JPH0530249U - 建機の操縦部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 運転席１１の横に配備する掘削作業装置２の
十字操作レバー１３を頂部に備えた操縦塔１５を、後部
の左右軸心Ｐ周りの揺動移動により、乗降用通路Ｓに張
り出た使用姿勢と、乗降用通路Ｓからの乗降が可能にな
るべく後方に振り上げ揺動退避した乗降姿勢とに姿勢変
更自在に構成するとともに、操作レバー１３を操縦塔１
５に対して前後スライドしてセット位置調節が可能に構
成する。 【効果】 バックホウにおいて、操縦者の体格に合わせ
て操作具の位置を前後アジャストできるようにしなが
ら、操縦塔の姿勢変更による良好な乗降性と有効な機外
落下牽制効果を奏するようにできた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バックホウやホイールローダといった建機に係り、詳しくは、運転 席の横側方箇所に、作業装置の操作具を頂部に備えた操縦塔を配備してある操縦 部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の操縦部構造として、実開平２−７８６５３号公報に示されたもののよ うに、操作具部分を操縦塔本体に対して前後にスライド調節自在に構成されたも のがある。これにより、操縦者によって異なる体格に合わせて操作具のセット位 置をアジャストでき、良好な操縦姿勢を得られる利点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、バックホウ等の建機では、乗降時には広い乗り降り通路を提供し、 かつ、作業操作時での乗降通路からの不測の機外落下を防止できれば好都合であ り、そのため、上記技術を応用して、つまり操作具部分の前後スライド量を長大 化させて、該操作具が乗降用通路に張り出た使用姿勢と、後方に退避して広い通 路を確保可能なた乗降姿勢とに姿勢変更自在とすることが考えられた。 しかしながら、操作具は操作機構やそのための部品類を伴う構造上、現実には 操縦塔に対してあまり長い距離で前後スライドさせるのが技術的に困難であり、 使用姿勢と乗降姿勢とに姿勢変更できるまでに至れなかった。 本考案は、操縦塔部分の構造工夫により、体格に見合った操作具の位置調節が できながらも操縦塔を使用姿勢と乗降姿勢とに姿勢変更できるようにさせること を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的の達成のために本考案は、建機の操縦部構造において、運転席の横側 方箇所に、作業装置の操作具を頂部に備えた操縦塔を配備し、この操縦塔を、こ れの前側に位置する乗降用通路に張り出た使用姿勢と、乗降用通路からの乗降が 可能になるべく後方に退避した乗降姿勢とに姿勢変更自在に構成するとともに、 操作具を操縦塔に対して前後方向に平行移動しての位置調節が可能に構成してあ るとを特徴とする。

【０００５】

【作用】

これによれば、操縦塔自体を前後に移動させるようにしたので、十分な前後移 動量を採ることが可能であり、操縦塔全体をして不測の機外落下を牽制する使用 姿勢と、広い乗り降り通路を提供する乗降姿勢とに姿勢変更可能になる。 そして、操作具を操縦塔に対して前後方向に平行移動させることが可能である から、操縦塔が使用姿勢にあるときに操作具の位置を前後調節することで、操作 具の設定角度を変えることなく体格に見合う良好な操作具のセット位置を選択し て設定することも可能である。

【０００６】

【考案の効果】

従って、操作具を平行に前後移動調節させる構造と、操縦塔の姿勢変更構造を 組み合わせた工夫により、操縦者の体格に合わせて操作具の位置を前後アジャス トできるようにしながら、操縦塔の姿勢変更による良好な乗降性と有効な機外落 下牽制効果を奏する建機の操縦部構造を提供できた。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を建機の一例であるバックホウの操縦部について図面 に基づいて説明する。 図３に本発明によるバックホウを示している。このバックホウは、走行機台Ｆ 上に縦軸心周りで全旋回自在に旋回台１を搭載するとともに、この旋回台１に掘 削作業装置２を取り付け、上部に運転部３を配設してある。 掘削作業装置２は、３個の油圧シリンダ５，６，７により各別に揺動駆動され るブ−ム８、ア−ム９および、バケット１０から成り、この掘削作業装置２およ び旋回台１の駆動操作は、運転席１１の両横位置に配設したジョイスティック型 の十字操作レバ−（操作具い相当）１２，１３で各シリンダ５，６，７の電磁制 御弁を操作する電気制御式に構成してある。尚、ブーム８とアーム９とは、平行 横移動可能な中間部材４を介して連結されている。

