JPH05304116A - ドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング装置

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JPH05304116A
JPH05304116A JP3176854A JP17685491A JPH05304116A JP H05304116 A JPH05304116 A JP H05304116A JP 3176854 A JP3176854 A JP 3176854A JP 17685491 A JP17685491 A JP 17685491A JP H05304116 A JPH05304116 A JP H05304116A
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新一 田地
Kazunori Tsujimoto
和典 辻本
Sadayuki Okudaira
定之 奥平
Kiichiro Mukai
喜一郎 向
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて高い精度でシリコン基板の溝形成などを
行なうことのできるドライエッチング装置を提供する。 【構成】エッチングすべき試料を置く試料の温度を、冷
却と加熱の併用によって−10℃以下、−160℃以上
の所定の温度に制御して、エッチングを行なう。 【効果】冷却と加熱を併用することにより、極めて正確
に試料台の温度を制御することができ、高精度のエッチ
ングが実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライエッチング装置
に関し、詳しく半導体基板に、高い精度で深溝を形成す
るのに特に有効なドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶シリコンのエッチングについて
は、たとえば、プロシーディング オブ1984 ドラ
イプロセスシンポジウム p.121(1984)(Pr
oc. DryProcess Symposium p.121 (1984))など、多く
報告されており、多くの方法が提案されている。また、
単結晶シリコン基板にドライエッチングによって深い溝
を形成する方法については、たとえば、久礼,他,応用
物理学会,秋期44,講演予講集,1983年,第26
3頁などに示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のSiエッチ
ングは、CCl4,SiCl4等の塩化物ガスもしくはC
BrF3などの臭化物ガス等を主反応ガスとして使って
行なわれているが、エッチング速度が約1000Å/分
と遅く、例えば、溝巾1.0μm,深さ3μmの溝を形
成するためには30分要し、かつ、エッチングに要する
時間が長いため、エッチングの途中におけるマスクの後
退によって、溝の幅も0.1μm程度変化してしまい、
溝を高い精度で形成するのは困難である等の問題があっ
た。またエッチングの際に用いられるマスクについて
も、30分間のエッチングに耐えるだけの膜厚を持った
マスクパターンを形成しなければならず、マスクの材料
としても、十分なエッチング耐性を有する材料を使用す
ることが必要であった。
【0004】本発明の目的は、上記従来の問題を解決
し、極めて高い精度の加工が可能で、溝幅が小さく、か
つ、アスペクト比の大きな溝を高い精度で迅速に形成す
ることのに特に好適なドライエッチング装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エッチすべ
き試料を置くための試料台の温度を、加熱手段と冷却手
段を併用して、−10℃以下、−160℃以上の所定の
温度に制御することによって達成される。
【0006】
【作用】ドライエッチングでは、プラズマ中に発生した
正イオン,中性粒子等が被エッチング物表面に入射し、
表面原子と反応する正イオンは被エッチング物に対し垂
直に入射するが、中性粒子は熱運動であり方向性はな
い。ここで、エッチングされる表面を、図1に示すよう
