JPH05299010A - 電界放射装置 - Google Patents
電界放射装置Info
- Publication number
- JPH05299010A JPH05299010A JP4129295A JP12929592A JPH05299010A JP H05299010 A JPH05299010 A JP H05299010A JP 4129295 A JP4129295 A JP 4129295A JP 12929592 A JP12929592 A JP 12929592A JP H05299010 A JPH05299010 A JP H05299010A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- field emission
- electrode
- gate electrode
- supply line
- power supply
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- Pending
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- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電界放射電極とゲート電極の間に微細なちり
が落ち込み両電極がショートし、電子の放射が停止する
のを防ぐことを目的とする。 【構成】 各電界放射電極ごとに、あるいは、隣接する
複数の電界放射電極やゲート電極をそれぞれ分離して配
置し、各ゲート電極および各電界放射電極に電力を供給
するための給電線と、上記各ゲート電極および各放射電
極と給電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶断す
る溶断部を設けた。
が落ち込み両電極がショートし、電子の放射が停止する
のを防ぐことを目的とする。 【構成】 各電界放射電極ごとに、あるいは、隣接する
複数の電界放射電極やゲート電極をそれぞれ分離して配
置し、各ゲート電極および各電界放射電極に電力を供給
するための給電線と、上記各ゲート電極および各放射電
極と給電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶断す
る溶断部を設けた。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、真空領域中に高電界に
よるトンネル効果により電子を放射させる電界放射装置
に関する。
よるトンネル効果により電子を放射させる電界放射装置
に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、半導体素子に利用されている微細
加工技術を用いた電界放射装置が関心を集めている。
（Ｊ．Ａ．Ｐ．４７，Ｎｏ．１２，Ｄｅｃ．１９７６，
ｐ５２４８〜５２６３）。その理由は、広く使用されて
いる熱電子による熱陰極に比べ、電界放射による冷陰極
は、フィラメントが不要で発熱のための電力が不要とな
り、単位面積辺りの電子数が格段に多く、構造が単純で
作り易いなどの優れた特徴を有するためである。
加工技術を用いた電界放射装置が関心を集めている。
（Ｊ．Ａ．Ｐ．４７，Ｎｏ．１２，Ｄｅｃ．１９７６，
ｐ５２４８〜５２６３）。その理由は、広く使用されて
いる熱電子による熱陰極に比べ、電界放射による冷陰極
は、フィラメントが不要で発熱のための電力が不要とな
り、単位面積辺りの電子数が格段に多く、構造が単純で
作り易いなどの優れた特徴を有するためである。
【０００３】図３（ａ）、（ｂ）は従来のこの種の電界
放射装置の一例を示す。図において１は導電性の基板、
２は電界放射電極、３は電界放射電極２との間に電界放
射電極２から電子を引き出す電界を与えるためのゲート
電極、４は電界放射電極２とゲート電極３を絶縁する絶
縁体である。空間を真空状態にし、電界放射電極２とゲ
ート電極３の間に電界放射電極２が負電圧となるように
電圧を加えると、電界が非常に高くなる電界放射電極２
の先端部からトンネル効果により電子が放射され、上部
に配置した陽極（図示していない）に達し、陰極、陽極
間に電流が流れる。この放射された電子を制御すること
により、種々の分野での増幅、発振、発光などに使用で
きる。
放射装置の一例を示す。図において１は導電性の基板、
２は電界放射電極、３は電界放射電極２との間に電界放
射電極２から電子を引き出す電界を与えるためのゲート
電極、４は電界放射電極２とゲート電極３を絶縁する絶
縁体である。空間を真空状態にし、電界放射電極２とゲ
ート電極３の間に電界放射電極２が負電圧となるように
電圧を加えると、電界が非常に高くなる電界放射電極２
の先端部からトンネル効果により電子が放射され、上部
に配置した陽極（図示していない）に達し、陰極、陽極
間に電流が流れる。この放射された電子を制御すること
により、種々の分野での増幅、発振、発光などに使用で
