JPH05300100A - 光増幅中継伝送システム - Google Patents

光増幅中継伝送システム

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JPH05300100A
JPH05300100A JP4098195A JP9819592A JPH05300100A JP H05300100 A JPH05300100 A JP H05300100A JP 4098195 A JP4098195 A JP 4098195A JP 9819592 A JP9819592 A JP 9819592A JP H05300100 A JPH05300100 A JP H05300100A
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optical amplification
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transmission
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重幸 秋葉
Shu Yamamoto
周 山本
Hiroharu Wakabayashi
博晴 若林
Noboru Edakawa
登 枝川
Hidenori Taga
秀徳 多賀
Hisahiro Yoshida
尚弘 吉田
Yoshitaka Namihira
宜敬 波平
Toshio Kawasawa
俊夫 川澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】S/N比の時間的変動を極力小さく抑制し、長
時間動作においても安定な特性が維持でき、かつCCI
TT規格を満足する光増幅中継伝送システムを提供す
る。 【構成】光ファイバ伝送路9において減衰した光信号を
光増幅中継器A′により増幅出力することによって当該
光信号を中継伝送の途中で電気段の信号に戻すことなく
逐次増幅中継伝送し、前記光信号の送信端及び受信端と
なる対向する光伝送端局10,11の間で前記光信号を
中継伝送する光増幅中継伝送システムαにおいて、前記
光増幅中継器A′の中継器利得の偏光依存性による変動
幅を平均で0.2dB以下に制限したことを特徴とする
光増幅中継伝送システムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバを用いた伝
送システム、特に光直接増幅を利用して光信号を中継伝
送する光増幅中継伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】光増幅中継伝送システムは、再生中継シ
ステムで必要となるような電気信号と光信号の変換、電
気段の複雑な再生処理及び超高速電子回路技術を必要と
しないため、中継器構成が簡素化され、かつ構成部品数
も少ないという大きなメリットを有しており、次世代の
長距離光伝送システムとして有望視されている。
【0003】通常、光増幅中継伝送システムでは送信端
及び受信端となる光伝送端局が対向して設置されてお
り、この2つの光伝送端局間で、光信号が中継伝送され
ている。光伝送端局から歪や雑音の殆ど無い光信号が送
出され、光ファイバ伝送路の中を伝播するにしたがい減
衰を受けて小さくなった入力光信号は、光増幅中継器で
電気信号に戻されることなく光のまま直接増幅され、出
力光信号となって次の光ファイバ伝送路に送られる。
【0004】図8は、従来の光増幅中継伝送システムに
おける光増幅中継器の構成の例を示したものである。図
中、Aは従来の光増幅中継器、1はErドープファイ
バ、2は波長分割合分波ファイバカプラ、3はアイソレ
ータ、4はフィルタ、5は出力用ファイバカプラ、6は
増幅用の励起光源、7は励起光源6駆動用のレーザ駆動
回路、8は励起光源6の励起光の集光搬送用の光ファイ
バ、9は各光増幅中継器A間の光伝送ファイバである。
【0005】光直接増幅方式では、増幅媒体として希土
類元素をドープしたファイバ、あるいは半導体レ−ザ増
幅器がよく使用される。ここではEr(エルビウム)を
ドープしたErドープファイバ1を用いた例を示してい
る。6はErドープファイバ1を励起するための励起光
源で、これを駆動するレーザ駆動回路7が電気的に接続
されている。
【0006】励起光源6は高出力半導体レ−ザで、発振
波長が約1475nmのInGaAsP/InPレ−
ザ、あるいは発振波長980nmのInGaAs/Ga
Asレ−ザが多く用いられる。励起光源6の出力は光フ
ァイバ8に集光された後、波長分割合分波ファイバカプ
ラ2を経てErドープファイバ1に導入される。