に、マスク30の水平面A,マスク30の側面B,被エ
ッチング物31の底面C,被エッチング面の側面Dに分
けて、各面でのエッチング現象を取り扱かうことができ
る。エッチング時には、水平な面AとCにはプラズマ中
の正イオンと中性粒子(ガス分子,解離した中性原子,
分子)が入射し、いわゆるイオンアシスト反応が起きて
いる。一方、側面であるBとDでは、第一近似として
は、プラズマ中で解離した電気的に中性の原子,分子が
入射するだけでイオンの入射はない。但し、ガス圧力が
0.1Torrから1Torrと高くなると、ガス分子とイオン
との散乱により側面にもイオンが入射する現象が起こ
り、第一近似が成り立たなくなる。したがって、第一近
似の成立する範囲として0.1Torr以下の圧力を考え
る。ただし0.1〜0.5Torrにおいても散乱されるイオ
ンの量が少なく第一近似を行なって実用上支障はない。
【0007】第一近似の成り立つ場合、側面B,Dで
は、ガス分子とガス分子が解離してできた原子、分子が
表面原子と反応する。これに対し、水平面AとCでは上
記原子と分子とイオンとの相乗効果による表面原子のエ
ッチング反応がすすむ。いずれの反応においても、表面
に吸着した化学的に活性な粒子が表面原子と反応し、蒸
気圧の高い反応生成物を形成して、表面から脱離し、ガ
ス状になって排気されることにより表面のエッチュング
がすすむ。ここで、エッチングでは固体表面との反応性
が高くても、反応生成物の蒸気圧が著しく低い場合は、
表面から生成物が脱離せず、固体表面に残ってエッチン
グの進行が阻害されることになる。また、ガス分子は表
面に入射しても反応せず、その分子の状態で脱離し排気
され、直接エッチングに寄与しない。反応生成物の蒸気
圧は、被エッチング物である固体表面の温度に依存する
ので、エッチング時には温度が重要な因子である。反応
確率も温度に依存するので、エッチング速度は温度によ
って変化する。
【0008】通常のエッチングにおいては、被エッチン
グ物は水冷(約15℃)された試料台上に載置され、プ
ラズマにさらされる。したがって、被エッチング物やマ
スクの側面B,Dでは、その水温における活性種の反応
確率と反応生成物の蒸気圧によって、エッチング速度の
大小が決まることになる。
【0009】例えば、反応種がF原子、被エッチング物
の表面原子がSiである場合の反応確率は約0.01で
あり、反応生成物の蒸気圧は、エッチングガス圧の10
6倍以上である。これらの値とF原子がプラズマ中では
多量に発生していることを考え合わせると、水冷したエ
ッチングでは大きなSiの側面Dのエッチングが起るこ
とになる。マスク材として有機レジストを使ったときに
も、F原子との反応確率がSiの場合と同程度となっ
て、マスクの側面もエッチングが起る。すなわち、F原
子が活性種となる放電を用いた場合、マスクとSiの両
方とも、著しいサイドエッチングを起こすことになり、
微細加工性がそこなわれてしまう。また、少量のF原子
によりエッチングを行なう場合でも、側面でエッチング
が大きくない反面、底面であるA,C面のエッチングも
遅くなり、両者は相殺されて、結局サイドエッチングは
大きくなってしまう。
【0010】上記説明から明らかなように、水冷しただ
けの被エッチング物では、F原子が活性種となるエッチ
ングによって高精度の微細加工を行なうのは困難であ
る。そのため、従来、溝型キャパシターや素子間分離な
どに用いられ微細な溝を形成するためのエッチングで
は、弗素系ガスは使用されず、塩素系ガスや臭素系ガス
が使われている。これは、水冷温度においてもプラズマ
中に発生する塩素原子や臭素原子とSi、レジストの反
応確率が弗素原子とSiの反応確率の1/100以下で
非常に小さく、かつ、反応生成物の蒸気圧が、十分高い
ので、サイドエッチが起り難いためである。
【0011】水平面A,Cでは、イオンもエッチングに
関与し、イオンアシスト反応が起きる。エッチングの反
応確率は、イオンのもつエネルギーにより反応が活性化
されて大きくなる。ジャーナル オブ バキューム サ
イエンス アンド テクノロジB,No. (2)(19
86)459−467(J. Vac, Sci, Technol B4, No.
