JPH05301836A - 新規ハイドロキノン誘導体 - Google Patents

新規ハイドロキノン誘導体

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JPH05301836A
JPH05301836A JP6495691A JP6495691A JPH05301836A JP H05301836 A JPH05301836 A JP H05301836A JP 6495691 A JP6495691 A JP 6495691A JP 6495691 A JP6495691 A JP 6495691A JP H05301836 A JPH05301836 A JP H05301836A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗酸化作用を有する新たな物質として新規ハイ
ドロキノン誘導体を提供するとともに、新規な抗酸化剤
を提供する。 【構成】新規ハイドロキノン誘導体は、一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数7〜11のアルキル基である。)
で示されるハイドロキノン誘導体、および一般式(II) 【化2】 (式中、R2 〜R5 はそれぞれ、水素原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシ基であり、かつR2 〜R5
少なくとも1つは低級アルキル基または低級アルコキシ
基であり、R6 はC2 以上の炭素鎖を有するアルキル基
である。)で示されるハイドロキノン誘導体である。ま
た、新規抗酸化剤は、一般式(III) 【化3】 (式中、R7 〜R10はそれぞれ、水素原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシ基であり、R11はC2 以上の
炭素鎖を有するアルキル基である。)で示されるハイド
ロキノン誘導体および/またはその塩を有効成分として
含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ハイドロキノン誘
導体およびこのハイドロキノン誘導体を有効成分とする
抗酸化剤に関する。
【0002】
【背景技術】食品や化粧料には、保存中に起こる退色や
変色、香りの変化、過酸化物の生成等を防止することを
目的として、必要に応じて、抗酸化剤(酸化防止剤)が
添加される。
【0003】このような用途の抗酸化剤としては、例え
ば下記のものが使用されている。 食品用 ブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTという)、dl
−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック
酸、ブチルヒドロキシアニソール(以下、BHAとい
う)、没食子酸プロピル等。 化粧料用 BHT、dl−α−トコフェロール、BHA、没食子酸
等。 そして、抗酸化作用に優れる点や安価である点等から、
食品用の脂溶性抗酸化剤および化粧料用の脂溶性抗酸化
剤として、BHTが特に好ましく使用されている。
【0004】ところで、近年では食生活の多様化に伴っ
て、さまざまな種類の生物資源が食品として市場に出回
るようになるとともに、新たな組成の加工食品が種々開
発されている。また化粧料の分野においても、近年、美
意識が高揚されたことに伴って、新たな組成の化粧料が
種々開発されている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、食品や化粧料の組成の多様化
が進展しているという現況に鑑みてなされたものであ
り、本発明の第1の目的は、抗酸化作用を有する新規ハ
イドロキノン誘導体を提供することにある。また本発明
の第2の目的は、新規な抗酸化剤を提供することにあ
る。
【0006】
【目的を達成するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明の新規ハイドロキノン誘導体は、一般式(I)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 は炭素数7〜11のアルキル
基である。)で示されるものである(以下、ハイドロキ
ノン誘導体Aという)。そして、一般式(II)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R2 〜R5 はそれぞれ、水素原
子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、か
つR2 〜R5 の少なくとも1つは低級アルキル基または
低級アルコキシ基であり、R6 はC2 以上の炭素鎖を有
するアルキル基である。)示される新規ハイドロキノン
誘導体(以下、ハイドロキノン誘導体Bという)も、前
記第1の目的を達成する。
【0011】また、前記第2の目的を達成する本発明の
