JPH05302214A - ポリエステル/ポリウレタン複合弾性糸 - Google Patents

ポリエステル/ポリウレタン複合弾性糸

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JPH05302214A
JPH05302214A JP3090011A JP9001191A JPH05302214A JP H05302214 A JPH05302214 A JP H05302214A JP 3090011 A JP3090011 A JP 3090011A JP 9001191 A JP9001191 A JP 9001191A JP H05302214 A JPH05302214 A JP H05302214A
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康男 村元
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勉 成瀬
Yoshinori Murafuji
義則 村藤
Yoshiaki Morishige
吉明 森重
Shozo Fujimoto
正三 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸そのものが伸縮性をもち、且つ膠着性がな
くまた後加工での糸の取扱い性が改善された新規な複合
弾性糸、及び更に熱処理により高い収縮性をも発現する
複合弾性糸を提供する。 【構成】 エチレンテレフタレートを主成分とし且つ酸
成分の12〜50モル%がイソフタル酸である共重合ポ
リエステルを鞘とし、ポリウレタン弾性体を芯とした複
合糸であって、該鞘/芯の糸断面における複合比が0.
01〜0.30の範囲である事を特徴とするポリエステ
ル/ポリウレタン複合弾性糸、及び更に、テレフタル酸
60〜88モル%及びイソフタル酸12〜40モル%を
含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール75〜9
0モル%及びジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールの群
から選ばれた少なくとも1種を10〜25モル%含むジ
オール成分とから得られる共重合ポリエステルを鞘とす
ることを特徴とする前記複合弾性糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非エラストマーである
共重合ポリエステルを鞘にポリウレタンを芯にした芯鞘
型複合弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】芯鞘型の複合弾性糸としては、ウレタン
−ウレタン型の弾性糸、例えば特公昭61−14245
号公報が、又ポリアミド−ウレタン型の複合糸、例えば
特公昭55−27175号公報、特公平1−11861
9号公報が知られている。
【0003】従来ウレタン弾性糸は、その特異な特徴を
活かして様々な分野に応用されている。しかしながら、
このウレタン弾性糸は、通常の合繊フィラメントと異な
り、糸同士が融着・膠着して捲き取ったフィラメントを
解舒する際、過大の引出し張力を要するのみでなく大き
な張力変動を生じる。この改善として油剤による方法が
ある。また、ウレタン弾性糸の100℃における熱水収
縮率は、たかだか10数%以下である。この値をあげる
方法としては、熱の有又は無しの条件下延伸処理する方
法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが先に提案
したウレタン−ウレタン型の複合弾性糸は、鞘がウレタ
ンであるためウレタン特有の膠着、高速での捲取り性、
肌触り等の点で難があった。又、ポリエステルとの混用
が難しいという問題もあった。従来のポリアミド−ウレ
タン系の複合糸の場合、捲縮処理を施す事によりはじめ
て糸としての伸縮性が発現するものであり、糸そのもの
が伸縮性を有するものではない。更に、かかる捲縮タイ
プの糸を製造する工程として例えば延伸−弛緩処理が必
要であるため、製品までの時間がかかりすぎるという問
題点があった。また解舒性改善のため油剤を用いる場
合、紡糸時にある程度の膠着を糸に与えないと捲崩れが
生じ長時間の捲取りが不可能になる。逆に膠着をもたせ
た場合には、後工程でのトラブルが続出するため、わざ
