JPH05300782A - 外乱推定補償器 - Google Patents

外乱推定補償器

Info

Publication number
JPH05300782A
JPH05300782A JP4095055A JP9505592A JPH05300782A JP H05300782 A JPH05300782 A JP H05300782A JP 4095055 A JP4095055 A JP 4095055A JP 9505592 A JP9505592 A JP 9505592A JP H05300782 A JPH05300782 A JP H05300782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disturbance
signal
motor
torque
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4095055A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2959270B2 (ja
Inventor
Keisuke Matsuo
景介 松尾
Toshio Inaji
稲治  利夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4095055A priority Critical patent/JP2959270B2/ja
Publication of JPH05300782A publication Critical patent/JPH05300782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2959270B2 publication Critical patent/JP2959270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータに加わる外乱トルクを推定・補償する
のに必要な演算の量を大幅に削減する外乱推定補償器を
提供する。 【構成】 モータの回転角速度の速度信号ωは乗算部1
により係数を掛けられ、さらに、第1の加算部2におい
てモータに印加されるトルク電流iaと加算される。第
1の加算部2の出力はフィルタ部3に入力され1次の高
域遮断フィルタに通される。フィルタ部3の出力は第2
の加算部4に入力され乗算部1の出力を減算することに
より外乱推定信号dを出力する。外乱推定信号dはモー
タの駆動器より出力されたトルク電流iarefと加算する
ことにより外乱トルクの影響を打ち消したトルク電流i
aを得る。外乱推定信号dはモータに加わる外乱トルク
を駆動信号に換算した等価外乱トルクの推定信号となっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータに加わる外乱ト
ルクを推定した推定信号を利用して、外乱トルクがモー
タの回転速度に及ぼす影響を抑圧するように構成された
モータの制御装置に使用して有効な外乱推定補償器に関
する。
【0002】
【従来の技術】モータの制御装置を高性能化するための
近年の技術として、モータに加わる外乱トルクの推定信
号を用いて外乱トルクの影響を抑圧するように制御系を
構成するロバスト制御技術や、マイクロコンピュータを
用いて制御器の動作をソフトウェアプログラムで行うよ
うにしたソフトウェアサーボ技術などがあげられる。現
在の技術では、外乱トルクを推定・補償したロバスト制
御系をソフトウェアサーボにおいて実現する場合、後述
するように演算量が多くなることから高速処理のできる
高価なマイクロコンピュータが不可欠である。従って、
小型機器に用いられているモータの制御装置において
は、コストの面で、ほとんど実用化されていないのが現
状である。
【0003】(図6)はモータに加わる外乱トルクを推
定し、この推定信号をモータの駆動信号にフィードフォ
ワードで帰還して外乱トルクの影響を抑圧するように構
成した速度制御装置の一般的な構成を表す図である。
(図6)において、モータ20には外乱トルクTdが加
わっており、速度検出器30によってモータ20の回転
角速度を検出している。速度検出器30によって検出さ
れた速度信号ω、および速度指令信号rは速度制御器4
0に入力され、制御系の速応性および応答性を改善する
ための制御補償を行い、制御信号cを得ている。制御信
号cは駆動器50に入力されトルク電流iarefを得てい
る。トルク電流iarefを直接モータ20に供給した場合
には、モータ20と速度検出器30と速度制御器40と
駆動器50によってモータ20の回転角速度を速度指令
信号rに一致させるための基本的な速度制御系が構成さ
れる。
【0004】しかし、このような基本的な速度制御系だ
けでは、外乱トルクによる回転角速度の変動を十分に抑
制することができないので、(図6)ではさらに、外乱
推定器60および加算器70が付加されている。外乱推
定器60はモータ20に印加されるトルク電流ia と速