抗酸化剤は、一般式(III)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R7 〜R10はそれぞれ、水素原
子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R
11はC2 以上の炭素鎖を有するアルキル基である。)で
示されるハイドロキノン誘導体および/またはその塩を
有効成分として含有するものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明のハイドロキノン誘導体Aについて説明する。この
ハイドロキノン誘導体Aは、前述のように一般式(I)
で示される化合物であり、一般式(I)におけるR1
炭素数7〜11のアルキル基に限定される。このような
アルキル基としては、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基等
が挙げられる。
【0015】このハイドロキノン誘導体Aは、例えば、
ハイドロキノンと式 R1 −OH [式中、R1 は一般式(I)におけるR1 に同じであ
る。]で示されるアルコールとを、リンモリブデン酸、
リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングス
テン酸等のヘテロポリ酸の存在下で反応させることによ
り得ることができる。このようにして得られるハイドロ
キノン誘導体Aは、抗酸化剤として利用するに十分な抗
酸化作用を有している。
【0016】次に、本発明のハイドロキノン誘導体Bに
ついて説明する。このハイドロキノン誘導体Bは、前述
のように一般式(II)で示される化合物であり、一般式
(II)におけるR2 〜R5 はそれぞれ、水素原子、低級
アルキル基または低級アルコキシ基であり、かつR2
5 の少なくとも1つは低級アルキル基または低級アル
コキシ基であり、R6 はC2 以上の炭素鎖を有するアル
キル基である。ここで、R2 〜R5 としての低級アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等が挙げられる。また、R2 〜R5 としての低級ア
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等が挙げられる。そして、R6 とし
てのC2 以上の炭素鎖を有するアルキル基としては、n
−エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル
基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデ
シル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n
−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられ
る。ハイドロキノン誘導体Bを示す一般式(II)におい
て、R6 をC2 以上の炭素鎖を有するアルキル基に限定
する理由は、R6 がC1 の炭素鎖を有するアルキル基
(メチル基)であるハイドロキノン誘導体では抗酸化作
用が低く、R6 のアルキル基における炭素鎖数の増加に
伴って抗酸化作用が増大するからである。炭素鎖数の増
加に伴う抗酸化作用の増大は、C4 〜C8 あたりでピー
クに達し、後は漸減する。
【0017】一般式(II)で示されるハイドロキノン誘
導体Bは、例えば、出発物質として一般式(IV)
【0018】
【化7】
【0019】[式中、R2 〜R5 は一般式(II)におけ
るR2 〜R5 に同じである。]で示される公知のハイド
ロキノン誘導体を用いて、下記の方法(イ)または
(ロ)により得ることができる。 (イ)一般式(II)で示されるハイドロキノン誘導体B
として、例えば式
【0020】
【化8】
【0021】で示されるハイドロキノン誘導体の如く、
2個の水酸基のうち立体障害の相対的に少ない水酸基が
エーテル化されたハイドロキノン誘導体を得る場合に
は、一般式(IV)のハイドロキノン誘導体に式 R6 −OH [式中、R6 は一般式(II)におけるR6 に同じであ
る。]で示されるアルコールを、リンモリブデン酸、リ
ンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステ
ン酸等のヘテロポリ酸の存在下で反応させる。
【0022】(ロ)一般式(II)で示されるハイドロキ
ノン誘導体Bとして、例えば式
【0023】
【化9】
【0024】で示されるハイドロキノン誘導体の如く、
2個の水酸基のうち立体障害の相対的に多い水酸基がエ
ーテル化されたハイドロキノン誘導体を得る場合には、
一般式(IV)のハイドロキノン誘導体の立体障害の相対
的に少ない水酸基をピバロイルクロライド等の酸ハライ
ドでエステル化してブロックし、次に、エーテル化した
い、立体障害の相対的に多い水酸基を、式 R6 −X [式中、R6 は一般式(II)におけるR6 に同じであ
り、Xはハロゲン原子である。]で示されるハロゲン化
アルキルでエーテル化し、しかる後、立体障害の相対的
に少ない水酸基のブロックをエステル加水分解反応によ