わざ捲返しの工程を導入する必要が生じるなどの問題点
がある。すなわち、紡糸時で全く膠着をなくし且つ、長
時間の捲取りが可能でしかも後工程での糸の取扱いが非
常に容易であるようにするには、油剤の微妙な調整だけ
ではとても他の合繊のような操業性は望むべきもないの
が現状である。
【0005】一方、ウレタンの熱水収縮率をあげる方法
として延伸熱処理する方法、例えば120℃の温度下2
〜3倍の条件で処理する場合、熱水収縮率は、約30〜
40%台である。しかし、ウレタン糸の場合、この値を
測定する際にはウレタン糸が室温下で自然収縮してしま
い、他の合繊のようにセットされることは少なく糸の取
扱いが極めて困難となる。即ち、放置する間に温度をか
けないでも自然に収縮してしまい寸法安定性の面で問題
がある。
【0006】本発明の第一の目的は、従って、糸そのも
のが伸縮性を持ち、且つ膠着性を有さない糸を、又後工
程での糸の取扱い性を改善した新規な複合弾性糸を提供
するにある。更に本発明の第二の目的は、紡糸時の糸の
取扱い性を容易にし、且つ熱水処理により高い収縮率を
与えるウレタン糸を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から
の方向からでは到底目的が達せられないと判断し、全く
新たな方向から研究を進め本発明を完成した。
【0008】即ち本発明の第一は、エチレンテレフタレ
ートを主成分とし且つ酸成分の12〜50モル%がイソ
フタル酸である共重合ポリエステルを鞘とし、ポリウレ
タン弾性体を芯とした複合糸であって、該鞘/芯の糸断
面における複合比が0.01〜0.30の範囲である事
を特徴とするポリエステル/ポリウレタン複合弾性糸で
ある。
【0009】更に本発明の第二は、テレフタル酸60〜
88モル%及びイソフタル酸12〜40モル%を含むジ
カルボン酸成分と、エチレングリコール75〜90モル
%及びジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールの群から
選ばれた少なくとも1種を10〜25モル%含むジオー
ル成分とから得られる共重合ポリエステルを鞘とするこ
とを特徴とする前記ポリエステル/ポリウレタン複合弾
性糸である。
【0010】本発明の鞘に用いるポリエステルは、テレ
フタル酸50〜88モル%、イソフタル酸12〜50モ
ル%を含むジカルボン酸成分と、ジオール成分としてエ
チレングリコール50モル%以上とからなるエチレンテ
レフタレート単位を主成分とする共重合ポリエステルで
ある。
【0011】酸成分のイソフタル酸比率が50モル%を
超えると、紡糸前のポリマー乾燥時にオコシ現象を生じ
たり、紡糸後の粘着などトラブルをひき起こすので好ま
しくない。逆にイソフタル酸比率が12モル%未満であ
ると、紡糸時芯成分との粘度バランスが取りにくくなる
ので好ましくない。従って、15〜45モル%の範囲が
より好ましい。
【0012】共重合ポリエステルにはチタンなどの艶消
し剤、酸化防止剤、抗菌剤、染顔料などポリエステルの
公知の改質剤を添加させることも可能である。
【0013】更に本発明の第2においては、エチレング
リコール以外の上記ジオールが10モル%未満では、収
縮開始温度が低くなりにくいので、好ましい効果が得ら
れ難い。一方25モル%を超えると、収縮開始温度の低
下が大きくなりすぎて、自然収縮を起こす事が懸念され
る。又ジカルボン酸成分としてイソフタル酸が12モル
%未満では熱収縮の向上が思うほど見込まれず、一方4
0モル%を超えると膠着、紡糸時の喰い込み不良などを
起こし易いため、好ましくない。本発明に用いるポリエ
ステル共重合体は、そのガラス転移温度が55〜80℃
の範囲のものが好ましい。55℃未満では、収縮開始温
度の低下が大きくなりすぎ、自然収縮を起こす恐れもあ
る。一方80℃を超えると、収縮開始温度が高くなりす
ぎ、初期の効果を得られにくい。
【0014】本発明を構成する芯成分のポリウレタン弾
性体は、繊維形成性のものであれば特に限定されない
が、熱可塑性ポリウレタン或いは架橋したポリウレタン
が好ましい。熱可塑性ポリウレタンとしては、高分子ジ
オールと有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤とを反応さ
せて得られるもので溶融紡糸可能なポリマーがある。
【0015】この高分子ジオールとしては、両末端に水
