JPH05301981A - ポリイミド樹脂溶解用エッチング液およびそれを使用したスルーホールのエッチング加工方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂溶解用エッチング液およびそれを使用したスルーホールのエッチング加工方法

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JPH05301981A
JPH05301981A JP4135830A JP13583092A JPH05301981A JP H05301981 A JPH05301981 A JP H05301981A JP 4135830 A JP4135830 A JP 4135830A JP 13583092 A JP13583092 A JP 13583092A JP H05301981 A JPH05301981 A JP H05301981A
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光彰 柴山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリイミド樹脂のエッチング処理に際して、
効率的に且つ寸法精度よく微細スルーホールを加工し得
るようなエッチング液およびこれを使用したポリイミド
樹脂基板のエッチング加工方法を提供することを目的と
する。 【構成】 1〜40重量%の水酸化アルカリ、1〜20
重量%のフェノール系溶剤、残部水からなる組成を有す
るエッチング液、または1〜40重量%の水酸化アルカ
リ、1〜20重量%のフェノール系溶剤、1〜30重量
%のアミン化合物、残部水からなる組成を有するエッチ
ング、または1〜40重量%の水酸化アルカリ、1〜2
0重量%のフェノール系溶剤、1〜30重量%のアミン
化合物、残部アルコールからなる組成を有するエッチン
グ液、およびこれらの何れかを用いてポリイミド樹脂基
板のスルーホールを加工することを特徴とするポリイミ
ド樹脂のエッチング加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド樹脂用エッチ
ング液およびこれを用いた2層構造ポリイミド樹脂基板
のエッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリイミド樹脂は耐熱性、寸法
安定性、耐薬品性、電気的特性および機械的特性に優れ
ているので多種多様な用途に用いられている。その一例
として、フレキシブルプリント配線板やテープ自動ボン
ディング(TAB)に使用されるフィルムキャリアがあ
る。
【0003】従来、ポリイミド樹脂フィルムを基板を使
用してフィルムキャリアを作成する場合には、ポリイミ
ド樹脂基板にプレス加工によってIC素子接続用のデバ
イスホール等のスルーホールを開孔処理して後、該基板
上に銅箔を接着剤によって密着させるいわゆる3層構造
型の基板が主流であった。しかしながら、最近になって
上記3層構造基板において接着剤として使用されるエポ
キシ系樹脂の耐熱性がポリイミド樹脂に比べて著しく劣
り、ポリイミド樹脂基板使用のフィルムキャリアの特長
の一つである高耐熱性を損なうとの観点から、接着剤な
しでポリイミド樹脂基板に直接銅箔を被着させた2層構
造型の基板が開発されている。
【0004】この2層構造型基板によるフィルムキャリ
ア(以下、TABを主体に説明するのでTABと称す
る)は、3層構造型基板によるTABとは異なり予めポ
リイミド樹脂フィルム上に銅が直接被着されているため
に、プレス加工によってポリイミド樹脂基板に所望のス
ルーホールを選択的に開孔処理することが出来ない。
【0005】従って2層構造TABにおいては、ポリイ
ミド樹脂基板上に予めレジストを施し所望のスルーホー
ル開孔位置のみが露出するようにパターニング処理を施
しておいて、該部分のみが溶解され、銅被膜が溶解され
ないような化学エッチング液を用いて開孔処理を施す化
学溶解処理方法が採られている。
【0006】従来、ポリイミド樹脂のエッチング液とし
ては、水酸化カリウムとエタノールの混合溶液(特開昭
58−103531号)、ヒドラジン溶液(特公昭45
−40800号)、ヒドラジンとアンモニアの混合溶液
(特開昭50−4577号)、ヒドラジンとエチレンジ
アミンの混合溶液(特開昭51−22071号)、(特
開昭51−27464号)、ヒドラジンとアミド化合物
(特開昭53−49068号)、水酸化テトラメチルア
ンモニウムとアミン化合物(特開昭57−65727
号)、水酸化テトラメチルアンモニウムのアルコール溶
液(特開昭58−74041号)、水酸化テトラメチル
アンモニウムとアミド化合物およびアミン化合物(特開
昭58−96632号)などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水酸化アルカ
リとして頻繁に使用される水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどは単独では常温付近においては、エッチング
速度が遅く厚さ数十μmのポリイミド樹脂フィルムをエ
ッチングするのに数時間かかり不向きである。
【0008】そして、高温高濃度にしてエッチング速度
を高めようとしても、ポリイミドの必要部分を完全に溶
解除去することは困難であり、またこのように極めて過