【0007】Erドープファイバ1内にドープされてい
るErは、伝送されてきた励起光源6の光によって励起
状態になり、1520〜1570nmの光に対して増幅
作用を有するようになる。この例では波長1558nm
の入力光信号L1は矢印の方向に光ファイバ9で伝送さ
れ、Erドープファイバ1に導入される。
【0008】Erドープファイバ1内で増幅された後、
入力光信号L1は波長分割合分波ファイバカプラ2を経
てアイソレータ3,光フィルタ4を通過して増幅された
出力光信号L2′となる。また、光増幅中継器Aでは、
図に示したように出力光信号L2′の一部を出力用ファ
イバカプラ5で分岐してモニタ光信号L3として取りだ
し、その情報を光伝送端局に送り返す場合がある。ただ
し、アイソレータ3,光フィルタ4及び出力用ファイバ
カプラ5は無い場合もある。出力用光ファイバカプラ5
を通過して増幅された出力光信号L2は次段の光ファイ
バ伝送路に送出される。
【0009】次に雑音光について述べる。Erドープフ
ァイバ1は、入力光信号L1を増幅すると同時に、入力
光信号L1とは無関係の自然放出光を発生し、これが光
増幅中継器Aの雑音光となり、出力光信号L2は雑音光
が加わった光信号となる。従って、複数の光増幅中継器
Aで構成された光増幅中継伝送システムでは、前段の光
増幅中継器Aで発生した雑音にさらに雑音光が重畳さ
れ、自然放出雑音光の累積が生じる。
【0010】そのため、入力光信号L1の信号対雑音比
(以下、S/N比とする)に比べて出力光信号L2のS
/N比は劣化する。一般に、信号光の雑音成分は中継器
Aの台数をNとすると10×log[N](dB)で中
継段数とともに増加して行く。
【0011】このように光ファイバ伝送路でG(dB)
の減衰を受け、中継器利得G(dB)を有する光増幅中
継器Aで増幅されることを繰り返して逐次中継伝送する
ことにより、例えば光伝送端局から発信された光信号は
対向する光伝送端局で前記したような累積された雑音に
よって規定される一定のS/N比で受信される。このよ
うに、光増幅中継伝送システムでは、光伝送端局で受信
される光パワーのS/N比が重要となる。
【0012】図9は、本発明者らが、図8のような光増
幅中継器Aを光伝送路中に多段挿入して光増幅中継伝送
システムを実際に構築し、S/N比を測定した例であ
る。具体的には、光増幅中継器138台を約33kmの
光ファイバ伝送路の間に配置して、全長約4,500k
mの実験システムを構築した。
【0013】図9の縦軸は最終的に光伝送端局で受信さ
れた光のS/N比で、横軸は時間Tであり、横軸全体で
約2時間のタイムスパンを示している。図中、中央を横
断する一点鎖線は10-9(ビット/秒)の符号誤り率を
達成するために必要なS/N比を示しており、本実験で
は5Gbits/sの伝送速度に対して約16dBであった。
【0014】測定結果を示す曲線はS/N比を約2時間
に亙って測定した結果を表している。このように、S/
N比が時間的に変動することが、本実験により初めて発
見された。変動の幅は多くの時間で約2dB程度であっ
たが、図9に示すように大きいところではこれを大幅に
上回る変動も観測された。
【0015】これと同時に、符号誤り率の測定を行なっ
たところ、変動幅の小さい時間では符号誤りの殆ど無い
良好な特性が得られたが、S/N比が大きく減少して図
中中央の一点鎖線を下回った時点では実際に多くの符号
誤りが観測され、10-9(ビット/秒)を上回る符号誤
り率に達する場合も観測された。このように、従来の光
増幅中継伝送システムでは、基本的に所定の、例えば上
述の実験では符号誤り率が10-9以下の特性が実現され
るが、測定結果が時間的に大きく変動し、ある時点にお
いては所定の特性が得られなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
光増幅中継伝送システムでは、光伝送端局において受信
される光のS/N比が時間的に大きく変動し、多くの符
号誤りが発生するという欠点を有していた。このような
バースト的な符号誤りの発生は、国際電気通信連合の諮
問機関である国際電信電話諮問委員会(以下CCITT
と略す)で勧告されている世界的な規格、すなわち、実
測値として5Gbits/s伝送において約1時間に亘って符
号誤り0という規格を満たしていない。ここにおいて本
発明は、S/N比の時間的変動を極力小さく抑制し、長
時間動作においても安定な特性が維持でき、かつCCI
TT規格を満足する光増幅中継伝送システムを提供せん
とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明の次の新規な特徴的構成手段を採用することにより達