り除去して遊離水酸基に戻す。
【0025】このようにして得られるハイドロキノン誘
導体Bは、前述のハイドロキノン誘導体Aと同様に、抗
酸化剤として利用するに十分な抗酸化作用を有してい
る。
【0026】次に、本発明の抗酸化剤について説明す
る。この抗酸化剤は、前述のように一般式(III) で示さ
れるハイドロキノン誘導体および/またはその塩を有効
成分とするものである。そして、一般式(III) における
7 〜R10はそれぞれ、水素原子、低級アルキル基また
は低級アルコキシ基であり、R11はC2 以上の炭素鎖を
有するアルキル基である。一般式(III) から明らかなよ
うに、本発明の抗酸化剤は前述したハイドロキノン誘導
体Aとハイドロキノン誘導体Bを含む。さらに、優れた
抗酸化作用を有していることが本発明者らの研究により
今回新たに明らかにされた既知ハイドロキノン誘導体、
例えば1−ブチルハイドロキノン、1−ヘキシルハイド
ロキノン、1−ドデシルハイドロキノンをも含む。
【0027】本発明の抗酸化剤は優れた抗酸化作用を有
し、その毒性も低いため、食品用の抗酸化剤や化粧料用
の抗酸化剤として有用である。さらに、活性酸素種や活
性有機ラジカル種等の組織障害性因子を消失させること
も可能であるため、組織障害性因子により惹起される臓
器機能障害を予防・治療するための薬剤の有効成分とし
ても利用可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。製造実施例1
【0029】
【化10】
【0030】ハイドロキノン2.2g(20mmol )を
n−オクチルアルコール40mlに溶解させた溶液にリン
モリブデン酸(P2 5 ・24MoO3 ・xH2 O)
0.7gを加え、撹拌後、120℃で6時間加熱した。
加熱後の溶液に水およびEtOAcを各々300ml加
え、振盪した。振盪後、有機層を分取し、これを無水M
gSO4 で乾燥した後に減圧下で濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してヘキサ
ンとEtOAcとの混液で溶出して、1−オクチルハイ
ドロキノンの粗精製物を得た。この後、得られた粗精製
物をn−ヘキサンにより再結晶して、目的の標題化合物
2.7g(収率60%)を得た。得られた1−オクチル
ハイドロキノンの収量、収率、融点、およびH−NMR
のδ値を、表1に示す。
【0031】製造実施例2
【0032】
【化11】
【0033】n−オクチルアルコールに代えて、n−デ
シルアルコールを用いた以外は製造実施例1と同様にし
て、目的の標題化合物3.7g(収率49%)を得た。
得られた1−デシルハイドロキノンの収量、収率、融
点、およびH−NMRのδ値を、表1に示す。
【0034】製造実施例3
【0035】
【化12】
【0036】製造実施例1におけるハイドロキノンに代
えて2,3,5−トリメチルハイドロキノンを用い、か
つ製造実施例1におけるn−オクチルアルコールに代え
てn−ブチルアルコールを用いた以外は製造実施例1と
同様にして、目的の標題化合物3.19g(収率73
%)を得た。得られた1−ブチル−2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの収量、収率、融点、およびH−N
MRのδ値を、表1に示す。
【0037】製造実施例4製造実施例7[ハイドロキ
ノン誘導体Bの製造] n−オクチルアルコールに代えて、R6 −OHとしてR
6 が表1に示す基であるアルコールを用いた以外は製造
実施例4と同様にして、R2 、R3 およびR4がメチル
基で、R5 が水素原子で、R6 が表1に示すアルキル基
であるハイドロキノン誘導体Bをそれぞれ得た。各ハイ
ドロキノン誘導体Bの収量、収率、融点、およびH−N
MRのδ値を、表1に示す。
【0038】製造実施例8
【0039】
【化13】
【0040】1−ピバロイル−2,3,5−トリメチ
ルハイドロキノンの製造 2,3,5−トリメチルハイドロキノン3.5g(2
3.0mmol )を塩化メチレン20mlに溶解させた溶液
に無水ピリジン6mlを加え、混合した。得られた混合液
を−15℃に冷却し、この混合液中にピバロイルクロラ
イド2.8gを含有する塩化メチレン20mlを20分か
けて滴下した後、室温に戻して8時間撹拌した。撹拌
後、反応液に酢酸4.25mlと水20mlとを加えて振盪
した。振盪後、有機層を分取し、これを無水MgSO4
で乾燥した後に減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付してベンゼンとEt
OAcとの混合溶媒で溶出して、1−ピバロイル−2,
3,5−トリメチルハイドロキノンの粗精製物2.4g
を得た。
【0041】4−ヘキシル−1−ピバロイル−2,
3,5−トリメチルハイドロキノンの製造 上記で得られた1−ピバロイル−2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの粗精製物2.4g(10.0mmo