酷な条件を選択した場合には微細精密なスルーホールの
加工ができない。
【0009】また、ヒドラジン溶液は従来からポリイミ
ド樹脂のスルーホールの形成に使用されてきたが、ヒド
ラジン単独液でのポリイミド樹脂に対するエッチングの
挙動は、エッチング開始までの潜伏期が長く、その間に
ヒドラジンがポリイミド樹脂フィルム内に浸透し、その
後の急激なエッチング作用によりポリイミド樹脂のエッ
チングを必要としない箇所まで溶解してしまういわゆる
オーバーエッチングを起こすことがあり、その結果所望
の寸法形状の微細スルーホールが形成できず、そのため
スルーホールに精度の高い形状を必要とする用途には不
向きである。
【0010】そこでこの潜伏期を短縮する方法として、
アミン化合物を添加した混合液によるエッチング方法が
提案されている。ヒドラジンとエチレンジアミンの混合
溶液によるときは、ポリイミド樹脂の変形膨潤は起こら
ず、エッチング速度はエッチング液の温度の上昇に伴っ
て直線的に増大する。しかし、ヒドラジンは吸湿性が高
く、大気中の水分や炭酸ガスを吸収して純度が低下し、
これに伴ってエッチング速度も低下してしまうのでエッ
チング速度の管理が極めて困難であり、このため頻繁に
エッチング液を更新しなくてはならないという問題があ
り経済的でなかった。
【0011】またさらに、ヒドラジンは毒性が高くその
蒸気を吸入すると呼吸気管系、循環器官系に炎症を起こ
すという問題があり、多量に取り扱う場合にはそれなり
の防護体制を必要とするために実用的にも難点がある。
またヒドラジンとアミド化合物との混合液は、エッチン
グ速度が遅いためにエッチングむらが発生しやすく、結
果的に微細パターニング処理には不向きである欠点を有
する。
【0012】最近になって、水酸化テトラメチルアンモ
ニウムのような、比較的毒性の低いエッチング液が提案
されているが、このエッチング液はポリイミド樹脂に対
する溶解速度が極めて低く、例えば厚さ50μmのポリ
イミド樹脂を完全に溶解するのに約120分もかかり作
業効率が悪い。また、上記した従来のエッチング液を使
用した場合にはゴム系のレジストや金属被膜製のマスク
などが侵食されて膨潤を起こすという問題があった。
【0013】本発明は、ポリイミド樹脂基板のスルーホ
ールの化学溶解処理に際しての上記したような種々の問
題点を解決し、効率的に且つ寸法精度よくポリイミド樹
脂の微細スルーホールを加工し得るようなエッチング液
およびこれを使用したポリイミド樹脂基板のエッチング
方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、エッチング液の組成として下記の組成を有
するものが上記の目的を達成する上で優れた効果を有す
るものであることを見出した。即ち、本発明のポリイミ
ド樹脂用エッチング液は、 (1)1〜40重量%の水酸化アルカリと1〜20重量
%のフェノール系溶剤、残部水からなる組成を有するエ
ッチング液。 (2)1〜40重量%の水酸化アルカリと1〜20重量
%のフェノール系溶剤と1〜30重量%のアミン化合
物、残部水からなる組成を有するエッチング液。 (3)1〜40重量%の水酸化アルカリと1〜20重量
%のフェノール系溶剤と1〜30重量%のアミン化合
物、残部アルコールからなる組成を有するエッチング
液。 であり、そしてポリイミド樹脂基板のスルーホールの化
学溶解処理を行なうに際して、これら3種類のエッチン
グ液のうちの何れかを用いてポリイミド樹脂のエッチン
グを行なうことを特徴とする2層構造ポリイミド樹脂基
板のスルーホールのエッチング加工方法である。
【0015】
【作用】本発明におけるエッチング液組成は、上記した
ように水酸化アルカリとアミン化合物、フェノール系溶
剤、アルコールから選ばれる2種以上の薬品からなる混
合溶液からなるものである。本発明のエッチング液のポ
リイミド樹脂に対するエッチングの機構は、水酸化アル
カリがポリイミド樹脂のイミド環を分断切断し、アミン
化合物、フェノール系溶剤、アルコールにより低分子化
したポリアミド酸と水素結合をつくることにより溶解可
能な構造に変換し、これによってポリイミド樹脂の効果
的な精密エッチングが行なわれるものと考えられる。
【0016】以下に本発明のエッチング液を使用して、
2層構造TABにおけるポリイミド樹脂基板にデバイス
ホール、スプロケットホールなどの矩形乃至正方形の所
望の形状のスルーホールを形成する場合を例にとって説
明する。
【0017】一般的には、2層構造TABにおけるポリ
イミド樹脂基板には厚さ約50μm程度のものが使用さ
れる。このポリイミド樹脂基板に所望の形状のスルーホ
ールを形成するためには、先ず2層構造TABのポリイ
ミド樹脂面に対しフォトレジスト材を施し、次いで所定
のガラスマスク材を施して露光および現像を施すことに
よって該樹脂面の所望部分のみが露出するようにパター
ニング処理を施し、これによって得られたポリイミド樹
脂露出部分に対して該エッチング液を適用して該部分の
溶解を行なってスルーホールを形成させるものである。
【0018】本発明のエッチング液において用いられる
水酸化アルカリとは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどが挙げられる。ポリイミド樹脂
に対するエッチング速度は水酸化アルカリの濃度に依存
し高濃度ほど速くなる。水酸化アルカリの濃度が1重量