度信号ωを入力として、モータ20に加わる外乱トルク
Td を推定し、さらに、この推定した外乱トルクをトル
ク電流に換算した外乱推定信号dを出力する。外乱推定
信号dはトルク電流iarefにフィードフォワードで帰還
され、加算器70においてトルク電流iarefと加算され
ることにより外乱トルクTd の影響を打ち消すように構
成されている。このように外乱推定器60および加算器
70によって外乱トルクTd を推定・補償する構成とな
っているので、以下、外乱推定器60と加算器70とを
まとめて外乱推定補償器と呼ぶ。
【0005】外乱推定器60については種々の構成が提
案されているが、現代制御理論における最小次元オブザ
ーバの考え方を用いて外乱トルクを推定するようにした
構成が最も一般的であり、外乱オブザーバと呼ばれてい
る。外乱オブザーバを用いた速度制御装置は例えば、特
開平3−155383号公報に示されている。
【0006】以下、外乱オブザーバを用いて外乱トルク
を推定し、この推定信号を用いて外乱トルクの影響を抑
圧するように構成した速度制御装置について図面を参照
しながら説明する。(図7)に外乱オブザーバを用いた
速度制御系の制御ブロック線図を示す。(図7)におい
て、破線で囲んだ部分が外乱オブザーバに相当し、この
外乱オブザーバ61とブロック68とを合わせた部分が
(図6)に示した外乱推定器60の動作に対応する。ま
た、(図6)に示した速度検出器30についてはモータ
の回転角速度に等しい速度信号が得られるとして、(図
7)では(図6)の速度検出器30に対応する伝達要素
を省略して考えている。(図6)のモータ20の動作に
対応する部分はブロック21,23および加算点22で
あり、まず、これらについて説明する。トルク電流ia
はブロック21に入力されてトルクTに変換される。こ
こで、Ktはモータのトルク定数である。トルクTと外
乱トルクTdは加算点22に入力され、トルクTから外
乱トルクTdを引くことにより正味の駆動トルク(T−
Td)を得る。駆動トルクはブロック23に入力され、
モータの伝達関数1/(Js)により回転角速度ωに変
換される。ここで、Jはモータの慣性、sはラプラス演
算子を表している。
【0007】次に、(図6)の速度制御器40の動作に
対応する部分について説明する。速度信号ωと速度指令
信号rは加算点41に入力され、減算比較することによ
り誤差信号eを得る。誤差信号eはブロック42におい
て制御補償が行われ制御信号cに変換される。なお、ブ
ロック42は比例・積分補償の場合を示しており、Kp
は比例ゲインを、Kiは積分ゲインをそれぞれ表してい
る。次に、(図6)の駆動器50の動作に対応する部分
はブロック51であり、制御信号cはブロック51に入
力され、Kamp倍されてトルク電流iarefとなる。ここ
で、Kampは(図6)の駆動器50の利得である。以上
が基本的な速度制御系の構成であり、これに破線で囲ん
だ外乱オブザーバ61とブロック68、加算点71から
なる外乱推定補償器が付加されている。以下、これらの
動作について説明する。
【0008】トルク電流iaはブロック62において係
数gKtnを掛けられる。ここで、gは外乱オブザーバの
帯域を示す正の定数であり、Ktnはトルク定数Ktの公
称値を表している。(図6)の速度検出器30により検
出された速度信号ωはブロック63において係数g2Jn
を掛けられ、ブロック66において係数gJnが掛けら
れる。ここで、Jnはモータの慣性Jの公称値を表して
いる。ブロック62の出力およびブロック63の出力は
加算点64において加算され、さらに、ブロック65で
表される1次遅れ要素に入力される。ブロック65の出
力はブロック66の出力と加算点67において減算さ
れ、外乱トルクの推定信号Teを得る。さらに、外乱ト
ルクの推定信号Teはブロック68に入力され係数1/
Ktnを掛けられ、外乱推定信号dを得ている。外乱推定
信号dは加算点71においてトルク電流iarefと加算さ
れ、(図6)のモータ20に加わる外乱トルクTdを打
ち消すように働き、外乱トルクTdによる(図6)のモ
ータ20の回転変動を抑圧する構成となっている。
【0009】(図7)の制御ブロック線図において、外
乱トルクTdとその推定値Teとの関係を計算すると
【0010】
【数1】
【0011】となる。ただし、J=Jn,Kt=Ktnとし
ている。(数1)の右辺第1項は遮断角周波数gの1次
高域遮断フィルタを表す伝達関数であるので、外乱トル
クの推定信号Teは外乱トルクTdの周波数成分のうち角
周波数がgより大きい高周波成分を落としたものになっ
ている。
【0012】また、(図7)において外乱トルクTdか
らモータの回転角速度ωへの伝達関数Go(s)を計算
すると、
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】となる。ただし、ここでもJ=Jn,Kt=
Ktnとしている。(数3)で示した伝達関数G(s)
は、(図7)において外乱補償器のない場合、すなわ
ち、基本的な速度制御系のみの場合の外乱トルクTdか