(2) (1986) 459-467)に記載されているようにイオン照
射面では、弗素系ガス,塩素系ガス,臭素系ガスの全て
の場合でエッチング反応確率は、0.1〜0.5と同程度
であって、深さ方向のエッチング速度は、F,Cl,B
i原子とSiの反応では、大差ないことになる。しか
し、同論文でも述べられているように、CCl4,Si
Cl4,CBrF3もしくはC2Br24などをエッチン
グガスとして用いると、これらのガスには、ガス分子中
にハロゲン元素のほかにCやSiが含まれており、エッ
チング中に被エッチング物の表面にCやSiが堆積し、
Siのエッチングを阻害する大きな要因となる。すなわ
ち、単結晶Siのエッチングに、上記ガスをエッチング
ガスとして用いると、深さ方向のエッチング速度は、1
000Å/分程度と非常に小さくなる。一方、マスクの
水平面Aでは、同様のイオンアシスト反応が有機膜の表
面で起りエッチング速度は500Å/分程度と大きいの
で、深い溝を形成するときにはSiO2などのエッチン
グ耐性の高い厚い膜をマスクとして用いることが多かっ
た。
【0012】しかし、SiやCを含まないエッチングガ
スを用い、かつ、被エッチング物の温度を上記のように
低くしてエッチングを行なうことにより、上記問題はす
べて解決され、サイドエッチを効果的に防止しながら、
極めて迅速にエッチングを行なうことができる。
【0013】すなわち、エッチングガスがSiやCを含
まないため、エッチングの際に被エッチング表面上での
堆積物の堆積が無く、深さ方向のエッチング速度が大き
くなって、深い溝を迅速に形成できる。また、上記のよ
うな低温に被エッチング物が保たれた状態でエッチング
が行なわれるため、シリコンのサイドエッチが著しく減
少するばかりでなく、マスクのサイドエッチも著しく減
少できるので、レジスト膜をマスクに用いて高い精度の
エッチングを行なうことが可能である。この場合、レジ
スト膜表面のエッチング速度も、低温になるほど低下す
ることが認められ、レジスト膜の膜厚をあまり大きくす
る必要はないことがわかった。
【0014】本発明者の検討によれば、単結晶シリコン
と弗素原子との反応確率は、被エッチング物の温度が2
0℃において、0.008±0.003であるが、−20
℃では、0.005±0.003となり、−40℃で、
0.002±0.001となり、−60℃では、0.00
08±0.0005となって、−60℃に冷却すると2
0℃の値の1/10となることが認められた。
【0015】弗素ガスおよび弗化物ガスのプラズマを用
いたシリコンのエッチングでは、この弗素原子とシリコ
ンの反応確率が小さくなると、サイドエッチング量が、
これに対応して減少し、被エッチング物の温度を下げる
ことが、サイドエッチングを減少させるのに極めて有効
であることがわかった。すなわち、反応確率が1/10
になると、サイドエッチング量も1/5〜1/10に減
少し、従来の方法では困難であった幅が小さく、アスペ
クト比の大きな溝を高い精度で形成できることが確めら
れた。したがって、弗素を含むガスを用いたシリコンの
異方性加工には被エッチング物を−60℃以下の温度と
するのが好適である。このような低温では、プラズマか
らの粒子が、冷却された被エッチング物の表面に吸着し
やすくなる。深さ方向のエッチング速度は、この吸着量
の増加によって増大する。すなわち、被エッチング物が
上記低温になると、シリコン基板の表面に吸着する弗素
の量は著しく増加するが、吸着された弗素に、プラズマ
からのイオンが照射されると、イオンの有するエネルギ
によって、弗素とシリコンのエッチング反応が行なわれ
る。この場合、シリコン基板表面に吸着された弗素の量
が多いほど、上記エッチングの速度が大きくなるのは、
いうまでもないことであり、その結果被エッチング物で
あるシリコン基板を−60℃以下に冷却することによっ
て、エッチング速度が大きく、かつ、異方性加工ができ
るという2重の効果が得られる。
【0016】塩素原子とシリコンの反応確率は、20℃
において10~3〜10~4であり、この確率が1/10と
なる温度は−40℃であった。従って、塩素ガスまた
は、塩素化合物ガスを用いて、エッチングする場合は、
−40℃以下にすると高速かつ異方性のすぐれた加工が
できる。