%未満では50μmの厚さのポリイミド樹脂を完全に溶
解するのに60℃において120分を要し生産性が悪い
ので適当でなく、また40重量%を超えるとエッチング
液中の水酸化アルカリが析出を起こしエッチング速度が
遅くなるので適当でない。ポリイミド樹脂に対するエッ
チング能力、水酸化アルカリの溶解度などの点から水酸
化アルカリの特に好ましい濃度は4〜40重量%の範囲
であることが推奨される。
【0019】また、エッチング液の使用温度は特に限定
はないが、あまり温度が低いとエッチング速度が低下し
て効率的でないし、また高温になると、エッチング液の
沸騰や分解が起こり、また作業性を考慮すると40〜8
0℃の範囲が望ましい。特に水酸化アルカリの濃度が4
0重量%付近でしかもエッチング温度を高くした場合に
は、ポリイミド樹脂に対するエッチング速度が著しく速
くなり、スルーホール形成用のフォトレジストが侵食さ
れて寸法精度が悪くなる危険性があるので注意を要す
る。
【0020】本発明のエッチング液を構成する水酸化ア
ルカリ等の各成分は、それぞれ単独成分では、ポリイミ
ド樹脂の溶解に適せず、これらを混合することによって
始めてポリイミド樹脂に対する優れたエッチング能力を
発揮し得るのである。本発明において使用されるフェノ
ール系溶剤には、フェノール、アミノフェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−ク
ロルフェノール、p−クロルフェノール、p−ブロムフ
ェノール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノー
ル、3,4−キシレノール、2,4−キシレノール、
2,4−ジクロルフェノール、2,4,6−トリクロル
フェノールなどが挙げられるが、これらのうち特にフェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、アミノフェノールなどが好適である。
【0021】フェノール系溶剤が1重量%未満の濃度で
はエッチング速度が遅く、50μmの厚さのポリイミド
樹脂を完全に溶解するのに60℃において120分を要
し、その間にエッチング液がポリイミド樹脂に浸透して
膨潤を起こしたりしてスルーホールの開孔に際して正確
な所望形状が得られない。また20重量%以上では、エ
ッチング液中にフェノール水酸化アルカリが析出したり
するので溶解度の点から好ましくない。従って、溶解度
を考慮するとエッチング液中のフェノール樹脂濃度は2
0重量%未満であることが好ましい。
【0022】またアミン化合物としては、一般式NH
−R−NH(但し、式中Rは少なくとも2個の炭素原
子を含む原子団を表わす)で示されるポリアミン化合物
が使
【0023】用されるが、その構造式を
【化1】または
【化2】に示す。
【0024】
【化1】(1) R:−(CH− (但しnは2
以上の整数)
【0025】
【化2】(2) R:−(CH・CH・NH)
CH・CH− (但しnは1以上の整数) (1)式の構造式で表わされる化合物の例としては、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミンなどの化合物が挙げられる。また、(2)式の
構造式で表わされる化合物の例としては、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラアミンなどが挙げられ
る。また、上記ポリアミン化合物のうちから2種以上を
選択してもかまわない。
【0026】アミン化合物の濃度が1重量%未満では開
孔部の形状およびその直線性が損なわれる。またアミン
化合物が30重量%を超えた場合にもスルーホール開孔
部の形状および直線性が損なわれるばかりでなく、露出
した銅の表面に変色を生じたりするので好ましくない。
エッチング速度とスルーホールの開孔部の形状性を考慮
すると好ましいアミン化合物の濃度は20重量%付近で
ある。
【0027】本発明において使用されるアルコールに
は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、iso−プロパノール、エチレングリコールなどが
挙げられる。そのうち、特にエタノールが好ましい。エ
ッチング液中のアルコール濃度は開孔部の形状性やエッ
チング速度を考慮すると、20〜50重量%の範囲が適
当である。
【0028】パターニング処理に際してのマスキング材
に使用することのできるフォトレジスト材は、環化ゴム
アジド系、環化ポリブタジエン系などのネガ型レジスト
が好ましく、例えば富士薬品社製のFSR−220およ
びFMR−150、東京応化工業社製のOMR−83、
OMR−85、ODURおよびONNR、長瀬産業社製
のNNR−732およびNNR−752、コダック社製
のKMERおよびKTFRなどや環化ポリブタジエン系
ネガ型の日本合成ゴム社製のCBR−M901などが挙
げられる。
【0029】所定のスルーホールを形成する場合にポリ
イミド樹脂に施されるフォトレジスト材としては、耐薬
品性の点からビスアジド系の環化天然ゴムや環化ブタジ
エンゴムなどのゴム系のフォトレジストのほかにアルミ
ニウム、ニッケル、チタン、銅、モリブデン、金、タン
グステン、クロムあるいはニッケル−銅合金などの金属
被膜をマスキング材とすることもできる。
【0030】形成するゴム系の液状フォトレジスト材や
金属被膜の厚さは2μm以上であることが望ましい。2