らモータの回転角速度ωへの伝達関数に相当する。(数
2)からわかるように、Go(s)は
【0016】
【数4】
【0017】で表されるFc(s)とG(s)との積と
なっており、Fc(s)が外乱トルクの抑圧性能への外
乱オブザーバの効果を表している。Fc(s)は遮断角
周波数gの低域遮断特性を持つ1次フィルタを表す伝達
関数である。従って、(図7)のように外乱オブザーバ
を用いて外乱トルクを推定し、補償を行った速度制御系
の場合、角周波数がgより小さい周波数成分の外乱トル
クに対して抑圧性能が改善されることがわかる。(図
8)に周波数伝達関数G(jω),Go(jω)のゲイ
ン特性の例を示す。(図8)においてグラフ1はG(j
ω)のゲイン特性を、グラフ2はGo(jω)のゲイン
特性をそれぞれ表しており、この特性例では角周波数g
は100Hzに対応している。グラフ1とグラフ2を比
較すると、100Hzより小さい周波数においてFc
(s)の効果によりグラフ2のゲインが小さくなってお
り、この特性例からも外乱トルクの抑圧性能が改善され
ていることがわかる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、外乱オブザーバ61において外乱トルク
の推定信号Teを求めるのに、ブロック62,63,6
6に対応する3つの乗算器を必要とし、さらに、この外
乱トルクの推定信号Teを用いて外乱を補償するのにブ
ロック68に対応する1つの乗算器を必要する。従っ
て、外乱オブザーバを用いて外乱を補償する場合、ブロ
ック65に対応する1次遅れ要素の演算以外に、合計4
つの乗算器が必要である。この構成をハードウェアで実
現する場合には、素子数の増加を招き、機器の小型化の
妨げや製品のコストアップにつながるという問題点を有
する。また、ソフトウェアで実現する場合には、一般
に、乗算を実行するのに多くの演算時間を必要とするの
で、乗算回数の多い上記従来の構成では、演算時間の不
足や演算時間遅れによる制御性能の劣化を招く。これを
防止するためには高速処理が可能な高価なマイクロコン
ピュータが必要となり、やはり、製品のコストアップに
つながるという問題点を有する。
【0019】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、外乱トルクの抑圧性能に対する改善効果は上記従来
の構成と同等であり、しかも外乱推定・補償のための演
算量を大幅に削減した外乱推定補償器を提供することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、モータの回転速度に応動した速度信号を入
力とし速度信号に係数を掛ける乗算手段と、モータに印
加される駆動信号と乗算手段の出力とを加算する第1の
加算手段と、第1の加算手段の出力にフィルタ演算を行
うフィルタ手段と、乗算手段の出力とフィルタ手段の出
力とを加算しモータに加わる外乱トルク量に対応した外
乱推定信号を出力する第2の加算手段を具備し、外乱推
定信号で駆動信号を補正するように構成したものであ
る。
【0021】
【作用】本発明では上記の構成とすることによって、モ
ータに加わる外乱トルクそのものを推定するのではな
く、外乱トルクを駆動信号に換算した等価外乱トルクを
推定するようにしている。その結果、外乱トルクの推定
・補償に必要な演算量を大幅に削減することができ、さ
らに、等価外乱トルクの推定信号は実質的に外乱トルク
そのものの推定信号と対応しているので、従来の外乱推
定補償器と同等の外乱抑圧性能を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。(図1)に本発明の一実施例の制御
ブロック線図を示す。(図1)において、乗算部1は、
モータの回転角速度を検出した速度信号ωに係数ωoJn
/Ktnを掛ける(ブロック5)。ここで、ωoは後述す
るように本実施例の外乱推定補償器が推定・補償を行う
外乱トルクの角周波数の上限を表しており、従来例で示
した外乱オブザーバの帯域gに相当する正の定数であ
る。Jn,Ktnは外乱トルクを推定する対象となるモー
タの慣性およびトルク定数の公称値をそれぞれ表してい
る。第1の加算部2は、乗算部1の出力とモータに印加
されるトルク電流iaとを入力としこれらを加算する
(加算点6)。フィルタ部3は、第1の加算部2の出力
を入力とし伝達関数ωo/(s+ωo)で表される1次の
高域遮断フィルタの演算を行う(ブロック7)。第2の
加算部4は、フィルタ部3の出力から乗算部1の出力を
減算することにより外乱推定信号dを出力する(加算点
8)。外乱推定信号dはモータの駆動器から出力される
トルク電流iarefと加算され(加算点9)、外乱トルク
の影響を打ち消したトルク電流iaを得る。トルク電流
iaはモータに供給されるとともに、再び、第1の加算
部2の入力となり上記動作が繰り返される。
【0023】本実施例の外乱推定補償器を実現する場合
に必要となる乗算器の数は、ブロック7のフィルタ演算