【0017】臭素原子とシリコンでは、反応確率が20
℃における反応確率1/10となる温度は−10℃であ
った。したがって臭素ガスまたは臭化物ガスプラズマに
よりシリコンを高速異方性エッチングする時には、被エ
ッチング物の温度を−10℃以下に保持することが好ま
しい。
【0018】上記のように、ハロゲンの種類により、温
度域が異なるのは、各々のハロゲン原子とシリコンの反
応の活性化エネルギーが異なることによる。弗素原子
は、活性化エネルギーが最も低く、塩素,臭素の順で大
きい。このため、臭素を含むガスの場合で、エッチング
に適する温度が、他のハロゲンより高くなる。
【0019】エッチングを速く行ない得ることは、所要
時間の短縮につながる。高速化にはエッチングに寄与で
きる粒子を増やすことが必要であり、低温になるほど被
エッチング物表面のハロゲン原子の吸着量が増えるとい
う低温特有の現象により、高速化が達成される。
【0020】上記のように、SiおよびCを含まず、
F,ClおよびBrの少なくとも一種を含むガスが、エ
ッチングガスとして好ましい。
【0021】このようなガスとしては、たとえば、
2,SF6,NF3,PF3,Cl2およびBr2などがあ
り、これらのガスを単独もしくは複数種使用できる。
【0022】エッチング装置としては、周知の平行平板
形エッチング装置やマイクロ波プラズマエッチング装置
などを使用できる。また、ガス圧力なども、従来用いら
れた値を使用できる。
【0023】
【実施例】
〈実施例1〉図2は、単結晶シリコンの低温エッチング
を行なうために用いた平行平板型高周波放電プラズマエ
ッチング装置の一例を示したものであり、被エッチング
物8は冷却された試料台7上に載置され、プラズマによ
り処理された後、後処理室2へ搬送される。上記真空容
器1内にもうけられた冷却試料台7は、ヒータ9と冷媒
10を用いて加熱と冷却を行ない熱電対18の出力を制
御することにより被エッチング物8の温度が制御され
る。ガスプラズマは、ガス導入口4からガス導入と高周
波電力11の印加によって発生し、被エッチング物8を
エッチングする。温度制御は、熱電対18の出力検出器
19とフィードバック機構22により冷媒供給制御系2
3とヒータ電源12を動作させることにより行なう。被
エッチング物8はエッチングした後、後処理室2に移
し、石英台16上で加熱機構15により加熱処理を行な
うことができる。
【0024】本装置を用いて、有機レジスト膜をマスク
として単結晶シリコンの深溝エッチングを行なった。こ
こで深溝エッチングとは、幅1.0μm以下のマスクを
用い、エッチングの深さが開口部の寸法の2倍以上とな
りさらに、サイドエッチングが加工幅の1/10以下で
あるエッチングを示すことにする。
【0025】エッチングガスとしてF2ガスを用い、ガ
ス圧力100mTorr,入力電力300W,流量10sccm
とし、シリコン基板温度を−100℃以下にしてエッチ
ングを行なうことにより、1.0μmのマスク幅でマス
ク間隔1.0μm,深さ2.0μmのエッチングをサイド
エッチング幅0.05μmで行なうことができた。入力
電力を400Wおよび500Wと大きくし、他の条件を
変えない場合の最適温度範囲は各々−90℃以下、−8
0℃以下となった。入力電力を400Wとし、ガス圧力
を、80mTorr,60mTorr,40mTorr,20mTor
r,10mTorr,6mTorrと低下させた場合では、上記
良好なエッチングが各々−85℃,−80℃,−75
℃,−73℃,−70℃,−60℃以下において達成さ
れ、ガス圧力を低くするほど、温度範囲が広くなること
がわかった。すなわち、F2ガスによりSi深溝形成を
行なうには、−60℃以下の低温に保ち、入力電力を大
きく、かつガス圧力を低くすることが好ましかった。し
かし、深さ方向エッチング速度は、ガス圧力が高く、入
力電力が大きい方が、大であった。300W,10mTo
rr,−70℃においては、2500Å/minであった。
100mTorrでは5000Å/min以上のエッチング速
度であった。
【0026】温度を−90℃以下に保てばサイドエッチ
ング幅を0.03μm以下にできることが認められた。
一方、−150℃以下になるとSiF4の蒸気圧が低下
するため、より高いイオンエネルギーをもつイオンが必