成される。即ち、本発明の特徴は、光ファイバ伝送路に
おいて減衰した光信号を光増幅中継器により増幅出力す
ることによって当該光信号を中継伝送の途中で電気段の
信号に戻すことなく逐次増幅中継伝送し、前記光信号の
送信端及び受信端となる対向する光伝送端局の間で前記
光信号を中継伝送する光増幅中継伝送システムにおい
て、前記光増幅中継器の中継器利得の偏光依存性による
変動幅を平均で0.2dB以下に制限したことを特徴と
する光増幅中継伝送システムである。
【0018】
【作用】本発明者らは、前記従来の技術で述べたような
伝送端局におけるS/N比の大きな時間的変動を発見し
た後、詳細な原因究明を行った。その結果、光増幅中継
器Aの中継器利得の偏光依存性が原因であることを突き
止めた。以下にその点について詳しく説明する。
【0019】光増幅中継器の中継器利得は入力光信号の
偏光(偏波面ともいう)状態によって次の理由で一般に
ある程度、例えばΔG(dB)だけ変動する。すなわ
ち、図8で示した光増幅中継器Aの構成例で説明する
と、Erドープファイバ1の増幅利得自体の偏光依存性
は極めて小さいが、波長分割合分波ファイバカプラ2,
アイソレータ3及び光フィルタ4などの光信号に対する
損失の偏光依存性は無視できない程度に存在し、これが
中継器利得の変動ΔGの要因となる。
【0020】例えば、図3は、図8に示した従来の光増
幅中継器A中に用いられる光部品の損失の偏光依存性の
例を示したグラフである。横軸は光の偏光面の基準角
(例えば水平方向を0度とする)からの角度θを示して
おり、横軸全体で約360度である。縦軸は光部品の損
失をdBで示したものである。図3の曲線で示したよう
に、一点鎖線を平均値(1.0dB)として、θ1の角
度のところで大きくなり、θ2の角度のところで小さく
なっている。結果として、約0.3dBの変動がある。
【0021】実際には、光部品がいくつか直列に挿入さ
れるため、角度に対する変化は複雑になる場合が多い。
一方、前記したように、光増幅中継伝送システムでは各
段の光増幅中継器への入力信号レベルは光信号と累積し
た自然放出光の和となる。
【0022】この中で自然放出光からなる雑音光は特定
の偏光状態を持たず無偏光状態となっているため、中継
器利得の偏光依存性の影響をほとんど受けない。これに
対して、光伝送端局を発信元とする光信号の信号成分は
偏光状態を保存しているため、ΔGの影響を直接受け
る。一般に、光信号の偏光状態は光ファイバ伝送路の中
で時々刻々変化しているため、光増幅中継伝送システム
中の光増幅中継器Aへ入力される光信号L1の信号成分
の偏光状態も不規則に変化している。
【0023】次に図8に示した光増幅中継器A中のEr
ドープファイバ1の増幅利得特性について説明する。E
rドープファイバ1の増幅利得特性は、図4のようにな
る。すなわち、図4中の縦軸で示した光増幅利得(d
B)は横軸で示した入力光信号の大きさPin(dBm)
に対して、曲線のように変化する。すなわち、大きな入
力光信号Pinが入るほど利得が抑圧され、実際の長距離
伝送システムにおける入力光信号レベルであるPin=−
15〜0dBm付近では増幅された光出力信号が飽和傾
向を示す。すなわち、飽和特性は、Erドープファイバ
1の増幅出力が一定になるように作用する。
【0024】このような光増幅中継器AにおけるErド
ープファイバ1の増幅出力飽和特性と光部品の損失の偏
光依存性、及び入力光信号の信号成分と雑音成分の偏光
特性をもとにして多中継伝送システムのS/N比につい
て説明する。
【0025】図5は、光増幅中継器Aと光ファイバ伝送
路が接続された状態を2組について雑音が相対的に増加
していくプロセスを示したものである。図中、9は光フ
ァイバ伝送路、Bは偏光依存性を有する部品2,3,
4,5をまとめたブロックである。ただし、ここではE
rドープファイバ1自体が発生する自然放出光雑音は説
明を簡単にするため省いている。
【0026】IからVIまでは、矢印で示した部分の信号
成分(I〜VIの白抜き部分)と雑音成分(I〜VIの塗り
つぶした部分)の比を模式的に示している。信号成分I
aと雑音成分Ibから成る入力光信号L1はErドープ
ファイバ1で増幅され信号成分IIaと雑音成分IIbへと
増幅される。
【0027】ここで、次の光部品ブロックBの偏光依存
性により前述したように信号成分がIII a′の部分に相
当する分だけ雑音成分より大きな損失を受けたとすると
信号成分と雑音成分はそれぞれIII aとIII bのように
なる。光ファイバ伝送路9で出力光信号L2の信号成分
も雑音成分も同じ減衰を受けるので、次段の光増幅中継
器Aへの入力光信号L1は、信号成分IVaと雑音成分IV
bからなり、前段の入力光信号L1のIと比較すると、