を除けば、ブロック5で用いられる1つだけである。一
方、(図7)に示した従来の外乱オブザーバを用いた構
成の場合には、既に説明したようにブロック65におけ
る1次遅れ要素の演算以外に4つの乗算器が必要であ
る。(図1)のブロック7におけるフィルタ演算と、
(図7)のブロック65における1次遅れ要素の演算は
同等の演算量で実現できるので、この部分を除いて考え
れば、本実施例の外乱推定補償器は乗算器の個数を従来
の1/4にした構成になっている。
【0024】次に、本実施例の外乱推定補償器を用いて
外乱トルクを補償したモータの制御ブロック線図を(図
2)に示す。(図2)において、破線で囲んだ部分が本
実施例の外乱推定補償器であり、これにトルク定数K
t,慣性Jのモータが接続されている。モータ部分の構
成は(図7)に示した従来例と同じであるので同じ記号
を付し説明を省略する。(図2)において、Td,ω,
d,iaref,iaの間の関係式を求めると、
【0025】
【数5】
【0026】
【数6】
【0027】
【数7】
【0028】となる。(数5),(数6)よりTdとd
との関係を計算すると
【0029】
【数8】
【0030】となる。ただし、J=Jn,Kt=Ktnとし
ている。(数8)より、外乱推定信号dは、外乱トルク
Tdに対して、まず、その周波数成分のうち角周波数が
ωoより大きい高周波成分を落とし、さらに1/Ktn倍
したものとなっている。換言すれば、外乱推定信号dは
外乱トルクTdの高周波成分を落とした推定信号をトル
ク電流に換算したものになっている。このように、本実
施例では外乱トルクTdそのものの推定信号は陽に現れ
ない構成となっている。また、(数5)〜(数7)の関
係式よりd,iaを消去し、ωをTd,iarefを用いて表
すと、
【0031】
【数9】
【0032】を得る。ただし、J=Jn,Kt=Ktnとし
ている。(図2)において、破線部の外乱推定補償器が
ない場合、すなわち、モータの駆動器から出力されたト
ルク電流iarefを直接モータに供給した場合の(数9)
に対応する式は
【0033】
【数10】
【0034】となる。(数9)と(数10)を比較する
と、iarefからωへの伝達関数については、いずれの場
合もKt/(Js)で等しく、Tdからωへの伝達関数に
ついては、(数9)の場合、1/(Js)・s/(s+
ωo)となっているのに対し、(数10)の場合には1
/(Js)となっている。したがって、本実施例の外乱
推定補償器を(図2)のようにモータと接続することに
よって、Tdからωへの伝達だけに
【0035】
【数11】
【0036】で表されるF(s)が掛けられることにな
る。ここで、F(s)は遮断角周波数ωoの1次低域遮
断フィルタとなっている。従って、本実施例の外乱推定
補償器を用いることにより、トルク電流iarefから回転
角速度ωへの伝達特性を変えずに、外乱トルクTdによ
る回転変動を低域において抑圧することができる。この
ように外乱トルクの影響を抑圧したモータに対して速度
制御ループを付加すれば、外乱抑圧性能の優れた速度制
御装置が構成できる。このような速度制御装置は、(図
6)において外乱推定器60および加算器70の部分を
本実施例の外乱推定補償器に置き換えることにより構成
できる。以下、このような速度制御装置について説明す
る。
【0037】(図3)に本実施例の外乱推定補償器を用
いて構成した速度制御系の制御ブロック線図を示す。破
線で囲んだ部分が本実施例の外乱推定補償器であり、こ
れ以外の基本的な速度制御系の部分は(図7)に示した
従来例の構成と同じである。(図3)の速度制御系は、
(図2)に示した外乱トルクの影響を抑圧したモータに
対して、加算点41およびブロック42,51からなる
速度制御ループを付加したものと考えることもできる。
(図3)において、破線で囲んだ部分の動作については
既に説明した通りであり、基本的な速度制御系の部分の
動作についても(図7)の説明と同様であるので、同じ
記号を付し説明を省略する。
【0038】(図3)において、外乱トルクTdから回
転角速度ωへの伝達関数Gd(s)を計算すると、
【0039】
【数12】
【0040】が得られる。(数12)の右辺第1項は
(数3)で示したG(s)と等しく、これは既に説明し
たように基本的な速度制御系のみの場合の外乱トルクT
dから回転角速度ωへの伝達関数を表している。従っ
て、本実施例の外乱推定補償器を用いた場合の外乱抑圧
性能の改善効果は(数12)の右辺第2項のs/(s+
ωo)で表され、これは(数11)で示したF(s)と
等しい。F(s)は既に説明したように遮断角周波数ω
oの1次低域遮断フィルタであり、(図2)における外
乱抑圧性能の改善効果は、速度制御ループを付加して構
成した速度制御系においてもそのまま保持されているこ
とがわかる。
【0041】一方、(図7)に示した従来の外乱オブザ
ーバを用いて構成した速度制御系の場合の外乱抑圧性能
の改善効果は(数4)のFc(s)で表されることは既
に説明した通りである。Fc(s)と本実施例を用いた