酸基を有し、分子量500〜5000のポリテトラメチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエー
テル系ポリオール、ポリヘキサメチレングリコール、ポ
リブチレンアジペート、ポリカーボネートジオール、ポ
リカプロラクトンジオールなどのエステル系ポリオール
等のグリコール類の単独、又はこれらの混合物である。
【0016】鎖延長剤としては、分子量500以下の
1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなど
がある。有機ジイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、無黄変性のジイソシアネ
ート例えば1,6−ヘキサンジイソシアネートなど、及
びこれらの混合物である。
【0017】ポリウレタン弾性体の硬度としては60〜
98の範囲が好ましい。硬度が60未満になると、得ら
れる複合糸の回復力が劣ること、また紡糸安定性が悪く
なることなどの問題が発生するため好ましくない。逆に
硬度が98を超えると、ポリウレタンそのものの回復性
が劣り捲縮構造によらなければ糸の回復力は望めない
し、また該硬度のポリウレタンの最適紡糸条件範囲が極
めて狭い等の問題があるため好ましくない。従って好適
には、65〜95の範囲が良い。
【0018】このようなポリウレタンに酸化チタン、染
顔料、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などポリウ
レタンの公知の改質剤を添加することもできる。
【0019】複合糸として更なる耐熱性、更なる回復性
等が必要な場合には、ポリイソシアネートと上記ポリウ
レタンとを反応せしめた架橋ポリウレタンを芯成分に配
置すれば良い。この架橋方法としては、本発明者らの提
案した特公昭58−46573号公報に記載の方法、即
ち溶融した熱可塑性ポリウレタンにポリイソシアネート
を添加混合し、紡糸中又は紡糸後にアロファネート架橋
結合を完結させる方法を用いれば良い。
【0020】ポリイソシアネートとしては、ポリオール
成分とイソシアネート成分とからなり、分子内に2個以
上好ましくは2〜3のイソシアネート基(NCO基)を
有する化合物である。
【0021】ポリオール成分としては、ポリウレタンの
合成に使用する分子量500〜4000の上記ジオール
のほか、ジオールとトリオールとを混合し水酸基の平均
官能度を2〜3にしたものとか、官能度が2〜3の合成
ポリオールも好適に用いることができる。
【0022】一方、イソシアネート成分としては、ポリ
ウレタン合成時に使用される前記ジイソシアネートと
か、有機ジイソシアネートの3量体、トリメチロールプ
ロパンと有機ジイソシアネートとの反応物、または官能
度が2〜3の範囲にあるイソシアネート(例えばカルボ
ジイミド変性イソシアネート)等、及びこれらの混合物
を用いることができる。
【0023】上記両成分の反応は、公知の方法で可能で
あるが、イソシアネート基含量が過剰となるように、即
ち反応物中のイソシアネート基(NCO基)量が2〜1
5重量%となるように反応させるのが好ましい。勿論、
この量は、目的とする耐熱性、回復性などの物性、用い
るポリオールによって異なる。
【0024】また、このポリイソシアネートの添加量で
あるが、芯成分に用いるポリウレタンと該ポリイソシア
ネートとの混合物に対して5〜40重量%の範囲が好ま
しい。添加量は、使用するポリイソシアネートのNCO
基含量及び種類により異なるものであるが、40重量%
を超えると混合不均一で紡糸が不安定となったり、糸の
機械的性質も不満足なものしか得られず好ましくない。
逆に5重量%未満であると、希望する糸の耐熱性が不足
するので好ましくない。従って、10〜30重量%の範
囲が好ましい。
【0025】このようにして、芯成分のポリウレタン中
にアロファネート架橋を主とする架橋構造ができる。こ
の際、該架橋構造が主としてビューレット結合による場
合には紡糸性が極端に悪くなるので好ましくない。即
ち、ビューレット架橋結合の生成速度がアロファネート
架橋のそれよりも大きいため紡糸中に系の粘度が増加
し、安定した紡糸が不可能となり易いからである。
【0026】以上、芯鞘両成分について説明したが、次
に芯鞘の複合比率について述べる。この鞘/芯成分の複
合比は、糸断面積比で0.01〜0.30の範囲であ
