JPH05299523A - 絶縁膜の形成方法およびその装置 - Google Patents

絶縁膜の形成方法およびその装置

Info

Publication number
JPH05299523A
JPH05299523A JP10411992A JP10411992A JPH05299523A JP H05299523 A JPH05299523 A JP H05299523A JP 10411992 A JP10411992 A JP 10411992A JP 10411992 A JP10411992 A JP 10411992A JP H05299523 A JPH05299523 A JP H05299523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ozone
film
reaction
teos
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10411992A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiro Oota
田 与 洋 太
Nobuyoshi Sato
藤 伸 良 佐
Takeshi Nogami
上 毅 野
Yoshihisa Miyazaki
崎 善 久 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP10411992A priority Critical patent/JPH05299523A/ja
Publication of JPH05299523A publication Critical patent/JPH05299523A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】オゾン−TEOS酸化膜のステップカバリッジ
が良好であるという特性を生かしつつ、オゾン−TEO
S酸化膜の問題点である、膜質の向上および成膜速度の
向上を可能にする方法および装置の提供。 【構成】多層配線構造を有する半導体装置の絶縁膜を、
有機シラン化合物とオゾンの化学気相反応により形成す
る方法であって、供給するオゾン濃度を9%以上とする
絶縁膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁膜の形成方法および
装置に関し、特に、半導体装置の製造に際して絶縁膜と
して形成される酸化膜の形成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置には、各種の配線層が形成さ
れている。この配線層の周囲および層間には、漏電を防
ぐために絶縁膜が形成されている。配線と配線の間にあ
る絶縁膜は層間絶縁膜と呼ばれている。この絶縁膜とし
て酸化膜をCVD法で形成する方法として、以下の方法
が知られている。 SiH4 −O2 常圧CVD SiH4 −N2 OプラズマCVD TEOS(テトラエトキシシシラン)−O2 減圧CV
【0003】しかし、の方法では、配線と配線の間に
形成される絶縁膜がオーバハング形状を呈し易いため、
ホール部にボイドが発生し、歩止りの低下をきたすおそ
れがある。また、の方法では、オーバハング形状の形
成はないが、配線層の側壁部に形成される絶縁膜の膜厚
が小さくなる傾向が見られ、この側壁部の絶縁性に問題
をきたすことが多い。さらに、方法ではとの欠点
は解消されるが、成膜温度が740℃付近での方法に
おける450℃、の方法における400℃に比較して
高く、A1配線以降には使用できないという欠点があっ
た。
【0004】そこで、最近、前記の欠点を解消する方法
として、オゾンと有機シラン化合物であるアルコキシシ
ランのTEOSとを用いる、常圧でのCVD法により絶
縁膜を形成する方法が提案されている。(例えば、特開
昭61−77695号)この方法では、オーバハング防
止および側壁部の薄膜化防止が達成されるとともに、低
温で成膜可能(成膜温度450℃以下)であり、前記先
行技術の欠点は解決される。
【0005】ステップカバリッジの良好さ、成膜温度が
低温であることから、オゾン−TEOS酸化膜は層間絶
縁膜として注目されてきている。特に、デザインルール
が0.8μm以下になる4MDRAM以上のメモリーな