場合の改善効果を表すF(s)とを比較すると、ωo=
gとおくことにより全く等しいことがわかる。従って、
本実施例の外乱推定補償器を用いて速度制御系を構成し
た場合にも、従来の外乱オブザーバを用いた場合と全く
同等の外乱抑圧性能の改善効果を得ることができる。
【0042】以上のように本実施例の外乱推定補償器を
用いて速度制御装置を構成するならば、従来の外乱オブ
ザーバを用いた場合と同等の外乱抑圧性能の改善効果を
得ることができ、しかも外乱トルクの推定および補償を
行うのに必要な乗算器の数が従来の1/4になっている
ので演算量を大幅に削減することができる。
【0043】以下本発明の第2の実施例について図面を
参照しながら説明する。(図4)に本発明の第2の実施
例の制御ブロック線図を示す。(図4)に示した外乱推
定補償器の全体の構成は(図1)の構成と同様である。
(図1)の構成と異なるのはモータの駆動器から出力さ
れるトルク電流iarefを速度制御器から出力される制御
信号cに置き換え、外乱推定信号dを用いて制御信号c
を補正して外乱トルクの影響を打ち消した制御信号cr
を得るようにした点、およびこれに伴って乗算部1で掛
ける係数を変えた点である。以下その動作について説明
する。乗算部1は速度信号ωに係数ωoJn/Kを掛ける
(ブロック10)。ここで、K=Ktn・Kampであり、
ωo,Jn,Ktn,Kampは(図1)の構成で用いられて
いるものと同様である。第1の加算部2は、乗算部1の
出力と制御信号cr とを加算する(加算点6)。フィル
タ部3は、第1の加算部2の出力を入力とし伝達関数ω
o /(s+ωo) で表される1次の高域遮断フィルタの
演算を行う(ブロック7)。第2の加算部4は、フィル
タ部3の出力から乗算部1の出力を減算することにより
外乱推定信号dを出力する(加算点8)。外乱推定信号
dは速度制御器から出力される制御信号cと加算され
(加算点9)、外乱トルクの影響を打ち消した制御信号
crを得る。制御信号crはモータの駆動器へ供給される
とともに、再び、第1の加算部2の入力となり上記動作
が繰り返されている。以上が(図4)に示した第2の実
施例の構成および動作であり、この外乱推定補償器を実
現する場合に必要となる乗算器の数は明らかに(図1)
に示した第1の実施例と同じである。従って、第2の実
施例においても演算量を大幅に削減した構成となってい
る。
【0044】次に、第2の実施例の外乱推定補償器を用
いて速度制御系を構成した場合の、外乱トルクの抑圧性
能の改善効果について説明する。(図4)に示した第2
の実施例の外乱推定補償器を用いて構成した速度制御系
の制御ブロック線図を(図5)に示す。(図5)におい
て、破線で囲んだ部分が(図4)に示した外乱推定補償
器に相当し、これ以外の各伝達要素についても既に説明
したものと同じであるので、同じ記号を付し説明を省略
する。この場合の外乱トルクTdから回転角速度ωへの
伝達関数を計算すると(数12)に示したGd(s)と
全く等しくなる。従って、トルク電流iarefの代わりに
制御信号cを用いても、外乱トルクの抑圧性能に関し
て、(図1)に示した第1の実施例と全く同じ改善効果
を得ることができる。
【0045】速度制御器および外乱推定補償器の動作を
ソフトウェアで実現する場合には、外乱推定補償器の入
力信号はディジタル値でなければならない。ところが、
一般にトルク電流はアナログ信号であるので、第1の実
施例のように入力としてトルク電流iaを用いた場合に
は、外乱推定補償器に入力する前にA/D(アナログ/
ディジタル)変換器を用いてディジタル値に変換しなけ
ればならない。これに対して、第2の実施例のように外
乱推定補償器を構成するならば、制御信号cはマイクロ
コンピュータの内部で演算されたディジタル値であるの
で、そのまま、外乱推定補償器の入力として用いること
ができる。
【0046】以上のように、速度制御器および外乱推定
補償器をソフトウェアで実現する場合には、第2の実施
例に示したようにトルク電流iarefの代わりに制御信号
c(ディジタル値)を外乱推定補償器の入力とすること
により、特別にA/D変換器を設ける必要がなくなるの
で、モータの速度制御装置の構成をより簡単にすること
ができる。
【0047】なお、前述の各実施例では、速度制御装置
に適用した場合の効果について説明したが、速度制御ル
ープを持つ位置制御装置などに適用した場合にも同様の
効果がある。また、速度検出器はモータの回転角速度に
等しい速度信号を得ることができるとして説明を行った
が、速度信号はモータの回転角速度に実質的に対応した
信号を用いれば良く、位置制御装置などにおいてモータ
の回転角速度が直接検出できない場合には、現代制御理
論で示されているオブザーバの考え方を用いて推定した
速度推定信号を用いても良い。その他、本発明の主旨を
変えずして種々の変更が可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の外乱推定補償器
は、外乱トルクを駆動信号に換算した等価外乱トルクを