り、0.01〜0.20の範囲が好ましい。鞘成分の比
率が30%を超えると、得られる糸の弾性回復性、高温
下からの回復性、耐熱性が不足するし又糸が脆くなり易
い。逆にこの比率が1%未満になると、鞘成分が破れた
り、芯成分が糸表面に露出し易くなり、紡糸性、耐光性
に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0027】芯鞘の複合形態としては、芯鞘両成分の重
心が主として同一であることが紡糸安定性の面、得られ
る糸の均一性の面からも好ましい。また該複合糸の断面
形状は、円形でも、三角や扁平等の異形でも構わない。
【0028】ここで重要なことは、複合糸の鞘が芯を完
全に覆っていて、且つ鞘と芯の重心点が主として同一で
あると、芯鞘両成分の粘度バランスが多少異なっても紡
糸性が非常に良いことである。このことは、偏心型の断
面形状を持つような糸にはない特徴である。
【0029】本発明糸のうち、架橋したポリウレタンを
芯とした複合糸の構造方法について説明する。
【0030】熱可塑性ポリウレタンを溶融押出しする部
分にポリイソシアネートを添加し、混合する部分、鞘成
分を溶融押し出しする部分及び公知の芯鞘型複合紡糸口
金を有する紡糸ヘッドを備えた溶融複合紡糸装置により
実施することが好適である。
【0031】紡糸中にポリイソシアネートを添加するた
めに用いられる装置としては、公知の装置を使用するこ
とができる。ポリイソシアネートを溶融状態のポリウレ
タンに添加・混合する部分には、回転部を有する混練装
置を使用する事も可能であるが、より好ましいのは静止
型混練素子を有する混合装置を用いることである。静止
型混練素子を有する混合装置としては公知のものを用い
ることができる。静止型混練素子の形状及びエレメント
数は、使用する条件により異なるものであるが、熱可塑
性ポリウレタン弾性体とポリイソシアネートとが複合紡
糸口金に入る前に充分に混合が完了しているように選定
することが肝要であり、通常20〜90エレメント設け
る。
【0032】このようにして混合されたポリマーを芯成
分とし、別の押出機により鞘成分のポリエステル共重合
体を溶融し、両者を芯鞘複合口金に導いて紡糸すれば本
発明の複合糸が得られる。
【0033】紡糸後、捲取られた直後の複合糸は、強
力、耐熱性などの物性が劣るが、室温下に2時間〜7日
程度放置しておくと非常にこの物性が向上してくる。こ
のように紡糸された複合糸が、経時により糸質及び熱的
性能が変化するのは、紡糸原料として用いた熱可塑性ポ
リウレタンと混合されたポリイソシアネートの反応が紡
糸中には完結せずに、紡糸後にも進行するためと推定さ
れる。
【0034】更に、経時後の上記複合糸に対し熱の有又
は無しの条件下1.2〜5倍の倍率で延伸処理をすれ
ば、本発明の第二の糸が得られる。この場合、延伸倍
率、加熱温度は希望する熱水収縮量により決められる
が、通常これらの条件が高いほどそれだけ大きい収縮を
有する糸が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合弾性糸は、
鞘成分がポリエステルであり、芯成分がポリウレタンで
あるため、 ・紡糸時に油剤として通常のポリエステル繊維用エマル
ジョンが使用でき、しかも膠着がほとんどない。 ・紡糸時の捲取り性に優れ、かつたてどりが可能であ
る。 ・紡糸し捲取る場合も1000m/分のような高速で、
且つ小径のボビンに捲き取ることも可能である。 ・溶融紡糸法であるため生産性に優れる。 ・ポリエステル繊維との混用が可能である(例えば、1
30℃での染色が可能であり、又染色性に優れる)。 ・耐黴性に優れる。 ・製編織など後工程での操業性に優れる。 ・芯側にポリイソシアネートを配した架橋ポリウレタン
の場合には、回復性及び耐熱性に優れる。 等の特徴を有している。
【0036】更に驚くべき事に、糸そのものが伸縮性を
有するため、水着、ソックス、インナー、パンストなど
種々の用途に用いることができる。この際、本発明の複
合弾性糸を単独で用いても、又この糸を他の糸と混合し
た糸(例えばナイロンなどでカバリングした糸)にして
用いても構わない。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0038】実施例A ・熱可塑性ポリウレタン 分子量1950のポリヘキサメチレンアジペート14.