きる。
【０００４】従来、大きな電子流が必要な場合、導電性
の基板１に複数の電界放射電極２を配設し、各電界放射
電極２に対向する位置にそれぞれ円形上の穴を設けたゲ
ート電極３を配置する構造を採ってきた。用途によって
は、数千〜数万個の電界放射電極２を集積して一つの冷
陰極とすることもある。
の基板１に複数の電界放射電極２を配設し、各電界放射
電極２に対向する位置にそれぞれ円形上の穴を設けたゲ
ート電極３を配置する構造を採ってきた。用途によって
は、数千〜数万個の電界放射電極２を集積して一つの冷
陰極とすることもある。
【０００５】図２に示すような構造で、陰極の上部に陽
極を配置し、１０-9torrの真空とし、ゲート電極３と電
界放射電極２との間に１５０Ｖを加えると１ｍＡの陽極
電流が流れる試料によって冷陰極の通電試験を実施した
ところ、２５０時間後にゲート電極２と電界放射電極２
とがショートした。実験を中断して１μＦのコンデンサ
を３０Ｖに充電し両電極間に接続すると、機能が回復し
た。再び同じ条件で通電試験を続行したところ、２００
時間でショートした。この場合も同様の処置をすると再
び機能が回復した。サンプルの中には通電すると直ちに
ショートするものもあったが、このものも同様の処理を
すると機能が回復した。これらのサンプルをＳＥＭで観
測すると、ゲート電極に一部が蒸発してできた穴が見ら
れた。この蒸発はコンデンサの放電電流により起こった
ものと思われ、この現象から、真空容器中および電界放
射装置上に存在する微細なちりが電界放射電極２とゲー
ト電極３の隙間に落ち込みショートするものと思われ
る。この両電極間は数μｍと狭いうえに、強い電界がか
かっているので、ちりが静電気力で引き付けられ、ショ
ートし易く、そのうえちりが一度挟まると容易に離れな
い。
極を配置し、１０-9torrの真空とし、ゲート電極３と電
界放射電極２との間に１５０Ｖを加えると１ｍＡの陽極
電流が流れる試料によって冷陰極の通電試験を実施した
ところ、２５０時間後にゲート電極２と電界放射電極２
とがショートした。実験を中断して１μＦのコンデンサ
を３０Ｖに充電し両電極間に接続すると、機能が回復し
た。再び同じ条件で通電試験を続行したところ、２００
時間でショートした。この場合も同様の処置をすると再
び機能が回復した。サンプルの中には通電すると直ちに
ショートするものもあったが、このものも同様の処理を
すると機能が回復した。これらのサンプルをＳＥＭで観
測すると、ゲート電極に一部が蒸発してできた穴が見ら
れた。この蒸発はコンデンサの放電電流により起こった
ものと思われ、この現象から、真空容器中および電界放
射装置上に存在する微細なちりが電界放射電極２とゲー
ト電極３の隙間に落ち込みショートするものと思われ
る。この両電極間は数μｍと狭いうえに、強い電界がか
かっているので、ちりが静電気力で引き付けられ、ショ
ートし易く、そのうえちりが一度挟まると容易に離れな
い。
【０００６】電界放射装置の実用化には、上記の問題を
解決しなければならない。この解決には、集積回路の製
造工程でよく知られているクリーン化技術により、電界
放射装置と真空容器をダストフリーの状態にすればよい
が、小型の封じ切り真空容器を完全にダストフリーにす
ることは難しく、特に複雑な装置が収容されている場合
にはほとんど不可能である。
解決しなければならない。この解決には、集積回路の製
造工程でよく知られているクリーン化技術により、電界
放射装置と真空容器をダストフリーの状態にすればよい
が、小型の封じ切り真空容器を完全にダストフリーにす
ることは難しく、特に複雑な装置が収容されている場合
にはほとんど不可能である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】図２に示すような構造
の従来の電界放射装置では、真空容器中および電界放射
装置上に存在する微細なちりが一つの電界放射電極とゲ
ート電極間に落ち込むと、電界放射電極とゲート電極が
ショートし、動作が停止するという問題があった。本発
明は上記の問題を解決するためになされたもので、微細
なちりが電界放射電極とゲート電極間に落ち込んでも動
作する電界放射装置を提供することを目的とする。
の従来の電界放射装置では、真空容器中および電界放射
装置上に存在する微細なちりが一つの電界放射電極とゲ
ート電極間に落ち込むと、電界放射電極とゲート電極が
ショートし、動作が停止するという問題があった。本発
明は上記の問題を解決するためになされたもので、微細
なちりが電界放射電極とゲート電極間に落ち込んでも動
作する電界放射装置を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の電界放射装置
は、各電界放射電極ごとにそれぞれ分離したゲート電極
を配置し、ゲート電極に電圧を供給するための給電線と
上記ゲート電極と給電線の間に所定以上の電流が流れた
場合に溶断する溶断部を設けるか、電界放射電極後に電
圧を供給するための給電線と、上記電界放射電極と、給