要となり、低ガス圧と高入力電力を必要とした。
【0027】F2ガスは低温エッチングに用いるとSi
深溝加工のエッチング速度,サイドエッチングの両面で
優れたガスであることが認められた。
【0028】マスクとしては有機レジスト膜が使用で
き、SiO2等をマスクとして使用した場合より著しく
工程数を減じることができた。
【0029】〈実施例2〉SF6を主放電ガスとしてプ
ラズマエッチングを行なう場合、ガス圧力100mTor
r,入力電力300Wのでは、冷却温度を−100℃以
下にすると、深さ2μm、幅1μmの溝を、単結晶シリ
コン基板にサイドエッチング幅0.05μmで形成でき
た。この場合のエッチング速度は、4000Å/min以
上であり、従来の深溝形成に要する時間を1/4にする
ことが可能であった。F2ガスに比較するとエッチング
速度は20%程度小さいことがわかった。ガス圧力を変
化させるとF2ガスの場合と同様、深溝加工に適する温
度が変わる。サイドエッチング量0.05μmを達成さ
せる時の上限温度は、図3曲線aのようであった。曲線
aの下の領域が深溝エッチングに好適な温度領域であ
る。このエッチング温度域は、入力電力を変化させると
変わる。入力電力が300Wから400Wと大きくなる
と、同じガス圧力下でも温度が約10℃高い温度でも深
溝の形成が可能であった。500Wでは、300Wに比
して約15℃高い温度でも深溝を形成できた。すなわ
ち、入力電力を高くすることにより、さらに広い温度範
囲での深溝形成が可能であることが認められた。エッチ
ング速度の面からも、入力電圧を高くすることが好まし
いが、過度に高くすると、選択比(下地やマスクのエッ
チング速度とシリコンのエッチング速度の比)が小さく
なってしまうので、入力電圧をあまり大きくするのは避
けた方がよい。
【0030】SF6ガスプラズマをエッチングに用いた
場合も、有機レジスト膜をエッチングマスクとして使用
して、良好なエッチングのできることが認められた。
【0031】〈実施例3〉NF3ガスを主放電ガスとし
て使用した場合、シリコンのエッチングはF2を用いた
場合と類似の傾向が見られた、SF6を用いた場合に比
べると、SF6では表面にSの堆積が生ずるのに対し、
NF3中のNはN2となって排気されるためエッチング速
度が大きく、表面汚染も非常に少ない、という利点があ
る。
【0032】良好な深溝エッチングは、反応ガスの圧力
と被エッチング物の温度を図4曲線bの下の領域内に選
べばよいことがわかった。図4は入力電力を300Wと
したときに得られた条件であり、入力電力が大きくなる
と、曲線bよりも温度を約10度高くしても良好な深溝
のエッチングが可能であった。
【0033】マスクとしては、有機レジスト膜が使用で
き、F2,SF6をガスに用いた場合と同様に、従来の深
溝加工の際にマスクとして使用されたSiO2にくら
べ、工程数を大幅に減少できた。
【0034】PF5を主放電ガスとした場合は、SF6
スを用いた場合と類似の結果が得られ、Si深溝加工用
ガスとして使用できる。良好な結果の得られる条件は図
3に示したSF6を用いたときとほぼ等しいことが認め
られた。
【0035】上記F2,SF6,PF5,NF3を加工幅
1.0μm以下の深溝Siエッチングに用いると、エッ
チング速度が大きく、サイドエッチング幅も0.05μ
m以下と極めて小さいので、微細な溝を高い精度で迅速
にエッチするのに特に好適であることが認められた。
【0036】〈実施例4〉本実施例は、Cl2ガスを主
放電ガスとして用いて単結晶シリコンの深溝エッチング
を行なった例である。本実施例においても上記実施例と
同程度の深さ方向エッチング速度が得られ、さらに、サ
イドエッチング幅を弗素系ガスを用いたときのサイドエ
ッチング幅の1/2以下とすることができた。また、マ
スクとして有機レジスト膜が使用でき、そのエッチング
速度は、弗速系ガスを使った場合よりも50〜70%程
度小さくなった。
【0037】すなわち、Cl2ガスは加工幅よりも加工
深さの深い単結晶Siのエッチングに極めて有効であ
る。入力電力を500Wとしてシリコン基板に深い溝を
形成するのに好適なCl2ガスの圧力と被エッチング物
濃度の範囲は、図5直線cと直線dではさまれた領域で
ある。Cl2ガスは−130℃で約0.11Torrの蒸気圧
