JPH05297525A - 細径パトローネ用アダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 細径パトローネをＪＩＳ１３５型パトローネ
に合わせて設計されたカメラに使用する際に、細径パト
ローネのフィルム引出口から引き出されたフィルムが蛇
行しないようにすることができる細径パトローネ用アダ
プタを提供する。 【構成】 細径パトローネ１０に装着されたアダプタ２
０をカメラ３０のパトローネ室３１０に収納したとき
に、アダプタ２０の係合片２１７が細径パトローネ１０
の凹部１９０に係合し、また、アダプタ２０の一方の端
部２１０Ａが、カメラ３０のフィルムガイド３１７に連
なるパトローネ室３１０の内周壁３１１部分に当接し
て、アダプタ２０の引出口２１５がフィルムガイド３１
７のパトローネ室３１０側の端部３１７Ａに臨むように
位置決めされるようにし、細径パトローネ１０のフィル
ム引出口１７０が前記フィルムガイド３１７の端部３１
７Ａに向くように位置決めされる構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラのパトローネ室
よりも細径の細径パトローネに装着される細径パトロー
ネ用アダプタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カメラの小型化等を図るため、従来一般
に用いられているＪＩＳ１３５型パトローネよりも細い
径の細径パトローネを用いることが考えられる。そし
て、従来のＪＩＳ１３５型パトローネに合わせて設計さ
れたカメラにこのような細径パトローネをセットする場
合には、その大きさの差異に対処するためサイズ補正用
のアダプタを用いることが考えられる。

【０００３】ところで、例えばカメラにおいては、パト
ローネから引き出されたフィルムをガイドするフィルム
ガイドが、パトローネ室の開口端に連通して設けられて
いる。そして、従来のＪＩＳ１３５型パトローネに合わ
せて設計されたカメラの場合には、ＪＩＳ１３５型パト
ローネをパトローネ室に収納したときに、ＪＩＳ１３５
型パトローネのフィルム引出口の向きがフィルムガイド
の延在方向に一致するように、パトローネ室に収容され
たＪＩＳ１３５型パトローネが位置決めされるようにな
っている。

【０００４】このため、従来のＪＩＳ１３５型パトロー
ネに合わせて設計されたカメラのパトローネ室にＪＩＳ
１３５型パトローネを収納した場合には、ＪＩＳ１３５
型パトローネのフィルム引出口から引き出されてフィル
ムガイドに搬送されるフィルムが蛇行することがなく、
よって、フィルムに曲げ等が発生してフィルムの平面性
が損なわれたり、フィルムの引き出し或は巻き戻しに必
要な力が増大したり、フィルム面に傷が入るといった不
具合が発生するのを防止することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のＪＩＳ１３５型パトローネに合わせて設計され
たカメラのパトローネ室に、サイズ補正用のアダプタを
用いて細径パトローネを収納する場合、パトローネ室に
突出する巻戻用フォークの位置は不変であるため、細径
パトローネのフィルム引出口とＪＩＳ１３５型パトロー
ネのフィルム引出口とでは、パトローネ室内における位
置が当然異なってしまう。

【０００６】このため、細径パトローネにサイズ補正用
のアダプタを装着して従来のＪＩＳ１３５型パトローネ
に合わせて設計されたカメラに使用する場合には、細径
パトローネのフィルム引出口からから引き出されてフィ
ルムガイドに搬送されるフィルムが蛇行しないようにす
ることが必要である。

【０００７】本発明は上述の点に着目してなされたもの
で、細径パトローネをＪＩＳ１３５型パトローネに合わ
せて設計されたカメラに使用する際に、細径パトローネ
のフィルム引出口から引き出されたフィルムが蛇行しな
いようにすることができる細径パトローネ用アダプタを
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、カメラのフィルムガイドに連通する該カメ
ラのパトローネ室へ、細径パトローネと共に収納される
細径パトローネ用アダプタであって、前記細径パトロー
ネ用アダプタは、前記細径パトローネと共に前記カメラ
のパトローネ室に収納された状態で、前記細径パトロー
ネのフィルム引出口が前記フィルムガイドの前記パトロ
ーネ室側の端部を向くように、前記細径パトローネを保
持していることを特徴とする。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図１は細径パトローネとこれに装着される
本発明の第１実施例による細径パトローネ用アダプタと
の概略構成を示す斜視図である。