電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶断する溶断
部を設けたものである。
は、各電界放射電極ごとにそれぞれ分離したゲート電極
を配置し、ゲート電極に電圧を供給するための給電線と
上記ゲート電極と給電線の間に所定以上の電流が流れた
場合に溶断する溶断部を設けるか、電界放射電極後に電
圧を供給するための給電線と、上記電界放射電極と、給
電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶断する溶断
部を設けたものである。
【０００９】
【作用】上記のような構成にすると、電界放射電極とゲ
ート電極がショートした場合、該ゲート電極や電界放射
電極と給電線の間に設けた溶断部が流れる電流で溶断
し、他のゲート電極と電界放射電極との絶縁状態が損な
われない。したがって、瞬間的に電子の放射は止まる
が、溶断部の溶断により電子放射が回復する。切断され
たゲート電極や電界放射電極が動作しないので、電流は
その分だけ減少するが、分割数を多くすれば、減少分は
殆ど無視できる。
ート電極がショートした場合、該ゲート電極や電界放射
電極と給電線の間に設けた溶断部が流れる電流で溶断
し、他のゲート電極と電界放射電極との絶縁状態が損な
われない。したがって、瞬間的に電子の放射は止まる
が、溶断部の溶断により電子放射が回復する。切断され
たゲート電極や電界放射電極が動作しないので、電流は
その分だけ減少するが、分割数を多くすれば、減少分は
殆ど無視できる。
【００１０】
【実施例】図１は本発明の一実施例を示す。図において
２は電界放射電極、３ａは電界放射電極２ごとに配置し
たドーナッツ状のゲート電極、５はゲート電極３ａに電
力を供給する給電線、６はあらかじめ所定以上の電流が
流れると溶断するように設定した溶断部である。あるゲ
ート電極３ａと対応する電界放射電極２間がちりにより
ショートすると、ショートしたゲート電極３ａと給電線
の間に設けた溶断部６が流れる電流によって溶断し、シ
ョートしたゲート電極３ａが他のゲート電極３ａから切
り離され、他のゲート電極には電圧がかかり、電界放射
電極２から電子が放射される。上記構造において、給電
線５の配線及びゲート電極３ａをタングステン（Ｗ）と
し、溶断部６をニッケルクロム合金（ＮｉＣｒ）あるい
はポリシリコンとすることで、容易に所望の結果を得る
ことができた。溶断部６の材料としては、ポリシリコン
などの半導体、ニッケルクロム合金の外に電極材料のタ
ングステン（Ｗ）やモリブデン（Ｍｏ）などの金属でも
よい。なお、上記には各電界放射電極２ごとにゲート電
極３ａを配置した実施例を示したが、隣接する複数の電
界放射電極ごとにゲート電極３ａや溶断部６を配置して
もよい。
２は電界放射電極、３ａは電界放射電極２ごとに配置し
たドーナッツ状のゲート電極、５はゲート電極３ａに電
力を供給する給電線、６はあらかじめ所定以上の電流が
流れると溶断するように設定した溶断部である。あるゲ
ート電極３ａと対応する電界放射電極２間がちりにより
ショートすると、ショートしたゲート電極３ａと給電線
の間に設けた溶断部６が流れる電流によって溶断し、シ
ョートしたゲート電極３ａが他のゲート電極３ａから切
り離され、他のゲート電極には電圧がかかり、電界放射
電極２から電子が放射される。上記構造において、給電
線５の配線及びゲート電極３ａをタングステン（Ｗ）と
し、溶断部６をニッケルクロム合金（ＮｉＣｒ）あるい
はポリシリコンとすることで、容易に所望の結果を得る
ことができた。溶断部６の材料としては、ポリシリコン
などの半導体、ニッケルクロム合金の外に電極材料のタ
ングステン（Ｗ）やモリブデン（Ｍｏ）などの金属でも
よい。なお、上記には各電界放射電極２ごとにゲート電
極３ａを配置した実施例を示したが、隣接する複数の電
界放射電極ごとにゲート電極３ａや溶断部６を配置して
もよい。
【００１１】図２は本発明の他の実施例を示す。図にお
いて図１、図３の同一符号は同一又は相当するものを示
し、７は絶縁性の基板である。電界放射電極２に電力を
給電する給電線５と溶断部６を絶縁性の基板上に配置し
てから、絶縁体４とゲート電極３を配置したものであ
る。あるゲート電極３と対応する電界放射電極２間がち
りによりショートするとショートした電界放射電極２と
給電線５の間に設けた溶断部６が流れる電流によって溶
断し、ショートした電界放射電極２が他の電界放射電極
３から切り離され、他の電界放射電極２には再び電圧が
かかり、電子放射が行なわれる。
いて図１、図３の同一符号は同一又は相当するものを示
し、７は絶縁性の基板である。電界放射電極２に電力を
給電する給電線５と溶断部６を絶縁性の基板上に配置し
てから、絶縁体４とゲート電極３を配置したものであ
る。あるゲート電極３と対応する電界放射電極２間がち
りによりショートするとショートした電界放射電極２と
給電線５の間に設けた溶断部６が流れる電流によって溶