どでは実用化が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このオゾン−
TEOS酸化膜には、以下の欠点がある。そのため、単
独では層間絶縁膜として使われることはなかった。 クラックが発生する。通常、(2〜5)×109 dy
n/cm2 程度の圧縮残留応力が残留するため、膜厚
1.2μm以上の酸化膜では、クラックが発生する。ま
た、アルミなどの金属からなる配線パターンに直接形成
すると、金属配線パターンとオゾン−TEOS酸化膜の
両方にクラックが入ることがある。 アスペクト比が0.5以上で横方向配線間にボイドあ
るいは緻密性の悪い領域が発生する傾向がある。 成膜速度が遅い。通常の条件では0.2μm/min
程度である。
【0007】ところで、メモリーの高集積化と同時に、
基板の大口径化が進行しており、これに伴って、CVD
装置においても、枚葉化、すなわち基板を一枚ずつ処理
する装置が主流になってきている。このような基板を一
枚ずつ処理するCVD装置においても、多数枚を同時に
処理する従来のバッチ式の装置に匹敵するスループット
を確保するためには、成膜速度を大幅に向上させること
が必要となる。
【0008】そこで本発明の目的は、前述のオゾン−T
EOS酸化膜のステップカバリッジが良好であるという
特性を生かしつつ、オゾン−TEOS酸化膜の問題点で
ある、膜質の向上および成膜速度の向上を可能にする方
法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オゾン−
TEOSの反応により形成される酸化膜のステップカバ
リッジの良好さに注目し、LSIに欠かせない層間絶縁
膜にこのオゾン−TEOS酸化膜を応用できる可能性に
ついて様々な検討を加えてきた。しかし、このオゾン−
TEOS酸化膜は、膜厚を厚くするとクラックが入った
り、A1の配線の上に直接形成するとA1の配線および
酸化膜に同時にクラックが入り、また、絶縁耐圧の低い
ことなどの問題がある。これらの膜質に関わる特性を検
討していくと、結局、これらの問題は、高品質な膜が緻
密に形成されていないことに起因することが判明した。
膜が高品質で緻密に形成されていない場合には、膜の元
素分析を行うと、膜中に炭素・水素が多いときには12
%近くまで含有されていることを発見した。このこと
は、オゾン−TEOS反応が完全に最終ポイントまで進
んでいないことによると考えられる。
【0010】また、オゾン−TEOS CVD法による
酸化膜の形成では、成膜速度が高々0.2μm/min
程度で、今後のLSI製造装置の主流になる枚葉式装置
で、バッチ式と同一水準のスループットを維持するため
には現状の約2〜5倍の成膜速度にすることが必要であ
る。
【0011】そこで、本発明者らは、オゾン−TEOS
CVD法による酸化膜の形成において、下記の2点に
ついて配慮して、反応を効率よく行わせれば、膜質の向
上と成膜速度の向上を達成できることに気が付いた。 CVD装置に導入したTEOSを完全にオゾンと反応
させる、すなわち分解反応効率を上げる。 オゾン−TEOSの反応において、TEOS中の1個
のSiに結合する4個のエトキシ基(C2 5 O)から
すべてのエチル基(C2 5 )あるいはエトキシ基(C
2 5 O)を脱離して気相で安定な化合物にし、排ガス
としてチャンバーから取り除く。
【0012】ところで、TEOSは化学式ではSi(O
2 5 4 と表される。このTEOSとオゾン
(O3 )の反応で酸化膜(SiO2 )が形成するメカニ
ズムは、まだ十分には知られていない。一般に、TEO
Sと酸素の混合ガスの熱分解では740℃が必要である
が、オゾン−TEOS反応では400℃付近である。そ
こで、このことを解明するために、オゾンとTEOSの
分解反応について下記の実験を行い、気相のガスの分解
を観察した。
【0013】用いたCVD装置は、真空排気系を備えた
内容積5リットルの反応容器で、該反応容器中に4イン
チウエーハを保持できる基板加熱保持装置を備えるもの
である。各実験において、TEOSとオゾンをそれぞれ
反応容器中に供給し、実験ではTEOSの分圧を0.
08Torrとし、残りは窒素を供給して、反応雰囲気
圧力を1気圧にした。実験ではTEOSの分圧を0.