となるため、−130℃以下ではエッチングが困難であ
った。直線cと直線dではさまれた領域内では好適なエ
ッチングが可能であり、入力電力を高くして400Wと
した場合では、下限温度が直線dより約5度下がるとと
もに、上限温度が直線約5℃高くなり好適な範囲が広く
なることがわかった。より低い入力電力では温度上限が
やや下がり、下限温度がやや上がるが、両直線ではさま
れた領域内では深溝エッチングが可能であった。
【0038】〈実施例5〉本実施例ではBr2ガスを主
放電ガスとして、Siの深溝エッチングを行なった。
【0039】入力電力300W,ガス圧力を6.5mTor
r、被エッチング物に温度を−60℃としたとき、加工
幅0.5μm,エッチング深さ4μmの加工を約10分
で行なうことができ、その際に生じたサイドエッチの幅
は0.05μmであった。Br2ガスを使った場合に好適
な結果の得られる被エッチング物の温度範囲は−10℃
から−100℃であった。−100℃以下では、Br2
ガスが被エッチング物の表面に堆積が生ずるので、−1
00℃以下にするのは避けた方がよい。
【0040】〈実施例6〉F2,SF6,PF5,BF3
Cl2,Br2ガスを、それぞれ単独で使用しても深溝エ
ッチングが可能であるが、エッチング速度向上と高選択
比の点から、複数ガスを混合して使用すると、さらに好
ましい結果が得られる。エッチングに好適な被エッチン
グ物の温度範囲は、混合するガスの各々の上限温度の低
い方の温度以下とすれば、非常に好ましい結果を得られ
ることがわかった。
【0041】複数種のガスを時間的に交互に導入する方
法も選択比の向上に極めて有効であることが確認され
た。
【0042】〈実施例7〉上記実施例1〜6は、いずれ
も図2に示した平行平板形のエッチング装置を用いて得
られた例であるが、本実施例では、図6に示したマイク
ロ波エッチング装置を用いた。本装置は、周知のマイク
ロ波エッチング装置に新たに、被エッチング物1′を低
温に保つための冷却機構を設けたものであり、本実施例
では、液体窒素デュワー2′により、上下移動機構のつ
いた試料台3′に液体窒素を送りこみ被エッチング物
1′を低温に保った。またヒータ4′により同時に加熱
し、温度制御性を良くした。試料台3′には同時に高周
波電圧が印加でき、これにより被エッチング物1′にバ
イアスを印加することもできる。また、試料台3の表面
は被エッチング物載置面を除き、テフロンで覆った。こ
のテフロンは、冷却面が直接ガスに接触しないようにす
るためのものであるが、通常は、テフロンを使用せず、
試料台3′の表面を露出させてもよい。また、液体窒素
による冷却以外でも、被エッチング物をの所定の温度以
下に保持できる方法であれば、同様に使用できる。
【0043】エッチングガスとしてF2ガスを用い、上
記マイクロ波エッチング装置によって単結晶シリコンの
エッチングを行なった。バイアス電圧を150Vとして
エッチングを行なった場合、10~4Torrから1Torrまで
のガス圧力域では、第7図に示した曲線lと直線fには
されまた領域において、良好な深溝形成を行なうことが
できた。本実施例では、幅が1.0μm以下、深さが幅
の少なくとも2倍以上の溝を、高い精度で迅速に形成で
き、その時のサイドエッチ幅はエッチング幅の1/10
以下とすることができた。
【0044】被エッチング物の温度を−130℃に保
ち、ガス圧力を100mTorrとし、バイアス電圧を15
0Vとすると、エッチング速度は1μm/分となった。
この値はVf放電の約2倍のエッチング速度であり、深
溝形成の処理時間低減にさらに効果的であることが確め
られた。
【0045】したがって、枚葉式エッチング装置に新た
に、低温試料テーブルを設けた装置が、スループット向
上に著しく効果的であり、特に6インチ径以上のシリコ
ン基板の処理に有効であった。
【0046】〈実施例8〉SF6,PF5,NF3,Cl2
をそれぞれエッチングガスとして用いても、マイクロ波
低温エッチングによってSiに深溝を形成することが可
能であった。いずれのガスを用いても、−80℃〜−1
60℃の温度範囲でバイアス印加を−50V以上とする
ことにより、エッチング速度が5000Å/分以上で、
かつサイドエッングがエッチング幅の1/10以下の深