雑音成分IbとIVbはほぼ等しいが、信号成分IVaはI
aよりIVa′の分だけ減少している。
【0028】このように、前段の光増幅中継器Aで偏光
依存性のためΔGだけ信号成分が減少すれば、Erドー
プファイバ1への入力レベルがそれだけ低下するため
に、図4に示して説明したように、信号成分と雑音成分
がともにより大きな利得を受ける。従って、後段の光中
継増幅器Aでの増幅後の雑音成分Vbの大きさは、前段
の光中継増幅器Aで信号成分が減少しなかった場合と比
較して、Vb′の分だけ増加し、その分信号成分Vaが
全信号V中で減少する。
【0029】次段の光部品ブロックBの偏光依存性を同
様に受ければ、信号成分はVIa′の分だけまた減少し、
S/N比が劣化する。長距離に及ぶ多段の光増幅中継伝
送システムでは、入力光信号の偏光状態が不規則に変化
するため、ある時間に於いては上記の信号成分の相対的
な減少過程が繰り返されるため、S/N比の劣化はます
ます助長されていく。
【0030】このような時点では、前記従来の技術で説
明したように伝送光端局において受信されるS/N比が
所要の値を下回り、正常な伝送、例えば符号誤り率が1
-9以下を維持できなくなる。前記したように、光ファ
イバ伝送路9における偏光状態の変化が無秩序であるた
め、このように、多くの光増幅中継器への入力光信号の
偏光状態が一斉に信号成分を減少させる方向に揃う場合
は確率的には少ないが、光増幅中継器の偏光依存性によ
る中継器利得の変動ΔGが大きいと、それだけ一斉に信
号成分を減少させる方向に揃う確率も高くなってくる。
【0031】図9の計測結果の曲線が基準の一点鎖線を
下回ったのがこのようなケースである。すなわち、多く
の光増幅中継器Aにおいて当該光増幅中継器Aへの入力
光信号の偏光面の違いによって中継器利得が0.2dB
から0.6dB程度異なっており、全中継器の平均は約
0.25dBであった。
【0032】このような大きな偏光依存性は前述のよう
に使用している光部品の偏光依存性に起因するところが
大きい。図8のような構成の光増幅中継器では、波長分
割合分波ファイバカプラ2,アイソレータ3,光フィル
タ4及び出力用ファイバカプラ5が主因である。
【0033】光増幅中継器への入力光信号の偏光面はそ
の前の光ファイバ伝送路の僅かな温度変化や振動などで
変動する。従って、入力光信号の偏光面は一般に時々刻
々変化し、偏光依存性が0.5dBであったとすると、
ある時刻で信号成分に対する利得が7.5dBあった光
増幅中継器Aの利得がある時刻では7.0dBに低下す
る場合があり得る。
【0034】各光増幅中継器Aへの入力光信号L1の偏
光面は相互に無関係に変化するため、光伝送端局におけ
るS/N比は全光増幅中継器Aの平均的な利得から得ら
れるS/N比となる場合が多いが、確率的にある時間で
は全中継器の利得が一斉に減少するような場合もあり得
る。
【0035】実際に、図9を想定して、平均で0.25
dB程度の利得の偏光依存性を有している光増幅中継器
Aと光ファイバ伝送路9をつないだ場合のシミュレーシ
ョンをおこなった結果、光伝送端局で受信される光信号
のS/N比が数dB劣化する場合があることが分かっ
た。このような解析結果に基づいて、長時間に亙る安定
な動作を得るために光伝送端局で受信される光信号のS
/N比の変動を低減するための偏光依存性の要求値を求
めるため、計算機シミュレーションを行い、全中継器の
中継器利得の偏光依存性を平均で0.2dB以下にすれ
ばよいという結果を得た。
【0036】
【実施例】本発明の実施例を図面につき説明する。図1
は本実施例の光増幅中継伝送システムの全体を示すブロ
ック図、図2は本実施例による受信側の伝送端局のS/
N比の測定結果を示すグラフである。図中、αは本実施
例の光増幅中継伝送システム、A′は本実施例の光増幅
中継伝送システムに用いる光増幅中継器、10,11は
光伝送端局、L0は光伝送端局10から送出された歪や
雑音のほとんど無い光信号、L4は受信側の光伝送端局
において受信される光信号である。
【0037】(実施例1)前記作用で述べたような発見
及び考察に基づき、本願の発明者らは、前記従来の技術
において述べた光増幅中継伝送システムと同様のシステ
ムαを構成した。即ち、中継器利得において偏光依存性
の小さい光増幅中継器A′を138台用いて、約33k
mの光ファイバ伝送路の間に配置して、全長約4,50
0kmのシステムαを構成し、全光増幅中継器A′の偏
光依存性による中継器利得変動幅の平均を0.2dB以
下,具体的には0.19dBに抑制した。図6はここで
用いられた偏光依存性の小さい光部品2,3,4,5の
特性例を示しており、変動幅は0.1dB程度に抑えら
れている。