08Torrとし、オゾンの分圧を2.04Torrと
した混合ガスに、窒素と酸素を供給して反応雰囲気圧力
を1気圧にした。ガスを供給して20分後に基板の加熱
を開始して基板の温度を10℃/分の速度で昇温させて
反応を行わせた。反応の進行に従って逐次、反応容器中
のガスをFT−IRで分析し、TEOSの濃度とオゾン
の濃度を測定した。結果を図1に示す。図1において、
実験ではTEOS濃度を△で、実験ではTEOS濃
度を○で、オゾン濃度を●で示している。
【0014】その結果、図1に示すとおり、実験では
TEOSの分解が本格的に開始されるのは600℃以上
であるが、オゾンの共存する実験では基板温度250
〜300℃でTEOSの分解が認められた。また、実験
では、オゾンの減少カーブとTEOSの減少カーブと
が一致しており、TEOSの分解においてオゾンの分解
が引金(トリガー)になっていることを示している。す
なわち、オゾン−TEOSの反応は、下記式(11)お
よび(12)に示すとおり、オゾンの熱分解により酸素
原子が生成し、この酸素原子がTEOSを攻撃すること
により、TEOSが分解して反応が進むことが知見され
た。 O3 →O2 +O (1−1) Si(OC2 5 4 +O→SiO2 (1−2)
【0015】そこで、本発明者らは、上記の式(1−
1)および式(1−2)で表される反応を、効率よくか
つ最終ポイントまで反応を進めるために、気相中あるい
は基板成長表面に酸素原子の濃度を高く維持してやれば
良いことに想到した。ここで、オゾンが酸素ガス中に存
在するときの熱分解によるオゾン分解反応、再結合反応
は以下の素反応で表される。
【0016】 O3 +M→O2 +O (2−1) O+O3 →O2 +O2 (2−2) O+O2 +M→O3 +M (2−3) O+O+M→O2 (2−4) 但し、Mは第三体である。
【0017】この式(2−1)〜(2−4)で表される
素反応における酸素原子濃度(〔O〕、以下〔 〕は特
定化学種の濃度を表わす)に関して定常状態を仮定する
と、 d〔O〕/dt=k1 〔O3 〕〔M〕−k2 〔O〕〔O3 〕 −k3 〔O〕〔O2 〕〔M〕−k4 〔O〕〔O〕〔M〕 =0 (3) が成立すると考えることができる。そして、式(3)に
おいて、第4項は濃度の小さい酸素原子の2乗の項であ
るから、他項に比較して小さいと考えることができ、こ
れを無視すると、 〔O〕={k1 〔O3 〕〔M〕}/{k2 〔O3 〕+k3 〔O2 〕〔M〕} (4) となる。
【0018】この式(4)から、酸素で希釈されたオゾ
ンガス中の酸素原子の濃度を高く維持するためには、
オゾン濃度を高くする、上式(4)の分子(分母に対
する分子)を大きくするように調整すればよいと考えら
れる。
【0019】一方、このオゾンの濃度に着目して従来技
術を精査すると、従来技術で使用されるチャンバー中の
オゾン濃度は高くても6%である(K.Fujino、J.Electr
ochem,Soco,550 、138 (1991))。このことは、工業的
なオゾン発生器で達成できるオゾンの最高濃度は8%で
あり、TEOSをチャンバー中に導入するためのキャリ
ヤーガスによりオゾンがさらに希釈され、反応容器中の
オゾン濃度は7%以下になることから予想される濃度で
ある。
【0020】さらに、従来のCVD装置によって得られ
る膜質について調査してみると、従来の装置では実用に
耐える膜質のものが合成できていないことがわかった。
例えば、成膜温度400℃でのオゾン−TEOS合成膜
の従来例(A.M.Nguyenら、J.Vac.Sci.Technol B,533,B
8,1990)によると、得られる膜中の水素含有量は12
%であった。この膜を1000℃で60秒アニール処理
すると、水素含有量が1%以下に低下し、成膜の時に含
まれている水素が熱により脱離することがわかる。ま
た、この膜の誘電率は成膜直後は7.5であるが、同じ
アニール条件で処理すると誘電率は3.9になった。さ
らに、膜の緻密性を表わすエッチング速度は成膜直後は
3600A/minであるが、1000℃で60秒アニ
ール処理すると、240A/min以下となった。シュ
リンケッジは我々の測定結果ではアニール前後で10%
以上認められた。以上のように、従来のオゾン−TEO
S膜合成の技術では膜質のきわめて悪い、実用化できな
い膜が合成されるに過ぎない。
【0021】そこで、装置を改良し、図4に示す構成の
装置を用いて、オゾン−TEOS膜の製造を試みた。こ
の図4に示す装置についての説明は後記に示すが、この
装置は、基本的には、液体TEOSを供給する試料供給
部と、高濃度O3 を発生するオゾン発生器が接続され、
基板保持部を加熱して、基板表面での熱CVD反応を行
わせる反応容器と、反応終了後の排気ガスを処理する排