μm未満では形成した膜にピンホールなどの欠陥を発生
しやすく、その箇所からエッチング液が浸透してフォト
レジスト材が剥離したりし、オーバーエッチングの原因
となることがある。一方フォトレジスト材の厚みが必要
以上に厚くなりすぎるとパターン精度が低下したり、銅
のような金属被膜を形成する場合に時間がかかり過ぎる
ようになる。したがってフォトレジスト材の厚みは10
μm以下に留めることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例について述べる。 実施例1 (サンプルの作成方法)ポリイミド樹脂基板エッチング
テスト用のサンプルを以下の手順で作成した。
【0032】図1は2層構造TABにおけるポリイミド
樹脂面の所望部分を部分的にエッチングするために該樹
脂面に露出部を設ける場合の工程順を示す説明図であ
る。図1において1はポリイミド樹脂基板、2は銅層、
3aは耐酸フォトレジスト膜、3bは耐アルカリフォト
レジスト膜、4は銅めっき層、5は耐アルカリ保護レジ
スト膜、6はポリイミド樹脂露出面(ホールパター
ン)。
【0033】出発材料に厚さ50μmのポリイミド樹脂
基板(東レ・デュポン社製 KAPTON−V)1の片
面に常法により0.6μmの銅層2を形成した2層構造
基板を使用した(図1の(A))。
【0034】該基板1の銅層2上に脂肪族炭化水素系の
溶液現像型の耐酸フォトレジスト材(東京応化工業社製
OMR−83 粘度600cps)を回転塗布機(倉
並製作所製 MF−895)を用いて、毎分150RP
Mで塗布した後、70℃で30分間乾燥させて20μm
の厚さの耐酸フォトレジスト膜3aを形成し、反対面の
ポリイミド樹脂基板1面には、脂肪族炭化水素系の溶液
現像型の耐アルカリフォトレジスト材(富士薬品工業社
製FSR−220、粘度220cps)を同様の回転塗
布機により毎分70RPMで回転塗布し、70℃で30
分間乾燥させて8μmの厚さの耐アルカリフォトレジス
ト膜3bを形成した(図1の(B))。
【0035】次いで、銅層面のフォトレジスト3aを所
定のガラスマスクを通して超高圧水銀灯(オーク製作所
社製)を用いて800mjの紫外線を照射し該フォトレ
ジストを感光させた後、反対面のポリイミド樹脂側のフ
ォトレジスト3bも所定のガラスマスクを通して上記と
同様の水銀灯を使用して400mjの紫外線を照射し該
フォトレジストの感光を行なった。次いで銅層2側のフ
ォトレジスト3aを専用現像液で1分間現像し、その後
リンス液で1分間リンスした後130℃で30分間の乾
燥を行なって銅層2の所望部分が露出するようなリード
パターンの形成を行なった(図1の(C))。
【0036】次に、銅層2側のリードパターンの形成面
に生じた銅層露出面に硫酸銅100g/l、硫酸180
g/lの組成を有する電気銅めっき液を用いて、電流密
度を2A/dmとして液温25℃において50分間電
解処理を行ない銅めっき層4を施した後、110℃で3
0分間乾燥して厚さ35μmの銅リードを形成した(図
1の(D))。
【0037】次に、銅層2側に残存するフォトレジスト
3aをOMR剥離液(東京応化工業社製)に5分間浸漬
して剥離除去した後、ポリイミド樹脂基板1側のフォト
レジスト3bをFSR現像液(富士応化工業社製)を用
いて23℃で1分間現像し、その後FSRリンス液(富
士応化工業社製)を使用して30秒間リンスした後12
0℃で20分間乾燥を行なって、ポリイミド樹脂基板1
面の所望部分に露出面6が生ずるようにホールパターン
の形成を行なった(図1の(E))。
【0038】次いで、リードパターン形成部位外の銅層
2をアルカリエッチング液(メルテックス工業社製、A
−プロセス)を用いて25℃で5分間浸漬することによ
って溶解除去した後、水洗して80℃で30分間乾燥し
た。次にリード形成面に、耐アルカリ保護レジスト(富
士薬品工業社製 FMR)を前記回転塗布機を用いて回
転数70RPMで回転塗布し、70℃で30分間乾燥を
行ない、ポリイミド樹脂基板2面にスプロケットホール
およびデバイスホールの各スルーホール形成のためのポ
リイミド樹脂露出面を形成したテストサンプル(32m
m×32mm)を得た(図1の(F))。 (エッチングテスト)上記のようにして所望のポリイミ
ド樹脂露出部分を形成したテストサンプルを使用してエ
ッチングテストを行なった。
【0039】エッチング液として、水酸化ナトリウム3
0重量%、フェノール10重量%、残部水60重量%の
組成の混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で10
分間浸漬してポリイミド樹脂基板にスプロケットホー
ル、デバイスホールの各スルーホールの形成を行なっ
た。
【0040】次いで超音波洗浄器(発振周波数45KH
z、出力200W)を用いて、トリクロロエチレン中で
超音波を10分間かけた後、該ポリイミド樹脂に形成し
た各ホールパターンの寸法精度を測定したところ、その
寸法精度は設計マスク寸法に対して±5〜6%であっ
た。またスプロケットホールにおける角部の形状は丸味
が殆どなく開孔形状は直線的であり、またスルーホール
形成によって露出した銅層の表面は変色がなく良好な状
態であった。
【0041】以上のように本発明のエッチング液を使用
して2層構造TABのポリイミド樹脂基板における各所
定のスルーホールの形成を行なうときは、比較的短時間