【０００８】 図１に示すように、左側の操作レバ−１３を頂部に備えた操縦塔１５をその後 部の左右軸心Ｐでの上下揺動により、運転席１１に対して乗り降りするための乗 降用通路Ｓ側（前方）に寄った使用姿勢（実線の状態）と、振り上げ揺動させて 後方へ退避した乗降姿勢（仮想線の状態）とに切換自在に支持部材１６に取付け てある。これにより、運転席１１への乗降時には操縦塔１５を乗降姿勢にすると ともに、運転席１１に着座しての作業装置２操縦時には操縦塔１５を下降揺動さ せて操縦し易い位置にするのである。 操縦塔１５に取付けたクリップ１７と支持部材１６に取付けたピン１８との弾 性係合機構Ｄによって、操縦塔１５を使用姿勢に係止できるようにしてあるとと もに、操作レバー１３に接続される配線を断続する牽制スイッチ１９を弾性係合 機構Ｄの近くに設けてある。つまり、操縦塔１５が使用姿勢であるときにのみ牽 制スイッチ１９が接続状態となって操作レバー１３が使用できるようにしてあり （操縦塔１５が使用姿勢から少しでも上昇揺動すると牽制スイッチ１９が切りに なる）、操縦塔１５が乗降姿勢等にある場合に誤ってレバー操作しても作業装置 が駆動されないようになる安全装置として機能する。 図１、図２に示すように、操作レバー１３が装備される操縦塔上部１５ａを、 左右軸心Ｐを有した操縦塔下部１５ｂに対して前後方向に平行スライド移動して のセット位置調節が自在に構成してある。すなわち、操縦塔上部１５ａは操縦塔 下部１５ｂのスライドレール２０を跨いで支持され、操縦塔上部１５ａの係合ピ ン２１を操縦塔下部１５ｂに設けたラック２２に係入させることで、セット位置 を複数段に切換設定するのである。尚、２３は係合ピン２１をラック２２から離 脱させるための解除レバーである。 そして、図２に示すように、操縦塔上部１５ａが前方に移動された場合に、グ リースが塗られたスライドレール２０の後部やその付近にある配線等の臓物部品 が見えないように覆うカバー１４が備えてあり、安全性や外観の向上に寄与して いる。 上記実施例では操縦塔１５を後部の軸心で揺動移動させているが、下部に軸心 を持つものや、操縦塔１５も前後スライドするものでも良い。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記す が、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】操縦塔の構造を示す一部切欠き側面図

【図２】操縦塔の前後スライド状態を示す側面図

【図３】バックホウの側面図

【符号の説明】

２ 作業装置 １１ 運転席 １３ 操作具 １５ 操縦塔 Ｓ 乗降用通路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転席（１１）の横側方箇所に、作業装
   置（２）の操作具（１３）を頂部に備えた操縦塔（１
   ５）を配備し、この操縦塔（１５）を、これの前側に位
   置する乗降用通路（Ｓ）に張り出た使用姿勢と、前記乗
   降用通路（Ｓ）からの乗降が可能になるべく後方に退避
   した乗降姿勢とに姿勢変更自在に構成するとともに、前
   記操作具（１３）を前記操縦塔（１５）に対して前後方
   向に平行移動しての位置調節が可能に構成してある建機
   の操縦部構造。