推定するように構成しているので、従来の構成と同等の
外乱抑圧性能の改善効果を得ることができ、しかも、外
乱トルクの推定・補償に必要な乗算器の数を大幅に削減
することができる。その結果、ハードウェアで実現する
場合には、素子数の削減ができるので、回路オフセット
やドリフトの問題が生じにくくコストも削減できる。ま
た、ソフトウェアで実現する場合には演算時間の不足や
演算時間遅れによる制御性能の劣化が防止でき、処理速
度の比較的遅い安価なマイクロコンピュータでも実現が
可能となる。従って、本発明の外乱推定補償器を用いて
モータの制御装置を構成するならば、制御特性の優れ
た、しかも、安価かつ小型な制御機器を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を表す制御ブロック線図
【図2】(図1)の実施例を用いて外乱トルクを補償し
たモータの制御ブロック線図
【図3】(図1)の実施例を用いて構成したモータの速
度制御系の制御ブロック線図
【図4】本発明の第2の実施例を表す制御ブロック線図
【図5】(図4)の実施例を用いて構成したモータの速
度制御系の制御ブロック線図
【図6】外乱トルクの推定信号を用いて外乱トルクの影
響を抑圧するように構成した速度制御装置の一般的な構
成図
【図7】外乱オブザーバを用いて構成した速度制御系の
制御ブロック線図
【図8】周波数伝達関数G(jω)およびGo(jω)
のゲイン特性の例を示す特性図
【符号の説明】 1 乗算部 2 第1の加算部 3 フィルタ部 4 第2の加算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転速度に応動した速度信号を入
    力とし前記速度信号に係数を掛ける乗算手段と、前記モ
    ータに印加される駆動信号と前記乗算手段の出力とを加
    算する第1の加算手段と、前記第1の加算手段の出力に
    フィルタ演算を行うフィルタ手段と、前記乗算手段の出
    力と前記フィルタ手段の出力とを加算し前記モータに加
    わる外乱トルク量に対応した外乱推定信号を出力する第
    2の加算手段を具備し、前記外乱推定信号で前記駆動信
    号を補正するように構成されたことを特徴とする外乱推
    定補償器。
  2. 【請求項2】モータの回転速度に応動した速度信号を入
    力とし前記速度信号に係数を掛ける乗算手段と、前記モ
    ータの制御信号と前記乗算手段の出力とを加算する第1
    の加算手段と、前記第1の加算手段の出力にフィルタ演
    算を行うフィルタ手段と、前記乗算手段の出力と前記フ
    ィルタ手段の出力とを加算し前記モータに加わる外乱ト
    ルク量に対応した外乱推定信号を出力する第2の加算手
    段を具備し、前記外乱推定信号で前記制御信号を補正す
    るように構成されたことを特徴とする外乱推定補償器。
JP4095055A 1992-04-15 1992-04-15 外乱推定補償器 Expired - Fee Related JP2959270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4095055A JP2959270B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 外乱推定補償器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4095055A JP2959270B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 外乱推定補償器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05300782A true JPH05300782A (ja) 1993-11-12
JP2959270B2 JP2959270B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=14127367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4095055A Expired - Fee Related JP2959270B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 外乱推定補償器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2959270B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710500A (en) * 1994-04-28 1998-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Motor speed control apparatus using phase-advance based estimated disturbance signal