のエッチング処理によって形状性よくまた寸法精度の高
い微細スルーホールの形成を行なうことができるので極
めて効果的である。 実施例2 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム20重量%、フェノール5重量%、残部水7
5重量%からなる組成を有する混合溶液を用いて、エッ
チング温度60℃で120分間浸漬してポリイミド樹脂
基板に実施例1と同様のスルーホールの形成を行なっ
た。
【0042】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±5〜6%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例3 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム5重量%、フェノール20重量%、残部水7
5重量%からなる組成を有する混合溶液を用いて、エッ
チング温度60℃で15分間浸漬してポリイミド樹脂基
板に実施例1と同様のスルーホールの形成を行なった。
【0043】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±5〜7%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例4 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム1重量%、フェノール10重量%、残部水8
9重量%からなる組成を有する混合溶液を用いて、エッ
チング温度60℃で18分間浸漬してポリイミド樹脂基
板に実施例1と同様のスルーホールの形成を行なった。
【0044】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例5 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム40重量%、フェノール1重量%、残部水5
9重量%からなる組成を有する混合溶液を用いて、エッ
チング温度60℃で8分間浸漬してポリイミド樹脂基板
に実施例1と同様のスルーホールの形成を行なった。
【0045】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例6 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム30重量%、フェノール10重量%、エチレ
ンジアミン20重量%、残部水40重量%からなる組成
を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で7
分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同様のス
ルーホールの形成を行なった。
【0046】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±3〜5%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例7 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム20重量%、フェノール10重量%、エチレ
ンジアミン10重量%、残部水60重量%からなる組成
を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で8
分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同様のス
ルーホールの形成を行なった。
【0047】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±4〜5%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例8 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム1重量%、フェノール10重量%、エチレン
ジアミン30重量%、残部水49重量%からなる組成を
有する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で15
分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同様のス
ルーホールの形成を行なった。
【0048】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例9 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム40重量%、フェノール1重量%、エチレン
ジアミン1重量%、残部水58重量%からなる組成を有
する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で7分間
浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同様のスルー
ホールの形成を行なった。
【0049】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±6〜7%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例10 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム25重量%、フェノール5重量%、エチレン