6モルとp,p′−ジフェニルメタンジイソシアネート
50.5モル、及び鎖延長剤として1,4−ブタンジオ
ール34.9モルとを用いて、常法により、ポリウレタ
ンを合成した。得られたポリマーのジメチルホルムアミ
ド中、25℃で測定した濃度1g/100mlでの相対
粘度は、2.11であった。
【0039】・ポリイソシアネート 数平均分子量1250のポリカプロラクトンジオール2
3.9モル、数平均分子量1250のポリカプロラクト
ントリオール4.2モル、p,p′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート71.9モルとを反応させ、粘稠な化
合物を得た。この化合物のNCO重量%は6.6重量%
であった。
【0040】・共重合ポリエステル ビス・ヒドロキシエチルテレフタレート(以下BHE
T)と、ビス・ヒドロキシエチルイソフタレート(以下
BHEI)とを適宜混合しオートクレーブ(内温270
℃)で真空攪拌下重縮合し、イソフタル酸の共重合率が
10,20,30,50,60モル%の5種の共重合ポ
リエステルを作成し、チップ化した。
【0041】上記熱可塑性ポリウレタンを押出機により
溶融し、この溶融物流れの途中で上記ポリイソシアネー
トを添加し35エレメントのスタティックミキサ(ケニ
ックス社製)により、充分混練した。他方、上記共重合
ポリエステルを別の押出機により溶融し、これらの溶融
物を別々に計量し、8ホールの同心円状の複合口金(ノ
ズルオリフィス直径0.5mm)に導いた。鞘の複合比
は、0.008〜0.10の範囲で種々変化させた。紡
糸速度を600m/分とし、繊度40dのモノフィラメ
ントを得た。この際のポリイソシアネート添加量は17
%に固定した。又、紡糸油剤として15%のポリエステ
ル用エマルジョンを用いた。
【0042】次に、鞘成分として共重合ポリエステルに
代え、上記熱可塑性ポリウレタンを用いて同様に紡糸し
た。この際の油剤は、ジメチルシリコンにアミノ変性シ
リコンを5%、0.2%併用したものを用いた(それぞ
れ比較例1,2)。比較例1の糸については膠着が認め
られなかった。
【0043】上記ポリエステルの乾燥工程及び複合紡糸
工程での操業性についての結果を表1に示した。又、表
2には複合糸の物性を示した。
【0044】
【表1】
【0045】イソフタル酸共重合比率が10モル%であ
ると、ポリウレタン側の紡糸温度が高くしなければなら
ず熱安定性が悪くなり複合紡糸が不可能であった。逆
に、該比率が60モル%だと、乾燥時にオコシ状にな
り、紡糸時にチップが喰い込まず紡糸不可であった。
【0046】
【表2】
【0047】この表中、解舒係数とは、ボビン上に捲取
られた複合糸を50m/分の速度で解舒するとき、ボビ
ン表面の膠着のため糸の解舒が不可能となったときのボ
ビン表面速度と捲き取りローラとの表面速度比を表す。
【0048】長時間捲取り時間とは、紙管外径83mm
のボビンに紡糸速度600m/分の条件で綾落ち、捲崩
れをすること無く捲取れる時間を表す。
【0049】耐熱性とは、糸に12.5mg/dの荷重
をかけ、昇温速度70℃/minの条件下で測定した時
糸が50%伸びた時の温度を表す。
【0050】高圧染色性とは、表2中の複合糸を1口編
み機にて筒編みし青色染料2%owfの濃度で130℃
×60分の条件で染色し、次いで還元洗浄を70℃×2
0分実施した後、各筒編み布と同浴で染めた標準ポリエ
ステル布との色差を測定し、色差(ΔE)が1.5以下
を○、12以上を××とした。
【0051】表2より、ポリウレタン−ポリウレタン型
の複合糸(比較例1)は、解舒性は良いが捲取り性に難
点がある事、逆に比較例2のように膠着させると捲取り
性は良くなるものの解舒性の点で問題がある事、高圧染
色性がこれらの比較例では悪い事が分かる。
【0052】一方、本発明例では、解舒性、捲取り性が
非常によい事、又高圧染色性にも優れている事が分か
る。実施例1、2から耐熱性は芯成分中の架橋の有無に
より大きく変化する事、又実施例3、4、5から複合比
が小さくなると即ち鞘成分の比率が少なくなると、より
ポリウレタン−ポリウレタン型の複合糸の物性に近づく
事も分かる。
【0053】実施例B 上記実施例2、及び比較例1の糸を、土中にて26℃、
1か月間の条件で埋設し、その後各試料を水洗風乾燥後
強度の保持率を測定した。この結果を表3に示した。表
3より、本発明糸の強度保持率が極めて良好である事が
分かる。
【0054】
【表3】
【0055】実施例C ・ポリイソシアネート 分子量953で官能度2.0のポリブチレンアジペート
ポリオール30.2モル%と、p,p′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート69.8モル%とを反応させ、粘
稠な化合物を得た。この化合物のNCO重量%は、7.
2重量%であった。
【0056】・共重合ポリエステル テレフタル酸85モル%、イソフタル酸ジメチル15モ
ル%、エチレングリコール85モル%、ジエチレングリ
コール含量15モル%とから常法によりポリエステルを
合成した。このもののガラス転移温度は、64℃であっ
た。実施例Aの熱可塑性ポリウレタンを押出機により溶
融し、この溶融物流れの途中で上記ポリイソシアネート
を添加し35エレメントのスタティックミキサ(ケニッ
クス社製)により、充分混練した。他方、上記共重合ポ
リエステルを別の押出機により溶融し、これらを別々に
計量し、同心円状の8ホール複合口金(ノズル直径0.