US5880953A (en) * 1996-01-26 1999-03-09 Sharp Kabushiki Kaisha Control system and information recording and reproducing apparatus
US5994868A (en) * 1996-01-31 1999-11-30 Sharp Kabushiki Kaisha Motor control device
JP2008154313A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Samsung Electronics Co Ltd 電動モータの制御装置及びこれを備える洗濯機
JP2014128089A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Yaskawa Electric Corp モータ制御装置およびモータ制御方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710500A (en) * 1994-04-28 1998-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Motor speed control apparatus using phase-advance based estimated disturbance signal
US5880953A (en) * 1996-01-26 1999-03-09 Sharp Kabushiki Kaisha Control system and information recording and reproducing apparatus
US5994868A (en) * 1996-01-31 1999-11-30 Sharp Kabushiki Kaisha Motor control device
JP2008154313A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Samsung Electronics Co Ltd 電動モータの制御装置及びこれを備える洗濯機
JP2014128089A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Yaskawa Electric Corp モータ制御装置およびモータ制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2959270B2 (ja) 1999-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3227000B2 (ja) モータの速度制御装置
JP4391218B2 (ja) サーボ制御装置
US5525877A (en) Motor vibration control device and method for matching a motor speed detected value with a motor speed reference value
JP4685071B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
KR20060127233A (ko) 전동기 제어 장치
US20090251092A1 (en) Position controller
EP0599190B1 (en) Motor speed control apparatus
KR100223393B1 (ko) 모터속도제어장치
JP5644409B2 (ja) 電動機の位置制御装置
JP3203989B2 (ja) モータの速度制御装置
JP4658181B2 (ja) サーボ制御装置
JP2959270B2 (ja) 外乱推定補償器
JP3266931B2 (ja) モータの制御装置
JPH1131014A (ja) 位置制御方式及び速度制御方式
US11415948B2 (en) Device for controlling electric motor
JPH10217173A (ja) ロボットの非干渉化制御装置
JPWO2019138808A1 (ja) 電動機の制御装置
JP3856215B2 (ja) 速度制御装置
JP3972155B2 (ja) モータ制御装置
JP2658976B2 (ja) モータの速度制御方式
JP3227838B2 (ja) モータ制御装置
JPH05333905A (ja) スライディングモード制御系を用いた制御方法
JPH01292405A (ja) ディジタル位置サーボ装置
US11791751B2 (en) Motor control system, motor control method, and program
JPH05100709A (ja) 制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees