JPH0530474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はゼンマイの解旋時において、解旋速度
の変換を容易になし得るようにした玩具用のゼン
マイ駆動機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ゼンマイ駆動機構の解旋時における解旋
速度の変換は伝達歯車を構成する歯車の噛合わせ
を切換えることによつてなされていたものが最も
普及している一般的なものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、ゼンマイ駆動機構は、電動式の
駆動機構に比較して駆動時間も短かいために速度
変換の効果もあまり期待できないものであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記従来技術の問題点を解決するため
になされたものであり、ゼンマイ駆動機構を備え
た基枠に回動レバーの基端を枢支し、前記回動レ
バーには支軸を突設し該支軸には歯車と一体的に
形成した偏心重錘を回転自在に軸支し、前記歯車
は前記ゼンマイ駆動機構を構成する伝達歯車群の
所定の歯車と係脱自在に設けたものである。

〔作用〕

基枠に基端を枢支した回動レバーを回動操作す
ることにより、回動レバーに取付けた歯車がゼン
マイ駆動機構を構成する伝達歯車群の所定の歯車
と噛合し、前記回動レバーに取付けた歯車と一体
的に形成した偏心重錘によつて前記伝達歯車群に
負荷が加わり伝達される回転駆動力が制動されて
ゼンマイ駆動機構の解旋時の速度が減殺されるも
のである。

〔実施例〕

ゼンマイとゼンマイ巻込軸およびゼンマイ巻込
軸に軸着した歯車と噛合する複数の歯車から構成
される伝達歯車群（いずれも図示せず）を収納し
たゼンマイユニツト１は、ケースの側面に前記伝
達歯車群を構成する歯車軸を突設して、該歯車軸
に歯車５を軸着している。また、ゼンマイユニツ
ト１のケース両側部には前記伝達歯車群の歯車と
噛合して回転するクランク３，３が突設されてい
る。そして、このゼンマイユニツト１を両側から
挾持するように一対の基枠７，７が適宜手段によ
つて接合されている。

基枠７，７の中央部には通孔９，９が穿設され
ていて、該通孔９，９にはクランク３，３が挿通
しており、クランク３，３の先端は基枠７，７の
側方に突出している。そして、基枠７の前方には
開口部１２が開設されていて、該開口部１２内に
はゼンマイユニツト１の側面に突設した歯車５が
配設される。そして、基枠７，７の外側面にはピ
ン１０，１０が突設されていて、該ピン１０，１
０は回動レバー５１，５１の基端に穿設した軸受
孔５３，５３に嵌合して回動レバー５１，５１を
回動自在に枢支している。

回動レバー５１，５１の先端側には動物の頭の
形状に模して形成した頭部材４９が形成されてい
る。そして、回動レバー５１，５１は基枠７，７
の両側部を両側から強く圧接した状態に挾持して
おり、頭部材４９の後端縁５０は基枠７，７の上
部に突設したガイド突条１１，１１に当接して摺
動可能であり、突起１３，１３と係合する位置ま
で上動が可能に設けてある。また、回動レバー５
１の内側には支軸５５が突設されており、該支軸
５５には歯車５７と該歯車５７と一体的に形成さ
れ支軸５５に偏心した状態で軸支される円板形状
の偏心重錘５９が回転自在に遊嵌されている。そ
して、頭部材４９を押し下げると回動レバー５
１，５１が下動し歯車５７が前記ゼンマイユニツ
ト１に突設した歯車５と噛合うことになり、偏心
重錘５９が歯車５と噛合する伝達歯車群に負荷を
加えることになり、ゼンマイユニツト１の解旋速
度は減殺されることになる。また、頭部材４９を
押し上げると回動レバー５１，５１が上動し、歯
車５７とゼンマイユニツト１に突設した歯車５は
離間するために、歯車５と噛合する伝達歯車群は
偏心重錘５９の負荷から解放されるためゼンマイ
ユニツト１の解旋速度は高速で解旋されることに
なる。

本考案は動物玩具に実施されたものであり、ゼ
ンマイユニツト１によつて駆動される脚部の駆動
機構について以下に説明する。

基枠７，７の後部には尾部１７が嵌合されてお
り、基枠７，７の通孔９，９から突出したクラン
ク３，３は前脚１９，１９の内側に穿設した軸受
孔３１，３１に回転自在に嵌合している。また、
前脚部１９，１９の上部に設けた円形の凹所３５
内には長孔３３，３３が穿設されていて、該長孔
３３，３３には基枠７，７の外側面に突設したピ
ン８，８が嵌合しており、前脚部１９，１９はピ
ン８，８を支点として回動自在に軸支されてい
る。そして、前脚部１９，１９の中間部に穿設し
た通孔２９，２９にはリンク部材３７，３７の一
方の端部に突設したピン３９，３９が嵌合してい
る。そして、前脚部１９，１９および後脚部４
３，４３の下端にはピン２１…が突設されてい
て、該ピン２１…には足片２３…に形成した軸受
部材２５…が嵌合している。そして、このピン２
１…の先端には弾性材で形成した嵌着子２７が嵌
着して、足片２３の脱落を防止している。

後脚部４３，４３は中間部に通孔４７，４７が
穿設されていて、該通孔４７，４７には基枠７，
７の後部外側に突設した支軸１５，１５が嵌合し
ており、後脚部４３，４３は支軸１５，１５を支
点として回動自在に軸支されている。後脚部４
３，４３の上部内側には軸受孔４５，４５が穿設
されており、該軸受孔４５，４５にはリンク部材
３７，３７の後部に突設したピン４１，４１が嵌
合している。

そして、クランク３３，３３の先端折曲部は
夫々180度異なる方向に折曲げられており、クラ
ンク３３，３３が回転すると左右の前脚部１９，
１９は交互に前方に回動して歩行動作を行うこと
になる。また、前脚部１９，１９とリンク部材３
７，３７で連結された後脚部４３，４３も交互に
回動して歩行動作を行なうように構成されてい
る。

〔効果〕

玩具本体を構成する基枠に枢支した回動レバー
を回動操作することにより、ゼンマイ駆動機構の
解旋時の解旋速度を制御するものであり、簡単な
構造でありながら確実に解旋速度の制御を行なえ
る汎用性のある玩具用ゼンマイ駆動機構を提供で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は分解斜視図、第２図および第３図は駆動機
構の要部を示す平面図である。 １……ゼンマイユニツト、３……クランク、５
……歯車、７……基枠、１２……開口部、５１…
…回動レバー、５９……偏心重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゼンマイ駆動機構を備えた基枠に回動レバーの
   基端を枢支し、前記回動レバーには支軸を突設し
   該支軸には歯車と一体的に形成した偏心重錘を回
   転自在に軸支し、前記歯車は前記ゼンマイ駆動機
   構を構成する伝達歯車群の所定の歯車と係脱自在
   に設けたことを特徴とする玩具用ゼンマイ駆動機
   構。