ガス処理部から構成されている。この図4に示す装置を
用い、供給オゾン濃度を変化させて成膜を行い、得られ
る膜中の水素原子濃度を測定したところ、図5の結果を
得て高濃度オゾンが極めて効果的に水素原子濃度を減少
させることに効果的であることを発見した。
【0022】なお、このときの成膜条件は TEOS気化器温度 65℃ TEOS気化器への流量 3.0リットル/min 酸素流量 7.5リットル/min キャリヤーガス流量(N2 ) 18リットル/min 圧力 1気圧 基板温度 400℃ 図5の結果から、オゾン供給濃度を9%以上とすれば、
所期の目的を達成できることがわかった。
【0023】そこで、本発明は、多層配線構造を有する
半導体装置の絶縁膜を、有機シラン化合物とオゾンの化
学気相反応により形成する方法であって、供給するオゾ
ン濃度を9%以上とする絶縁膜の形成方法を提供するも
のである。ここで、オゾンの濃度が10%近くなれば、
汚染された反応器の壁で分解反応が連鎖的に発生し、場
合によっては爆発に至ることがあるために、注意する必
要がある。そのため、清浄な装置で慎重に行う必要があ
る。
【0024】この高濃度のオゾンを作成する方法は、特
に限定されず、従来の放電電離による方法、あるいは他
の方法のいずれの方法でもよい。この放電電離による方
法においては15%のオゾン濃度のガスを得ることがで
きるが、さらに、放電部を高純度セラミックスで覆った
半導体製造用のオゾン発生器を用い、O3 は温度が高い
と分解しやすいために、放電部の温度を下げることによ
ってO3 濃度を上げることができる。例えば、5℃の水
で冷やすと15℃の水で冷却したときに比較して最高オ
ゾン濃度は20%にも達する。また、液体窒素温度に冷
却された吸着剤、例えば、シリカゲルに放電管に接続し
た純酸素を流し、O3 のみを吸着濃縮することで、10
0%近いO3 を補足することが可能となる。この補足さ
れた液体O3 を慎重に温度を上昇させながら、キャリヤ
ーガスを流していけば、途中の損失を含めてもO3 濃度
50%ガスを作成することが可能となる。
【0025】また、高濃度オゾン下で紫外線照射を併用
すると、さらに下記式(5)のとおり、オゾンの分解が
促進される。安定的にオゾンを分解して酸素原子濃度を
高濃度に維持するためにはオゾンを分解する紫外線を照
射して、光定常状態(photostaitionary state)を作り
出せばよく、具体的には、特願平2−88057号に開
示されている方法によって行うことができる。 O3 +紫外線→O2 +O (5)
【0026】また、本発明で使用する有機シラン化合物
としては、例えば、TEOS(テトラエトキシシラ
ン)、テトラメトキシ−、テトラプロポキシ−、テトラ
ブトキシ−シラン化合物等のアルコキシル基を有する化
合物が挙げられる。また、この有機シラン化合物ととも
に、リフローガラスであるPSG,BPSG用のドーピ
ングガスであるトリメチルボレート(B(OC
3 3 )、トリメチルフォスフェイト(PO(C
3 3 )、トリメチルフォスファイト(P(OC
3 3 )などの有機ボロン、有機リン化合物などを有
機シラン化合物に添加することができる。これらの化合
物の分解が酸素原子のアタックにより分解することから
有機シラン化合物単独の時と同じく反応促進効果が得ら
れる。
【0027】この有機シラン化合物の使用量は、後記の
図4に示す装置における有機シラン化合物気化器へのガ
ス流量で、通常、1.5〜6リットル/分程度であり、
好ましくは2〜4リットル/分程度である。
【0028】本発明の方法において、CVD装置内の反
応雰囲気圧力は、通常、1気圧でよいが、高濃度オゾン
で成膜する方法では、低圧であっても何ら支障はない。
むしろ、圧力が高いと分解生成した酸素原子が酸素分子
と反応することにより、酸素原子と有機シランとの反応
の効率が低下することになる。しかし、それを補うため
に、基板の温度を上昇させてやればよい。基板の温度
は、例えば、350〜430℃程度、好ましくは380
〜410℃程度に調整される。
【0029】本発明の方法を実施するためのオゾンと有
機シラン化合物の反応によるCVD酸化膜の製造装置
は、有機シラン化合物気化器と、基板を保持しそれを加
熱する機構を持ち、供給されるガスを反応分解して基板
上に成膜する装置であって、供給するオゾン濃度が9%
以上になるオゾン発生機構を有する装置を具備した装置
である必要がある。この装置において、オゾンの濃度を
厳密に管理するためには、オゾン発生器を通過したガス
を紫外部の吸収強度を測定してオゾン濃度を観測すれば
よい。ここで、図2に典型的なオゾンの紫外部の吸収ス
ペクトルを示す。低圧水銀灯の波長2537Aの輝線を
光源とする吸収分光法は、安価で容易に正確にオゾンの
濃度を決定することができる。ところが、反応器中で有