【００１０】図１において１０は細径パトローネであ
る。この細径パトローネ１０の外形は、従来より提供さ
れているＪＩＳ１３５型パトローネ（図示せず）よりも
小さい径で形成されており、その巻き軸１３は、ＪＩＳ
１３５型パトローネと同一径で形成されている。また、
細径パトローネ１０の外周１１０には、フィルム感度等
の情報を電気的な通電、非通電によりコード化したフィ
ルム情報接点１３０と、前記フィルム感度や何枚撮りの
フィルムであるかといった情報等が文字で印刷された表
示部１５０と、フィルム引出口１７０とが設けられてお
り、フィルム引出口１７０に連なる外周１１０部分には
凹部１９０が形成されている。

【００１１】一方、図１において２０は、細径パトロー
ネ１０の外周１１０に装着される細径パトローネ用アダ
プタ（以下、アダプタと略記する）であり、細径パトロ
ーネ１０とＪＩＳ１３５型パトローネとを併用するユー
ザを対象とし、細径パトローネ１０に装着した後に後述
のカメラ３０のパトローネ室３１０に収納する形態で使
用される。このアダプタ２０は、可撓性を有する例えば
樹脂等により形成され断面略Ｃ字状の筒形を呈してお
り、その内径は細径パトローネ１０の外径より若干小さ
めに形成されている。

【００１２】また、アダプタ２０の周方向の両端部２１
０Ａ，２１０Ｂは外方に向けて延出しており、この延出
部分で、細径パトローネ１０から引き出されたフィルム
１１の引出口２１５を形成している。このうち一方の端
部２１０Ａは、他方の端部２１０Ｂと略平行となるよう
に外方へ向けて屈曲されており、この屈曲部分における
アダプタ２０の内周面２５０には係合片２１７が突設さ
れている。そして、各端部２１０Ａ，２１０Ｂの他方の
端部に面する内面部分２１１には、細径パトローネ１０
のフィルム引出口１７０から引き出されたフィルム１１
のフィルム面における撮影可能領域外である両側部１２
に当接可能なガイドレール２１３が設けられている。

【００１３】図２は、図１のアダプタ２０を細径パトロ
ーネ１０の外周１１０に装着して、このアダプタ２０を
ＪＩＳ１３５型パトローネに合わせて設計されたカメラ
のパトローネ室に収納した状態を示す拡大断面図であ
る。この図２に示すように、カメラ３０のパトローネ室
３１０は断面略Ｕ字状を呈しており、その内周壁３１１
には、ＪＩＳ１３５型パトローネ（図示せず）の外周に
設けられたフィルム情報接点に接触可能なフィルム情報
端子３１３が突設されている。

【００１４】また、パトローネ室３１０の開口を開閉す
るカメラ３０の裏蓋３３０には窓３３１と圧板３３３と
が設けられている。この窓３３１は、不図示のＪＩＳ１
３５型パトローネの外周に印刷されたフィルム感度や何
枚撮りのフィルムであるかといった情報等の表示部分
を、カメラ３０の外側から見ることができるようにする
ためのもので、ＪＩＳ１３５型パトローネをパトローネ
室３１０に収納したときに、その外周の表示部分が臨む
裏蓋３３０部分に設けられている。さらに、カメラ３０
のパトローネ室３１０に連通し裏蓋３３０の圧板３３３
と対向する部分には、当該箇所を通過するフィルムのフ
ィルム面における撮影可能領域外である両側部に摺接可
能なフィルムガイド３１７が設けられている。

【００１５】このような構成のパトローネ室３１０に収
納される前記アダプタ２０の外周面２３０には図２に示
すように、カメラ３０のフィルム情報端子３１３に接触
可能な連絡接点２３１が設けられている。また、アダプ
タ２０の内周面２５０には図２に示すように、アダプタ
２０を装着した細径パトローネ１０のフィルム情報接点
１３０に接触可能な連絡端子２５１が設けられており、
この連絡端子２５１と連絡接点２３１との間は図２に示
すようにリード部２５３によって電気的に接続されてい
る。

【００１６】さらに、図２に示すようにアダプタ２０に
は、カメラ３０の裏蓋３３０の窓３３１と細径パトロー
ネ１０の表示部１５０との間に位置する部分に、アダプ
タ２０の外周面２３０から内周面２５０に貫通する連絡
窓２７０が設けられている。そして、この連絡窓２７０
とカメラ３０の窓３３１とを介して、カメラ３０の外側
から細径パトローネ１０の表示部１５０の表示を見るこ
とができるようにしている。

【００１７】加えて、アダプタ２０の内周面２５０には
図２に示すように、連絡窓２７０の回りを囲むように、
モルトプレーン等の弾性材料からなる遮光部材２５５が
設けられており、細径パトローネ１０にアダプタ２０を
装着したときに、遮光部材２５５が細径パトローネ１０
の外周１１０における表示部１５０の周囲部分に圧接さ
れるようにしている。