l )と、沃化ヘキシル21.2g(100.0mmol )
と、炭酸カリウム6.9g(20.0mmol )とを、メ
チルエチルケトン70mlに加えて撹拌した後、8時間還
流した。還流後の反応液に水150mlとEtOAc 1
50mlとを加えて振盪した後、有機層を分取した。分取
後、水層にEtOAc 150mlを加えて振盪し、振盪
後に有機層を分取した。同様の操作を更にもう1回行っ
た。分取した有機層を全て合わせ、水洗および無水Mg
SO4 を用いての乾燥処理を施した後に減圧下で濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付してヘキサンとEtOAcとの混合溶媒で溶出し
て、4−ヘキシル−1−ピバロイル−2,3,5−トリ
メチルハイドロキノンの粗精製物1.5gを得た。
【0042】4−ヘキシル−2,3,5−トリメチル
ハイドロキノン(標題化合物)の製造 上記で得られた4−ヘキシル−1−ピバロイル−2,
3,5−トリメチルハイドロキノン1.5g(4.0m
mol )と水酸化カリウム0.45gとをMeOH 5ml
に加えて、室温で6時間撹拌した。振撹拌の反応液に水
150mlとEtOAc 150mlとを加えて振盪した
後、有機層を分取した。分取後、水層にEtOAc 1
50mlを加えて振盪し、振盪後に有機層を分取した。同
様の操作を更にもう1回行った。分取した有機層を全て
合わせ、水洗および無水MgSO4 を用いての乾燥処理
を施した後に減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付してヘキサンとEtO
Acとの混合溶媒で溶出して、4−ヘキシル−2,3,
5−トリメチルハイドロキノンの粗精製物を得た。この
後、得られた粗精製物をn−ヘキサンにより再結晶し
て、目的の標題化合物0.7g(収率65%)を得た。
得られた4−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノンの収量、収率、融点、およびH−NMRのδ値
を、表1に示す。
【0043】製造実施例9製造実施例11[既知ハイ
ドロキノン誘導体の製造] n−オクチルアルコールに代えて、R1 −OHとしてR
1 が表1に示す基であるアルコールを用いた以外は製造
実施例1と同様にして、R1 が表1に示すアルキル基で
ある既知ハイドロキノン誘導体をそれぞれ得た。各既知
ハイドロキノン誘導体の収量、収率、融点、およびH−
NMRのδ値を、表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】抗酸化作用試験例1[ラット肝ミクロゾー
ムの脂質過酸化抑制作用] (1) ラット肝ミクロゾーム懸濁液の調製 SD系雄性ラット(体重250〜280g)を複数個体
用意し、各個体をペントバルビタールで麻酔した後に開
腹して、門脈にカニュレーションを施して腹部大静脈を
切断し、冷0.9%NaCl 500mlを門脈へ注入し
た。次いで、各個体から肝臓を摘出し、摘出した肝臓を
1.15%KCl中で細切して氷冷下にホモゲナイズし
た後、更に1.15%KClを加えて、30%肝ホモゲ
ナイズ液を得た。この後、得られたホモゲナイズ液を8
000g(g:重力加速度)で10分間遠心分離し、生
じた上澄を分取した。そして、前記上澄を105000
g(g:重力加速度)で1時間遠心分離して得られた沈
渣のタンパク量をロウリー法(Lowry 法)で測定し、タ
ンパク濃度が10mg/mlとなるように前記沈渣に1.1
5%KClを加えて、肝ミクロゾーム懸濁液を調製し
た。調製した懸濁液は、下記(2) の試験に供するまで−
20℃で保存し、調製後1週間以内に使用した。
【0046】(2) 脂質過酸化抑制作用の検証 被験物質として、実施例1〜実施例11で得られた各ハ
イドロキノン誘導体、一般式(I)のR1 がメチル基で
ある既知ハイドロキノン誘導体(以下、HQ1とい
う)、およびBHTを用いて、各被験物質の脂質過酸化
抑制作用を以下の要領で検証した。
【0047】まず、トリス−HCl緩衝液(167mM
KCl、74mMトリス、pH7.4)0.5ml
に、上記(1) で得られた肝ミクロゾーム懸濁液0.1m
l、NADPH 0.1ml(最終濃度2mM)、ADP
0.1ml(最終濃度10mM)、および10%DMF
で表1に示す濃度に調製した被験物質溶液0.1mlを加
えて、37℃で5分間加温した。次いで、FeCl
3 0.1ml(最終濃度0.1mM)を加えて、37℃で
20分間加温した。次に、反応液を氷冷し、氷冷後の反
応液に8.1%SDS溶液0.2mlと、酢酸緩衝液
(0.27M HClを含有する20%酢酸を10N
NaOHでpH3.5に調製したもの)1.5mlと、
0.8%チオバルビツール酸1.5mlとを加え、沸騰水
浴上で20分間加温した。加温後、反応液を氷冷し、氷
冷後の反応液にn−BuOHとピリジンの混液[n−B
uOH:ピリジン=15:1(体積比)]4mlを加えて
激しく混和させた。この後、反応液を2000rpm で1
0分間遠心分離し、生じた上澄の532nmにおける吸光