断し、ショートした電界放射電極２が他の電界放射電極
３から切り離され、他の電界放射電極２には再び電圧が
かかり、電子放射が行なわれる。
【００１２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ちりによる局部的なショートが発生しても、ショートし
たゲート電極や電界放射電極が他のゲート電極や電界放
射電極から切り離され、機能が回復し、電子放射が継続
されるという効果がある。
ちりによる局部的なショートが発生しても、ショートし
たゲート電極や電界放射電極が他のゲート電極や電界放
射電極から切り離され、機能が回復し、電子放射が継続
されるという効果がある。
【図１】本発明の一実施例を示す説明図である。
【図２】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図３】従来のこの種の電界放射装置の一例を示す断面
図、平面図である。
図、平面図である。
１ 導電性の基板 ２ 電界放射電極 ３、３ａ ゲート電極 ４ 絶縁体 ５ 給電線 ６ 溶断部 ７ 絶縁性の基板
Claims (3)
- 【請求項１】 基板上に配置した電界放射電極と、絶縁
体を介して配置したゲート電極によって電界を形成し、
上記電界放射電極の先端からトンネル効果により電子を
放射させる電界放射装置において、 各電界放射電極ごとに、あるいは、隣接する複数の電界
放射電極ごとにそれぞれ分離したゲート電極を配置し、
ゲート電極に電圧を供給するための給電線と、上記ゲー
ト電極と給電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶
断する溶断部を設けたことを特徴とする電界放射装置。 - 【請求項２】 基板上に配置した電界放射電極と絶縁体
を介して配置したゲート電極によって電界を形成し、上
記電界放射電極の先端からトンネル効果により電子を放
射させる電界放射装置において、 各電界放射電極ごとに、あるいは、隣接する複数の電界
放射電極ごとに電圧を供給するための給電線と、上記電
界放射電極と給電線の間に所定以上の電流が流れた場合
に溶断する溶断部を設けたことを特徴とする電界放射装
置。 - 【請求項３】 電界放射電極およびゲート電極に電圧を
供給するための給電線と、上記電界放射電極およびゲー
ト電極と給電線の間に所定以上の電流が流れた場合に溶
断する溶断部を設けた請求項１、２記載の電界放射装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4129295A JPH05299010A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 電界放射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4129295A JPH05299010A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 電界放射装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05299010A true JPH05299010A (ja) | 1993-11-12 |
Family
ID=15006042
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4129295A Pending JPH05299010A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 電界放射装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05299010A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7795795B2 (en) | 2007-04-02 | 2010-09-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Electron beam apparatus having an electrode with high temperature portion |
-
1992
- 1992-04-23 JP JP4129295A patent/JPH05299010A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7795795B2 (en) | 2007-04-02 | 2010-09-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Electron beam apparatus having an electrode with high temperature portion |
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