機シラン化合物とオゾンが共存するときは、その反応生
成物が波長2537Aのスペクトルの吸収の測定を妨害
する場合がある。その時には赤外吸収を使うことができ
る。図3に典型的なオゾンの赤外吸収スペクトルを示
す。
【0030】次に、図4に示す、本発明の絶縁膜の形成
装置の一実施態様に基づいて、本発明の方法および装置
について説明する。
【0031】図4に示す装置は、FT−IRを用いて成
膜中のO3 濃度を測定しながら絶縁膜を形成する装置で
ある。この装置は、基板1を保持し、加熱する基板保持
台2が内部に配設された反応容器3と、有機シラン化合
物を供給する有機シラン化合物気化器4と、O2 供給口
5から供給されるO2 をオゾン化するオゾン発生器6
と、反応容器3内のオゾン濃度を測定するためのFT−
IR装置7とから基本的に構成されるものである。
【0032】基板保持台2は、基板1を上部に載置して
保持するとともに、基板1を加熱するための加熱手段を
有するものである。
【0033】また、有機シラン化合物気化器4は、油浴
8に配設された有機シラン化合物槽9とを有するもので
ある。この有機シラン化合物気化器4において、有機シ
ラン化合物槽9内の有機シラン化合物は、油浴8によっ
て加熱されるとともに、N2供給口10に連結されたN
2 導入口11から、キャリヤーガスとして供給されるN
2 によって、気体として流通経路12を通って反応容器
3内に供給される。
【0034】オゾン発生器6は、O2 供給口5から供給
されるO2 をオゾン化する装置である。このオゾン発生
器6によって処理されたO2 は、高濃度のオゾンを含
み、流通経路13を通って反応容器3内に供給される。
【0035】FT−IR装置7は、反応容器3内のオゾ
ン濃度を逐次測定するための装置であり、随時、反応容
器3内の反応混合気体を採取して、赤外吸収スペクトル
を測定し、オゾン濃度を測定する装置である。このFT
−IR装置7によるオゾン濃度の測定は、得られる赤外
吸収スペクトルについて、特性吸収ピークについて予め
作成しておいた検量線によって、オゾン濃度を求めるこ
とができる。
【0036】なお、図4中、141 、142 、143
144 、145 、146 、147 、148 、149 、1
10、1411、1412、1413、1414および14
15は、各流通経路における流通量等を調節するための調
節弁である。また、15は、活性炭吸着剤により、排ガ
ス中の未反応物を吸着して除去する装置であり、フィル
ター16はポンプ17への粒子の混入を防止するために
配設されており、圧力コントローラー18は熱CVD条
件の圧力を所定の圧力に調整するものである。
【0037】この図4に示す装置において、有機シラン
化合物気化器4から供給される有機シラン化合物と、オ
ゾン発生器6から供給されるオゾンとが、反応容器3内
において、気相反応あるいは基板上で反応して基板1上
に酸化膜として絶縁層が形成される。このとき、反応容
器3内に供給される有機シラン化合物とオゾンの量、お
よびその割合は、調節弁141 〜149 を調節すること
によって所望の状態に調整することができる。また、F
T−IR装置7によって反応容器3内のオゾン濃度を逐
次測定し、この測定値にしたがって、オゾン濃度を9%
以上に保つことができる。
【0038】
【作用】次に、本発明の方法によって、優れた酸化膜が
得られる理由について考察してみる。なお、以下の説明
においては、有機シラン化合物の具体例としてTEOS
を例にとり、説明を行う。まず、TEOSのオゾンによ
る分解は、オゾンが分解することにより発生するO原子
が、TEOSを分解することにより、CVD酸化膜が発
生する。 O3 →O2 +O (6)
【0039】TEOSはオゾンから発生する酸素原子と
反応し、下式(7)のように、段階的に分解されるが、
オゾンの分解から発生する酸素原子により反応が促進さ
れ、TEOSの分解が最終ポイントまで進むことにな
る。下式(7)に示すように、一連の反応で最終ポイン
トまで反応が進まないときに、Si(OC2 5 3
Si(OC2 5 2 、SiOC2 5 などを含む炭素
・水素の中間体が膜中に取り込まれ、膜中の残留炭素、
水素の濃度があがり、膜質の低下につながると考えられ
る。 Si(OC2 5 4 →Si(OC2 5 3 →Si(OC2 5 2 →SiOC2 5 →SiOX (7)
【0040】すなわち、形成した膜の膜質が優れている
か否かは、膜中の不純物の濃度が低いか、高いかにあ
る。膜中に不純物として取り入れられるものとしては、
水素、炭素原子が考えられる。したがって、TEOS中
のエトキシ基(−OC2 5 )が完全に膜中から脱離し
てSi−Oのネットワークが形成できれば、高品質の熱
酸化膜に近い膜質が得られることになる。このことは、