度を測定してチオバルビツール酸反応量を求めて、1,
1,3,3−テトラメトキシプロパンを用いて作成した
マンデロアルデヒド(MDA)量の検量線から、過酸化
脂質量をMDAの生成量として求めた。
【0048】なおコントロールでは、被験物質のDMF
溶液に代えて10%DMF溶液0.1mlを用いて、過酸
化脂質量を求めた。またブランクでは、NADPH
0.1ml、ADP 0.1ml、およびFeCl3 0.1
mlに代えてそれぞれ水0.1mlを用い、かつ被験物質の
DMF溶液に代えて10%DMF溶液0.1mlを用い
て、過酸化脂質量を求めた。そして、脂質過酸化反応の
阻害率を下式 阻害率(%)=[1−(OD1 −OD3 )/(OD2
OD3 )]×100 OD1 :被験物質を加えたときの吸光度 OD2 :コントロールの吸光度 OD3 :ブランクの吸光度 により算出した。この結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、実施例1〜実施
例2で得られた本発明の各ハイドロキノン誘導体Aは、
既知ハイドロキノン誘導体であるHQ1よりも優れた抗
酸化作用を有しており、抗酸化剤として利用可能であ
る。また、実施例9〜実施例11で得られた既知の各ハ
イドロキノン誘導体も、今回新たに、抗酸化剤として利
用可能な抗酸化作用を有していることが明らかとなっ
た。さらに、実施例3〜実施例8で得られた本発明の各
ハイドロキノン誘導体Bは、10-5Mの濃度下ではハイ
ドロキノン誘導体Aと同等ないし従来の代表的な脂溶性
抗酸化剤であるBHTと同等の抗酸化作用を示し、10
-6Mという低濃度下ではBHTよりも優れた抗酸化作用
を示す。
【0051】抗酸化作用試験例2[DPPH消去能] 被験物質として実施例5で得られたハイドロキノン誘導
体とBHTとを用いて、以下の要領でDPPH(α,α
−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル)に対する消去
能(活性有機ラジカル種消去能)を測定した。まず、被
験物質をDMFに溶解させて、被験物質の濃度が10-2
MのDMF溶液を調製した。次いで、このDMF溶液
0.02mlを、10-4Mの濃度でDPPHを含有するE
tOH溶液2ml中に添加し、得られた溶液の517nmに
おける吸光度(ODs)を所定時間ごとに測定して、こ
の測定結果から各被験物質のDPPH消去能を求めた。
なお、コントロールでは、被験物質のDMF溶液に代え
てDMFを用いた。そして、各被験物質の消去能は、コ
ントロールの吸光度に対するODs の減少率として求め
た。この結果を図1に示す。図1から明らかなように、
実施例5で得られた本発明のハイドロキノン誘導体B
は、BHTよりも優れたDPPH消去能を有している。
【0052】毒性試験例 ICR系マウス(体重25〜35g)に30mg/kg体重
の割合で経口投与した場合、実施例1〜実施例11の各
ハイドロキノン誘導体(本発明の抗酸化剤)のいずれに
おいても死亡例を認めなかった。また、一般症状観察に
おいても特別な変化は認められなかった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のハイドロ
キノン誘導体Aおよびハイドロキノン誘導体Bは、いず
れも抗酸化剤として利用するに十分な抗酸化作用を有し
ている。そして本発明の抗酸化剤は、これらの新規ハイ
ドロキノン誘導体および/または優れた抗酸化作用を有
していることが今回新たに確認された既知ハイドロキノ
ン誘導体を有効成分として含有している。したがって、
本発明を実施することにより新規な抗酸化剤を提供する
ことが可能となり、近年急激に進んでいる食品や化粧料
の組成の多様化に対応して抗酸化剤の選択の幅を拡大す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はDPPH消去能の試験結果を示すグラフであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数7〜11のアルキル基である。)
    で示されるハイドロキノン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(II) 【化2】 (式中、R2 〜R5 はそれぞれ、水素原子、低級アルキ
    ル基または低級アルコキシ基であり、かつR2 〜R5
    少なくとも1つは低級アルキル基または低級アルコキシ
    基であり、R6 はC2 以上の炭素鎖を有するアルキル基
    である。)で示されるハイドロキノン誘導体。
  3. 【請求項3】一般式(III) 【化3】 (式中、R7 〜R10はそれぞれ、水素原子、低級アルキ
    ル基または低級アルコキシ基であり、R11はC2 以上の
    炭素鎖を有するアルキル基である。)で示されるハイド
    ロキノン誘導体および/またはその塩を有効成分として
    含有することを特徴とする抗酸化剤。
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