ジアミン20重量%、残部エタノール50重量%からな
る組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60
℃で6分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同
様のスルーホールの形成を行なった。
【0050】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±2〜5%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例11 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム20重量%、フェノール20重量%、エチレ
ンジアミン10重量%、残部エタノール50重量%から
なる組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度6
0℃で7分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と
同様のスルーホールの形成を行なった。
【0051】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±3〜5%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例12 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム20重量%、フェノール10重量%、エチレ
ンジアミン20重量%、残部エタノール50重量%から
なる組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度6
0℃で6分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と
同様のスルーホールの形成を行なった。
【0052】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±2〜5%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例13 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム1重量%、フェノール20重量%、エチレン
ジアミン10重量%、残部エタノール69重量%からな
る組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60
℃で17分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と
同様のスルーホールの形成を行なった。
【0053】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例14 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム40重量%、フェノール10重量%、エチレ
ンジアミン1重量%、残部エタノール49重量%からな
る組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60
℃で8分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と同
様のスルーホールの形成を行なった。
【0054】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 実施例15 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として水酸化
ナトリウム10重量%、フェノール1重量%、エチレン
ジアミン30重量%、残部エタノール59重量%からな
る組成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60
℃で12分間浸漬してポリイミド樹脂基板に実施例1と
同様のスルーホールの形成を行なった。
【0055】次いで、実施例1と同様の手順で該ポリイ
ミド樹脂基板に形成したスプロケットホールの寸法精度
を測定したところ、その寸法精度は設計マスク寸法に対
して±7〜8%と優れた寸法精度を示した。またスプロ
ケットホールにおける角部の形状は丸味が殆どなく開孔
形状は直線的であり、またスルーホールの形成によって
露出した銅層の表面には変色がなく良好な状態であっ
た。 比較例1 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として本発明
によるエッチング液の代りに従来よりポリイミド樹脂用
エッチング液として知られている、水酸化ナトリウム4
重量%、エタノール80重量%、残部水16重量%の組
成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で
20分間浸漬してポリイミド樹脂基板のエッチングを行
なったところ、上記のエッチング条件ではスルーホール
の形成は殆どなされなかった。