オゾン−TEOSの反応で、TEOSが完全分解する終
点近くまで進んだことになり、成膜後の後工程で反応が
さらに進むことがなく、高温でのアニール後に膜質が大
きく異なるものとなることはない。通常のオゾン−TE
OS合成薄膜では、前記のとおり、クラックの発生が避
けられないが、この主たる原因は、成膜後の膜中に水素
がSi−H、Si−OHの形で残り、また炭素原子も残
っており、成膜後の後工程の加熱時に水、メタン、C
O、CO2 等の不純物を生成しながら、膜の緻密化が進
行することによるものであり、本発明は成膜時に反応を
完全に進行させるために、このクラック発生の原因を除
去することが可能となる。高濃度にオゾンが存在する
と、反応活性な酸素原子が膜に残っている水素、炭素と
反応してOHや含炭素化合物を生成してガス成分として
気相に放出され、ポンプにより成膜チャンバーから排気
されることになる。
【0041】ここで、本発明の原理を反応速度を使って
説明する。 O3 +M→O2 +O (8) この純粋な熱分解反応式(8)の反応速度定数k1 は文
献によれば 7.65×10-9exp(−24000/RT) cm3 molecule-1sec-1 である(S.W.BENSON, “FOUNDATION OF CHEMICAL KINET
ICS" , WILEY, 1960, NEW YORK)。
【0042】酸素原子との反応性の大きいTEOSが高
濃度に存在すれば、下式(9)に示される、酸素原子と
オゾンの反応や、酸素原子同士の再結合反応(11)の
寄与は小さく、分解生成した酸素原子はことごとくTE
OSの分解に費やされることになる。 O3 +M→O2 +O (8) O+O3 →O2 +O2 (9) O+O2 +M→O3 +M (10) O+O+M→O2 (11)
【0043】従って、(1)により分解するO3 の分解
速度は d〔O3 〕/dt=−k1 〔O3 〕〔M〕 となる。ここでMは第3体である。
【0044】反応式(8)は2分子反応であるが、反応
を1気圧下で行わせるとして、オゾンの分解の擬単分子
分解反応はk1 とその温度でのガス単位体積中に含まれ
る分子の数との積で表される。それを擬1次反応速度定
数k′1 とすると、下式のように、 d〔O3 〕/dt=−k1 〔O3 〕〔M〕=k′1 〔O3 〕 となり、任意の時間tのO3 濃度は下式(12)で示す
ことができる。
【0045】 〔O3 〕=〔O3 0 exp(−k′1 t) (12) このとき、酸素原子濃度に注目すれば、 〔O〕=〔O3 0 −〔O3 〕 =〔O3 0 (1−exp(−k′1 t)) (13) となる。すなわち、任意の時間tにおける酸素原子の濃
度はO3 の初期濃度(〔O3 0 )に比例することにな
る。すなわちO3 の初期濃度が大きければ大きいほど生
成する酸素原子の濃度が大きくなる。そこで、各温度で
の擬1次反応速度定数k′1 を計算してみると、表1の
ようになる。
【0046】
【0047】この表1の計算結果によれば、オゾンの分
解反応は温度依存性の極めて大きな反応であることが明
らかである。従来技術では基板温度として400℃を中
心とする温度が使われてきているが、本発明で明らかに
する高濃度オゾンの条件下では従来温度と同じか、それ
以下の温度で良質の膜が形成できる。逆に、温度の高い
時は基板表面の反応よりも、気相中の反応が重要になり
好ましい結果にならない。例えば、式(13)を使え
ば、1ミリ秒でもガス温度が450℃になればO3 の9
9%近くが分解してしまうことになる。この時は、気相
中に、酸素原子の発生が起こり気相でのTEOSの分解
が促進され、気相でのパーティクルの発生や、それが基
板上に沈着することにより成膜表面の凹凸を発生させる
ことが予想される。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により本
発明を具体的に説明する。
【0049】(実施例1〜2)各例において、6インチ
p−型(15Ω)Siウエーハを、予め、(H2 2
NH4 OH)と(H2 2 +HCl)で洗浄した。ま
た、ウエーハにはあらかじめフォトエッチングを行い、
L/Sが0.3〜0.8μmまでのポリ−Siのライン
を切っている。スペクトル比は2.5〜1までになるよ
うにしている。このウエーハを基板として、図4に示す
構成の装置で表2に示す条件で絶縁層を形成した。得ら
れた絶縁層について、下記の方法にしたがって、成膜速
度、エッチレート、シュリンケージ、応力、リーク電
流、ステップカバリッジ、膜中水素およびクラックの発
生(1.1 μm成膜時)を測定した。結果を表2に示す。
【0050】成膜速度 膜厚はエリプソメータで測定を行った。 エッチレート 100:1のバッファHFを使いエッチングレートを測