【００１８】そして、この遮光部材２５５により、カメ
ラ３０の窓３３１やアダプタ２０の連絡窓２７０に入射
される光を遮光して、細径パトローネ１０から引き出さ
れたフィルム１１が感光されないようにすると共に、ア
ダプタ２０の内周面２５０と細径パトローネ１０の外周
１１０との間の滑りを防止するようにしている。

【００１９】以上説明した構成による本実施例のアダプ
タ２０を使用する際には、アダプタ２０の両端部２１０
Ａ，２１０Ｂの間隔を若干広げて内径を大きくした状態
で細径パトローネ１０を内部に挿入し、細径パトローネ
１０の外周１１０に装着する。そして、細径パトローネ
１０に装着されたアダプタ２０をカメラ３０のパトロー
ネ室３１０に収納する。

【００２０】このとき、アダプタ２０の係合片２１７が
細径パトローネ１０の凹部１９０に係合され、また、ア
ダプタ２０の一方の端部２１０Ａが、カメラ３０のフィ
ルムガイド３１７に連なるパトローネ室３１０の内周壁
３１１部分に当接されて、アダプタ２０の引出口２１５
がフィルムガイド３１７のパトローネ室３１０側の端部
３１７Ａに臨むように位置決めされる。

【００２１】このように、第１実施例のアダプタ２０に
よれば、細径パトローネ１０に装着されたアダプタ２０
をカメラ３０のパトローネ室３１０に収納すると、アダ
プタ２０の引出口２１５がフィルムガイド３１７のパト
ローネ室３１０側の端部３１７Ａに臨むように位置決め
される。このため、細径パトローネ１０のフィルム引出
口１７０が前記フィルムガイド３１７の端部３１７Ａに
向くように位置決めされ、フィルム引出口１７０から引
き出されたフィルム１１を蛇行させずにフィルムガイド
３１７へ搬送させることができ、よって、フィルムに曲
げ等が発生するのを防止してフィルムの平面性を保つこ
とができると共に、フィルムの引き出し或は巻き戻しに
必要な力が増大したりフィルム面に傷が入るといった不
具合の発生を防止することができる。

【００２２】次に、本発明の第２実施例について説明す
る。図３は本発明の第２実施例による細径パトローネ用
アダプタと、細径パトローネ及びＪＩＳ１３５型パトロ
ーネに合わせて設計されたカメラのパトローネ室との概
略構成を示す斜視図、図４は図３のカメラに細径パトロ
ーネ用アダプタを収納した状態を示す拡大断面図であ
り、図３及び図４中図１及び図２と同一の要素には、図
１及び図２で付したものと同一の引用符号を付しその説
明を省略する。

【００２３】図３のアダプタ２０は、細径パトローネ１
０のみを継続的に使用するＪＩＳ１３５型パトローネ対
応のカメラのユーザを対象とし、カメラ３０のパトロー
ネ室３１０に常時収納して細径パトローネ１０のみを出
し入れする形態で使用される。

【００２４】そして、図３において２３３は、アダプタ
２０の外周面２３０に突設された、モルトプレーン等の
弾性材料からなる滑り止め部材であり、図４に示すよう
に、アダプタ２０をカメラ３０のパトローネ室３１０に
収納したときに、このパトローネ室３１０の内周壁３１
１に圧接されるようにしている。また、図３において２
３５は、アダプタ２０の外周面２３０に形成された溝部
であり、この溝部２３５によりアダプタ２０を一部薄肉
にしてヒンジ部２９０を形成している。

【００２５】このため、図３のアダプタ２０はヒンジ部
２９０を介して、断面略Ｕ字状のパトローネ収納部２２
０と開閉蓋部２４０との２つの部分に分割され、開閉蓋
部２４０はヒンジ部２９０においてパトローネ収納部２
２０に対し開閉可能とされている。

【００２６】さらに、図３において２６１は、パトロー
ネ収納部２２０の下端２６０に形成された凹部であり、
アダプタ２０をカメラ３０のパトローネ室３１０に収納
する際に、パトローネ室３１０の巻き戻しフォーク３１
５がアダプタ２０に当たって収納動作の邪魔にならない
ように、巻き戻しフォーク３１５に対応して形成されて
いる。

【００２７】以上説明した構成による本実施例のアダプ
タ２０を使用する際には、パトローネ収納部２２０の凹
部２６１をパトローネ室３１０の巻き戻しフォーク３１
５の位置に合わせて、アダプタ２０のパトローネ収納部
２２０をカメラ３０のパトローネ室３１０に挿入、収納
し、図４中の想像線で示すようにアダプタ２０の開閉蓋
部２４０を開けてパトローネ収納部２２０に細径パトロ
ーネ１０を収納し、図４中の実線で示すように開閉蓋部
２４０を閉じる。

