実施例では、モータ６の回転運動は、ハイポイドギア対でもって減速され、 ピニオン構成体３５を介してラック２の直線往復運動に変換され、後輪の操舵が 行なわれるのである。

【００２０】 本実施例によると、ラック２の背面側の寸法を著しく小さくすることができ、 ディファレンシャルギア１８との干渉を容易に避けることができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ラックとピニオンとのバッ クラッシュの調整がホルダと皿ばねとシムのみにて行なわれるので、ハウジング に余分な突出部を形成することがなく、全体をコンパクトにすることができる。 また、部品点数や重量が減少するので安価にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を後輪操舵装置に適用した一実施例を示
す平断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。但し、ピニオ
ン構成体は一部半断面で表示している。

【符号の説明】

１ ハウジング １Ｂ₀ ばね受 ２ ラック ３ ピニオン ５ ハイポイドギア ６ モータ ７ ハイポイドピニオン １１ ホルダ １２ シム １３ 皿ばね ３５ ピニオン構成体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング内に回動自在に支承されたピ
   ニオンと、 該ピニオンに噛合し軸線方向に移動自在なラックと、 該ラックの背面に摺接するホルダとを備え、 該ホルダと前記ハウジング内に一体形成したばね受けと
   の間に、皿ばねおよびシムのみを介装したことを特徴と
   するラック支持構造。