定した。 シュリンケージ シュリンケージは成膜後に800℃、60秒間のアニー
ルを行い、その後の膜厚を測定して減少量を算出して、
決定した。 応力 応力は6インチウエーハにべたで成膜し、光天秤法で測
定した。 リーク電流 酸化膜形成後、面積1mm2 のアルミ電極を形成して、
MISダイオードとしてアルミ電極−基板間に流れる電
流をエレクトロメータで測定する。 ステップカバリッジ 成膜後に破断面のSEM観察による。 段差側壁膜厚(S)と段差上膜厚(T)との比S/Tを
算出した。 膜中水素 Si基板に成膜後にFTIRを使用して膜中の水素を測
定した。
【0051】(比較例1)表1に示すとおり、従来技術
として利用されている一般的な条件下での合成条件にし
たがって、絶縁層を形成し、その成膜速度、エッチレー
ト、シュリンケージ、応力、リーク電流、ステップカバ
リッジ、膜中水素およびクラックの発生(1.1 μm成膜
時)を測定した。結果を表2に示す。
【0052】
【0053】以上のように、比較例に対して本発明の実
施例1および2の結果を比べると、成膜速度とステップ
カバリッジは上昇し、エッチレート、シュリンケージ、
応力、リーク電流、ステップカバリッジ、膜中水素は減
少し、比較例ではクラックの発生が見られたのに対し、
実施例ではクラックの発生が認められなかった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、LSI製造で重要な層
間絶縁膜の形成材料として、ステップカバリッジ、リフ
ロー特性の優れている特性から注目されているTEOS
などの有機シランとオゾンの反応で形成するCVD法
で、オゾンを従来使われてきていた濃度よりも大きくす
ることにより、成膜速度とステップカバリッジは上昇
し、エッチレート、シュリンケージ、応力、リーク電
流、ステップカバリッジ、膜中水素は減少し、クラック
の発生が認められない方法が提供される。
【0055】LSIは、ますます集積化が進みデザイン
ルームもサブミクロン、ハーフミクロン、クォータミク
ロンとますます微細化が進行することが予想される。こ
の流れの中で解決されるべき技術上の課題は数多くある
が、層間絶縁膜をその微細化が要求する特性で形成する
技術の開発は急務であった。本発明は良質の層間絶縁膜
を形成する量産技術を提供することにより、LSI産業
の発展に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オゾン−TEOS CVD法による酸化膜の
形成実験におけるオゾンとTEOSの反応状態を示す
図。
【図2】 オゾンの紫外吸収スペクトル。
【図3】 オゾンの赤外吸収スペクトル。
【図4】 本発明の絶縁膜の形成装置の一実施態様を示
す装置構成図。
【図5】 供給オゾン濃度を変化させて成膜を行ったと
きのオゾン濃度と得られたTEOS膜中の水素量との関
係を示す図。
【符号の説明】
1 基板 2 基板保持台 3 反応容器 4 有機シラン化合物気化器 5 O2 供給口 6 オゾン発生器 7 FT−IR装置 8 油浴 9 有機シラン化合物槽 10 N2 供給口 11 N2 導入口 12 流通経路 13 流通経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野 上 毅 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 宮 崎 善 久 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層配線構造を有する半導体装置の絶縁膜
    を、有機シラン化合物とオゾンの化学気相反応により形
    成する方法であって、供給するオゾン濃度を9%以上と
    する絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記有機シラン化合物が、アルコキシル基
    を有する化合物である請求項1に記載の絶縁膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】化学気相反応により基板上に絶縁膜を形成
    する装置であって、基板を保持し加熱する手段と、有機
    シラン化合物気化器と、オゾン発生器とを備え、かつ該
    オゾン発生器から供給されるオゾン濃度を9%以上に調
    整する絶縁膜の形成装置。