【0056】次にそのサンプルを実体顕微鏡を用いて観
察したところ、ポリイミド樹脂面に形成されたフォトレ
ジストが部分的に侵食され膨潤を起こしていることが確
認された。 比較例2 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として本発明
によるエッチング液の代りに従来よりポリイミド樹脂用
エッチング液として知られている水酸化ナトリウム40
重量%、残部水60重量%の組成を有する水溶液を用い
て、エッチング温度60℃で20分間浸漬してポリイミ
ド樹脂基板のエッチングを行なったところ、上記のエッ
チング条件ではスルーホールの形成は殆どなされなかっ
た。
【0057】次にそのサンプルを実体顕微鏡を用いて観
察したところ、ポリイミド樹脂面に形成されたフォトレ
ジストが全面的に剥離脱落していることが判かった。 比較例3 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として本発明
によるエッチング液の代りに従来よりポリイミド樹脂用
エッチング液として知られている水酸化テトラメチルア
ンモニウム30重量%およびメタノール70重量%の組
成を有する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で
20分間浸漬してポリイミド樹脂基板のエッチングを行
なったところ、上記のエッチング条件では、スルーホー
ルの形成は殆どなされなかった。
【0058】次にそのサンプルを実体顕微鏡を用いて観
察したところ、ポリイミド樹脂面に形成されたフォトレ
ジストが一部に侵食された部分があることが確認され
た。 比較例4 実施例1と同様の手順によってポリイミド樹脂基板の所
定部分に露出部を有する2層構造TABのエッチングテ
ストサンプルを作成し、次にエッチング液として本発明
によるエッチング液の代りに従来よりポリイミド樹脂用
エッチング液として知られている、ヒドラジン70重量
%およびエチレンジアミン30重量%よりなる組成を有
する混合溶液を用いて、エッチング温度60℃で6分間
浸漬したところ、本例のエッチング条件においては、ポ
リイミド樹脂基板に実施例1と同様のスルーホールを形
成することが判かった。
【0059】しかしながら、このポリイミド樹脂基板に
ついて実施例1と同様の手順で基板に形成されたスルー
ホールの寸法精度を測定したところ、その寸法精度は設
計マスク寸法に対して±15〜30%であり、サイドエ
ッチングによるオーバーエッチングが大きく、明らかに
所望の寸法精度を達成することができないことが判かっ
た。また、スプロケットホールにおける角部の形状は丸
味を帯びており、フォトレジストの膨潤を起こしている
ことも確認された。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のエッチング
液によれば2層構造TAB等のフィルムキャリアを構成
するポリイミド樹脂基板が比較的厚くても、迅速且つ効
率よくスルーホールのエッチング形成が可能であり、従
来のヒドラジン溶液によってエッチングする場合に較べ
てパターニング処理に際して施されたフォトレジストを
侵食したり膨潤を起こしたりすることがないので、極め
て寸法精度よく正確に微細スルーホールの加工を行なう
ことができる。また大気中の水分や炭酸ガスなどの影響
を受けることもないので取扱い性も安定しているなどそ
の利点は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】2層構造TABにおけるポリイミド樹脂基板に
パターニング処理をする場合の工程(A)〜(F)の説
明図である。
【図2】2層構造TABのスルーホールパターンを例示
した平面図である。
【符号の説明】
1 ポリイミド樹脂基板 2 銅層 3a 耐酸フォトレジスト 3b 耐アルカリフォトレジスト 4 銅めっき層 6 ポリイミド樹脂露出面(ホールパターン) 7 スプロケットホール 8 デバイスホール 9 OLBホール 10 導体パターン 11 リード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜40重量%の水酸化アルカリ、1〜
    20重量%のフェノール系溶剤、残部水からなる組成を
    有するポリイミド樹脂溶解用エッチング液。
  2. 【請求項2】 1〜40重量%の水酸化アルカリ、1〜
    20重量%のフェノール系溶剤、1〜30重量%のアミ
    ン化合物、残部水からなる組成を有するポリイミド樹脂
    溶解用エッチング液。
  3. 【請求項3】 1〜40重量%の水酸化アルカリ、1〜
    20重量%のフェノール系溶剤、1〜30重量%のアミ
    ン化合物、残部アルコールからなる組成を有するポリイ
    ミド樹脂溶解用エッチング液。
  4. 【請求項4】 2層構造ポリイミド樹脂基板を用いたフ
    ィルムキャリアにおけるポリイミド樹脂基板にパターニ
    ング処理を施して化学溶解処理を行ない該樹脂基板の所
    定の箇所にスルーホールを形成するに際し、請求項1乃
    至請求項3のいずれか1項に記載されたエッチング液を
    用いて該溶解処理を行なうことを特徴とするポリイミド
    樹脂基板のスルーホールのエッチング加工方法。
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