5mm)に導いた。紡糸速度を600m/分とし、繊度
40dのモノフィラメントを得た。紡糸油剤として15
%の水エマルジョンを用いた。ポリイソシアネート添加
量は18%に固定したが、鞘成分の複合比率は表1のよ
うに変化させた。また、ポリイソシアネートを添加しな
い場合の糸もあわせて同様に紡糸した。
【0057】次に、鞘成分として共重合ポリエステルに
代え、上記熱可塑性ポリウレタンを用いて同様に紡糸し
た。この際の油剤は、ジメチルシリコンにアミノ変性シ
リコンを5%、0.2%併用したものを用いた(それぞ
れ比較例3,4)。
【0058】これらの結果を表4に示した。
【0059】
【表4】
【0060】この表中、解舒係数とは、ボビン上に捲取
られた複合糸を50m/分の速度で解舒するとき、ボビ
ン表面の膠着のため糸の解舒が不可能となったときのボ
ビン表面速度と捲き取りローラとの表面速度比を表す。
【0061】耐熱性とは、糸に12.5mg/dの荷重
をかけ、昇温速度70℃/分の条件下で測定した時糸が
50%伸びた時の温度を表す。
【0062】捲取り可能時間とは、糸管外径83mmの
ボビンに紡糸速度600m/分の条件で綾落ち、捲崩れ
をすること無しに捲取れる時間である。
【0063】表4から、ポリウレタン−ポリウレタン型
の複合糸(比較例1)は、解舒性は良いが捲取り性に難
点がある事、逆に比較例2のように膠着させると捲取り
性は良くなるものの解舒性の点で問題がある事が分か
る。一方、本発明例では、解舒性、捲取り性に優れてい
ること、又芯成分が架橋型ウレタンになると耐熱性、強
度などが大幅に改善される事が分かる。又、鞘成分の複
合比率が小さくなると耐熱性、糸的物性も良くなること
が分かる。
【0064】実施例7で鞘の比率を50%として紡糸し
たところ得られた糸は糸そのものが非常に脆くなり、た
てどり性も悪かった。又、編み立て性も不良であった。
【0065】実施例D 実施例2及び比較例1の糸を90℃で2倍の倍率で延伸
した。次いで、初荷重1.0mg/dをつけ温度100
℃の熱水中に30分間浸漬した後風乾し、収縮量L(m
m)を測定し、熱収量は次式で計算した。
【0066】一方、自然収縮量として熱水につける前に
縮んだ量L1(mm)を測定し、次式で計算した。ここ
でL0は原長である。
【0067】
【表5】
【0068】表5より、本発明例の糸は自然収縮量が少
なく、又熱水による収縮量が非常に大きい事が分かる。
【0069】次に、実施例7,8の糸を用い120℃で
延伸倍率を変化させた。そして熱収量を測定した結果を
表6に示した。なお、これらの糸の自然収縮量は0.5
%以下であった。
【0070】
【表6】
【0071】表6より、鞘成分量が多くなると又延伸倍
率が大きくなると、熱収量は大きくなる事が分かる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主成分とし且
    つ酸成分の12〜50モル%がイソフタル酸である共重
    合ポリエステルを鞘とし、ポリウレタン弾性体を芯とし
    た複合糸であって、該鞘/芯の糸断面における複合比が
    0.01〜0.30の範囲である事を特徴とするポリエ
    ステル/ポリウレタン複合弾性糸。
  2. 【請求項2】 テレフタル酸60〜88モル%及びイソ
    フタル酸12〜40モル%を含むジカルボン酸成分と、
    エチレングリコール75〜90モル%及びジエチレング
    リコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリ
    コール、ブタンジオールの群から選ばれた少なくとも1
    種を10〜25モル%含むジオール成分とから得られる
    共重合ポリエステルを鞘とすることを特徴とする請求項
    1記載の複合弾性糸。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンが主としてアロファネート
    結合による架橋型ポリウレタンである請求項1記載の複
    合弾性糸。
  4. 【請求項4】 複合糸の断面形状において芯鞘各々の重
    心が同一である請求項1記載の複合弾性糸。
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