【００２８】このとき、第１実施例のアダプタ２０と同
様に、アダプタ２０の一方の端部２１０Ａが、カメラ３
０のフィルムガイド３１７に連なるパトローネ室３１０
の内周壁３１１部分に当接され、また、アダプタ２０の
係合片２１７が細径パトローネ１０の凹部１９０に係合
されて、アダプタ２０の引出口２１５がフィルムガイド
３１７のパトローネ室３１０側の端部３１７Ａに臨むよ
うに位置決めされる。尚、係合片２１７は、細径パトロ
ーネ１０の装着に支障がないように、アダプタ２０の下
端２６０側に設けてある。

【００２９】このため、第２実施例のアダプタ２０によ
っても第１実施例のアダプタ２０と同様に、細径パトロ
ーネ１０のフィルム引出口１７０が前記フィルムガイド
３１７の端部３１７Ａに向くように位置決めされ、フィ
ルム引出口１７０から引き出されたフィルム１１を蛇行
させずにフィルムガイド３１７へ搬送させることがで
き、よって、フィルムに曲げ等が発生するのを防止して
フィルムの平面性を保つことができると共に、フィルム
の引き出し或は巻き戻しに必要な力が増大したりフィル
ム面に傷が入るといった不具合の発生を防止することが
できる。

【００３０】尚、第１及び第２実施例において、アダプ
タ２０に対して細径パトローネ１０を位置決めする手段
は、本実施例で示したものに限定されず、例えば、細径
パトローネ１０のフィルム引出口１７０部分の外周１１
０をアダプタ２０の他方の端部２１０Ｂ側の内面部分２
１１に当接させ、この状態で例えば遮光部材２５５によ
り、アダプタ２０に対する細径パトローネ１０の径方向
への滑りを防止させることによってもよい。

【００３１】また、カメラ３０のパトローネ室３１０に
対するアダプタ２０の位置決めについても同様で、パト
ローネ室３１０やその周辺の凹部又は凸部に係合する係
合部をアダプタ２０の外周面２３０に設けることで位置
決めを行うようにしてもよい。

【００３２】

【発明の効果】上述したように本発明によれば、カメラ
のフィルムガイドに連通する該カメラのパトローネ室
へ、細径パトローネと共に収納される細径パトローネ用
アダプタであって、前記細径パトローネ用アダプタは、
前記細径パトローネと共に前記カメラのパトローネ室に
収納された状態で、前記細径パトローネのフィルム引出
口が前記フィルムガイドの前記パトローネ室側の端部を
向くように、前記細径パトローネを保持する構成とし
た。このため、細径パトローネをＪＩＳ１３５型パトロ
ーネに合わせて設計されたカメラに使用する際に、細径
パトローネのフィルム引出口から引き出されたフィルム
が蛇行しないようにすることができ、よって、フィルム
に曲げ等が発生するのを防止してフィルムの平面性を保
つことができると共に、フィルムの引き出し或は巻き戻
しに必要な力が増大したりフィルム面に傷が入るといっ
た不具合の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】細径パトローネとこれに装着される本発明の第
１実施例による細径パトローネ用アダプタとの概略構成
を示す斜視図である。

【図２】細径パトローネの外周に装着された図１の細径
パトローネ用アダプタをＪＩＳ１３５型パトローネに合
わせて設計されたカメラのパトローネ室に収納した状態
を示す拡大断面図である。

【図３】ＪＩＳ１３５型パトローネに合わせて設計され
たカメラのパトローネ室とこれに収納される本発明の第
２実施例による細径パトローネ用アダプタとの概略構成
を示す斜視図である。

【図４】ＪＩＳ１３５型パトローネに合わせて設計され
たカメラのパトローネ室に図３の細径パトローネ用アダ
プタを収納して細径パトローネを細径パトローネ用アダ
プタに装着した状態を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ 細径パトローネ １７０ 細径パトローネフィルム引出口 ２０ アダプタ（細径パトローネ用アダプタ） ３０ カメラ ３１０ パトローネ室 ３１７ フィルムガイド ３１７Ａ フィルムガイドのパトローネ室側端部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラのフィルムガイドに連通する該カ
   メラのパトローネ室へ、細径パトローネと共に収納され
   る細径パトローネ用アダプタであって、 前記細径パトローネ用アダプタは、前記細径パトローネ
   と共に前記カメラのパトローネ室に収納された状態で、
   前記細径パトローネのフィルム引出口が前記フィルムガ
   イドの前記パトローネ室側の端部を向くように、前記細
   径パトローネを保持している、 ことを特徴とする細径パトローネ用アダプタ。