【0038】このような偏光依存性の小さい部品2,
3,4,5を用いることにより、図2のグラフのような
受信側の伝送端局11のS/N比の測定結果が得られ、
長時間に亙って変動幅が2dBより充分小さく抑制され
ていた。また、5Gbits/sの伝送実験において符号誤り
率を測定した結果、長時間に亙る誤り0を記録したこと
から、CCITTの勧告する規格を充分満足することが
確認された。また、本実施例では4,500kmのシス
テム例を示したが、計算機シミュレーションによれば、
この光増幅中継伝送システムは、本実施例と同様に約3
3km間隔で303台接続した約10,000kmまで
のシステムにも適用可能であった。
【0039】(実施例2)実施例1においては、個々の
光部品2,3,4,5の偏光依存性を抑えて、光増幅中
継器A′の偏光依存性の平均を0.2dB以下に抑えた
が、以下のような構成手段を用いても良い。即ち、既存
の各々の光部品2,3,4,5の偏光依存性は図3に示
すように大きな変動幅がある。この偏光依存性を各々の
光部品2,3,4,5について調べる。例えば、図7
(a)のような偏光依存性を有する光部品がアイソレー
タ3であり、図7(b)のような偏光依存性を有する光
部品が光フィルタ5であれば、この2つの光部品を組み
合わせれば、図7(c)のような偏光依存性の低い光増
幅中継器A′が構成される。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、S/N
比の時間的変動が極力小さく抑制され、長時間動作にお
いても、安定な特性が維持でき、かつ、CCITTの勧
告する規格を満足する光増幅中継伝送システムを提供す
ることが可能となる等、優れた有用性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の光増幅中継伝送システムの全
体を示すブロック図である。
【図2】同上、受信側の光伝送端局のS/N比の測定結
果を示すグラフである。
【図3】従来の光増幅中継器中に用いられる光部品の損
失の偏光依存性の例を示したグラフである。
【図4】光増幅中継器中のErドープファイバの増幅利
得特性を示すグラフである。
【図5】光増幅中継器と光ファイバ伝送路が接続された
状態を2組について雑音が相対的に増加していくプロセ
スを示した説明図である。
【図6】本発明において用いる光部品の偏光依存性を示
すグラフである。
【図7】本発明の別の実施例の概念を説明するグラフで
ある。
【図8】光増幅中継伝送システムにおける光増幅中継器
の構成の例を示したブロックダイアグラムである。
【図9】従来の光増幅中継器を光伝送路中に多段挿入し
て光増幅中継伝送システムを実際に構築した、受信側伝
送端局のS/N比の測定グラフである。
【符号の説明】
α…光増幅中継伝送システム A,A′…光増幅中継器 1…Erドープファイバ 2…波長分割合分波ファイバカプラ 3…アイソレータ 4…光フィルタ 5…出力用ファイバカプラ 6…励起光源 7…駆動回路 8…集光伝送用光ファイバ 9…光ファイバ伝送路 10,11…光伝送端局 L0,L1,L2,L3,L4…光信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/13 8934−4M (72)発明者 枝川 登 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内 (72)発明者 多賀 秀徳 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内 (72)発明者 吉田 尚弘 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内 (72)発明者 波平 宜敬 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内 (72)発明者 川澤 俊夫 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバ伝送路において減衰した光信号
    を光増幅中継器により増幅出力することによって当該光
    信号を中継伝送の途中で電気段の信号に戻すことなく逐
    次増幅中継伝送し、前記光信号の送信端及び受信端とな
    る対向する光伝送端局の間で前記光信号を中継伝送する
    光増幅中継伝送システムにおいて、前記光増幅中継器の
    中継器利得の偏光依存性による変動幅を平均で0.2d
    B以下に制限したことを特徴とする光増幅中継伝送シス
    テム
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