JP10411992A 1992-04-23 1992-04-23 絶縁膜の形成方法およびその装置 Withdrawn JPH05299523A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10411992A JPH05299523A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 絶縁膜の形成方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10411992A JPH05299523A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 絶縁膜の形成方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05299523A true JPH05299523A (ja) 1993-11-12

Family

ID=14372243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10411992A Withdrawn JPH05299523A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 絶縁膜の形成方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05299523A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5928428A (en) * 1996-02-23 1999-07-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Apparatus and method for manufacturing a semiconductor device
JP2009044093A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5928428A (en) * 1996-02-23 1999-07-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Apparatus and method for manufacturing a semiconductor device
JP2009044093A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体
JP4524300B2 (ja) * 2007-08-10 2010-08-11 東京エレクトロン株式会社 成膜方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6596343B1 (en) Method and apparatus for processing semiconductor substrates with hydroxyl radicals
US5710079A (en) Method and apparatus for forming dielectric films
TWI738200B (zh) 摻雜碳的矽氧化物的沉積
US7888233B1 (en) Flowable film dielectric gap fill process
US7488693B2 (en) Method for producing silicon oxide film
US8227346B2 (en) Method of producing semiconductor device
JP5401309B2 (ja) ギャップ充填と共形のフィルムの適用のために低k膜を堆積させ硬化する方法
JP6086942B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
WO2011111498A1 (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP2006261434A (ja) シリコン酸化膜の形成方法
JPH03286531A (ja) シリコン酸化膜の形成方法
JP2007109984A (ja) 酸化膜形成方法
JPH05299523A (ja) 絶縁膜の形成方法およびその装置
JP2005197561A (ja) 基板処理装置
US20010036754A1 (en) Film forming method and manufacturing method of semiconductor device
EP0867037A1 (en) Method of forming dielectric films with reduced metal contamination
JP3153644B2 (ja) 薄膜形成方法
JPH06158327A (ja) 薄膜堆積法
JPH05335242A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990706