溝加工を行なうことができた。バイアスで−50Vより
低いと、エッチング速度が小さくなるが、ダメージが非
常に少なくなるので、エッチングの際のダメージを極度
に少なくする必要があるときは、バイアスを低くしてエ
ッチングを行なうようにすればよい。
【0047】〈実施例9〉Br2ガスにと上記マイクロ
波低温エッチング装置を用いた場合、試料温度範囲−1
0〜−60℃において、良好な深溝形成を行なうことが
できた。
【0048】上記実施例7〜9においても有機レジスト
膜をエッチングマスクとして使用できる。したがって深
溝を形成する際に、SiO2をマスクに用いた従来の方
法よりも工程数の低減が可能である。単結晶シリコン基
板に深い溝を形成し、これをキャパシターや素子間分離
用のアイソレーション溝として用いることが、半導体装
置の集積密度向上に極めて重要になった来た。上記実施
例1〜9から明らかなように、本願発明は、これら、ト
レンチキャパシターやU型アイソレーションの実現に特
に有効である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、エッチング速度を高速
化でき、かつ、エッチングマスクとして有機レジスト膜
が使用可能となるので、単結晶シリコンの深溝加工の処
理時間短縮と工程数低減に著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】低温ドライエッチングを説明するための模式
図。
【図2】本発明の一実施例を示す図。
【図3】被エッチング物の温度とガス圧力の好適範囲を
示す図。
【図4】被エッチング物の温度とガス圧力の好適な範囲
を示す図。
【図5】被エッチング物の温度とガス圧力の好適な範囲
を示す図。
【図6】本発明の他の実施例を示す図。
【図7】被エッチング物の温度とガス圧力の好適な範囲
を示す図。
【符号の説明】
1…真空容器、2…後処理室、3…ゲートバルブ、4…
処理ガス供給口、5…メタルOリング、6…石英カバ
ー、7…試料台、8…試料(ウェーハ)、9…シースヒ
ーター、10…液体窒素、11…RF電源、12…ヒー
ター用電源、13…試料台、14…冷却ガス供給口、1
5…加熱用ランプ、16…石英台、17…テフロン台、
18…温度センサー、19…温度計、20…絶縁物、2
1…液体窒素容器、22…フィードバック回路、23…
ガス供給制御系、1′…試料、2′…液体窒素デュワ
ー、3′…試料台、4′…ヒーター、5′…ガス、6′
…ゲートバルブ、7′…後処理交換室、8′…マグネッ
ト、9′…導波管、10′…プラズマ、11…マグネト
ロン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/46 9014−2G (72)発明者 向 喜一郎 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器と、該真空容器内の所定の位置に
    エッチすべき試料を配置するための試料台と、エッチン
    グガスのプラズマを発生させる手段と、上記試料台の温
    度を−10℃以下、−160℃以上の所定の温度に制御
    する手段を少なくとも有することを特徴とするドライエ
    ッチング装置。
  2. 【請求項2】平行平板形エッチング装置であることを特
    徴とする請求項1記載のドライエッチング装置。
  3. 【請求項3】マイクロ波プラズマエッチング装置である
    ことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング装
    置。
  4. 【請求項4】上記冷却は冷媒によって行なわれることも
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドライエ
    ッチング装置。
  5. 【請求項5】上記冷媒は液化ガスであることを特徴とす
    る請求項4記載のドライエッチング装置。
  6. 【請求項6】上記試料台を加熱する手段はヒータである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のド
    ライエッチング装置。
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